JP5001713B2 - モータトルク測定方法及びモータトルク測定装置 - Google Patents

モータトルク測定方法及びモータトルク測定装置 Download PDF

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Description

本発明はモータトルク測定方法及びモータトルク測定装置に係り、特に直流モータのトルクをモータ特性値として測定するモータトルク測定方法及びモータトルク測定装置に関する。
永久磁石型直流モータなど各種の直流モータのトルクを調べることは、モータの性能を評価する上で重要である。
従来、直流モータのトルク測定は、モータの出力軸に負荷を与えながらモータ電流値と出力軸の角速度(すなわち、回転速度)、そして負荷トルクを測定することで行われていた。
図11に、従来のモータトルク測定装置を示す。この図に示すように、モータMの出力軸はカップリング101を介してトルク計102の回転軸の一端側に接続され、トルク計102の回転軸の他端側はカップリング103を介してブレーキ装置104に接続される。モータMに電圧を印加して起動した後、ブレーキ装置104によりモータMの出力軸にゼロからモータがロックするまで負荷を変えながら与え、トルク計102によりそのときにモータMが発生するトルクを測定する。
測定結果は、通常、図12に示すトルク−角速度特性やトルク−電流特性などの垂下特性としてまとめられる。この図に示すグラフにおいて、左縦軸は出力軸の角速度(すなわち、回転速度)を、右縦軸はモータMに流れる電流値を、横軸はモータのトルクを示している。トルク−角速度特性は通常、図中(a)のような右下がりの直線として、トルク−電流特性は通常、図中(b)のような右上がりの直線として表される。
この従来の方法では、トルク測定のためにトルク計とブレーキ装置が必須であり、このため設備費が高価となる。また、モータMの出力軸にトルク計等を連結する作業が必要であったり、モータMへの負荷を変えながら測定を行ったりする必要があるため、測定完了まで時間がかかる。
そこで、この従来の方法の改良として、トルク計やブレーキ装置を必要としない特性測定装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
この測定装置によれば、モータのシャフトにディジタル回転エンコーダを取り付けている。そして、ディジタル回転エンコーダによって生成される連続した論理状態に関連したそれぞれの時間的な周期を別々に測定し、連続した論理状態に関連したそれぞれの該時間周期を加え合わせ、ディジタル回転エンコーダによって生成した論理状態の連続した対の累積された経過時間間隔を導き、これによってシャフトの角度的な回転またはその関数を導き得るようにしている。
特開2001−324395号公報
しかしながら、この従来の測定装置でも、ディジタル回転エンコーダが必須であるため、トルク測定装置が高価になるとともに測定にある程度の時間を要するため迅速な測定が困難であった。特に、直流モータの生産ライン内で自動的にトルク測定を行う際は、モータの出力軸にディジタル回転エンコーダを連結する必要があり、高速測定の際に障害となるという不都合があった。
本発明の目的は、上記課題に鑑み、直流モータのトルクを安価な構成で高速に測定することが可能なモータトルク測定方法及びモータトルク測定装置を提供することにある。
前記課題は、本発明のモータトルク測定方法によれば、回転するロータを備えたブラシ付き直流モータのトルクを測定するモータトルク測定方法であって、電源によりモータに起動電圧を印加して起動する起動ステップと、前記起動後から前記モータが無負荷で定常回転するまでの間に前記モータに流れる起動電流の波形を起動電流波形として測定する起動電流波形測定ステップと、前記モータが無負荷で定常回転している間に前記モータに流れる無負荷電流の波形を無負荷電流波形として測定する無負荷電流波形測定ステップと、前記起動電圧の印加を停止した直後に前記モータから発生する誘起電圧の波形を誘起電圧波形として測定する誘起電圧波形測定ステップと、前記各ステップで得られた各波形に基づいて前記モータのトルクを演算するトルク演算ステップを行い、該トルク演算ステップは、前記起動電流波形のうち前記起動電流のピーク値以降の減衰部の電流波形、前記無負荷電流波形及び前記誘起電圧波形に基づいて、前記モータの角速度−時間特性を算出する角速度−時間特性算出工程と、前記起動電流波形のうち前記減衰部の波形から機械的時定数を算出し、該機械的時定数に基づいて前記ロータの慣性モーメントを算出する慣性モーメント算出工程と、前記角速度−時間特性と前記慣性モーメントに基づいてトルク−時間特性を算出するトルク−時間特性算出工程と、を行うことにより解決される。
本発明のモータトルク測定方法によれば、起動電流のピーク値以降の減衰部の電流波形から角速度や慣性モーメントを算出している。この減衰部は、モータの電気的時定数の範囲を含まない機械的時定数の範囲であり、この範囲の電流波形から演算によりモータの角速度、慣性モーメント、そしてトルクを算出することができる。
