JP5002639B2 - 電源装置 - Google Patents
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Description
また、複数の電源(つまり、燃料電池および蓄電装置)からなる電源システムの始動時において、特にDC−DCコンバータを始動させたときに、回路系において意図しない過大な電流が流れてしまうことを防止することが望まれている。
しかも、燃料電池スタックと蓄電装置とが直列に接続されてなる電池回路に対して単一のDC−DCコンバータを備えるだけで複数の動作モードを切り換えることができ、例えば燃料電池スタックと蓄電装置毎に個別にDC−DCコンバータを備える場合に比べて、構成に要する費用を削減すると共にサイズを小型化することができる。
本実施の形態による電源装置10は、例えば図1に示すように、第1電源をなす燃料電池スタック(FC)11と、第2電源をなすバッテリ12と、DC−DCコンバータ13と、エアポンプインバータ(API)14と、CAN(Controller Area Network)通信ラインからなるパワープラントCAN15に接続されるコンバータECU(電子制御装置)16および統合ECU(電子制御装置)17とを備えて構成されている。そして、燃料電池スタック11とバッテリ12とが直列に接続されて電池回路18が構成されている。
そして、アノードのアノード触媒上で触媒反応によりイオン化された水素は、適度に加湿された固体高分子電解質膜を介してカソードへと移動し、この移動に伴って発生する電子が外部回路に取り出され、直流の電気エネルギーとして利用される。このときカソードにおいては、水素イオン、電子及び酸素が反応して水が生成される。
また、平滑コンデンサ35は、第1ラインL1と第3ラインL3とに接続されている。に接続されている。
また、リアクトル34の一端は第1および第2スイッチング素子31,32の互いの接続点(例えば、コレクタ−エミッタ間)に接続され、他端は第2ラインL2に接続されている。
そして、ハイサイドアームの第1スイッチング素子31がオンかつローサイドアームの第2スイッチング素子32がオフとされ、リアクトル34に流れる電流が遮断されることに起因する磁束の変化を妨げるようにしてリアクトル34の両端間に起電圧(誘導電圧)が発生し、リアクトル34に蓄積された磁気エネルギーによる誘導電圧が1次側の入力電圧に上積みされて1次側の入力電圧よりも高い昇圧電圧が2次側に印加される。この切換動作に伴って発生する電圧変動は平滑コンデンサ35により平滑化され、昇圧電圧が2次側から出力される。
そして、ハイサイドアームの第1スイッチング素子31がオンかつローサイドアームの第2スイッチング素子32がオフとされ、リアクトル34に流れる電流が遮断されることに起因する磁束の変化を妨げるようにしてリアクトル34の両端間に起電圧(誘導電圧)が発生する。このリアクトル34に蓄積された磁気エネルギーによる誘導電圧は、ハイサイドアームの第1スイッチング素子31のオン/オフの比率に応じて2次側の入力電圧が降圧された降圧電圧となり、降圧電圧が1次側に印加される。
なお、ハイサイドアームの第1スイッチング素子31と、ローサイドアームの第2スイッチング素子32とは、オン/オフの切り換え時に、同時にオンとなることが禁止され、同時にオフとなる適宜のデッドタイムが設けられている。
バッテリ12は、正極側および負極側に配置されて統合ECU17により断接(オン/オフ)が切り換えられる各コンタクタ12a,12bおよび正極側に配置されて統合ECU17により動作が制御される電流制限回路12cを介して、第1ラインL1と第2ラインL2とに接続されている。
これにより、第1ラインL1と第3ラインL3との間で燃料電池スタック11とバッテリ12とは接続点18aで直列に接続されて電池回路18が形成されている。
そして、第1ラインL1および第3ラインL3から負荷であるモータ22に電力が出力されるようにして第1ラインL1と第3ラインL3とはPDU21に接続されている。
また、エアポンプ23の駆動回路であるエアポンプインバータ14は第1ラインL1と第2ラインL2とに接続されている。
ブリッジ回路は、例えば各相毎に対をなして直列に接続される複数のハイ側およびロー側スイッチング素子がブリッジ接続されて構成されている。
なお、モータ22は、例えば界磁として永久磁石を利用する永久磁石式の3相交流同期モータとされており、PDU21から供給される3相交流電力により駆動制御されると共に、車両の減速時において駆動輪側からモータ22側に駆動力が伝達されると、モータ22は発電機として機能して、いわゆる回生制動力を発生し、車体の運動エネルギーを電気エネルギーとして回収する。
