JP5001823B2 - 化粧柱構造 - Google Patents

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Description

本発明は、化粧柱構造に関する。例えば、住宅などの玄関ポーチにおいて、玄関庇を支持するポーチ柱などの化粧柱構造に関する。
一般の住宅などにおいて、例えば、玄関ポーチにおける意匠性を高める工夫として、玄関庇を支えるポーチ柱にデザインを施す施工が行われている。
従来、これらの施工は、塗料や顔料などを吹き付けることにより行われていたが、近年、柱芯材に取付具を固定し、この取付具に化粧柱部材を取り付ける施工が行われている。
例えば、特許文献1には、断面正方形の芯柱と、この芯柱の長手方向に沿って半割に構成され芯柱を対向側から被覆する一対の化粧カバー部材と、この一対の化粧カバー部材をその突き合わせ接合部分において連結する一対の取付部材と、この各取付部材を芯柱に止め付けるネジ釘とを備える組立式化粧柱が示されている。
化粧カバー部材の両端部分には、各取付部材の両端部が収納される嵌合溝がそれぞれ形成されている。
施工にあたっては、芯柱を挟んで両化粧カバー部材を合わせる。すると、両化粧カバー部材の接合面間に芯柱の長手方向に連続するネジ釘操作用間隙が形成される。続いて、両化粧カバー部材の接合面間に対向して形成された嵌合溝の上端より、取付部材を差し込んで下方へ落とし込み、所定高さ位置において、ネジ釘操作用間隙から挿入したネジ釘を取付部材を通して芯柱にねじ込む。これにより、化粧カバー部材が芯柱に固定される。
特開平9−132952号公報(図8〜図10参照)
上述した特許文献1に開示の組立式化粧柱の構成では、芯柱を挟んで両化粧カバー部材を合わせた状態では、両化粧カバー部材は他に支持されていないため、取付部材をネジ釘で芯柱にねじ込むまで、化粧カバー部材を支えておかないと、化粧カバー部材が外れる虞がある。そのため施工性が悪い。
特許文献1に記載の実施形態(図1〜図7に記載の第1実施形態)では、取付部材を芯柱の長さに略等しい長さに形成し、これを芯柱にネジ釘で仮止めしたのち、この取付部材の両端部分の翼片に、両化粧カバー部材の対向する嵌合溝を嵌合させる。こののち、ネジ釘を本締めして、両化粧カバー部材を芯柱に固定する方法が提案されている。
ところが、この方法の場合、上下方向に長い取付部材の幅方向両端の翼片全長(上下方向全長)に渡って、両化粧カバー部材の対向する嵌合溝を嵌合させなければならないため、これも施工性が悪い。
本発明の目的は、このような従来の課題を解消し、施工が容易な化粧柱構造を提供することにある。
本発明の化粧柱構造は、柱芯材と、この柱芯材の長手方向に沿った接合面を有しかつ柱芯材の外周を互いに向かい合って覆う一対の化粧柱部材と、この一方の化粧柱部材を前記柱芯材に取り付ける第1取付具と、前記他方の化粧柱部材を前記第1取付具に取り付ける第2取付具とを備え、前記化粧柱部材は、互いに対向する接合面に形成され前記柱芯材の少なくとも一部を収納する凹部と、この凹部と接合面との間に形成された被挟持部とを有し、前記第1取付具は、前記一方の化粧柱部材の被挟持部を弾性的に挟持する弾性挟持部と、この弾性挟持部が前記一方の化粧柱部材の被挟持部を挟持した状態において前記柱芯材に固定される固定部と、この固定部が前記柱芯材に固定された際に前記一方の化粧柱部材の接合面側に位置して設けられた係合部とを有し、前記第2取付具は、前記第1取付具の係合部に着脱可能に係合される被係合部と、この被係合部が前記第1取付具の係合部に係合された際に前記一方の化粧柱部材の接合面側に位置して設けられ前記他方の化粧柱部材の被挟持部を弾性的に挟持する弾性挟持部とを有する、ことを特徴とする。
