JP5003330B2 - 画像データ処理装置および画像データ処理方法 - Google Patents

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この発明は、画像ファイルをクラスタ単位のデータとして記憶した記憶媒体からデータを読み出して処理する画像データ処理装置および画像データ処理方法に関するものである。
画像ファイルを記憶する記憶媒体においては、データをクラスタ単位に分割して保存するとともに、クラスタごとに分割されたデータの再構成を可能とするためのFAT(File Allocation Table;ファイル配置表)を設けている(例えば、特許文献1参照)。すなわち、FATには、各クラスタの番号と、当該クラスタに保存されたデータの後続データを保存するクラスタの番号とを関連付けた情報が記録されている。そして、こうしてFATに記録された情報により指定される順番でクラスタをたどりながらデータを読み出すことにより、元の画像ファイルを再構成することができる。また、記憶領域にファイルサイズに対応する連続した空き領域がなくても、1つのファイルを断片化(フラグメンテーション)し複数の記憶領域に分割して保存することができるため、記憶媒体の記憶領域を有効に利用することができる。
特開2006−309536号公報(図2)
このようなFATファイルシステムによって記憶媒体に保存された画像ファイルを読み出して処理する画像データ処理装置では、まず記憶媒体からFATの情報を読み出し、それを解析することによってアクセスすべきクラスタを特定し、当該クラスタからデータを読み出すことになる。したがって、画像データ処理装置側では、読み出したFATの情報を一時的に保存するメモリを設けておくことが必要となる。しかしながら、例えば画素数の多い画像ファイルや動画ファイルを扱う場合にはFATのデータ量も大きくなり、その結果、画像データ処理装置に大きな記憶容量が求められたり、当該装置において開くことのできる画像ファイルのサイズに限界が生じるなどの問題があった。
特に、デジタルスチルカメラやムービーカメラなどの撮像機器により記憶媒体に保存された画像データでは、一般にフラグメンテーションの程度が低い、つまりデータの多くは連続したクラスタに記憶されている。このため、FATの情報をより少ないデータ量で保存することができる可能性があるにもかかわらず、従来の技術においてはFATの情報をそのまま保存しており、メモリ資源の効率的な活用という観点からは改善の余地が残されていた。
この発明は上記課題に鑑みなされたものであり、画像ファイルをクラスタ単位のデータとして記憶した記憶媒体からデータを読み出して処理する画像データ処理装置および画像データ処理方法において、メモリ資源を効率的に活用しながら画像ファイルを適切に処理することのできる技術を提供することを目的とする。
この発明にかかる画像データ処理装置は、上記目的を達成するため、画像ファイルをクラスタ単位のデータとして記憶した記憶媒体から該データを読み出す読み出し手段と、前記記憶媒体内における前記画像ファイルに対応する各クラスタの配置を示す配置情報を一時的に記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された前記配置情報に基づいて、前記読み出し手段による前記記憶媒体からのデータの読み出しを制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記記憶媒体から当該記憶媒体におけるクラスタの使用状況を示すFATの情報を読み出し、該情報に基づき前記配置情報を作成して前記記憶手段に記憶させるとともに、前記配置情報を作成するための作成処理モードとして、1つの画像ファイルを構成するデータを記憶した複数のクラスタの各々に対応するクラスタ番号の全てを前記配置情報とする第1の作成処理モードと、1つの画像ファイルを構成するデータを記憶した複数のクラスタをクラスタ番号が連続するグループに分けたときの、各グループごとの当該グループを構成するクラスタの先頭および末尾のクラスタ番号を示す情報を前記配置情報とする第2の作成処理モードとを実行可能となっており、前記第1および第2の作成処理モードを選択的に実行することを特徴としている。
このように構成された発明では、制御手段により2つの作成処理モードのうち一方が実行されることにより、記憶媒体に記憶されたFATの情報から配置情報が作成され記憶手段に記憶される。このうち第1の作成処理モードでは、1つの画像ファイルを構成するデータを記憶した複数のクラスタの各々に対応するクラスタ番号の全てを配置情報とする。したがって、例えば1つのクラスタ番号を表すために必要なデータ長を1ワードと呼ぶとすると、配置情報のワード数は、画像ファイルを構成するクラスタの数と同じになる。一方、第2の作成処理モードでは、連続するクラスタ番号を持つクラスタからなるグループの1つ1つについて、当該グループを構成するクラスタの先頭および末尾のクラスタ番号を示す情報を求める。そして、全てのグループについてのこの情報を総合したものが配置情報となる。したがって、例えばクラスタ番号を表すのに上記と同じ1ワードを使うとすると、1グループ当たり2ワードを要する。そして、これにグループの数を乗じた値が配置情報のデータ量となる。
このことから、第2の作成処理モードにより作成される配置情報のデータ量は、上記したグループの数によって、すなわち画像ファイルのフラグメンテーションの程度によって変動することとなる。先に述べたように、記憶媒体内に保存されている画像ファイルは比較的フラグメンテーションが少ない場合が多い。したがって、多くの場合、第2の作成処理モードで配置情報を作成した方が、配置情報のデータ量は少なくて済む。ただし、フラグメンテーションが進んだファイルでは、第1の作成処理モードで作成した配置情報よりもデータ量が多くなってしまう場合もあり得る。
そこで、この発明では、これら2つの作成処理モードを使い分けることによって、配置情報のデータ量を抑え、記憶手段のメモリ資源を効率的に活用することができる。また、第1および第2の作成処理モードのいずれによって作成した配置情報によっても、記憶媒体から読み出したデータを正しく再構成して元の画像ファイルを得ることができる。そのため、この発明によれば、画像ファイルを適切に処理することができる。また、記憶媒体に複数の画像ファイルが記憶されている場合においては、1つの画像ファイルに対応するは位置情報のデータ量が小さくて済むことにより、より多くのファイルを一度に開いておくことが可能となる。
