JP5006095B2 - 超音波探触子 - Google Patents

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本発明は超音波探触子に関し、特に、音響インピーダンスマッチングのための整合層の構造に関する。
超音波探触子は、生体に対する超音波診断のために、生体に対して超音波の送受波を行うものである。超音波探触子は、一般に、複数の振動素子からなるアレイ振動子、アレイ振動子の上側(生体側)に設けられた1又は複数の整合層、及び、アレイ振動子の下側(非生体側)に設けられたバッキング、等を有する。整合層は、アレイ振動子と生体との間において音響インピーダンスマッチングを図るための部材である。アレイ振動子と生体との間には、多くの場合に、積層された複数の整合層が設けられる。1Dアレイ振動子の場合、最上部の整合層の上にシリコーンゴム等からなる音響レンズが設けられる。整合層は、一般に、エポキシ樹脂、ポリウレタン等の材料を基材として構成された比較的に硬質の部材である。整合層は、通常、アレイ振動子(振動素子アレイ)を構成する複数の振動素子の配列と同じ配列をもった複数の整合素子(整合要素)で構成される。これは素子間における音響的なクロストークを防止又は軽減するためであり、また、指向特性を良好にするためである。そのような素子分離はダイシングソー等の工具を利用して実施される。
特開平10−253604号公報 特開平9−149496号公報 特開2001−245883号公報 特開2003−333694号公報
各整合層については、そこにおいて、いわゆる1/4波長整合作用が十分に発揮されるように、その材料が選定され、また、その厚みが定められる。ここで、1/4波長整合作用は、整合層の厚みをλ/4(あるいはその奇数倍)とする条件である(但し、λは超音波の波長)。具体的には、整合層内における波の干渉により、進行方向に伝搬する波を増強し且つそれとは逆方向に伝搬する波を減弱する作用を発揮させるものである。
しかしながら、本発明者らの実験によれば、素子ごとに分離された整合層(整合素子アレイ)上に、素子ごとに分離されていない水平方向に一様な軟質媒体(例えば、ゴム系材料からなる音響レンズ、等)が存在するような特定の構造(分離構造と非分離構造の接合部分)が存在すると、それに起因して、当該整合層が期待通りの整合作用を発揮しないという固有の問題が確認されている。つまり、そのような異種形態の接合によって個々の整合素子がそれ本体の役割である1/4波長整合作用を十分に発揮しなくなる現象である。1/4波長整合作用が十分に発揮されないと、送信時の利得及び受信時の感度が低下してしまい、ひいては超音波画像の画質が劣化してしまう。
特許文献1に記載された超音波探触子においては、整合層(音響整合層)と音響レンズとの間にシート状のゲル状材料が設けられている。但し、そのゲル状材料は単に接着作用を発揮するものであり、音響的に特別な働きを有するものではないと認められる。特許文献2に記載された超音波探触子においても、整合層と音響レンズとの間に接着フィルムが設けられているが、かかる接着フィルムも単に接着作用を発揮するものであると認められる。特許文献3の図2に記載された超音波探触子においては、下側の第1音響整合層と上側の第2音響整合層との間に、導体層を有する高分子材料層が設けられている。そして、同特許文献3の第0030段落には、高分子材料層の音響インピーダンスと第2音響整合層の音響インピーダンスとをほぼ同じにすること、高分子材料層と第2音響整合層の合計の厚みを1/4波長にすること、等が記載されている。ここで、第1音響整合層及び第2音響整合層は硬質層であると認められ、それらがアレイ構造を有しているのか否かについては特許文献3には記載されていないが、硬質層という観点から見て指向特性の劣化防止のために、各音響整合層にはアレイ構造が適用されるものと推認される。しかし、仮にそうであったとしても、そうでないとしても、特許文献3には、同種構造の接合部分しか認められない。よって、異種構造において生じる課題及びその解決方法が特許文献3に記載されているとは認められない。なお、特許文献4の図4には各整合素子の横振動を抑制するため整合素子間に連結部を設けた構成が開示されている。
