JP5005947B2 - 固体酸化物形燃料電池のガスシール構造 - Google Patents

固体酸化物形燃料電池のガスシール構造 Download PDF

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Description

本発明は、固体酸化物形燃料電池のガスシール構造に関するものである。
平板型の固体酸化物形燃料電池(SOFC:Solid Oxide Fuel Cell)は、積層形成された燃料電極(燃料極)、固体酸化物からなる電解質層および酸化剤電極(空気極)とからなる三層構造の平板状の単セルと、この単セルの前記燃料極と空気極に燃料ガスと酸化剤ガスをそれぞれ給排気するための通路を有するセパレータ(以下、インターコネクタという)とを交互に複数枚積層して電気的に直列に接続することにより形成された燃料電池スタック(以下、セルスタックという)とを備え、前記燃料極に燃料ガスを供給し、空気極に酸化剤ガスを供給することにより、水の電気分解の逆反応を主反応として利用して発電を行なうようにした燃料電池である(例えば、特許文献1参照)。このような固体酸化物形燃料電池は、他の燃料電池に比べて発電効率が高く、また作動温度が高いため高温の熱を利用することができるという利点を有している。
固体酸化物形燃料電池が動作するときは、電池の燃料極側は還元雰囲気に晒され、空気極側は酸化雰囲気に晒されるため、燃料極と空気極間にガスが透過せずかつ電気伝導性のある材料で、単セルどうしの電気的接続を行う必要がある。また、十分高い発電効率を得るためには、電解質のイオン導電性を確保し、かつ両電極における酸化還元反応が容易に起こり易くするために、燃料電池本体の作動温度を概ね400℃〜1000℃の高い温度に保つことが望ましい。このため、電気的接続には、フェライト系ステンレスを始めとする各種耐熱金属材料もしくは導電性セラミックス材料で作られた部品(インターコネクタ)が用いられる。
インターコネクタは、前述した通り単セルのそれぞれの極に燃料ガス(改質メタンガスや水素)と酸化剤ガス(酸素や空気)を供給するための通路が設けられている。また、単セルで反応した後の燃料ガス(排ガス)を排出する通路を設けておくと、未反応の燃料ガスを回収することができ、高い発電効率を得ることができる。しかし、このときに各単セルの燃料極と空気極との間を遮断(ガスシール)する必要があり、この目的のために、単セルとインターコネクタとの隙間にガスシール材を配置する必要がある。すなわち、このガスシール材は、燃料極付近の燃料ガスが酸化剤ガスに直接触れて燃焼によって消費されることを防ぎ、これにより発電が有効に行われ高い発電効率を実現することに寄与する。
図7に平板型固体酸化物形燃料電池のガスシール構造の従来例を示す。
同図において、参照符号1で示す平板型固体酸化物形燃料電池のセルスタックは、平板型の単セル2とセパレータ3をガスシール材4を介して交互に複数枚積層して一体的に結合するとともに電気的に接続することにより形成されている。
単セル2は、平板型の燃料極6と、この燃料極6の上に積層形成された電解質層7および空気極8とからなり、これらによって燃料極支持型で平板型の単セルを構成している。このような燃料極支持型の単セル2は、比較的堅牢で高出力密度が得られる等の特長を有している。
インターコネクタ3は、単セル2がガスシール材4を介してはめ込まれる凹部10を有する燃料極側インターコネクタ3Aと、空気極8に接触する凸部11を一体に有する空気極側インターコネクタ3Bとで構成されている。燃料極側インターコネクタ3Aの燃料極6が接触する面12には、燃料ガスG1の供給通路13と、燃料極反応によって生成される排ガスを排出する排出通路14が形成されている。一方、空気極側インターコネクタ3Bの空気極8が接触する面15には、酸化剤ガスG2の供給通路16と、空気極反応によって生成される排ガスを排出する排出通路17が形成されている。
