JP5001777B2 - 車両用エアバッグ装置 - Google Patents
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Description
図5に示すように、このエアバッグ装置A´は、折り畳んだエアバッグ33をカバー体31に収容するとともに、カバー体31に設けたクリップ36(係止部)をルーフサイドレール30の孔30aに挿入することで組み付けている。
このエアバッグ装置A´によれば、例えば、ボルト等でカバー体31を組み付けるものと比較して、カバー体31をルーフサイドレール30側に押し付けることで容易に組み付けることができるので、組み付けに要する作業時間の短縮化を図ることができる。
したがって、従来のエアバッグ装置A´と比較して、車体側への組み付けが更に容易な車両用エアバッグ装置が望まれていた。
この車両用エアバッグ装置では、作業者がこれをルーフサイドレールに組み付ける際に、車内側から荷重伝達部を車外側(ルーフサイドレール側)に向かって押し付けることとなる。そして、加えられた押付荷重は、荷重伝達部を介して係止部に効率よく伝達される。
したがって、この車両用エアバッグ装置によれば、従来のエアバッグ装置(例えば、特許文献1参照)のように折り畳んだエアバッグを収容したカバー体を介して荷重を加えるものと異なって、カバー体が扁平に変形することもないので、押付ストロークのロスや押付荷重のロスを生じることがない。その結果、本発明の車両用エアバッグ装置によれば、従来の車両用エアバッグ装置と比較して、ルーフサイドレールへの組み付けが容易になる。
また、この車両用エアバッグ装置では、作業者がこれをルーフサイドレールに組み付ける際に、係止部がエアバッグを収容するカバー体の上方に位置することとなるので、従来のエアバッグ装置(例えば、特許文献1参照)と異なって、ルーフサイドレールに対する係止部の位置を確認する際に、折り畳んだエアバッグが邪魔をすることもない。したがって、本発明の車両用エアバッグ装置によれば、従来のエアバッグ装置と比較して、ルーフサイドレールに対する係止部の位置を視認し易くなるので、ルーフサイドレールへの組み付けが容易になる。
この車両用エアバッグ装置では、副係止部は、カバー体の接続壁よりも下方に配置されている。その一方で、車幅は接続壁よりも下方になるほど広がるので、接続壁よりも下方に配置される副係止部は、カバー体よりも車外側に離れて位置することとなる。したがって、ルーフサイドレールにこの車両用エアバッグ装置を組み付ける際に、カバー体の車内側の対向壁に荷重を加えたとしても、この荷重が副係止部に効率よく伝達され難い。しかしながら、この車両用エアバッグ装置では、副係止部の車内側に指入れ部を有しているので、この指入れ部を介して副係止部の車内側に荷重を加えることで、荷重は、副係止部に効率よく伝達される。
なお、以下の説明において、前後上下の方向は、車両の前後上下の方向と一致しており、前後上下の方向は、図1に示す各方向を基準としている。
このようなカバー体1は、図2に示すように、一対の対向壁10,10と、対向壁10,10同士をそれらの上端で接続する接続壁11とを有しており、断面視で略コの字状を呈している。
このようなエアバッグ3は、展開前の通常時には、図2に示すように、蛇腹状に折り畳まれてカバー体1に収容されている。そして、エアバッグ3は、カバー体1の長手方向(図2の紙面に対して垂直方向)の適所に複数箇所設けられた帯状体8で結束されることによって、カバー体1内で折り畳まれた状態が維持されている。
なお、エアバッグ3を収容したカバー体1は、これらの車内側に配置された図示しないルーフガーニッシュおよびピラーガーニッシュによって覆われることとなる。そして、エアバッグ3の展開時には、帯状体8が破断するとともに、前記したガーニッシュが外れることによって、エアバッグ3は、前記したように、ルーフサイドレール20側から下方に向けてカーテン状に展開することとなる。
図1に示すように、荷重伝達部12は、カバー体1の長手方向の適所に設けられており、本実施形態では、前記したブラケット5,5,5の間に2箇所設けられている。これらの荷重伝達部12,12は、それぞれの構造が同一であるので、ここでは、車両Mの前側の荷重伝達部12について説明する。
この荷重伝達部12は、図3(a)に示すように、カバー体1の接続壁11上に並んで立設された3つのリブ12a,12a,12aと、車内側壁12bと、車外側壁12cとで主に構成されている。リブ12a,12a,12aは、車内側から車外側に向かって延設されている。そして、車内側壁12bは、リブ12a,12a,12aの車内側の端部を接続するようにカバー体1の長手方向に沿って延設されており、車外側壁12cは、リブ12a,12a,12aの車外側の端部を接続するようにカバー体1の長手方向に沿って延設されている。これらのリブ12a,12a,12a、車内側壁12b、および車外側壁12cは、カバー体1と一体成形されたものである。