この構成によれば、一方の化粧柱部材の被挟持部を第1取付具の弾性挟持部で挟持して、第1取付具を一方の化粧柱部材に装着する。この状態の一方の化粧柱部材を、凹部を柱芯材に向けて嵌め込む。すると、第1取付具の固定部が柱芯材の対向する側面に沿って差し込まれるので、この状態において、適宜な止着具(例えば、ビス)によって固定部を柱芯材に固定する。これにより、一方の化粧柱部材が柱芯材に取り付けられる。
次に、第1取付具の係合部に第2取付具の被係合部を係合させる。すると、第2取付具の弾性挟持部が、一方の化粧柱部材の接合面側に位置されるから、この第2取付具の弾性挟持部に他方の化粧柱部材の被挟持部を挟持させる。つまり、他方の化粧柱部材の凹部を柱芯材に向けて嵌め込むと、他方の化粧柱部材の被挟持部が第2取付具の弾性挟持部に挟持される。これにより、他方の化粧柱部材が第1取付具に取り付けられる。つまり、他方の化粧柱部材が第2取付具および第1取付具を介して柱芯材に取り付けられる。
従って、まず、一方の化粧柱部材を第1取付具により柱芯材に取り付けたのち、第2取付具を用いて、他方の化粧柱部材を第1取付具に取り付けることができるから、施工が簡易である。つまり、従来のように、一対の化粧カバー部材を保持しておかなくてもよいから、施工が簡易である。また、第1取付具に対して第2取付具の係合を外せば、他方の化粧柱部材を柱芯材から外すことができ、次に、第1取付具を柱芯材から取り外せば、一方の化粧柱部材も柱芯材から外すことができるから、化粧柱部材が破損や損傷した場合でも簡単に交換することができる。
本発明の化粧柱構造において、前記係合部は、上面に開口を有しかつ内部に空間を有する差込部によって形成され、前記被係合部は、前記柱芯材の長手方向へスライドすることにより、前記差込部に対して抜差可能な差込片によって形成されている、ことが好ましい。
この構成によれば、係合部が内部に空間を有する差込部によって形成され、被係合部が差込片によって形成されているから、第1取付具の係合部に第2取付具の被係合部を係合させる際、第2取付具を柱芯材の長手方向へスライドさせることにより、係合させることができ、また、第1取付具の係合部から第2取付具の被係合部を外すにも、第2取付具を柱芯材の長手方向へスライドさせるだけでよいから、これらの係合、解除操作を極めて簡易に行うことができる。
本発明の化粧柱構造において、前記被挟持部は、前記凹部の内側面に形成されその内側面に対して交差する第1被挟持面と、前記接合面に形成されその接合面に対して略直交する第2被挟持面とを有し、前記第1取付具の前記弾性挟持部は、前記固定部から一体的に形成され前記第1被挟持面を弾性的に挟持する第1弾性挟持片と、前記固定部から一体的に形成され前記第2被挟持面を弾性的に挟持する第2弾性挟持片とを備える、ことが好ましい。
この構成によれば、弾性挟持部は、被挟持部の第1被挟持面を弾性的に挟持する第1弾性挟持片と、被挟持部の第2被挟持面を弾性的に挟持する第2弾性挟持片とを備えているから、化粧柱部材が外れにくく、かつ、化粧柱部材の嵌め込み方向(化粧柱部材の凹部深さ方向)に対して交差する方向に対してずれにくい。
つまり、化粧柱部材に外れる方向の力が作用した場合、第1弾性挟持片が凹部の内側面にこれと交差して形成された第1被挟持面に当接して、化粧柱部材が外れる方向へ移動するのを阻止するから、化粧柱部材が外れにくい。化粧柱部材に嵌め込み方向(化粧柱部材の凹部深さ方向)に対して交差する方向の力が作用した場合、第2弾性挟持片が接合面にこれと略直交して形成された第2被挟持面に当接して、化粧柱部材が嵌め込み方向(化粧柱部材の凹部深さ方向)に対して交差する方向に移動するのを阻止するから、化粧柱部材のずれを防止できる。