本発明の目的は、超音波探触子において良好な整合作用を得られるようにすることにある。
本発明の他の目的は、超音波探触子において良好な整合作用及び良好な指向特性を得られるようにすることにある。
本発明の他の目的は、アレイ構造をもった整合層と非アレイ構造をもった媒体との接合部分で生じる問題を解消又は軽減できるようにすることにある。
本発明は、水平方向に配列された複数の振動素子からなる振動素子アレイと、前記振動素子アレイの上側で、且つ、水平方向に一様に連続した媒体の下側に設けられた複合型整合層と、を含み、前記複合型整合層は、前記複数の振動素子に対応した配列を有する複数の整合素子からなる下層と、前記複数の整合素子に跨ってそれらの上面に接合される下面と、前記媒体の下面に接合される上面と、を有し、水平方向に一様に連続した上層と、を含み、前記下層における各整合素子の音響インピーダンスと前記上層の音響インピーダンスが実質的に同一であり、前記複合型整合層の上下方向の厚みが超音波の波長に対する整合条件を満たす、ことを特徴とする超音波探触子に関する。
上記構成においては、水平方向(超音波伝搬方向を上下方向とした場合においてそれに交差する方向)に一様に連続した媒体の下側に、素子分離された複数の整合素子が直接的に接合されているのではなく、それらの整合素子からなる下層と媒体との間に水平方向に一様に連続した上層(カップリング層とも言い得る)が介在配置され、下層と上層とによって複合型整合層が構成されているので、上述した異種構造の接合部分で生じる問題を解消又は軽減できる。具体的には、素子分離された状態における各整合素子が有する実際の音響インピーダンスと、それに接合された水平連続体としての上層の実際の音響インピーダンスとが実質的に同一とされているので、異種構造の境界面であっても当該境界面での超音波の反射が効果的に抑制され、同時に、上層及び下層からなる複合整合層全体としての厚みが超音波の波長に対する整合条件を満たすので、本来的な整合作用を十分に発揮させることができる。上層と媒体との間の境界部分は同種構造の接合部分となるので、構造の違いに起因する問題は生じない。超音波の波長との関係で、上層の厚みを厚くすると、指向特性が劣化する可能性があるので、上層の厚みは超音波の波長に対して十分に薄くするのが望ましい。例えば、超音波の波長の1/20前後にしてもよい。このような構成によれば指向特性のみならず帯域特性を良好にできるという利点も得られる。
なお、上記の水平方向はアレイ方向に相当し、凹型又は凸型のアレイ構造が採用されていれば、水平方向は凹又は凸に湾曲した方向となる。アレイ構造としては1Dアレイ構造、2Dアレイ構造、等があげられる。
後述する実施形態において、媒体としては固体、液体等、様々なものを想定でき、いずれにしても軟質体に相当し、上層及び下層は固体である硬質体に相当する。下層を構成する各整合素子の実際の音響インピーダンスに対して上層の実際の音響インピーダンスを合わせるに当たっては、上層の構成材料(例えばエポキシ樹脂等の母材に添加するフィラーの濃度)を異ならせつつそれを用いた超音波振動子による送受信感度特性を逐次的に計測し、最も良好な結果が得られる構成材料を試行錯誤的に見出すようにしてもよいし、コンピュータシミュレーションによって良好な構成材料を見出すようにしてもよい。勿論、下層の構成材料を調整することも可能である。
望ましくは、前記媒体は前記複合型整合層の上側に接合されたゴム系材料からなる軟質層である。軟質層が水平方向に一様に連続した層を構成していても、硬質層とは異なり、指向特性の劣化はあまり生じない。下層及び上層のいずれも硬質層に相当するが、アレイ構造を有する下層の厚みを大きくし、水平連続構造を有する上層の厚みを小さくすれば指向特性の劣化は問題とならない。望ましくは、前記軟質層は音響レンズである。望ましくは、前記軟質層は整合層である。複合整合層が例えば下から2番目の整合層であれば媒体(軟質層)としての整合層は3番目の整合層となる。そのような整合層は従来のような硬質整合層ではなく軟質整合層として構成され(但し、硬質のフィラー等が添加されてもよい)、硬質層としての複合型整合層と水平方向に一様に連続した軟質層としての整合層との組み合わせも、従来にはない新規な構造といえる。複合型整合層の上に更に以上のような整合層を設ければ超音波伝搬経路上における音響的な整合をより良好にして送受信感度を高められ、しかも指向特性の劣化も防止できる。そのような整合層についても超音波の波長に対する整合条件が満たされるように、その厚みが設定されるのが望ましい。望ましくは、前記媒体は人体、液体又はゲル状物質である。液体はメカニカル超音波探触子において可動体としての振動子ユニットの周囲を満たすカップリング液体等である。ゲル状物質は音響ゼリー等である。
