JP5001541B2 - 半導体リソグラフィー用共重合体及び組成物 - Google Patents

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本発明は、半導体の製造に使用されるリソグラフィー用共重合体と、該共重合体を含むリソグラフィー用組成物に関するものであり、更に詳しくは、遠紫外線、X線、電子線等の各種放射線を用いる微細加工に好適な化学増幅ポジ型半導体リソグラフィー用共重合体と、該共重合体を含むリソグラフィー用組成物に関するものである。
半導体の製造のために用いられるリソグラフィーにおいては、集積度の増大に伴い、より微細なパターンの形成が求められている。パターンの微細化には露光光源の短波長化が不可欠であるが、現在ではフッ化クリプトン(KrF)エキシマレーザー光(波長248nm)によるリソグラフィーが量産の中心になり、フッ化アルゴン(ArF)エキシマレーザー光(波長193nm)によるリソグラフィーも量産工程で導入され始めている。更には、フッ素ダイマー(F)エキシマレーザー光(波長157nm)、極紫外線(EUV)、X線、電子線等によるリソグラフィーも研究段階にある。
これらのリソグラフィー技術においては、化学増幅ポジ型リソグラフィー用共重合体が好適に用いられている。該共重合体は、アルカリ現像液に可溶な極性基(以下、アルカリ可溶性基ということがある。)を、酸の作用に対して不安定であってアルカリ現像液に対する溶解性を抑制する置換基(以下、酸不安定溶解抑制基ということがある。)で保護した構造(以下、酸不安定構造ということがある。)を有する繰り返し単位と、半導体基板等に対する密着性を高めたり、リソグラフィー溶剤やアルカリ現像液への溶解性を調整したりするための極性基を有する繰り返し単位を含んで構成される。
例えば、露光源としてKrFエキシマレーザーを用いるリソグラフィーにおいては、ヒドロキシスチレン由来の繰り返し単位と、ヒドロキシスチレンのフェノール水酸基を酸不安定溶解抑制基で保護した繰り返し単位、若しくは、(メタ)アクリル酸由来のカルボキシル基を酸不安定溶解抑制基で保護した繰り返し単位等を有する共重合体(特許文献1〜4等参照)が知られている。又、ドライエッチング耐性や、露光部と未露光部の溶解コントラストを高めるために、脂環式炭化水素基を酸不安定溶解抑制基とした繰り返し単位を有する共重合体(特許文献5〜6等参照)が知られている。更に、ヒドロキシスチレン由来の繰り返し単位と水酸基含有アダマンチル(メタ)アクリレート由来の繰り返し単位、及び、これらの水酸基の一部を酸不安定溶解抑制基で保護した繰り返し単位を有する共重合体(特許文献7〜10)が知られている。
露光源としてより短波長のArFエキシマレーザー等を用いるリソグラフィーにおいては、193nmの波長に対する吸光係数が高いヒドロキシスチレン由来の繰り返し単位を有さない共重合体が検討され、半導体基板等に対する密着性を高めたり、リソグラフィー溶剤やアルカリ現像液への溶解性を調整したりするための極性基として、ラクトン構造を繰り返し単位に有する共重合体(特許文献10〜13等参照)や、極性基含有脂環式炭化水素基を繰り返し単位に有する共重合体(特許文献14等参照)が知られている。
しかし、いずれの例においても、半導体リソグラフィーにおける微細加工に要求される、リソグラフィー薄膜のアルカリ現像液に対する最高溶解速度(リソグラフィー薄膜の露光エネルギーに対するアルカリ現像液溶解速度の最大値で、Rmaxと呼ばれることがある。この明細書においても、以下、Rmaxということがある。)や現像コントラスト(露光エネルギーに対するアルカリ現像液溶解速度曲線の傾きで、tanθ等のパラメータで表すことが出来る)等のリソグラフィー特性を満足するものが得られていなかった。
特開昭59−045439号公報 特開平05−113667号公報 特開平10−026828号公報 特開昭62−115440号公報 特開平09−073173号公報 特開平10−161313号公報 特開2000−227658号公報 特開2001−272782号公報 特開2004−333548号公報 特開平09−090637号公報 特開平10−207069号公報 特開2000−026446号公報 特開2001−242627号公報 特開平11−109632号公報
本発明は前記の背景技術に鑑みなされたものであり、その目的は、化学増幅型ポジ型リソグラフィーにおいて、リソグラフィー薄膜のアルカリ現像液に対する最高溶解速度(Rmax)や現像コントラスト等のリソグラフィー特性に優れた、リソグラフィー用共重合体と該共重合体を含む組成物を提供することにある。
本発明者らは上記課題を解決するため、鋭意検討した結果、極性基を有する繰り返し単位(B)と共に、酸の作用で分解して極性基が生成する酸不安定構造を有する繰り返し単位(A)として、特定の構造を有する少なくとも2種類の繰り返し単位を含む共重合体と、該共重合体を含むリソグラフィー用組成物によって、前記の課題が解決できることを見出し、本発明に至った。
即ち、前記従来技術の課題は、以下の構成によって解決することができる。
〔1〕少なくとも、酸の作用で分解して極性基が生成する酸不安定構造を有する繰り返し単位(A)と、極性基を有する繰り返し単位(B)とを含む、重量平均分子量が1,000〜40,000である共重合体であって、繰り返し単位(A)が、式(1)

{式(1)中、R10は水素原子、若しくは、フッ素原子が置換しても良い炭素数1〜4の炭化水素基を、nは0を、R11は水素原子若しくは炭素数1〜4の炭化水素基を表す。R12、R13は、R11が水素原子を表すとき、R12は水素原子又は炭素数1〜4の炭化水素基を、R13は炭素数1〜12の直鎖状、分岐状又は環状の飽和炭化水素基が置換したオキシ基を表し、R12とR13が互いに結合して環を形成しても良く、又、R11が炭素数1〜4の炭化水素基を表すとき、R12は炭素数1〜4の炭化水素基を、R13は炭素数1〜12の直鎖状、分岐状又は環状の飽和炭化水素基を表し、R12とR13が互いに結合して環を形成しても良い。}
で表される繰り返し単位(A1)と、式(2)

[式(2)中、R20は水素原子、若しくは、フッ素原子が置換しても良い炭素数1〜4の炭化水素基を表し、R21〜R23はそれぞれ独立して水素原子、水酸基、若しくは式(2a)

{式(2a)中、yは式(2)におけるアダマンタン環との結合部位を、R24は水素原子若しくは炭素数1〜4の炭化水素基を、R25は酸素原子を含んでも良い炭素数1〜15の直鎖状、分岐状又は環状の飽和炭化水素基を表し、R24とR25が互いに結合して環を形成しても良い。}
で表される置換オキシ基を表し、R21〜R23の少なくとも一つが式(2a)で表される置換オキシ基である。]
で表される繰り返し単位(A2)とを含み、繰り返し単位(B)が、式(5)

