JP4999682B2 - 脱水方法 - Google Patents

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Description

本願発明は、果物類、野菜類、肉類、貝類、甲殻類又はそれらの部分のような無傷の植物組織又は動物組織の断片を脱水する方法に関する。本方法により得られた脱水された断片は、水の添加における本質的に即時の実質的に均一な再構成が可能である。更に、再構成の後に得られた再水化された断片は、最初の断片の外観及び構造と非常に類似である外観及び構造を示す。
本発明は又、(i)物質を抽出溶媒と接触させ、その物質の水含量を低減させること、(ii)前記溶媒を、部分的に脱水された物質から分離すること、(iii)このように得られた溶媒を水吸収剤又は水吸着剤と接触させることにより前記溶媒を乾燥させること、及び(iv)その乾燥された溶媒を前記の部分的に脱水された物質に再循環させることを含む、物質を脱水させる方法を提供する。
腐食を防ぐ及び/又は重量を低減させるために、食物物質、例えば野菜類、を脱水することは食物加工の技術においてよく知られている。消費する前に、そのような脱水された物質は、最初の(新鮮な)食物物質の外観及び摂食の特質(風味、テキスチャー等)を復元するために水で再構成されなくてはならない。
この分野における先行技術の努力は、生鮮産物のかなり過酷な脱水処理(例えば熱風乾燥)及び/又は生鮮産物の複雑な処理(例えば凍結乾燥)、そしてある場合には化学的処理の使用に頼っている。新鮮な出発物質のいくつかの特徴における、そのような処理の悪影響はよく知られている。例えば、熱風乾燥は通常、新鮮な出発物質の風味及び色に重大な悪影響を有する。又、熱風乾燥された製品は一般的に良好には再水化されない。凍結乾燥は、風味及び色については、典型的には熱風乾燥された製品よりも優れた脱水された製品を生成する。しかし、凍結乾燥は、細胞の破壊をもたらし、野菜類の水に対する透過性を増大させることが知られている。更に、凍結乾燥は、多くのエネルギーを消費する非常に緩慢なプロセスであるので特に経済的ではない。
要するに、先行技術により、無傷の植物組織又は動物組織の断片の新鮮な特徴を維持するための単純な効率的な方法の必要性が長い間認識されている。又、例えば熱により引き起こされた又は酸化性の損傷の結果として、出発物質の望ましい特徴に悪影響を及ぼさない経済的な脱水法に対する一般的な必要性が存在する。
発明の概要
予期しないことに、本願発明者らは、少なくとも0.5×Pの圧力及び少なくともT−60℃の温度(Pはその気体の臨界圧を表し、Tはその気体の臨界温度を表す)を有する加圧気体を用いることにより、新鮮な特徴を維持させながら、無傷の植物組織又は動物組織の断片を脱水させることが可能であることを見出した。より特定すると、加圧気体を用いる脱水により、再水化の後に、天然のままの外観、風味、テキスチャー及び産物保全性のような、新鮮さに関連する特質を示す脱水された断片が生成されることが見出された。同時に、脱水された生成物の保存寿命が非処理の生成物と比較して、かなり延長される。更に、本方法により得られた脱水された断片は迅速に及び容易に再水化する。
本願発明者らは理論に縛られることを望まないが、本方法の、先に記載した利点は、組織の細胞構造が脱水過程の間中、損傷されないままであるという事実と関連すると考えられる。更に、本方法は、比較的低い温度(例えば周囲温度)で適切に操作され得る。従って、熱暴露の悪影響も回避できる。
本願発明者らは、又、水含有物質、特に、熱感受性を有する又は酸化する傾向を有する成分を含有する物質、を脱水するために、液化気体又は超臨界気体が有利に用いられ得ることを見出した。そのような物質の熱風乾燥は、重要な特質損失をもたらし、一方、凍結乾燥はしばしば経済的ではない。それらの水含有物質を脱水するために加圧気体を用いる場合、水での飽和を回避するために、その加圧気体を、水含有物質及び水吸収剤又は水吸着剤に再循環させることは非常に有利である。
