JP5003806B2 - 供給システム - Google Patents
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また、特許文献2に係る技術では、プリンタの供給流路の途中から分岐した洗浄用の連通管を配し、バルブの切り替えによって、加圧された洗浄液と圧縮空気とを交互に吐出ヘッドに通して洗浄を行っている。しかし、この文献に係る装置は非常に大掛かりなものであり、しかも、吐出ヘッドのみの洗浄ができるだけであって、供給流路全体を洗浄することはできない。また、その洗浄方法は、洗浄液と圧縮空気の供給を交互に繰り返すだけであって、なんら最適化がなされていない。
また、供給流路とは、液体容器から液体を引き回すためのチューブやサブタンクに形成されている流路はもちろん、吐出ヘッドに形成されている連通流路等も含んでいる。すなわち、この供給システムが適用される液体吐出装置は、いわゆるオフキャリッジタイプのものに限定されない。
また、液体吐出装置の結合部に対して着脱可能な接続部を備えているので、作業者は液体容器に代えてこの供給システムの接続部を結合すればよく、作業性に優れている。さらに、送気および送液を結合部から行うことができるので、供給流路全体の洗浄が可能である。
この供給システムによれば、自動制御部の働きにより、加圧された気体の送気、加圧された洗浄液の送液、吸引手段によるノズル側からの吸引を、組み合わせて行うことにより、効率的な洗浄シーケンスを行うことができる。
供給流路を閉塞させた状態でノズル側から吸引を行うチョーク吸引は、閉塞箇所の下流側の負圧を著しく高める方法として有用であり、充填ステップないし排出ステップと組み合わせることにより、洗浄液等の充填、排出の効果を高めることができる。かくして供給流路の洗浄を効率的に行うことができる。
また、可撓性膜によって容量が可変に構成された拡幅部を有する液体吐出装置に対してこの洗浄方法が用いられた場合には、充填ステップに先んじてチョーク吸引ステップを実施することにより、このような拡幅部内の空気が可撓性膜の変形によって積極的に排出され、続く充填ステップによる充填性を一層高めることができる。
この洗浄方法によれば、チョーク吸引ステップを伴わない攪拌洗浄ステップと、チョーク吸引ステップを伴う本洗浄ステップを組み合わせることで、効率的な洗浄を行うことができる。
なお、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものではない。
(液体吐出装置)
まずは、図1〜図3を参照して、本発明に係る液体吐出装置について説明する。図1は、本発明に係る液体吐出装置の一例を表す概略平面図である。
プラテン16と対向する位置には、吐出ヘッド14を搭載するキャリッジ15を備えている。キャリッジ15は、フレーム11a,11cの内面に連結されたキャリッジガイド軸12によって支持され且つ規定されて、キャリッジ駆動モータ19により、ベルト13を介して、キャリッジガイド軸12に沿って往復運動できるようになっている。この構成において、キャリッジ15に搭載された吐出ヘッド14が、記録媒体に対して相対移動しつつインクを吐出することにより、所望の印刷を行うことができる。
プリンタ10は、プラテン16の図面右方に、メンテナンスユニット25を備えており、図1においては、キャップ26とワイパ24とが図示されている。キャップ26は、吐出ヘッド14のノズル面35(図2参照)を封止可能となっており、未使用状態でのノズル目詰まりを防止する役割を果たす。また、ノズル面35を封止した状態でキャップ26の内部を減圧することにより、ノズル内に混入した異物や気泡をインクと共に吸引して除去する、いわゆる回復動作を行う際にも使用される。ワイパ24は、吐出ヘッド14のノズル面35に付着した液滴を払拭するために設けられており、回復動作において使用される。
まずは、供給系について説明する。図2において、インクカートリッジ22aは、プラスチック等で形成されたケース43の内部に、可撓性フィルムをパック状に溶着して形成されたインクパック39を収容した構成となっている。インクパック39の内部にはインクが収容され、導出部37を通じてインクを導出することができる。導出部37の先端は、ケース43に形成された貫通孔44からケース43の外側に突き出しており、カートリッジホルダ20の内側に形成された結合部38と着脱可能に結合可能である。結合部38は、中空の針形状の部材であり、供給管18aと連通している。また、インクカートリッジ22aのケース43には、通気管挿入孔36が設けられており、通気管21aの一端が挿入可能となっている。
図3(b)に示すように、チョーク機構30aは、合成樹脂からなる基材51を備え、この基材51の一側面には凹部52が形成されている。凹部52の底面には、基材51に貫通形成された導入路53が開口している。この導入路53は、インクカートリッジ22a側の供給管18aに連通している(図2参照)。また、凹部52の底面には、凸部54が形成され、凸部54の上面では導出路55が開口している。導出路55は、基材51に貫通形成され、圧力調整機構17a側の供給管18aに連通している(図2参照)。
