JP4998418B2 - 金属供給用フィルム及びそれを用いたプリント配線基板の作製方法 - Google Patents

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Description

本発明は、生産性、微細配線化が可能で、環境負荷の少ないプリント配線基板作製用の金属供給用フィルム及びそれを用いたプリント配線基板の作製方法に関する。
従来のプリント配線基板の製造方法としては、銅張り版上にフォトレジスト材料を塗布し、パターン状マスクを通して露光した後エッチング処理する、いわゆるサブトラクティブ法と触媒インクを回路パターン状に形成した後、めっき処理により所望の導電性パターンを形成するいわゆるアディティブ法、導電性粒子をインクジェット等で直接描画する方法等がある。
サブトラクティブ法は、操作が煩雑、マスクが高価であり、さらなる細線化要望に十分対応できてなく、直接描画法は、高い導電性を得るためには高温焼成が必要であり、樹脂基板への対応は難しい。
一方、アディティブ法は、簡便でより細い線を形成するのに有効であり、無電解めっきを用いることで樹脂基板にも対応可能である。しかし、無電解めっき法は、めっき処理時間が長く、大量の液を使用するため、環境の問題や液管理の難しさ等のいろいろな問題があり、アディティブ法の拡大の妨げになっていた。
この問題を解決する方法として、インクジェット技術を用いて触媒インクでパターンを形成した後、さらに金属塩と還元剤をインクジェットで供給する方法(例えば特許文献1参照)や金属塩と還元剤をインクジェットで吐出し、加熱還元させる方法(例えば特許文献2参照)が開示されている。
しかし、特許文献1の方法では、触媒(活性剤)でパターン形成した部分以外にも金属塩や還元剤が飛び散り、この過剰な溶液や塩を除去するために洗浄しないと、不要部分に導電性が生じ、特に微細な配線パターンを形成する場合には十分な性能が得られない。また、特許文献2の方法では、不要な有機物(カルボン酸等)が残ってしまい、高温焼結を行わないと導電性が十分満足できない。
特表2006−516818号公報 特開2004−214236号公報
本発明は、上記問題・状況に鑑みてなされたものであり、その解決課題は、生産性、微細化、及び高導電性を持つプリント配線基板作製用の金属供給用フィルム及びそれを用いた簡便なプリント配線基板の作製方法を提供することである。
本願発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討する過程において、パターン状に触媒を付与した樹脂基板に有機金属化合物と加熱還元剤を含有した金属供給用フィルムを密着、加熱することにより、金属供給用フィルムから移動した金属が触媒上で選択的に還元析出され、金属配線内に不要な有機物等が取り込まれることがなく、高い導電性を持った微細配線を迅速に作製できることを見出した。
本願発明者らは、上記知見を得ることにより、本願発明に至った。すなわち、本発明に係る上記課題は、以下の手段により解決される。
1.プリント配線基板作製工程で用いる金属供給用フィルムであって、樹脂基板上に形成された触媒パターン上に、加熱により金属を供給し析出させる機能を有することを特徴とする金属供給用フィルム。
2.金属供給源としての有機金属化合物と金属イオン還元剤とを含有することを特徴とする前記1に記載の金属供給用フィルム。
3.前記有機金属化合物が、脂肪酸または脂肪酸誘導体とAu、Ag、Cu、Ni、Pd、Pt、及びSnから選ばれる金属元素の金属イオンとの化合物であることを特徴とする前記2に記載の金属供給用フィルム。
4.前記1〜3のいずれか一項に記載の金属供給用フィルムとパターン状に触媒を付与した樹脂基板とを密着させ、金属イオン還元剤の存在下で、加熱することで触媒パターン上に金属を析出させた後、当該金属供給用フィルムを剥離することを特徴とするプリント配線基板の作製方法。
5.前記加熱温度が、100〜180℃の範囲内であることを特徴とする前記4に記載のプリント配線基板の作製方法。
本発明の上記手段により、生産性、微細化、及び高導電性を持つ簡便なプリント配線基板作製用の金属供給用フィルム及びそれを用いた簡便なプリント配線基板の作製方法を提供することができる。