望ましくは、前記下層における各整合素子中の超音波の音速と前記上層中の超音波の音速とが実質的に同一である。この構成によれば音速を一致させて、境界面での超音波の屈折を抑制し、複合型整合層の機能をより良好にできる。下層と上層とをまったく同じ材料によって構成しても、個々の構造が異なることに起因して実際の音響インピーダンスが異なることになるが、両層の実際の音響インピーダンスを合わせるに当たり、音速も一致するように構成材料を調整するのが望ましい。
また、本発明は、水平方向に配列された複数の振動素子からなる振動素子アレイと、前記振動素子アレイの上側に設けられ、前記複数の振動素子に対応した配列を有する複数の第1整合素子で構成された第1整合層と、前記第1整合層の上側に設けられた複合型整合層としての第2整合層と、前記第2整合層の上側に設けられ、水平方向に一様に連続した第3整合層と、を含み、前記第2整合層は、前記複数の振動素子に対応した配列を有する複数の第2整合素子からなる下層と、前記複数の第2整合素子に跨ってそれらの上面に接合された下面と、前記第3整合層の下面に接合された上面と、を有し、水平方向に一様に連続した上層と、を含み、前記下層における各第2整合素子の音響インピーダンスと前記上層の音響インピーダンスが実質的に同一であり、前記第2整合層の上下方向の厚みが超音波の波長に対する整合条件を満たす、ことを特徴とする超音波探触子に関する。
各振動素子から生体にかけて、徐々に音響インピーダンスが低下するように、各層の音響インピーダンスを定めるのが望ましい。但し、上層と下層のそれぞれの実際の音響インピーダンスは同一値又は近い値に定められる。振動素子アレイとしては、平板型、凹面型、凸面型等の超音波振動子があげられる。また、振動素子アレイとしては、1D型、2D型等の超音波振動子があげられる。下層に対して上層が接着されるので、個々の整合素子あるいは個々の積層要素の倒れ込みを防止できる利点もある。
以上説明したように、本発明によれば、超音波探触子において良好な整合作用を得られる。本発明によれば、超音波探触子において良好な整合作用及び良好な指向特性を得られる。あるいは、本発明によれば、アレイ構造をもった整合層と連続媒体との接合部分で生じる問題を解消又は軽減できる。
以下、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。
図1には、本発明に係る超音波探触子の好適な実施形態が示されており、図1は超音波探触子の要部構成を示す断面図である。超音波探触子は、振動層10、バッキング12、第1整合層14、第2整合層(複合型整合層)36、上部層としての音響レンズ18、等を有している。なお、X方向は第1水平方向であり、Z方向は垂直方向である。X−Z面に直交する方向としてY方向としての第2水平方向が定義される。
振動層10は、図1に示される例において、X方向に整列した複数の振動素子20によって構成される。各振動素子20の下面側には電極層20Bが形成されており、各振動素子20の上面側には電極層20Aが構成されている。電極層20Bは例えばシグナル電極層であり、電極層20Aは例えばグランド電極層である。バッキング12は、振動層10からその下面側に放射される超音波を吸収、散乱させるものである。
第1整合層14は、X方向に整列した複数の整合素子22によって構成されている。第2整合層36は、下層38と上層40とによって構成され、下層38は複数の振動素子22に対応して設けられた複数の整合素子42によって構成される。上層40はX方向に連続した厚さ一定の層として構成される。第2整合層36は上述のように複合型整合層であって、それ全体が一つの整合層として機能する。音響レンズ18はY方向において超音波の集束性を高めるための部材である。
