JP5008449B2 - T型タンディッシュ - Google Patents
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Description
連続鋳造設備のタンディッシュは、アルミナ系介在物等の脱酸生成物や耐火物の剥離によって溶鋼内に混入した外来系介在物を浮上させる機能を有している。
このようなタンディッシュとして、特許文献1に開示されているものがある。
特許文献1のタンディッシュは、取鍋からの溶鋼が装入される注入室と、この注入室の溶鋼を鋳型に装入する分配室とに仕切る仕切堰を有したT型タンディッシュである。この仕切堰には注入室から分配室に溶鋼を流すための湯道が設けられたものとなっている。
そこで、本発明では、分配室内で介在物が十分に浮上できるようにしたT型タンディッシュを提供することを目的とする。
即ち、取鍋から装入された溶鋼を連続的に鋳造する連続鋳造設備に具備されたT型タンディッシュにおいて、前記取鍋からの溶鋼が装入される注入室と、この注入室の前側に配備され且つ注入室の溶鋼を鋳型に装入する分配室と、注入室と分配室とを後前方向に仕切る仕切堰と、仕切堰に設けられて注入室の溶鋼を分配室に流す湯道とを有し、前記仕切堰は次の条件を満たすように形成されている点にある。
発明者は、仕切堰の形状により分配室内で介在物が十分に浮上できる方法について様々な角度から検討を行った。その中で、発明者は、介在物を十分に浮上させるためには、注入室から分配室へと溶鋼を流す過程で溶鋼に発生している乱流状態をなくし、整流状態となった溶鋼を分配室の前壁に衝突させて溶鋼を上昇させることが必要であることに着目した。
そこで、溶鋼の乱流を無くすための湯道の長さを規定すると共に、介在物が浮上するように、整流状態の溶鋼を壁に衝突させて溶鋼に上昇流を発生させる条件を規定した。
反対に湯道から吐出された溶鋼を衝突させることができない場合(溶鋼の速度が遅く且つ分配室の壁までの距離が長い)、上昇流が発生しない虞がある。
まず、発明者は、湯道から吐出した溶鋼の速度を、湯道径、鋳造速度、ストランド数、湯道数を用いて、(n2/n1)・(πk2/Vc’)で表し、湯道から分配室の壁までの距離を、分配室の長さ及び湯道の角度を用いて、d/cosαで表し、湯道から分配室の壁までの距離を溶鋼の速度で割った時間(以降、溶鋼到達時間ということがある)を評価の指標とした。
図1は、本発明の連続鋳造用鋳型を具備した連続鋳造装置を示している。ただし、本発明の連続鋳造用鋳型は図1に示す連続鋳造装置に限定されない。
図1に示すように、連続鋳造装置1は、ブルーム連続鋳造装置又はビレット連続鋳造装置であって、溶鋼2を一時的に貯留するタンディッシュ3と、このタンディッシュ3からの溶鋼2が供給される鋳型4と、この鋳型4により成型された鋳片を引き出すと共に、鋳片をサポートする複数のサポートロール5とを有している。鋳型4の外側には鋳型4内の溶鋼2を電磁攪拌する電磁攪拌装置(M-EMS)6が配置されている。
電磁攪拌装置6は、従来から連続鋳造装置に用いられている一般的なもので、溶鋼2を右旋回(右回り)させたり、溶鋼2を左旋回(左回り)させたりすることができる。
連続鋳造装置1では、転炉や二次精錬設備等から出鋼された溶鋼2を取鍋によってタンディッシュ3まで搬送し、搬送された取鍋内の溶鋼2をタンディッシュ3へ注入後、スライドバルブ8を開くと共に、鋳型4内の溶鋼2を攪拌して溶鋼2を連続的に鋳造することができるようになっている。この連続鋳造装置1では、同じ鋼種の溶鋼2を連続的に数チャージ鋳造したり、鋼種の異なる溶鋼2を連続的に鋳造することができる。
図1〜3に示すように、タンディッシュ3は、取鍋9からの溶鋼2が装入される注入室10と、この注入室10の溶鋼2を鋳型4に装入する分配室11とを備えていて、平面視でT字形状となっている(以降、T型タンディッシュ3ということがある)。T型タンディッシュ3においては、注入室10の幅(左右幅)が分配室11よりも小さく、当該注入室10が分配室11の略左右方向中央側に設けられている。
分配室11の底壁15には、左右方向の中央部が高くなった段差部25が形成されており、段差部25とは異なる非段差部に当該分配室11から鋳型4へ向けて溶鋼2を流すためのノズル孔20,20が2つ設けられている。このノズル孔20に浸漬ノズル7が接続されている。
仕切堰19は矩形状のもので、その下部には注入室10の溶鋼2を分配室11に流すための筒状の複数の湯道23が設けられている。この実施の形態では、仕切堰19には2つの湯道23が設けられているものとなっている。
仕切堰19は次の条件を満たすように形成されている。
