JP5004076B2 - 蛍光検出型ケミカルバイオセンサー及びそれを用いた検体中の特定物質の検出方法 - Google Patents

蛍光検出型ケミカルバイオセンサー及びそれを用いた検体中の特定物質の検出方法 Download PDF

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本発明は、蛍光検出型ケミカルバイオセンサー及びそれを用いた検体中の特定物質の検出方法に関するものであり、特に、高速かつ高精度に測定することを可能とした蛍光検出ケミカルバイオセンサーに関する。
生体内で分泌される物質のうち、カテコールアミン類やインドールアミン類などの、その構造中に芳香環又は環状炭化水素と1級又は2級アミンを有する化学物質(生理活性アミン)の検出は、検体を蛍光誘導体化物質などで蛍光誘導化した後に液体クロマトグラフィーや電気泳動などで分離し、蛍光によって物質を特定することにより行われている(非特許文献1〜3,特許文献1〜4等参照)。
しかしながら、従来のこれらの方法は、蛍光誘導体化物質と検体中の特定物質との反応を行った後、液体クロマトグラフィーや電気泳動を用いるため、検出に時間が掛かるばかりでなく、一度に測定できる数に限りがあるという課題がある。
一方、蛍光によって蛋白質等を検出するバイオセンサとしては、検出すべき検体と特異的に結合する物質、例えば抗原、抗体等を、平板状の基板に直接又は間接に固定化したものを用い、蛍光物質で標識した検体をその基板上に流し、前記物質に特異的に結合した検体を、標識に用いた蛍光物質の蛍光により検出することがおこなわれている(特許文献5、6参照)。
しかしながら、これらの方法では、検体を蛍光物質で標識するという工程を必要とするものであり、センサーを用いて検体を直ちに検出することはできないという問題がある。
"Analysis ofSingle Cells by Capillary Electrophoresis with On-Column Derivatization andLaser-Induced Fluorescence Detection", S. Douglass Gilman et al., Anal. Chem.1995, 67, 58-64. "Determinationof Femtomole Concentrations of Catecholamines by High-performance LiquidChromatography with Peroxyoxalate", S. Higashidate et al., Analyst 1992, 117,1863-1868."An Invitation toBio-Analytical Chemistry", K. Imai, Anal. Sci., 1998, 14, 257-264. "CatecholaminesDerivatized with 4-fluoro-7-nitro-2,1,3-benzoxadiazole: characterization ofchemical structure and fluorescence properties", X. Zhu et al., Anal. Chim.Acta 2003, 478, 259-269. 特開平5−93690号公報 特開平5−149938号公報 特開平5−232026号公報 特開2002−286642号公報 特開2001−4630号公報 特開平10−311831号公報
本発明は、以上のような事情に鑑みてなされたものであって、検体中の特定物質を、蛍光物質による標識処理を必要とせずに高速度で、高精度に検出できる蛍光検出型ケミカルバイオセンサー、及びそれを利用した、短時間かつ高精度で分析する検出方法を提供することを目的とするものである。
発明者らは、上記目的を達成すべく、鋭意研究を重ねた結果、検出波長では蛍光を発しないが、検体中の特定物質との縮合反応により検出波長の蛍光を有する物質を形成する蛍光誘導体化物質を、固体基板表面に固定化又は塗布してセンサーとなし、該基板上での蛍光誘導体化物質と特定物質の縮合反応により形成された物質から発せられる蛍光を検出することにより、検体中の特定物質を高速かつ高精度で検出することが可能となることを見出した。