上述した構成をより具体的に説明する。図示されるように、各振動素子20毎に整合素子22及び整合素子42が設けられ、それらによって振動素子ユニットが構成される。隣接する振動素子ユニット間には垂直溝26が形成され、これによって素子分離が図られている。垂直溝26の内部には目詰材28が充填されている。垂直溝26は例えばダイシングソーなどを用いてカッティングを行うことにより形成されるものである。複数の振動素子20からなる振動素子アレイに対応して、複数の整合素子22からなる整合素子アレイが構成され、また複数の整合素子42からなる整合素子アレイが構成されている。第1整合層14は上述した1/4波長整合機能を発揮するようにその上下方向の厚みが定められている。同様に、第2整合層36の厚さも、それ全体として上下方向において1/4波長整合作用が発揮されるように設定されている。ちなみに、音響レンズ18は、例えばシリコーンゴム等の軟質材料によって構成され、それとの対比で見れば、第1整合層14及び第2整合層36をそれぞれ硬質層と称することができる。第1整合層14及び第2整合層36は、エポキシ樹脂などを母材とし、それに対してフィラーと呼ばれる添加材を混入させたものとして構成されるのが望ましい。
第2整合層36について詳述すると、上述したように、それは複数の整合素子42からなる下層(複数の整合素子)38と、それらの上側において跨って設けられた水平方向に一様な連続体としての上層40と、で構成される。上層40は薄い層として構成するのが望ましく、例えば超音波の波長に対して1/20程度の厚みによって構成するのが望ましい。これによれば指向特性の劣化を軽減あるいは防止することが可能となる。個々の整合素子38の実際の音響インピーダンスと、上層40における実際の音響インピーダンスとが実質的に同一となるように第2整合層36が構成されている。このような構成によれば、個々の整合素子38と上層40との境界面44において超音波の反射を防止あるいは軽減することが可能となる。第2整合層36それ全体として超音波の波長に対する1/4波長整合条件を満たすため、第2整合層36全体としての良好な整合作用を発揮させることができる。
上層40と音響レンズ18との間の境界面46においてはそれらの部材の両方ともX方向に連続している部材であるため同種構造部分が形成されており、上述のような異種構造部分に起因する問題は生じない。しかも、上述したように第2整合層36がそれ全体として1/4波長整合条件を満たすものであるため、音響レンズへ進行する超音波を干渉によって強めることが可能である。音響レンズ18に代えて、あるいは音響レンズ18と上層40との間に、整合層(第3整合層)を設けるようにしてもよい。これについては後に説明する。またカップリング層としての上層40及びその上に設けられる媒体の材料については後に詳述する。
図2には比較例としての従来例が示されている。なお、図2において、図1に示した構成と同様の構成には同一符号を付し、その説明を省略する。図2に示す従来例では、2番目の整合層である第2整合層16が、第1整合層14と同様のアレイ構造を有している。すなわち、第2整合層16は素子分離された複数の整合素子24によって構成される。第2整合層16それ全体として1/4波長整合条件を満たすものであっても、第2整合層16がアレイ構造を有し、その上側に接合されている媒体としての音響レンズ18が水平方向に連続する媒体であるため、それらの間に異種構造部分が生じ、それにより境界30における超音波の反射が理想的でなくなる。その結果、第2整合層16が良好な整合作用を発揮できなくなり、送受信感度が低下してしまうという問題が生じる。
これに対し、図1に示した構造によれば、カップリング層としての上層40を介在させることにより、しかも上層40を含んで第2整合層36を構成しているため、異種構造に起因する問題を効果的に抑制することが可能となる。指向特性の劣化を防止するためには、上層40はできる限り薄い層として構成するのが望ましい。音響レンズ18は、軟質体として振る舞うため、また、上層40が薄いことにより音響的なクロストークが防止又は軽減されるため、そこにおいては指向特性の著しい劣化は認められない。
