しかしながら、このカプセル型内視鏡は、通常液体と一緒に被検体内に飲み込まれたり、たとえば胃の検査の場合には、比重の異なる液体を複数飲んだり、発泡剤を飲むなどの複数のプロセスがあり、それらのプロセスを特定の順番で行うものであるが、患者にこの特定の順番に基づいてカプセル型内視鏡や液体などの検査に必要な摂取物を供給することまで、上記特許文献1では配慮されてないため、たとえば摂取物の種類が多くなると患者が特定の順番で容易にこれら摂取物を摂取することが困難な場合があった。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであって、検査に必要な複数の摂取物を特定の順番で正確、かつ容易に患者が摂取することができるようなカプセル収納装置およびこれを用いた供給方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかるカプセル収納装置は、被検体内に導入されるカプセル型医療装置と、前記被検体が摂取する摂取物であって、飲用可能な少なくとも1種類の液体と前記被検体内の管腔臓器を伸展させるための発泡剤との少なくとも1つと、複数の収納領域を有し、前記カプセル型医療装置と前記摂取物のうちの少なくとも1つとを前記各収納領域に収納して、特定の順番で前記被検体に供給可能にする収納部と、を備えることを特徴とする。
また、本発明にかかるカプセル収納装置は、上記発明において、前記液体は、洗浄液または水であることを特徴とする。
また、本発明にかかるカプセル収納装置は、上記発明において、前記液体は、少なくとも2つの異なる温度を持つ少なくとも2種類の液体であり、前記少なくとも2種類の液体は、前記特定の順番で前記被検体に供給可能であることを特徴とする。
また、本発明にかかるカプセル収納装置は、上記発明において、前記液体は、少なくとも2つの異なる濃度を持つ少なくとも2種類の液体であり、前記少なくとも2種類の液体は、前記特定の順番で前記被検体に供給可能であることを特徴とする。
また、本発明にかかるカプセル収納装置は、上記発明において、前記液体は、少なくとも2つの異なる比重を持つ少なくとも2種類の液体であり、前記少なくとも2種類の液体は、前記特定の順番で前記被検体に供給可能であることを特徴とする。
また、本発明にかかるカプセル収納装置は、上記発明において、前記収納部が、前記カプセル型医療装置と前記液体とを同一の前記収納領域に収納することを特徴とする。
また、本発明にかかるカプセル収納装置は、上記発明において、前記収納部が、前記少なくとも1種類の液体を、前記液体毎に複数の収納領域に分割して収納し、前記被検体に必要な摂取量に応じて、特定の順番で前記複数の収納領域に分割して収納されたそれぞれの液体を、前記被検体に供給可能にすることを特徴とする。
また、本発明にかかるカプセル収納装置は、上記発明において、前記カプセル型医療装置が、前記被検体外から誘導可能な第1の磁性体を有し、前記収納部が、前記第1の磁性体との磁界の作用によって、前記カプセル型医療装置を誘導する第2の磁性体を収納する収納領域をさらに有することを特徴とする。
また、本発明にかかるカプセル収納装置は、上記発明において、前記第1の磁性体は、磁極を持たない磁性体、永久磁石、または電磁石であることを特徴とする。
また、本発明にかかるカプセル収納装置は、上記発明において、前記第2の磁性体は、永久磁石または電磁石であることを特徴とする。
また、本発明にかかるカプセル収納装置は、上記発明において、前記収納部が、前記被検体外で前記第2の磁性体の位置を指示するテンプレートを収納する収納領域をさらに有することを特徴とする。
また、本発明にかかるカプセル収納装置は、上記発明において、前記収納部が、前記管腔臓器内の粘液や泡を除去するための除去剤を収納する収納領域をさらに有することを特徴とする。
また、本発明にかかるカプセル収納装置は、上記発明において、前記収納部が、前記液体と、前記管腔臓器内の粘液や泡を除去するための除去剤とを同一の前記収納領域に格納することを特徴とする。
また、本発明にかかるカプセル収納装置は、上記発明において、前記各収納領域間を隔て、所定の圧力によって前記収納領域同士が前記特定の順番で貫通する隔壁部を、さらに備えることを特徴とする。
また、本発明にかかるカプセル収納装置は、上記発明において、前記各収納領域に前記特定の順番を示す表記を付記することを特徴とする。
また、本発明にかかるカプセル収納装置は、上記発明において、前記特定の順番を示す表記は、特定の順番を示す番号であることを特徴とする。
また、本発明にかかるカプセル収納装置は、上記発明において、前記カプセル型医療装置の状態を検出する状態検出部をさらに有し、前記特定の順番で前記カプセル型医療装置および前記摂取物を前記被検体に供給するタイミングを、前記状態検出部による検出結果に応じて決定することを特徴とする。
また、本発明にかかるカプセル収納装置は、上記発明において、前記状態検出部は、前記カプセル型医療装置の位置を検出する位置検出部であることを特徴とする。
また、本発明にかかる供給方法は、被検体内に導入されるカプセル型医療装置と、前記被検体の検査に用いる飲用可能な液体と、前記被検体の検査に用いて前記被検体内の管腔臓器を伸展させるための発泡剤と、複数の収納領域を有し、前記カプセル型医療装置と、前記液体または発泡剤の少なくとも1つを前記各収納領域に収納し、前記各収納領域から特定の順番で前記被検体に供給可能にする収納部と、を有するカプセル収納装置を用いた供給方法において、前記収納部の収納領域を前記特定の順番に開放させ、この開放させた収納領域内の前記液体、前記カプセル型医療装置の順番で、前記カプセル型医療装置、前記液体の順番で、前記カプセル型医療装置、前記発泡剤の順番で、前記液体、前記カプセル型医療装置、前記発泡剤の順番で、前記液体、前記発泡剤、前記カプセル型医療装置の順番で、前記発泡剤、前記液体、前記カプセル型医療装置の順番で、前記カプセル型医療装置、前記液体、前記発泡剤の順番で、または前記カプセル型医療装置、前記発泡剤、前記液体の順番で、前記被検体に摂取させるステップを、含むことを特徴とする。
また、本発明にかかる供給方法は、被検体内に導入されるカプセル型医療装置と、前記被検体の検査に用いる飲用可能な液体と、前記被検体の検査に用いて前記被検体内の管腔臓器を伸展させるための発泡剤と、複数の収納領域を有し、前記カプセル型医療装置と、前記液体または前記発泡剤の少なくとも1つとを前記各収納領域に収納し、前記各収納領域に前記特定の順番を示す表記を付記して、この表記の順番で前記被検体に供給可能にする収納部と、を有するカプセル収納装置を用いた供給方法において、前記収納部の収納領域を前記表記の順番に開放させ、この開放させた収納領域内の前記液体、前記カプセル型医療装置の順番で、前記カプセル型医療装置、前記液体の順番で、前記カプセル型医療装置、前記発泡剤の順番で、前記液体、前記カプセル型医療装置、前記発泡剤の順番で、前記液体、前記発泡剤、前記カプセル型医療装置の順番で、前記発泡剤、前記液体、前記カプセル型医療装置の順番で、前記カプセル型医療装置、前記液体、前記発泡剤の順番で、または前記カプセル型医療装置、前記発泡剤、前記液体の順番で、前記被検体に摂取させるステップを、含むことを特徴とする。
また、本発明にかかる供給方法は、上記発明において、前記カプセル型医療装置が、前記被検体外から誘導可能な第1の磁性体を有し、前記収納部が、前記カプセル型医療装置を誘導する第2の磁性体を収納する収納領域をさらに有し、前記ステップは、前記開放させた収納領域内の前記液体、前記第1の磁性体を有するカプセル型医療装置、前記第2の磁性体の順番で、前記第1の磁性体を有するカプセル型医療装置、前記発泡剤、前記第2の磁性体の順番で、前記液体、前記第1の磁性体を有するカプセル型内視鏡、前記発泡剤、前記第2の磁性体の順番で、または前記第1の磁性体を有するカプセル型医療装置、前記発泡剤、前記液体、前記第2の磁性体の順番で、前記被検体に供給することを特徴とする。
また、本発明にかかる供給方法は、上記発明において、前記収納部が、前記第2の磁性体の位置を指示するテンプレートを収納する収納領域をさらに有し、前記ステップは、前記開放させた収納領域内の前記テンプレート、前記液体、前記第1の磁性体を有するカプセル型医療装置、前記第2の磁性体の順番で、前記テンプレート、前記第1の磁性体を有するカプセル型医療装置、前記発泡剤、前記第2の磁性体の順番で、前記テンプレート、前記液体、前記第1の磁性体を有するカプセル型医療装置、前記発泡剤、前記第2の磁性体の順番で、または前記テンプレート、前記第1の磁性体を有するカプセル型医療装置、前記発泡剤、前記液体、前記第2の磁性体の順番で、前記被検体に供給することを特徴とする。
また、本発明にかかる供給方法は、上記発明において、前記収納部が、前記管腔臓器内の粘液や泡を除去するための除去剤を収納する収納領域をさらに有し、前記ステップは、前記開放させた収納領域内の前記除去剤、前記液体、前記カプセル型医療装置の順番で、前記除去剤、前記カプセル型医療装置、前記発泡剤の順番で、前記除去剤、前記液体、前記カプセル型医療装置、前記発泡剤の順番で、または前記除去剤、前記カプセル型医療装置、前記発泡剤、前記液体の順番で、前記被検体に摂取させることを特徴とする。
また、本発明にかかる供給方法は、上記発明において、前記収納部が、前記管腔臓器内の粘液や泡を除去するための除去剤を収納する収納領域をさらに有し、前記ステップは、前記開放させた収納領域内の前記除去剤、前記液体、前記第1の磁性体を有するカプセル型医療装置、前記第2の磁性体の順番で、前記除去剤、前記第1の磁性体を有するカプセル型医療装置、前記発泡剤、前記第2の磁性体の順番で、前記除去剤、前記液体、前記第1の磁性体を有するカプセル型医療装置、前記発泡剤、前記第2の磁性体の順番で、または前記除去剤、前記第1の磁性体を有するカプセル型医療装置、前記発泡剤、前記液体、前記第2の磁性体の順番で、前記被検体に供給することを特徴とする。
また、本発明にかかる供給方法は、上記発明において、前記収納部が、前記管腔臓器内の粘液や泡を除去するための除去剤を収納する収納領域をさらに有し、前記ステップは、前記開放させた収納領域内の前記テンプレート、前記除去剤、前記液体、前記第1の磁性体を有するカプセル型医療装置、前記第2の磁性体の順番で、前記テンプレート、前記除去剤、前記第1の磁性体を有するカプセル型医療装置、前記発泡剤、前記第2の磁性体の順番で、前記テンプレート、前記除去剤、前記液体、前記第1の磁性体を有するカプセル型医療装置、前記発泡剤、前記第2の磁性体の順番で、または前記テンプレート、前記除去剤、前記第1の磁性体を有するカプセル型医療装置、前記発泡剤、前記液体、前記第2の磁性体の順番で、前記被検体に供給することを特徴とする。
