JP5007524B2 - ステアリングコラム装置 - Google Patents

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Description

本発明は、二次衝突時の衝撃力を吸収できるステアリングコラム装置に関し、特に吸収特性をチューニングできるステアリングコラム装置に関する。
ステアリング装置は、車両の重要安全保安部品であり、衝突時に乗員の安全を確保するために衝突時におけるその挙動を、どのように制御するかが非常に重要である。通常は、ステアリング装置自体に衝撃エネルギ吸収機構を設けるともに、ステアリングホイール内に収納したエアーバッグの支持部材としても重要な役割を担っている。
従来より、ステアリング装置においては、各種の衝撃エネルギ吸収機構が提案されている。特許文献1に記載された衝撃エネルギ吸収機構技術においては、固定された2本のピンの周囲に曲げられたワイヤ部材が設けられ、二次衝突時にスキッド部材がワイヤ部材を押すと、ワイヤ部材が引きずられピンの周囲で塑性変形を生じ、それにより所定量のエネルギを吸収するようになっている。
特表平9−501369号公報 特開昭63−46972号公報
しかるに、特許文献1の技術によれば、一定速度で移動するスキッド部材に押されたワイヤ部材が塑性変形を生じる際のエネルギ吸収量は略一定となる。又、特許文献2においても、突起によって引っ張られたカーリングワイヤが折曲部の位置を変移しながら塑性変形するだけであるので、エネルギ吸収量は略一定となる。これに対し、エネルギ吸収量を部分的に増大させ、衝撃吸収特性を更に向上させたいという要求がある。
本発明は、かかる従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、衝撃吸収特性を任意にチューニングできるステアリングコラム装置をすることを目的とする。
本発明のステアリングコラム装置は、ステアリングホイールに連結されたステアリングシャフトを回転自在に支持するコラムハウジングと、
車体に固定される固定ブラケットと、
前記ステアリングシャフトの略軸線方向に沿って前記固定ブラケットに対して移動可能に配置され、前記コラムハウジングを支持するスキッドブラケットと、
少なくとも一つの曲がり部を有し、前記固定ブラケットと前記スキッドブラケットとの相対移動に応じて、前記曲がり部の位置が変移するエネルギ吸収部材とを有し、
前記エネルギ吸収部材は、前記曲がり部の位置が変位する方向において、単位長さ当たりのエネルギー吸収量が異なり、
前記ステアリングシャフトの軸線方向に見たときに、前記固定ブラケットは、下面と、前記下面に対して傾いた一対の斜面とを有し、前記スキッドブラケットは、上面と、前記上面に対して傾いた一対の斜面とを有し、
前記固定ブラケットにおける前記下面と共に楔状空間を形成する1つの斜面と、前記スキッドブラケットの1つの斜面同士が対向し、且つ前記上面と前記下面とが対向するようにして、前記スキッドブラケットが前記固定ブラケットに対して配置され、
前記固定ブラケットの別の斜面と前記スキッドブラケットの別の斜面とで、台形状空間の一部を形成し、前記2つの別の斜面にそれぞれ対向する2つのテーパ面を有する固定駒が、ボルトにより前記テーパ面を前記別の斜面に向かって押圧するようにして取り付けられていることを特徴とする。
本発明のステアリングコラム装置によれば、前記エネルギ吸収部材は、前記曲がり部の位置が変位する方向において、単位長さ当たりのエネルギー吸収量が異なる。従って、前記固定ブラケットと前記スキッドブラケットとの相対移動に応じて前記エネルギ吸収部材が塑性変形することにより、前記曲がり部が移動して、エネルギー吸収量が高い位置を通過すると、その際に吸収されるエネルギ量が増大し、一方、エネルギー吸収量が低い位置を通過すると、その際に吸収されるエネルギ量が低下するため、その組み合わせに応じて、任意の衝撃吸収特性を設定することができる。尚、エネルギー吸収量を異ならせるためには、素材の物性を変えることが考えられるがそれに限られない。又、エネルギ吸収部材としては、スペースを必要としないワイヤ部材や板部材であると好ましい。