この発明において、第2の作成処理モードにおける「グループを構成するクラスタの先頭および末尾のクラスタ番号を示す情報」としては、その情報からグループの先頭および末尾のクラスタ番号を特定しうるものであれば何でもよい。例えば、先頭クラスタおよび末尾クラスタそれぞれのクラスタ番号の組を用いることができるほか、当該グループを構成するクラスタの数と、当該グループに属する少なくとも1つのクラスタ番号との組を用いてもよい。
例えば、前記第2の作成処理モードでは、前記各グループを構成するクラスタの数と、当該グループを構成するクラスタのクラスタ番号のうち最も小さい番号または最も大きい番号との組を前記配置情報としてもよい。こうすることで、各グループは、当該グループを構成するクラスタの数と、当該グループの先頭または末尾のクラスタの番号とによって表されることとなり、その情報から、当該グループを構成する全てのクラスタの番号を容易に導き出すことができる。
また、前記制御手段は、前記記憶媒体に記憶されている画像ファイルのファイル形式に応じて実行すべき作成処理モードを選択するようにしてもよい。ファイル形式によって画像ファイルがどのような手段によって作成されたかが判別でき、フラグメンテーションの程度を推定することができるからである。
また、前記制御手段は、前記記憶媒体に記憶されている画像ファイルがカメラファイルシステム規格に対応したものであるとき前記第2の処理モードを選択するようにしてもよい。カメラファイルシステム規格(Design rule for Camera File system;DCF)に対応した画像ファイルであれば、例えばデジタルカメラなどの撮像機器で記録されたファイルであると推定される。このようなファイルは一般的にフラグメンテーションが進んでいないので、第2の処理モードにより配置情報を作成することでデータ量を低減することができる。
また、前記制御手段は、前記記憶媒体に記憶されている画像ファイルが非圧縮データ形式であるとき前記第2の処理モードを選択するようにしてもよい。非圧縮の画像ファイルはファイルサイズが大きくなるため、多くのクラスタを占有することになる。そのため、第1の作成処理モードで作成される配置情報もデータ量が多くなる。このような場合に第2の処理モードにより配置情報を作成することにより、配置情報のデータ量を削減することができる。
また、前記制御手段は、前記記憶媒体に記憶されている画像ファイルのサイズに応じて実行すべき作成処理モードを選択するようにしてもよい。より具体的には、ファイルサイズが小さければ第1の作成処理モードを、ファイルサイズが大きければ第2の作成処理モードを選択するのが好ましい。
また、前記制御手段は、前記第1および第2の作成処理モードのうち、前記配置情報のデータ量が少なくなる方を選択し実行するようにしてもよい。例えば、前記制御手段は、前記第2の作成処理モードを選択実行するとともに、その実行中、作成された前記配置情報のデータ量と前記画像ファイルのサイズから求められる前記第1の作成処理モードにおける配置情報のデータ量とを比較し、前記第2の作成処理モードによる前記配置情報のデータ量が前記第1の作成処理モードのデータ量よりも小さくなると判断したときには前記第2の作成処理モードにより前記配置情報を作成する一方、前記第2の作成処理モードによる前記配置情報のデータ量が前記第1の作成処理モードのデータ量よりも大きくなると判断したときには、実行する作成処理モードを前記第1の作成処理モードに切り換えて前記配置情報を作成することができる。
第1の作成処理モードにより作成される配置情報のデータ量については、当該画像ファイルが記憶されているクラスタの数に比例することを利用してファイルサイズから見積もることが可能である。一方、第2の作成処理モードにより作成される配置情報のデータ量は、フラグメンテーションの程度によって大きく変化する。したがって、まず第2の作成処理モードで配置情報の作成を開始するとともに、作成される配置情報のデータ量を把握しておき、ファイルサイズから見積もられる第1の作成処理モードによるデータ量と比較考量することにより、よりデータ量の少ない配置情報を得ることができる。
また、前記記憶手段は、前記配置情報が前記第1および第2の作成処理モードのどちらにより作成されたかを識別するための情報をさらに記憶しておくのが望ましい。こうすることにより、読み出し手段は画像ファイルを構成するクラスタに正しい順番でアクセスして元の画像ファイルを確実に得ることができる。また、記憶媒体に複数の画像ファイルが記憶されており、1つの画像ファイルについて配置情報を作成した後、これを破棄して次の画像ファイルについての配置情報を作成する場合においても、先の画像ファイルについては少なくとも配置情報をいずれの作成処理モードで作成したかについての情報を保存しておくことが望ましい。こうすることにより、先の画像ファイルについて再度配置情報を作成するときに、いずれの作成処理モードを実行するかの判断を省略することができる。
また、この発明にかかる画像データ処理装置は、前記読み出し手段により読み出されたデータに基づき印刷動作を行うことによって、前記画像ファイルに対応する画像を印刷する印刷手段をさらに備えてもよい。あるいは、前記読み出し手段により読み出されたデータに基づき、前記画像ファイルに対応する画像を表示する表示手段をさらに備えてもよい。本発明によれば、作成された配置情報により記憶媒体から画像ファイルを正しく読み出すことができるので、メモリ資源を効率的に使用しながら、画像ファイルに対応する画像を印刷または表示する装置を構成することができる。
また、この発明にかかる画像データ処理方法は、画像ファイルをクラスタ単位のデータとして記憶した記憶媒体から該データを読み出して処理する画像データ処理方法であって、上記目的を達成するため、前記記憶媒体から当該記憶媒体におけるクラスタの使用状況を示すFATの情報を読み出し、該情報に基づいて、前記記憶媒体内における前記画像ファイルに対応する各クラスタの配置を示す配置情報を作成し、前記配置情報に基づいて、前記画像ファイルを構成するデータを前記記憶媒体から読み出し、しかも、前記配置情報を作成するための作成処理モードとして、1つの画像ファイルを構成するデータを記憶した複数のクラスタの各々に対応するクラスタ番号の全てを前記配置情報とする第1の作成処理モードと、1つの画像ファイルを構成するデータを記憶した複数のクラスタをクラスタ番号が連続するグループに分けたときの、各グループごとの当該グループを構成するクラスタの先頭および末尾のクラスタ番号を示す情報を前記配置情報とする第2の作成処理モードとを実行可能となっており、前記第1および第2の作成処理モードを選択的に実行することを特徴としている。
