JP5007535B2 - 保持装置およびそれを備える撮像装置 - Google Patents

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Description

この発明は、保持装置およびそれを備える撮像装置に関し、より特定的には、撮像対象を撮像空間に対して進退可能に保持する保持装置、およびそれを備える撮像装置に関する。
従来、MRI装置等の撮像装置では、撮像対象を撮像空間に対して進退させて撮像対象の所望の部位の断層画像を撮像している。たとえば特許文献1には、撮像対象である人体が載置される載置台を撮像空間に対して進退させる撮像装置が開示されている。特許文献1の撮像装置では、載置台の移動距離をロータリエンコーダ等を用いた検出手段で検出することによって撮像空間に対する人体の位置を確認している。
また、マウスやラット等の小動物を撮像対象として断層画像を撮像する撮像装置では、撮像対象が動かないように撮像対象を保持しつつ撮像空間に対して進退させる必要がある。そこで、小動物を撮像対象とする撮像装置には、非特許文献1に開示されているような保持装置が用いられる。非特許文献1に開示されている保持装置では、基台上を摺動可能な摺動部材に撮像対象を保持するための保持部材が固定され、摺動部材を人手によって摺動させることで保持部材ひいては撮像対象を撮像空間に対して進退させる。
特開昭63−216554号公報 BRUKER BIOSPIN 社、[online]、2005年、BRUKER BIOSPIN GmBH、[2006年8月1日検索]、インターネット<URL:http://www.bruker-biospin.de/NMR/nmrsoftw/news/almanac2006/pdf/66-69.pdf>
しかし、非特許文献1のような小型の保持装置に、特許文献1のようにロータリエンコーダを設けることは困難であり、小型のロータリエンコーダを用いるとコストが大幅に上昇してしまうという問題があった。
それゆえに、この発明の主たる目的は、撮像空間に対する撮像対象の位置を簡単に確認できかつ低コストに構成できる、保持装置およびそれを備える撮像装置を提供することである。
上述の目的を達成するために、請求項1に記載の保持装置は、撮像対象を撮像空間に対して進退可能に保持する保持装置であって、前記撮像対象を保持する保持部材、前記保持部材を前記撮像空間に対して進退可能に配置する基台、前記保持部材の進退に伴って移動する第1目印、前記第1目印の位置を確認するために前記基台に対して所定の位置に設けられる第2目印、および前記保持部材の周方向への動きを規制する規制部材を備え、前記基台は、前記保持部材の移動方向に延びて前記保持部材が摺動可能に配置される溝と、前記溝を前記溝の幅方向から挟む2つの主面とを有し、前記規制部材は、前記保持部材に設けられかつ前記2つの主面に配置されることを特徴とする
請求項に記載の保持装置は、請求項1に記載の保持装置において、前記規制部材は、前記保持部材に設けられかつ前記溝を跨ぐように前記2つの主面に配置されることによって前記保持部材の周方向への動きを規制することを特徴とする。
請求項に記載の保持装置は、請求項1または2に記載の保持装置において、前記第1目印は前記規制部材に設けられ、前記第2目印は前記基台の前記主面に設けられることを特徴とする。
請求項4に記載の保持装置は、撮像対象を撮像空間に対して進退可能に保持する保持装置であって、前記撮像対象を保持する保持部材、前記保持部材を前記撮像空間に対して進退可能に配置する基台、前記保持部材の進退に伴って移動する第1目印、前記第1目印の位置を確認するために前記基台に対して所定の位置に設けられる第2目印、および前記保持部材を前記撮像空間に対して進退させるための駆動機構を備え、前記基台は、前記保持部材の移動方向に延びる案内溝を有し、前記駆動機構は、前記移動方向に移動可能に前記案内溝に嵌合しかつ前記保持部材に連結される連結部材と、前記移動方向に延びて前記連結部材に固定されるねじ棒と、前記基台に回転可能に位置決めされかつ前記ねじ棒が螺入される操作部材とを含むことを特徴とする。
請求項に記載の保持装置は、請求項に記載の保持装置において、前記操作部材は内部を視認可能に設けられ、前記第1目印は前記ねじ棒の前記操作部材側の端部であり、前記第2目印は前記操作部材に設けられることを特徴とする。
請求項6に記載の保持装置は、請求項1から5のいずれかに記載の保持装置において、前記第1目印の移動距離は前記保持部材の移動距離に正比例し、前記第2目印は所定の間隔で複数設けられることを特徴とする。