ガスシール材4は、断面形状が矩形で、円形または矩形の枠状に形成されており、燃料極側インターコネクタ3Aの凹部10内に組み込まれることにより、単セル2の外周面と凹部10の内周面との隙間24をガスシールし、燃料ガスG1が漏れて酸化剤ガスG2に接触しないようにしている。ガスシール材4としては、熱膨張率(熱膨張係数)が単セル2とインターコネクタ3の熱膨張率に近い材質であることが望ましい。しかし、必要な機能を満たしつつ、熱膨張率を合わせ込むことは困難なため、体積の膨張収縮を緩和しやすいほう珪酸ガラス等のガラス材料をガスシール材として用いるなど、熱膨張率の制約を緩める種々の方法が提案されている。
特開2005−174884号公報
上述のような平板型固体酸化物形燃料電池におけるセルスタック1のガスシール構造において、ガスシール材4のガスシール面18,19には燃料極6に供給される燃料ガスG1と、空気極8に供給される酸化剤ガスG2からの圧力が加わっている。一般に空気極8側は概ね大気圧に近い圧力に保たれており、特に空気極8に供給された酸化剤ガスG2が回収されずに大気に開放される場合は、ほぼ大気圧に等しくなっている。このような酸化剤ガスG2を回収しない大気開放型のセルスタック1においては、酸化剤ガスG2の排ガス回収用マニホールドを必要とせず、構造が比較的簡単になるという利点を有している。
一方、燃料極6側は、燃料極6への燃料ガスG1の供給を十分に行って燃料の利用率を高めるために、単セル2の周辺における圧力は、大気圧に比べて高くなっている。特に未反応燃料ガス、水、反応生成ガス等を回収する場合には、回収出ロに向けてこれらを送り出すために、空気極8側に比べて高い圧力にする必要がある。したがって、ガスシール材4には燃料極6側から空気極8側に向かって圧力差が生じる。
しかし、従来はこのような燃料ガスG1と酸化剤ガスG2の圧力差を考慮したガスシール構造を採用しておらず、このためかかる圧力差に対して十分に高いシール強度を確保することが困難で、信頼性、耐久性の高いガスシールができないという問題があった。ガスシール性が不十分で、燃料ガスG1が空気極8側に漏洩すると、発電に用いられる燃料が減少して発電効率を下げてしまう。また、燃料ガスG1が酸化剤ガスG2によって燃焼すると、単セル2およびインターコネクタ3周辺の温度が上昇し、単セル2およびインターコネクタ3の機能を破壊する恐れがある。また、特に定電流運転時に燃料利用率を高くした際に、燃料ガスG1が漏れて発電に必要な量の燃料が単セル2に供給されないと、空気極8からくる酸素イオンにより燃料極6が酸化して単セル2の発電機能を低下させたり、あるいは破損したガスシール部分からの酸化剤ガスG2により燃料極6が酸化した場合には、セル割れが発生し、その部位で燃料ガスG1と酸化剤ガスG2が混合して燃焼し、単セル2およびインターコネクタ3周辺の温度が上昇し、単セル2およびインターコネクタ3を破壊する恐れがある。
また、特に、単セル2が燃料極支持型である場合には、単セル2の外縁と凹部10の内周面との隙間24をガスシール材4によってガスシールする必要があるが、このガスシール材4は燃料ガスG1と酸化剤ガスG2の圧力差によって燃料極6側のガスシール面18が空気極8側のガスシール面19よりも大きな力を受けるため、変形したり、凹部10から飛び出し、十分なガスシールを行うことができなくなるという問題もあった。
本発明は、上記した従来の問題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、単セルとインターコネクタとの間を確実にガスシールすることができ、信頼性および耐久性の高い平板型固体酸化物形燃料電池のガスシール構造を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明に係る平板型固体酸化物形燃料電池のガスシール構造は、固体電解質の表裏面に燃料極と空気極とを配置してなる平板型の単セルと、この単セルの前記燃料極と前記空気極に対して燃料ガスと酸化剤ガスとをそれぞれ供給するための通路を有するインターコネクタとを交互に複数枚積層してこれらを電気的に接続し、前記単セルと前記インターコネクタとの隙間をガスシール材によってガスシールする固体酸化物形燃料電池のガスシール構造において、前記インターコネクタは、単セルがガスシール材を介してはめ込まれる凹部と燃料ガスを給排気するための通路とを有する燃料極側インターコネクタと、少なくとも酸化剤ガスを供給するための通路を有する空気極側インターコネクタとを備え、前記燃料極側インターコネクタの凹部を空気極側インターコネクタに向かって口径が拡大する形状に形成し、前記ガスシール材の空気極側ガスシール面の面積を、前記燃料ガスと前記酸化剤ガスの圧力差に対応させて燃料極側ガスシール面の面積よりも大きくしたものである。