本発明は、これらの知見に基づいて完成に至ったものであり、以下のとおりのものである。
1)ガラス、石英又は珪素を主成分とする基板の表面に、検出波長では蛍光を発しない蛍光誘導体化物質を固定化したセンサーであって、前記蛍光誘導体化物質は、検体中の特定物質と前記ガラス基板表面上で縮合反応して検出波長の蛍光を有する物質を形成するもの(但し、他の重合性単量体を共重合してなるものを除く)であり、
前記蛍光誘導体化物質は、シランカップリング剤を介して、又は、さらに別の接続分子を介して化学結合により固定化されていることを特徴とする蛍光検出型ケミカルバイオセンサー。
2)前記シランカップリング剤が、3−アミノプロピルトリエトキシシランであることを特徴とする前記1)の蛍光検出型ケミカルバイオセンサー。
3)前記別の接続分子が、1,4−フェニレン−ジイソチオシアネートであることを特徴とする前記2)の蛍光検出型ケミカルバイオセンサー。
4)前記蛍光誘導体化物質が、p−キシリレンジアミン又はベンジルアミンであることを特徴とする前記1)〜3)のいずれかの蛍光検出型ケミカルバイオセンサー。
5)前記特定物質は、体内で分泌される物質であり、その構造中に芳香環又は環状炭化水素又は複素環と1級又は2級アミンを有することを特徴とする前記1)〜4)のいずれかの蛍光検出型ケミカルバイオセンサー。
6)請求項1〜5のいずれか1項に記載された蛍光検出型ケミカルバイオセンサーを用いて検体中の特定物質を検出する方法であって、ガラス、石英又は珪素を主成分とする基板上に検体液を流し、該検体中の特定物質と前記蛍光誘導体化物質との縮合反応により検出波長の蛍光を有する物質を形成させ、その蛍光を検出することを特徴とする検出方法。
7)前記特定物質は、体内で分泌される物質であり、その構造中に芳香環又は環状炭化水素又は複素環と1級又は2級アミンを有することを特徴とする前記6)の検出方法。
8)蛍光検出を行うために用いられる入射光は、前記基板上の前記蛍光誘導体化物質が固定化又は塗布された面、あるいはその反対側の面、あるいは前記基板の側面から照射されることを特徴とする前記6)又は7)の検出方法。
9)検体中の前記特定物質と前記蛍光誘導体化物質との縮合反応により形成される物質の蛍光強度から、前記特定物質の量あるいは表面濃度を測定することを特徴とする前記6)〜8)のいずれかの検出方法。
10)検体中の前記特定物質と前記蛍光誘導体化物質との縮合反応により形成される物質の蛍光スペクトルから、前記特定物質の種類を特定することを特徴とする前記6)〜8)のいずれかの検出方法。
従来法では検出前処理と液体クロマトグラフィーや電気泳動などの検出時間を合わせて、20〜60分を要するが、本発明では検体をセンサー上に流すだけで5分以内に蛍光検出が可能である。
以下、本発明の好ましい実施態様について、添付の図面に基づいて詳細に説明を加える。図1は、本発明の蛍光検出型ケミカルバイオセンサーの基板構造の概略図であり、図中、1は、固体基板を表し、2は、検出波長では蛍光を発しない蛍光誘導体化物質、又は該蛍光体物質と高分子からなる層を表している。
本発明における固体基板1は、ケミカルバイオセンサーに求められる機械的強度を確保するための支持体としての役割を果たす。
基板の形状は、とくに限定されるものではないが、カード状又はディスク状に形成されているのが好ましい。
固体基板1を形成するための材料は、蛍光検出型ケミカルバイオセンサーの支持体として機能することができれば、とくに限定されるものではなく、例えば、ガラス、石英、セラミックス、プラスチックス、金属、金属酸化物又は珪素を主成分とするものなどによって形成することができる。このような樹脂としては、ポリカーボネート樹脂、オレフィン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、シリコン樹脂、フッ素系樹脂、ABS樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリイソブチルメタクリレート樹脂、ポリイミド樹脂などが挙げられる。