米国特許第6,026,565号には、臨界未満の又は超臨界の流体を用いる脂質含有食物からのステロール類及び/又は脂質成分類の除去のための方法が記載されている。この米国特許において、粒子低減工程の後に、水を除去するために臨界未満の又は超臨界の流体を用いることは注目される。特定の水分含量に達したときに、脂肪及びコレステロールも抽出される。肉は30−55重量/重量%の範囲に乾燥されるべきであることが記載されている。その米国特許の実施例では、脂肪の実質的な量の抽出により、かなりの水除去がなされていることが示されている。
発明の詳細な記載
従って、本発明の一つの面は、無傷の植物組織又は動物組織の、少なくとも30重量%の水を含有する断片を、少なくとも0.5×Pの圧力及び少なくともT−60℃の温度(Pはその気体の臨界圧を表し、Tはその気体の臨界温度を表す)を有する加圧気体と接触させ、前記断片の水含量を少なくとも50%低減させること、及び(ii)脱水された断片から加圧気体を分離させることを含み、加圧気体により無傷の植物組織又は動物組織の断片から除去された物質の少なくとも80重量%が水である、無傷の植物組織又は動物組織の、少なくとも30重量%の水を含有する断片を脱水する方法に関する。
植物組織又は動物組織に関連して本明細書に用いられている「無傷の」という用語は、個々の細胞が破壊されず、なお連続していることを意味する前記組織が本質的に損傷されない(例えばブランチングされ得ているが)ことを意味する。従って、乾燥又は抽出の予備処理としてしばしば用いられるすり潰し操作又は粉砕操作に付された組織は無傷の組織とされない。「無傷の植物組織又は動物組織の断片」という表現は、切断又は同等の技術により取り出された植物組織又は動物組織の断片内の組織は本質的に無傷のままであるので、そのように得られた植物組織又は動物組織の部分を包含する。
本明細書に用いられている「気体」という用語は、1気圧の圧力及び20℃の温度において気体である物質又は元素、又は物質及び/又は元素の混合物を示し、圧力を少なくとも10気圧に、好ましくは少なくとも20気圧に増大させることにより、液体又は超臨界状態にし得る。
本発明の利点は、本方法が、無傷の組織の比較的大きな断片を脱水するために用いられる場合に特に示される。従って、本発明の特に好ましい態様では、脱水される断片の少なくとも50%(容量/容量)が、少なくとも0.05gの、好ましくは少なくとも0.1gの、最も好ましくは少なくとも0.3gの重量を有する。
本方法により有利に脱水され得る無傷の植物組織の断片の典型的な例には、野菜類、果物類、ハーブ類、スパイス類並びにそれらの植物物質の部分及びそれらの可能なブレンドが含まれる。好ましくは、本方法は、野菜類(マメ科植物類を含む)及び果物を脱水するために用いられる。本方法により適切に脱水され得る動物組織の断片の例には、貝類、甲殻類、エビ、牛、豚、鶏及び魚の肉が含まれる。
本方法の重要な利点は、本方法から得られた脱水された断片の優れた再水化性に関連する。前記再水化性の尺度はいわゆる再水化比である。再水化比は、再水化の前の脱水された生成物の重量に対する再水化の5分後の再構成された生成物の重量の比として定義される。典型的には、本方法から得られる脱水された断片の再水化比は3より大きい。先に記載した再水化比は、好ましくは3.5より大きく、より好ましくは4より大きくさえある。
脱水された断片の再水化性の他の尺度は、再水化能である。再水化能は、(a)再水化された断片の質量マイナス乾燥された物質の質量と(b)新鮮な物質の質量マイナス乾燥された物質の質量との商として定義される。ここでも又、再水化された断片の質量は、再水化の5分後に測定される。
再水化能は比較的低い水分含量(例えば40−75重量%)を有する組織の断片から得られた脱水された断片の再水化性を定義するのに特に適している。肉の組織は典型的にはほとんどの植物組織よりもずっと低い水分含量を有し、そのため、脱水された肉の断片の再水化性を定義するのには再水化能がより適している。本方法から得られる脱水された断片の再水化能は典型的には0.3より大きい。より好ましくは、その再水化能は0.33より大きく、最も好ましくは前記比は0.35より大きい。
典型的には、本方法により得られる脱水された断片は、20重量%未満しか水を、好ましくは10重量%未満しか水を含有しない。本方法により得られる脱水された断片の水分活性は、有利には0.6未満、特に0.3未満である。