{式(5)中、R50は水素原子、若しくは、フッ素原子が置換しても良い炭素数1〜4の炭化水素基を表し、R51〜R53はそれぞれ独立して水素原子若しくは水酸基であり、R51〜R53の少なくとも一つが水酸基である。}
で表される、水酸基を含む繰り返し単位[BH1]を含むことを特徴とする半導体リソグラフィー用共重合体。
〔2〕繰り返し単位(B)が、更にラクトン構造を有する繰り返し単位(BL)を含む繰り返し単位を含み、繰り返し単位(BL)が、式(3)

[式(3)中、R30は水素原子、若しくは、フッ素原子が置換しても良い炭素数1〜4の炭化水素基を、Aは単結合又は酸素原子で架橋しても良い炭素数5〜12の脂環式炭化水素基を、Lは式(3a)

{式(3a)中、R31〜R36は、いずれか1つ又は2つが式(3)におけるAと結合する単結合であり、残りは水素原子又は炭素数1〜4の炭化水素基若しくはアルコキシ基を表す。}で表されるラクトン構造を表し、LはAと1乃至2の単結合で結合している。]
で表される繰り返し単位(BL1)を含む繰り返し単位を含む〔1〕に記載の半導体リソグラフィー用共重合体。
〔3〕繰り返し単位(B)が、更に式(7)

{式(7)中、R70は水素原子若しくは炭素数1〜4の炭化水素基を表す。}
で表される繰り返し単位(BH3)を含む繰り返し単位を含む〔1〕又は〔2〕に記載の半導体リソグラフィー用共重合体。
〔4〕少なくとも式(1)

{式(1)中、R10は水素原子、若しくは、フッ素原子が置換しても良い炭素数1〜4の炭化水素基を、Aは炭素数7〜12の有橋脂環式炭化水素基を、nは0を、R11は水素原子若しくは炭素数1〜4の炭化水素基を表す。R12、R13は、R11が水素原子を表すとき、R12は水素原子又は炭素数1〜4の炭化水素基を、R13は炭素数1〜12の直鎖状、分岐状又は環状の飽和炭化水素基が置換したオキシ基を表し、R12とR13が互いに結合して環を形成しても良く、又、R11が炭素数1〜4の炭化水素基を表すとき、R12は炭素数1〜4の炭化水素基を、R13は炭素数1〜12の直鎖状、分岐状又は環状の飽和炭化水素基を表し、R12とR13が互いに結合して環を形成しても良い。}
で表される繰り返し単位(A1)と、式(5)

{式(5)中、R50は水素原子、若しくは、フッ素原子が置換しても良い炭素数1〜4の炭化水素基を表し、R51〜R53はそれぞれ独立して水素原子若しくは水酸基であり、R51〜R53の少なくとも一つが水酸基である。}
で表される繰り返し単位(BH1)とを含み、且つ、式(2)

[式(2)中、R20は水素原子、若しくは、フッ素原子が置換しても良い炭素数1〜4の炭化水素基を表し、R21〜R23はそれぞれ独立して水素原子、水酸基、若しくは式(2a)

{式(2a)中、yは式(2)におけるアダマンタン環との結合部位を、R24は水素原子若しくは炭素数1〜4の炭化水素基を、R25は酸素原子を含んでも良い炭素数1〜15の直鎖状、分岐状又は環状の飽和炭化水素基を表し、R24とR25が互いに結合して環を形成しても良い。}
で表される置換オキシ基を表し、R21〜R23の少なくとも一つが式(2a)で表される置換オキシ基である。]
で表される繰り返し単位(A2)を含まない共重合体を、酸の存在下、エノールエーテルと反応させる工程(Q)を含む方法によって処理することを特徴とする半導体リソグラフィー用共重合体の製造方法。
〔5〕少なくとも、〔1〕乃至〔3〕のいずれかに記載の半導体リソグラフィー用共重合体、感放射線性酸発生剤及び溶剤を含んでなる半導体リソグラフィー用組成物。
本発明により、化学増幅型ポジ型リソグラフィーにおいて、リソグラフィー薄膜のアルカリ現像液に対する最高溶解速度(Rmax)や現像コントラスト等のリソグラフィー特性に優れた、リソグラフィー用共重合体と該共重合体を含む組成物を提供することができる。
以下、本発明を更に詳しく説明する。
1.繰り返し単位(A)
繰り返し単位(A)は、酸の作用で分解して極性基が生成する酸不安定構造を有し、アルカリ現像液に対する共重合体の溶解性を変化させるための繰り返し単位である。本発明の共重合体は、繰り返し単位(A)として、式(1)で表される繰り返し単位(A1)と、式(2)で表される繰り返し単位(A2)とを組み合わせることで、Rmaxや現像コントラストに優れるという特徴を有する。
1−1.繰り返し単位(A1)
繰り返し単位(A1)は、式(1)

で表すことができる。
式(1)中、R10は水素原子、若しくは、フッ素原子が置換しても良い炭素数1〜4の炭化水素基を表し、具体的には、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、トリフルオロメチル基等を挙げることができ、好ましくは、水素原子、メチル基、トリフルオロメチル基である。
尚、nは0である
11は水素原子若しくは炭素数1〜4の炭化水素基を表し、具体的には、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基等を挙げることができ、R12とR13はR11に拠る。
即ち、R11が水素原子を表すとき、R12は水素原子又は炭素数1〜4の炭化水素基を表し、具体的には、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基等を挙げることができ、R13は炭素数1〜12の直鎖状、分岐状又は環状の飽和炭化水素基が置換したオキシ基を表し、具体的にはメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、i−ブトキシ基、t−ブトキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、ノルボルニルオキシ基、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカニルオキシ基、アダマンチルオキシ基、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカニルオキシ基等を挙げることができる。尚、R12とR13が互いに結合して環、具体的にはヒドロフラン環、ヒドロピラン環等を形成しても良い。
又、R11が炭素数1〜4の炭化水素基を表すとき、R12は炭素数1〜4の炭化水素基を表し、具体的にはメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基等を挙げることができ、R13は炭素数1〜12の直鎖状、分岐状又は環状の飽和炭化水素基を表し、具体的にはメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカニル基、アダマンチル基、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカニル基等を挙げることができる。尚、R12とR13が互いに結合して環、具体的にはシクロペンタン環、シクロヘキサン環、ノルボルナン環、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン環、アダマンタン環、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカン環等の脂環を形成しても良い。
特に、R13に、若しくは、R12とR13が互いに結合して、脂環、具体的にはシクロペンタン環、シクロヘキサン環、ノルボルナン環、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン環、アダマンタン環、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカン環等が含まれると、リソグラフィー前後でのアルカリ現像液に対する溶解性の差が大きく、微細パターンを描くのに好ましい。又、R11は炭素数1〜4の炭化水素基を表す場合の方が、水素原子を表す場合よりも保存安定性に優れるため好ましい。
以下に、式(1)の繰り返し単位を与える単量体の具体例を示すが、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。尚、これらの単量体は、単独若しくは2種類以上を組み合わせて用いることができる。
1−2.繰り返し単位(A2)
繰り返し単位(A2)は、式(2)

で表すことができる。
式(2)中、R20は水素原子、若しくは、フッ素原子が置換しても良い炭素数1〜4の炭化水素基を表し、具体的には、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、トリフルオロメチル基等を挙げることができ、好ましくは、水素原子、メチル基、トリフルオロメチル基である。
21〜R23はそれぞれ独立して水素原子、水酸基、若しくは式(2a)

