JP5004593B2 - ワイヤレスマイクロホン - Google Patents
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Description
しかしながら、電波式のワイヤレスマイクロホンは、高価な上、電波が外部に漏れてしまうことや、混信を生じてしまう等の虞があった。そのため、最近では安価で、秘話性の高い光学式のものが多くなってきている。たとえば、赤外線では、電波式とは異なり、壁などの障害物によって信号を簡単に遮断できる。そのため、光学式ワイヤレスマイクロホンは、一つのフロアにいくつもの部屋を備えたカラオケ施設等に好適に用いられている。
また、この光信号は、ワイヤレスマイクロホンを使用する施設の天井や壁の適所に設けられた受信装置によって受信される。受信された光信号は、適宜電気信号に復調され、アンプ装置を介して音声や音楽としてスピーカ等より出力される。
そこで、光信号出力部からの光信号が受信装置で確実に受信されるように、広い指向性を有することを目的として、光信号出力部の取り付け位置等に工夫を講じた手段が幾つか提案されている(たとえば、特許文献1又は2参照)。
たとえば、反射部材を液体に浮かせるようにしたワイヤレスマイクロホンの構造は、図4に示すとおりである。このようなワイヤレスマイクロホン101は、入力された音声を電気信号として出力する集音手段を備えるヘッド部110と、マイクロホンとして機能させるための各種電気回路を備えるグリップ部120と、前記電気信号を光信号に変換して出力する発光手段132を備える光信号送信部130と、を少なくとも有している。そして、前記光信号送信部130を備えるケース130a内に流動部材134を封入し、前記発光手段132の下方において、前記流動部材134に浮くように反射部材133を配置している。
したがって、重力によって方向が規定できる反射部材を備える光学式のワイヤレスマイクロホンにおいて、落下等の衝撃によって反射部材が破損してしまうことを防止したワイヤレスマイクロホンを提供することが出来る。
また、振動検知手段での衝撃による振動の検知情報を前記流動部材へ素早く伝達し、前記反射部材の形状に関係なく前記流動部材によって、前記反射部材の変位を抑制することができる。
したがって、落下等の向きに関係なく、反射部材が衝撃により破損してしまうことを防止することができる。
図1は、本発明のワイヤレスマイクロホンの一例を示す部分縦断側面図である。
本実施形態のワイヤレスマイクロホン1は、図1に示すように、ヘッド部10と、グリップ部20と、光信号送信部30と、を少なくとも備え、前記光信号送信部30が、衝撃による前記反射部材の変位を抑制する制御手段を更に備えていることを特徴とする。
このグリップ部20は、前記マイクロホンユニット11にて出力された電気信号をレベル調整する増幅回路21を有する。また、グリップ部20は、レベル調整した電気信号をFM変調するFM変調回路22を有する。
また、グリップ部20と光信号送信部30の接合部分には、クッション用のゴムリング40が周回するように取り付けられている。ゴムリング40は、ワイヤレスマイクロホン1をテーブルや机等の上に置く際に、前記光信号送信部30を衝撃等から保護する機能を有している。
この光信号送信部30を備えるケース30aにおける発光素子32に臨む部分は、光信号(赤外線)を減衰させることなく透過させる材料で構成されている。
ここで、入力された音声(音波)に応じて発光素子32が駆動制御される流れを簡単に説明する。
まず、前記ヘッド部10より音声(音波)が入力される。
そして、図2に示すように、入力された音声(音波)は、マイクロホンユニット11において電気信号に変換されて出力する。出力した電気信号は、増幅回路21において適宜増幅される。増幅された電気信号は、FM変調回路22においてFM変調される。
また、変調された電気信号は、発光素子駆動回路31に供給される。そして、発光素子駆動回路31は、変調された電気信号に基づいて輝度が変調されるように、各発光素子32の発光強度を制御して発光駆動させる。
このようにしてワイヤレスマイクロホン1では、マイクロホンユニット11でピックアップされた音声が、光信号として発光素子32から出力されることになる。
振動検知手段は、衝撃による振動を検知し、加えられる軸方向振動による圧力の変化に応じて電圧を発生する。前記振動検知手段としては、たとえば振動を電気信号に変換させる表面実装型の圧電素子35を挙げることができる。
したがって、たとえばワイヤレスマイクロホン1に衝撃等の振動が加わると、その振動の大きさに比例した力が圧電素子35に加わる。圧電素子35では、振動によって機械的な歪が生じると、圧電効果によって歪量に応じた高電圧の電気信号を出力する。