請求項に記載の撮像装置は、請求項1からのいずれかに記載の保持装置を備える。
請求項1に記載の保持装置では、保持部材の進退に伴って移動する第1目印の位置を基台に対して所定の位置に設けられる第2目印で確認することによって、撮像空間に対する保持部材の位置ひいては撮像空間に対する撮像対象の位置を確認できる。このように、保持部材の移動距離を自動的に検出する検出手段を用いることなく、第1および第2目印を用いて撮像空間に対する撮像対象の位置を簡単に確認でき、低コストに構成できる。
請求項に記載の保持装置では、保持部材が基台に設けられる溝に摺動可能に配置される。保持部材には溝を跨ぐように基台の2つの主面に配置される規制部材が設けられるので、溝に配置された保持部材が周方向にずれることはない。このように規制部材によって周方向への動きが規制される保持部材を人手によって直接的に移動させることで、構成をより簡素にでき、コストを削減できる。
請求項に記載の保持装置では、規制部材に設けられる第1目印の位置を基台の主面に設けられる第2目印で確認することによって、撮像空間に対する撮像対象の位置を簡単に確認できる。
請求項4に記載の保持装置では、保持部材の進退に伴って移動する第1目印の位置を基台に対して所定の位置に設けられる第2目印で確認することによって、撮像空間に対する保持部材の位置ひいては撮像空間に対する撮像対象の位置を確認できる。このように、保持部材の移動距離を自動的に検出する検出手段を用いることなく、第1および第2目印を用いて撮像空間に対する撮像対象の位置を簡単に確認でき、低コストに構成できる。
また、請求項に記載の保持装置では、保持部材の周囲に空間を確保することが困難であり、保持部材に触れることが困難な場合であっても、駆動機構によって簡単に保持部材を撮像空間に対して進退させることができる。
また、請求項に記載の保持装置では、駆動機構の操作部材を回転させることによって、操作部材に螺入するねじ棒が移動し、ねじ棒が固定される連結部材が案内溝を移動する。これによって、連結部材に連結される保持部材が撮像空間に対して進退する。このような駆動機構を用いることによって、操作部材を回転させるまでは保持部材を位置決めできるので、撮像対象の位置ずれを防止できる。また、操作部材の回転に伴って保持部材を移動させることによって、保持部材を人手によって直接的に移動させる場合よりも簡単にかつ正確に保持部材ひいては撮像対象の位置を調整できる。
請求項に記載の保持装置では、操作部材が内部を視認可能に設けられ、操作部材に第2目印が設けられる。操作部材の回転に伴ってねじ棒の操作部材への挿入量は変化するので、ねじ棒の操作部材側の端部を操作部材に設けられる第2目印で確認することによって撮像空間に対する保持部材の位置を確認できる。このように、操作部材内のねじ棒の端部を操作部材に設けられる目盛りで確認することによって、撮像空間に対する撮像対象の位置を簡単に確認できる。
請求項6に記載の保持装置では、第1目印の移動距離が保持部材の移動距離に正比例しかつ第2目印が所定の間隔で複数設けられるので、第1目印の移動距離を複数の第2目印で確認することによって、保持部材の移動距離ひいては撮像対象の移動距離を把握できる。
請求項に記載の撮像装置では、撮像空間に対する撮像対象の位置を簡単に確認できかつ低コストに構成できる保持装置を用いることによって、装置全体を簡素に構成でき、コストを削減できる。
この発明によれば、撮像空間に対する撮像対象の位置を簡単に確認できかつ低コストに構成できる。
以下、図面を参照して、この発明の実施の形態について説明する。
ここでは、撮像対象O(図2に一点鎖線で示す)としてマウス、ラットまたはモルモット等の小動物の断層画像を撮像するためのMRI(Magnetic Resonance Imaging)装置10に、この発明の保持装置100を適用する場合について説明する。
図1を参照して、撮像装置の一例であるMRI装置10は、撮像対象Oの断層画像を撮像するための撮像部12、および撮像対象Oを保持する保持装置100を備える。
撮像部12は、空隙を介して対向配置される一対の永久磁石14a,14b、および永久磁石14a,14b間に配置されるRFコイル16を含む。永久磁石14a,14bの対向面側には、対向面間の空隙に磁界を発生させるために互いに極性の異なる磁極が形成される。具体的に、たとえば図1では、永久磁石14aの対向面側にN極が形成され、永久磁石14bの対向面側にS極が形成されている。