本発明の化粧柱構造において、前記第1弾性挟持片は、前記固定部から前記柱芯材と前記凹部との間に延長して形成された延長部と、この延長部の先端に前記第1被挟持面に向かって斜めに折曲された第1挟持爪とを有し、前記第2弾性挟持片は、前記固定部から略直角に折曲され前記一対の化粧柱部材の対向する接合面間に延びる折曲部と、この折曲部の先端から略直角に折曲げられたのち、外側に向かって折曲された第2挟持爪とを備える、ことが好ましい。
この構成によれば、第1取付具を化粧柱部材に装着する際、第1取付具の第1挟持爪および第2挟持爪が化粧柱部材の被挟持部を挟む姿勢で、第1取付具を化粧柱部材の被挟持部に差し込む。すると、第1取付具の第1挟持爪および第2挟持爪は、化粧柱部材の被挟持部によって互いに離れる方向へ弾性変形されながら差し込まれる。やがて、第1挟持爪の先端が凹部の内側面に形成された第1被挟持面に達すると、第1挟持爪は弾性復帰して第1被挟持面に係合される。これにより、第1取付具の第1挟持爪および第2挟持爪が化粧柱部材の被挟持部を挟持した状態で、第1取付具が化粧柱部材に装着される。
従って、第1取付具を化粧柱部材の被挟持部に差し込むだけで、第1取付具を化粧柱部材に装着することができるので、施工性をより高めることができる。
本発明の化粧柱構造において、前記係合部は、前記第2弾性挟持片の前記折曲部に形成されている、ことが好ましい。
この構成によれば、係合部が第2弾性挟持片の折曲部に形成されているから、第1取付具を一方の化粧柱部材に装着すると、係合部が一方の化粧柱部材の接合面側に位置するので、第2取付具の被係合部を係合部に係合しやすい。
本発明の化粧柱構造において、前記第2取付具は、前記被係合部を有する連結片と、この連結片の両側から同じ方向へ略直角に折曲され前記第1被挟持面および前記第2被挟持面を弾性的に挟持する一対の弾性挟持片とを備える、ことが好ましい。
この構成によれば、第2取付具が、被係合部を有する連結片と、この連結片の両側から同じ方向へ略直角に折曲された一対の弾性挟持片を有する構造であるから、例えば、1枚の板材の両側を折り曲げて一対の弾性挟持片を形成すれば、第2取付具を製造することができる。従って、安価にかつ簡易に製造できる。
本発明の化粧柱構造において、前記一対の化粧柱部材の対向する接合面間には、シーリング材が充填されている、ことが好ましい。
この構成によれば、一対の化粧柱部材の対向する接合面間にはシーリング材が充填されているから、雨水などの浸入を確実に防ぐことができる。
<住宅の説明(図1参照)>
図1は、住宅1の玄関部分2に設けられた玄関ポーチ3を示している。
玄関ポーチ3は、住宅1の玄関部分2の上部に設けられた玄関庇4と、この玄関庇4を支持する2本のポーチ柱5によって構成されている。本実施形態では、ポーチ柱5が本発明の化粧柱構造によって構成されている。
<ポーチ柱の説明(図2〜図3参照)>
図2は、ポーチ柱5の断面図、図3は、ポーチ柱5の分解斜視図である。
ポーチ柱5は、柱芯材10と、この柱芯材10の長手方向に沿った接合面を有しかつ柱芯材10の外周を互いに向かい合って覆う一対の化粧柱部材20と、この一方の化粧柱部材20を柱芯材10に着脱可能に取り付ける第1取付具40と、他方の化粧柱部材20を第1取付具40に着脱可能に取り付ける第2取付具60とを備えて構成されている。
柱芯材10は、四角柱状、具体的には、断面四角形の鋼管製柱材によって構成されているが、これに限られない。内部が空洞でない無垢の柱材であってもよく、あるいは、鋼管製に限らず、木製であってもよい。
<化粧柱部材の説明(図4参照)>