また、本発明に係る平板型固体酸化物形燃料電池のガスシール構造は、前記ガスシール材は、熱膨張係数が単セルとインターコネクタの熱膨張係数に近いガラス材料を含むものである。
また、本発明に係る平板型固体酸化物形燃料電池のガスシール構造は、前記ガスシール材の空気極側ガスシール面の面積と燃料極側ガスシール面の面積との面積比を、燃料ガスと酸化剤ガスの圧力比の逆数と略等しくしたものである。
本発明においては、燃料ガスと酸化剤ガスの圧力差に対応させてガスシール材の空気極側ガスシール面の面積を燃料極側ガスシール面の面積よりも大きくしたので、ガスシール材の空気極側ガスシール面と燃料極側ガスシール面に加わる力(ガス圧力×ガスに接する面積)を略等しくすることができる。したがって、燃料ガスと酸化剤ガスの圧力差によってガスシール材が変形したり、単セルとインターコネクタとの間から飛び出したりすることがなく、十分に高いシール強度とシール性能を確保することができ、固体酸化物形燃料電池におけるガスシールの信頼性および耐久性を高めることができる。その結果として、燃料ガスが漏洩せず、発電効率を高めることができる。また、燃料ガスが漏洩するようなことがないために、燃料の燃焼、燃料不足による燃料極の酸化、燃料極支持型の単セルを用いた際のセル割れ等をも防止することができる。
以下、本発明を図面に示す実施の形態に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明に係る平板型固体酸化物形燃料電池のガスシール構造の一実施の形態を示す要部の断面図である。なお、図中、従来技術で示した部品、部分と同一のものについては同一符号をもって示し、その説明を適宜省略する。本実施の形態においては、燃料支持型の単セル2を備え、インターコネクタ3が単セル2に供給される酸化剤ガスG2を回収せずに大気に開放とする構造を採用した平板型固体酸化物形燃料電池におけるセルスタックのガスシール構造を示している。このため、空気極側インターコネクタ3Bは、酸化剤ガス供給通路16の終端が大気に開放されて酸化剤ガスの排ガスを回収する酸化剤ガス排出通路を有さず、酸化剤ガスG2側からは単セル2とインターコネクタ3Bとのガスシール部に圧力がかからない構造となっている。
燃料極側インターコネクタ3Aは、単セル2がガスシール材20を介してはめ込まれる凹部10を有している。この凹部10の内周面10aは、ガスシール材20のガスシール面21,22に加わる燃料ガスG1と酸化剤ガスG2の圧力差を考慮して、凹部10の内部に向かって傾斜したテーパ面に形成されている。言い換えれば、凹部10は、空気極側インターコネクタ3Bに向かって口径が拡大する逆截頭円錐形または逆截頭角錐形の凹部に形成されている。
単セル2を構成する燃料極6と電解質層7は同一の大きさで、前記凹部10の開口径より小さい相似形の円形または四角形に形成されており、ガスシール材20と接触する外縁(外周面)が表裏面に対して垂直な同一面を形成している。空気極8は、燃料極6および電解質7と相似形で、これより小さく形成されている。このため、単セル2を凹部10内に配置した状態では、単セル2の外周と凹部10の内周面10aとの間に断面形状が逆台形の環状隙間24が形成される。この環状隙間24は、ガスシール材20によってガスシールされるガスシール部を形成している。
前記単セル2とインターコネクタ3との隙間24をガスシールするガスシール材20も、燃料ガスG1と酸化剤ガスG2の圧力差を考慮して断面形状が前記隙間24と略同一形状の逆台形状を呈するように形成することにより、空気極8側のガスシール面22が燃料極6側のガスシール面21に比べて大きなシール幅と表面積をもたせている。具体的には、ガスシール材20の空気極側ガスシール面22の面積S2と燃料極側ガスシール面21の面積S1は、ガスシール面21,22に加わる力(ガス圧力×ガスに接する面積:G1×S1=G2×S2)が釣り合いを保つようにするために、その面積比が燃料ガスG1と酸化剤ガスG2の圧力比の逆数と略等しくなるように設定される。この場合、燃料極6側のガス圧(絶対圧)が空気極8側のガス圧よりも高いので、空気極側ガスシール面22の面積S2を燃料極側ガスシール面21の面積S1よりも大きくする必要がある(S2>S1)。空気極側ガスシール面22の面積S2と燃料極側ガスシール面21の面積S1の適正な比は、ガスシール材20に加わる両側の圧力の比(燃料ガス圧力/酸化剤ガス圧力)と等しく、これは1より大きい。