ここで、インクがインクカートリッジ22aからチョーク機構30aに供給されると、インクは導入路53を通じて圧力室57に流入する。圧力室57内のインクが増加すると、フィルム56は図3(a)に示すように凸部54から離間し、つまり、導入路53と導出路55とが通じた状態となる。
すなわち、上述した構成により、インクカートリッジ22aからのインクの供給圧が所定値よりも高ければインクを圧力調整機構17aに供給し、インクカートリッジ22aからのインクの供給圧が所定値よりも低ければ圧力調整機構17aへのインクの供給を遮断する開閉弁34としての機能が果たされる。そして、チョーク機構30aと当該供給圧を制御する制御部41との組み合わせにより、インクの供給/遮断(チョーク)を制御することが可能となる。
廃液系は、既に簡単に説明したメンテナンスユニット25が主構成となっている。メンテナンスユニット25は、吐出ヘッド14のノズル面35を封止可能で、中央に貫通孔を有するキャップ26と、キャップ26の貫通孔に連通する廃液チューブ29と、廃液チューブ29の途中に設けられた吸引ポンプ23と、廃液チューブ29の終端を収容する廃液タンク31と、ゴムブレード等からなるワイパ24とを備えている。吸引ポンプ23としては、例えば、チューブポンプが用いられており、制御部41によって駆動を制御することができる。また、インターフェース42を介して、プリンタ10の外部からも、吸引ポンプ23の駆動命令を与えることが可能となっている。
吸引動作においては、キャップ26によってノズル面35を封止すると共に吸引ポンプ23を駆動させ、封止された空間内を減圧させることで、ノズル33からインクを吸引することができる。すなわち、キャップ26、廃液チューブ29、吸引ポンプ23は、吸引手段としての機能を果たしている。このとき、インクカートリッジ22aにおけるインクの供給圧が十分高ければ、新しいインクが供給管18a、チョーク機構30a、圧力調整機構17a等を経て連続的に供給され、ノズル33からはインクが排出され続ける。
一方、インクカートリッジ22aにおけるインクの供給圧が低く、チョーク機構30aの開閉弁34が閉じた状態となっている場合においては、ノズル33からのインクの排出はすぐに止まり、圧力室46、連通流路27、セグメント流路45にはノズル33からの吸引によって大きな負圧(つまり、圧力の絶対値が低いということ)が発生する。そして、この状態からインクカートリッジ22aにおけるインクの供給圧を急速に上昇させ、チョーク機構30aの開閉弁34を開いた状態にすると、一気にインクが流れ出し、強力な気泡の排出効果を得ることができる。かくして、圧力室46、連通流路27、セグメント流路45に滞留していた気泡が効率よく排出されることになる。このように、開閉弁34を閉じた状態での吸引動作のことを、特に、チョーク吸引と呼んでいる。
ワイピング動作は、ワイパ24でノズル面35を払拭して、ノズル面に付着しているインク滴を除去する動作のことであり、吸引動作の後に行われる。
次に、図4を参照して、本発明に係る供給システムの説明を行う。図4は、本発明に係る供給システムの概略構成および液体吐出装置との接続関係を示す模式図である。図4において、供給システム70は、プリンタ10とは独立したシステムであり、プリンタ10に接続して使用される。
図4に示すように、供給システム70は、洗浄液タンク71と、気体加圧手段としてのエアコンプレッサ72と、エアコンプレッサ72と送気管74aで接続されたレギュレータ73とを備えている。
洗浄液タンク71には、ある程度の気密性が求められ、一般的なポリエチレン容器でも十分対応可能である。洗浄液タンク71内部には液体を収容することができ、本実施形態では液体としての洗浄液86が収容されている。エアコンプレッサ72は、ある程度の圧縮空気が得られれば十分であり、水槽用の小型ポンプでも十分対応可能である。また、エアコンプレッサ72の代わりに、高圧の窒素ガス源などを利用してもよい。エアコンプレッサ72で生成された圧縮空気は、レギュレータ73で一定圧に調整されて、送気管74bを通じて洗浄液タンク71の内部空間77に送気される。かくして、内部空間77内の空気および、洗浄液タンク71内の洗浄液86は、一定の圧力で加圧される。本実施形態においては、レギュレータ73によって調整される圧力は、大気圧+20kPaである。
このように、洗浄液タンク71とエアコンプレッサ72を備えた上述の構成は、液体加圧手段をなしている。液体加圧手段は、機械的に(例えばピストン等で)加圧を行うような構成としてもよいが、本実施形態のように空気を介した加圧構成とすることにより、気体加圧手段と一部を共用(この場合はエアコンプレッサ72が共用)することができる。このため、簡単かつ安価に、システムを構築することが可能である。また、洗浄液86および空気の加圧圧力の変更は、レギュレータ73の設定により簡単に行うことができる。