また、本発明にかかる供給方法は、被検体内に導入されるカプセル型医療装置と、前記被検体の検査に用いる飲用可能な少なくとも2種類の液体と、複数の収納領域を有し、前記カプセル型医療装置と前記少なくとも2種類の液体の少なくとも1つとを前記各収納領域にそれぞれ収納し、前記各収納領域から特定の順番で前記被検体に供給可能にする収納部と、を有するカプセル収納装置を用いた供給方法において、前記収納部の収納領域を前記特定の順番に開放させ、この開放させた収納領域内の前記液体のうちの第1の液体、前記カプセル型医療装置、前記第1の液体以外の第2の液体の順番で、前記液体のうちの第1の液体、前記第1の液体以外の第2の液体、前記カプセル型医療装置の順番で、または前記カプセル型医療装置、前記液体のうちの第1の液体、前記第1の液体以外の第2の液体の順番で、前記被検体に摂取させるステップを、含むことを特徴とする。
また、本発明にかかる供給方法は、上記発明において、前記収納部が、前記被検体内の管腔臓器を伸展させるための発泡剤を収納する収納領域をさらに有し、前記ステップは、前記開放させた収納領域内の前記液体のうちの第1の液体、前記カプセル型医療装置、前記発泡剤、前記第1の液体以外の第2の液体の順番で、前記液体のうちの第1の液体、前記発泡剤、前記カプセル型医療装置、前記第1の液体以外の第2の液体の順番で、前記液体のうちの第1の液体、前記第1の液体以外の第2の液体、前記発泡剤、前記カプセル型医療装置の順番で、または前記液体のうちの第1の液体、前記カプセル型医療装置、前記第1の液体以外の第2の液体、前記発泡剤の順番で、前記被検体に摂取させることを特徴とする。
また、本発明にかかる供給方法は、被検体内に導入されるカプセル型医療装置と、前記被検体の検査に用いる飲用可能な少なくとも2種類の液体と、前記被検体の検査に用いて前記被検体内の管腔臓器を伸展させるための発泡剤と、複数の収納領域を有し、前記カプセル型医療装置と前記各液体または発泡剤の少なくとも1つとを前記各収納領域にそれぞれ収納し、前記各収納領域に特定の順番を示す表記を付記して、この表記の順番で前記被検体に供給可能にする収納部と、を有するカプセル収納装置を用いた供給方法において、前記収納部の収納領域を前記表記の順番に開放させ、この開放させた収納領域内の前記液体のうちの第1の液体、前記カプセル型医療装置、前記発泡剤、前記第1の液体以外の第2の液体の順番で、前記液体のうちの第1の液体、前記発泡剤、前記カプセル型医療装置、前記第1の液体以外の第2の液体の順番で、前記液体のうちの第1の液体、前記第1の液体以外の第2の液体、前記発泡剤、前記カプセル型医療装置の順番で、または前記液体のうちの第1の液体、前記カプセル型医療装置、前記第1の液体以外の第2の液体、前記発泡剤の順番で、前記被検体に摂取させるステップを、含むことを特徴とする。
また、本発明にかかる供給方法は、上記発明において、前記カプセル型医療装置が、前記被検体外から誘導可能な第1の磁性体を有し、前記収納部が、前記カプセル型医療装置を誘導する第2の磁性体を収納する収納領域をさらに有し、前記ステップは、前記開放させた収納領域内の前記液体のうちの第1の液体、前記第1の磁性体を有するカプセル型医療装置、前記発泡剤、前記第1の液体以外の第2の液体、前記第2の磁性体の順番で、または前記第1の磁性体を有するカプセル型医療装置、前記発泡剤、前記液体のうちの第1の液体、前記第1の液体以外の第2の液体、前記第2の磁性体の順番で、前記被検体に供給することを特徴とする。
また、本発明にかかる供給方法は、上記発明において、前記収納部が、前記第2の磁性体の位置を指示するテンプレートを収納する収納領域をさらに有し、前記ステップは、前記開放させた収納領域内の前記テンプレート、前記液体のうちの第1の液体、前記第1の磁性体を有するカプセル型医療装置、前記発泡剤、前記第1の液体以外の第2の液体、前記第2の磁性体の順番で、または前記テンプレート、前記第1の磁性体を有するカプセル型医療装置、前記発泡剤、前記液体のうちの第1の液体、前記第1の液体以外の第2の液体、前記第2の磁性体の順番で、前記被検体に供給することを特徴とする。
また、本発明にかかる供給方法は、上記発明において、前記収納部が、前記管腔臓器内の粘液や泡を除去するための除去剤を収納する収納領域をさらに有し、前記ステップは、前記開放させた収納領域内の前記除去剤、前記液体のうちの第1の液体、前記カプセル型医療装置、前記発泡剤、前記第1の液体以外の第2の液体の順番で、または前記除去剤、前記カプセル型医療装置、前記発泡剤、前記液体のうちの第1の液体、前記第1の液体以外の第2の液体の順番で、前記被検体に摂取させることを特徴とする。
また、本発明にかかる供給方法は、上記発明において、前記収納部が、前記管腔臓器内の粘液や泡を除去するための除去剤を収納する収納領域をさらに有し、前記ステップは、前記開放させた収納領域内の前記除去剤、前記液体のうちの第1の液体、前記第1の磁性体を有するカプセル型医療装置、前記発泡剤、前記第1の液体以外の第2の液体、前記第2の磁性体の順番で、または前記除去剤、前記第1の磁性体を有するカプセル型医療装置、前記発泡剤、前記液体のうちの第1の液体、前記第1の液体以外の第2の液体、前記第2の磁性体の順番で、前記被検体に供給することを特徴とする。
また、本発明にかかる供給方法は、上記発明において、前記収納部が、前記管腔臓器内の粘液や泡を除去するための除去剤を収納する収納領域をさらに有し、前記ステップは、前記開放させた収納領域内の前記テンプレート、前記除去剤、前記液体のうちの第1の液体、前記第1の磁性体を有するカプセル型医療装置、前記発泡剤、前記第1の液体以外の第2の液体、前記第2の磁性体の順番で、または前記テンプレート、前記除去剤、前記第1の磁性体を有するカプセル型医療装置、前記発泡剤、前記液体のうちの第1の液体、前記第1の液体以外の第2の液体、前記第2の磁性体の順番で、前記被検体に供給することを特徴とする。
また、本発明にかかる供給方法は、被検体内に導入されるカプセル型医療装置と、前記被検体の検査に用いる飲用可能な液体と、前記被検体の検査に用いて前記被検体内の管腔臓器を伸展させるための発泡剤と、を有するカプセル医療システムを用いた供給方法において、前記液体、前記カプセル型医療装置の順番で、前記カプセル型医療装置、前記液体の順番で、前記カプセル型医療装置、前記発泡剤の順番で、前記液体、前記カプセル型医療装置、前記発泡剤の順番で、前記液体、前記発泡剤、前記カプセル型医療装置の順番で、前記発泡剤、前記液体、前記カプセル型医療装置の順番で、前記カプセル型医療装置、前記液体、前記発泡剤の順番で、または前記カプセル型医療装置、前記発泡剤、前記液体の順番で、前記被検体に摂取させるステップを、含むことを特徴とする。
また、本発明にかかる供給方法は、被検体内に導入されるカプセル型医療装置と、前記被検体の検査に用いる飲用可能な少なくとも2種類の液体と、を有するカプセル医療システムを用いた供給方法において、前記液体のうちの第1の液体、前記カプセル型医療装置、前記第1の液体以外の第2の液体の順番で、前記液体のうちの第1の液体、前記第1の液体以外の第2の液体、前記カプセル型医療装置の順番で、または前記カプセル型医療装置、前記液体のうちの第1の液体、前記第1の液体以外の第2の液体の順番で、前記被検体に摂取させるステップを、含むことを特徴とする。
また、本発明にかかる供給方法は、上記発明において、前記カプセル医療システムが、前記被検体の検査に用いて前記被検体の管腔臓器を伸展させるための発泡剤をさらに有し、前記ステップは、前記液体のうちの第1の液体、前記カプセル型医療装置、前記発泡剤、前記第1の液体以外の第2の液体の順番で、前記液体のうちの第1の液体、前記発泡剤、前記カプセル型医療装置、前記第1の液体以外の第2の液体の順番で、前記液体のうちの第1の液体、前記第1の液体以外の第2の液体、前記発泡剤、前記カプセル型医療装置の順番で、または前記液体のうちの第1の液体、前記カプセル型医療装置、前記第1の液体以外の第2の液体、前記発泡剤の順番で、前記被検体に摂取させることを特徴とする。
また、本発明にかかる供給方法は、被検体内に導入されるカプセル型医療装置と、前記被検体の検査に用い、前記被検体が摂取する必要のある少なくとも1つの摂取物と、を有するカプセル医療システムを用いた供給方法において、前記カプセル型医療装置を供給する第1の供給ステップと、前記第1の供給ステップによって供給した前記カプセル型医療装置の状態を検出する検出ステップと、前記カプセル型医療装置の状態の検出結果に応じて前記摂取物の摂取タイミングを決定する摂取タイミング決定ステップと、前記摂取タイミング決定ステップによって決定した前記摂取タイミングで前記被検体に前記摂取物の1つを供給する第2の供給ステップと、を含むことを特徴とする。
また、本発明にかかる供給方法は、上記発明において、前記検出ステップは、前記カプセル型医療装置の位置を検出することを特徴とする。
また、本発明にかかる供給方法は、上記発明において、前記検出ステップおよび前記第2の供給ステップは、前記被検体に摂取させる前記摂取物の個数分繰り返すことを特徴とする。
また、本発明にかかる供給方法は、上記発明において、前記カプセル型医療装置の状態の検出結果に応じて前記被検体の体位変換タイミングを決定する体位変換タイミング決定ステップと、前記体位変換タイミング決定ステップによって決定した体位変換タイミングで前記被検体の体位を変換する体位変換ステップと、を前記摂取タイミング決定ステップと前記第2の供給ステップとの間に含むことを特徴とする。
本発明にかかるカプセル収納装置およびこれを用いた供給方法は、カプセル型医療装置と、前記液体または発泡剤の少なくとも1つを、収納部の複数の収納領域に収納し、特定の順番で供給可能な構成とするので、検査に必要な複数の摂取物を特定の順番で正確、かつ容易に患者が摂取することができるようになるという効果を奏する。
以下に、本発明にかかるカプセル収納装置およびこれを用いた供給方法の実施の形態を図1〜図18の図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は、これらの実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更実施の形態が可能である。
(実施の形態1)