例えば凍結乾燥と比較したときに、本方法は、得られる脱水速度が有意に速いという利点を提供する。本方法では、水分含量における実質的な低減を達成するために、無傷の植物組織又は動物組織の断片を、典型的には、少なくとも30分間加圧気体と接触させる。出発物質の水分含量及びその断片のサイズに依存して、適切な脱水は通常1乃至12時間内で達成され得る。
典型的には、加圧気体への水の溶解度はかなり低い。従って、多量の加圧気体の使用を回避するために、抽出された水を除去することができる手段に加圧気体を再循環させることが好ましい。従って、特に好ましい態様では、加圧気体の分離の後に、前記の加圧気体は、その加圧気体中に含有される水の除去により乾燥され、そのように得られた乾燥された加圧気体は、無傷の植物組織又は動物組織の断片に再循環される。加圧気体から選択的に水を除去することにより、水以外の他の成分の抽出は、効率良く最小にされ得る。特に、加圧気体の比較的低い容量が用いられる場合、その気体は、水以外の抽出物で迅速に飽和され、その後には、それらの抽出物の更なる抽出は最小になる。
水は、本技術において公知のいずれかの手段により再循環された加圧気体から除去され得る。例えば、その気体中の水の溶解度を実質的に低減させるために圧力及び/又は温度を低減させることにより、抽出された水は回収され得る。代替として、好ましい態様では、加圧気体を、加圧気体と不混和性の水吸着剤又は水吸収剤と接触させることにより、水は加圧気体から除去される。その水吸着剤又は水吸収剤は液体の又は固体の、好ましくは粒状の、物質であり得る。適する吸着剤及び吸収剤の例には、活性化クレー及びアルミノ珪酸塩を含む活性化シリカ;無機塩(例えば塩化カルシウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム及び硫酸カルシウム);超吸収性ポリマー類(特にポリアクリレート類、アクリレートコポリマー類、キトサン塩及び表面活性剤処理ポリオレフィン類、例えば表面活性剤処理ポリプロピレン);セルロース、澱粉及び加工澱粉が含まれる。セルロース及び澱粉は、天然の有機物質、例えばトウモロコシの穂軸、紙、綿、コルク、ピート又はわらの形態で適切に用いられ得る。
特に好ましい態様によると、加圧気体を、活性化珪酸塩、特に微孔性珪酸塩(ゼオライト3A及び4Aのようなアルミノ珪酸塩が特に好ましい)と接触させることにより水は加圧気体から除去される。なぜならそれらの珪酸塩は、加圧気体から大きな分子、例えば風味剤分子、を抽出せずに、水を選択的に除去できるからである。従って、水以外の、植物組織又は動物組織からの(望ましい)成分の抽出が効率良く最小にされる。
使用量の水吸着剤及び/又は水吸収剤物質は、無傷の植物組織又は動物組織の断片から除去される水の量を制御するために適切に用いられ得る。水吸収剤物質及び/又は水吸着剤物質の水除去能がなくなったら、水はもう抽出されない。従って、水の所定量を除去するためにどのくらい多くの吸収剤/吸着剤が必要であるか計算し得る。
本方法の効力は、再循環する加圧気体の水含量を連続的にモニターすることにより適切に制御され得る。例えば、植物組織又は動物組織の断片と接触された加圧気体の水分が特定の所定の値より下がった場合、そのことが本方法を停止し得る指標として用いられ得る。更に、水吸収剤又は水吸着剤中/上を通過した加圧気体の水含量が他の所定の値を超えた場合、それが循環流れを低減しなくてはならないこと及び/又は水吸着剤物質又は水吸収剤物質を交換する必要又は再生する必要があることを示し得る。
脱水された断片の品質を最適にするために、本方法の異なる段階において乾燥速度を変えることは有利であり得る。乾燥速度は、水吸収剤物質/吸着剤物質を除去する又は添加する(圧力を維持しながら)ことにより及び/又は循環流量を変えることにより及び/又は循環流れの一部を迂回させることにより制御され得て、それで水吸収剤/吸着剤物質を通過させる。好ましい態様によれば、本方法は、加圧気体の高い初期流量を用い、水分抽出が進行するにつれ、次第に低減させる。典型的には、本方法において用いられる流量は出発物質(無傷の植物組織又は動物組織の断片)100g当り時間当り少なくとも5リットルである。