常圧型の燃料電池では、空気極8側のガス圧は略大気圧に等しく、燃料極6側のガス圧はその20〜50%程度高い加圧状態であるため、この比は1.2〜1.5程度である。このため、空気極側ガスシール面22の面積S2と燃料極側ガスシール面21の面積S1の面積比は、1.2〜1.5:1となる。特に、燃料ガスG1にメタン等の炭化水素燃料を水蒸気改質して用いる際には、燃料ガスG1の圧力が高まるため、十分な面積比をとることが必要である。
これに対して、加圧型の燃料電池では、燃料極6側は大気圧の10倍程度の圧力に晒されるため、この比率を10〜20程度に十分大きくとることが必要になる。
このように、本発明においては、ガスシール材20の空気極側ガスシール面22の面積2と燃料極側ガスシール面21の面積S1を燃料ガスG1と酸化剤ガスG2の圧力比に対応させて変えているので、燃料ガスG1と酸化剤ガスG2の圧力差に拘わらずこれらのガスシール面21,22に加わる力を略等しくすることができる。したがって、ガスシール材20が燃料ガスG1と酸化剤ガスG2の圧力差によって変形したり、燃料極側インターコネクタ3Aの凹部10から抜け出したりすることがなく、単セル2とインターコネクタ3間の隙間24を確実にガスシールすることができ、ガスシールの信頼性を向上させることができる。
また、燃料ガスG1が空気極8側に漏洩しなくなれば、発電効率が向上するばかりか、酸化剤ガスG2との接触による燃料ガスG1の燃焼や、漏洩に伴う燃料ガスの不足による燃料極6の酸化、セル割れ等を防止することができ、燃料電池の信頼性および耐久性を向上させることができる。
特に、インターコネクタ3が、単セル2に供給される酸化剤ガスG2を回収せずに大気に開放し、酸化剤ガスG2側からはガスシール材20の空気極側ガスシール面22に圧力が加わらない構造の固体酸化物形燃料電池である場合には、本発明によってガスシール材20に加わる燃料ガスG1と酸化剤ガスG2との圧力差を解消することが有効となる。
また、ガスシール材20が配置される単セル2とインターコネクタ3との間のガスシール部(隙間24)の幅を、単セル2の固体電解質7側から燃料極6側に向けて減じる構造としているので、ガスシール材20が燃料ガスG1から圧力を受ける面積に比べ、ガスシール材20が酸化剤ガスG2から圧力を受ける面積を容易に大きくすることができる利点を有する。
ここで、図1においては、凹部10の内周面10aを単調なテーパ面に形成し、ガスシール材20の断面形状を台形状に形成したが、これに限らずガスシール材20の粘度や熱膨張率に応じて確実にガスシールできるように、図2または図3に示すようにガスシール部の途中に両ガスとの界面よりも面積がより小さくなる括れ部分、あるいはガスシール溜めのような機能をもつ両ガスとの界面よりも面積がより大きくなる部分が存在しても、特に問題はなく、ガスシール部に加わる圧力を左右するガスとの界面におけるガスシール面面21,22の面積関係だけが本発明にしたがっていればよい。
図2は凹部10の内周面に上下非対称で上辺側が下辺よりも傾斜角度が小さいV字状の溝25を形成し、ガスシール材20の断面形状を外周面が前記溝25に適合する上下非対称な五角形に形成した例を示す。このような構造において、ガスシール材20の空気極側ガスシール面22の面積S2は、燃料極側ガスシール面21の面積S1よりも大きく、燃料ガスG1の圧力が1.2、酸化剤ガスG2の圧力が1とした場合、燃料極側ガスシール面21の面積の1.2倍になるように設定されている。
図3は図2に示した例とは反対に、凹部10の内周面に上下非対称で上辺側が下辺よりも傾斜角度が大きいV字状の突起部26を形成し、ガスシール材20の外周面に前記突起部26に適合する上下非対称なV字状の括れ部(凹部)27を形成した例を示す。ガスシール材20の燃料極側ガスシール面21の面積S1と空気極側ガスシール面22の面積S2の面積比は、図2に示した例と同様である。