このように構成された発明では、上記した画像データ処理装置と同様に、メモリ資源を効率的に活用しながら画像ファイルを適切に処理することができる。
図1は本発明の画像データ処理装置の一実施形態であるフォトプリンタを示す斜視図である。また、図2はフォトプリンタの内部構成の概略を示す図である。このフォトプリンタ10では、プリンタ本体12の内部にはプリント機構50(図2参照)が内蔵されており、フォトプリンタ10の全体の制御を司るコントローラ70(図2参照)からの動作指令に応じて用紙Pへの印刷を実行する。そして、こうして印刷された用紙がプリンタ本体12の前面に排紙される。
このプリンタ本体12の前面には、図1に示すように、前面扉14が開閉自在に取り付けられている。この前面扉14はプリンタ本体12の前面を開閉するための蓋である。そして、開状態のときには、プリント機構50から排紙される用紙Pを受けるための排紙トレイとして機能する。また、プリンタ本体12の前面に設けられた各種のメモリカードスロット16をユーザが利用可能な状態となる。つまり、この状態でユーザは印刷対象となる画像ファイルを記憶したメモリカードMをメモリカードスロット16に差し込むことができる。画像ファイルデータを記憶する外部記憶媒体としてはメモリカードに限定されず、USBメモリやディスク媒体など他のものであってもよい。また、画像を記憶したデジタルカメラや携帯電話等の電子機器を本フォトプリンタ10にケーブルや赤外線を利用した通信によって接続し外部記憶媒体として機能させてもよい。
また、プリンタ本体12の上面には操作パネル20が設けられる一方、プリンタ本体12の上面の奥の一辺に対してカバー30が開閉自在に取り付けられている。このカバー30は、プリンタ本体12の上面を覆うことのできる大きさに成形された樹脂板であり、開状態では操作パネル20の表面を外部に露出する(図1参照)。一方、カバー30が閉状態に閉じられると、操作パネル20全体を覆う。
この操作パネル20には、文字や図形、記号などを表示する例えばLCDディスプレイにより構成された表示部22と、この表示部22の周囲に配置されたボタン群24とを備えている。ボタン群24は、図2に示すように、電源のオンオフを行うための電源ボタン24a、メインメニュー画面を呼び出すためのメニューボタン24b、操作を途中でキャンセルしたり用紙Pへの印刷を途中で中断したりするためのキャンセルボタン24c、用紙Pへの印刷実行を指示するための印刷ボタン24d、メモリカードスロット16に挿入されたメモリカードMに編集画像等を保存するための保存ボタン24e、表示部22に表示された複数の選択肢の中から所望の選択肢を選択したりカーソルを移動したりするときに操作される上下左右の各矢印ボタン24f〜24i、この上下左右の各矢印ボタン24f〜
24iの中央に配置され各矢印ボタン24f〜24iによって選択されている選択肢に決定したことを指示するためのOKボタン24j、表示部22での画面表示を切り替えるための表示切替ボタン24k、表示部22に表示される左ガイドを選択する左ガイド選択ボタン24l、表示部22に表示される右ガイドを選択する右ガイド選択ボタン24m、排紙トレイとしての機能を備えた前面扉14を開く排紙トレイオープンボタン24nなどで構成されている。
また、表示部22の表示内容を確認するために、カバー30には表示部22と同じ大きさの窓32が設けられている。つまり、カバー30が閉状態にあるときにはユーザはこの窓32を介して表示部22の表示内容を確認することができる。一方、カバー30は開状態のときには、表示部22を図1に示すように好みの角度に調整することが可能となっている。
このようにカバー30を開状態としたときには、操作パネル20に対して斜め後方に傾斜した状態でカバー30は保持され、用紙Pをプリント機構50へ供給するためのトレイとして利用可能となっている。また、操作パネル20の奥には、プリント機構50の給紙口58が設けられるとともに、ガイド幅が用紙の幅に合うように左右方向にスライド操作される一対の用紙ガイド59が設けられている。
そして、給紙口58を介して用紙Pがプリント機構50に送り込まれて印刷が実行される。このプリント機構50には、図2に示すように、キャリッジ53が左右方向にループ状に架け渡されたタイミングベルト51により駆動されガイド52に沿って左右に往復動する。このキャリッジ53には、紙端検出センサ57が設けられ、用紙Pの左右端や上下端を検出する。つまり、紙端検出センサ57は、給紙口58にセットされた用紙に対して印刷前にキャリッジ53が左右方向に走査したときにその用紙の左右端を検出して用紙幅の認識を可能にしたり、印刷途中で用紙の後端を検出して用紙長さの認識を可能にしたりする。
また、このキャリッジ53には、シアン・マゼンタ・イエロー・ブラック等の各色のインクを個別に収容したインクカートリッジ54が搭載されている。これらのインクカートリッジ54はそれぞれ印刷ヘッド55に接続されている。そして、印刷ヘッド55はインクカートリッジ54からのインクに圧力をかけてノズル(図示省略)から用紙Pに向かってインクを吐出する。この実施形態では、印刷ヘッド55は圧電素子に電圧をかけることにより該圧電素子を変形させてインクを加圧する方式を採用しているが、発熱抵抗体(例えばヒータなど)に電圧をかけインクを加熱して発生した気泡によりインクを加圧する方式を採用してもよい。こうして印刷された用紙Pは搬送ローラ56によって開状態の前面扉(排紙トレイ)14へ送り出される。
また、図示を省略しているものの、プリンタ本体12の背面にはバッテリパックを装着可能となっており、商用電源に接続しなくとも本プリンタ10をバッテリにより動作させることが可能となっている。この点および本プリンタ10がホストコンピュータに接続しなくても使用することができるスタンドアロンプリンタとなっている点により、本プリンタ10は持ち運び容易でどこでも使用できるようになっている。