本方法の有利な態様では、加圧気体を、無傷の植物組織又は動物組織の断片の床に浸透させる。その床は、一緒に積み重ねられた又は積まれた断片の単一の塊体から適切に成る。各々の遮蔽物の上に一層の断片が積まれた2つ以上の遮蔽物の垂直配置を用いるのも有利であり得る。代替として、特に断片に付着した水が低い位置の断片に落ちるのを回避しなくてはならない場合、例えば、落ちることが変色を生じさせ得るので、水平の配置が用いられる。本方法では、脱水された断片は、圧力及び温度を周囲条件に調整する前に、加圧気体から適切に分離される。圧力及び温度の調整は、好ましくは、組織細胞構造が本質的に無償のままであるために十分に遅い速度で行われる。より特定すると、圧力は、10,000Pa/秒以下の、特に7,500Pa/秒以下の速度で有利に低減される。
本発明は又、(i)少なくとも30重量%の水を含有する物質を加圧気体に接触させ、前記物質の水含量を低減させること、(ii)部分的に脱水された物質から加圧気体を分離させること、(iii)このように得られた加圧気体を水吸収剤又は水吸着剤と接触させることにより、その加圧気体を乾燥させること、及び(iv)その乾燥された加圧気体を前記の部分的に脱水された物質に再循環させることを含み、組成物の水含量を少なくとも50%低減させる、少なくとも30重量%の水を含有する物質を脱水する方法を提供する。先に説明したように、再循環する加圧気体から水を連続的に除去することにより、水以外の成分の抽出は、非常に効率的に最小にされ得る。
本脱水方法は、前記断片を加圧気体の臨界圧に近い加圧気体と接触させる間、圧力を適切に用いる。好ましくは、加圧気体の圧力は、少なくとも0.7×Pである。更により好ましくは、加圧気体の圧力は少なくとも0.8×Pである。通常、加圧気体の圧力は10×Pを超えず、好ましくは5×Pを超えない。
植物組織又は動物組織の断片と接触する間の加圧気体の温度は、有利には少なくともT−40℃である。更により好ましくは、前記温度は少なくともT−30℃である。好ましい態様では、加圧気体の温度はT+60℃を超えず、より好ましくはT+40℃を超えない。特に好ましい態様では、接触工程の間の加圧気体の温度は70℃以下であり、より好ましくは50℃以下であり、最も好ましくは40℃以下である。
特に好ましい態様によれば、本方法において用いられる加圧気体は液化気体又は超臨界気体である。
本方法において用いられる加圧気体は、二酸化炭素、亜酸化窒素、エタン、エチレン、プロパン、シクロプロパン、プロピレン、ブタン及びそれらの混合物から成る群から有利に選ばれる。特に好ましい態様では、加圧気体は、少なくとも40バールの圧力及び0℃乃至200℃の温度における二酸化炭素である。
植物組織又は動物組織の断片から実質的な量の水の抽出を達成するためには、前記断片を、低水分含量、例えば0.3重量%未満の水含量、より特定すると0.1重量%未満の水含量しか有しない液体ガス又は超臨界気体と接触させることが重要である。
脂質成分、カフェイン成分、風味剤成分及び着色成分の抽出のために二酸化炭素のような超臨界気体を用いることは本技術においてよく知られている。先に記載した成分を植物組織又は動物組織の断片中に保持する方法を提供することが本発明の一つの目的である。従って、好ましい態様では、本方法において加圧気体により除去される物質の少なくとも90重量%が水である。更により好ましくは、前記物質の少なくとも95%が水である。
本明細書において先に記載したように、植物物質から水以外の成分を選択的に抽出するために超臨界気体又は近臨界気体を用いることは本技術においてよく知られている。通常、それらの方法は、予備乾燥させた出発物質を用いる。本発明は、予備乾燥及び抽出の両方が加圧気体を用いて行われる方法を提供する。従って、本発明の特定の態様は、本明細書において先に記載したように、出発物質の水含量を10%未満に低減させ、このように得られた脱水された物質を同じ気体で抽出させることを含み、前記気体は加圧状態であり、前記抽出により、前記出発物質中に含有される乾燥物質の重量に基づいて少なくとも1%の親油性物質を除去する方法に関する。本発明の特に好ましい態様では、乾燥工程及び抽出工程が同じ装置内で、好ましくは、抽出が完了した後まで前記装置から植物組織又は動物組織の断片を取り出すことなく、行われる。
本発明の他の面は、少なくとも30重量%の水を含有する無傷の植物組織又は動物組織の断片を脱水し、3より大きい再水化比を有する脱水された断片を得るための、少なくとも0.5×Pの圧力及び少なくともT−60℃の温度を有する加圧気体の使用に関する。