で表される置換オキシ基を表し、R21〜R23の少なくとも一つが式(2a)である。
尚、式(2a)中、yは式(2)のアダマンタン環との結合部位を、R24は水素原子若しくは炭素数1〜4の炭化水素基を表し、具体的には、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基等を挙げることができ、R25は酸素原子を含んでも良い炭素数1〜15の直鎖状、分岐状又は環状の飽和炭化水素基を表し、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、2−エチルヘキシル基、2−メトキシエチル基、2−エトキシエチル基、2−n−ブトキシエチル基、2−t−ブトキシエチル基、2−メトキシプロピル基、2−エトキシプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカニル基、アダマンチル基、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカニル基等を挙げることができ、R24とR25が互いに結合して環、具体的にはヒドロフラン環、ヒドロピラン環等を形成しても良い。
以下に、式(2)の繰り返し単位の具体例を示すが、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。尚、これらの繰り返し単位は、単独若しくは2種類以上を組み合わせて用いることができる。
2.繰り返し単位(B)
繰り返し単位(B)は、半導体基板等に対する密着性を高めたり、リソグラフィー溶剤やアルカリ現像液への溶解性を調整したりするための極性基を有する繰り返し単位であり、ラクトン構造を有する繰り返し単位(BL)、水酸基を有する繰り返し単位(BH)、ニトリル基を有する繰り返し単位(BN)等の極性基を有する繰り返し単位を挙げることができる。本発明では、これらの中でも、水酸基含有炭化水素基を有する繰り返し単位(BH)が必須であり、又、ラクトン構造含有炭化水素基を有する繰り返し単位(BL)を含むことが好ましい。
2−1.繰り返し単位(BL)
ラクトン構造を有する繰り返し単位(BL)については、好ましい例として式(3)

で表される繰り返し単位(BL1)、又は、式(4)

で表される繰り返し単位(BL2)を挙げることができ、中でも、繰り返し単位(BL1)は構造の選択肢が広いため、リソグラフィー特性を合わせ込むのに適している。
2−1−1.繰り返し単位(BL1)
繰り返し単位(BL1)を表す式(3)について、以下具体的に説明する。式(3)中、R30は水素原子、若しくは、フッ素原子が置換しても良い炭素数1〜4の炭化水素基を表し、具体的には、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、トリフルオロメチル基等を挙げることができ、好ましくは、水素原子、メチル基、トリフルオロメチル基である。
は単結合又は酸素原子で架橋しても良い炭素数5〜12の脂環式炭化水素基を表し、具体的にはノルボルナン環、7−オキサノルボルナン環、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカン環等を有する炭化水素基を挙げることができ、好ましくはテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカン環を有する炭化水素基である。
Lは式(3a)

で表されるラクトン構造を表し、LはAと1乃至2の単結合で結合している。
尚、式(3a)中、R31〜R36は、いずれか1つ又は2つが式(3)のAと結合する単結合であり、残りは水素原子又は炭素数1〜4の炭化水素基若しくはアルコキシ基を表し、具体的には、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、メトキシ基、エトキシ基等を挙げることができる。
以下に、式(3)の繰り返し単位を与える単量体の具体例を示すが、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。尚、これらの単量体は、単独若しくは2種類以上を組み合わせて用いることができる。
2−1−2.繰り返し単位(BL2)
繰り返し単位(BL2)は、上記式(4)で表すことができ、式(4)中、R41は水素原子又は炭素数1〜4の炭化水素基若しくはアルコキシ基を表し、具体的には水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、メトキシ基、エトキシ基等を挙げることができる。
以下に、式(4)の繰り返し単位を与える単量体の具体例を示すが、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。尚、これらの単量体は、単独若しくは2種類以上を組み合わせて用いることができる。
2−2.繰り返し単位(BH)
繰り返し単位(BH)については、好ましい例として式(5)

で表される繰り返し単位(BH1)、式(6)

{式(6)中、R60は水素原子、若しくは、フッ素原子が置換しても良い炭素数1〜4の炭化水素基を表し、Aはフッ素原子が置換しても良い脂環構造を有する炭素数7〜12の炭化水素基、R61は単結合もしくは炭素数1〜4の炭化水素基を表す。}
で表される繰り返し単位(BH2)、式(7)

{式(7)中、R70は水素原子若しくは炭素数1〜4の炭化水素基を表す。}
で表される繰り返し単位(BH3)を挙げることができる。
尚、繰り返し単位(BH3)は波長193nmに対する吸収が強いことから、上記した繰り返し単位(BH)の中では、合成の容易な繰り返し単位(BH1)が特に好ましい。
2−2−1.繰り返し単位(BH1)
繰り返し単位(BH1)を表す式(5)について、以下具体的に説明する。式(5)中、R50は水素原子、若しくは、フッ素原子が置換しても良い炭素数1〜4の炭化水素基を表し、具体的には、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、トリフルオロメチル基等を挙げることができ、好ましくは、水素原子、メチル基、トリフルオロメチル基である。
51〜R53はそれぞれ独立して水素原子若しくは水酸基であり、R51〜R53の少なくとも一つが水酸基である。
以下に、式(5)の繰り返し単位を与える単量体の具体例を示すが、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。尚、これらの単量体は、単独若しくは2種類以上を組み合わせて用いることができる。
2−2−2.繰り返し単位(BH2)
繰り返し単位(BH2)を表す式(6)について、以下具体的に説明する。式(6)中、R60は水素原子、若しくは、フッ素原子が置換しても良い炭素数1〜4の炭化水素基を表し、具体的には、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、トリフルオロメチル基等を挙げることができ、好ましくは、水素原子、メチル基、トリフルオロメチル基である。
はフッ素原子が置換しても良い炭素数5〜15の脂環炭化水素基である。
61は単結合若しくは炭素数1〜2の炭化水素基、具体的には、メチレン基、エチレン基である。
以下に、式(6)の繰り返し単位を与える単量体の具体例を示すが、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。尚、これらの単量体は、単独若しくは2種類以上を組み合わせて用いることができる。
2−2−3.繰り返し単位(BH3)
繰り返し単位(BH3)を表す式(7)について、以下具体的に説明する。式(7)中、R70は水素原子若しくはメチル基であり、好ましくは水素原子である。水酸基がベンゼン環のo、m、p位のいずれかに結合しており、好ましくはm位若しくはp位であり、特に好ましくはp位である。
式(7)を与える単量体の具体例としては、p−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、o−ヒドロキシスチレン、α−メチル−p−ヒドロキシスチレン等が挙げられ、これらの単量体は、単独若しくは2種類以上を組み合わせて用いることができ、特に好ましい単量体は、p−ヒドロキシスチレンである。
2−3.繰り返し単位(BN)
上記した以外に、本発明の共重合体には、溶解性やレジスト膜中の酸の拡散速度を制御する目的で、繰り返し単位(BN)を含めることができる。繰り返し単位(BN)の好ましい例は、式(8)で表すことができる。