図1は、本発明にかかるカプセル型医療装置を含む無線型被検体内情報取得システムの全体構成を示す模式図である。なお、この無線型被検体内情報取得システム(カプセル医療システムともいう)では、カプセル型医療装置として、被検体である人間の口などから体腔内に導入して、体腔内の被検部位を撮影するカプセル型内視鏡を一例として説明する。図1において、無線型被検体内情報取得システムは、無線受信機能を有する受信装置2と、被検体1内に導入され、体腔内画像を撮像して受信装置2に対して画像信号などのデータ送信を行うカプセル型内視鏡3とを備える。また、無線型被検体内情報取得システムは、受信装置2が受信した画像信号に基づいて体腔内画像を表示する表示装置4と、受信装置2と表示装置4との間でデータの受け渡しを行うための携帯型記録媒体5とを備える。
受信装置2は、被検体1の体外表面に貼付される複数の受信用アンテナA1〜Anを有したアンテナユニット2aと、複数の受信用アンテナA1〜Anを介して受信される無線信号の処理などを行う受信本体ユニット2bとを備え、これらユニットはコネクタなどを介して着脱可能に接続される。なお、受信用アンテナA1〜Anのそれぞれは、たとえば被検体1が着用可能なジャケットに備え付けられ、被検体1は、このジャケットを着用することによって受信用アンテナA1〜Anを装着するようにしてもよい。また、この場合、受信用アンテナA1〜Anは、ジャケットに対して着脱可能なものであってもよい。
表示装置4は、カプセル型内視鏡3によって撮像された体腔内画像などを表示するためのものであり、携帯型記録媒体5によって得られるデータに基づいて画像表示を行うワークステーションなどのような構成を有する。具体的には、表示装置4は、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイなどによって直接画像を表示する構成としても良いし、プリンタなどのように、他の媒体に画像を出力する構成としても良い。
携帯型記録媒体5は、受信本体ユニット2bおよび表示装置4に対して着脱可能であって、両者に対して挿着された時に情報の出力または記録が可能な構造を有する。この実施の形態1では、携帯型記録媒体5は、カプセル型内視鏡3が被検体1の体腔内を移動している間は、受信本体ユニット2bに挿着されてカプセル型内視鏡3から送信されるデータを記録する。そして、カプセル型内視鏡3が被検体1から排出された後、つまり、被検体1の内部の撮像が終了した後、携帯型記録媒体5は、受信本体ユニット2bから取り出されて表示装置4に挿着され、この表示装置4によって、携帯型記録媒体5に記録されたデータが読み出される構成を有する。たとえば、受信本体ユニット2bと表示装置4とのデータの受け渡しを、コンパクトフラッシュ(登録商標)メモリなどから構成される携帯型記録媒体5によって行うことで、受信本体ユニット2bと表示装置4との間が有線で直接接続された場合よりも、被検体1が体腔内の撮影中に自由に動作することが可能となる。なお、ここでは、受信本体ユニット2bと表示装置4との間のデータの受け渡しに携帯型記録媒体5を使用したが、必ずしもこれに限らず、たとえば受信本体ユニット2bに内蔵型の他の記録装置、たとえばハードディスクを用い、表示装置4との間のデータの受け渡しのために、双方を有線通信または無線通信接続するように構成してもよい。
ところで、カプセル型内視鏡3は、患者への使用前には、滅菌されてその滅菌状態を保つ必要がある。また、このカプセル型内視鏡3を用いた検査では、カプセル型内視鏡3の他に、液体(管腔臓器を伸展または拡張するための液体、あるいは管腔内を洗浄するための洗浄液)や管腔臓器を伸展するための発泡剤などの複数の摂取物を特定の順番で患者に与えなければならない場合がある。そこで、この実施の形態1では、滅菌されたカプセル型内視鏡3などの複数の摂取物をカプセル収納装置に収納している。図2は、患者が摂取する摂取物を収納する実施の形態1にかかるカプセル収納装置6の構成を示す斜視図である。
まず、図2において、カプセル収納装置6は、カプセル型内視鏡3と液体を収納する収納領域11,12を有する収納部としてのパッケージ10と、収納領域11,12間に設けられ、各収納領域11,12を貫通可能に隔てる隔壁13とを備える。パッケージ10は、たとえば樹脂素材で略円筒形の袋状に形成されており、内部には2つに分割された収納領域11,12が設けられている。
収納領域11,12は、略円筒形状に形成される。たとえば、収納領域11内には、カプセル型内視鏡3と、このカプセル型内視鏡3を被検体(患者)1が飲み込むための第1の液体7とが収納され、収納領域12内には、第2の液体8が収納されている。また、収納領域11,12間には、両収納領域11,12を隔てる隔壁13が配設されている。この隔壁13は、収納領域11方向からの圧力(収納領域11側から加えられる圧力)に対して両収納領域11,12を隔てるように動作し、収納領域12方向からの圧力(収納領域12側から加えられる圧力)に対して両収納領域11,12を貫通させるように動作する、たとえば逆止弁と同様に作用する。あるいは、隔壁13は、収納領域12方向からのある一定以上の圧力に対して破れるように動作する。なお、このような収納領域は、2つに限らず、パッケージ10に複数設けて第1および第2の液体7,8を細かく分割して収納することも可能である。
また、収納領域11の一端には、収納領域11,12内の摂取物を吐出させるための飲み口14が設けられる。この飲み口14は、通常では収納領域11と外部とを遮断するように形成されており、カプセル型内視鏡3の飲み込みの際に患者1がこの飲み口14の一部を切り取って、収納領域11と外部とを連通状態にさせることが可能なように構成されている。また、この飲み口14の近傍のパッケージ10には、飲み口14の一部の切り取りが容易に行えるように、切り込み15を設けることも可能である。さらに、これら収納領域11,12上のパッケージ10には、患者1に飲み込む順番を知らせるための「1」と「2」の番号が付記されている。
なお、第1の液体7と第2の液体8は、異なる液質のものであってもよい。たとえば、第1の液体7が比重1の水からなり、第2の液体8が比重1よりも軽い食用油(オリーブオイルなど)からなる比重が異なる液体であってもよい。かかる異なる液質である場合の第1の液体7および第2の液体8は、例えば、検査を行う管腔臓器内でカプセル型内視鏡3の位置を調整する場合に患者1に飲込ませるものであっても構わない。また、第1の液体7と第2の液体8は、同じ液質のものであってもよい。たとえば、第1の液体7および第2の液体8が同じ比重の液体からなるものであってもよい。かかる同じ液質である場合の第1の液体7および第2の液体8は、例えば、患者1の体格に応じて飲む量を調整する場合に患者1に飲込ませるものであっても構わない。また、カプセル型内視鏡3は、液体7,8との比重の大小関係が、(第1の液体7)>(カプセル型内視鏡3)>(第2の液体8)を満たすものでも、(第1の液体7)=(第2の液体8)>(カプセル型内視鏡3)を満たすものでも構わない。
このカプセル型内視鏡3は、たとえば被検体1の体腔内に導入可能な、図示しないカプセル型筐体内部に、前端方向の撮影が可能な撮像光学系と、基板や回路構成部品や送信アンテナなどの回路系部と、電池と、加速度センサおよび角速度センサなどを備えた片眼タイプのものであり、カプセル型筐体内部を液密に封止して形成されている。このカプセル型内視鏡3は、液体に浮いた状態で重力方向に位置する被写体(被検体1の臓器内部)の画像を撮像する。かかるカプセル型内視鏡3は、例えば、その前端側が相対的に軽くなるように形成され、重力方向の上が撮像光学系で撮影できるように前後方向の重心のバランスを変えても良いし、または前端側が相対的に重くなるように形成され、重力方向の下が撮像光学系で撮影できるように前後方向の重心のバランスを変えても良い。
このようなカプセル収納装置6を用いて患者1がカプセル型内視鏡3を摂取し、たとえば胃に導入する一連の供給方法の場合について、図3〜図5の図面を用いて説明する。図3は、患者が図2に示した摂取物を摂取する状態を示す模式図であり、図4は、この実施の形態1にかかる摂取物の供給方法の手順を示す概略フローチャートであり、図5は、観察時の胃の様子を示す概略正面図である。なお、この実施の形態1では、カプセル型内視鏡3と液体7,8との比重の大小関係が、(第1の液体7)>(カプセル型内視鏡3)>(第2の液体8)を満たし、カプセル型内視鏡3が、液体に浮いた状態で重力方向、たとえば重力方向の上方を撮像光学系で撮影できるように、その前端側が相対的に軽くなるように前後方向の重心のバランスを変えて、胃9に導入される場合を説明する。
図4において、まず摂取物の供給に先立ち、カプセル型内視鏡3からの信号を受信するための受信用アンテナA1〜Anを有したアンテナユニット2aを被検体1の所定位置に配置するとともに、受信本体ユニット2bを被検体1の近傍位置に配置する(ステップS101)。次に飲み口14の一部を切り取り(ステップS102)、飲み口14を図3に示すように、口の近くに運んで行き、たとえば指で収納領域11の外周のパッケージ10(たとえば飲み込み順番「1」が表記されているパッケージ10の部分領域)に圧力(図2の矢印A方向の圧力)を加えることで(ステップS103)、収納領域11内のカプセル型内視鏡3および第1の液体7が患者の口内(図2の矢印B方向)に吐出される。
これにより、患者1は、第1の液体7とカプセル型内視鏡3を体内に飲み込むことが可能となり、飲み込まれた第1の液体7とカプセル型内視鏡3は、胃9内に導入される(ステップS104)。この場合、患者1は、立位あるいは座位の状態で摂取物を飲み込む。なお、この状態では、パッケージ10の隔壁13は閉状態を維持して、収納領域11と収納領域12とを隔てている。また、カプセル型内視鏡3の起動は、たとえば従来例のようにパッケージ10に永久磁石を取り付けておいて、カプセル型内視鏡3を取り出すことによって、起動させてもよいし、またパッケージ10から取り出した後に永久磁石をカプセル型内視鏡3に近づけて起動させてもよい。カプセル型内視鏡3は、起動すると撮像光学系のLEDが点滅するので、この点滅を患者が確認できるように、パッケージは透明な素材で構成されることが好ましい。