化粧柱部材20は、円柱を軸方向に沿って2つに分割した形状、つまり、柱芯材10の長手方向に沿った接合面20Aを有する断面半円形状で、かつ、長さが柱芯材10の長さに略等しい柱状に形成されている。化粧柱部材20の材質は、窯業系、石材系、タイル系、樹脂系、アルミ系、木質系などが用いられる。
化粧柱部材20の接合面20A、つまり、半円形状の直径に相当する面には、中心部分に柱芯材10の少なくとも一部(略半分)を収納する凹部21が、両端部分に断面矩形状の溝部27が化粧柱部材20の長手方向に沿ってそれぞれ形成されているとともに、凹部21と化粧柱部材20の外周輪郭円20Bとの間には複数の肉抜き孔23が形成されている。
凹部21は、内底面21Aおよび両内側面21Bを有する断面矩形状(四角形状)に形成されている。
内底面21Aには、凹部21内に突出する2つの凸部22が形成されている。
両内側面21Bの中間位置には、深さが凹部21の開口側へ向かうに従って次第に深くなる傾斜溝26が形成されている。
傾斜溝26と溝部27との間、つまり、凹部21と接合面20Aとの間の角部には、被挟持部28が形成されている。被挟持部28は、凹部21の内側面21Bに対して交差する第1被挟持面28Aと、接合面20Aに対して略直交する第2被挟持面28Bとを備えている。つまり、第1被挟持面28Aは、傾斜溝26の開口側傾斜面によって形成されている。第2被挟持面28Bは、溝部27の内側側壁によって形成されている。
<第1取付具の説明(図5参照)>
第1取付具40は、全体が弾性を有する材料、例えば、メッキ鋼板、ステンレス材、アルミ材、樹脂材などによって形成された2枚に板材41,42によって構成されている。具体的には、柱芯材10に固定される固定部43と、一方の化粧柱部材20の被挟持部28を弾性的に挟持する弾性挟持部46と、固定部43が柱芯材10に固定された際に一方の化粧柱部材20の接合面20A側に位置して設けられる係合部51とを有する。
固定部43は、弾性挟持部46が一方の化粧柱部材20の被挟持部28を挟持した状態において、柱芯材10に固定される部分で、2枚の板材41,42が互いに溶接などによって接合されて構成されている。固定部43の中央位置には、第1取付具40を柱芯材10に固定する止着具としてのビス44(図2,図3参照)が挿通されるビス挿通孔45が形成されている。
弾性挟持部46は、板材41によって固定部43から一体的に形成され第1被挟持面28Aを弾性的に挟持する第1弾性挟持片47と、板材42によって固定部43から一体的に形成され第2被挟持面28Bを弾性的に挟持する第2弾性挟持片48とを備える。
第1弾性挟持片47は、固定部43から柱芯材10と凹部21との間に延長して形成された延長部47Aと、この延長部47Aの先端に第1被挟持面28Aに向かって斜めに折曲された第1挟持爪47Bとを有する。延長部47Aには、付勢片49が切り起こし形成されている。付勢片49は、第2弾性挟持片48とともに、被挟持部28の両側を挟持して、化粧柱部材20のずれを防ぐ機能をもつ。
第2弾性挟持片48は、固定部43から略直角に折曲され一対の化粧柱部材20の対向する接合面20A間に延びる折曲部48Aと、この折曲部48Aの先端から略直角に折曲げられたのち外側に向かって折曲された第2挟持爪48Bとを有する。
係合部51は、第2弾性挟持片48の折曲部48Aに切り起こし形成されている。具体的には、折曲部48Aの上下位置に「エ」の字状の切込溝52が形成され、その切込溝52で囲まれた内側両側部分53が第2挟持爪48Bとは反対側に折り返されたのち互いに内側へ向かってかつ折曲部48Aと平行に折り返されている。つまり、上面に開口を有しかつ内部に空間を有する差込部54によって形成されている。
<第2取付具の説明(図6参照)>