前記エネルギ吸収部材は、全体的に熱処理が行われており、前記熱処理の条件を部分的に変えていると好ましい。又、前記エネルギ吸収部材は、一部分のみ熱処理を加えていると好ましい。なお、「熱処理条件を変える」とは、例えば前記エネルギ吸収部材の全体に熱処理を施したときに、部分的に熱処理時の温度を変えること、或いは部分的に熱処理の種類を変えることなどを含む。又、前記曲がり部の位置が変位する方向において一部分のみ熱処理を加えた場合、熱処理を加えた一部分の中で熱処理条件を変えると、前記エネルギ吸収部材の強度特性設定の自由度を確保できるので尚良い。更に、熱処理としては、浸炭焼き入れ、高周波焼き入れ、軟窒化処理などが考えられるが、それに限られない。
なお、本明細書中、「テレスコ方向」とはステアリングシャフトの軸線方向をいい、「チルト方向」とは、それに交差する方向(特に上下方向)をいうものとする。
以下、本発明の実施の形態に係るチルト・テレスコピック式のステアリングコラム装置を図面を参照しつつ説明する。図1は、本実施の形態に係るステアリングコラム装置の分解斜視図である。図2は、本実施の形態に係るステアリングコラム装置を下方から見た斜視図である。図3は、本実施の形態に係るステアリングコラム装置の通常時の斜視図である(ステアリングシャフトは不図示)。図4は、本実施の形態に係るステアリングコラム装置の衝撃エネルギ吸収時の状態を示す斜視図である。図5は、図2の構成をV-Vを含む面で切断して矢印方向に見た図である。
図5に示すように、車体VBに対してボルトBTにより固定される固定ブラケット1は、略日の字形状を有しており、その車両前方側(図1で奥側)に一対のアーム部1a、1aを有している。更に、図5において、固定ブラケット1の下面1b、1cにそれぞれ接続するようにして、同じ方向に傾いた一対の斜面1d、1eが形成されている。固定ブラケット1の下方には、後述するようにしてスキッドブラケット2が取り付けられている。
図1,2に示すように、スキッドブラケット2は、天板2aの両側縁に支持板2b、2bをそれぞれ取り付けた、逆Uの字断面形状を有する。支持板2b、2bの上部外側には、対向する方向に延在する張り出し部2c、2cが形成されている。張り出し部2cは、一つの支持板2bに対して2つ設けられ、後述するコラムハウジングの軸線方向に見て略直角三角形状を有しており、且つ重合している。又、支持板2b、2bには、上下に延在する長穴状のチルト孔2d、2dがそれぞれ形成されている。
固定ブラケット1に内包されるようにして、円筒状のコラムハウジング3が配置されている。コラムハウジング3の車両前方側には、ボックス状の取り付け部3aが形成されており、取り付け部3aは、固定ブラケット1のアーム部1a、1aにボルトLBT、LBTを介して取り付けられている。更に、コラムハウジング3の下方に配置されたブロック部には、軸線方向に延在する長穴状のテレスコ孔3bが形成されている。コラムハウジング3内には、不図示のステアリングホイール(図1で手前側)を取り付けた不図示のステアリングシャフトが不図示のベアリングにより回転自在に支持されている。なお、コラムハウジング3は軸線方向に縮長自在な構成となっている。
図1において、押圧部材としての台形柱状の固定駒7は、長手方向に等間隔延在し且つ上方に向かうにつれて互いに接近する一対のテーパ面7a、7aと、テーパ面7a、7aの間に形成されたボルト孔7b、7bとを有している。
エネルギ吸収部材としてのワイヤ部材9は、図1に示すように一様な径の線材を3次元的に折り曲げることで形成されている。より具体的には、ワイヤ部材9の両端部から互いに平行に延在する比較的長い第1ストレート部9a、9aと、第1ストレート部9a、9aの間において短い距離だけ互いに平行に延在する第2ストレート部9c、9cと、第1ストレート部9a、9aと第2ストレート部9c、9cとを連結する第1折り曲げ部(曲がり部)9b、9bと、第2ストレート部9b、9bの端部を、第1ストレート部9a、9aと第2ストレート部9b、9bの軸線が含まれる同一平面に対して直角に折り曲げてなる第2折り曲げ部9d、9dと、第2折り曲げ部9d、9dの端部同士を連結する第3折り曲げ部9eとからなる。