本発明において用いられる蛍光誘導体化物質とは、それ自体は検出波長で蛍光を発しないが、検体中の特定物質と縮合反応して、検出波長で蛍光を有する物質を形成するものである。このような蛍光誘導体化物質は、前述の従来の液体クロマトグラフィーや電気泳動を用いたカテコールアミン等の検出において既によく知られているものであって、例えば、以下のようなものが挙げられる。
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前記蛍光誘導体化物質は、固体基板表面に直接吸着又は共有結合等の化学結合により固定化するか、又は高分子とともに固体基板上に塗布して用いられる。あるいは、固体基板上に間接的に固定化させることもできる。すなわち、前述と同様にして固体基板表面に蛍光誘導化物質と親和性の高い物質を吸着又は化学結合させ、その物質上に、蛍光誘導体化物質を吸着又は化学結合させることもできる。
前記吸着により固定化する方法としては、前記固体基板表面のうち疎水性表面を有するものの表面に、疎水性の前記蛍光誘導体化物質を疎水性相互作用により物理吸着させるか、あるいは、前記蛍光誘導体化物質にイオン性官能基を導入し、帯電させた前記固体基板表面に静電吸着させることもできる。
また、前記共有結合等の化学結合により固定化する方法としては、例えば、前記固体基板上に、シランカップリング剤を介して、又は、さらに別の接続分子を介して化学結合させることができる。または、前記固体基板上に金・銀などの金属薄膜を蒸着し、チオール基を導入した前記蛍光誘導体化物質を金属薄膜上に化学結合させることができる。さらに、プラズマ処理やオゾン処理により、前記固体基板表面にヒドロキシル基を暴露させ、末端がアミノ基やカルボキシル基のポリアルキル鎖やポリエチレングリコール鎖などの高分子鎖を縮合することにより、前記固体基板表面に高分子を固定化し、その高分子中に前記蛍光誘導体化物質を染み込ませることもできる。
さらに、前記蛍光誘導化物質を高分子とともに固体基板上に塗布する場合、用いる高分子としては、基板との親和性が高く、かつ固体基板上に薄く塗布できるものであって、蛍光誘導体化剤及び検体中の特定物質能のいずれとも反応しないものであれば、特に限定されないが、蛍光検出に影響しないように、光学的特性に優れた透明性の高いものが好ましく、例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリイソブチルアクリレート等が挙げられ、中でもポリメチルメタクリレートは好ましい高分子の1例である。
また塗布方法も特に限定されないが、蛍光誘導体化物質を含んだ高分子溶液を薄膜状に均一に塗布できる点で、スピンコート法が好ましい。
本発明の蛍光検出型ケミカルバイオセンサーにより検出しうる特定物質としては、上記蛍光誘導化物質との縮合反応により、検出波長で蛍光を有する物質を形成するものであればいずれのものでも用いることができ、具体的には、体内で分泌される物質であり、その構造中に芳香環又は環状炭化水素と1級又は2級アミンを有するものである。前述のとおり、こうした特徴を有する特定物質は既に知られているところであるが、具体的には以下のようなものが挙げられる。
Figure 0005004076
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次に、本発明のセンサーを用いた検出方法について説明する。
本発明においては、前述の検出波長では蛍光を発しない蛍光誘導体化物質を固定化又は塗布した固体基板上に、検体液を流し、該検体中の特定物質と前記蛍光誘導体化物質との縮合反応により検出波長の蛍光を有する物質を形成させ、その蛍光を検出することにより、検体中の特定物質の有無を検出することができる。