次に、収納領域12の外周のパッケージ10(たとえば飲み込み順番「2」が表記されているパッケージ10の部分領域)に圧力(図2の矢印C方向の圧力)を加えると(ステップS105)、隔壁13が収納領域11側に開いて収納領域11と収納領域12とを貫通させ、収納領域12内の第2の液体8が収納領域11を介して患者の口内(図2の矢印B方向)に吐出される。これにより、患者1は、第2の液体8を体内に飲み込むことが可能となり、飲み込まれた第2の液体8は、胃9内に導入される(ステップS106)。これらカプセル型内視鏡3、第1の液体7および第2の液体8が胃9内に導入されると、胃9がその摂取量に基づいて伸展するとともに、その比重の違いによって、図5に示すように、第1の液体7上に第2の液体8が境界面Eを形成して積層状態になり、中間の比重を有するカプセル型内視鏡3がこの境界面Eに位置して浮揚する。カプセル型内視鏡3は、その前端側が相対的に軽くなるように前後方向の重心のバランスを変えているので、境界面Eにおいて撮像方向となる前端側が重力方向の上を向く立ち状態(鉛直状態)で安定して浮揚することとなる。カプセル型内視鏡3は、このような安定した立ち状態で胃9の上方側を撮影することによって内壁9aの画像を取得し、この取得した画像を受信装置2側に送信し、この結果、胃9の観察を開始することができる(ステップS107)。
このように、この実施の形態1では、カプセル型内視鏡3および第1の液体7と、第2の液体8とを被検体の摂取物としてパッケージ10の複数の収納領域11,12にそれぞれ収納して、これら収納領域11,12を連通させるとともに、収納領域11,12間に隔壁を設け、一方向の圧力で隔壁が開状態となって、摂取物が吐出するように構成し、このパッケージ10に表記された番号に基づく特定の順番で被検体に摂取物を供給可能とするので、検査に必要な複数の摂取物を特定の順番で正確、かつ容易に患者が摂取することを可能にすることができる。また、この実施の形態1では、摂取する順番が正確になるため、誰でも容易に取り扱えることができ、検査が簡便になる。これにより、患者が誤った順番で摂取物を摂取してしまう確率が低くなって、検査がスムーズに行われることとなり、誤検査の防止および検査時間の効率化を図ることができる。また、このカプセル収納装置6は、パッケージが1つであるため、患者以外の人間がパッケージを触る必要がなく、衛生的に検査を完了させることができる。
また、この実施の形態1では、液体を飲むことで、胃9を伸展させることができるので、カプセル型内視鏡3の観察に必要な臓器内部の空間を十分に確保でき、臓器内壁をより詳細に撮影することができ、胃9内を見落としなく観察することができる。また、患者1自身の体位変換と組み合わせることで、胃9内における境界面Eの位置を変えるだけで、カプセル型内視鏡3がランダムに揺れて境界面E上を浮揚する。このカプセル型内視鏡3がランダムに揺れることにより、カプセル型内視鏡3が撮影する胃9内の撮像部位を変化させることができ、さらに胃9内を見落としなく観察することができる。さらに、カプセル型内視鏡3の撮像光学系として、図5中に示す点線に代えて実線で示すように広角化された撮像光学系を備えるものを用いるようにすれば、少ない体位変換で胃9内をより広範囲に亘って観察することができる。
また、この実施の形態1では、第1の液体7と第2の液体8との胃9内への摂取量を可変させて境界面Eの高さ位置を変化させることで、カプセル型内視鏡3の胃9内における重力方向の浮揚位置を任意の位置として、胃9内を観察させることができる。図6は、第1の液体7の摂取量の増加前と増加後の胃9内の様子を示す概略正面図である。すなわち、図6(a)に示すように、カプセル型内視鏡3とともに所定量の第1の液体7、第2の液体8を飲み込んで観察を開始した後、図6(b)に示すように、適宜第1の液体7を追加して飲み込んで胃9内の第1の液体7の摂取量を順次増加させることで、境界面Eの位置が順に高くなり、胃9の下部(幽門部)9b側から上部(噴門部)9c側に向けて順次内壁9aを観察することができる。この場合も、第1の液体7の追加毎に、患者1自身の体位変換と組み合わせて、胃9内における境界面Eの位置を変えるだけで、カプセル型内視鏡3による撮像部位を変化させることができ、胃9内を見落としない状態でくまなく撮影することができる。また、カプセル型内視鏡3の前端側が相対的に重くなるように、前後方向の重心のバランスを変えて重力方向の下が撮像光学系で撮影できるようにした場合も、上記と同様、胃9内における境界面Eの位置を変えるだけで、カプセル型内視鏡3による撮像部位を変化させることができ、胃9内を見落としない状態でくまなく撮影することができる。これにより、検査後に、ランダムに撮像した複数の画像を、各画像の相関から結合することが可能となり、胃9内の全体の画像を作成し、医師などに提示することで、効率的な診断を行うことが可能となる。
なお、第1の液体7と第2の液体8を同じ比重の液体、例えば両方とも比重1の水を用いた場合、上述した効果と同様の効果を奏することができるが、この場合には、カプセル型内視鏡3が水と空気層の境界面で立ち状態となり、境界面の揺らぎなどがあると、比重の異なる2液の場合に比べて境界面での粘性が弱くなるため、カプセル型内視鏡3の動き(倒れ)が大きくなり、動きの少ない安定した立ち状態で浮揚することが難しくなる。また、比重の異なる2液の場合には、カプセル型内視鏡3の観察面が常に液体中にあるので、カプセル型内視鏡3の観察面上の傷や汚れが目立ちにくくなり、良好な観察画像を得ることができる。さらに、この実施の形態1では、胃が第1および第2の液体で満たされているため、超音波の伝播が良好である。そこで、画像取得時に被検体外に設けた3D超音波プローブなどにより胃内の3次元画像を撮り、カプセル型内視鏡の位置および向きを特定する。そして、この位置あるいは向き情報を元に、画像結合を行えばより高精度に胃内壁の画像の構築ができ、高精度な診断に寄与することができる。
また、カプセル型内視鏡3の位置は、たとえばカプセル型内視鏡3内に設けられた加速度センサや角速度センサで検出することも可能であるが、受信装置2には、カプセル型内視鏡3からの無線信号を受信する受信用アンテナA1〜Anが複数あり、この複数の受信用アンテナA1〜Anそれぞれの受信強度からカプセル型内視鏡3の位置を割り出す位置検出機能を設けても良い。そして、上記画像結合をこの位置検出機能の結果に基づいて行っても良い。この場合には、画像結合の精度がさらに向上し、より確実な診断ができるようになる。
(実施の形態1の変形例)
図7は、図2の実施の形態1にかかるカプセル収納装置6の変形例1の構成を示す斜視図である。図7において、カプセル収納装置6は、貫通することのない状態で完全に分離された収納領域21,22を内部に有するパッケージ20を備える。このパッケージ20の両端には、患者1が収納領域21,22内の摂取物を飲み込むための飲み口23,24がそれぞれ別々に設けられている。
なお、この実施の形態1の変形例1では、収納領域21内にはカプセル型内視鏡3と第1の液体が収納され、収納領域22内には第2の液体が収納されている点と、これら収納領域21,22上のパッケージ20には、患者1に飲み込む順番を知らせるための「1」と「2」の番号がそれぞれ付記されている点とは、実施の形態1と同様である。また、飲み口23,24の近傍のパッケージ20に、飲み口23,24の一部の切り取りが容易に行えるように、切り込み25,26をそれぞれ設けることが可能な点は実施の形態1と同様である。
この実施の形態1の変形例1では、まず患者が飲み口23の一部を切り取り、収納領域21の外周のパッケージ20(たとえば飲み込み順番「1」が表記されているパッケージ20の部分領域)に圧力を加えることで、収納領域21内のカプセル型内視鏡3および第1の液体7が患者1の口内に吐出される。その後、患者1がパッケージ20を逆向きの収納領域22側にして飲み口24の一部を切り取り、収納領域22の外周のパッケージ20(たとえば飲み込み順番「2」が表記されているパッケージ20の部分領域)に圧力を加えることで、収納領域22内の第2の液体8が患者1の口内に吐出される。
このように、この実施の形態1の変形例1でも、カプセル型内視鏡3および第1の液体7と、第2の液体8とを、被検体1の摂取物としてパッケージ20の複数の収納領域21,22にそれぞれ収納し、このパッケージ20に表記された番号に基づく特定の順番で被検体1に摂取物を供給可能とするので、実施の形態1と同様に、検査に必要な複数の摂取物を特定の順番で正確、かつ容易に患者が摂取することを可能にすることができる。なお、パッケージへの表記は、上述の番号に限らず、「A」「B」「C」などのアルファベットでもよく、他にも特定の順番を提示できる表記であれば、その表記態様は問わず、所望の表記であってもよい。
また、この実施の形態1の変形例1にかかるカプセル収納装置6は、2つの収納領域21,22を有するパッケージ20からなるので、構成が簡単であり、製造の自動化が容易になるとともに、安易に製造することができる。また、この実施の形態1の変形例1にかかるカプセル収納装置6は、実施の形態1と同様に、パッケージが1つであるため、患者以外の人間がパッケージを触る必要がなく、衛生的に検査を完了させることができる。
図8は、図2の実施の形態1にかかるカプセル収納装置6の変形例2の構成を示す斜視図である。この実施の形態1の変形例2では、たとえば異なる液質の第1と第2の液体を摂取し、管腔臓器(胃)内でカプセル型内視鏡3の位置を調整(コントロール)する場合、あるいは患者1の体格や胃の大きさに合わせて液体の摂取量を変更する場合に適切なカプセル収納装置6である。すなわち図8において、この実施の形態1の変形例2にかかるカプセル収納装置6は、第1の液体7を分割して収納する複数の収納領域21a〜21cからなる収納領域21と、第2の液体8を分割して収納する複数の収納領域22a,22bからなる収納領域22とを備える。かかる収納領域21と収納領域22とは、貫通することのない状態で完全に分離されている。
また、収納領域21a,21b間には、各収納領域21a,21bを貫通可能に隔てる隔壁25aが設けられ、収納領域21b,21c間には、各収納領域21b,21cを貫通可能に隔てる隔壁25bが設けられる、一方、収納領域22a,22b間には、各収納領域22a,22bを貫通可能に隔てる隔壁26が設けられている。この隔壁25a,25bは、実施の形態1の隔壁13と同様に、収納領域21cまたは収納領域21bから収納領域21aに向かう方向の圧力に対してのみ、両収納領域を貫通させるように動作する、たとえば逆止弁と同様に作用する。また、この隔壁26は、実施の形態1の隔壁13と同様に、収納領域22bから収納領域22aに向かう方向の圧力に対してのみ、両収納領域を貫通させるように動作する、たとえば逆止弁と同様に作用する。なお、収納領域21,22は、完全に分離した状態に形成されており、互いの収納領域に加わる圧力に対しては影響を受けないようになっている。