図6は、ワイヤ部材9の熱処理方法を示す概略図である。図6において、第1ストレート部9a、9aの左半部のみをコイルCL内に挿入し、電源Eから高周波電流をコイルCLに流すことで加熱した後、急冷する。それ以外の部位は焼き入れは行わない。これにより第1ストレート部9a、9aの左半部の硬度は、それ以外の部位に比べ硬度が高まり、例えばHv500以上となるため、部分的にワイヤ部材9の強度が異なるようになる。
次に、スキッドブラケット2の固定ブラケット1に対する取付態様を説明する。まず、図1に示すように、ワイヤ部材9の第3折り曲げ部9eを、固定ブラケット1の中央の梁に設けられた突起1gに係合させ、その両側に形成された第1折り曲げ部9b、9bを、スキッドブラケット2の端部上面に形成された円弧状部2e、2eにひっかける。このとき、第1ストレート部9a、9aは、固定ブラケット1の側面1h、1hに沿って延在する(図7参照)。
更に、図5で左側の張り出し部2cを、固定ブラケット1の下面1bと斜面1dとで形成される楔状空間に、アングル状に折り曲げた2枚の薄い摩擦板8、8を介在させつつはめ込む。このとき、図5で右側の張り出し部2cと、固定ブラケット1の下面1c及び斜面1eとで形成される空間は、図5の方向に見て台形状となる。そこで、図5で右側の張り出し部2cに、アングル状に折り曲げた2枚の薄い摩擦板8、8を巻き付けた状態で、かかる台形状空間に、固定駒7をはめ込むようにすると、そのテーパ面7aの一方は、摩擦板8,8を介して張り出し部2cの下面に当接し、テーパ面7aの他方は、斜面1eに当接する。この状態で、ボルト孔7b、7bにボルトBT、BTを挿通し、固定ブラケット1のねじ孔1f、1fに螺合させることで、スキッドブラケット2は固定ブラケット1に取り付けられる。その後、不図示のレバーにより回転駆動されるレバーシャフト4を、チルト孔2b、テレスコ孔3b、チルト孔2b、カム部材5を挿通し、ナット6に螺合させる。
本実施の形態によれば、調整手段であるボルトBT、BTを締め付けると、固定駒7が固定ブラケット1に向かって接近するので、そのテーパ面7a、7aが、張り出し部2cの下面と斜面1eとを強い力で押圧する。このとき、斜面1eからの反力により固定駒7が水平方向に押され、それにより張り出し部2cの下面が強く押圧されるようになるので、両者間に高い摩擦力が発生し、固定ブラケット1に対してスキッドブラケット2を高い剛性で支持することができる。従って、運転者は、高い剛性で支持されたステアリングホイールを操作することができ、良好なドライブフィーリングを得ることができる。
一方、二次衝突時に、運転者の身体が衝突したステアリングホイールからステアリングシャフトを介して、図3に示す方向Aに沿って衝撃力が入力されたとき、コラムハウジング3は強い力で車両前方側に押されることとなる。本実施の形態によれば、この際の衝撃力が所定値以上となると摩擦力にうち勝つため、スキッドブラケット2の張り出し部2c、2cが、ステアリングシャフトの軸線に略平行な固定ブラケットの下面1c、1b及び斜面1d、固定駒7の片側斜面7aに対して案内されつつ滑動を始め、それにより安定した衝撃吸収を行うことができる。このとき、コラムハウジング3は伸縮機構により縮長するので、スキッドブラケット2の移動を妨げることはない。摩擦力を調整する手段である摩擦部材8は、所定の摩擦係数を有するコーティングなどを表面に施しているので、スキッドブラケット2の安定した滑動が行えるようになっている。なお、摩擦部材8を設けることなく、張り出し部2c、2cを、固定ブラケットの下面1c、1b及び斜面1d、固定駒7の片側斜面7aに対して直接当接させるようにしても良い。