このように、モータの電流と電圧を測定し、これらの波形のみに基づいてトルクを算出することができるため、従来の測定方法のようにトルク計や回転エンコーダなどを設け、これらをモータの出力軸に取り付ける必要がない。
この場合、前記角速度−時間特性算出工程は、前記無負荷電流波形測定ステップで測定された前記無負荷電流波形に基づいて無負荷電流値及び無負荷角速度を算出する無負荷電流値・角速度算出工程と、前記起動電流波形測定ステップで得られた前記起動電流波形の前記ピーク値の電流値に基づいて前記モータのロック時電流値及びロック時角速度を算出するロック時電流値・角速度算出工程と、前記誘起電圧波形測定ステップで得られた前記誘起電圧と前記無負荷電流値・角速度算出工程で得られた前記無負荷角速度に基づいて誘起電圧定数を算出する誘起電圧定数算出工程と、前記無負荷電流値、前記無負荷角速度、前記ロック時電流値、前記ロック時角速度及び前記誘起電圧定数に基づいて前記モータの巻線抵抗及び電源電圧−ブラシ部降下電圧を算出する巻線抵抗等算出工程と、前記巻線抵抗、前記電源電圧−ブラシ部降下電圧及び前記誘起電圧定数と、前記減衰部の波形とに基づいて、前記角速度−時間特性を算出することが好ましい。
さらにこの場合、前記無負荷電流値・角速度算出工程は、前記無負荷時の電流値の平均値又は実効値を前記無負荷時電流値とするとともに、前記無負荷電流波形を周波数解析して得られた周波数−電流特性に基づいて前記無負荷角速度を算出することが好ましい。
また、前記ロック時電流値・角速度算出工程は、前記起動電流のピーク時における電流値を前記ロック時電流値とするとともに、前記ロック時角速度をゼロとすることが好ましい。
また、前記誘起電圧定数算出工程は、下記式(1)
=V/ω ・・・式(1)
(ここで、K:誘起電圧定数、V:誘起電圧、ω:無負荷角速度である。)に基づいて前記誘起電圧定数を算出することが好ましい。
さらに、前記巻線抵抗等算出工程は、下記式(2)、(3)
ω=(V/K)−(R/K)・I ・・・式(2)
ω=(V/K)−(R/K)・I ・・・式(3)
(ここで、ω:無負荷角速度、I:無負荷電流値、V:電源電圧−ブラシ部降下電圧、K:誘起電圧定数、R:巻線抵抗、ω:ロック時角速度、I:ロック時電流値である。)に基づいて前記電源電圧−ブラシ部降下電圧を算出することが好ましい。
また、前記角速度−時間特性算出工程は、下記式(4)
ω=(V/K)−(R/K)・I ・・・式(4)
(ここで、ω:角速度、V:電源電圧−ブラシ部降下電圧、K:誘起電圧定数、R:巻線抵抗、I:電流値である。)に基づいて角速度−電流値特性を算出し、前記起動電流波形と前記角速度−電流値特性に基づいて前記角速度−時間特性を算出することが好ましい。
さらに、前記慣性モーメント算出工程は、下記式(5)
J=τ・K・K/R ・・・式(5)
(ここで、J:慣性モーメント、τ:機械的時定数、K:トルク定数、K:誘起電圧定数、R:巻線抵抗である。)に基づいて前記慣性モーメントを算出すると好適である。
さらにまた、前記トルク−時間特性算出工程は、下記式(6)
T=J・dω/dt ・・・式(6)
(ここで、T:トルク、J:慣性モーメント、dω/dt:角加速度である。)に基づいて前記トルク−時間特性を算出することが好ましい。
前記課題は、本発明のモータトルク測定装置によれば、回転するロータを備えたブラシ付き直流モータのトルクを測定するモータトルク測定装置であって、モータに起動電圧を印加して起動する電源と、前記起動後から前記モータが無負荷で定常回転するまでの間に前記モータに流れる起動電流の波形を起動電流波形として測定する起動電流波形計測部と、前記モータが無負荷で定常回転している間に前記モータに流れる無負荷電流の波形を無負荷電流波形として測定する無負荷電流波形計測部と、前記起動電圧の印加を停止した直後に前記モータから発生する誘起電圧波形を測定する誘起電圧波形計測部と、前記各測定部で得られた各波形に基づいて前記モータのトルクを算出するトルク演算部とを備え、該トルク演算部は、前記起動電流波形のうち前記起動電流のピーク値以降の減衰部の電流波形、前記無負荷電流波形及び前記誘起電圧波形に基づいて、角速度−時間特性を算出する角速度−時間特性算出手段と、前記起動電流波形のうち前記減衰部の波形から機械的時定数を算出し、該機械的時定数に基づいて前記ロータの慣性モーメントを算出する慣性モーメント算出手段と、前記角速度−時間特性と前記慣性モーメントに基づいてトルク−時間特性を算出するトルク−時間特性算出手段と、を備えることにより解決される。
このように、起動電流のピーク値以降の減衰部の電流波形から角速度や慣性モーメントを算出している。この減衰部は、モータの電気的時定数の範囲を含まない機械的時定数の範囲であり、この範囲の電流波形から演算によりモータの角速度、慣性モーメント、そしてトルクを算出することができる。したがって、従来の測定装置のようにトルク計などを設ける必要がない。