また、収納領域21aの端部および収納領域22aの端部には、収納領域21a〜21c内の摂取物(カプセル型内視鏡3、第1の液体7)を吐出させるための飲み口23および収納領域22a,22b内の摂取物(第2の液体8)を吐出させるための飲み口24がそれぞれ設けられる。これら飲み口23,24は、通常では収納領域21a,22aと外部とをそれぞれ遮断するように形成されており、摂取物の飲み込みの際に患者1がこの飲み口23,24の一部を切り取って、収納領域21a,22aと外部とを連通状態にさせることが可能なように構成されている。また、この飲み口23,24の近傍のパッケージ20には、飲み口23,24の一部の切り取りが容易に行えるように、切り込み27,28をそれぞれ設けることも可能である。さらに、これら収納領域21a〜21c上のパッケージ20には、患者1に飲み込む順番を知らせるための「1−1」、「1−2」、「1−3」の番号がそれぞれ付記されている。一方、収納領域22a,22b上のパッケージ20には、同じく患者1に飲み込む順番を知らせるための「2−1」、「2−2」の番号がそれぞれ付記されている。なお、この実施の形態1の変形例2では、たとえば収納領域21a〜21cには50mlの第1の液体7がそれぞれ収納され、カプセル型内視鏡3は、上記第1の液体7とともに収納領域21aに収納されている。また、収納領域22aには200mlの第2の液体8が収納され、収納領域22bには100mlの第2の液体8がそれぞれ分割して収納されている。また、収納領域22a,22bには第2の液体8が分割して収納されている。例えば、収納領域22aには200mlの第2の液体8が収納され、収納領域22bには100mlの第2の液体8が収納されている。また、この実施の形態1の変形例2では、カプセル型内視鏡3を第1の液体7とは別の収納領域に収納することも可能である。
このようなカプセル収納装置6を用いて患者1がカプセル型内視鏡3を摂取する場合には、まず飲み口23の一部を切り取り、予め規定された必要摂取量の収納領域(収納領域21a〜21cのいずれか)に圧力を加える。たとえば100mlの第1の液体7とカプセル型内視鏡3とを摂取する場合には、指で収納領域21bの外周のパッケージ20(例えば飲み込み順番「1−2」が表記されているパッケージ20の部分領域)に圧力を加えることで、収納領域21a,21b内のカプセル型内視鏡3および第1の液体7(100ml)が患者1の口内(図2の矢印B方向)に吐出される。これにより、患者1は、カプセル型内視鏡3と必要摂取量の第1の液体7とを体内に飲み込むことが可能となる。なお、この状態では、隔壁25aは収納領域21a側に開いて収納領域21aと収納領域21bとを貫通させる。一方、隔壁25bは、閉状態を維持して、収納領域21bと収納領域21cとを隔てて、収納領域21c内の第1の液体7が外部に吐出されることを防いでいる。また、この形態であれば、患者は飲み口23を直接口にくわえて液体を摂取できるため、この患者の体位によらず液体を摂取し易くなっている。例えば、患者が左側臥位や右側臥位や仰向けの体位をとった場合であっても、容易に液体を摂取できるようになっている。
次に、患者1がパッケージ20を逆向きの収納領域22側にして飲み口24の一部を切り取り、予め規定された必要摂取量の収納領域(収納領域22a,22bのいずれか)に圧力を加える。たとえば200mlの第2の液体8を摂取する場合には、収納領域22aの外周のパッケージ20(たとえば飲み込み順番「2−1」が表記されているパッケージ20の部分領域)に圧力を加えると、収納領域22a内の第2の液体8(200ml)が患者1の口内に吐出される。これにより、患者1は、必要摂取量の第2の液体8を体内に飲み込むことが可能となる。なお、この状態では、隔壁26は閉状態を維持して、収納領域22aと収納領域22bとを隔てて、収納領域22b内の第2の液体8が外部に吐出されることを防いでいる。
このように、この実施の形態1の変形例2でも、カプセル型内視鏡3および第1の液体7と、第2の液体8とを、被検体1の摂取物としてパッケージ20の複数の収納領域21,22にそれぞれ収納し、このパッケージ20に表記された番号に基づく特定の順番で摂取物を被検体1に供給可能とするので、実施の形態1と同様の効果を奏することができる。また、第1および第2の液体7,8を分割して各収納領域21a〜21c,22a,22bに収納し、必要摂取量を外部に吐出することができるので、必要に応じて適正な摂取量の摂取物を患者に供給することができる。また、必要総摂取量としては、平均的な体型の患者の場合、合計500ml(例えば、100ml、200ml、200mlの3つの収納領域に分けて供給)程度であればよい。さらに大柄な患者の場合は、1000ml程度まで収納可能な摂取物の収納領域を有するようにカプセル収納装置6を構成し、かかるカプセル収納装置6を用いて1000ml程度までの液体等の摂取物を患者に供給できるようにすれば、なおよい。
(実施の形態2)
図9は、患者が摂取する摂取物を収納する実施の形態2にかかるカプセル収納装置の構成を示す斜視図であり、図10は、図9の一部分を拡大した部分拡大図である。図9,10において、カプセル収納装置30は、液体とカプセル型内視鏡3と発泡剤とをそれぞれ収納する収納領域31a〜31cを有する収納部としてのブリスターパック31と、ブリスターパック31の開口上面に設けられた滅菌シート35とを備える。ブリスターパック31は、断面凹の3つの箱形状に形成された収納領域31a〜31cを有し、これら箱形を1列にし、開口上面で連結して形成されている。この開口上面には、滅菌シート35がヒートシールして開口を閉塞するための封止面31dを備える。この封止面31dは、1列に配設された収納領域31a〜31cの開口上面の外周を無端状に取り巻いて形成されている。
収納領域31a内には、液体が収納されており、この収納領域31aが形成されたブリスターパック31の側面には、患者1に飲み込む順番を知らせるための「1」が付記されている。なお、この液体は、比重1の水からなり、たとえば上部にストロー36が挿入され、かつ液体の総容量と患者の摂取量が一目で認識可能な目盛り32aを付けた円筒形のボトル32内に収容された状態で収納領域31a内に収納されている。また、収納領域31b内には、比重1より若干小さい比重に設定された実施の形態1と同様の構成からなるカプセル型内視鏡3が収納されており、この収納領域31bが形成されたブリスターパック31の側面には、同じく順番を知らせる「2」が付記されている。収納領域31c内には、患者1の胃を伸展させるための発泡剤が収納されており、この収納領域31cが形成されたブリスターパック31の側面には、同じく順番を知らせる「3」が付記されている。なお、この発泡剤は、たとえば収容ケース33内に収容された状態で収納領域31c内に収納されている。
滅菌シート35は、たとえば収納領域31aの端部側で封止面31dより若干長めにシールされ、この1枚の滅菌シート35によってブリスターパック31の開口上面を閉塞している。かかる滅菌シート35の舌状にはみ出した部分を摘んでブリスターパック31から滅菌シート35を剥ぎ取ることによって、収納領域31a側からの滅菌シート35の剥ぎ取りを可能にしてもよい。また、滅菌シート35は、3つの収納領域31a,31b,31cに対応して3枚の滅菌シート35a,35b,35cからなるようにし、たとえば図10の拡大図に示すように、隣り合う収納領域の滅菌シート35a,35bの一部が重なり合うようにそれぞれの開口上面を閉塞してもよい。この場合には、患者1の飲み込む順番が遅い収納領域31cの滅菌シート35cから開口上面を閉塞し、最後に順番の一番早い収納領域31aの滅菌シート35aによって開口上面を閉塞する。なお、後の順番の滅菌シートの端部は、1つ前の順番の収納領域を若干覆うようにシールされる。この場合には、各滅菌シートが連なって剥離されることを防止するため、各滅菌シートと封止面31dとの粘着精度をシート間の粘着精度より強くしておくことが好ましい。
したがって、図10に示すように、番号「1」が付記されている収納領域31aの滅菌シート35aをブリスターパック31から剥がすと、水が収納されたボトル32と2番目の収納領域31bの滅菌シート35bの端部とが現れて、次の収納領域31bの滅菌シート35bの剥ぎ取りを可能にしている。患者1は、このボトル32を取り出して、体内に必要量の液体(例えば水)を飲み込むことが可能となる。ボトル32には、水の容量がわかる目盛り32aがついているので、患者1は、この目盛り32aを参照しつつ、自身の身体の大きさにあった量の水を、ストロー36を介して飲む。患者1が摂取する水の摂取量は、たとえば予め測定された患者1の体重、身長、胸囲などの情報から決定されても良いし、或いは事前にX線や腹部エコーで得られた胃の大きさの情報などから決定されても良い。
次に、患者1が、「2」が付記されている収納領域31bの滅菌シート35bをブリスターパック31から剥がすと、カプセル型内視鏡3と3番目の収納領域31cの滅菌シート35cの端部とが現れて、次の収納領域31cの滅菌シート35cの剥ぎ取りを可能にしている。患者1は、このカプセル型内視鏡3を手にとって飲み込む。これにより、患者1は、水とカプセル型内視鏡3とを体内に飲み込むことが可能となり、飲み込まれた水およびカプセル型内視鏡3は、胃9内に導入される。なお、このカプセル型内視鏡3の起動は実施の形態1と同様である。
そして、最後に番号「3」が付記されている収納領域31cの滅菌シート35cをブリスターパック31から剥がすと、発泡剤が収納された収容ケース33が現れる。患者1は、この収容ケース33を手にとって発泡剤を飲み込む。なお、この際に発泡剤とともに、発泡剤を反応(発泡)させるための水を摂取しても良い。また、発泡剤を摂取すると、胃内の圧力が上がり、ゲップをしたくなり、検査では、それを我慢しなければならないため、発泡剤を摂取した後に、液体或いはカプセル型内視鏡を摂取することは難しい。そこで、この観点から発泡剤を最後に摂取することが患者にとって好ましい。なお、発泡剤あるいは液体によって拡張された胃内にカプセル型内視鏡を落下させて観察を行いたい場合などは、必要に応じて発泡剤摂取後にカプセル型内視鏡(あるいは他の液体)を飲むことにしても勿論よい。