図7は、図3の状態におけるワイヤ部材9の状態を示す図であり、図8は、図4の状態におけるワイヤ部材9の状態を示す図である。図7,8において、曲がり部の位置が変位する方向は左右方向である。図3の状態から図4の状態へと、固定ブラケット1に対してスキッドブラケット1が変位すると、突起1gに対して円弧状部2e、2eが離れるように移動するが、第1ストレート部9a、9aは固定ブラケット1の側面1h、1hによりその長手方向にのみ移動するように制限されているので、ワイヤ部材9の第2折り曲げ部9b、9bが塑性変形することにより、第1ストレート部9a、9aの端部に近づく方向に移動するようになる。即ち、第1ストレート部9a、9aが短くなる代わりに、第2ストレート部9b、9bが長くなるように円弧状部2e、2eによりしごかれるので、これにより衝撃エネルギを消費することができる。
図9は、本実施の形態にかかるステアリングコラム装置の二次衝突時における衝撃吸収特性を示す図である。ワイヤ部材9の高周波焼き入れされていない第1ストレート部9a、9aが塑性変形する際に消費される荷重がF1であるとすると、高周波焼き入れされた端部側の第1ストレート部9a、9aが塑性変形する際に消費される荷重F2は、それより高くなる(F2>F1)。従って、本実施の形態のステアリングコラム装置によれば、図9に示すように、スキッドブラケット2のストローク開始端側よりも、ストローク末端側で大きなエネルギを吸収できることとなる。なお明らかであるが、第1ストレート部9a、9aの焼き入れ処理をする部位を変更する(条件を変える場合を含む)ことによって、図9に示す衝撃吸収特性を任意に設定できることは言うまでもなく、それにより特性チューニングの自由度を向上することができる。又、ワイヤ部材9の線径が一様であるので、その成形を安価で容易に行うことができるが、成形が可能であれば、部分的に線径を変えたり断面形状を変えたり(楕円等)しても良い。
更に本実施の形態によれば、固定駒7をボルトBT、BTを用いて固定ブラケット1に取り付けているので、ボルトBT、BTの締め付け力を調整することによって、スキッドブラケット1の滑り出しを開始する衝撃力を任意に設定することができる。
次に、テレスコ・チルト調整について説明する。操作者が不図示のレバーを正方向に回すと、レバーシャフト4が一体的に回転する。レバーシャフト4が回転すると、カム部材5が同時に回転する。カム部材5が正方向に回転すると、レバーシャフト4の軸力がゆるむので、コラムハウジング3と、スキッドブラケット2の支持板2b、2bとの面圧が低下し、両者は相対移動が可能となる。
かかる状態で、レバーシャフト4の位置を、チルト孔2d、2d及びテレスコ孔3bに対して相対的に変位させることで、テレスコ・チルト調整を行うことができる。このとき、コラムハウジング3の取り付け部3aと、固定ブラケット1のアーム部1a、1aとを連結するボルトLBT、LBTの軸線を中心として、コラムハウジング3はチルト移動することとなる。
図10は、別な実施の形態にかかるエネルギ吸収部材としての板部材を組み込んだステアリングコラム装置の通常時の斜視図である(ステアリングシャフトは不図示)。図11は、かかるステアリングコラム装置の衝撃エネルギ吸収時の状態を示す斜視図である。図12は、板部材の斜視図である。図13は、板部材の衝撃エネルギ吸収時の状態を示す上面図(ストローク開始位置(a)、中間位置(c)、ストローク末端近傍(e))及び側面図(ストローク開始位置(b)、中間位置(d)、ストローク末端近傍(f))である。尚、本実施の形態については、上述した実施の形態に対して異なる点のみ説明する。
固定ブラケット1に内包されるようにして、円筒状のコラムハウジング3が配置されている。コラムハウジング3の車両後方側には、支持面3cが形成されており、支持面3cと固定ブラケット1の上面とを連結するようにして板部材15が、ボルトBにより固定されている。
図12において、手前側から奥側に向かう方向を曲がり部の位置が変位する方向とする。板部材15は、図12に示すように、1枚の板材をパンチで打ち抜いた後、点線の状態から実線の状態に示すように折り曲げることによって形成されている。板部材15は、4本のボルトBで固定ブラケット1に取り付けられるコ字状の支持部15aと、支持部15aの内側面に接続し外部に向かって延在し且つ折り曲げ前(点線で図示)の状態でU字状となっている吸収部15bと、その間に形成された曲がり部15dとからなる。吸収部15bの末端は、折り曲げられた後にボルトBにより支持面3c(図10,11)に固定されている。板部材15の上面において支持部15aと吸収部15bとの間には、吸収部15bの延在方向に沿って形成された細溝15cが形成されている。細溝15cの断面は三角形状であると好ましい。本実施の形態においては、支持部15aと吸収部15bとの間に跨った領域R1(ハッチングで示す)において、熱処理が施され、それ以外では熱処理が行われない。