本発明を下記の実施例により更に説明する。
実施例1−循環なしのバッチにおけるブロッコリーの乾燥
実験操作
油で充填されたジャケットにより加熱又は冷却され得る1リットル容の圧力容器において実験を行った。この実験において、前記容器に500gのゼオライト型3A[J.T.Baker(登録商標)]を充填した。前記ゼオライト上に、迷路を配置し、その頂部に65gのブロッコリーの断片をポリエステルクロスで包んで置いた。実験の前に、ブロッコリーを解凍し、重さを計った。容器中に、ブロッコリー及びゼオライトをおおい隠すレベルまで液体二酸化炭素(65バール)を導入した。ジャケット温度を望ましい温度(22℃)に設定した。抽出を16時間続けた。その後、容器の底部に据え付けられた弁を介して容器からCOを除去した。圧力開放の後に、容器を開け、質量の損失を決定するためにブロッコリーの重量を測定した。
結果
先に記載したように液体二酸化炭素での処理の後、ブロッコリーの重量は85%低減されたことが見出された。
実施例2−循環を有するバッチにおけるブロッコリーの乾燥
脱水工程の間、循環ポンプを用いてCOで連続的にフラッシした6リットル容の容器中で二つの実験を行った。実施例1において記載したように、700gのゼオライト3Aの床の頂部に配置した迷路の頂部に、約70gのブロッコリーをポリエステルクロスで包んで置いた。COを底部から上向きにフラッシした。容器をジャケットによって油で加熱した。用いた操作は、脱水中に乾燥速度を改良するために循環ポンプを連結させたことを除いて、先の実施例において記載された操作と同じであった。実験中に用いた条件及び得られた結果を下記の表にまとめる。
Figure 0004999682
実施例3−別個の容器における新鮮なブロッコリーの乾燥
新鮮なブロッコリーを1cm乃至2cmのサイズを有する断片に切断した。その断片を90秒間ブランチングした。付着した水をペーパークロスでの吸着により除去した。そのブロッコリーを4つのトレー上に置き、第一容器中に入れた。容器壁は、電熱線を装備していた。綿ホルダー中の第二容器にゼオライト3Aを入れた。第二容器はジャケットを装備しており、そのジャケットにより、容器及び内容物を温めるために、加熱された水をフラッシさせた。第二容器は、その底部及び弁を介して第一容器に連結していた。第一容器は底部を介して循環ポンプの入口に連結していた。第一容器の出口は弁を介して第二容器の頂部に連結していた。その工程中の液体水を除去するために、第一容器及び循環ポンプを連結する管中に液体トラップを配置した。液体トラップと循環ポンプとの間に、二酸化炭素中の相対湿度を測定するために検出器を配置した。又、二酸化炭素を添加するための連結部を第二容器に連結した。
本方法は、二重管冷却器及び隔膜ポンプを介して二酸化炭素を第二容器に添加し、第二容器及び内容物を40℃に温めることを含む。次に、第二容器及び循環ポンプへの連結部を開放した。100バールの圧力に達するまで二酸化炭素を添加した。二酸化炭素をゼオライト及びブロッコリー上に循環させた。本方法の必要な継続時間及び必要な循環速度の示度として湿度検出器を用いた。6時間後、循環ポンプを停止させ、圧力を0.5時間内に開放した。ブロッコリーを分析のために気密バッグ中に詰めた。
分析により、乾燥されたブロッコリーの水分活性が0.33であり、再水化能は0.59であり、再水化比は6.68であることが示された。
実施例4−他の野菜類と果物類の乾燥
実施例3で記載したのと同様の方法で、他の野菜類及び果物類を乾燥した。それらは、りんご部分、ネギ及び赤トウガラシ(パプリカ)であった。ネギを乾燥前に90秒間ブランチングした。乾燥条件は100バール及び39℃であった。乾燥時間は8時間であった。圧力を0.5時間内に大気圧に開放した。
重量損失及び水分活性を測定した。
Figure 0004999682
実施例5−ハーブ類の乾燥
実施例2で記載したのと同様な実験において、新鮮なハーブ類(パセリ、シロウマアサツキ)を乾燥した。6リットル容器の代わりに、揮発分の損失を最小にするために、より小さな容器(1リットル)を用いた。乾燥中の圧力は100バールであり、温度は40℃であった。乾燥時間は5時間であった。圧力を30分内に大気圧に開放した。7.8g及び5.4gの量のパセリを乾燥させた。ゼオライト対ハーブ類の比は30:1であった。最終水含量はパセリの場合には88%から3%(重量/重量)に低減した。シロウマアサツキの場合には、最終水含量は89%から7%(重量/重量)に低減した。