第2取付具60は、全体が弾性を有する材料、例えば、メッキ鋼板、ステンレス材、アルミ材、樹脂材などの板材の折り曲げ加工によって形成され、連結片61と、この連結片61の両側に一体的に折曲形成され他方の化粧柱部材20の被挟持部28を弾性的に挟持する弾性挟持部としての一対の弾性挟持片65とを備える。
連結片61の上下位置には、第1取付具40の係合部51に着脱可能に係合される被係合部62が切り起こし形成されている。
被係合部62は、連結片61にU字状の切込溝63が形成され、その切込溝63で囲まれた内側部分が弾性挟持片65とは反対側に折り返されたのち下方へ直角に折り返された差込片64によって形成されている。つまり、被係合部62は、柱芯材10の長手方向へスライドすることにより、差込部54に対して抜差可能な差込片64によって形成されている。
一対の弾性挟持片65は、他方の化粧柱部材20の被挟持部28を構成する第1被挟持面28Aおよび第2被挟持面28Bを弾性的に挟持するもので、連結片61の両側から同じ方向へ略直角に折曲されたのち、先端部分が互いに内側へ斜めに折り返されている。つまり、被係合部62が第1取付具40の係合部51に係合された際に一方の化粧柱部材20の接合面20A側に位置して、一対の弾性挟持片65が設けられている。連結片61の両側から略直角に折曲された折曲部65Aにおいて、上下方向に間隔を隔てた3箇所には、U字状の切込溝66が形成され、その切込溝66で囲まれた内側部分が内側へ斜めに折り返されたズレ防止片67が形成されている。ズレ防止片67は、他方の化粧柱部材20が柱芯材10から外されたとき、化粧柱部材20から第2取付具60がずれる(落下する)のを防止する役目を果たす。
<化粧柱構造の施工方法の説明(図7〜図9参照)>
施工にあたっては、一方の化粧柱部材20の被挟持部28に第1取付具40の弾性挟持部46を差し込んで、第1取付具40を一方の化粧柱部材20に装着する。
まず、図7に示すように、第1取付具40の第1挟持爪47Bおよび第2挟持爪48Bが化粧柱部材20の被挟持部28を挟む姿勢で、第1取付具40を化粧柱部材20の被挟持部28に差し込む。すると、第1取付具40の第1挟持爪47Bおよび第2挟持爪48Bは、化粧柱部材20の被挟持部28によって互いに離れる方向へ弾性変形されながら差し込まれる。やがて、第1挟持爪47Bの先端が凹部21の内側面21Bに形成された第1被挟持面28Aに達すると、第1挟持爪47Bは弾性復帰して第1被挟持面28Aに係合される。
これを、化粧柱部材20の凹部21を挟む両側の被挟持部28について、化粧柱部材20の長手方向約1m間隔おきに、第1取付具40の装着作業を行う。これにより、第1取付具40の第1弾性挟持片47および第2弾性挟持片48が化粧柱部材20の被挟持部28を挟持した状態で、第1取付具40が化粧柱部材20に装着される。
この状態の化粧柱部材20を、凹部21を柱芯材10に向けて嵌め込む。すると、第1取付具40の固定部43および第1弾性挟持片47が柱芯材10の対向する側面に沿って所定位置まで差し込まれる。この状態において、ビス44を固定部43のビス挿通孔45に差し込み、柱芯材10にねじ込む。これにより、一方の化粧柱部材20が柱芯材10に取り付けられる。
次に、図8に示すように、第1取付具40の係合部51に第2取付具60の被係合部62を係合させる。すなわち、第2取付具60の差込片64を第1取付具40の差込部54の上方から下方へスライドさせて差し込む。
すると、図9に示すように、第2取付具60の一対の弾性挟持片65が、一方の化粧柱部材20の接合面20A側に位置されるから、この第2取付具60の一対の弾性挟持片65に他方の化粧柱部材20の被挟持部28を挟持させる。つまり、他方の化粧柱部材20の凹部21を柱芯材10に向けて嵌め込むと、他方の化粧柱部材20の被挟持部28が第2取付具60の一対の弾性挟持片65に挟持される。これにより、他方の化粧柱部材20が第1取付具40に取り付けられる。つまり、他方の化粧柱部材20が第2取付具60および第1取付具40を介して柱芯材10に取り付けられる。