なお、統合ECU17には、例えば、燃料電池スタック11の端子間電圧VFC(V1)を検出する第1電圧センサ41と、バッテリ12の端子間電圧VB(V2)を検出する第2電圧センサ42と、燃料電池スタック11の出力電流Ifcを検出する出力電流センサ43との各センサから出力される検出信号が入力されている。
統合ECU17は、燃料電池スタック11の各コンタクタ11a,11bと、バッテリ12の各コンタクタ12a,12bおよび電流制限回路12cとを接続状態にする前に、第1電圧センサ41および第2電圧センサ42から出力される検出信号により、燃料電池スタック11の開放電圧(V1_ocv)とバッテリ12の開放電圧(V2_ocv)とを検出する。そして、各開放電圧の検出結果をコンバータECU16に送信する。
そして、統合ECU17は、燃料電池スタック11の各コンタクタ11a,11bと、バッテリ12の各コンタクタ12a,12bとを接続状態にし、この結果を示す信号をコンバータECU16に送信する。
そして、コンバータECU16は、この初期デューティーによりDC−DCコンバータ13で同期スイッチングを開始する。
また、統合ECU17は、例えばモータ22の回生時においては、各電力配分に応じて、燃料電池スタック11の電流(出力電流Ifc)の目標電流として零あるいは正の値を出力する。
コンバータECU16は、統合ECU17から受信した信号に応じてDC−DCコンバータ13のスイッチングデューティーを制御するようにして、DC−DCコンバータ13の各スイッチング素子31,32をオン/オフ駆動させるゲート信号(つまり、PWM信号)を生成する。そして、ゲート信号によってDC−DCコンバータ13で同期スイッチングを行なう。
これにより、例えば図3に示すように、電源装置10の動作モードは連続的に制御される。
そして、EVモードからスイッチングデューティーが低下傾向に変化することに伴い、電源装置10の動作モードは、例えば時刻t2〜時刻t5の期間に示すように、順次、第1〜第3の(FC+バッテリ)モードに推移する。
第2の(FC+バッテリ)モードでは、バッテリ12の出力がPDU21およびAPI14に供給されると共に燃料電池スタック11の出力がPDU21に供給されてバッテリ12の電流(Ib)が燃料電池スタック11の電流(出力電流Ifc)とAPI14に通電される電流(IAP)との和に等しくなる。
第3の(FC+バッテリ)モードでは、バッテリ12および燃料電池スタック11の出力がPDU21およびAPI14に供給されてバッテリ12の電流(Ib)が燃料電池スタック11の電流(出力電流Ifc)よりも小さくなる。
第1のFCモードでは、燃料電池スタック11の出力のみがPDU21およびAPI14に供給される。
第2のFCモードでは、燃料電池スタック11の出力のみがPDU21およびAPI14およびバッテリ12に供給されてバッテリ12が充電される。
例えば燃料電池スタック11の電流(出力電流Ifc)の目標電流が零とされる電源装置10の動作モードは、PDU21の回生電力によりバッテリ12が充電される回生モードとなる。
また、例えば燃料電池スタック11の電流(出力電流Ifc)の目標電流が正の値とされる電源装置10の動作モードは、PDU21の回生電力および燃料電池スタック11の出力がAPI14およびバッテリ12に供給されてバッテリ12が充電される(回生+FCによるバッテリ充電)モードとなる。
また、統合ECU17は、バッテリ12の残容量SOCなどに応じて各コンタクタ12a,12bおよび電流制限回路12cのオン/オフを切り換え、バッテリ12と第1ラインL1および第2ラインL2との接続を制御する。
例えば図4に示すステップS01においては、燃料電池スタック11の端子間電圧VFC(V1)を検出する第1電圧センサ41と、バッテリ12の端子間電圧VB(V2)を検出する第2電圧センサ42との初期化が完了したことを示すセンサ初期化完了フラグのフラグ値に「1」が設定されているか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、ステップS01の判定処理を繰り返し実行する。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS02に進む。
次に、ステップS03においては、燃料電池スタック11の各コンタクタ11a,11bと、バッテリ12の各コンタクタ12a,12bおよび電流制限回路12cとが接続状態になる前に第2電圧センサ42により検出された端子間電圧VB(V2)を、第2開放電圧E2つまりバッテリ12の開放電圧(V2_ocv)として設定する。
次に、ステップS05においては、初期デューティー(DUTY_ini)の算出完了を示す初期デューティー算出完了フラグのフラグ値に「1」を設定する。