この場合、前記角速度−時間特性算出手段は、前記無負荷電流波形計測部で測定された前記無負荷電流波形に基づいて無負荷電流値及び無負荷角速度を算出する無負荷電流値・角速度算出手段と、前記起動電流波形計測部で測定された前記起動電流波形の前記ピーク値の電流値に基づいて前記モータのロック時電流値及びロック時角速度を算出するロック時電流値・角速度算出手段と、前記誘起電圧波形測定ステップで得られた前記誘起電圧と前記無負荷電流値・角速度算出手段で得られた前記無負荷角速度に基づいて誘起電圧定数を算出する誘起電圧定数算出手段と、前記無負荷電流値、前記無負荷角速度、前記ロック時電流値、前記ロック時角速度及び前記誘起電圧定数に基づいて前記モータの巻線抵抗及び電源電圧−ブラシ部降下電圧を算出する巻線抵抗等算出手段と、前記巻線抵抗、前記電源電圧−ブラシ部降下電圧及び前記誘起電圧定数と、前記減衰部の電流波形とに基づいて、前記角速度−時間特性を算出する角速度−時間特性算出手段を有することが好ましい。
さらにこの場合、前記無負荷電流値・角速度算出手段は、前記無負荷時の電流値の平均値又は実効値を前記無負荷時電流値とするとともに、前記無負荷電流波形を周波数解析して得られた周波数−電流特性に基づいて前記無負荷角速度を算出することが好ましい。
また、前記ロック時電流値・角速度算出手段は、前記起動電流のピーク時における電流値を前記ロック時電流値とするとともに、前記ロック時角速度をゼロとすることが好ましい。
また、前記誘起電圧定数算出手段は、下記式(1)
=V/ω ・・・式(1)
(ここで、K:誘起電圧定数、V:誘起電圧、ω:無負荷角速度である。)に基づいて前記誘起電圧定数を算出することが好ましい。
さらに、前記巻線抵抗等算出手段は、下記式(2)、(3)
ω=(V/K)−(R/K)・I ・・・式(2)
ω=(V/K)−(R/K)・I ・・・式(3)
(ここで、ω:無負荷角速度、I:無負荷電流値、V:電源電圧−ブラシ部降下電圧、K:誘起電圧定数、R:巻線抵抗、ω:ロック時角速度、I:ロック時電流値である。)に基づいて前記電源電圧−ブラシ部降下電圧を算出することが好ましい。
また、前記角速度−時間特性算出手段は、下記式(4)
ω=(V/K)−(R/K)・I ・・・式(4)
(ここで、ω:角速度、V:電源電圧−ブラシ部降下電圧、K:誘起電圧定数、R:巻線抵抗、I:電流値である。)に基づいて角速度−電流値特性を算出し、前記起動電流波形と前記角速度−電流値特性に基づいて前記角速度−時間特性を算出することが好ましい。
さらに、前記慣性モーメント算出手段は、下記式(5)
J=τ・K・K/R ・・・式(5)
(ここで、J:慣性モーメント、τ:機械的時定数、K:トルク定数、K:誘起電圧定数、R:巻線抵抗である。)に基づいて前記慣性モーメントを算出すると好適である。
さらにまた、前記トルク−時間特性算出手段は、下記式(6)
T=J・dω/dt ・・・式(6)
(ここで、T:トルク、J:慣性モーメント、dω/dt:角加速度である。)に基づいて前記トルク−時間特性を算出することが好ましい。
本発明のモータトルク測定方法やモータトルク測定装置によれば、起動電流のピーク値以降の減衰部の電流波形と電圧波形のみに基づいてトルクを演算により算出することができる。このため、従来の測定方法や測定装置で必要であったトルク計、ブレーキ装置、回転エンコーダなどの装置が不要となり、電流と電圧の測定のみでモータの特性値を測定することができる。したがって、モータ特性値の測定を安価で高速に行うことができる。
以下、本発明の一実施形態について、図を参照して説明する。なお、以下に説明する部材、配置等は、本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨に沿って各種改変することができることは勿論である。
図1〜図10は本発明の一実施形態に係るモータトルク測定装置の説明図であり、図1はモータトルク測定装置の全体構成を示すブロック図、図2はモータトルク測定の流れを示すフローチャート、図3は起動電流波形を示すグラフ、図4は無負荷電流波形を示すグラフ、図5は誘起電圧波形を示すグラフ、図6は無負荷電流波形を周波数解析した結果を示すグラフ、図7は角速度の時間特性を示すグラフ、図8は角加速度の時間特性を示すグラフ、図9はトルク−角速度特性を示すグラフ、図10はトルク−電流特性を示すグラフである。
本発明のモータトルク測定方法やモータトルク測定装置は、モータの電流波形と電圧波形を測定することのみにより、トルク計などの特別な装置を用いなくてもモータの角速度、慣性モーメント、トルクを演算により推定することができる点を特徴としている。
そして、この推定は、モータの電流波形として、起動電流のピーク値以降から定常電流になるまでの減衰部の電流波形を用いることで実現できる。
まず、図1を参照してモータトルク測定装置1について説明する。
本実施形態のモータトルク測定装置1は、モータMに電力を供給する電源3と、電源3とモータMとの間でオン/オフを切り換えるスイッチ2と、モータMに流れる電流値を検知する電流センサ4と、モータMのトルクを演算するコントローラ5と、を主要な構成要素として備えている。