平板型の単セル2としては、燃料極支持型を示したが、これに限らず電解質支持型(自立膜型)を用いることもできる。単セル2の形状は、円形、方形など、特に制約はない。単セル2の構成要素にも特に制約はなく、従来公知の材料を用いることができる。例えば、燃料極6には安定化ジルコニアとニッケルのサーメットを、電解質7には安定化ジルコニアを、空気極8にはランタンストロンチウムマンガナイト、ランタンストロンチウムコバルタイト、ランタンニッケルフェライト等のペロブスカイト酸化物を用いることができる。このような構成の単セル2の運転温度800℃付近における熱膨張係数は、およそ1×10-5/Kである。この場合のインターコネクタ3には、単セル2の熱膨張係数に概ね近い熱膨張係数を有するフェライト系ステンレス材料を始めとする各種耐熱金属材料や、ランタンストロンチウムクロメイトを始めとする導電性セラミックス材料を用いることができる。
単セル2とインターコネクタ3の間の隙間24に配置されるガスシール材20についても、これらと概ね近い熱膨張係数を有する材料であることが好ましく、ほう珪酸ガラスやバリウム珪酸ガラス等を用いることにより、ガスシール性を向上させることができる。特に、燃料電池の動作温度よりも軟化点の低いガラス材料を用いると、ガラス自体が軟化、溶融して隙間24を塞ぐため、ガスシール性をより一層向上させることができる。またガスシール材20として、ガラス材料を含む様々なガラス複合材料、例えば前記ガラス材料とガラスウールの混合物、前記ガラス材料とアルミナ系接着剤の混合物なども用いることができ、さらに緩衝材として発泡金属、金属網等の適度に変形する材料を挟んだり混ぜたり担持させたガラス複合材料を用いることもできる。
単セル2とインターコネクタ3間の電気的な接続には、発泡金属や金属網、エキスパンドメタル等の集電材を挟むことができる。また、単セル2に燃料極支持型もしくは空気極支持型を用いる場合は、単セル2の外縁部で単セル2とインターコネクタ3をガスシールする必要があるが、ガスシール材20を凹部10の内周面10aと単セル2の外周面との間に配置するだけではガスシール性が十分に確保できない場合がある。このような場合には、例えば図4は燃料極支持型で平板型の単セル2の例を示すものではあるが、単セル2の外縁部に加えて電解質層7の上面外周縁部もガスシール材20によって覆いガスシールするとよい。つまり、ガスシール材20に電解質層7の上面外周縁部を覆う張出部28を設けるとよい。
また、特に、インターコネクタ3が、単セル2を配置するための凹部10を有する燃料極側インターコネクタ3Aと、空気極8に接触する凸部11を有する空気極側インターコネクタ3Bとからなり、燃料極側インターコネクタ3Aに単セル2の燃料極6に燃料ガスG1を供給するための燃料ガス供給通路14と、反応後の排ガスを排出する排ガス排出通路14が設けられ、空気極側インターコネクタ3Bに隣接する単セル2の空気極8に酸化剤ガスG2を供給するガス供給通路16を設けた固体酸化物燃料電池の場合(図1)、単セル2の外縁とインターコネクタ3間に配置したガスシール材20により、ガスシールを行うことができるが、この際のガスシール材20に加わる圧力差に対しても、ガスシール材20が燃料ガスG1から圧力を受ける面積に比べ、ガスシール材20が酸化剤ガスG2から圧力を受ける面積を大きくすること、特にガスシール材20の配置されるガスシール部24の幅を、単セル2の電解質層7側から燃料極6側に向けて減じる構造とすることにより、十分に高いガスシール強度を確保することができ、ガスシールの信頼性および耐久性を高めることができる。
さらに、図5に示すように、ガスシール材20の空気極側ガスシール面22全体をセルカバー30によって覆い、これによってガスシール材20の動きを防止すると、ガスシールの信頼性、耐久性を一層向上させることができる。この場合、ガスシール材20は直接酸化剤ガスG2に接触する部分が少なくなるが、セルカバー30が酸化剤ガスG2からの圧力をガスシール材20に伝えている形になる。さらに、このセルカバー30が、図6に示すように、インターコネクタ3の外周に嵌め合わされる嵌合部30Aと、この嵌合部30Aから垂直方向に伸張しガスシール剤20の空気極側ガスシール面22を覆うカバー部30Bと、このカバー部30Bの中央に形成された開ロ部30Cとを備えることにより、ガスシール材20を押さえて固定すると同時に、単セル2の空気極8と空気極側インターコネクタ3Bの凸部11(図1)との接続を可能にしている。