{式(8)中、R80は水素原子若しくはフッ素原子が置換しても良い炭素数1〜4の炭化水素基を、Aは炭素数7〜12の有橋脂環炭化水素基を表す。}
以下に、式(8)を与える単量体の具体例を示すが、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。尚、これらの単量体は、単独若しくは2種類以上を組み合わせて用いることができる。
3.繰り返し単位(D)
上記した以外に、本発明の共重合体には、リソグラフィー溶媒やアルカリ現像液に対する溶解性を制御する目的で、酸の作用に対して安定な非極性基を含む繰り返し単位(D)を含めることができる。繰り返し単位(D)の好ましい例は、式(9)で表すことができる。

{式(9)中、R90は水素原子、若しくは、フッ素原子が置換しても良い炭素数1〜4の炭化水素基、Aは炭素数6〜12の脂環炭化水素基を表す。}
以下に、式(9)を与える単量体の具体例を示すが、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。尚、これらの単量体は、単独若しくは2種類以上を組み合わせて用いることができる。
各繰り返し単位の組成は、半導体リソグラフィーにおける基本性能を損なわない範囲で選択することができる。即ち、各繰り返し単位の組成は、繰り返し単位(A1)は10〜80モル%、繰り返し単位(A2)は0.5〜50モル%、繰り返し単位(B)は20〜80%含まれていることが好ましい。より好ましくは、繰り返し単位(A1)が15〜70モル%、繰り返し単位(A2)は1〜40モル%、繰り返し単位(B)は25〜75%であり、特に好ましくは、繰り返し単位(A1)が20〜60モル%、繰り返し単位(A2)は2〜30モル%、繰り返し単位(B)は30〜70%の範囲である。
重量平均分子量(Mw)は、高すぎるとレジスト溶剤やアルカリ現像液への溶解性が低くなり、一方、低すぎるとレジストの塗膜性能が悪くなることから、1,000〜40,000の範囲内であることが好ましく、1,500〜30,000の範囲内であることがより好ましく、2,000〜20,000の範囲内であることが特に好ましい。分子量分布(Mw/Mn)は1.0〜5.0の範囲内であることが好ましく、1.0〜3.0の範囲内であることがより好ましく、1.2〜2.5の範囲内であることが特に好ましい。
各繰り返し単位は、それぞれ相当する単量体を有機溶媒中でラジカル重合させる工程(P)によって得ることができる。但し、繰り返し単位(A2)は、繰り返し単位(BH1)を含む共重合体を、工程(P)を経て得た後に、繰り返し単位(BH1)の水酸基を保護する工程(Q)によっても得ることができる。又、必要に応じ、共重合体から未反応単量体等の未反応物やオリゴマー等の低分子量成分、重合開始剤等の反応残査物等の不要物を除去する工程(R)や、溶媒を次工程若しくはリソグラフィーに適した溶媒と置換する工程(S)、半導体の形成に好ましくない金属不純物を低減する工程(T)等を採用することもできる。
以下、本発明の共重合体の製造方法について説明する。
工程(P)
工程(P)は、公知の方法から制限なく選択できる。このような公知の方法としては、例えば、(1)単量体を重合開始剤と共に溶媒に溶解し、そのまま加熱して重合させるいわゆる一括法、(2)単量体を重合開始剤と共に必要に応じて溶媒に溶解し、加熱した溶媒中に滴下して重合させるいわゆる滴下法、(3)単量体と重合開始剤と別々に必要に応じて溶媒に溶解し、加熱した溶媒中に別々に滴下して重合させるいわゆる独立滴下法、(4)単量体を溶媒に溶解して加熱し、別途溶媒に溶解した重合開始剤を滴下して重合させる開始剤滴下法等が挙げられる。ここで、(1)、(4)の方法には、重合系内において、(2)は重合系内に滴下する前の滴下液貯槽内においても、未反応モノマーの濃度が高い状態で低濃度のラジカルと接触する機会があるため、ディフェクト発生原因のひとつである分子量10万以上の高分子量体(ハイポリマー)が生成しやすい傾向にある。これに比べて、(3)の独立滴下法は、滴下液貯槽で重合開始剤と共存しないこと、重合系内に滴下した際も未反応モノマー濃度が低い状態を保つことから、ハイポリマーが生成しないので、本発明の重合方法としては(3)の独立滴下法が特に好ましい。尚、滴下法において、滴下時間と共に滴下する単量体の組成、単量体、重合開始剤及び連鎖移動剤の組成比等を変化させても良い。
重合開始剤としては、一般にラジカル発生剤として用いられているものであれば特に制限されないが、例えば2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、2,2'−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート、1,1'−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、4,4'−アゾビス(4−シアノ吉草酸)等のアゾ化合物;デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ビス(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキサイド、コハク酸パーオキサイド、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルへキサノエート、tert−ブチルパーオキシピバレート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート等の有機過酸化物を単独若しくは混合して用いることができる。重合開始剤の使用量は、目的とするMw、単量体、重合開始剤、連鎖移動剤、溶媒の種類、組成、重合温度や滴下速度等の条件に応じて選択することができる。
連鎖移動剤は、必要に応じて用いることができる。連鎖移動剤としてはチオール化合物が好ましく、種類は公知のチオール化合物の中から幅広く選択することができる。例えば、t−ドデシルメルカプタン、メルカプトエタノール、メルカプト酢酸、メルカプトプロピオン酸等を挙げることができる。又、2−ヒドロキシ−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロピリデン基が飽和炭化に結合した構造を有するチオール化合物は、リソグラフィーパターンのラフネスや欠陥を抑える効果があるため特に好ましい。
連鎖移動剤の使用量は、目的とするMw、単量体、重合開始剤、連鎖移動剤、溶媒の種類、組成、重合温度や滴下速度等の条件に応じて選択することができる。又、工程(P)における、連鎖移動剤の添加タイミングは、(1)の一括重合法においては、単量体、重合開始剤と共に溶媒に溶解して加熱することができ、(2)〜(4)の滴下重合法においては、単量体と混合して滴下しても良く、重合開始剤と混合して滴下しても良く、更には予め加熱する溶媒中に溶解しても良い。
工程(P)の反応溶媒は、溶剤として公知の化合物であって、単量体、重合開始剤、連鎖移動剤、更には重合して得られた共重合体を溶解させる化合物であれば特に制限されない。このような例として、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソアミルケトン、メチルアミルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、γ−ブチロラクトン等のエステル類;テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール等のエーテルアルコール類;前記エーテルアルコール類と酢酸等とのエステル化合物であるエーテルエステル類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類;ジメチルスルホキシド、アセトニトリル等を挙げることができ、これらを単独又は2種以上を混合して用いることができる。
工程(P)の反応温度は、溶媒、単量体、連鎖移動剤等の沸点、重合開始剤の半減期温度等によって適宜選択することができる。低温では重合が進みにくいため生産性に問題があり、又、必要以上に高温にすると、単量体及び共重合体の安定性の点で問題がある。従って、好ましくは40〜120℃、特に好ましくは60〜100℃の範囲で選択する。
滴下法における滴下時間は、短時間であると分子量分布が広くなりやすいこと、一度に大量の溶液が滴下されるため重合液の温度低下が起こることから好ましくなく、長時間であると共重合体に必要以上の熱履歴がかかること、生産性が低下することから好ましくない。従って、通常30分から24時間、好ましくは1時間から12時間、特に好ましくは2時間から8時間の範囲から選択する。
滴下法における滴下終了後及び一括法における重合温度に昇温後は、一定時間温度を維持するか、若しくは昇温して熟成を行い、残存する未反応モノマーを反応させることが好ましい。熟成時間は長すぎると時間当たりの生産効率が低下すること、共重合体に必要以上の熱履歴がかかることから好ましくない。従って、通常12時間以内、好ましくは6時間以内、特に好ましくは1〜4時間の範囲から選択する。
工程(Q)
工程(Q)は、工程(P)の後に引き続き行っても良く、後述する精製工程(R)の後に行っても良い。以下、工程(Q)について説明する。
工程(Q)は、繰り返し単位(BH1)を修飾することにより、繰り返し単位(A2)を生成する工程である。即ち、繰り返し単位(BH1)を含む共重合体に、式(2b)