本発明の金属供給用フィルムは、プリント配線基板作製工程で用いる金属供給用フィルムであって、樹脂基板上に形成された触媒パターン上に、加熱により金属を供給し析出させる機能を有することを特徴とする。この特徴は、請求項1〜5に係る発明に共通する技術的特徴である。
なお、本願でいう「有機金属化合物」とは、有機酸金属塩及び有機金属錯体を含めた広義の金属含有・有機化合物をいう。
本発明の実施態様としては、当該金属供給用フィルムが、金属供給源としての有機金属化合物と金属イオン還元剤とを含有する態様であることが好ましい。また、前記有機金属化合物が、脂肪酸または脂肪酸誘導体とAu、Ag、Cu、Ni、Pd、Pt、及びSnから選ばれる金属元素の金属イオンとの化合物であることが好ましい。
本発明の金属供給用フィルムを用いたプリント配線基板の作製方法としては、当該金属供給用フィルムとパターン状に触媒を付与した樹脂基板とを密着させ、金属イオン還元剤の存在下で、加熱することで触媒パターン上に金属を析出させた後、当該金属供給用フィルムを剥離する工程を含む態様の作製方法であることが好ましい。この場合、加熱温度は、100〜180℃の範囲内であることが好ましい。
以下、本発明とその構成要素、及び本発明を実施するための最良の形態等について詳細な説明をする。
〔パターン状に触媒を付与した樹脂基板〕
本発明において用いられる「パターン状に触媒を付与した樹脂基板」とは、樹脂基板を用いたプリント配線基板において、アディティブ法で配線を形成するために、めっき触媒を所望のパターンで樹脂基板上に形成したものであり、この場合のめっき触媒は無電解めっき反応を促進させることが出来ればよく、例えばパラジウム、銀、銅、ニッケル、アルミ、コバルト、鉄等の金属を挙げることができる。中でも取り扱い性の良さ、触媒能の高さからパラジウムや銀を用いることが好ましい。
当該触媒を付与する方法としては、所望のパターンで付与できればどのような方法でも構わないが、例えば前記金属触媒を含有したインクでスクリーン印刷したり、インクジェットで印刷すればよい。また、前記金属触媒の前駆体で所望のパターンを形成した後、加熱分解等により触媒を生成する方法でもよい。金属触媒の前駆体としては、例えば塩化白金酸、塩化パラジウム、塩臭化銀のような金属ハロゲン化物、ポリビニルアルコールのパラジウムキレートのような有機金属化合物が適用可能である。
本発明に用いられる樹脂基板としては、プラスチックフィルムを用いることができる。
プラスチックフィルムの原料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル類、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン、環状オレフィン系樹脂などのポリオレフィン類、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなどのビニル系樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリサルホン(PSF)、ポリエーテルサルホン(PES)、ポリカーボネート(PC)、ポリアミド、ポリイミド、アクリル樹脂、トリアセチルセルロース(TAC)などを用いることができる。
中でも透明性、耐熱性、取り扱いやすさ及びコストの点から、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、アクリル樹脂フィルム、トリアセチルセルロースフィルムであることが好ましく、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムであることが最も好ましい。
本発明に係る樹脂基板は塗布液の濡れ性や接着性を確保するために、表面処理や易接着層を設けることが好ましい。表面処理や易接着層については従来公知の技術を使用できるが、透明フィルム基材が二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムである場合は、フィルムに隣接する易接着層の屈折率が1.57〜1.63とすることで、フィルム基材と易接着層との界面反射を低減して透過率を向上させることができるのでより好ましい。屈折率を調整する方法としては、酸化スズゾルや酸化セリウムゾルなどの比較的屈折率の高い酸化物ゾルとバインダー樹脂との比率を適宜調整して塗設することで作製できる。易接着層は単層でも良いが、接着性を向上させるためには2層以上の構成にしても良い。