実施例6−肉の乾燥
実施例4で記載したのと同様な実験において、肉部分(5mm乃至10mm)を乾燥させた。乾燥時間は21時間であった。温度は38℃であり、圧力は100バールであった。ゼオライト対肉の比は10:1であった。ポークチョップ、牛肉及び鶏のヒレを乾燥した。重量損失を測定した。又、水含量及び脂肪含量、再水化能及び再水化比を測定した。結果を下記の表に示す。
Figure 0004999682

Claims (14)

  1. (i)無傷の植物組織又は動物組織の、少なくとも30重量%の水を含有する断片を、少なくとも0.5×Pの圧力及び少なくともT−60℃の温度(Pはその気体の臨界圧を表し、Tはその気体の臨界温度を表す)を有する加圧気体と接触させ、前記断片の水含量を少なくとも50%低減させること、及び(ii)脱水された断片から加圧気体を分離させることを含み、脱水された断片は20重量%未満しか水を含有せず、加圧気体により無傷の植物組織又は動物組織の断片から除去された物質の少なくとも80重量%、好ましくは少なくとも90重量%が水である、無傷の植物組織又は動物組織の、少なくとも30重量%の水を含有する断片を脱水する方法。
  2. 脱水される断片の少なくとも50%(容量/容量)が、少なくとも0.05g、好ましくは少なくとも0.1gの重量を有する、請求項1に記載の方法。
  3. 脱水された断片が0.6未満しか水分活性を有しない、請求項1又は請求項2に記載の方法。
  4. 脱水された断片の再水化比が3より大きい、好ましくは4より大きい、請求項1乃至3のいずれか1請求項に記載の方法。
  5. 無傷の植物組織又は動物組織の断片を加圧気体と少なくとも30分間、好ましくは1乃至12時間、接触させる、請求項1乃至4のいずれか1請求項に記載の方法。
  6. 加圧気体の分離の後に、その加圧気体中に含有される水の除去により、その加圧気体を乾燥させ、そのように得られた乾燥された加圧気体を無傷の植物組織又は動物組織の断片に再循環させる、請求項1乃至5のいずれか1請求項に記載の方法。
  7. 前記加圧気体をその加圧気体と不混和性の水吸収剤又は水吸収剤と接触させることにより、加圧気体から水を除去させる、請求項6に記載の方法。
  8. (i)少なくとも30重量%の水を含有する物質を、少なくとも0.5×Pの圧力及び少なくともT−60℃の温度を有する加圧気体と接触させ、前記物質の水含量を低減させること、(ii)部分的に脱水された物質から加圧気体を分離させること、(iii)このように得られた加圧気体を水吸収剤又は水吸着剤と接触させることにより、その加圧気体を乾燥させること、及び(iv)その乾燥された加圧気体を前記の部分的に脱水された物質に再循環させることを含み、組成物の水含量を少なくとも50%低減させる、少なくとも30重量%の水を含有する物質を脱水する方法。
  9. 前記加圧気体が、液化されている気体又は超臨界気体である、請求項1乃至8のいずれか1請求項に記載の方法。
  10. 前記気体が、二酸化炭素、亜酸化窒素、エタン、エチレン、プロパン、シクロプロパン、プロピレン、ブタン及びそれらの混合物から成る群から選ばれる、請求項1乃至9のいずれか1請求項に記載の方法。
  11. 前記加圧気体が、少なくとも40バールの圧力及び0℃乃至200℃の温度における二酸化炭素である、請求項1乃至10のいずれか1請求項に記載の方法。
  12. 無傷の組織の断片と接触させる加圧気体の水含量が0.1重量%未満である、請求項1乃至11のいずれか1請求項に記載の方法。
  13. 脱水された断片が10重量%未満しか水を含有しない、請求項1乃至12のいずれか1請求項に記載の方法。
  14. 前記物質の水含量を10%未満に低減させ、続いてこのように得られた脱水された物質を同じ気体で抽出することを含み、前記気体が加圧された状態であり、前記抽出により、前記物質中に含有される乾燥物質の重量に基づいて少なくとも1%の親油性物質を除去する、請求項1乃至13のいずれか1請求項に記載の方法。
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