で表されるエノールエーテルを酸存在下で付加するか、式(2c)

で表されるハロゲン化アルキルエーテルを塩基存在下で脱ハロゲン化水素縮合することで達成される。
尚、式(2b)中、R26は水素原子若しくは炭素数1〜3の炭化水素基、具体的には、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基を表し、R25は酸素原子を含んでも良い炭素数1〜15の直鎖状、分岐状又は環状の飽和炭化水素基、具体的にはメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、2−エチルヘキシル基、2−メトキシエチル基、2−エトキシエチル基、2−n−ブトキシエチル基、2−t−ブトキシエチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカニル基、アダマンチル基、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカニル基等を表し、R25 27とR26が互いに結合して環、具体的にはヒドロフラン環、ヒドロピラン環等を形成しても良い。
又、式(2c)中、Xはハロゲン原子、具体的には、塩素原子若しくは臭素原子を表し、R24は水素原子若しくは炭素数1〜4の炭化水素基、具体的には、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基等を表し、R25は酸素原子を含んでも良い炭素数1〜15の直鎖状、分岐状又は環状の飽和炭化水素基、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、2−エチルヘキシル基、2−メトキシエチル基、2−エトキシエチル基、2−n−ブトキシエチル基、2−t−ブトキシエチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカニル基、アダマンチル基、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカニル基等を表し、R24 28とR25 29が互いに結合して環、具体的にはヒドロフラン環、ヒドロピラン環等を形成しても良い。
上記の中でも、式(2b)のエノールエーテルを付加することが好ましく、中でも、特にR26が水素原子であるビニルエーテルは合成が容易であることから特に好ましい。
式(2a)を与える化合物の内、ビニルエーテルの具体例としては、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、i−プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、i−ブチルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、2−メトキシエチルビニルエーテル、2−エトキシエチルビニルエーテル、2−t−ブトキシエチルビニルエーテル、2−(1−メトキシ)プロピルビニルエーテル、シクロペンチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、8−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカニル基、1−アダマンチルビニルエーテル、9−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカニルビニルエーテル等を挙げることができるが、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。尚、これらの化合物は、単独若しくは2種類以上を組み合わせて用いることができる。
工程(Q)を実施するための方法は、公知の方法から制限無く選択できが、通常は、繰り返し単位(BH1)の修飾剤がエノールエーテルの場合は酸触媒を、ハロゲン化アルキルエーテルの場合は塩基触媒を用いる。酸触媒としては、例えば塩酸、硝酸、硫酸等の無機酸の他、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸などの有機酸を用いることができる。塩基触媒としては、水素化ナトリウム、水素化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム等を用いることができる。
反応溶媒は、水酸基を含まないことは必須であり、且つ、共重合体や修飾剤を溶解し、上記した酸触媒又は塩基触媒に対してできるだけ安定な溶媒が好ましい。このような溶媒として、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソアミルケトン、メチルアミルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、γ−ブチロラクトン等のエステル類;テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシ−3−メチル−1−ブチルアセテート等のエーテルエステル類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類;ジメチルスルホキシド、アセトニトリル等を挙げることができ、これらを単独又は2種以上を混合して用いることができる。
工程(Q)の反応温度は、0〜80℃、好ましくは5〜70℃、特に好ましくは10〜60℃である。
工程(Q)は、反応に先立ち、硫酸ナトリウムや硫酸マグネシウム、モレキュラーシーブ等の脱水剤で処理するか、必要に応じて加熱し、水分を溶媒などの軽質分と共に減圧留去させる等の処理を行い、系内の水分を下げておくことが好ましい。この操作は後述する工程(S)と兼ねることができる。系内の水分は、好ましくは0.5質量%以下、より好ましくは0.1質量%以下、特に好ましくは0.05質量%以下である。
反応後の触媒除去は、酸触媒の場合、必要に応じて塩基で中和したのち、水やアルコールなどの極性溶媒と接触させて抽出するか、アニオン交換樹脂と接触させて除去することができる。塩基触媒の場合、必要に応じて酸で中和したのち、水やアルコールなどの極性溶媒と接触させて抽出するか、カチオン交換樹脂と接触させて除去することができる。いずれの場合も、アニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂は混合して使用しても良く、又、触媒若しくはその中和塩を溶剤に抽出する工程は、後述する工程(R)と兼ねても良い。
工程(R)
工程(R)は、工程(P)、若しくは工程(Q)を経て得られた共重合体に含まれる、未反応単量体等の未反応物、オリゴマー等の低分子量成分、重合開始剤等の反応残査物等の不要物を、溶媒により除去する工程である。その方法として、例えば、(R−1):貧溶媒を加えて共重合体を沈殿させた後、溶媒相を分離する方法、(R−1a):(R−1)に続いて貧溶媒を加え、共重合体を洗浄した後、溶媒相を分離する方法、(R−1b):(R−1)に続いて良溶媒を加え、共重合体を再溶解させ、更に貧溶媒を加えて共重合体を再沈殿させた後、溶媒相を分離する方法、(R−2):貧溶媒を加えて貧溶媒相と良溶媒相の二相を形成し、貧溶媒相を分離する方法、(R−2a):(R−2)に続いて貧溶媒を加え、良溶媒相を洗浄した後、貧溶媒相を分離する方法等が挙げられる。(R−1a)、(R−1b)、(R−2a)は繰り返しても良いし、それぞれ組み合わせても良い。
貧溶媒は、共重合体が溶解しにくい溶媒であれば特に制限されないが、例えば、水やメタノール、イソプロパノール等のアルコール類、ヘキサン、ヘプタン等の飽和炭化水素類等を用いることができる。又、良溶媒は、共重合体が溶解しやすい溶媒であれば特に制限されず、1種又は2種以上の混合溶媒として用いることができる。製造工程の管理上、重合溶媒と同じものが好ましい。良溶媒の例としては、工程(P)の反応溶媒として例示された溶媒と同じものを挙げることができる。