図3はコントローラの構成を示すブロック図である。コントローラ70は、図3に示すように、メインコントローラ71、メモリカードコントローラ72、メモリカードドライバ73、ファイルシステム74、管理用バッファ741、画像データバッファ742、デコーダ75、印刷データ生成部76およびLCDコントローラ77などの機能ブロックを備えている。このうち、メインコントローラ71、メモリカードドライバ73、ファイルシステム74、デコーダ75および印刷データ生成部76の各機能ブロックはソフトウェアにより実現される。すなわち、図示を省略するCPUが予め定められた制御プログラムを実行することにより、これらの機能が実現される。
ユーザにより画像ファイルを記憶したメモリカードMがメモリカードスロット16に挿入されると、メモリカードコントローラ72がこれを検知してメモリカードMの記憶領域にアクセスし、記憶されているデータを読み出す。また、メモリカードドライバ73は、所定のタイミングでメモリカードMから必要なデータを取り出すべくメモリカードコントローラ72を制御する。ファイルシステム74は、メモリカードMから読み出されたデータを必要に応じて管理用バッファ741または画像データバッファ742に記憶させる。また、後述するデコーダ75からの要求に応じて、必要なデータを管理用バッファ741および画像データバッファ742から読み出したり、メモリカードMからデータを読み出すための要求をメモリカードドライバ73に対し出力する。
デコーダ75は、メモリカードMから読み出されたデータをデコードして画像ファイルを再構成する。このとき、メモリカードMに記憶されている画像ファイルがデータ圧縮されたものであれば、デコーダ75はデータを伸長して圧縮前のデータを復元する。
印刷データ生成部76は、デコーダ75によりデコードされた画像ファイルのデータに基づいて印刷制御信号を生成し、プリント機構50に対し出力する。プリント機構50は印刷制御信号に基づいて印刷動作を実行し、用紙上に画像ファイルに対応する画像を形成する。また、LCDコントローラ77は、デコーダ75によりデコードされた画像ファイルのデータに基づいてビデオ信号を生成し、表示部22に出力する。これにより、表示部22には画像ファイルに対応した画像が表示される。
そして、メインコントローラ71は、上記した装置各部に対しその状態を監視したり必要な制御信号を与えることで、装置全体の動作を制御している。また、メインコントローラ71は、ボタン群24に対するユーザの操作入力を受け付けている。
上記のように構成されたフォトプリンタ10では、メモリカードMに記憶された画像ファイルが読み出され必要な加工が施されて印刷用画像データが生成され、該画像データに基づいてプリント機構が動作することによって所望の画像が得られる。しかしながら、外部記憶媒体であるメモリカードMへのアクセスには、プリンタ内部におけるデータのやり取りよりも時間がかかるため、印刷に必要なデータを都度メモリカードMから読み出したのでは印刷に要する時間が長くなってしまう。この問題を回避するために管理用バッファ741および画像データバッファ742が設けられている。
管理用バッファ741および画像データバッファ742はいずれもデータを一時的に保存するバッファメモリであり、ファイルシステム74からの要求に応じてデータを保存したり、保存しているデータをファイルシステム74に対して出力する。このうち管理用バッファ741は、メモリカードM内におけるディレクトリ情報やFAT(File Allocation Table)情報を記憶する。また、画像データバッファ742は、画像ファイルを構成するデータとしてクラスタ単位に分割されメモリカードMに記憶されている画像データを記憶する。印刷動作に先立ってデータをバッファに保存しておけば、印刷時間を短縮することが可能となる。
画像ファイルはクラスタ単位に分割されてメモリカードMの記憶領域に記憶されているので、データを正しい順序で読み出すためにはFAT情報が必要となる。ここで、メモリカードMから画像ファイルを読み出すとき、メモリカードM内のFAT情報を解析しながらその都度指定されたクラスタからの読み出しを行ったのでは、読み出しに長時間がかかってしまい、印刷や表示の速度が低下する。これを回避するため、ユーザの要求に応じて画像の印刷や表示を行うのに先立って、予めFAT情報をメモリカードMから読み出しておき、その情報を管理用バッファ741に保存しておく。こうすることで、メモリカードドライバ73は、ユーザからの印刷等の指示があったときには直ちにメモリカードMから画像ファイルを読み出すことができる。また、1つの画像ファイルについて読み出しを開始してから終了するまでの時間を短縮することができる。
より具体的には、メモリカードMがカードスロット16に挿入されたとき、メモリカードMに記憶されている複数の画像ファイルのうち表示または印刷すべきものがユーザ操作により指定されたときなどのタイミングで、メモリカードドライバ73がメモリカードコントローラ74を制御してメモリカードMからFAT情報を読み出すようにすればよい。
なお、メモリカードM内においては、当該メモリカードに記憶された全ての画像ファイルを網羅したFAT情報を保存しておく必要がある。これに対し、フォトプリンタ10においては、表示や印刷などの処理対象となる画像ファイルについては当然にFAT情報を記憶しておく必要があるものの、メモリカードに記憶されているが処理の対象ではない画像ファイルについては必ずしもその必要はない。したがって、フォトプリンタ10内で扱うべきFAT情報は、少なくとも1つの画像ファイルを表すのに適した形式であればよく、メモリカードMに保存されたFAT情報とは異なる形式であってもよい。
画像の種類やファイル形式によって画像ファイルのサイズは例えば数十KB程度のものから100MBを超えるものなど様々であり、これに対応してFAT情報のデータ量も大きく異なっている。例えば、1クラスタのサイズが4KB(バイト)、FATのデータ長が4バイトであるとき、ファイルサイズが100MBの画像ファイルに対応するFATのデータ量は100KBにもなる。このような情報をそのまま保存しようとすると、管理用バッファ741に大きな容量が必要となり、装置のメモリ資源を圧迫してしまう。また、管理用バッファ741の容量が固定されているとき、該容量の範囲内で同時に取り扱うことのできる画像ファイルの数が少なくなってしまう。