この状態では、化粧柱部材20が外れにくく、かつ、化粧柱部材20の嵌め込み方向(化粧柱部材20の凹部21深さ方向)に対して交差する方向に対してずれが生ずるのを防ぐことができる。
つまり、化粧柱部材20に外れる方向の力が作用した場合、第1弾性挟持片47が凹部21の内側面21Bと交差して形成された第1被挟持面28Aに当接するので、化粧柱部材20が外れるのが阻止される。
化粧柱部材20に嵌め込み方向(化粧柱部材20の凹部21深さ方向)に対して交差する方向の力が作用した場合、第2弾性挟持片48が接合面20Aと略直交して形成された第2被挟持面28Bに当接するので、化粧柱部材20が嵌め込み方向に対して交差する方向に対してずれるのが阻止される。
このようにして、柱芯材10に、第1取付具40および第2取付具60を介して、一対の化粧柱部材20を柱芯材10の外周を覆うように取り付けたのち、一対の化粧柱部材20の対向する接合面間の突き合わせ端部間にシーリング材70を充填し、止水処理を施す(図2参照)。
シーリング材70としては、湿式シーリング材と乾式シーリング材とがあるが、乾式シーリング材が好ましい。乾式シーリング材としては、シリコン系、ウレタン系、アクリル系などを採用することができる。なかでも、EPDM(エチレン・プロピレンゴム系)などの弾性シーリング材は好適に使用できる。
<化粧柱構造の取り外し方法の説明(図10〜図11参照)>
化粧柱部材20を柱芯材10から取り外すには、次のようにして行う。
まず、図10に示すように、他方の化粧柱部材20を柱芯材10の長手方向に沿って上方へ持ち上げると、第2取付具60の差込片64が第1取付具40の差込部54から外れるから、このまま他方の化粧柱部材20を柱芯材10や一方の化粧柱部材20から離れる方向へ外せば、他方の化粧柱部材20を柱芯材10から取り外すことができる。
次に、図11に示すように、第1取付具40を柱芯材10に固定しているビス44を外す。すると、第1取付具40が柱芯材10から取り外すことができるから、このまま、一方の化粧柱部材20を柱芯材10から離れる方向へ外せば、他方の化粧柱部材20を柱芯材10から取り外すことができる。
<実施形態の効果>
(1)一方の化粧柱部材20を第1取付具40により柱芯材10に取り付けたのち、第2取付具60を用いて、他方の化粧柱部材20を第1取付具40に取り付けることができるから、施工が簡易である。つまり、従来のように、一対の化粧カバー部材を保持しておかなくてもよく、化粧柱部材20を片側ずつ固定することができるから、施工が簡易である。
(2)第1取付具40を化粧柱部材20に装着するにも、第1取付具40の弾性挟持部46を化粧柱部材20の被挟持部28に差し込むだけで、第1取付具40を化粧柱部材20に装着することができるので、施工性をより高めることができる。
しかも、第1取付具40の弾性挟持部46は、化粧柱部材20の被挟持部28の第1被挟持面28Aを弾性的に挟持する第1弾性挟持片47と、被挟持部28の第2被挟持面28Bを弾性的に挟持する第2弾性挟持片48とを備えているから、化粧柱部材20が外れにくく、かつ、化粧柱部材20の嵌め込み方向(化粧柱部材20の凹部深さ方向)に対して交差する方向に対してずれにくい。
(3)また、第1取付具40の係合部51は、第2弾性挟持片48の折曲部48Aに形成されているから、第1取付具40を一方の化粧柱部材20に装着すると、係合部51が一方の化粧柱部材20の接合面20A側に位置するので、第2取付具60の被係合部62を係合部51に係合させやすい。