さらに、セルカバー30と空気極側インターコネクタ3Bとの間にもガスシール材を配置すると、より高いガスシール性能を得ることができる。
セルカバー30としては、燃料電池の運転温度でガスシール材20と反応せず、また単セル2やインターコネクタ3と熱膨張率が近い材料で構成されることが好ましい。具体的にはアルミナやマセライト、ジルコニア等のセラミックス材料、またはフェライト系ステンレス材料を始めとする各種耐熱金属材料を用いることができる。特に耐熱金属材料の中では、アルミニウムを1%〜10%含むアルミナフォーマーと呼ばれるフェライト形ステンレスが、比較的絶縁性が高いために好適である。導電性のある材料をセルカバー30に用いる際には、単セル2の両極が短絡しないように配置することが必要である。例えば図6に示す例では、セルカバー30は嵌合部で燃料極6を配置した燃料極側インターコネクタ3Aの凹部10と接する可能性があるため、セルカバー30が空気極8ないし空気極8に接続された空気極側インターコネクタ3Bに接触しないように配置することが必要である。
本発明による固体酸化物形燃料電池のガスシール構造の一実施の形態を示す要部の断面図である。 本発明による固体酸化物形燃料電池のガスシール構造の他の実施の形態を示す要部の断面図である。 本発明による固体酸化物形燃料電池のガスシールの他の実施の形態を示す要部の断面図である。 本発明による固体酸化物形燃料電池のガスシール構造の他の実施の形態を示す要部の断面図である。 本発明による固体酸化物形燃料電池のガスシールの他の実施の形態を示す要部の断面図である。 本発明による固体酸化物形燃料電池のガスシール構造のさらに他の実施の形態を示す要部の断面図である。 従来の固体酸化物形燃料電池のガスシール構造を示す要部の断面図である。
符号の説明
1…固体酸化物形燃料電池、2…単セル、3…インターコネクタ、3A…燃料極側インターコネクタ、3B…空気極側インターコネクタ、4…ガスシール材、6…燃料極、7…電解質層、8…空気極、10…凹部、14…隙間、13…燃料ガス供給通路、14…燃料ガス排出通路、16…酸化剤ガス供給通路、17…酸化剤ガス排出通路、20…ガスシール材、21…燃料極側ガスシール面、22…空気極側ガスシール面、24…隙間、G1…燃料ガス、G2…酸化剤ガス。

Claims (3)

  1. 固体電解質の表裏面に燃料極と空気極とを配置してなる平板型の単セルと、この単セルの前記燃料極と前記空気極に対して燃料ガスと酸化剤ガスとをそれぞれ供給するための通路を有するインターコネクタとを交互に複数枚積層してこれらを電気的に接続し、前記単セルと前記インターコネクタとの隙間をガスシール材によってガスシールする固体酸化物形燃料電池のガスシール構造において、
    前記インターコネクタは、単セルがガスシール材を介してはめ込まれる凹部と燃料ガスを給排気するための通路とを有する燃料極側インターコネクタと、少なくとも酸化剤ガスを供給するための通路を有する空気極側インターコネクタとを備え、前記燃料極側インターコネクタの凹部を空気極側インターコネクタに向かって口径が拡大する形状に形成し、 前記ガスシール材の空気極側ガスシール面の面積を、前記燃料ガスと前記酸化剤ガスの圧力差に対応させて燃料極側ガスシール面の面積よりも大きくしたことを特徴とする固体酸化物形燃料電池のガスシール構造。
  2. 請求項1記載の固体酸化物形燃料電池のガスシール構造において、
    前記ガスシール材は、熱膨張係数が単セルとインターコネクタの熱膨張係数に近いガラス材料を含むことを特徴とする固体酸化物形燃料電池のガスシール構造。
  3. 請求項1記載の固体酸化物形燃料電池のガスシール構造において、
    前記ガスシール材の空気極側ガスシール面の面積と燃料極側ガスシール面の面積との面積比は、燃料ガスと酸化剤ガスの圧力比の逆数と略等しいことを特徴とする固体酸化物形燃料電池のガスシール構造。
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