前記検体液は、検出すべき特定物質を充分に溶解しうる溶媒を用いて溶液とするとともに、緩衝液を用いてpHが8前後となるようにして調製される。ここで、蛍光誘導体化物質として前記(化1)又は(化2)を用いる場合、該検体との縮合反応時にフルオロ基がヒドロキシル基に置き換えられて、縮合反応が抑制されるのを防ぐため、アセトニトリルを等量比で混合し、これを検出に用いる。また、蛍光誘導体化物質として前記(化3)又は(化4)を用いる場合、シアン化ナトリウム水溶液を混合して用いる。さらに、前記(化5)又は(化6)を用いる場合、フェリシアンカリウムイオンを含む水溶液を混合して用いる。
こうして調製された検体液を前記固体基板上に流した後、しばらく静置して該検体中の特定物質と前記蛍光誘導体化物質との縮合反応を充分に行わせ、その後蒸留水でセンサー表面をリンスし、乾燥させる。
本発明の方法においては、このようにして作成されたセンサーに励起光を照射して、該検体中の特定物質と前記蛍光誘導体化物質との縮合反応により形成された物質から発生される蛍光を検出する。
例えば、蛍光誘導体化物質として前記(化1)で表される4−フルオロ−7−ニトロベンゾフラザン(NBD−F))を用いてドーパミンを検出する場合には、励起光として442nmの青色光を照射し、500〜520nmにピークを有する蛍光の有無を検出する。
本発明の検出方法において、蛍光検出を行うために用いられる励起光は、前記固体基板上の前記蛍光誘導体化物質が固定化又は塗布された面に照射されても、あるいはその側面に照射されてもよく、また、前記固体基板が励起光を透過する材質である場合には、その反対側の面に照射されても良い。
また、本発明における蛍光の検出は、透過光、反射光、迷光などの影響がもっとも少ないことから、該入射光に対して直角方向から行われることが好ましい。
本発明の検出方法においては、その蛍光の強度から、前記特定物質の質量あるいは表面濃度を測定することができる。
この場合には、あらかじめ検出すべき特定物質の標準溶液の蛍光を異なった濃度で測定し、濃度と蛍光強度の関係(検量線)を作成しておくことが必要である。
また本発明の検出方法においては、検体中の前記特定物質と前記蛍光誘導体化物質との縮合反応により形成される物質の蛍光スペクトルから、検体中に存在する特定物質の種類を特定することができる。
次に本発明を参考例及び実施例に基づき更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
参考例1)
ポリメチルメタクリレート(PMMA:分子量〜15,000)及び蛍光誘導体化物質である4−フルオロ−7−ニトロベンゾフラザン(NBD−F)を、それぞれが5wt%及び0.5wt%となるように、ジクロロエタン及びトルエン(1:4)の混合溶媒に溶解し、合成石英基板上にスピンコート法によって塗布することにより、センサー表面を作製した。
ドーパミンを10μMの濃度で50mMのほう酸塩バッファー(pH8)200μLに溶解し、これに200μLのアセトニトリルを添加することにより、検体サンプルを調製した。
センサー表面に検体サンプル400μLを垂らし、5分間静置した後、蒸留水でセンサー表面をリンスし、窒素ガスでセンサー表面を乾燥した。
一方、比較例として、ドーパミンを含まないほう酸塩バッファー(pH8)を用いた以外は実施例1と同様にして、センサー表面に垂らし、乾燥した。
センサー表面に442nmの青色光を照射することによって蛍光スペクトル測定(日立蛍光分光光度計F−7000)を行ったところ、ドーパミンを含まないほう酸塩バッファーとアセトニトリルの混合液を垂らした比較例では、蛍光は検出されなかったのに対し、ドーパミンを含む検体サンプルを垂らした場合、520nm付近にピークを有するスペクトルを得ることができた。
参考例2)
参考例1における検体サンプル中のドーパミンの濃度を、1μM、10μM、100μM、1000μMに変化させ、実施例1と同様にして蛍光スペクトル測定を行った。
その結果を図2に示す。図2において、横軸は波長、縦軸は強度を示している。図2に示す結果から、蛍光スペクトル強度から、ドーパミンの質量あるいは表面濃度を測定することができることがわかる。
参考例3)