以上のように、図1に示す構造によれば、異種構造に起因する問題を改善して整合層本来の機能を十分に達成させることができ、また指向特性の劣化も防止することができ、また帯域を拡大できるという利点がある。ちなみに、下層38における音速と上層40における音速とを実質的に一致させるようにそれらを構成すれば両者間における境界面において超音波の屈折を効果的に防止できるという利点がある。
図1に示される各部材は接着剤などによって接着されるものである。第2整合層36の形成にあたっては、下層38に相当するプレート状の整合層を形成した上で、上方からカッティングを行って、上述した複数の振動素子ユニットを形成し、各カッティング溝への充填を行った上で、上層40を接着するようにすればよい。これによれば、各整合素子42の上面と上層40の下面とを接着させることができる。その上で、上層40の上面と音響レンズ18の下面とを接着させればよい。上層としては、音響レンズ18の他に、軟質体としての各種のものを想定でき、例えば、液体、ゲル状物質、ゴムのような固体等を挙げることができる。それが整合層であってもよいし、例えばメカニカルスキャンプローブにおけるカップリング液体等であってもよい。図1に示した構成では、第1整合層14及び第2整合層36が設けられていたが、第1整合層14を省略することもでき、あるいはより多くの整合層を形成するようにしてもよい。いずれにしても、異種接合部分における問題が解消されるように当該部分に複合型整合層を設けるのが望ましい。
図3には他の実施形態に係る超音波探触子の要部が示されている。積層体50は、振動層10、バッキング12、第1整合層14、第2整合層36、第3整合層44及び音響レンズ18を有している。第2整合層36は、上述したように下層38及び上層40からなるものである。第2整合層36と音響レンズ18との間には第3整合層44が設けられており、この点において図1に示した構成と異なっている。第3整合層44は、従来のような硬質の整合層ではなく、軟質の整合層である。それを構成する具体的な部材としては後に詳述する。このように、軟質整合層を利用した点においても従来例と大きく異なるといえる。
図4には、更に他の実施形態が示されている。積層体52は、上述した図3に示した積層体50において音響レンズ18を取り除いたものに相当する。図4には1Dアレイ振動子ユニットが示されているが、もちろんそれが2Dアレイ振動子ユニットであってもよい。図3及び図4に示した超音波探触子においては、上述した図1に示した構成と同様に、上側が水平方向に連続した媒体であることを前提とし、その媒体とアレイ型整合層との間に複合型整合層が設けられているため、異種構造の接合面において生じる固有の問題を効果的に解消し、超音波探触子全体としての機能をより高めることができる。具体的には、整合作用を十分に発揮させることができるので、送受信感度を向上でき、ひいては超音波画像の画質を高められるという利点がある。この効果に関して以下に図5及び図6を用いて詳述する。
図5及び図6には、図4に示した超音波探触子の特性が示されている。図5は、空気負荷時のインピーダンス特性である。横軸は周波数を示し、縦軸は振動素子の電気インピーダンス(絶対値)を示している。実線100は図4に示した超音波探触子の特性を示し、破線102は比較例としての超音波探触子(図4の構成において複合整合層36が適用されていないもの)の特性を示している。実線100に示されるように、本実施形態の構成によれば周波数軸方向に綺麗な周期性(一定間隔の共振ピークの並び)が認められるが、破線102に示す比較例の構成では特定の周波数において電気インピーダンスの乱れが認められる。図6は、送受信波形である。横軸が時間を示し、縦軸が送受信振幅を示している。実線104は図4に示した超音波探触子の特性を示し、破線106は上述した比較例としての超音波探触子の特性を示している。2番目の半波長から、実線104に比べて破線106の上下ピーク(振幅)が小さくなっており、本実施形態において良好な整合作用が発揮されていることを確認できる。つまり、本実施形態においては特に異種構造の接合部分における超音波の反射及びλ/4整合作用の低下を防止又は軽減できるので、感度を高めて、超音波画像の画質を高められる。