永久磁石14a,14bによって発生される磁界中に配置されるRFコイル16は、矢印A方向に延びる貫通孔16aを有する。RFコイル16は、貫通孔16a内に配置される撮像対象OにRFパルスを与えるとともに撮像対象Oからの共鳴信号を検出するために用いられる。つまり、この実施形態では、RFコイル16の貫通孔16a内の空間が撮像空間Hとなる。このようなRFコイル16には、撮像対象Oを撮像空間Hに対して進退可能に保持する保持装置100が取り付けられる。
保持装置100は、RFコイル16に取り付けられる基台102、および矢印A方向に移動可能に基台102に配置されかつ撮像対象Oを保持する保持部材104を含む。
図2〜図4に示すように、基台102は矢印A方向に延びる直方体状に形成される。図2および図3に示すように、基台102の上面には、RFコイル16側の面(正面)106aから正面106aに平行な面(背面)106bにかけて半円柱状に基台102を削るように溝108が設けられる。このような矢印A方向に延びる溝108が設けられることによって、基台102の上面には溝108を挟んで溝108の幅方向(矢印B方向:図2参照)に並ぶ2つの平面が残る。以下、溝108を挟んで矢印B方向に並ぶ2つの平面のうち、背面106b側からみて溝108の右側の平面を主面106cといい、背面106b側からみて溝108の左側の平面を主面106dという。このような基台102は、たとえばABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)等の合成樹脂からなる。
保持部材104は、円環状に形成される取付部110と、取付部110から矢印A方向かつ背面106b側に延びる配置部112とを含む。配置部112は半円筒状(樋状)に形成され、配置部112の上面には撮像対象Oが配置される。保持部材104は、基台102の溝108に摺動可能に配置される。保持部材104は、人手によって押圧され、溝108を矢印A方向に摺動する。ひいては、配置部112に配置される撮像対象Oが撮像空間Hに対して進退する。このような保持部材104は、たとえばABS等の合成樹脂からなる。
取付部110には、棒状部材114を固定するためのクランパ116が取り付けられる。図4に示すように、クランパ116は、一方端部が取付部110の貫通孔110aに螺入されるニップル118、ニップル118に嵌入される円筒状のゴムブッシュ120、およびニップル118の他方端部に螺合するキャップ122を含む。
クランパ116では、ニップル118にキャップ122を締め付けることによって、ニップル118の複数の爪部118aがキャップ122の内面に押圧され、複数の爪部118aがゴムブッシュ120の外周面を押圧する。これによって、ニップル118、ゴムブッシュ120およびキャップ122を挿通する棒状部材114が固定される。
矢印A方向に延びる棒状部材114の配置部112側端部にはティースフック124が設けられる。ティースフック124にマウスやラット等の撮像対象Oの前歯を引っ掛けた状態でクランパ116によって棒状部材114を固定することで、撮像対象Oの頭部の動きが規制される。さらに、図示しないテープ等を保持部材104および撮像対象Oに巻き付けることによって撮像対象Oが保持部材104に固定される。
また、配置部112の上面には、矢印A方向かつ背面106b側端部に規制部材126が設けられる。図3に示すように、規制部材126は、配置部112の上面に沿う半円筒状に形成される固定部128と、固定部128の上端に設けられる摺動部130a,130bとを含む。固定部128は配置部112の上面に固定される。摺動部130aは基台102の主面106cに摺動可能に配置され、摺動部130bは基台102の主面106dに摺動可能に配置される。つまり、規制部材126は、溝108を跨ぐように主面106c,106dに配置される。このように規制部材126が保持部材104に設けられることによって、保持部材104の周方向(矢印C方向:図3参照)への動きが規制される。
図2および図4に示すように、板状に形成される摺動部130a,130bの上面にはそれぞれ、矢印B方向に延びる溝を形成することによって目印132が設けられる。このような規制部材126は、PMMA(アクリル)等の透明な合成樹脂からなる。したがって、摺動部130a,130bを介して基台102の主面106c,106dを視認できる。この実施形態では、目印132が第1目印に相当する。
また、図2に示すように、基台102の主面106dには、スケール134が設けられる。スケール134は、矢印A方向に所定の間隔で設けられる複数の目盛り136と、或る目盛り136から他の目盛り136までの間隔を表す複数のテキスト138とを含む。具体的に、ここでは、1mm間隔で61個の目盛り136が設けられ、矢印A方向かつ正面106a側の端に形成される目盛り136から10mm毎に目盛り136に対応してテキスト138が設けられる。したがって、7個のテキスト138が設けられる。7個のテキスト138は、矢印A方向かつ正面106a側から順に「+3」、「+2」、「+1」、「0」、「−1」、「−2」、「−3」という数字を表す。この実施形態では、スケール134の複数の目盛り136が第2目印に相当する。