本実施形態でトルク測定の対象となるモータMは、出力軸と、この出力軸を固定して回転するロータと、このロータを回転させるステータを備えた公知の構造のブラシ付き直流モータ(DCブラシモータ)である。
電源3は、モータMの端子に配線を介して接続され、モータMに一定の電圧を印加できるように構成されている。モータMと電源3との間にはオン・オフの切替え可能なスイッチ2が設けられている。スイッチ2は自動又は手動でオン・オフの切替えができるようになっている。スイッチ2がオフのときはモータMに電圧が印加されずモータMのロータは回転しないが、スイッチ2がオンになるとモータMに電圧が印加されてロータが回転する。
電流センサ4は、モータMと電源3との間の配線に直列に設けられている。電流センサ4は、モータMに流れる電流を検知し、その電流値に応じた信号を出力するセンサである。本実施形態の電流センサ4には、OPアンプ、A/D変換部、抵抗が設けられており、モータMに直列接続された抵抗の両端の電圧をOPアンプで増幅し、A/D変換部でデジタル信号に変換して出力するよう構成されている。電流センサ4は、コントローラ5の電流計測部5bに接続されており、A/D変換部で変換されたデジタル信号が電流計測部5bに送信される。
コントローラ5は、モータMに印加される電圧を計測する電圧計測部5aと、電流センサ4で検知された電流値からモータMに流れる電流を計測する電流計測部5bと、電圧計測部5a、電流計測部5bで計測された値に基づいてトルクを演算する演算部5cと、演算部5cで演算された結果を出力する出力部5dと、を主要な構成要素としている。
電圧計測部5aは、モータMの電圧を測定する手段である。電圧計測部5aは、モータMと電源3の間に並列に接続され、電源3からモータMに印加される電圧や、モータMで発生する誘起電圧を測定することができる。
なお、電圧計測部5aは、本発明の誘起電圧波形計測部に相当する。
電流計測部5bは、電流センサ4に接続され、モータMに流れる電流を測定するための手段である。電流計測部5bは、電流センサ4から出力された電流値のデジタル信号を処理し、モータMに流れる電流を測定することができる。
なお、電流計測部5bは、本発明の起動電流波形計測部と無負荷電流波形計測部に相当する。
演算部5cは、電圧計測部5aで測定された電圧と電流計測部5bで測定された電流に基づいて、モータMのトルクなどの特性を演算する手段である。
演算部5cは、DSPやCPUなどの演算装置と、メモリなどの記憶装置などで構成されている。メモリには、モータMのトルク等の特性を算出するモータ特性算出プログラムが格納されており、演算装置はモータ特性算出プログラムを実行してトルクなどのモータ特性値を算出する。また、メモリには、演算結果を一時的に記憶できるように構成されている。モータ特性算出プログラムの詳細については、後述する。
なお、演算部5cは、本発明のトルク演算部に相当する。
出力部5dは、演算部5cと接続され、演算部5cで演算された結果をコントローラ5の外部に出力する手段である。出力部5dには、図示しないモニタなどの表示装置が接続され、演算部5cでの演算結果を表示できるようになっている。
次に、図2のフローチャートに基づいて、本発明のモータトルク測定装置1を用いてモータ特性値を測定する手順を説明する。
モータトルク測定装置1は、モータMに流れる電流と電圧を測定し、この測定結果に基づいて演算部5cのモータ特性算出プログラムを実行し、モータMの負荷トルクを算出する。
まず、図1のモータトルク測定装置1において、電流センサ4で検知される電流値を電流計測部5bでモニタし、モータMに流れる電流の電流値を計測する。電流値の計測は、スイッチ2をオンする前から開始する(ステップS1)。
電流値の測定を開始した後、スイッチ2をオンにしてモータMに電源3から起動電圧を印加する(ステップS2:起動ステップ)。モータMが定常回転になるまで電流値の計測をそのまま継続し、モータMの回転が一定(定常回転)になったら電流値の測定を一旦終了する。
これにより、モータMの起動前後を含む期間でモータMに流れる電流の波形を計測することで、モータ起動時の起動電流波形を測定する(ステップS3:起動電流波形測定ステップ)。この結果、図3のグラフに示す起動電流波形(電流値−時間曲線)が得られる。
このとき、スイッチ2はオンになったままで、モータMは無負荷で定常回転を続けている。この定常回転における無負荷電流値を計測し、無負荷電流波形を測定する(ステップS4:無負荷電流波形測定ステップ)。この結果、図4のグラフに示す無負荷電流波形(電流値−時間曲線)が得られる。
その後、スイッチ2をオンにしたまま電圧測定を開始する(ステップS5)。電圧測定開始直後にスイッチ2をオフにして(ステップS6)、モータMの誘起電圧の測定を行い、モータMが停止したところで測定を終了する(ステップS7:誘起電圧波形測定ステップ)。この結果、図5のグラフに示す誘起電圧波形(モータ電圧−時間曲線)が得られる。