流動部材34は、電圧の印加により粘性を増加させて前記反射部材33を支持するものであり、粘性を可逆的に変化させることができる流体である。流動部材34としては、たとえば電界強度に応じて見かけ上の粘性が変化する電気粘性(ER:Electro Rheological)流体を挙げることができる。電圧を印加することで材料の粘性特性が変化する性質はER(エレクトロ・レオロジー)効果と呼ばれ、このような特性を持つ電気粘性流体として、たとえば絶縁性の液体に誘電性固体微粒子を分散させた懸濁液や液晶がある。
したがって、流動部材34は、発光素子32の下方に配置される反射部材34を浮かべるように配置されている。また、この仕切り板38により、流動部材34が、発光素子32に触れることや、外部に漏れることが防止されている。
したがって、圧電素子35が衝撃等による振動を検知すると電圧を発生し、前記電圧は、圧電素子35の電極面(不図示)から導電配線37を通じて電極36へ送られ、流動部材34を印加する。流動部材34は、電圧の印加を受けると、その流れを阻止して粘性を増加させ、反射部材33が変位しないように支持する。一方、流動部材34への電圧の印加が解除されると、粘度が低減し再び流れを取り戻して反射部材34を浮かべるものとなる。
また、前記制御手段が、前記振動検知手段と前記変位抑制手段とから構成されることにより、使用者の通常の動作では前記反射部材33の変位を許容し、マイクロホンが落下したときなど、衝撃が加わったときだけ前記反射部材33の大きな変位を抑制するように制御できる。
さらに、前記変位抑制手段が、流動部材34と印加手段とから構成されることにより、前記反射部材33に衝撃を与えること無く、前記流動部材34によって前記反射部材33の変位を抑制するように制御することができる。すなわち、流動部材34は、電圧が印加されない状態では自由な流れを有するものである。そうすると、前記流動部材34は反射部材33の形状に関係なく、前記反射部材33と密接状態を維持することができる。これにより、前記反射部材33の変位の抑制に伴って、衝撃を与えて接触することは無い。
したがって、ワイヤレスマイクロホン1の落下等の衝撃によって、反射部材33が光信号送信部30の内壁に衝突して破損してしまうことを防止することができる。
まず、受信装置2は、ワイヤレスマイクロホン1から送信されてくる光信号を受信する。受信装置2は、たとえばフォトダイオード等の受光素子を備える光信号受信部の他、光信号をアナログ信号に変換する各種変換回路等(何れも不図示)を有している。
次に、受信装置2は、光信号を受信すると、その光信号をFM復調部(不図示)で復調する。復調された電子信号は、ケーブルを介して、たとえばアンプ装置3等の外部機器へ提供され、さらに、スピーカ装置4に与えられる。
そして、スピーカ装置4では、電気信号を音声として出力(発音)する。
なお、受信装置2は、光信号である赤外線波長帯域を透過し、それ以下の光線波長帯域を遮断する所謂赤外線フィルターによって覆われている。
このように、三方向からの衝撃を検知できるものとすることにより、ワイヤレスマイクロホン1の落下等の向きに関係なく、衝撃を検知して電圧を発生し、前記電圧の印加によって流動部材34の粘性を増加させて反射部材33を支持し、大きな変位を抑制することができる。したがって、反射部材33が衝撃により破損してしまうことを防止することができる。
このような構造は、グリップ部20にゴムリング40が取り付けられていない場合に、効果的である。
10 ヘッド部
11 マイクロホンユニット
20 グリップ部
21 増幅回路
22 FM変調回路
30 光信号送信部
31 LED駆動回路
32 発光素子(赤外線発光LED)
33 反射部材(反射鏡)
34 流動部材(電気粘性流体)
35 圧電素子
36 電極
37 導電配線
38 仕切り板
Claims (4)
- 入力された音声を電気信号として出力する集音手段と、
前記電気信号を光信号に変換して出力する発光手段と、
前記光信号の出射方向を規定できる反射部材を有する光信号伝送手段と、
ケース内に封入されていて前記反射部材を浮かせて前記反射部材の反射面を水平状態に支持し電圧の印加により粘性が増加する流動部材と、
衝撃による振動を検知して電圧を発生する振動検知手段と、を備え、
前記振動検知手段が振動を検知して発生する電圧が前記流動部材に印加されることにより前記流動部材の粘性が増加して前記反射部材の変位を抑制するように、前記振動検知手段と前記流動部材が電気的に接続されているワイヤレスマイクロホン。 - 前記振動検知手段は、圧電素子からなる請求項1に記載のワイヤレスマイクロホン。
- 前記流動部材は、電気粘性流体からなる請求項1または2に記載のワイヤレスマイクロホン。
- 前記振動検知手段は、少なくとも互いに直交する三方向からの衝撃を検知できるものである請求項1、2または3に記載のワイヤレスマイクロホン。
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