ここで、FATファイルシステムについて考えてみると、該システムはフラグメンテーションの程度の高いファイル、つまり1つのファイルを構成する各クラスタが記憶媒体上においてランダムな位置に保存されたファイルであっても、元のファイルを完全に復元することができるように構成されたものである。その一方、このフォトプリンタ10において扱われる画像ファイルは、主にデジタルスチルカメラやムービーカメラ、撮像機能つきの携帯電話等で撮像されたファイルである。このような撮像機器で撮像され記憶されている画像ファイルは、例えばパーソナルコンピュータ等の画像編集機能を有する機器で編集されハードディスクに保存されたファイル等と比べて、一般にフラグメンテーションの程度が低い場合が多い。
すなわち、フォトプリンタ10が扱う画像ファイルは、それぞれ番号が連続する複数のクラスタからなる1つまたは複数のグループから構成されている場合が多い。したがって、メモリカードMに記憶されているFAT情報をそのまま管理用バッファ741に保存するのではなく、情報を適宜に変換した方がデータ量を削減することができる場合がある。例えば、番号の連続する複数のクラスタからなるグループについては該グループを構成するクラスタの数と、当該グループに属する少なくとも1つのクラスタの番号との組み合わせにより、そのグループ全体を表すことができる。より具体的には、当該グループを構成するクラスタの数と、そのグループに属するクラスタのうちクラスタ番号において先頭または末尾の番号とを組として記憶しておけば、当該グループに属する全てのクラスタの番号を特定することが可能である。そして、画像ファイルを構成する各グループごとに1組ずつこの情報を記憶しておくことにより、当該画像ファイルを構成するクラスタの全てを特定することができる。極端な例では、メモリカードM内においてフラグメンテーションが全く起こっていないとき、画像ファイルの先頭(または末尾)クラスタ番号およびクラスタ数(またはファイルサイズ)のみによって当該画像ファイルを構成するクラスタの全てが特定されることとなる。
一方、高度にフラグメンテーションが進み連続するクラスタが少ないファイルについては、ファイルを構成するクラスタの番号を個別に記憶した方がデータ量を少なくすることができる場合がある。また、ファイルサイズが小さければFAT情報のデータ量はもともと少ないので、そもそも大きなバッファ容量を必要としない。以上を鑑みて、この実施形態は次のように構成されている。
図4はこの実施形態におけるFAT情報の読み出し処理を示すフローチャートである。メモリカードMがカードスロット16に挿入されたとき、メモリカードMに記憶されている複数の画像ファイルのうち表示または印刷すべきものがユーザ操作により指定されたときなどのタイミングで、ファイルシステム74は、FAT情報の読み出しを開始すると判断する(ステップS101)。これに応じて、メモリカードドライバ73がメモリカードコントローラ74を介してメモリカードMから指定された(指定されていない場合には先頭の)画像ファイルに関するFAT情報を読み出す(ステップS102)。ファイルシステム74は、読み出されたFAT情報から当該画像ファイルを構成するデータのメモリカードM内における配置を表す配置情報を装置内での管理に適した形式で作成し(ステップS103)、これを管理用バッファ741に書き込む(ステップS104)。
ファイルシステム74は、メモリカードMから読み出されたFAT情報から配置情報を作成するための作成処理モードとして2つのモードを有している。第1の作成処理モードは第1の配置情報、すなわち画像ファイルを構成するクラスタの番号を全て列記してなる配置情報を作成する。また、第2の作成処理モードは第2の配置情報、すなわち番号の連続するクラスタグループごとの先頭クラスタ番号と連続クラスタ数とを組にした情報を列記してなる配置情報を作成する。以下、図5ないし図7を参照して配置情報作成処理を具体的に説明する。
図5はメモリカードに記憶された画像ファイルの構成例を示す図である。また、図6は図5の画像ファイルのFAT情報を示す図である。より具体的には、図5は1つの画像ファイルを構成するデータがメモリカードM上のどのクラスタに保存されているかを示している。なお図5の例では、画像ファイルのファイルサイズを44KB、メモリカードMにおけるクラスタのサイズを4KBとしている。図5において「オフセット」とは、画像ファイルを構成するデータが当該画像ファイルの先頭からみて何バイト目に位置するかを示すパラメータである。
図5の例では、オフセット0ないし4KB、つまり画像ファイルの先頭から4KB目までのデータは、番号100(10進)のクラスタに保存されている。同様に、この画像ファイルの先頭からみて4ないし8KB目、8ないし12KB目、12ないし16KB目、…、に対応するデータはそれぞれ番号101、102、150、…、のクラスタに保存されている。当該画像ファイルは全部で11個のクラスタに保存されたデータからなっているが、このうちクラスタ番号100ないし102の3つのクラスタは番号が連続する1つのグループを成している。以下同様に、番号150および151のクラスタが連続数2の、番号210ないし213のクラスタが連続数4の、そして番号250ないし251のクラスタが連続数2のグループを、それぞれ成している。なお、図5において「EOF」は当該画像ファイルの末尾(End Of File)であることを示す。また、図示を省略しているが、当該画像ファイルの先頭クラスタ番号が100であることについてはディレクトリ情報としてメモリカードM内に記憶されている。
このような画像ファイルに対して、メモリカードM内のFATには、図6(a)に示す情報が記憶されている。すなわち、各クラスタ番号に対応するテーブルの値としては、当該クラスタに保存されたデータに続くデータを記憶したクラスタの番号が保存されている。例えばクラスタ番号100に対応する値は、続くデータが保存されたクラスタの番号101が記憶されている。以下の各クラスタについても同様に、当該クラスタに続くデータが保存されたクラスタの番号が記憶されている。なお、FAT情報が例えばFAT32形式に準拠するものであるとすると、クラスタの番号は4バイトで表されている。