メチルメタクリレート−スチレン共重合体(P(MMA−co−St))及び蛍光誘導体化物質であるNBD−Fを、それぞれが10wt%及び0.4wt%となるように、ジクロロエタン及びトルエン(1:4)の混合溶媒に溶解し、合成石英基板上にスピンコート法によって塗布することにより、センサー表面を作製した。
ドーパミン及びヒスタミンを1000μMの濃度で50mMのほう酸塩バッファー(pH8)200μLにそれぞれ溶解し、これらに200μLのアセトニトリルを添加することにより、ドーパミン及びヒスタミンの検体サンプルを調製した。
センサー表面に検体サンプル400μLをそれぞれ垂らし、5分間静置した後、蒸留水でセンサー表面をリンスし、窒素ガスでセンサー表面を乾燥した。
センサー表面に442nmの青色光を照射することによって蛍光スペクトル測定(日立蛍光分光光度計F−7000)を行ったところ、図3に示すように、ドーパミンを含む検体サンプルでは509nmにピークが得られ、一方、ヒスタミンを含む検体サンプルでは、518nm付近にピークを有するスペクトルを得ることができた。
参考例4)
メチルメタクリレート−スチレン共重合体(P(MMA−co−St))及び蛍光誘導体化物質である2,3−ナフタレンジアルデヒド(NDA)を、それぞれが10wt%及び1.0wt%となるように、ジクロロエタン及びトルエン(1:4)の混合溶媒に溶解し、無蛍光ガラス基板上にスピンコート法によって塗布することにより、センサー表面を作製した。
ドーパミンを1000μMの濃度で50mMのほう酸塩バッファー(pH9.1)400μLに溶解し、これに100μLの0.01Mシアン化ナトリウム水溶液を添加することにより、検体サンプルを調製した。
センサー表面に検体サンプル500μLを垂らし、10分間静置した後、蒸留水でセンサー表面をリンスし、窒素ガスでセンサー表面を乾燥した。
センサー表面に442nmの青色光を照射することによって蛍光スペクトル測定(日立蛍光分光光度計F−7000)を行ったところ、図4に示すように、470nm付近にピークを有するスペクトルを得ることができた。
(実施例)
以下の手順により、センサ表面を作成した。図5ないし図7は、その手順を模式的に示すものである。
(1)シランカップリング剤である3−アミノプロピルトリエトキシシラン(APS)を親水処理された合成石英ガラス基板表面に結合させることにより、表面をアミノ基で反応活性にする。(図5)
(2)次に表面がアミノ基で活性になった基板を、1,4−フェニレン−ジイソチオシアネート(PDIC)を含むほう酸バッファー(pH8)に浸漬し、チオ尿素結合を介してアミノ基にPDICを結合させる。(図6)
(3)その後、p−キシリレンジアミン(pXDA)を含むほう酸バッファー(pH8)に浸漬し、チオ尿素結合を介してPDICとpXDAを結合させることにより、末端にベンジルアミンが存在するセンサー表面を作製した。(図7)
エピネフェリンを500μMの濃度で50mMのほう酸バッファー(pH9)に溶解した溶液中に、前記の作製されたセンサー表面を10分間曝した後、蒸留水でリンスし乾燥した。図8は、合成石英ガラス基板上に生成された蛍光体を模式的に示すものである。
実施例4と同様にして、蛍光スペクトル測定を375nmの励起により行った。図9は、蛍光スペクトルを示す図であり、実線はエピネフェリン反応前を、点線はエピネフェリン反応後を、それぞれ示している。
図9に示すように、470nm付近に、センサー表面のベンジルアミンとエピネフェリンとの反応により生成された蛍光体に起因する蛍光ピークが確認された。
本発明の蛍光検出型ケミカルバイオセンサー及びそれを用いた検出方法によれば、カテコールアミン類やインドールアミン類などの、生体内で非常に微量に分泌される成分を、短時間かつ高速度で検出することができ、高血圧症や神経系疾患の診断に有用である。