これらカプセル型内視鏡3、液体、発泡剤が胃9内に導入されると、胃9が発泡剤によって伸展するとともに、その比重の違いによって、図11に示すように、液体7と空気層によって境界面Fが形成され、液体7の比重より小さい比重のカプセル型内視鏡3がこの境界面Fに位置して浮揚する。カプセル型内視鏡3は、前端側が相対的に軽くなるように、前後方向のバランスを変えているので、境界面Fにおいて撮像方向となる前端側が重力方向の上を向く立ち状態(鉛直状態)で安定して浮揚することとなる。カプセル型内視鏡3は、このような安定した立ち状態で胃9の上方側を撮影することによって内壁9aの画像を取得し、この取得した画像を受信装置2側に送信し、この結果、胃9の観察を開始することができる。
また、この実施の形態2では、液体7の胃9内への摂取量を可変させて境界面Fの高さ位置を変化させることで、カプセル型内視鏡3の胃9内における重力方向の浮揚位置を任意の位置として、胃9内を観察させることができる。すなわち、カプセル型内視鏡3とともに所定量の液体7を飲み込んで観察を開始した後、適宜液体7を追加して飲み込んで胃9内の液体7の摂取量を順次増加させることで、境界面Fの位置がたとえば実線位置から点線位置Gまで順に高くなり、胃9の下部(幽門部)9b側から上部(噴門部)9c側に向けて順次内壁9aを観察することができる。この場合も、液体7の追加毎に、患者1自身の体位変換と組み合わせて、胃9内における境界面Fの位置を変えるだけで、カプセル型内視鏡3による撮像部位を変化させることができ、胃9内を見落としない状態でくまなく撮影することができる。また、カプセル型内視鏡3の前端側が相対的に重くなるように、前後方向のバランスを変えて重力方向の下が撮像光学系で撮影できるようにした場合も、上記と同様、胃9内における境界面Fの位置を変えるだけで、カプセル型内視鏡3による撮像部位を変化させることができ、胃9内を見落としない状態でくまなく撮影することができる。これにより、検査後に、ランダムに撮像した複数の画像を、各画像の相関から結合することが可能となり、胃9内の全体の画像を作成し、医師などに提示することで、効率的な診断を行うことが可能となる。
このように、この実施の形態2では、液体、カプセル型内視鏡3、発泡剤などの複数の摂取物を、ブリスターパック31のそれぞれ仕切られた収納領域31a〜31cに収納し、ブリスターパック31に表記された番号に基づく特定の順番で滅菌シート35を剥がし、摂取物毎に上記特定の順番で被検体に供給可能とするので、検査に必要な複数の摂取物を特定の順番で正確、かつ容易に患者が摂取することを可能にすることができる。また、カプセル形状のカプセル型医療装置には、液体に溶けるタイプのものもあるので、本実施の形態2のように、各摂取物を1つ1つ別々に収納領域に収納することで、個々の摂取物の変形や変質を防ぐことができる。
なお、カプセル型内視鏡3による体腔内の検査では、液体または発泡剤を摂取しない場合もある。この場合には、ブリスターパック31の収納領域には、カプセル型内視鏡3と発泡剤、または液体とカプセル型内視鏡3を別々の収納領域に収納し、ブリスターパック31に表記された番号に基づく特定の順番で滅菌シート35を剥がし、カプセル型内視鏡3、発泡剤の順番で、または液体、カプセル型内視鏡3の順番で患者が摂取できるようにすることも可能である。また、発泡剤を摂取するための水が必要な場合もあるので、この水をブリスターパック31の収納領域に収納し、上記の場合を考慮に入れて、カプセル型内視鏡3、発泡剤、水の順番で患者が摂取できるようにすることも可能である。また、保管や輸送時の特性によって液体と発泡剤だけ、または液体と発泡剤の一部だけをブリスターパック31の収納領域に収納することも可能である。
また、カプセル型内視鏡3が被検体外から誘導可能な第1の磁性体(永久磁石)を内蔵し、被検体外から磁性体(永久磁石または電磁石)でカプセル型内視鏡3に磁場を加えて、たとえば水平方向に移動させたり、その場で揺動させるなどの誘導を行うことも可能である。ここで、誘導に使用する被検体外の磁性体が永久磁石の場合には、この永久磁石の使用順番を明確にするために、ブリスターパック31の最後尾に新たな収納領域を形成し、他の摂取物と同様に、この収納領域に永久磁石を収納する。そして、たとえば液体、カプセル型内視鏡3、永久磁石の順番で、カプセル型内視鏡3、発泡剤、永久磁石の順番で、液体、カプセル型内視鏡、発泡剤、磁石の順番で、またはカプセル型内視鏡3、発泡剤、水、永久磁石の順番で、患者が摂取または取得できるようにすることも可能である。この場合、ブリスターパック31は、収納された磁石の磁界を遮断する磁気閉回路で構成されているとなお好ましい。
さらに、テンプレートを用いて被検体外での磁石の位置を指示する場合には、このテンプレートを収納する新たな収納領域をブリスターパック31の1番目に形成し、他の摂取物と同様に、この収納領域にテンプレートを収納する。そして、たとえばテンプレート、液体、カプセル型内視鏡3、永久磁石の順番で、テンプレート、カプセル型内視鏡3、発泡剤、永久磁石の順番で、テンプレート、液体、カプセル型内視鏡3、発泡剤、磁石の順番で、またはテンプレート、カプセル型内視鏡3、発泡剤、水、永久磁石の順番で、患者が摂取または取得できるようにすることも可能である。
また、患者は、液体を摂取する前に、胃内の粘液や発泡剤による泡あるいは粘液そのものを除去するための除去剤(ガスコンドロップ、ジメチルポリシロキサン、プロナーゼ、プロクターゼ、炭酸水素ナトリウムなど)を摂取しても良い。この場合には、除去剤を収納する新たな収納領域をブリスターパック31の1番目に形成しても良いし、あるいは収納領域に収納されている液体にこの除去剤を混合させても良い。そして、たとえば除去剤、液体、カプセル型内視鏡3の順番で、除去剤、カプセル型内視鏡3、発泡剤の順番で、除去剤、液体、カプセル型内視鏡3、発泡剤の順番で、または前記除去剤、カプセル型内視鏡3、発泡剤、液体の順番で、患者が摂取できるようにすることも可能である。また、この他にも鎮痙剤(ペパーミント溶液、オキセサゼイン、ロートエキス、臭化チメピジウムなど)を特定の順番で供給し、患者が摂取できるようにしてもよい。
(実施の形態2の変形例)
図12は、図9の実施の形態2にかかるカプセル収納装置30の変形例の構成を示す正面図である。図12において、この実施の形態2の変形例にかかるカプセル収納装置30は、カプセル型内視鏡3と液体7とをそれぞれ収納する収納領域41,42を有する収納部としてのパッケージ40と、収納領域41,42間に設けられ、各収納領域41,42を貫通可能に隔てる隔壁43とを備える。パッケージ40は、たとえば樹脂素材で略円筒形の袋状に形成されており、内部には2つに分割された収納領域41,42が設けられている。なお、この実施の形態2の変形例は、摂取物の1つ1つを別々に収納領域に収納するためのものであるので、実施の形態2の変形例とした。
収納領域41,42は、略円筒形状に形成され、カプセル型内視鏡3と液体7とを別々に収納する。たとえば、収納領域41内にはカプセル型内視鏡3が収納され、収納領域12内にはこのカプセル型内視鏡3を患者1が飲み込むための液体7が収納されている。また、収納領域41,42間には、両収納領域41,42を隔てる隔壁43が配設されている。この隔壁43は、収納領域41方向からの圧力(収納領域41側から加えられる圧力)に対して両収納領域41,42を隔てるように動作し、収納領域42方向からの圧力(収納領域42側から加えられる圧力)に対して両収納領域41,42を貫通させるように動作する、たとえば逆止弁と同様に作用する。
また、収納領域41の一端には、収納領域41,42内の摂取物を吐出させるための飲み口44が設けられる。この飲み口44は、通常では収納領域41と外部とを遮断するように形成されており、カプセル型内視鏡3の飲み込みの際に患者1がこの飲み口44の一部を切り取って、収納領域41と外部とを連通状態にさせることが可能なように構成されている。また、この飲み口44の近傍のパッケージ40には、飲み口44の一部の切り取りが容易に行えるように、切り込み45を設けることも可能である。
この実施の形態2の変形例では、まず患者が飲み口44の一部を切り取り、収納領域41からカプセル型内視鏡3を取り出し、次に収納領域42の外周のパッケージ40に圧力を加えることで、収納領域42内の液体が患者の口内に吐出される。
このように、この実施の形態2の変形例では、液体、カプセル型内視鏡3を別々の収納領域に収納し、飲み口44の一部を切り取って摂取物毎に特定の順番で被検体に供給可能とするので、実施の形態2と同様に、検査に必要な複数の摂取物を特定の順番で正確、かつ容易に患者が摂取することを可能にすることができるとともに、個々の摂取物の変形や変質を防ぐことができる。
なお、この実施の形態2の変形例では、カプセル型内視鏡3の収納の場合について説明したが、カプセル型内視鏡3の代わりに、たとえば固形あるいは粉末の発泡剤を収納領域41に収納してもよい。この場合、発泡剤は水分によって変形または変質するので、液体と別々に収納領域内に収納することで、患者が飲み込む前に発泡剤が変形や変質することを防ぐことができる。そして、カプセル型内視鏡3を摂取した後に、発泡剤、水の順番で患者が摂取できるようにすることも可能である。
(実施の形態3)
図13は、患者が摂取する摂取物を収納する実施の形態3にかかるカプセル収納装置50の構成を示す斜視図であり、図14は、図13に示したカプセル収納装置50の駆動制御系の内部構成を示すブロック図である。この実施の形態3では、上述したパッケージやブリスターパックとは異なって、機械的にアクティブに、患者が摂取する複数の摂取物を順番に供給するものである。図13,14において、カプセル収納装置50は、側面がコ字形状の収納部としての外枠本体51と、外枠本体51の開口上面を覆う蓋部52と、摂取物の供給を指示する供給ボタン53と、外枠本体51の上部に設けられて第1および第2の液体の収納および吐出を行う収納領域としての液体吐出部54と、外枠本体51の上部に設けられてカプセル型内視鏡3、摂取物のうちのカプセル型内視鏡3や発泡剤などの固形物の収納および取り出しを行う収納領域としての固形物取出部55と、外枠本体51の上部に設けられて検査の順番や複数の摂取物の特定の取得順番などを知らせる表示部56と、外枠本体51の下部に設けられて載置された容器、たとえばコップ61などを検出する荷重センサ57とを備える。
液体吐出部54は、外枠本体51上部の下側に配設されており、液体吐出駆動部59の駆動制御によって内部に収納された第1および第2の液体を、下方の荷重センサ57の方向に吐出する。なお、液体吐出部54では、第1および第2の液体が別々の収納領域に収納されるとともに、特定の順番に基づいて別々に吐出されるように構成されている。