このような保持装置100では、「0」を表すテキスト138に対応する目盛り136上に目印132が存在する位置を初期位置として保持部材104が溝108に配置される。そして、必要に応じて、保持部材104が初期位置から人手によって溝108を摺動され、保持部材104に保持される撮像対象Oが矢印A方向に移動される。このとき規制部材126に設けられる目印132は、保持部材104と同方向に同距離で移動する。したがって、目印132の移動距離を複数の目盛り136で確認することによって、保持部材104の移動距離ひいては撮像対象Oの移動距離を確認できる。具体的に、ここでは、±30mmの範囲で1mm毎に保持部材104の移動距離、ひいては撮像空間に対する撮像対象Oの位置を確認できる。図2には、保持部材104が−16mmの位置に配置された状態が示されている。
このような保持装置100によれば、規制部材126に設けられる目印132をスケール134の目盛り136で確認することによって、保持部材104の移動距離ひいては撮像空間Hに対する撮像対象Oの位置を簡単に確認でき、低コストに構成できる。
規制部材126によって矢印C方向への動きが規制される保持部材104を人手によって直接的に移動させることで、構成をより簡素にでき、コストを削減できる。
このように撮像空間Hに対する撮像対象Oの位置を簡単に確認できかつ低コストに構成できる保持装置100を用いることによって、MRI装置10を簡素に構成でき、MRI装置10のコストを削減できる。
なお、上述の保持装置100では、保持部材104と規制部材126とを別部材とする場合について説明したが、保持部材と規制部材とを一体的に設けてもよい。
ついで、この発明の他の実施形態のMRI装置10aについて説明する。
図5に示すMRI装置10aでは、上述の保持装置100に代えて保持装置200が用いられる。それ以外は、MRI装置10と同様に構成されるので、重複する説明は省略する。
図6〜図8に示すように、保持装置200は、RFコイル16(図5参照)に取り付けられる基台202、撮像対象O(図6に一点鎖線で示す)を保持する保持部材204、および保持部材204を矢印A方向に移動させるための駆動機構206を含む。
基台202は矢印A方向に延びる直方体状に形成される。図6および図7に示すように、基台202の上面には、RFコイル16側の面(正面)208aから正面208aに平行な面(背面)208bにかけて基台202を半円柱状に削るように溝210が設けられる。また、図6および図8に示すように、溝210の下方には、中央部よりも背面208b側の位置から正面208aにかけて直方体状の空間を形成するように案内溝212が設けられる。さらに、図8に示すように、基台202には、背面208bから矢印A方向かつ正面208a側に延びて案内溝212に至る貫通孔214が設けられる。
図8に示すように、貫通孔214は、駆動機構206のねじ棒242(後述)が挿通される挿通部216と、駆動機構206の操作部材244(後述)を回転可能に位置決めする位置決め部218とによって構成される。図7に示すように、位置決め部218は、基台202の背面208b側端部で溝210の下方を直方体状に切り欠くことによって設けられる切り欠き部202aに、溝210の一部を構成するように上端部が湾曲する嵌合部材220を嵌合させることによって設けられる。詳しくは、位置決め部218は、切り欠き部202aの上面に設けられる半円柱状の溝218aと嵌合部材220の下面に設けられる半円柱状の溝218bとを合わせることによって構成される。図8に示すように、位置決め部218の内周面には複数(ここでは2個)の環状突起222が設けられる。このような基台202は、たとえばABS等の合成樹脂からなる。
保持部材204は、円環状に形成される取付部224と、取付部224から矢印A方向かつ背面208b側に延びる配置部226とを含む。配置部226は半円筒状(樋状)に形成され、配置部226の上面には撮像対象Oが配置される。このような保持部材204は、たとえばABS等の合成樹脂からなる。