次に、モータMのトルクを演算するトルク演算ステップ(ステップS8〜S16)を行う。モータMのトルクの演算は、演算部5cのメモリに記憶されたモータ特性算出プログラムを演算装置が実行することで行われる。
一般に、直流モータでは、
1.電気的時定数が機械的時定数に比べて十分小さいこと
2.モータ軸の粘性抵抗が十分小さく無視できる程度であること
の前提がある場合、モータMに一定電圧を印加したときの速度起動特性は、1次遅れの応答となる。
なお、ここでいう機械的時定数の範囲とは、モータMへ電流を流した直後から電流値がピークになるまでの電気的時定数の範囲を除き、電流値のピーク値からモータが低速になるまでの時間をいう。上記前提が成立するモータMでは、図3に示すように、電気的時定数の範囲eは、機械的時定数の範囲mよりも十分に狭いことから、その影響を無視することができる。
そして、その時の機械的時定数τは、下記の式(5')で表される。
τ=J・R/K・K ・・・式(5')
(ここで、τ:機械的時定数、J:慣性モーメント、R:巻線抵抗、K:トルク定数、K:誘起電圧定数、である。)
また、起動時の電流波形でみると、ピーク値以降は、機械的時定数によってのみ電流波形が減衰し、電気的時定数による影響がほとんどない。このため、電流と角速度との関係は、巻線のインダクタンスの影響が無視できるぐらい小さい。
インダクタンスの影響をゼロと仮定すると、モータMの角速度と電流には、以下の式(4)に示す関係が成り立つ。
ω=(V/K)−(R/K)・I ・・・式(4)
(ここで、ω:角速度、V:電源電圧−ブラシ部降下電圧、K:誘起電圧定数、R:巻線抵抗、I:電流値である。)
本発明のトルク測定方法では、以上の前提が成立する場合に、モータMの電流と電圧からトルクを算出できることを利用している。具体的な演算手順は以下のとおりである。
まず、モータMのロック時(起動電流のピーク時)における電流値をI、このときの角速度をω、無負荷時の電流値をI、このときの角速度をωとしたとき、下記式(2)、(3)
ω=(V/K)−(R/K)・I ・・・式(2)
ω=(V/K)−(R/K)・I ・・・式(3)
(ここで、ω:無負荷角速度、I:無負荷電流値、V:電源電圧−ブラシ部降下電圧、K:誘起電圧定数、R:巻線抵抗、ω:ロック時角速度、I:ロック時電流値である。)の関係が成立する。
これら式(2)、(3)を連立方程式として、巻線抵抗Rと電源電圧−ブラシ部降下電圧Vを算出する。
そのために、まずステップS4で得られた無負荷電流波形(図4参照)から、無負荷電流値Iと無負荷角速度ωをそれぞれ算出する(ステップS8)。
具体的には、無負荷電流値Iは、図4の無負荷電流波形の平均値を算出することで求められる。なお、平均値の替わりに実効値を用いてもよい。
なお、モータMが無負荷で回転している状態では、電流値が小さいにもかかわらず高周波の電流リップルが大きいため、無負荷電流波形には不要なリップル成分を多く含んでいる。このため、無負荷電流値Iを正確に算出するには、このリップル成分を除去する必要がある。
そこで、本実施形態では、不要な高周波のリップルを除去するため、ローパスフィルタ処理を行っている。さらに、このような不要なリップルの影響を低減するため、無負荷電流波形の平均値又は実効値を無負荷電流値Iとしている。このような処理により、不要なリップル成分を極力減らし、無負荷電流値Iの誤差を小さくしている。
次に、無負荷角速度ωを算出する。本実施形態のようなブラシ付きモータでは、駆動電流にリップルが発生する。このリップルは、ブラシによる電流切替え時に発生するため、モータMの回転数(角速度)に比例した周波数を有している。このため、リップルの周波数から無負荷角速度ωを推定することができる。
無負荷角速度ωを得るには、まず図4に示す無負荷電流波形を高速フーリエ変換して周波数解析し、周波数−電流特性のグラフを得る(図6参照)。得られたグラフには複数のピークが存在するが、このうち最もピーク値の大きいピークがブラシによる電流切替え時に発生するリップルの周波数、すなわち無負荷角速度ωに比例した周波数であると判断し、このピークの周波数を取得する。最後に、得られた周波数の値にモータMの構造で決定される定数(比例定数)を乗じて無負荷角速度ωを算出する。
続いて、起動電流波形(図3参照)から、ロック時電流値Iとロック時角速度ωをそれぞれ算出する(ステップS9)。
ロック時電流値Iは、起動電流ピーク時の電流値(ピーク値)として求められる。また、ロック時にはモータMは回転していないため、ロック時角速度ωはゼロとなる。
次に、誘起電圧定数Kを算出する(ステップS10)。
誘起電圧定数K、誘起電圧V、無負荷角速度ωとの間には、以下の式(1)の関係式が成り立つ。
=V/ω ・・・式(1)
(ここで、K:誘起電圧定数、V:誘起電圧、ω:無負荷角速度である。)
ステップS7で測定した誘起電圧波形(図5参照)から、スイッチ2をオフにした直後の誘起電圧Vを算出し、これをステップS8で算出した無負荷角速度ωで除算して誘起電圧定数Kを算出する。