固形物取出部55は、外枠本体51の上部側面に配設されており、固形物取出駆動部60の駆動制御によって内部に収納されたカプセル型内視鏡3および発泡剤を、患者1が取り出し可能なように、外枠本体51の横方向に搬出させる。なお、固形物取出部55によるカプセル型内視鏡3および発泡剤の搬出は、両摂取物を同時に搬出するように構成してもよいし、別々に搬出するように構成してもよい。なお、これら摂取物の補充は、外枠本体51の開口上面を覆う蓋部52を開けて、上方から液体吐出部54および固形物取出部55に補充することができる。
表示部56は、たとえば液晶表示を行う表示部からなり、供給ボタン53が押されると、次に患者が行うべき手順を順番に表示する。荷重センサ57は、載置されたコップ61の重さを検出しており、液体の流入によりコップ61が一定の重量になると、制御部58に一定重量になった旨の検出情報を知らせる。制御部58は、供給ボタン53からの指示情報および荷重センサ57からの検出情報に応じて、表示部56、液体吐出駆動部59、固形物取出駆動部60の表示および駆動制御を行う。以下に、制御部58による表示および駆動制御の動作について、図15のフローチャートを用いて説明する。
まず、検査を行う患者1が、最初に供給ボタン53を押すと(ステップS201,S202)、制御部58は、表示部56を表示制御して表示部56の画面に特定の順番を示す「1」と、「液体が出てきます。コップを置いて下さい。」という表示を行わせる(ステップS203)。そして、コップ61が荷重センサ57上に置かれると、荷重センサ57がそれを検出し(ステップS204)、制御部58は、荷重センサ57からの検出信号に応じて、液体吐出駆動部59を駆動制御して液体吐出部54から第1の液体の吐出を行わせる(ステップS205)。カプセル収納装置50は、情報の入力手段を有し、この制御部58は、事前に外部から入力手段に入力された、或いは院内ネットワークなどから転送された患者情報(患者の体格や胃のサイズ、その日の検査状況など)に基づき、検査に必要な液体の種類と摂取量を決定し、この決定した種類および摂取量の液体を供給させる。
この吐出された第1の液体がコップ61内に溜まり、荷重センサ57が一定重量を検出すると、制御部58は、液体吐出部54からの第1の液体の吐出を停止させ、表示部56の画面に、特定の順番を示す「2」と、「液体をお飲み下さい。飲み終わりましたら供給ボタンを押して下さい。」という表示を行わせる(ステップS206)。患者は、この表示に従って第1の液体を飲み、供給ボタン53を押す(ステップS201,S207)。
再び供給ボタン53が押されると、制御部58は、固形物取出駆動部60を駆動制御して、固形物取出部55からカプセル型内視鏡3をカプセル収納装置50の外部に搬出させる(ステップS208)。そして、表示部56の画面に、特定の順番を示す「3」と、「カプセルをお飲み下さい。飲み終わりましたら供給ボタンを押して下さい。」という表示を行わせる(ステップS209)。このカプセル型内視鏡3は、固形物取出部55から搬出されるときに既に起動している。このカプセル収納装置50は、固形物取出部55にカプセル起動用の電磁石が備えられており、この電磁石により磁界を発生させることでカプセル型内視鏡3内の磁気スイッチをオンにして起動させている。
次に、供給ボタン53が押されると(ステップS201,S210)、制御部58は、表示部56の画面に、特定の順番を示す「4」と、「液体が出てきます。コップを置いて下さい。」という表示を行わせる(ステップS211)。そして、コップ61が荷重センサ57上に置かれると(ステップS212)、制御部58は、荷重センサ57からの検出信号に応じて、液体吐出部54から第2の液体を吐出させる(ステップS213)。コップ61に第2の液体が一定量溜まると、制御部58は、液体吐出部54からの第2の液体の吐出を停止させ、表示部56の画面に、特定の順番を示す「5」と、「液体をお飲み下さい。」という表示を行わせる(ステップS214)。患者は、この表示に従って第2の液体を飲み、供給ボタン53を押す(ステップS201)。
その後、カプセル収納装置50は、胃内でのカプセル型内視鏡3の浮揚位置を調整するために、第1の液体を追加で飲ませるなどの検査指示を続ける。この場合、制御部58は、この検査指示の情報を表示部56に表示させる。すなわち、この検査指示は、供給ボタン53を押すことにより、表示部56の画面に、「第1の液体を追加で飲んで下さい」などという表示によってなされ(ステップS215)、制御部58は、追加の制御動作を行う(ステップS216)。
この実施の形態3では、実施の形態1と同様に、液体を飲むことで、胃を伸展させることができるので、カプセル型内視鏡3の観察に必要な臓器内部の空間を十分に確保でき、臓器内壁をより詳細に撮影することができ、胃内を見落としなく観察することができる。また、患者自身の体位変換と組み合わせることで、胃内における境界面(第1および第2の液体による液−液境界面、第1の液体と気体との気−液境界面)の位置を変えるだけで、カプセル型内視鏡3がランダムに揺れて境界面上を浮揚する。このカプセル型内視鏡3がランダムに揺れることにより、カプセル型内視鏡3が撮影する胃内の撮像部位を変化させることができ、さらに胃内を見落としなく、くまなく観察することができる。この結果、検査後に、ランダムに撮像した複数の画像を、各画像の相関から結合することが可能となり、胃内の全体の画像を作成し、医師などに提示することで、効率的な診断を行うことが可能となる。
このように、この実施の形態3では、摂取物の供給を特定の順番に基づいて、機械的にアクティブに行うので、検査に必要な複数の摂取物を特定の順番で正確、かつ容易に患者が摂取することを可能にすることができる。このように、摂取する順番が正確になるため、誰でも容易に取り扱えることができ、検査が簡便になる。これにより、患者が誤った順番で摂取物を摂取してしまう確率が低くなって、検査がスムーズに行われることとなり、誤検査の防止および検査時間の効率化を図ることができる。また、この実施の形態3では、患者の体型や検査目的などに合わせて、摂取物の供給する順番や供給量を任意に調整することが可能なので、摂取物の供給に対する自由度が向上し、より高精度な検査が可能となる。また、一つのカプセル収納装置で複数の患者の検査に対応することができ、検査の効率化が図られる。
なお、この実施の形態3にかかるカプセル収納装置50では、たとえばカプセル収納装置50内部で複数の液体或いは液体と粉末などの固体を混合して供給する機能を設けることも可能である。この混合機能を設けることで、装置内部で液体の濃度などの調整ができ、個々の患者に合わせて最適な液体を供給することができ、このため、より精度の高い検査が可能となる。さらに、供給する液体の温度の調整も可能である。これにより、濃度や温度によって液体の比重を調整し、カプセル型内視鏡の液体中での浮遊状態をコントロールすることが可能となる。例えば、液体が水の場合、温度が低いほど比重が重くなるため、カプセル型内視鏡が液体に浮き易くなる。また、最初に冷たい(例えば10℃程度の温度の)水を飲み、体温によって徐々に温度が上がることによって、摂取した液体の比重を変化させてもよい。
また、カプセル収納装置50に液体などを補充する場合、患者の摂取に必要な摂取物を一括して補充できるように、摂取物の補充を実施の形態1或いは実施の形態2にあるようなパッケージに収納した状態でカプセル収納装置50にセットできるように構成しても良い。
(実施の形態3の変形例)
図16は、図13の実施の形態3にかかるカプセル収納装置50の変形例1の構成を示す斜視図である。この実施の形態3の変形例1では、光学的に識別情報を読み取るID読取装置62が外枠本体51の側面に設けられており、たとえばコップ61や患者1の腕64に付けられたリストバンドに貼付されたID情報(たとえば白黒のパターン情報や文字情報などのID情報)63,65を上記ID読取装置62で読み取って、患者1がどのような検査を受け、どのような順番で患者1に液体やカプセル型内視鏡3や発泡剤を供給すればよいかをカプセル収納装置50(制御部58)が判断するものである。すなわち、患者や検査を特定するための識別情報をID情報として制御部58に記憶させるとともに、このID情報に基づく検査の順番も記憶させておき、ID読取装置62で該当するID情報が読み取られたときに、制御部58は、記憶内容に基づいて液体吐出部54、固形物取出部55および表示部56を制御して、特定の順番での複数の摂取物の供給を行う。また、摂取物の量も患者や検査にあわせて調整した上で供給できる。なお、この実施の形態3の変形例1では、その他の構成部分は実施の形態3と同様であり、たとえば供給ボタン53を用いなくても、またはID読み取りと併用して用いてもいずれであっても構わない。
このように、この実施の形態3の変形例1では、ID読取装置を用いて、患者のID情報を検出し、このID情報に応じて、摂取物の供給を特定の順番で行うことが可能となるので、実施の形態3と同様に、検査に必要な複数の摂取物を特定の順番で正確、かつ容易に患者が摂取することを可能にすることができるとともに、摂取物の供給する順番を任意に設定することが可能なので、検査内容によって液体やカプセル型内視鏡を供給する順番を変更することができ、摂取物の供給に対する自由度が向上する。
図17は、図13の実施の形態3にかかるカプセル収納装置の変形例2の構成を示す斜視図である。この実施の形態3の変形例2では、光学的なID読取装置の代わりに、無線IDタグから電波や電磁波でID情報を読み取る磁気的なID読取装置70を、カプセル収納装置50に設けるものである。この場合も、たとえばコップ61や患者1の腕64に付けられたリストバンドに貼付された無線IDタグ(RF−IDタグ)71,72からID情報を上記ID読取装置70で読み取って、患者1がどのような検査を受け、どのような順番で患者1に液体やカプセル型内視鏡3や発泡剤を供給すればよいかをカプセル収納装置50(制御部58)が判断するものである。
このように、この実施の形態3の変形例2でも、上述した実施の形態3の変形例1と同様に、ID読取装置を用いて、患者のID情報を検出し、このID情報に応じて、複数の摂取物の供給を特定の順番で行うことが可能となるので、実施の形態3と同様に、検査に必要な複数の摂取物を特定の順番で正確、かつ容易に患者が摂取することを可能にすることができるとともに、摂取物の供給する順番や量を任意に設定することが可能なので、検査内容によって液体やカプセル型内視鏡を供給する順番を変更することができ、摂取物の供給に対する自由度が向上する。