取付部224には、棒状部材228を固定するためのクランパ230が取り付けられる。クランパ230は、爪部232aを有するニップル232、ゴムブッシュ234およびキャップ236を含む。クランパ230は上述のクランパ116と同様に構成されるので、ここではクランパ230の詳しい説明は省略する。上述の保持装置100と同様に、棒状部材228に設けられるティースフック238に撮像対象Oの前歯を引っ掛けた状態でクランパ230によって棒状部材228を固定することで、撮像対象Oの頭部の動きが規制される。
図6および図8に示すように、駆動機構206は、基台202の案内溝212に配置される連結部材240、貫通孔214を挿通するねじ棒242、および位置決め部218に回転可能に位置決めされる操作部材244を含む。
連結部材240は、直方体状に形成され、その両側面と案内溝212の側壁とが接するように案内溝212に配置される。つまり、連結部材240は矢印A方向に移動可能に案内溝212に嵌合される。連結部材240の上面には、矢印A方向に並ぶ2つの突起240aが設けられる。保持部材204の配置部226には、連結部材240の2つの突起240aと同じ間隔で矢印A方向に並ぶ複数(ここでは7個)の貫通孔226aが設けられる。保持部材204は、配置部226の2つの貫通孔226aに連結部材240の突起240aをそれぞれ嵌合させることによって連結部材240に連結される。図6および図8には、正面208a側から1番目および2番目の貫通孔226aに突起240aを嵌合させた状態が示されている。このように配置部226に複数の貫通孔226aを設けることによって保持部材204の連結部材240への取り付け位置を変更できる。
ねじ棒242は、外周面に図示しないねじ山が形成される円柱状に形成される。ねじ棒242の矢印A方向かつ正面208a側端部は、連結部材240の背面に固定される。
操作部材244は、内周面に図示しないねじ溝が形成される円筒状に形成され、ねじ棒242が螺入される。図8に示すように、操作部材244の外周面かつ位置決め部218に配置される部分には、位置決め部218の環状突起222がそれぞれ嵌合する2つの環状段部246が設けられる。操作部材244は、環状段部246に環状突起222が嵌合するように切り欠き部202aの溝218aと嵌合部材220の溝218bとに挟まれることによって、位置決め部218に回転可能に位置決めされる。
また、図6に示すように、操作部材244の外周面かつ位置決め部218から突出する部分には、所定の間隔(たとえば1mm間隔)に溝を形成することによって複数(ここでは23個)の目盛り248が設けられる。操作部材244は基台202に位置決めされているので、複数の目盛り248が基台202に対して移動することはない。つまり、複数の目盛り248は基台202に対して所定の位置に設けられる。このような操作部材244は、PMMA等の透明な合成樹脂からなる。したがって、操作部材244の内のねじ棒242を視認できる。
このような保持装置200では、連結部材240の両側面が案内溝212の側壁に接しているので、操作部材244を周方向(矢印C方向:図7参照)の一方(たとえば時計回り方向)に回転させることによってねじ棒242および連結部材240が矢印A方向かつ正面208a側に移動する。これによって、保持部材204が矢印A方向かつ正面208a側に移動し、撮像対象Oが撮像空間Hに向けて進む。操作部材244の回転に伴ってねじ棒242の操作部材244への挿入量が変化するので、ねじ棒242の操作部材244側の端部242a(図6参照)の位置を操作部材244に設けられる目盛り248で確認することによって、保持部材204の移動距離を確認できる。つまり、操作部材244内のねじ棒242の端部242aが目印として機能する。なお、操作部材244を矢印C方向の他方に回転させることによって、保持部材204が矢印A方向かつ背面208b側に移動し、撮像対象Oが撮像空間Hから離れることはいうまでもない。
このような保持装置200によれば、ねじ棒242の操作部材244側の端部242aの位置を目盛り248で確認することによって、撮像空間Hに対する撮像対象Oの位置を簡単に確認でき、低コストに構成できる。
操作部材244を回転させることによって保持部材204を移動させることができるので、保持部材204の周囲に空間を確保することが困難であり、保持部材204に触れることが困難な場合であっても、簡単に撮像対象Oを撮像空間Hに対して進退させることができる。
操作部材244を回転させるまでは保持部材204を位置決めできるので、撮像対象Oの位置が撮像空間Hでずれることを防止できる。また、操作部材244の回転に伴って保持部材204を移動させることによって、保持部材を人手によって直接的に移動させる場合よりも簡単にかつ正確に撮像対象Oの位置を調整できる。