次に、ステップS8〜S10で算出した無負荷電流値I、無負荷角速度ω、ロック時電流値I、ロック時角速度ω、誘起電圧定数Kを式(2)、(3)に代入して連立方程式を解き、電源電圧−ブラシ部降下電圧V、巻線抵抗Rを算出する(ステップS11)。
続いて、ステップS11で得られた電源電圧−ブラシ部降下電圧V、巻線抵抗RとステップS10で得られた誘起電圧定数Kを、式(4)に代入し、角速度ωと電流値Iの関数を得る。
また、ステップS3で測定された起動電流波形のうちピーク値以降の減衰部における電流−時間特性に基づいて、式(4)から図7に示す角速度−時間特性のグラフを得る(ステップS12)。
以上のステップS8〜S12は、本発明の角速度−時間特性算出工程に相当する。なお、ステップS8〜S11の順序は、上述した順序に限定されず、任意の順で行うことができる。
続いて、ステップS12で得られた角速度−時間特性のグラフ(図7参照)から、機械的時定数τを算出する(ステップS13)。機械的時定数τは、モータMの定常角速度の63.2%の角速度に達した時間から求めることができる。
次に、モータMのロータの慣性モーメントJを算出する(ステップS14)。慣性モーメントJと機械的時定数τとの間には、上述した式(5')の関係が成り立つ。この式(5')を書き換えると、以下の式(5)となり、ロータの慣性モーメントJは、この式(5)から推定することができる。
J=τ・K・K/R ・・・式(5)
(ここで、J:慣性モーメント、τ:機械的時定数、K:トルク定数、K:誘起電圧定数、R:巻線抵抗である。)
ここで、誘起電圧定数K、巻線抵抗R、機械的時定数τは、それぞれステップS10、ステップS11、ステップS13で算出された値を用いる。
また、トルク定数Kは、誘起電圧定数Kと等しいため、ステップS10で算出された誘起電圧定数Kをトルク定数Kとする。
これらの定数を式(5)に代入して慣性モーメントJを算出する。
以上のステップS13、S14は、本発明の慣性モーメント算出工程に相当する。
続いて、ステップS12で得られた角速度−時間特性のグラフ(図7参照)を時間微分して角加速度−時間特性を算出する(ステップS15)。この結果、図8に示す角加速度−時間特性のグラフが得られる。
次に、モータMの負荷トルクを算出する(ステップS16)。負荷トルクと角加速度との間には、以下の式(6)が成立する
T=J・dω/dt ・・・式(6)
(ここで、T:トルク、J:慣性モーメント、dω/dt:角加速度である。)
ステップS14で得られた慣性モーメントJと、ステップS15で得られた角加速度−時間特性のグラフから、図9に示すトルク−角速度特性を算出する(ステップS16)。
また、トルク−角速度特性と式(4)に基づいて、図10に示すトルク−電流特性を算出することができる。
ただし、一般に、起動特性は細かな振動を伴うため、上記の測定値から回帰直線を求め、静的なトルク−角速度特性とトルク−電流特性とする。
以上のステップS15、S16が、本発明のトルク−時間特性算出工程に相当する。
以上のように、本発明のモータトルク測定方法やモータトルク測定装置によれば、従来の測定方法や測定装置で必要であったトルク計、ブレーキ装置、回転エンコーダなどの装置を用いる必要が無く、電流と電圧の測定のみでモータMの特性値を測定することができる。したがって、安価で高速にモータ特性値の測定を行うことができる。
モータトルク測定装置の全体構成を示すブロック図である。 モータトルク測定の流れを示すフローチャートである。 起動電流波形を示すグラフである。 無負荷電流波形を示すグラフである。 誘起電圧波形を示すグラフである。 無負荷電流波形を周波数解析した結果を示すグラフである。 角速度の時間特性を示すグラフである。 角加速度の時間特性を示すグラフである。 トルク−角速度特性を示すグラフである。 トルク−電流特性を示すグラフである。 従来のモータトルク測定装置の全体構成を示す説明図である。 トルク−角速度特性とトルク−電流特性を示すグラフである。
符号の説明
1‥モータトルク測定装置、2‥スイッチ、3‥電源、4‥電流センサ、5‥コントローラ、5a‥電圧計測部(誘起電圧波形計測部)、5b‥電流計測部(起動電流波形計測部、無負荷電流波形計測部)、5c‥演算部(トルク演算部)、5d‥出力部、M‥モータ、ω‥角速度(回転速度)、ω‥無負荷角速度、I‥無負荷電流値、ω‥ロック時角速度、I‥ロック時電流値、V‥電源電圧−ブラシ部降下電圧、K‥誘起電圧定数、R‥巻線抵抗、V‥誘起電圧、J‥慣性モーメント、τ‥機械的時定数、K‥トルク定数、I‥電流値

Claims (18)

  1. 回転するロータを備えたブラシ付き直流モータのトルクを測定するモータトルク測定方法であって、
    電源によりモータに起動電圧を印加して起動する起動ステップと、
    前記起動後から前記モータが無負荷で定常回転するまでの間に前記モータに流れる起動電流の波形を起動電流波形として測定する起動電流波形測定ステップと、
    前記モータが無負荷で定常回転している間に前記モータに流れる無負荷電流の波形を無負荷電流波形として測定する無負荷電流波形測定ステップと、