二次衝突時に、運転者の身体が衝突したステアリングホイールからステアリングシャフトを介して、図10に示す方向Aに沿って衝撃力が入力されたとき、コラムハウジング3は強い力で車両前方側に押されることとなる。これにより、図10の状態から図11の状態へと、固定ブラケット1に対してスキッドブラケット2が変位すると、それと共にコラムハウジング3が軸線方向に移動する。このとき支持面3cも一体的に移動するので、それに固定された吸収部15bの末端が支持部15aから離隔するようになるため、板部材15が引き裂き力を受けることとなる。このとき、引き裂きに対して最も脆弱な溝部15cに沿って裂断が生じることとなる。
より具体的には、図13(a)、(b)に示す二次衝突前の状態から、二次衝突時により力を受けた板部材15は、吸収部15bの末端が移動することで、図13(c)、(d)に示すように、支持部15aと吸収部15bとの間に形成された細溝15cに沿って引き裂かれるように変形する。これにより衝撃エネルギを消費することができる。ここで、図13(a)、(b)に示す状態から、細溝15cが半分だけ引き裂かれた図13(c)、(d)に示す状態までは、引き裂かれた部位が熱処理を施されていないため、消費される衝撃エネルギは比較的小さくなる。一方、図13(c)、(d)に示す状態以降(図13(e)、(f)参照)は、引き裂かれる部位が熱処理を施されているので、消費される衝撃エネルギは比較的大きくなる。これにより、スキッドブラケット2のストローク開始端側よりも、ストローク末端側で大きなエネルギを吸収できることとなり、図9に類似するエネルギ吸収特性を得ることができる。
尚、板部材15の焼き入れ処理の対象となる領域は、以上に限らず、例えば吸収部15bのみの奥側だけ(図12にハッチングで示す領域R2において)、熱処理してもよい。
図14は、本実施の形態に変形例にかかる図12と同様な斜視図である。図14において、手前側から奥側に向かう方向を曲がり部の位置が変位する方向とする。板部材25は、1枚の細長い板材を点線の状態から実線の状態に示すように折り曲げることによって形成されている。板部材25は、1本のボルトBで固定ブラケット1に取り付けられる一端側の支持部25aと、コラムハウジングの支持面3cに形成された突起3dに開口25dを係合させることで取り付けられる他端側の移動部25bと、支持部25aと移動部25bとの間に形成された曲がり部25cとからなる。本変形例においては、支持部15aの近傍における領域R3(ハッチングで示す)において、熱処理が施され、それ以外では熱処理が行われない。
二次衝突時に、運転者の身体が衝突したステアリングホイールからステアリングシャフトを介して、図10に示す方向Aに沿って衝撃力が入力されたとき、コラムハウジング3は強い力で車両前方側に押されることとなる。これによりコラムハウジング3が軸線方向に移動し、このとき支持面3cも一体的に移動するので、それに取り付けられた移動部25bが支持部25aに対して相対移動するようになるため、曲がり部25cが支持部25aに向かって変位するようになる。このとき、曲がり部25cが領域R3以外にあるときには、消費される衝撃エネルギは比較的小さいが、領域R3が曲がり部25cになると、ここは熱処理を施されているので、消費される衝撃エネルギが比較的大きくなる。これにより、スキッドブラケット2のストローク開始端側よりも、ストローク末端側で大きなエネルギを吸収できることとなり、図9に類似するエネルギ吸収特性を得ることができる。
以上、実施の形態を参照して本発明を詳細に説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定して解釈されるべきでなく、その趣旨を損ねない範囲で適宜変更、改良可能であることはもちろんである。チルト機構もしくはテレスコ機構を有しないステアリングコラム装置においても、本発明は有効である。