この判定結果が「NO」の場合には、ステップS06の判定処理を繰り返し実行する。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS07に進む。
次に、ステップS07においては、初期デューティーによりDC−DCコンバータ13で同期スイッチングを開始し、エンドに進む。
次に、ステップS12において、統合ECU17は、第1電圧センサ41と第2電圧センサ42との初期化を行ない、この初期化が完了したことを示すセンサ初期化完了フラグのフラグ値に「1」を設定する。
次に、ステップS14において、統合ECU17は、初期化完了フラグのフラグ値と、第1開放電圧E1と、第2開放電圧E2とを、コンバータECU16に送信する。
次に、ステップS16において、コンバータECU16は、上記数式(1)により初期デューティー(DUTY_ini)を算出する。
次に、ステップS17において、コンバータECU16は、初期デューティー(DUTY_ini)の算出完了を示す初期デューティー算出完了フラグのフラグ値に「1」を設定し、この初期デューティー算出完了フラグのフラグ値を統合ECU17に送信する。
次に、ステップS19において、統合ECU17は、燃料電池スタック11の各コンタクタ11a,11bと、バッテリ12の各コンタクタ12a,12bとを接続状態にする。
次に、ステップS20において、統合ECU17は、各コンタクタ11a,11b,12a,12bの接続動作が完了したことを示すON完了の信号をコンバータECU16に通知する。
次に、ステップS22において、コンバータECU16は、初期デューティーによりDC−DCコンバータ13で同期スイッチングを開始する。
例えば図1に示すようにモータ22の駆動時での通常時において電源装置10の各箇所を流れる各電流IL,Ic1,Ic2,Imot,Ifc,Ibに対して、例えば第2スイッチング素子32およびリアクトル34を逆流するような過大な電流によって第1スイッチング素子31に損傷が生じることを防止することができる。
また、例えばモータ22の回生時においては、燃料電池スタック11の電流(出力電流Ifc)の代わりに、燃料電池スタック11の出力が目標値に一致するようにしてフィードバック制御をおこなってもよい。
11 燃料電池スタック
11a コンタクタ(第2コンタクタ)
11b コンタクタ(第4コンタクタ)
12 バッテリ(蓄電装置)
12a コンタクタ(第1コンタクタ)
12b コンタクタ(第3コンタクタ)
13 DC−DCコンバータ
16 コンバータECU(制御手段)
17 統合ECU
18 電池回路
21 PDU
31 第1スイッチング素子
32 第2スイッチング素子
33 スイッチング回路
34 リアクトル
Claims (3)
- 電位の異なる第1ラインおよび第2ラインおよび第3ラインと、
燃料電池スタックと蓄電装置とが直列に接続されてなる電池回路と、
各還流ダイオードを具備する第1スイッチング素子および第2スイッチング素子が直列に接続されたスイッチング回路と、リアクトルとからなるDC−DCコンバータとを備え、
前記電池回路の両端は前記第1ラインと前記第3ラインとに接続され、
前記電池回路の前記燃料電池スタックと前記蓄電装置との接続点は前記第2ラインに接続され、
前記スイッチング回路の両端は前記第1ラインと前記第3ラインとに接続され、
前記リアクトルの一端は前記第1および前記第2スイッチング素子の互いの接続点に接続され、他端は前記第2ラインに接続されている電源装置であって、
前記電源装置の起動時に、前記第1ラインと前記第3ラインとの電位差が、前記燃料電池スタックの開放電圧と前記蓄電装置の開放電圧との和に等しくなるように、前記DC−DCコンバータの初期デューティーを設定し、該初期デューティーにより同期スイッチングを行なう制御手段を備えることを特徴とする電源装置。 - 前記電池回路は、前記電池回路と前記第1ラインとの接続を断接可能な第1コンタクタと、前記燃料電池スタックと前記接続点との接続を断接可能な第2コンタクタと、前記蓄電装置と前記接続点との接続を断接可能な第3コンタクタと、前記電池回路と前記第3ラインとの接続を断接可能な第4コンタクタとを備え、
前記制御手段は、前記電源装置の始動時に、前記第1〜前記第4コンタクタを接続状態にする前に前記燃料電池スタックの前記開放電圧および前記蓄電装置の前記開放電圧を検出することを特徴とする請求項1に記載の電源装置。 - 前記制御手段は、前記初期デューティーの設定が完了した後に、前記第1〜前記第4コンタクタを接続状態にすることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電源装置。
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