蛍光検出型ケミカルバイオセンサー基板の構造図。 特定物質ドーパミンが固体基板上に塗布されたPMMA膜中の蛍光誘導体化物質NBD−Fと縮合反応した結果得られる蛍光スペクトルを示す図。 特定物質ドーパミン及びヒスタミンが固体基板上にスピンコートされたP(MMA−co−St)膜中の蛍光誘導体化物質NBD−Fと縮合反応した結果得られる蛍光スペクトルを示す図。 特定物質ドーパミンが固体基板上にスピンコートされたP(MMA−co−St)膜中の蛍光誘導体化物質NDAと縮合反応した結果得られる蛍光スペクトルを示す図。 シランカップリング剤である3−アミノプロピルトリエトキシシラン(APS)を親水処理された合成石英ガラス基板表面に結合させた様子を模式的に示す図。 表面がアミノ基で活性になった基板に、チオ尿素結合を介して1,4−フェニレン−ジイソチオシアネート(PDIC)を結合させた様子を模式的に示す図。 チオ尿素結合を介してp−キシリレンジアミン(pXDA)を結合させることにより、末端にベンジルアミンが存在するセンサー表面が作製された様子を模式的に示す図。 合成石英ガラス基板上に、ベンジルアミンとエピネフェリンとの反応により生成された蛍光体を模式的に示す図。 センサー表面のベンジルアミンとエピネフェリンとの反応により生成された蛍光体の蛍光スペクトルを示す図。
符号の説明
1 固体基板
2 蛍光誘導体化物質、又は蛍光誘導体化物質を含む層

Claims (10)

  1. ガラス、石英又は珪素を主成分とする基板の表面に、検出波長では蛍光を発しない蛍光誘導体化物質を固定化したセンサーであって、前記蛍光誘導体化物質は、検体中の特定物質と前記ガラス基板表面上で縮合反応して検出波長の蛍光を有する物質を形成するもの(但し、他の重合性単量体を共重合してなるものを除く)であり、
    前記蛍光誘導体化物質は、シランカップリング剤を介して、又は、さらに別の接続分子を介して化学結合により固定化されていることを特徴とする蛍光検出型ケミカルバイオセンサー。
  2. 前記シランカップリング剤が、3−アミノプロピルトリエトキシシランであることを特徴とする請求項1に記載の蛍光検出型ケミカルバイオセンサー。
  3. 前記別の接続分子が、1,4−フェニレン−ジイソチオシアネートであることを特徴とする請求項2に記載の蛍光検出型ケミカルバイオセンサー。
  4. 前記蛍光誘導体化物質が、p−キシリレンジアミン又はベンジルアミンであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の蛍光検出型ケミカルバイオセンサー。
  5. 前記特定物質は、体内で分泌される物質であり、その構造中に芳香環又は環状炭化水素又は複素環と1級又は2級アミンを有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の蛍光検出型ケミカルバイオセンサー。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載された蛍光検出型ケミカルバイオセンサーを用いて検体中の特定物質を検出する方法であって、ガラス、石英又は珪素を主成分とする基板上に検体液を流し、該検体中の特定物質と前記蛍光誘導体化物質との縮合反応により検出波長の蛍光を有する物質を形成させ、その蛍光を検出することを特徴とする検出方法。
  7. 前記特定物質は、体内で分泌される物質であり、その構造中に芳香環又は環状炭化水素又は複素環と1級又は2級アミンを有することを特徴とする請求項6に記載の検出方法。
  8. 蛍光検出を行うために用いられる入射光は、前記基板上の前記蛍光誘導体化物質が固定化又は塗布された面、あるいはその反対側の面、あるいは前記基板の側面から照射されることを特徴とする請求項6又は7に記載の検出方法。
  9. 検体中の前記特定物質と前記蛍光誘導体化物質との縮合反応により形成される物質の蛍光強度から、前記特定物質の量あるいは濃度を測定することを特徴とする請求項6〜8のいずれかに記載の検出方法。
  10. 検体中の前記特定物質と前記蛍光誘導体化物質との縮合反応により形成される物質の蛍光スペクトルから、前記特定物質の種類を特定することを特徴とする請求項6〜8のいずれかに記載の検出方法。
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