工程(S)
工程(S)は、共重合体を溶解している溶媒中に低沸点の不純物が含まれていてそれらが次工程若しくはリソグラフィー組成物中に混入すると好ましくない場合、減圧下で加熱しながら、低沸点不純物を溶媒と共に留去させ、必要に応じて溶媒を追加し、低沸点の不純物を除去する工程である。又、溶解している溶媒そのものが次工程若しくはリソグラフィー組成物の溶媒として好ましくない場合は、該溶媒を留去する前後、若しくは留去させながら、次工程若しくはリソグラフィー組成物として好ましい溶媒を投入し、溶媒を置換する工程であり、後者の場合は、低沸点不純物の除去も兼ねることができる。
この工程(S)は、例えば工程(Q)の反応溶媒が工程(P)の反応溶媒や工程(R)の良溶媒と異なったり、工程(Q)中に水分などの好ましくない不純物が存在したりする場合、リソグラフィー組成物が工程(Q)や工程(R)を経て得られた溶媒と異なったり、リソグラフィー組成物に好ましくない不純物が存在したりする場合に実施するもので、通常、溶媒が工程毎に異なったり、工程(Q)やリソグラフィー組成物にとって好ましくない不純物を含んだりするため、工程(Q)やリソグラフィー組成物を調合する工程(U)に先立ち、実施することが好ましい。
工程(S)を経ず、減圧乾燥し、一旦固体にした後、別の溶媒に溶解することで、不純物を除去したり、溶媒を置換したりすることもできるが、一旦固体として析出させると、固体中に取り込まれた不純物や溶媒を完全に除去することが難しく、又、除去するために、共重合体に対して必要以上の熱履歴を与えるため、好ましくない。
工程(S)の温度は、共重合体が変質しない温度であれば特に制限されないが、通常100℃以下が好ましく、80℃以下がより好ましく、更に好ましくは70℃以下、特に好ましくは60℃以下である。溶媒を置換する際に用いる溶媒の量は、少なすぎると低沸点化合物が十分に除去できず、多すぎると置換に時間がかかり、共重合体に必要以上に熱履歴を与えるため好ましくない。通常、仕上がり溶液の溶媒として必要な量の1.05倍〜10倍、好ましくは1.1倍〜5倍、特に好ましくは1.2倍〜3倍の範囲から選択できる。
工程(T)(メタル除去)
工程(T)は、半導体リソグラフィーとして好ましくない金属分を低減する工程である。金属は、原料や副資材、機器、その他環境からの混入することがあり、この量が半導体形成における許容値を超えることがあるので、必要に応じて実施する。この工程(T)は、工程(R)において、極性溶媒を貧溶媒とする場合、ある程度金属分が低減できることがあるので、この場合、工程(R)と兼ねることができるが、それ以外の方法として、カチオン交換樹脂、好ましくはカチオン交換樹脂とアニオン交換樹脂の混合樹脂と接触させる方法、ポリアミドポリアミンエピクロロヒドリンカチオン樹脂などの正のゼータ電位を有する物質を含むフィルターに通液させる方法等がある。後者のフィルターとして、例えば、キュノ社製ゼータプラス40QSH、ゼータプラス020GN、エレクトロポアEFII等が挙げられる。
工程(T)は、上記した工程(R)と兼ねる場合と、後述する工程(U)の後を除いて、いずれの工程の前若しくは後においても実施することができる。
工程(U)(レジスト調合)
こうして得られた乾燥固体の共重合体を1種又は2種以上のレジスト溶媒に溶解するか、又は、レジスト溶媒に溶解した共重合体溶液を必要に応じてレジスト溶媒で希釈するか、或いは、他の種類のレジスト溶媒を混合すると共に、感放射線性酸発生剤(X)(以下、成分(X))、放射線に暴露されない部分への酸の拡散を防止するための含窒素有機化合物等の酸拡散抑制剤(Y)(以下、成分(Y))、必要に応じてその他添加剤(Z)(以下、成分(Z))を添加することにより、レジスト組成物に仕上げることができる。
成分(X)は、これまで化学増幅型レジスト用の感放射線性酸発生剤として提案されているものから適宜選択して用いることができる。このような例として、ヨードニウム塩やスルホニウム塩等のオニウム塩、オキシムスルホネート類、ビスアルキル又はビスアリールスルホニルジアゾメタン類等のジアゾメタン類、ニトロベンジルスルホネート類、イミノスルホネート類、ジスルホン類等を挙げることができ、中でも、フッ素化アルキルスルホン酸イオンをアニオンとするオニウム塩が特に好ましい。これらは単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。共重合体100質量部に対して通常0.5〜30質量部、好ましくは1〜10質量部の範囲で用いられる。
成分(Y)は、これまで化学増幅型レジスト用の酸拡散抑制剤として提案されているものから適宜選択することができる。このような例として、含窒素有機化合物を挙げることができ、第一級〜第三級のアルキルアミン若しくはヒドロキシアルキルアミンが好ましい。特に第三級アルキルアミン、第三級ヒドロキシアルキルアミンが好ましく、中でもトリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミンが特に好ましい。これらは単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。共重合体100重量部に対して通常0.01〜5.0質量部の範囲で用いられる。
レジスト溶媒は、レジスト組成物を構成する各成分を溶解し、均一な溶液とすることができるものであればよく、従来化学増幅型レジストの溶剤として公知のものの中から任意のものを1種又は2種以上の混合溶媒として用いることができる。通常、工程(P)反応溶媒、工程(R)の良溶媒として例示された溶媒の中から、共重合体以外の組成物の溶解性、粘度、沸点、リソグラフィーに用いられる放射線の吸収等を考慮して選択することができる。特に好ましいレジスト溶媒は、メチルアミルケトン、シクロヘキサノン、乳酸エチル(EL)、γ−ブチロラクトン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)であり、中でも、PGMEAと他の極性溶剤との混合溶剤は特に好ましい。更に混合する極性溶媒としてはELが特に好ましい。
レジスト組成物中に含まれるレジスト溶媒の量は特に制限されないが、通常、基板等に塗布可能な濃度であり、塗布膜厚に応じて適当な粘度となるように適宜設定される。一般的にはレジスト組成物の固形分濃度が2〜20質量%、好ましくは5〜15質量%の範囲内となるように用いられる。
その他添加剤(Z)としては、酸発生剤の感度劣化防止やレジストパターンの形状、引き置き安定性等の向上を目的とした有機カルボン酸類やリンのオキソ酸類、レジスト膜の性能を改良するための付加的樹脂、塗布性を向上させるための界面活性剤、溶解抑止剤、可塑剤、安定剤、着色剤、ハレーション防止剤、染料等、レジスト用添加剤として慣用されている化合物を必要に応じて適宜添加することができる。有機カルボン酸の例としては、マロン酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、安息香酸、サリチル酸等を挙げることができ、これらは単独若しくは2種以上を混合して用いることができる。有機カルボン酸は、共重合体100質量部に対して0.01〜5.0質量部の範囲で用いられる。
本発明の半導体リソグラフィー用共重合体を用いることにより、Rmaxやtanθ等のリソグラフィー特性に優れたレジスト組成物を得ることができる。その理由は定かではないが、以下のように考えることができる。即ち、繰り返し単位(A1)に、繰り返し単位(A2)を組み合わせることにより、繰り返し単位(A2)が繰り返し単位(A1)よりも解離しやすいことから、薄膜中の酸の拡散を助長し、繰り返し単位(A1)の分解を促進するものと推定される。
次に、実施例を挙げて本発明を更に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。尚、下記の例においては使用される略号は以下の意味を有する。
単量体G: γ−ブチロラクトン−2−イルメタクリレート…本文中の(BL101)