フォトプリンタ10では、メモリカードM内の全てのクラスタの情報は必要なく、現在処理の対象となっている画像ファイルがメモリカードM内のどこに保存されているかさえわかればよい。そこで、ファイルシステム74は、読み出されたFAT情報から、処理の対象となっている画像ファイルに属するデータが保存されたクラスタの情報のみを取り出して配置情報とする。
図5に示す画像ファイルは、クラスタ番号100、101、102、150、…、251の各クラスタを占めている。そこで、第1の作成処理モードでは、当該画像ファイルに属するデータが保存されているクラスタの番号を全て配置情報として記憶する。具体的には、メモリカード内のFAT情報をクラスタ100から順にたどり、出現したクラスタ番号を出現順に管理用バッファ741に書き込んでゆく。したがって、図6(b)に示すように、管理用バッファ741の先頭4バイト、すなわちアドレス0ないし3には、当該画像ファイルの最初の4KBのデータが収められたクラスタの番号100に対応する値が書き込まれる。また、アドレス4ないし7の4バイトには、次の4KBのデータが収められたクラスタ番号101に対応する値が書き込まれる。同様に、アドレス8、12、16、…からのそれぞれ4バイトずつの領域には、それぞれ102、150、151、…が書き込まれる。これらが第1の作成処理モードにより作成される第1の配置情報となる。第1の作成処理モードでは、1クラスタにつき管理用バッファ741の記憶領域を4バイト使用することとなる。図5の画像ファイルでは、11クラスタを使用するので配置情報のデータ量は44バイトである。
一方、第2の作成処理モードでは、クラスタの連続数とその先頭クラスタ番号とにより配置情報を表す。図5に示す例では、画像ファイルのうち先頭の12KB分のデータは連続するクラスタ100ないし102に保存されている。そこで、図6(c)に示すように、管理用バッファ741の先頭アドレスからの4バイトには先頭クラスタ番号の100に対応する値を、次のアドレス4からの4バイトにはクラスタの連続数3に対応する値(ここでは4バイトとする)を書き込む。画像ファイルの次のデータはクラスタ150および151に保存されている。したがって、管理用バッファ741のアドレス8および12から始まるそれぞれ4バイトの領域には、クラスタ番号150および連続数2に対応する値がそれぞれ書き込まれる。以下も同様である。
このような情報の作成は、FAT情報を解析しながら例えば次のような処理を行うことによって実現することができる。まず画像ファイルの先頭に当たるクラスタ番号を管理用バッファ741に書き込み、そのクラスタに対応する次のクラスタ番号をFATから読み出す。読み出したクラスタ番号が現在のクラスタ番号に続く値であるときには、カウンタを1つインクリメントする一方、現在のクラスタ番号に続く値でなかったときには、そのときのカウンタの値を管理用バッファ741の次の4バイトに書き込むとともにそのクラスタ番号を管理用バッファ741の続く4バイトに書き込む。FATにしたがってクラスタを順にたどりながらこれを繰り返すことにより、管理用バッファ741にはクラスタ番号の連続する各グループの先頭クラスタに相当する番号と連続クラスタ数との組に相当する値が書き込まれてゆく。
第2の作成処理モードにおける配置情報(第2の配置情報)のデータ量は、番号の連続するクラスタからなるグループ1つにつき8バイトとなる。しかしながら、この例では画像ファイルが占めるメモリカードM内のクラスタが部分的に連続しているため、図5の画像ファイルを表す配置情報は32バイトで済む。これに対し、例えば画像ファイルが全く連続しないクラスタに分散されて保存された最も不利なケースでは、第2の配置情報は第1の配置情報の2倍、すなわち88バイトも必要となってしまう。この場合にはむしろ第1の作成処理モードの方がデータ量を削減できる。
このように、第1の配置情報のデータ量はファイルサイズによって一義的に決まるのに対し、第2の配置情報のデータ量は画像ファイルの状態によって変化し、いずれのモードがより少ないデータ量となるかは画像ファイル次第である。そこで、この実施形態の配置情報作成処理(図4のステップS103)では、上記した2つの作成処理モードを予め準備しておき、画像ファイルの状態に応じてこれら2つの作成処理モードのうち一方を選択し実行することによって、配置情報のデータ量をより少なくすることができるようにしている。
図7は配置情報作成処理を示すフローチャートである。この処理では、まず画像ファイルの形式を判断する。すなわち、画像ファイルがDCF形式であるときには第2の作成処理モードが選択されるようにする(ステップS201)。DCF(Design rule for Camera File system;カメラファイルシステム規格)形式の画像ファイルは、例えばデジタルカメラのような撮像機器によって記録されたものである可能性が高く、このような撮像機器では複雑なフラグメンテーション処理を行わないので第2の作成処理モードによる配置情報のデータ量削減効果が期待できるからである。
また、ヘッダ情報や拡張子などから画像ファイルのファイル形式を判断し、特定の形式、例えば動画やRAW、TIFF(Tagged Image File Format)形式などのファイルであるときには第2の作成処理モードが選択されるようにする(ステップS202)。データを圧縮していない画像や動画など、一般にファイルサイズの大きくなる傾向があるファイル形式のとき、第2の作成処理モードが選択されるようにするのが望ましい。一方、JPEG形式などデータ圧縮されデータ量が削減された画像ファイルでは、第1の作成処理モードが選択されるようにするのが望ましい。
さらに、画像ファイルの実際のファイルサイズを判断する(ステップS203)。ファイルサイズが大きくなると配置情報のデータ量も大きくなり、これを削減することができればその効果が大きいからである。ここでは、画像ファイルが10MB以上のとき第2の作成処理モードが選択されるようにする。
以上より、画像ファイルがDCFその他の特定の形式であるとき、あるいはファイルサイズが10MB以上であるときには第2の作成処理モードを実行し、FAT情報を順次解析しながら配置情報を作成する(ステップS204)。これをファイルの最後に至るまで繰り返して行うが(ステップS205)、第2の作成処理モードの実行中、作成済みの配置情報のデータ量が所定の上限値以上になった場合にはその時点で第2の作成処理モードを中止し第1の作成処理モードを実行開始する(ステップS206)。