〔金属供給用フィルム〕
本発明の金属供給用フィルムは、プリント配線基板作製工程で用いる金属供給用フィルムであって、樹脂基板上に形成された触媒パターン上に、加熱により金属を供給し析出させる機能を有することを特徴とする。
従って、本発明の金属供給用フィルムは、加熱により金属イオンを還元することで金属を生成することが出来る有機金属化合物を含有したフィルムであれば特に限定されない。すなわち、金属供給源としての有機金属化合物と金属イオン還元剤とを含有する態様のフィルムであればよい。
〔有機金属化合物〕
本願でいう「有機金属化合物」とは、前述のように、有機酸金属塩及び有機金属錯体を含めた広義の金属含有・有機化合物をいうものとする。
本発明において用いられる有機金属化合物としては、脂肪酸または脂肪酸誘導体とAu、Ag、Cu、Ni、Pd、Pt、及びSnから選ばれる金属元素の金属イオンとの化合物が好ましく用いられる。
本発明に用いる有機金属化合物は、金属イオン還元剤の存在下で、80℃あるいはそれ以上に加熱された場合に金属イオン供給体として機能し、還元反応により金属を形成せしめる化合物であることを要する。
本発明において好適に用いられる有機酸金属塩としては、脂肪族カルボン酸の金属塩である。特に、炭素数が3〜30、好ましくは15〜28の長鎖ないし分岐脂肪酸が好ましく、分子量としては、200〜500が好ましく、250〜400がより好ましい。
脂肪族カルボン酸の好ましい例としては、ベヘン酸、アラキジン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ラウリン酸、カプロン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、及びこれらの混合物などを含む。金属としては、Ag、Cu、Niがより好ましい。
〈調製〉
有機金属化合物の調製方法としては、例えば、脂肪族カルボン酸の金属塩は、水溶性金属化合物と当該金属イオンと錯形成する化合物を混合することにより得られるが、正混合法、逆混合法、同時混合法、特開平9−127643号公報に記載されている様なコントロールド・ダブルジェット法等が好ましく用いられる。
例えば、脂肪族カルボン酸にアルカリ金属塩(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなど)を加えて脂肪族カルボン酸アルカリ金属塩(例えば、ベヘン酸ナトリウム、アラキジン酸ナトリウムなど)の溶液もしくは懸濁液を作製した後に、コントロールド・ダブルジェット法により、硝酸銀などと混合して脂肪族カルボン酸銀塩の結晶を作製する。その際に、脂肪族カルボン酸銀塩の種結晶粒子を混在させてもよい。
使用できるアルカリ金属塩の種類の例としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等がある。これらの内の1種類のアルカリ金属塩、例えば水酸化カリウムを用いることが好ましいが、水酸化ナトリウムと水酸化カリウムを併用することも好ましい。
〈脂肪族カルボン酸の金属塩の組成〉
本発明においては、1種類の脂肪族カルボン酸の金属塩だけを用いることもできるが、金属供給速度等の性能を制御する手段の一つとして、炭素数の異なる脂肪族カルボン酸金属塩の混合組成比率を調整する手段を採ることができる。
例えば、ベヘン酸、アラキジン酸、ステアリン酸等の脂肪族カルボン酸の金属塩の混合比率を調整し、性能を制御することができる。
〔金属イオン還元剤〕
本発明の金属供給用フィルムには、前記有機金属化合物から供給される金属イオンを還元するために、金属イオンを還元し得る還元剤(「金属イオン還元剤」)も含有していることが好ましい。
当該還元剤としては、所定の温度に加熱したときに、有機金属化合物から供給される金属イオンに対して強い還元作用を発揮する化合物であれば良いが、加熱温度100〜180℃の範囲内で、還元作用を発揮する化合物であることが好ましい。