単量体M: 2−メチル−2アダマンチルメタクリレート…本文中の(A107)
単量体Oa:3−ヒドロキシ−1−アダマンチルアクリレート…本文中の(BH106)
エノールエーテルE:エチルビニルエーテル
エノールエーテルC:シクロヘキシルビニルエーテル
G: 単量体Gから誘導される繰り返し単位
M: 単量体Mから誘導される繰り返し単位
Oa:単量体Oaから誘導される繰り返し単位
EE:OaにエノールエーテルEが付加した繰り返し単位…本文中の(A221)
CE:OaにエノールエーテルCが付加した繰り返し単位…本文中の(A225)
共重合体のMw、Mw/Mn、繰り返し単位組成、バルクパターン形成時の必要露光エネルギー(Eth)、露光後の現像液に対する最高溶解速度(Rmax)、現像コントラスト(tanθ)を以下の方法によって求めた。
(1)共重合体のMw、Mw/Mnの測定(GPC)
GPCにより測定した。分析条件は以下の通りである。
装 置: 東ソー製GPC8220
検出器: 示差屈折率(RI)検出器
カラム: 昭和電工製KF−804L(×3本)
試 料: 共重合体の粉体約0.1gをテトラヒドロフラン約1mlに溶解して測定用試料を調製した。GPCへの注入量は15μlとした。
(2)共重合体の繰り返し単位組成及び末端組成の測定(13C−NMR)
装 置: Bruker製AV400
試 料: 共重合体の粉体約1gとCr(acac) 0.1gをMEK1g、重アセトン1gに溶解した。
測 定: 内径10mmガラス製チューブ、温度40℃、スキャン回数10000回
(3)Eth、Rmax、tanθの測定
レジスト組成物を4インチシリコンウエハー上に回転塗布し、ホットプレート上で100℃、90秒間プレベーク(PAB)することにより、厚さ350nmのレジスト膜を形成した。ArFエキシマレーザー露光装置(リソテックジャパン製VUVES−4500)を用い、露光量を変えて10mm×10mm□の18ショットを露光した。次いで120℃、90秒間ポストベーク(PEB)した後、レジスト現像アナライザー(リソテックジャパン製RDA−800)を用い、23℃にて2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で現像し、各露光量における現像中のレジスト膜厚の経時変化を測定した。
得られたデータを基にディスクリミネーションカーブ(各露光量におけるアルカリ溶解速度)を作成し、膜厚ゼロにするための必要露光エネルギーをEth(mJ/cm)、その時の薄膜の消失速度をRmax(nm/sec)、ディスクリミネーションカーブの立ち上がりの傾きをtanθとした。
合成例1
「共重合体10」の合成
窒素雰囲気に保ったコンデンサー付きの反応容器にメチルエチルケトン(以下、「MEK」と記す。)50gを仕込んで「初期張り溶媒」とした。別に窒素雰囲気に保った容器に(BL1)単量体G 20.0g、(A1)単量体M 27.5g、(BH1)単量体Oa 13.1g、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレートを9.5g、MEKを90g仕込んで溶解し、「単量体開始剤溶液」を調製した。初期張り溶媒をスターラーで撹拌しながら80℃に昇温した後、単量体開始剤溶液を、定量ポンプを用いて一定速度で4時間かけて80℃に保った重合槽内に供給して重合させた。供給終了後、重合温度を80℃に保ったまま2時間熟成させ、室温まで冷却した。精製用の容器にヘキサン1000gを投入し、撹拌を続けながら、ここに得られた重合液を滴下して共重合体(白色固体)を析出させ、更に撹拌した後、吸引ろ過にてウエットケーキを回収した。このウエットケーキを容器に戻し、MEK 120g、ヘキサン 880gからなる混合溶媒を投入して攪拌して洗浄し、次いで吸引ろ過する操作を2回繰り返した。得られたウエットケーキの一部を、減圧乾燥器にて乾燥し、13C−NMRとGPCにて分析し、共重合体の繰り返し単位組成、Mw、Mw/Mnを求めた。残りのウエットケーキは、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート(以下、「PGMEA」と記す。)に投入し、撹拌しながら減圧下で加熱して軽質分とPGMEAの一部を留去させ、「共重合体10」を20質量%含むPGMEA溶液を調製した。
合成例2
「共重合体20」の合成
ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレートを2.6gとした他は合成例1と同様にして、「共重合体20」を20重量%含むPGMEA溶液を調製した。共重合体の繰り返し単位組成、Mw、Mw/Mnを合成例1と同様にして求めた。
実施例1
「共重合体11」の合成
窒素雰囲気に保った容器に、合成例1で合成した「共重合体10」を23質量%含むPGMEA溶液50g(水分300ppm含む)を仕込み、撹拌しながら40℃に加温した。撹拌を続けながら、トリフルオロ酢酸(以下、「TFA」と記す)を20質量%含むPGMEA溶液0.34gを加え、10分後にエノールエーテルEを50質量%含むPGMEA溶液1.83gを加え、そのまま40℃を保ちながら撹拌を5時間継続し、その後、室温まで冷却した。得られた溶液を、ガラスカラムに詰めた塩基性イオン交換樹脂の充填層に通液させた。その後、減圧下で加熱して濃縮し、「共重合体11」を30質量%含むPGMEA溶液を得た。この溶液を13C−NMRとGPCにて分析し、共重合体の繰り返し単位組成とMw、Mw/Mnを求め、結果を表1にまとめた。
「組成物11」の調製
得られた「共重合体11」を30質量%含むPGMEA溶液を用い、共重合体成分100重量部に対して、以下に示す組成となるよう、添加物及び溶剤を混合し、「組成物11」を調製した。
(1)(成分(X))4−メチルフェニルジフェニルスルホニウムノナフルオロブタンスルホネート3.5重量部
(2)(成分(Y))トリエタノールアミン0.2重量部
(3)(成分(Z))サーフロンS−381(セイミケミカル製)0.1重量部
(4)PGMEA 450質量部と乳酸エチル(以下、「EL」と記す。)300質量部との混合溶剤
この組成物について、Eth、Rmax、tanθを測定し、結果を表1にまとめた。
実施例2
「共重合体12」の合成
エノールエーテルEを50質量%含むPGMEA溶液の代わりに、エノールエーテルCを50質量%含むPGMEA溶液(質量は1.83gで実施例1と同じ)を用いた他は実施例1と同様にして、「共重合体12」を30質量%含むPGMEA溶液を得た。この共重合体の繰り返し単位組成とMw、Mw/Mnを求め、結果を表1にまとめた。
「組成物12」の調製
「共重合体11」の代わりに「共重合体12」を用いた他は実施例1と同様にして、「組成物12」を調製した。この組成物のEth、Rmax、tanθを求め、結果を表1にまとめた。
比較例1
「組成物10」の調製
「共重合体11」の代わりに「共重合体10」を用いた他は実施例1と同様にして、「組成物10」を調製した。「共重合体10」の繰り返し単位組成、Mw、Mw/Mn、及び、「組成物10」のEth、Rmax、tanθをそれぞれ求め、結果を表1にまとめた。
比較例2
「組成物20」の調製
「共重合体11」の代わりに「共重合体20」を用いた他は実施例1と同様にして、「組成物20」を調製した。「共重合体20」の繰り返し単位組成、Mw、Mw/Mn、及び、「組成物20」のEth、Rmax、tanθをそれぞれ求め、結果を表1にまとめた。
上記実施例及び比較例の結果が示すように、本発明の共重合体をベースポリマーとするリソグラフィー組成物は、Rmax及びtanθの値が従来技術と比較して明らかに向上した。
本発明の半導体リソグラフィー用共重合体、組成物によれば、リソグラフィー薄膜のアルカリ現像液に対する最高溶解速度(Rmax)や現像コントラスト(tanθ)等のリソグラフィー特性に優れるため、半導体リソグラフィーにおいて、より微細なパターンが形成できる。