送液バルブ85および送気バルブ84は、自動制御部83に接続されており、送液および送気のON/OFFを制御することができる。また、自動制御部83は、プリンタ10のインターフェース42と接続することにより、制御部41を介して、吸引ポンプ23の駆動を制御することもできる。
カートリッジ治具80は、インクカートリッジ22a(図2参照)とほぼ同じ外形、寸法のケース81を有している。接続部79の先端は、ケース81に形成された貫通孔88からケース81の外側に突き出しており、カートリッジ治具80が矢印Sの向きに移動してカートリッジホルダ20に挿着された場合において、結合部38と結合することができる。また、このとき、カートリッジホルダ20の内部に突き出した通気管21aは、カートリッジ治具80に形成された凹部である通気管退避部82に収容される。
尚、図4では、1つのカートリッジ治具80のみが図示されているが、実際には、分岐部87で分岐される4つの共通管78に対応して4つのカートリッジ治具を有しており、図1に示す4つのインクカートリッジ22a〜22dの代わりに、カートリッジホルダ20に挿着される。
また、プリンタ10のインターフェース42、制御部41を介して吸引ポンプ23の駆動制御も可能であるため、これらの送液、送気の制御と連動させてノズル面35(図2参照)側からの吸引動作を行うことができる。吸引動作については、プリンタ10の回復動作について説明した内容とほぼ同じであるので、詳細な説明は改めて行わないが、相違点を中心に、供給システム70を用いた吸引動作について以下で説明する。
尚、本実施形態における吸引動作は、プリンタ10に備え付けられた吸引ポンプ23を用いて行っているが、外付けの吸引ポンプをプリンタ10と接続して、駆動および制御を行うようにしてもよい。
次に、図5のフローチャートに沿って、図2および図4を参照しながら、供給システムを用いたプリンタの供給流路の洗浄動作について説明する。図5は、供給システムを用いた洗浄動作の一例を示すフローチャートである。洗浄動作は、供給流路(供給管18a、圧力調整機構17a、連通流路27など)にインクが充填された状態において、カートリッジ治具80をカートリッジホルダ20に挿着して行われる。
このように、洗浄動作は、洗浄液86の充填と排出とを組み合わせて行うことにより、洗浄液86と共に残留インクを徐々に除去してゆく構成となっている。尚、上述した充填ステップS2、排出ステップS3を、合わせて攪拌洗浄ステップ(図5のS100)と呼んでいる。
一方、攪拌洗浄ステップS100は、チョーク吸引ステップを伴わない分、短時間で洗浄ができる。また、残留インクを粗く除去するという点においては、供給流路内にいくらか空気層を残して充填させて洗浄を行う方が、洗浄液86の攪拌の効果が得られるので、本洗浄ステップS200よりも効率的である。
このように、攪拌洗浄ステップS100と本洗浄ステップS200を組み合わせた本実施形態の洗浄動作によれば、供給流路の効率的な洗浄を実現することができる。
図6は、第2実施形態におけるプリンタの概略構成を示す模式図である。以下、第1実施形態と重複する箇所については説明を省略し、相違点を中心に第2実施形態の説明を行う。
このとき、インクカートリッジ22aとして、インクパック39に洗浄液が充填されたものを用いれば、第1実施形態の洗浄動作(図5参照)と同様の手順により、供給流路の洗浄を行うことが可能である。すなわち、本発明の洗浄方法は、第1実施形態のような外付けの供給システムを用いなくても、実施することが可能である。
また、インクカートリッジ22aとして、供給流路に充填されているインク(第1の液体)とは別種のインク(第2の液体)を用いれば、第1実施形態の洗浄動作(図5参照)と同様の手順により、供給流路内のインクの置換を行うことが可能である。但し、この場合、図5の排出ステップS13、ワイピングステップS14は実施せず、S1〜S11の繰り返し回数も適宜変更することができる。
Claims (1)
- 液体容器に収容された液体を供給流路を介して吐出ヘッドに供給し、前記吐出ヘッドのノズルから液体を吐出する液体吐出装置において、前記供給流路に気体および液体を供給する供給システムであって、
前記液体容器内に気体を供給する気体供給手段と、
前記液体容器に接続され、前記気体供給手段により前記液体容器内に供給された気体を導出する気体導出路と、
前記液体容器に接続され、前記液体容器に収容された液体を導出する液体導出路と、
前記液体導出路および前記気体導出路にそれぞれ設けられる流路開閉部と、
前記供給流路と、前記気体導出路と、前記液体導出路とを接続する分岐部と、
前記供給流路に設けられ、前記液体吐出装置の結合部と着脱可能に結合する接続部と、を備え、
前記液体容器は、
前記気体供給手段から供給された気体を導入する気体導入口と、前記気体導出路と接続される気体導出口と、前記液体導出路と接続される液体導出口と、を有し、
前記液体導出口は、前記気体導入口および気体導出口よりも重力方向下側に配置されることを特徴とする供給システム。
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