本発明においては、例えば、フェノール性ヒドロキシル基含有化合物が好ましく、更に好ましくはオルト位に置換基を有するいわゆるヒンダードフェノール系還元剤あるいはビスフェノール系還元剤が好ましい。特に好ましくは、欧州特許第1,278,101号明細書に記載の一般式(S)、一般式(T)を満足する化合物であり、具体的にはP21〜28に記載の(1−24)、(1−28)〜(1−54)、(1−56)〜(1−75)の化合物があげられる。
〔金属供給促進剤〕
本発明の金属供給用フィルムには、前記有機金属化合物から供給される金属イオンの移動を促進する機能を有する金属供給促進剤を含有させることも好ましい。
本発明に用いられる好適な金属供給促進剤の例としては、イミド類(スクシンイミド、フタルイミド、ナフタールイミド、N−ヒドロキシ−1,8−ナフタールイミド等);メルカプタン類(3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール等);フタラジノン誘導体又はこれらの誘導体の金属塩(フタラジノン、4−(1−ナフチル)フタラジノン、6−クロロフタラジノン、5,7−ジメチルオキシフタラジノン、及び2,3−ジヒドロ−1,4−フタラジンジオン);フタラジンとフタル酸類(例えば、フタル酸、4−メチルフタル酸、4−ニトロフタル酸及びテトラクロロフタル酸)の組合せ;フタラジンとマレイン酸無水物、及びフタル酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸又はo−フェニレン酸誘導体及びその無水物(フタル酸、4−メチルフタル酸、4−ニトロフタル酸及びテトラクロロフタル酸無水物等)から選択される少なくとも一つの化合物との組合せ等が挙げられる。特に好ましい金属供給促進剤としては、フタラジノン又はフタラジンとフタル酸類、フタル酸無水物類の組合せである。
〔結合剤:バインダー〕
本願発明の金属供給用フィルムは、前記有機金属化合物、金属イオン還元剤等を担持するために、結合剤(「バインダー」ともいう。)を含有していても良い。
結合剤としては、透明又は半透明で、一般に無色であり、天然ポリマーや合成ポリマー、及びコポリマー、その他フィルムを形成する媒体、例えば、特開2001−330918号公報の段落「0069」に記載のものが挙げられる。これらの内、特に好ましい例としては、メタクリル酸アルキルエステル類、メタクリル酸アリールエステル類、スチレン類等が挙げられる。この様な高分子化合物の中でも、アセタール基を持つ高分子化合物を用いることが好ましい。アセタール基を持つ高分子化合物でも、アセトアセタール構造を持つポリビニルアセタールであることがより好ましく、例えば米国特許2,358,836号、同3,003,879号、同2,828,204号、英国特許771,155号各明細書等に示されるポリビニルアセタールを挙げることができる。
ポリビニルアセタールとして、特に好ましくは、ポリビニルブチラールであり、主結合剤として用いることが好ましい。ここで言う主結合剤とは、「全結合剤の50質量%以上を占めている状態」をいう。従って、全結合剤の50質量%未満の範囲で他のポリマーをブレンドして用いてもよい。これらのポリマーとしては、本発明のポリマーが可溶となる溶媒であれば特に制限はない。より好ましくは、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル樹脂、ウレタン樹脂等が挙げられる。本発明で用いる結合剤のガラス転移温度(Tg)は、70〜105℃であることが、所望の配線パターンを形成するために好ましい。
また、本発明の結合剤としては、数平均分子量が1,000〜1,000,000、好ましくは10,000〜500,000、重合度が約50〜1,000程度のものが良い。結合剤の量としては、結合剤:有機金属化合物で0.02:1〜1:1(質量比)が好ましく、特に0.05:1〜0.5:1の範囲が好ましい。結合剤の量が少なすぎると有機銀の担持能力が劣り、金属供給用フィルムからの金属供給が不安定になる。
一方、結合剤の量が多すぎると金属供給用フィルムからプリント配線基板への金属の移動が遅くなり、どちらの場合でも配線の導電性が劣ってしまう。
本発明の金属供給用フィルムは、有機性ゲル化剤を含有してもよい。尚、ここで言う有機性ゲル化剤とは、例えば多価アルコール類のように、有機液体に添加することにより、その系に降伏値を付与し、系の流動性を消失あるいは低下させる機能を有する化合物を言う。