なお、実際の操業では、鋳造速度は、ton/minで測定されているため、式(2)により鋳造速度の単位(ton/min)をmm3/secに置き換えた。式(2)の「7.0」は溶鋼2の比重を示している。
溶鋼到達時間Tは、湯道23から吐出した溶鋼2が前壁17に当たるまでの時間のことであり、鋳造速度はノズル孔20から鋳型4へ向けての溶鋼2の速さ(単位時間当たりの量)であり、湯道23の角度αは、湯道23を平面視した際に湯道23の角度を示したものであり、分配室11の長さdは、前壁17の内側から第1後壁18,18の内側までの直線距離であり、湯道径kは湯道23の直径である。湯道23の長さfは、言い換えれば仕切堰19の厚みであり、ストランド数はノズル孔20,20の個数である。
上述した条件は、実験により求めたものである。次に、この実験について説明する。
タンディッシュ3において介在物の浮上を測定することは事実上困難であることから、従来より用いられている水モデルを用いて介在物の浮上の評価を行った。
水モデルとは溶鋼2の代わりに水を用いると共に、介在物の代わりにフロービーズを使用したものである。
一般的に溶鋼2含まれた介在物が溶鋼2から分離して浮上するのは、粒径で大凡60μmとされている(例えば、鉄と鋼;vol73,No12,1987,p216,fig6)ことから、介在物は60μmより大きなものを想定した。
なお、使用する全てのフロービーズの粒径をφ173μmに合わせることは不可能であるため、φ173μmが略中心値となる100〜220μmにふるい分けしたポリエチレン製(エチレン・アクリル酸共合体)のフロービーズを用意した。
図4に示すように、実験に用いたタンディッシュ3(以降、実験用タンディッシュということがある)は、実際のタンディッシュ3の大きさの1/3のものとした。実験用タンディッシュは、フロービーズの動きが分かるように透明な部材(例えば、アクリル板)で形成した。実験用タンディッシュの注入室10の上側には水を注入する流量調整自在な流入弁を設け、これにより取鍋9から溶鋼2を注入することを模擬できるようにした。また、実験用タンディッシュの分配室11には、水を外部へ排出でき且つ当該排出量が調整自在な流出弁を設け、これにより、タンディッシュ3から鋳型4への溶鋼2の装入を模擬できるようにした。流出弁には配管を介してフロービーズ及び排出した水を受けるケースを接続することで、鋳型4へ介在物が混入してしまったか否かを模擬できるようにした。注入室10と分配室11とを連通させる湯道23はパイプで構成した。
湯道角度αは平面視で仕切堰19と直交する前後ラインLと湯道23とのなす角度である。段差部25の高さCは、上方に盛り上がっていない非段差部と段差部25との差のことで、湯道23の高さIは、段差部25から湯道23の中心までの距離である。
実験用タンディッシュを用いた実験においては、流入弁を開いて注入室10内に水を供給すると共に、分配室11の流出弁を開くことで模擬的に鋳造を行った。
図5(b)は、フロービーズが前壁17に当たって浮上を開始し始めた写真であり、前壁17に当たったフロービーズは次第に上昇しているのが分かる。
図5(c)は、フロービーズが上昇している写真であり、浮上したフロービーズは水面に浮いているのが分かる。
表2〜4及び図6に示すように、溶鋼到達時間が40secよりも長いときは、ケース内にフロービーズが流入した(図6の領域A)。このように溶鋼到達時間が非常に長い状態は、図7、8に示すように、例えば、分配室11の長さが非常に長く且つ鋳造速度が遅い場合であり、湯道23から分配室11へと流れ出た水(溶鋼2)が前壁17に到達後に溶鋼2が上昇流とならず、フロービーズ(介在物)を含んだ溶鋼2が流出弁(ノズル)から流出したと考えられる。言い換えれば、溶鋼到達時間が長い場合は、湯道23から分配室11へ流れ出た溶鋼2が前壁17に衝突することが少なく、溶鋼2が上昇流とならない。
本発明は上記の実施の形態に限定されない。
2 溶鋼
3 タンディッシュ
9 取鍋
10 注入室
11 分配室
19 仕切堰
23 湯道
Claims (1)
- 取鍋から装入された溶鋼を連続的に鋳造する連続鋳造設備に具備されたT型タンディッシュにおいて、
前記取鍋からの溶鋼が装入される注入室と、この注入室の前側に配備され且つ注入室の溶鋼を鋳型に装入する分配室と、注入室と分配室とを後前方向に仕切る仕切堰と、仕切堰に設けられて注入室の溶鋼を分配室に流す湯道とを有し、前記仕切堰は次の条件を満たすように形成されていることを特徴とするT型タンディッシュ。
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