    前記起動電圧の印加を停止した直後に前記モータから発生する誘起電圧の波形を誘起電圧波形として測定する誘起電圧波形測定ステップと、
    前記各ステップで得られた各波形に基づいて前記モータのトルクを演算するトルク演算ステップを行い、
    該トルク演算ステップは、
    前記起動電流波形のうち前記起動電流のピーク値以降の減衰部の電流波形、前記無負荷電流波形及び前記誘起電圧波形に基づいて、前記モータの角速度−時間特性を算出する角速度−時間特性算出工程と、
    前記起動電流波形のうち前記減衰部の波形から機械的時定数を算出し、該機械的時定数に基づいて前記ロータの慣性モーメントを算出する慣性モーメント算出工程と、
    前記角速度−時間特性と前記慣性モーメントに基づいてトルク−時間特性を算出するトルク−時間特性算出工程と、を行うことを特徴とするモータトルク測定方法。
  2. 前記角速度−時間特性算出工程は、
    前記無負荷電流波形測定ステップで測定された前記無負荷電流波形に基づいて無負荷電
    流値及び無負荷角速度を算出する無負荷電流値・角速度算出工程と、
    前記起動電流波形測定ステップで得られた前記起動電流波形の前記ピーク値の電流値に
    基づいて前記モータのロック時電流値及びロック時角速度を算出するロック時電流値・角
    速度算出工程と、
    前記誘起電圧波形測定ステップで得られた前記誘起電圧と前記無負荷電流値・角速度算出工程で得られた前記無負荷角速度に基づいて誘起電圧定数を算出する誘起電圧定数算出工程と、
    前記無負荷電流値、前記無負荷角速度、前記ロック時電流値、前記ロック時角速度及び
    前記誘起電圧定数に基づいて前記モータの巻線抵抗及び電源電圧−ブラシ部降下電圧を算
    出する巻線抵抗等算出工程と、
    前記巻線抵抗、前記電源電圧−ブラシ部降下電圧及び前記誘起電圧定数と、前記減衰部
    の波形とに基づいて、前記角速度−時間特性を算出することを特徴とする請求項1に記載
    のモータトルク測定方法。
  3. 前記無負荷電流値・角速度算出工程は、前記無負荷時の電流値の平均値又は実効値を前記無負荷時電流値とするとともに、
    前記無負荷電流波形を周波数解析して得られた周波数−電流特性に基づいて前記無負荷角速度を算出することを特徴とする請求項2に記載のモータトルク測定方法。
  4. 前記ロック時電流値・角速度算出工程は、前記起動電流のピーク時における電流値を前記ロック時電流値とするとともに、前記ロック時角速度をゼロとすることを特徴とする請求項2又は3に記載のモータトルク測定方法。
  5. 前記誘起電圧定数算出工程は、下記式(1)
    =V/ω ・・・式(1)
    (ここで、K:誘起電圧定数、V:誘起電圧、ω:無負荷角速度である。)
    に基づいて前記誘起電圧定数を算出することを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載のモータトルク測定方法。
  6. 前記巻線抵抗等算出工程は、下記式(2)、(3)
    ω=(V/K)−(R/K)・I ・・・式(2)
    ω=(V/K)−(R/K)・I ・・・式(3)
    (ここで、ω:無負荷角速度、I:無負荷電流値、V:電源電圧−ブラシ部降下電圧、K:誘起電圧定数、R:巻線抵抗、ω:ロック時角速度、I:ロック時電流値である。)
    に基づいて前記電源電圧−ブラシ部降下電圧を算出することを特徴とする請求項2〜5のいずれか1項に記載のモータトルク測定方法。
  7. 前記角速度−時間特性算出工程は、下記式(4)
    ω=(V/K)−(R/K)・I ・・・式(4)
    (ここで、ω:角速度、V:電源電圧−ブラシ部降下電圧、K:誘起電圧定数、R:巻線抵抗、I:電流値である。)
    に基づいて角速度−電流値特性を算出し、
    前記起動電流波形と前記角速度−電流値特性に基づいて前記角速度−時間特性を算出することを特徴とする請求項2〜6のいずれか1項に記載のモータトルク測定方法。
  8. 前記慣性モーメント算出工程は、下記式(5)
    J=τ・K・K/R ・・・式(5)
    (ここで、J:慣性モーメント、τ:機械的時定数、K:トルク定数、K:誘起電圧定数、R:巻線抵抗である。)
    に基づいて前記慣性モーメントを算出することを特徴とする請求項2〜7のいずれか1項に記載のモータトルク測定方法。
  9. 前記トルク−時間特性算出工程は、下記式(6)
    T=J・dω/dt ・・・式(6)
    (ここで、T:トルク、J:慣性モーメント、dω/dt:角加速度である。)
    に基づいて前記トルク−時間特性を算出することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のモータトルク測定方法。
  10. 回転するロータを備えたブラシ付き直流モータのトルクを測定するモータトルク測定装置であって、
    モータに起動電圧を印加して起動する電源と、