さらに、この実施の形態3にかかるカプセル収納装置50では、被検体1が摂取したカプセル型内視鏡3(カプセル型医療装置の一例)の生体内での通過時間あるいはカプセル型内視鏡3に関するその他の状態(カプセル型内視鏡3の位置、姿勢、移動速度、観察画像や照明発光の状態など)に応じて必要な摂取物を供給するようにしてもよい。この場合、カプセル収納装置50は、かかるカプセル型医療装置の生体内での通過時間あるいはカプセル型医療装置に関するその他の状態を検出する状態検出部を備え、この状態検出部によってカプセル型医療装置に関する状態(上述した生体内での通過時間、位置など)を判断する。
図18は、本発明の実施の形態3にかかるカプセル収納装置を用いた摂取物の供給方法の別の手順を示す概略フローチャートである。図18に示すように、先ず、被検体1に対して摂取させる摂取物の供給に先立ち、カプセル型内視鏡3からの無線信号を受信するための受信用アンテナA1〜Anを有したアンテナユニット2aを被検体1の所定位置に配置し、且つ、この被検体1の近傍に受信本体ユニット2bを配置する(ステップS301)。
つぎに、カプセル収納装置50の供給ボタン53を操作して、現時点において被検体1に必要な摂取物を供給する(ステップS302)。この場合、カプセル収納装置50は、この供給ボタン53の操作に対応して、被検体1の消化管を洗浄するための洗浄剤(除去剤)等の摂取物を被検体1に対して供給する。具体的には、かかる摂取物は、液体吐出部54からコップ61等に吐出されて、被検体1に供給される。
続いて、カプセル収納装置50は、かかる摂取物を供給した時点において被検体1に必要なアクションを指示する(ステップS303)。このステップS303において、カプセル収納装置50は、例えば、表示部56による指示表示等によって、このステップS302において供給した除去剤等の摂取物をカプセル型内視鏡3等のカプセル型医療装置の前に摂取するよう被検体1に対して指示する。この場合、カプセル収納装置50は、必要に応じて、かかる摂取物を摂取する被検体1に対して体位をこの摂取物の摂取に適した体位に変換するよう指示してもよい。
その後、カプセル収納装置50の供給ボタン53を再度操作して、被検体1に摂取させるカプセル型医療装置を供給する(ステップS304)。この場合、カプセル収納装置50は、この供給ボタン53の操作に対応して、被検体1に摂取させるカプセル型内視鏡3等のカプセル型医療装置(摂取物の一例)を固形物取出部55から被検体1に対して供給する。このカプセル収納装置50によって供給されたカプセル型医療装置は、被検体1によって摂取される。
つぎに、カプセル収納装置50は、状態検出部(図示せず)等によって、カプセル型医療装置を供給してから(あるいは被検体1がカプセル型医療装置を摂取してから)の経過時間あるいは被検体1内部のカプセル型医療装置の状態を検出する(ステップS305)。この場合、カプセル収納装置50(具体的には状態検出部)は、かかる経過時間を検出し、あるいは、この被検体1に摂取されたカプセル型医療装置に関する状態(例えば生体内におけるカプセル型医療装置の位置、姿勢、移動速度、観察画像や照明発光の状態など)を検出する。
かかるカプセル収納装置50によって検出された経過時間またはカプセル型医療装置の状態が所定の経過時間または状態である場合(ステップS306,Yes)、カプセル収納装置50は、次に被検体1に必要な次の摂取物の供給および/または被検体1に必要なアクションの指示を行う(ステップS307)。この場合、カプセル収納装置50は、このステップS305における経過時間またはカプセル型医療装置の状態の検出結果に対応して、次に被検体1に摂取させるべき次の摂取物(例えば水などの液体)を供給する。また、カプセル収納装置50は、必要に応じて表示部56に指示情報を表示して、この被検体1に対して必要なアクション(この供給された摂取物の摂取または摂取物の摂取に適した体位変換等)を指示する。
なお、かかるカプセル収納装置50によって検出された経過時間またはカプセル型医療装置の状態が所定の経過時間または状態ではない場合(ステップS306,No)、カプセル収納装置50は、上述したステップS305に戻り、このステップS305以降の処理手順を繰り返す。
その後、カプセル収納装置50は、この被検体1に対する検査(すなわち被検体1内の検査対象部位の画像撮影または観察)が終了していなければ(ステップS308,No)、上述したステップS305に戻り、このステップS305以降の処理手順を繰り返す。一方、カプセル収納装置50は、この被検体1に対する検査が終了していれば(ステップS308,Yes)、被検体1の摂取物を供給するための本処理を終了する。
以下に、カプセル型内視鏡3の生体内での通過時間による摂取物の供給の具体例を示す。カプセル収納装置50は、カプセル型内視鏡3の前に、消化管を洗浄するための洗浄剤(除去剤)を供給し、この供給した洗浄剤を患者に摂取してもらう。この消化管の洗浄をより確実にするために、カプセル収納装置50は、必要であれば、表示部56による指示表示等によって患者に体位変換をするように指示してもよい。
また、カプセル収納装置50は、この洗浄剤の供給あるいは体位変換の指示から所定の時間経過後にカプセル型内視鏡3を供給する。この供給されたカプセル型内視鏡3は、患者に摂取される。カプセル収納装置50は、このカプセル型内視鏡3の摂取時刻(あるいはカプセル型内視鏡3の供給時刻)を記憶する。かかるカプセル収納装置50は、その時刻(摂取時刻または供給時刻)から例えば5分後に液体を供給し、表示部56による指示表示等によって、この供給した液体の摂取を患者等に促す。
さらに、かかるカプセル収納装置50は、必要に応じて所定の経過時間毎に、他の液体や発泡剤、除去剤あるいは鎮痙剤等の摂取物を供給し、表示部56による指示表示等によって、この供給した摂取物の摂取指示を行う。また、カプセル収納装置50は、各摂取物の摂取後(あるいは供給後)に体位を変える等の指示を行ってもよい。
つぎに、カプセル型内視鏡3の生体内での到達部位(カプセル型内視鏡3の位置)およびカプセル型内視鏡3の状態による摂取物の供給の具体例を示す。まず、カプセル収納装置50は、液体に浮く比重のカプセル型内視鏡3を供給する。この供給されたカプセル型内視鏡3は、患者に摂取され、その後、この患者の消化管内を移動する。このカプセル型内視鏡3は、液体に浮遊しながら上向き(あるいは上下2方向)の観察を行うことができる。
カプセル収納装置50は、このカプセル型内視鏡3の摂取後、位置検出部(上述した状態検出部の一例)によってカプセル型内視鏡3がこの患者の胃に到達したことを確認し、その後、患者に摂取させる次の摂取物である液体(例えば水200ml)を供給する。かかるカプセル収納装置50の位置検出部は、このカプセル型内視鏡3が取得した画像をもとに、このカプセル型内視鏡3と胃壁との距離を例えば画像の明るさ等で判断する。この位置検出部による状態判断処理の結果、この距離が不十分(遠い)である場合には、胃内部の適切な観察ができないので、カプセル収納装置50は、この状態判断処理の結果に基づいて、さらに水を100ml供給する。かかるカプセル収納装置50による水の追加供給処理は、このカプセル型内視鏡3と胃壁との距離が適切なものになったと位置検出部によって判断されるまで継続される。この結果、カプセル収納装置50は、この患者にとって適切な量の水を供給できる。
なお、かかるカプセル収納装置50は、必要に応じて発泡剤を供給し、胃の拡張を促進させてもよい。さらに、カプセル収納装置50は、表示部56による指示表示等によって、胃の観察に必要な体位変換等の指示を行ってもよい。
また、この患者の詳細な観察を行いたい場合には、カプセル収納装置50は、この患者の体内に導入したカプセル型内視鏡3を体外から誘導するための磁石(永久磁石あるいは電磁石)を供給する。この体内のカプセル型内視鏡3は、この供給された磁石によって誘導されるとともに臓器内部の画像を順次撮像し、この結果、この患者の体内を詳細に観察することができる。
胃の観察後、カプセル収納装置50は、このカプセル型内視鏡3が十二指腸に到達したことを位置検出部によって確認した場合、このカプセル型内視鏡3の推進を促すために液体(非吸収性の洗腸用の洗腸液など)を1000ml供給する。この場合、カプセル収納装置50は、下剤等の薬剤を供給してもよい。そして、カプセル収納装置50は、かかる液体または下剤の摂取によって体内のカプセル型内視鏡3が空腸と回腸との境目に位置していることが確認できた場合、さらに推進促進用の液体または薬剤を供給する。かかるカプセル収納装置50は、この体内のカプセル型内視鏡3の移動速度を検出する速度検出部(状態検出部の一例)を備え、この速度検出部によって検出されたカプセル型内視鏡3の移動速度に応じて、つまり、この移動速度が低下した場合に、推進促進用の液体または下剤をさらに供給するように構成してもよい。
その後、カプセル収納装置50は、この体内のカプセル型内視鏡3が大腸に到達したことを位置検出部によって検出した場合、推進促進用の摂取物(液体または下剤等)を供給するとともに、表示部56による指示表示等によって、この患者に対して臥位になるように指示する。この場合、カプセル収納装置50は、このカプセル型内視鏡3が位置する大腸の部位(上行結腸、横行結腸、下行結腸、S字結腸など)に応じて、患者の体位を変えるように指示してもよい。最後に、カプセル収納装置50は、この大腸内のカプセル型内視鏡3の排泄を促すために下剤(座薬)を供給する。
なお、かかるカプセル型内視鏡3の位置を検出する位置検出部としては、カプセル型内視鏡3が撮像した画像の特徴や変化量をもとにカプセル型内視鏡3の位置を判断するものであってもよいし、カプセル型内視鏡3に搭載した磁界発生装置(永久磁石、コイル、電磁石など)から発生する磁界を体外から検出することによってカプセル型内視鏡3の位置や姿勢を検出するものであってもよいし、カプセル型内視鏡3が発信する電波を体外で受信するときの受信電界強度をもとにカプセル型内視鏡3の位置を検出するものであってもよい。また、かかる位置検出部は、カプセル収納装置に内蔵せずに患者の体外に配置されてもよく、この位置検出部とカプセル収納装置との間の情報通信は、有線または無線によって行ってもよい。上記により、必要なタイミングで必要な摂取物の供給または体位変換指示などのアクションが実施され、この結果、より確実に患者の体内を検査することができることになる。また、上記では、状態検出部はカプセル収納装置に備えられていたが、カプセル収納装置に限らず、受信装置や表示装置等に設けられてもよいし、単独の装置としてもよい。