本実施の形態に係るステアリングコラム装置の分解斜視図である。 本実施の形態に係るステアリングコラム装置を下方から見た斜視図である。 本実施の形態に係るステアリングコラム装置の通常時の斜視図である。 本実施の形態に係るステアリングコラム装置の衝撃エネルギ吸収時の状態を示す斜視図である。 図2の構成をV-Vを含む面で切断して矢印方向に見た図である。 ワイヤ部材9の表面処理方法を示す概略図である。 図3の状態におけるワイヤ部材9の状態を示す図である。 図4の状態におけるワイヤ部材9の状態を示す図である。 本実施の形態にかかるステアリングコラム装置の二次衝突時における衝撃吸収特性を示す図である。 別な実施の形態にかかるエネルギ吸収部材としての板部材を組み込んだステアリングコラム装置の通常時の斜視図である。 かかるステアリングコラム装置の衝撃エネルギ吸収時の状態を示す斜視図である。 板部材の斜視図である。 板部材の衝撃エネルギ吸収時の状態を示す上面図(ストローク開始位置(a)、中間位置(c)、ストローク末端近傍(e))及び側面図(ストローク開始位置(b)、中間位置(d)、ストローク末端近傍(f))である。 本実施の形態に変形例にかかる図12と同様な斜視図である。
符号の説明
1 固定ブラケット
1a アーム部
1b 下面
1c 下面
1d 斜面
1e 斜面
1e’ 垂直面
1f 孔
1g 突起
2 スキッドブラケット
2a 天板
2b 支持板
2c 張り出し部
2d チルト孔
2e 円弧部
3 コラムハウジング
3a 取り付け部
3b テレスコ孔
4 レバーシャフト
5 カム部材
6 ナット
7 固定駒
7a テーパ面
7a 斜面
7b ボルト孔
7b’ 垂直面
8 摩擦板
9 ワイヤ部材
9a 第1ストレート部
9b 第1折り曲げ部
9c 第2ストレート部
9d 第2折り曲げ部
9e 第3折り曲げ部
15 板部材
15a 支持部
15b 吸収部
15c 溝
25 板部材
25a 支持部
25b 移動部
25c 曲がり部
25d 開口
BT ボルト
LBT ボルト
VB 車体

Claims (3)

  1. ステアリングホイールに連結されたステアリングシャフトを回転自在に支持するコラムハウジングと、
    車体に固定される固定ブラケットと、
    前記ステアリングシャフトの略軸線方向に沿って前記固定ブラケットに対して移動可能に配置され、前記コラムハウジングを支持するスキッドブラケットと、
    少なくとも一つの曲がり部を有し、前記固定ブラケットと前記スキッドブラケットとの相対移動に応じて、前記曲がり部の位置が変移するエネルギ吸収部材とを有し、
    前記エネルギ吸収部材は、前記曲がり部の位置が変位する方向において、単位長さ当たりのエネルギー吸収量が異なり、
    前記ステアリングシャフトの軸線方向に見たときに、前記固定ブラケットは、下面と、前記下面に対して傾いた一対の斜面とを有し、前記スキッドブラケットは、上面と、前記上面に対して傾いた一対の斜面とを有し、
    前記固定ブラケットにおける前記下面と共に楔状空間を形成する1つの斜面と、前記スキッドブラケットの1つの斜面同士が対向し、且つ前記上面と前記下面とが対向するようにして、前記スキッドブラケットが前記固定ブラケットに対して配置され、
    前記固定ブラケットの別の斜面と前記スキッドブラケットの別の斜面とで、台形状空間の一部を形成し、前記2つの別の斜面にそれぞれ対向する2つのテーパ面を有する固定駒が、ボルトにより前記テーパ面を前記別の斜面に向かって押圧するようにして取り付けられていることを特徴とするステアリングコラム装置。
  2. 前記エネルギ吸収部材は、全体的に熱処理が行われており、前記熱処理の条件を部分的に変えていることを特徴とする請求項1記載のステアリングコラム装置。
  3. 前記エネルギ吸収部材は、一部分のみ熱処理を加えていることを特徴とする請求項1記載のステアリングコラム装置。
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