    前記起動後から前記モータが無負荷で定常回転するまでの間に前記モータに流れる起動電流の波形を起動電流波形として測定する起動電流波形計測部と、
    前記モータが無負荷で定常回転している間に前記モータに流れる無負荷電流の波形を無負荷電流波形として測定する無負荷電流波形計測部と、
    前記起動電圧の印加を停止した直後に前記モータから発生する誘起電圧波形を測定する誘起電圧波形計測部と、
    前記各測定部で得られた各波形に基づいて前記モータのトルクを算出するトルク演算部とを備え、
    該トルク演算部は、
    前記起動電流波形のうち前記起動電流のピーク値以降の減衰部の電流波形、前記無負荷電流波形及び前記誘起電圧波形に基づいて、角速度−時間特性を算出する角速度−時間特性算出手段と、
    前記起動電流波形のうち前記減衰部の波形から機械的時定数を算出し、該機械的時定数に基づいて前記ロータの慣性モーメントを算出する慣性モーメント算出手段と、
    前記角速度−時間特性と前記慣性モーメントに基づいてトルク−時間特性を算出するトルク−時間特性算出手段と、を備えることを特徴とするモータトルク測定装置。
  11. 前記角速度−時間特性算出手段は、
    前記無負荷電流波形計測部で測定された前記無負荷電流波形に基づいて無負荷電流値及び無負荷角速度を算出する無負荷電流値・角速度算出手段と、
    前記起動電流波形計測部で測定された前記起動電流波形の前記ピーク値の電流値に基づいて前記モータのロック時電流値及びロック時角速度を算出するロック時電流値・角速度算出手段と、
    前記誘起電圧波形測定ステップで得られた前記誘起電圧と前記無負荷電流値・角速度算出手段で得られた前記無負荷角速度に基づいて誘起電圧定数を算出する誘起電圧定数算出手段と、
    前記無負荷電流値、前記無負荷角速度、前記ロック時電流値、前記ロック時角速度及び前記誘起電圧定数に基づいて前記モータの巻線抵抗及び電源電圧−ブラシ部降下電圧を算出する巻線抵抗等算出手段と、
    前記巻線抵抗、前記電源電圧−ブラシ部降下電圧及び前記誘起電圧定数と、前記減衰部の電流波形とに基づいて、前記角速度−時間特性を算出する角速度−時間特性算出手段を有することを特徴とする請求項10に記載のモータトルク測定装置。
  12. 前記無負荷電流値・角速度算出手段は、前記無負荷時の電流値の平均値又は実効値を前記無負荷時電流値とするとともに、
    前記無負荷電流波形を周波数解析して得られた周波数−電流特性に基づいて前記無負荷角速度を算出することを特徴とする請求項11に記載のモータトルク測定装置。
  13. 前記ロック時電流値・角速度算出手段は、前記起動電流のピーク時における電流値を前記ロック時電流値とするとともに、前記ロック時角速度をゼロとすることを特徴とする請求項11又は12に記載のモータトルク測定装置。
  14. 前記誘起電圧定数算出手段は、下記式(1)
    =V/ω ・・・式(1)
    (ここで、K:誘起電圧定数、V:誘起電圧、ω:無負荷角速度である。)
    に基づいて前記誘起電圧定数を算出することを特徴とする請求項11〜13のいずれか1項に記載のモータトルク測定装置。
  15. 前記巻線抵抗等算出手段は、下記式(2)、(3)
    ω=(V/K)−(R/K)・I ・・・式(2)
    ω=(V/K)−(R/K)・I ・・・式(3)
    (ここで、ω:無負荷角速度、I:無負荷電流値、V:電源電圧−ブラシ部降下電圧、K:誘起電圧定数、R:巻線抵抗、ω:ロック時角速度、I:ロック時電流値である。)
    に基づいて前記電源電圧−ブラシ部降下電圧を算出することを特徴とする請求項11〜14のいずれか1項に記載のモータトルク測定装置。
  16. 前記角速度−時間特性算出手段は、下記式(4)
    ω=(V/K)−(R/K)・I ・・・式(4)
    (ここで、ω:角速度、V:電源電圧−ブラシ部降下電圧、K:誘起電圧定数、R:巻線抵抗、I:電流値である。)に基づいて角速度−電流値特性を算出し、
    前記起動電流波形と前記角速度−電流値特性に基づいて前記角速度−時間特性を算出することを特徴とする請求項11〜15のいずれか1項に記載のモータトルク測定装置。
  17. 前記慣性モーメント算出手段は、下記式(5)
    J=τ・K・K/R ・・・式(5)
    (ここで、J:慣性モーメント、τ:機械的時定数、K:トルク定数、K:誘起電圧定数、R:巻線抵抗である。)に基づいて前記慣性モーメントを算出することを特徴とする請求項11〜16のいずれか1項に記載のモータトルク測定装置。
  18. 前記トルク−時間特性算出手段は、下記式(6)
    T=J・dω/dt ・・・式(6)
    (ここで、T:トルク、J:慣性モーメント、dω/dt:角加速度である。)
    に基づいて前記トルク−時間特性を算出することを特徴とする請求項11〜17のいずれか1項に記載のモータトルク測定装置。
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