上記の上層(カップリング層)40は、上述したように、その上側の軟質層との対比において硬質層と称することができ、例えばエポキシ樹脂等にフィラーを添加した樹脂層として構成することができる。物性面から表現すれば、上層(カップリング層)40は、望ましくは、ガラス転移点が常温よりも高く、せん断応力に対する弾性変形が金属に近く、素子カットされた下層38が弾性変形したときに、下層38との接合面だけではなく、その周辺も連動して弾性変形する固体によって構成される。ちなみに、下層38は従来同様のものを利用でき、例えばエポキシ樹脂等にフィラーを添加した樹脂層として構成することができる。ここで、上層40と下層38を構成するそれぞれの母材は同一のものであってもよく、異なるものであってもよい。前者の場合には添加材としてのフィラーの材料、密度等を異ならせて、実際の音響インピーダンスを相互に一致あるいは近似させるのが望ましい。音速が互いに一致するように、各層の構成材料を適宜選択するのが望ましい。また、上記の整合層44は、上述のようにゴム系の材料を主要成分として構成され、それを物性面から表現すれば、それは、望ましくは、架橋工程を経て製造されるもの、あるいは、熱可塑性プラスチックと呼ばれる架橋工程を経ずに製造されるものによって構成され、常温でゴム状弾性を有し、せん断応力に対する変形が液体に近いものである。勿論、ゴム材料に対してフィラーを添加したものを利用することができる。ゴム材料としては、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、イソプレンゴム、ニトリルゴム、天然ゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、アクリルゴム、スチレンブタジエンゴム、熱可塑性エラストマー、等があげられる。なお、振動素子アレイ10、素子カット型整合層14、複合整合層36、連続整合層44、音響レンズ18の順番で段階的に音響インピーダンスが生体の音響インピーダンスに近付けられる。
本発明に係る超音波探触子の要部構成を示す断面図である。 比較例としての従来の超音波探触子の構成を示す断面図である。 他の実施形態に係る超音波探触子を示す図である。 更に他の実施形態に係る超音波探触子を示す図である。 図4に示した超音波探触子の特性を説明するための図である。 図4に示した超音波探触子の特性を説明するための図である。
符号の説明
10 振動層、12 バッキング、14 第1整合層、18 音響レンズ、20 振動素子、22 整合素子、36 第2整合層、38 下層、40 上層、42 整合素子、44 第3整合層。

Claims (1)

  1. 水平方向に配列された複数の振動素子からなる振動素子アレイと、
    前記振動素子アレイの上側に設けられ、前記複数の振動素子に対応した配列を有する複数の第1整合素子で構成された素子カット型第1整合層と、
    前記第1整合層の上側に設けられた複合型第2整合層と、
    前記第2整合層の上側に設けられ、水平方向に一様に連続したゴム系材料からなる軟質層としてのゴム系連続型第3整合層と、
    前記第3整合層の上側に設けられ、水平方向に一様に連続した音響レンズと、
    を含み、
    前記第1整合層、前記第2整合層、前記第3整合層及び前記音響レンズの順で音響インピーダンスが生体の音響インピーダンスに近付けられ、
    前記第2整合層は前記第3整合層よりも硬い硬質層であり、
    前記第2整合層は、
    前記複数の振動素子に対応した配列を有する複数の第2整合素子からなる下層と、
    前記下層に接着され前記下層とは異なる材料によって構成された層であって、前記複数の第2整合素子に跨ってそれらの上面に接合される下面と、前記第3整合層の下面に接合される上面と、を有し、水平方向に一様に連続した上層と、
    を含み、
    前記下層における各第2整合素子の音響インピーダンスと前記上層の音響インピーダンスが実質的に同一であり、前記第2整合層の上下方向の厚みが超音波の波長に対する整合条件を満た
    それ全体が実質的に同一の音響インピーダンスを有し且つそれ全体が単一の整合層として機能する前記第2整合層の中に異種構造接合面が設けられた、ことを特徴とする超音波探触子。
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