クリップ6は、図3(b)に示すように、ルーフサイドレール20の孔20aに挿入して、カバー体1をルーフサイドレール20に取り付けるものである。このクリップ6は、断面視で孔20aよりも幅が狭い車外側壁12c側の基端部6aと、孔20aよりも幅が広い中間部6bと、中間部6bから徐々に幅を狭めて孔20aよりも幅が狭い先端部6cとで構成されている。そして、本実施形態でのクリップ6は、中空になっており、中間部6bは、孔20aの幅よりも狭くなるように弾性変形可能となっている。本実施形態でのクリップ6は、車外側壁12cと一体成形されたものである。
図1に示すように、Bピラー22上およびCピラー23の上方で、上に凸となるように屈曲しているカバー体1部分では、その接続壁11(図2参照)が他のカバー体1部分の接続壁11よりも上方に位置することとなる。
そして、Bピラー22側でカバー体1部分が組み付けられるルーフサイドレール20の車内側の面は、図4(a)に示すように、カバー体1よりも下方に向かうほどカバー体1から車外側に遠ざかるように傾斜している。
そして、この副クリップ7の車内側には、屈曲するブラケット13で隔てられる車内側の空間として指入れ部13bが形成されている。
ちなみに、ここでのカバー体1は、接続壁11の下方にインフレータ4(図1参照)の配管4aを通す空間を確保するために、カバー体1の一対の対向壁10,10が、他のカバー体1部分(図2参照)よりも下方に長く形成されている。
そして、この副クリップ7の車内側には、ブラケット14で区画される車内側の空間として指入れ部14bが形成されている。
この車両用エアバッグ装置Aでは、図3(b)に示すように、ルーフサイドレール20の孔20aにクリップ6を挿入する際に、クリップ6は、カバー体1の上方に設けられた荷重伝達部12の車外側壁12cから突出するように設けられるので、エアバッグ3を収容するカバー体1の上方に位置することとなる。つまり、この車両用エアバッグ装置Aでは、図5に示す従来のエアバッグ装置A´と異なって、ルーフサイドレール20の孔20aに対するクリップ6の位置を確認する際に、折り畳んだエアバッグ3が邪魔をすることもない。したがって、この車両用エアバッグ装置Aによれば、従来のエアバッグ装置A´と比較して、ルーフサイドレール20の孔20aに対するクリップ6の位置を視認し易くなるので、ルーフサイドレール20への組み付けが容易になる。
したがって、この車両用エアバッグ装置Aによれば、図5に示す従来のエアバッグ装置A´のように折り畳んだエアバッグ33を収容したカバー体31を介して押付荷重を加えるものと異なって、カバー体1が扁平に変形することもないので、押付ストロークのロスや押付荷重Fのロスを生じることがない。その結果、この車両用エアバッグ装置Aによれば、従来のエアバッグ装置A´と比較して、ルーフサイドレール20への組み付けが容易になる。
前記実施形態では、荷重伝達部12が、カバー体1の接続壁11上に立設されたリブ12a,12a,12aと、車内側壁12bと、車外側壁12cとで主に構成されているが、本発明は荷重伝達部12が中実のブロック状のものであってもよい。
前記実施形態では、クリップ6および副クリップ7が中空部材で形成されているが、本発明は弾性材料からなる中実のものであってもよい。
3 エアバッグ
6 クリップ(係止部)
7 副クリップ(副係止部)
10 対向壁
11 接続壁
12 荷重伝達部
20 ルーフサイドレール
21 フロントピラー
A 車両用エアバッグ装置
M 車両
F 押付荷重(荷重)
Claims (2)
- 互いに略平行な一対の対向壁と前記一対の対向壁同士を接続する接続壁とを有する下方に開口した断面視で略コの字状のカバー体と、
前記カバー体に折り畳まれて収容されるエアバッグと、
前記接続壁上に設けられて車内側から車外側へ荷重を伝達する荷重伝達部と、
前記荷重伝達部の車外側に配置される係止部と、を備え、
前記荷重伝達部は、前記接続壁上で、車内側から車外側に向かって延設されるリブと、
前記リブの車内側の端部と接続するように前記カバー体の長手方向に延設される車内側壁と、
前記リブの車外側の端部と接続するように前記カバー体の長手方向に延設される車外側壁と、により構成され、
前記係止部は、前記車外側壁に配置されていることを特徴とする車両用エアバッグ装置。 - 前記接続壁の下方に配置される副係止部を更に備えるとともに、前記副係止部の車内側には指入れ部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用エアバッグ装置。
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