(4)第2取付具60を第1取付具40に取り付けるにも、第1取付具40の係合部51は、上面に開口を有しかつ内部に空間を有する差込部54によって形成され、第2取付具60の被係合部62は、柱芯材10の長手方向へスライドすることにより、差込部54に対して抜差可能な差込片64によって形成されているから、第2取付具60を柱芯材10の長手方向へスライドさせることにより、第2取付具60の被係合部62を第1取付具40の係合部51に係合させることができ、また、第1取付具40の係合部51から第2取付具60の被係合部62を外すにも、第2取付具60を柱芯材10の長手方向へスライドさせるだけでよいから、これらの係合、解除操作を極めて簡易に行うことができる。
(5)第2取付具60が、被係合部62を有する連結片61と、この連結片61の両側から同じ方向へ略直角に折曲された一対の弾性挟持片65を有する構造であるから、例えば、1枚の板材の両側を折り曲げて一対の弾性挟持片65を形成すれば、第2取付具60を製造することができる。従って、安価にかつ簡易に製造できる。
(6)また、第1取付具40に対して第2取付具60の係合を外せば、他方の化粧柱部材20を柱芯材10から外すことができ、次に、第1取付具40を柱芯材10から取り外せば、一方の化粧柱部材20も柱芯材10から外すことができるから、化粧柱部材20が破損や損傷した場合でも簡単に交換することができる。
(7)一対の化粧柱部材20の突き合わせ端部間にはシーリング材70が充填されているから、雨水などの浸入を確実に防ぐことができる。
なお、本発明は、前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良などは本発明に含まれる。
例えば、化粧柱部材20の形状は、半円形状に限らず、断面矩形状であってもよく、あるいは、これ以外の形状であってもよい。また、外形輪郭形状については、特に問わない。
また、第1取付具40において、第2弾性挟持片48の先端部内面側に、粗い表面処理を施したり、鋸歯状の突起などを形成して、化粧柱部材20の被挟持部28との摩擦抵抗を大きくすれば、より強固に化粧柱部材20を保持することができる。あるいは、第2弾性挟持片48が接する化粧柱部材20の被挟持部28に、第2弾性挟持片48の先端が嵌り込む溝などを形成しても、同様な効果が期待できる。
また、前記実施形態では、2枚の板材41,42を一体的に結合して第1取付具40を形成したが、これに限られない。例えば、1枚の板材を折り曲げ加工して第1取付具40を構成するようにしてもよい。
本発明は、ポーチ柱に利用できるほかに、例えば、バルコニの化粧柱など、一般の住宅に用いられる各種化粧柱の構造に適用できる。
本発明の一実施形態の住宅を示す斜視図。 同上実施形態におけるポーチ柱の断面図。 同上実施形態におけるポーチ柱の分解斜視図。 同上実施形態における化粧柱部材の端面図。 同上実施形態における第1取付具の斜視図。 同上実施形態における第2取付具の斜視図。 同上実施形態において、一方の化粧柱部材を取り付ける際の斜視図。 同上実施形態において、第1取付具に第2取付具を取り付ける際の斜視図。 同上実施形態において、他方の化粧柱部材を取り付ける際の斜視図。 同上実施形態において、他方の化粧柱部材を外す際の斜視図。 同上実施形態において、一方の化粧柱部材を外す際の斜視図。
符号の説明
10…柱芯材、
20…化粧柱部材、
21…凹部、
28…被挟持部、
28A…第1被挟持面、
28B…第2被挟持面、
40…第1取付具、
43…固定部、
46…弾性挟持部、
47…第1弾性挟持片、
47A…延長部、
47B…第1挟持爪、
48…第2弾性挟持片、
48A…折曲部、
48B…第2挟持爪、