前記したように第1の作成処理モードにより作成される配置情報のデータ量はファイルサイズから予め予想することができる。この例では1クラスタのデータ長が4KB、1クラスタあたりの配置情報のデータ長が4バイトとしているので、画像ファイル4KBあたり4バイトの配置情報が作成される。例えば10MBの画像ファイルに対応する配置情報のデータ量は10KBである。第2の配置情報のデータ量が第1の配置情報のデータ量よりも多くなった、あるいはなると予想される場合には、たとえ第2の作成処理モードの実行中であったとしても第1の作成処理モードに切り換えることとする。したがって、ステップS206における「上限値」としては、例えばファイルサイズから求めた第1の配置情報のデータ量そのものを用いることができる。また、該データ量に、画像ファイル全体に対する処理の進捗率を乗じた値を用いてもよい。例えば画像ファイルに対し第2の作成処理モードによる処理が半分まで進んだ時点で、作成済みの配置情報のデータ量が第1の配置情報のデータ量の50%を上回っていたときには第1の作成処理モードに切り換える、というようにすることができる。
ステップS203においてファイルサイズが10MB未満であった場合にも第1の作成処理モードを実行する(ステップS207)。第1の作成処理モードでは、1クラスタあたり4バイトの配置情報を作成する。以上のようにして、この実施形態では、画像ファイルの内容に応じて、2つの作成処理モードの一方を選択実行することにより、画像ファイルのメモリカードM内における配置を示す配置情報を作成する。
図4に戻って、FAT情報の読み出し処理についての説明を続ける。上記のようにしてメモリカードM内のFAT情報から配置情報が作成されると、ファイルシステム74はその配置情報を管理用バッファ741に書き込み保存しておく(ステップS104)。また、2つの作成処理モードのいずれが選択されたかについても、管理用バッファ741に記憶しておく(ステップS105)。管理用バッファ741に記憶されたこれらの情報は、少なくとも当該画像ファイルに対する所定の処理(表示、印刷など)が終了するまで保存される。また、メモリカードMがメモリカードスロット16から抜去されたときには消去される。
そして、ユーザからの指示入力により、画像ファイルに対応する画像を表示または印刷する必要が生じたときには、ファイルシステム74が管理用バッファ741に記憶された配置情報と、それがいずれのモードによって作成されたかの情報に基づきメモリカードM内のクラスタ番号を順次指定してメモリカードドライバ73に対し読み出し指示を与える。これに応じて、メモリカードドライバ73が当該クラスタに記憶されているデータを読み出してファイルシステム74に受け渡す。
以上のように、この実施形態では、メモリカードM内の各クラスタのうち、処理対象となる画像ファイルに属するデータが保存されたクラスタ番号の全てを並べたものを配置情報とする第1の作成処理モードと、連続するクラスタのグループごとに、連続クラスタ数と先頭クラスタ番号とを組にした情報を並べて配置情報とする第2の作成処理モードとを実行可能としている。そして、画像ファイルの内容に応じてこれらの一方を選択実行することにより、この実施形態では、可能な限り配置情報のデータ量を削減して管理用バッファ741のメモリ資源を効率的に活用することができる。また、いずれのモードを選択した場合であっても、当該画像ファイルに属するデータが保存されたクラスタの全てを確実に特定することができ、画像ファイルに対し適切な処理を行うことができる。
以上説明したように、この実施形態では、メモリカードドライバ73、ファイルシステム74および管理用バッファ741が本発明の「読み出し手段」、「制御手段」および「記憶手段」としてそれぞれ機能している。また、メモリカードMが「記憶媒体」に相当している。また、プリント機構50および表示部22がそれぞれ本発明の「印刷手段」および「表示手段」に相当している。
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、上記した実施形態では、メモリカードM内に保存された画像ファイルのうち先頭またはユーザにより指定された1つの画像ファイルについて、メモリカード内のFAT情報から配置情報を作成して管理用バッファ741の先頭アドレスから書き込んでゆくようにしているが、管理用バッファ741がメモリカードM内の複数の画像ファイルについて配置情報を記憶するようにしてもよい。すなわち、メモリカードM内に保存されている他の画像ファイルがユーザにより指定されたときには、管理用バッファ741の空き領域に新たな画像ファイルに関する配置情報を書き込んでゆく。こうすることで、管理用バッファ741のデータ容量の許す範囲で、メモリカードM内の複数の画像ファイルに関する配置情報を保存しておくことができ、それらの画像ファイルのいずれが指定された場合でも、データの読み出しを素早く行うことができる。
なお、管理用バッファ741のデータ容量の制約などにより配置情報を残さない場合であっても、少なくとも当該画像ファイルの配置情報がいずれのモードによって作成されたかについては、当該画像ファイルを他のファイルから識別するための情報(例えばファイル名やタイムスタンプ情報など)とともに記憶しておくようにするのが望ましい。そして、この情報が保存された画像ファイルが再び指定されたときには、過去に選択されたモードで配置情報の作成を行う。このようにすれば、次に同じ画像ファイルが指定されたとき、改めてモードの判定を行うことなく素早く配置情報を作成することができる。
また、上記実施形態では、メモリカード内における各クラスタの単位が4KB、FAT情報が4バイトで表されたFAT32形式でファイル管理を行っていることを前提としているが、クラスタやFAT情報のデータ長についてはこれに限定されるものではない。また、管理用バッファに保存する配置情報のデータ長も、上記実施形態に限定されるものではなく任意である。
また、上記実施形態の第2の作成処理モードでは、連続するクラスタからなるグループにおける先頭クラスタのクラスタ番号と、クラスタの連続数とを組にして配置情報としているが、グループを特定するためのクラスタ番号としてはグループの先頭クラスタに限らず、末尾のクラスタなど、当該グループに属する少なくとも1つのクラスタ番号を用いることができる。また、各グループごとの、当該グループに属するクラスタのうちクラスタ番号において先頭および末尾それぞれの番号の組をもって配置情報としてもよい。