〔金属供給用フィルム作製方法〕
本発明の金属供給用フィルムの作製方法としては、前記の有機金属化合物や還元剤、結合剤等を溶媒に溶解または分散させた塗布液を作り、それら塗布液を塗布、乾燥して形成されることが好ましい。各成分の比率を変えた重層構成にしても、単層構成で形成しても良い。
塗布方法としては、特に制限はなく、例えば、バーコーター法、カーテンコート法、浸漬法、エアーナイフ法、ホッパー塗布法、リバースロール塗布法、グラビア塗布法、エクストリュージョン塗布法等の公知の方法を用いることができる。
本発明の塗布液に使用する溶媒としては、有機金属化合物や還元剤、結合剤等を溶解または分散させることが出来れば特に限定されないが、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、エタノール、イソプロピルアルコール等の極性溶媒が好ましく使用される。
〔密着・加熱方法〕
本願発明のパターン状に触媒を付与した樹脂基板と、有機金属化合物を含有した金属供給用フィルムを密着、加熱させる方法としては、樹脂基板と金属供給用フィルムを重ね合わせた後で、加熱したローラ間を加圧しながら通す、いわゆるラミネータや、加熱した金属板の間に挟みこんで上下から油圧ポンプ等プレスする、いわゆるホットプレス等が用いられるが、連続生産性等を考慮すると、ラミネータが好ましい。
加圧する圧力としては、樹脂基板と金属供給用フィルムが均一に密着していればよいが、密着性を確保することと、圧力による傷や痕がつかないためには、0.05〜5MPaが良く、好ましくは0.1〜3MPaが良い。
本発明の加熱温度としては、有機金属化合物が加熱還元剤で還元して金属になり、パターン化した触媒上で析出すればよく、好ましくは100〜180℃であり、115〜135℃がより好ましい。加熱温度が低すぎると十分に還元されず、好ましい導電性が得られなくなる。一方、加熱温度が高すぎると現像の制御が利かず、触媒以外の部分でも金属の析出が起こり、プリント配線基板性能の劣化につながったり、フレキシブル基板の場合には、基板自身の熱劣化により基板と細線の密着力が低下したり、細線寸断の原因にもなる。
なお、本願発明の方法でプリント配線基板を作製した後、配線表面の酸化防止等の目的でさらに電解めっきを行っても良い。
以下、実施例をあげて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、実施例において「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量%」を表す。
〔金属供給用フィルムA〕
コロナ放電処理を施した175μmのポリエチレンテレフタレートフィルムに下引き層a−1とa−2をそれぞれ乾燥後の膜厚が0.2μm、0.03μmになるように塗布、乾燥し、その上に下記金属供給層を乾燥後の膜厚が50μmになるように塗布乾燥して、金属供給用フィルムAを作製した。
〈下引き層a−1〉
アクリル系ポリマーラテックスC−3(固形分30%) 70.0g
エトキシ化アルコールとエチレンホモポリマーの水分散物(固形分10%)5.0g
界面活性剤(A) 0.1g
純水を加えて1000mlとした。
〈下引き層a−2〉
変性水性ポリエステルB−2(18質量%) 30.0g
界面活性剤(A) 0.1g
真球状シリカマット剤(日本触媒(株)製シーホスターKE−P50) 0.04g
純水を加えて1000mlとした。
(金属供給層A)
メチルエチルケトン 53.7g
ベヘン酸銀 12.5g
結合剤 5.0g
現像剤A 1.02g
4−メチルフタル酸 0.08g
脂肪族イソシアネート 2.26g
フタラジン 0.33g
結合剤:ビニルアセトアセタール(41):ビニルブチラール(27):ビニルアルコール(16):酢酸ビニル(2)の共重合体(括弧内の数字はそれぞれのモノマーモル%を表す。)
〔金属供給用フィルムB〕
金属供給層Aの結合剤の量を1.0gに変更した以外は同様にして金属供給用フィルムBを作製した。
〔金属供給用フィルムC〕
金属供給層Aの結合剤の量を0.5gに変更した以外は同様にして金属供給用フィルムCを作製した。
〔金属供給用フィルムD〕
金属供給層Bのベヘン酸銀をステアリン酸銀に変更した以外は同様にして金属供給用フィルムDを作製した。
〔金属供給用フィルムE〕