Claims (5)

  1. 少なくとも、酸の作用で分解して極性基が生成する酸不安定構造を有する繰り返し単位(A)と、極性基を有する繰り返し単位(B)とを含む、重量平均分子量が1,000〜40,000である共重合体であって、繰り返し単位(A)が、式(1)

    {式(1)中、R10は水素原子、若しくは、フッ素原子が置換しても良い炭素数1〜4の炭化水素基を、nは0を、R11は水素原子若しくは炭素数1〜4の炭化水素基を表す。R12、R13は、R11が水素原子を表すとき、R12は水素原子又は炭素数1〜4の炭化水素基を、R13は炭素数1〜12の直鎖状、分岐状又は環状の飽和炭化水素基が置換したオキシ基を表し、R12とR13が互いに結合して環を形成しても良く、又、R11が炭素数1〜4の炭化水素基を表すとき、R12は炭素数1〜4の炭化水素基を、R13は炭素数1〜12の直鎖状、分岐状又は環状の飽和炭化水素基を表し、R12とR13が互いに結合して環を形成しても良い。}
    で表される繰り返し単位(A1)と、式(2)

    [式(2)中、R20は水素原子、若しくは、フッ素原子が置換しても良い炭素数1〜4の炭化水素基を表し、R21〜R23はそれぞれ独立して水素原子、水酸基、若しくは式(2a)

    {式(2a)中、yは式(2)におけるアダマンタン環との結合部位を、R24は水素原子若しくは炭素数1〜4の炭化水素基を、R25は酸素原子を含んでも良い炭素数1〜15の直鎖状、分岐状又は環状の飽和炭化水素基を表し、R24とR25が互いに結合して環を形成しても良い。}
    で表される置換オキシ基を表し、R21〜R23の少なくとも一つが式(2a)で表される置換オキシ基である。]
    で表される繰り返し単位(A2)とを含み、繰り返し単位(B)が、式(5)

    {式(5)中、R50は水素原子、若しくは、フッ素原子が置換しても良い炭素数1〜4の炭化水素基を表し、R51〜R53はそれぞれ独立して水素原子若しくは水酸基であり、R51〜R53の少なくとも一つが水酸基である。}
    で表される、水酸基を含む繰り返し単位[BH1]を含むことを特徴とする半導体リソグラフィー用共重合体。
  2. 繰り返し単位(B)が、更にラクトン構造を有する繰り返し単位(BL)を含む繰り返し単位を含み、繰り返し単位(BL)が、式(3)

    [式(3)中、R30は水素原子、若しくは、フッ素原子が置換しても良い炭素数1〜4の炭化水素基を、Aは単結合又は酸素原子で架橋しても良い炭素数5〜12の脂環式炭化水素基を、Lは式(3a)

    {式(3a)中、R31〜R36は、いずれか1つ又は2つが式(3)におけるAと結合する単結合であり、残りは水素原子又は炭素数1〜4の炭化水素基若しくはアルコキシ基を表す。}で表されるラクトン構造を表し、LはAと1乃至2の単結合で結合している。]
    で表される繰り返し単位(BL1)を含む繰り返し単位を含む請求項1に記載の半導体リソグラフィー用共重合体。
  3. 繰り返し単位(B)が、更に式(7)

    {式(7)中、R70は水素原子若しくは炭素数1〜4の炭化水素基を表す。}
    で表される繰り返し単位(BH3)を含む繰り返し単位を含む請求項1又は2に記載の半導体リソグラフィー用共重合体。
  4. 少なくとも式(1)

    {式(1)中、R10は水素原子、若しくは、フッ素原子が置換しても良い炭素数1〜4の炭化水素基を、Aは炭素数7〜12の有橋脂環式炭化水素基を、nは0を、R11は水素原子若しくは炭素数1〜4の炭化水素基を表す。R12、R13は、R11が水素原子を表すとき、R12は水素原子又は炭素数1〜4の炭化水素基を、R13は炭素数1〜12の直鎖状、分岐状又は環状の飽和炭化水素基が置換したオキシ基を表し、R12とR13が互いに結合して環を形成しても良く、又、R11が炭素数1〜4の炭化水素基を表すとき、R12は炭素数1〜4の炭化水素基を、R13は炭素数1〜12の直鎖状、分岐状又は環状の飽和炭化水素基を表し、R12とR13が互いに結合して環を形成しても良い。}
    で表される繰り返し単位(A1)と、式(5)

    {式(5)中、R50は水素原子、若しくは、フッ素原子が置換しても良い炭素数1〜4の炭化水素基を表し、R51〜R53はそれぞれ独立して水素原子若しくは水酸基であり、R51〜R53の少なくとも一つが水酸基である。}
    で表される繰り返し単位(BH1)とを含み、且つ、式(2)

    [式(2)中、R20は水素原子、若しくは、フッ素原子が置換しても良い炭素数1〜4の炭化水素基を表し、R21〜R23はそれぞれ独立して水素原子、水酸基、若しくは式(2a)

    {式(2a)中、yは式(2)におけるアダマンタン環との結合部位を、R24は水素原子若しくは炭素数1〜4の炭化水素基を、R25は酸素原子を含んでも良い炭素数1〜15の直鎖状、分岐状又は環状の飽和炭化水素基を表し、R24とR25が互いに結合して環を形成しても良い。}
    で表される置換オキシ基を表し、R21〜R23の少なくとも一つが式(2a)で表される置換オキシ基である。]
    で表される繰り返し単位(A2)を含まない共重合体を、酸の存在下、エノールエーテルと反応させる工程(Q)を含む方法によって処理することを特徴とする半導体リソグラフィー用共重合体の製造方法。
  5. 少なくとも、請求項1乃至3のいずれかに記載の半導体リソグラフィー用共重合体、感放射線性酸発生剤及び溶剤を含んでなる半導体リソグラフィー用組成物。
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