51…係合部、
54…差込部、
60…第2取付具、
61…連結片、
62…被係合部、
64…差込片、
65…弾性挟持片(弾性挟持部)
70…シーリング材。

Claims (7)

  1. 柱芯材と、この柱芯材の長手方向に沿った接合面を有しかつ柱芯材の外周を互いに向かい合って覆う一対の化粧柱部材と、この一方の化粧柱部材を前記柱芯材に取り付ける第1取付具と、前記他方の化粧柱部材を前記第1取付具に取り付ける第2取付具とを備え、
    前記化粧柱部材は、互いに対向する接合面に形成され前記柱芯材の少なくとも一部を収納する凹部と、この凹部と接合面との間に形成された被挟持部とを有し、
    前記第1取付具は、前記一方の化粧柱部材の被挟持部を弾性的に挟持する弾性挟持部と、この弾性挟持部が前記一方の化粧柱部材の被挟持部を挟持した状態において前記柱芯材に固定される固定部と、この固定部が前記柱芯材に固定された際に前記一方の化粧柱部材の接合面側に位置して設けられた係合部とを有し、
    前記第2取付具は、前記第1取付具の係合部に着脱可能に係合される被係合部と、この被係合部が前記第1取付具の係合部に係合された際に前記一方の化粧柱部材の接合面側に位置して設けられ前記他方の化粧柱部材の被挟持部を弾性的に挟持する弾性挟持部とを有する、ことを特徴とする化粧柱構造。
  2. 請求項1に記載の化粧柱構造において、
    前記係合部は、上面に開口を有しかつ内部に空間を有する差込部によって形成され、
    前記被係合部は、前記柱芯材の長手方向へスライドすることにより、前記差込部に対して抜差可能な差込片によって形成されている、ことを特徴とする化粧柱構造。
  3. 請求項1または請求項2に記載の化粧柱構造において、
    前記被挟持部は、前記凹部の内側面に形成されその内側面に対して交差する第1被挟持面と、前記接合面に形成されその接合面に対して略直交する第2被挟持面とを有し、
    前記第1取付具の前記弾性挟持部は、前記固定部から一体的に形成され前記第1被挟持面を弾性的に挟持する第1弾性挟持片と、前記固定部から一体的に形成され前記第2被挟持面を弾性的に挟持する第2弾性挟持片とを備える、ことを特徴とする化粧柱構造。
  4. 請求項3に記載の化粧柱構造において、
    前記第1弾性挟持片は、前記固定部から前記柱芯材と前記凹部との間に延長して形成された延長部と、この延長部の先端に前記第1被挟持面に向かって斜めに折曲された第1挟持爪とを有し、
    前記第2弾性挟持片は、前記固定部から略直角に折曲され前記一対の化粧柱部材の対向する接合面間に延びる折曲部と、この折曲部の先端から略直角に折曲げられたのち、外側に向かって折曲された第2挟持爪とを備える、ことを特徴とする化粧柱構造。
  5. 請求項4に記載の化粧柱構造において、
    前記係合部は、前記第2弾性挟持片の前記折曲部に形成されている、ことを特徴とする化粧柱構造。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれかに記載の化粧柱構造において、
    前記第2取付具は、前記被係合部を有する連結片と、この連結片の両側から同じ方向へ略直角に折曲され前記第1被挟持面および前記第2被挟持面を弾性的に挟持する一対の弾性挟持片とを備える、ことを特徴とする化粧柱構造。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれかに記載の化粧柱構造において、
    前記一対の化粧柱部材の対向する接合面間には、シーリング材が充填されている、ことを特徴とする化粧柱構造。
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