金属供給層Bのベヘン酸銀をステアリン酸銅に変更した以外は同様にして金属供給用フィルムEを作製した。
(パターン状に触媒を付与した樹脂基板の作製)
厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートにPd触媒インクを用いてインクジェットでライン幅30μm、ライン間隔10μm、長さ5cmの並行する3本の模擬パターンを印刷した後、80℃で10分間乾燥させ、パターン状に触媒を付与した樹脂基板を作製した。
実施例1
上記パターン状に触媒を付与した樹脂基板に金属供給フィルムA〜Eを金属供給層と樹脂基板の触媒を付与した面が相対するように貼り合わせて、圧力0.4MPa、温度120℃の加圧加熱ローラーベルト間を12秒間保持されるように通した後、金属供給用フィルムを樹脂基板から剥離して、金属供給フィルムから樹脂基板の触媒上に金属を移動析出させ、プリント配線基板AからEを作製した。
比較例1
上記パターン状に触媒を付与した樹脂基板に下記インクA、B、及びCをそれぞれ同じ場所に別々のインクジェットノズルから噴射した後、40℃で乾燥して、プリント配線基板Fを作製した。
〈インクA〉
硫酸銅 1.63g
硫酸ナトリウム 3.21g
EDTAジナトリウム塩 0.60g
水 89.56g
t−ブタノール 5.00g
〈インクB〉
ホルムアルデヒド溶液(37%) 0.22g
ギ酸ナトリウム 3.71g
水 91.07g
t−ブタノール 5.00g
〈インクC〉
水酸化ナトリウム 1.74g
水 93.26g
t−ブタノール 5.00g
比較例2
下記インクD、Eを別々のインクジェットノズルを用いて、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレート上にライン幅30μm、ライン間隔10μm、長さ5cmの並行する3本の模擬パターンを作製し、ホットプレート上で120℃30秒間加熱乾燥して、プリント配線基板Gを作製した。
〈インクD〉
硫酸銅(II) 18.2g
2−エチル酪酸 25ml
2−ジエチルアミノエタノール 5ml
1−エトキシ−2−プロパノール 30ml
〈インクE〉
R−10 18ml
3−ジエチルアミノ−1−プロパノール 16ml
エチレングリコール 10ml
以上のようにして得られたプリント配線基板AからGについて、配線の導通性を求めた。
[導通性]
デジタルテスターで、各配線の抵抗値の平均と3本の両端の配線間での抵抗値を測定した。
上記評価結果を表1に示す。
Figure 0004998418
表1から明らかなように、本発明に係る試料は各配線の抵抗値は非常に低く、さらに両端の配線間ではまったく導通していないことがわかる。これは、非常に微細なプリント配線基板においても、導電性が高く、各配線間の独立性が維持されているためと思われる。
すなわち、本発明の手段により、生産性、微細化、及び高導電性を持つプリント配線基板作製用の金属供給用フィルム及びそれを用いた簡便なプリント配線基板の作製方法を提供できることがわかる。

Claims (5)

  1. プリント配線基板作製工程で用いる金属供給用フィルムであって、樹脂基板上に形成された触媒パターン上に、加熱により金属を供給し析出させる機能を有することを特徴とする金属供給用フィルム。
  2. 金属供給源としての有機金属化合物と金属イオン還元剤とを含有することを特徴とする請求項1に記載の金属供給用フィルム。
  3. 前記有機金属化合物が、脂肪酸または脂肪酸誘導体とAu、Ag、Cu、Ni、Pd、Pt、及びSnから選ばれる金属元素の金属イオンとの化合物であることを特徴とする請求項2に記載の金属供給用フィルム。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の金属供給用フィルムとパターン状に触媒を付与した樹脂基板とを密着させ、金属イオン還元剤の存在下で、加熱することで触媒パターン上に金属を析出させた後、当該金属供給用フィルムを剥離することを特徴とするプリント配線基板の作製方法。
  5. 前記加熱温度が、100〜180℃の範囲内であることを特徴とする請求項4に記載のプリント配線基板の作製方法。
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