また、上記実施形態は装置本体に対し挿抜自在のメモリカードに保存された画像ファイルを読み出すように構成されているが、本発明にいう「記憶媒体」としては、このようなカード状のもの以外にも種々のものを使用可能である。例えば、磁気ディスクを有する記憶媒体やスティック状の記憶媒体であってもよい。さらには、デジタルカメラや携帯電話など、撮像された画像ファイルを記憶する機能を有する機器であって、例えばケーブルや無線・赤外線通信等の通信手段により画像ファイルを読み出すことのできるものについても、本発明の「記憶媒体」として使用することが可能である。
また、上記実施形態におけるプリント機構50はインクジェット方式のプリンタであるが、例えば電子写真方式のプリンタであってもよい。また、上記実施形態における表示部22はLCDディスプレイによって画像を表示するものであるが、EL(エレクトロルミネセンス素子)ディスプレイ等他の表示方式で画像を表示するものであってもよい。
また、上記実施形態は、画像ファイルに対応する画像を表示するための表示機能および該画像を印刷する印刷機能を有するフォトプリンタに本発明を適用したものであるが、本発明の適用対象は上記したフォトプリンタに限定されない。例えば、表示機能または印刷機能のいずれか一方のみを備える機器に対しても、本発明を適用することが可能である。さらに、このような表示・印刷機能を有するものに限らず、記憶媒体に記憶されクラスタ単位で管理された画像ファイルを読み出してデータ処理を行う装置およびデータ処理方法全般に対して、本発明を適用することが可能である。
本発明の一実施形態であるフォトプリンタを示す斜視図。 フォトプリンタの内部構成の概略を示す図。 コントローラの構成を示すブロック図。 この実施形態におけるFAT情報の読み出し処理を示すフローチャート。 メモリカードに記憶された画像ファイルの構成例を示す図。 図5の画像ファイルのFAT情報を示す図。 配置情報作成処理を示すフローチャート。
符号の説明
16…メモリカードスロット、 22…表示部(表示手段)、 50…プリント機構(印刷手段)、 70…コントローラ、 72…メモリカードコントローラ、 73…メモリカードドライバ(読み出し手段)、 74…ファイルシステム(制御手段)、 75…デコーダ、 741…管理用バッファ(記憶手段)、 M…メモリカード(記憶媒体)

Claims (6)

  1. 画像ファイルをクラスタ単位のデータとして記憶した記憶媒体から該データを読み出す読み出し手段と、
    前記記憶媒体内における前記画像ファイルに対応する各クラスタの配置を示す配置情報を一時的に記憶する記憶手段と、
    前記記憶手段に記憶された前記配置情報に基づいて、前記読み出し手段による前記記憶媒体からのデータの読み出しを制御する制御手段と
    を備え、
    前記制御手段は、前記記憶媒体から当該記憶媒体におけるクラスタの使用状況を示すFATの情報を読み出し、該情報に基づき前記配置情報を作成して前記記憶手段に記憶させるとともに、前記配置情報を作成するための作成処理モードとして、
    1つの画像ファイルを構成するデータを記憶した複数のクラスタの各々に対応するクラスタ番号の全てを前記配置情報とする第1の作成処理モードと、
    1つの画像ファイルを構成するデータを記憶した複数のクラスタをクラスタ番号が連続するグループに分けたときの、各グループごとの当該グループを構成するクラスタの先頭および末尾のクラスタ番号を示す情報を前記配置情報とする第2の作成処理モードと
    を実行可能となっており、前記第1および第2の作成処理モードを選択的に実行し、
    前記制御手段は、前記記憶媒体に記憶されている画像ファイルがカメラファイルシステム規格に対応したものであるとき前記第2の作成処理モードを選択することを特徴とする画像データ処理装置。
  2. 前記第2の作成処理モードでは、前記各グループを構成するクラスタの数と、当該グループを構成するクラスタのクラスタ番号のうち最も小さい番号または最も大きい番号との組を前記配置情報とする請求項1に記載の画像データ処理装置。
  3. 前記記憶手段は、前記配置情報が前記第1および第2の作成処理モードのどちらにより作成されたかを識別するための情報をさらに記憶する請求項1または2に記載の画像データ処理装置。
  4. 前記読み出し手段により読み出されたデータに基づき印刷動作を行うことによって、前記画像ファイルに対応する画像を印刷する印刷手段をさらに備える請求項1ないし3のいずれかに記載の画像データ処理装置。
  5. 前記読み出し手段により読み出されたデータに基づき、前記画像ファイルに対応する画像を表示する表示手段をさらに備える請求項1ないし4のいずれかに記載の画像データ処理装置。
  6. 画像ファイルをクラスタ単位のデータとして記憶した記憶媒体から該データを読み出して処理する画像データ処理方法において、
    前記記憶媒体から当該記憶媒体におけるクラスタの使用状況を示すFATの情報を読み出し、該情報に基づいて、前記記憶媒体内における前記画像ファイルに対応する各クラスタの配置を示す配置情報を作成し、
    前記配置情報に基づいて、前記画像ファイルを構成するデータを前記記憶媒体から読み出し、しかも、
    前記配置情報を作成するための作成処理モードとして、
    1つの画像ファイルを構成するデータを記憶した複数のクラスタの各々に対応するクラスタ番号の全てを前記配置情報とする第1の作成処理モードと、
    1つの画像ファイルを構成するデータを記憶した複数のクラスタをクラスタ番号が連続するグループに分けたときの、各グループごとの当該グループを構成するクラスタの先頭および末尾のクラスタ番号を示す情報を前記配置情報とする第2の作成処理モードと
    を実行可能となっており、前記第1および第2の作成処理モードを選択的に実行し、
    前記記憶媒体に記憶されている画像ファイルがカメラファイルシステム規格に対応したものであるとき前記第2の作成処理モードを選択することを特徴とする画像データ処理方法。
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