なお、上述の保持装置100では第1目印を規制部材126に設ける場合について説明し、上述の保持装置200では第1目印がねじ棒242の端部242aである場合について説明したが、第1目印は保持部材の進退に伴って移動する任意の部材の任意の位置に設けることができる。また、保持部材の移動距離と第1目印の移動距離とが異なっていてもよく、たとえばギヤ等を用いて保持部材の移動距離に対して半分の距離で第1目印を移動させるようにしてもよい。さらに、保持部材の移動方向に対して反対の方向に第1目印を移動させるようにしてもよい。
また、上述の各実施形態では第2目印として複数の目盛りを設ける場合について説明したが、第2目印は1つであってもよい。また、基台に対して所定の位置に設けられかつ第1目印の位置を確認できれば、第2目印は任意の部材の任意の位置に設けることができる。
なお、上述の実施形態では、MRI装置10の磁界発生源として永久磁石14a,14bを用いる場合について説明したが、MRI装置の磁界発生源は電磁石であってもよい。
また、上述の実施形態では、この発明の保持装置をMRI装置に適用する場合について説明したが、この発明の保持装置が適用される撮像装置はMRI装置に限定されない。この発明の保持装置は、たとえばCT装置やPET装置等の任意の撮像装置に適用できる。
この発明の一実施形態を示す図解図である。 図1の実施形態に用いられる保持装置の平面図解図である。 図2の保持装置の背面図である。 図2の保持装置のX−X(図3)断面図である。 この発明の他の実施形態を示す図解図である。 図5の実施形態に用いられる保持装置の平面図解図である。 図6の保持装置の背面図である。 図6の保持装置のX1−X1(図7)断面図である。
符号の説明
10,10a MRI装置
100,200 保持装置
102,202 基台
104,204 保持部材
108,210 溝
126 規制部材
132 目印
134 スケール
136,248 目盛り
138 テキスト
206 駆動機構
212 案内溝
240 連結部材
242 ねじ棒
242a 端部
244 操作部材
O 撮像対象
H 撮像空間

Claims (7)

  1. 撮像対象を撮像空間に対して進退可能に保持する保持装置であって、
    前記撮像対象を保持する保持部材、
    前記保持部材を前記撮像空間に対して進退可能に配置する基台、
    前記保持部材の進退に伴って移動する第1目印
    前記第1目印の位置を確認するために前記基台に対して所定の位置に設けられる第2目印、および
    前記保持部材の周方向への動きを規制する規制部材を備え
    前記基台は、前記保持部材の移動方向に延びて前記保持部材が摺動可能に配置される溝と、前記溝を前記溝の幅方向から挟む2つの主面とを有し、
    前記規制部材は、前記保持部材に設けられかつ前記2つの主面に配置される、保持装置。
  2. 前記規制部材は、前記保持部材に設けられかつ前記溝を跨ぐように前記2つの主面に配置されることによって前記保持部材の周方向への動きを規制する、請求項1に記載の保持装置。
  3. 前記第1目印は前記規制部材に設けられ、前記第2目印は前記基台の前記主面に設けられる、請求項1または2に記載の保持装置。
  4. 撮像対象を撮像空間に対して進退可能に保持する保持装置であって、
    前記撮像対象を保持する保持部材、
    前記保持部材を前記撮像空間に対して進退可能に配置する基台、
    前記保持部材の進退に伴って移動する第1目印
    前記第1目印の位置を確認するために前記基台に対して所定の位置に設けられる第2目印、および
    前記保持部材を前記撮像空間に対して進退させるための駆動機構を備え、
    前記基台は、前記保持部材の移動方向に延びる案内溝を有し、
    前記駆動機構は、前記移動方向に移動可能に前記案内溝に嵌合しかつ前記保持部材に連結される連結部材と、前記移動方向に延びて前記連結部材に固定されるねじ棒と、前記基台に回転可能に位置決めされかつ前記ねじ棒が螺入される操作部材とを含む、保持装置。
  5. 前記操作部材は内部を視認可能に設けられ、
    前記第1目印は前記ねじ棒の前記操作部材側の端部であり、前記第2目印は前記操作部材に設けられる、請求項に記載の保持装置。
  6. 前記第1目印の移動距離は前記保持部材の移動距離に正比例し、前記第2目印は所定の間隔で複数設けられる、請求項1から5のいずれかに記載の保持装置。
  7. 請求項1からのいずれかに記載の保持装置を備える、撮像装置。
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