JP4998414B2 - 多層基板の製造方法 - Google Patents

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本発明は、熱可塑性樹脂からなる樹脂フィルムの積層体を加熱・加圧することで、該樹脂フィルムを相互に貼り合わせて製造する多層基板の製造方法に関する。
樹脂フィルム同士の貼り合わせと接続導体となる導電ペーストの焼結を一度の加熱加圧により一括して行う多層基板の製造方法が、例えば、特開2000−38464号公報(特許文献1)と特開2003−86948号公報(特許文献2)に開示されている。
図9(a)〜(c)は、上記多層基板の製造方法の一例で、多層基板90の製造方法を示す模式的な工程別断面図である。
図9に示す多層基板90の製造方法では、最初に、図9(a)に示すように、熱可塑性樹脂1からなる樹脂フィルムの片面に所定の導体パターン2aが形成され、導体パターン2aを底とする有底孔に導電ペースト4が充填された樹脂フィルム20を準備する。導体パターン2aは、樹脂フィルムの片面に例えば銅(Cu)箔を貼り合わせた後、該銅箔をエッチングして形成される。導電ペースト4には、例えば銀(Ag)と錫(Sn)の混合粉末からなる導電ペーストが用いられる。
次に、上記工程で準備した樹脂フィルム20a〜20fを、図9(b)に示すように積層し、該積層体を熱プレス板により加熱加圧して、熱可塑性樹脂1からなる樹脂フィルム20a〜20fを相互に貼り合わせると共に、導電ペースト4を焼結させて接続導体4aとする。この積層体の熱プレス工程では、導体パターン2aの酸化を防止しつつ導電ペースト4を焼結させて樹脂フィルム20a〜20f同士を貼り合わせるため、真空(1〜数10Pa程度)の環境下で、高温(320℃)、高圧(3.5MPa)の真空熱プレスが実施される。これによって、図9(c)に示す多層基板90が製造される。
上記積層体の熱プレス工程は、これまでバッチ型の真空チャンバ内に設置された加熱プレス装置により実施されてきた。しかしながら、該熱プレスは、熱プレス盤の昇降温に多大な時間がかかり、ワークの投入から取り出しまで300分/バッチ以上の時間が必要とされる。
上記バッチ型の真空チャンバを用いた熱プレスの問題を改善する方法が、特許第3893930号明細書(特許文献3)に開示されている。
図10は、特許文献3に開示された多層基板の製造方法を説明する図で、図10(a)は、保持具40に積層体30を保持した状態を示す説明図であり、図10(b)は、加圧・加熱を行う装置100の概略構成を示した図である。
図10(a)に示す積層体30は、図9(b)に示したような樹脂フィルム20a〜20fの積層体からなる。積層体30は、熱伝導性に優れる金属、例えばチタンを十分な剛性を有するように厚板状に形成した平坦なベース部41とカバー部42の間に挟まれて、保持具40に入れられる。積層体30が入れられた保持具40は、排気口11を介して、真空ポンプ15によって内部が減圧される。
図10(b)に示す装置100は、加熱及び加圧を行うプレス機120を備える。すなわち、プレス機120は、加圧するための一対の加圧ヘッド102,104を有する。これら、加圧ヘッド102,104の内部には、通電することにより発熱するヒータ103,105がそれぞれ内蔵されている。また、装置100には、加熱及び加圧を行うプレス機120に隣接して、冷却した加圧ヘッドによって保持具40に保持された積層体30を加圧するプレス機130が設けられている。プレス機130は、加圧を行う一対の加圧ヘッド107,109を有する。これら加圧ヘッド107,109の内部には冷却管108,110が配設されており、これら冷却管108,110に冷却水を流動させることにより、一対の加圧ヘッド107,109の温度を低温に保っている。
図10(b)に示す装置100では、内部に積層体30が入れられた保持具40が台座に載せられると、上方加圧ヘッド102が下方加圧ヘッド104との間で積層体30を加圧できる位置まで下降され、ヒータ103,105によって加熱された一対の加圧ヘッド102,104が、積層体30を加熱しつつ加圧する。該加熱・加圧工程により、図9(b)で説明した樹脂フィルム20a〜20f同士の貼り合わせと導電ペースト4の焼結が行われる。
プレス機120によって加熱・加圧工程が行われた後に、その積層体30は保持具40内に保持されたまま隣のプレス機130に移送され、冷却・加圧工程が行われる。すなわち、一対の加圧ヘッド107,109の温度を冷却水によって低温に保ちつつ、保持具40内に保持された積層体30を加圧する。この冷却・加圧工程は、加熱・加圧工程によって高温になった積層体30の温度を強制的に低下させるために行うものである。これにより、積層体30の温度低下に要する時間を短縮することができるので、生産リードタイムを短縮し、生産効率を向上することができる。冷却・加圧工程の終了後には、保持具40内の密閉空間に大気が導入され、図9(c)に示す多層基板90のように製造が終了した積層体30が保持具40より取り出される。
特開2000−38464号公報 特開2003−86948号公報 特許第3893930号明細書
図10に示した多層基板の製造方法は、従来のバッチ型の真空チャンバを用いた熱プレスと異なり、樹脂フィルムの積層体からなる積層体30を一つずつ保持具40に保持した状態で加熱・加圧工程を行う、所謂、枚葉式の工程である。また、図10に示した多層基板の製造方法は、減圧状態にある密閉空間内に積層体を保持した保持具をワークとして、該ワークを加熱状態にある加圧ヘッド102,104間に投入し、該ワークを加圧ヘッド102,104からの熱伝導で加熱しつつ加圧する。このため、従来のバッチ型の真空チャンバを用いた熱プレスと異なり、加圧ヘッド102,104の昇降温が不要で、保持具40内にある積層体30の急速加熱が可能である。従って、図10(b)の装置100を用いた製造方法によれば、従来のバッチ型の真空チャンバを用いた工程に較べて、生産効率を大幅に向上することができる。
一方、図10(b)の装置100を用いて積層体30を急速加熱すると、熱可塑性樹脂からなる樹脂フィルムが加水分解反応を起こし、例えば液晶ポリマーなどでは樹脂の流動性が大きくなって導体パターンが位置ズレしたり、樹脂フィルム中にボイドが発生したりしてしまう。
そこで本発明は、熱可塑性樹脂からなる樹脂フィルムの積層体を加熱・加圧することで、該樹脂フィルムを相互に貼り合わせて製造する多層基板の製造方法であって、前記積層体を急速加熱しても熱可塑性樹脂の加水分解反応を抑制することができ、高精度な多層基板を高い生産効率で製造することのできる多層基板の製造方法を提供することを目的としている。
請求項1に記載の発明は、複数枚の熱可塑性樹脂からなる樹脂フィルムを積層し、前記樹脂フィルムの積層体を加熱・加圧することにより、前記複数枚の樹脂フィルムを相互に貼り合わせて製造する多層基板の製造方法であって、前記積層体の加熱プロセスが、第1昇温過程と第1温度保持過程で構成された第1加熱ステップと、前記第1加熱ステップに続いて実施される第2昇温過程と第2温度保持過程で構成された第2加熱ステップとを有してなり、前記第1昇温過程と前記第2昇温過程における前記積層体の最大昇温速度が、それぞれ、20℃/分以上であり、前記第1温度保持過程における保持温度が、150℃以上、250℃以下であり、前記第1温度保持過程における温度保持時間が、1分以上、10分以下であり、前記第2温度保持過程における保持温度が、前記熱可塑性樹脂の融着温度であり、前記積層体の真空熱プレス装置であって、前記積層体を密閉空間内に保持し、該密閉空間内を減圧した状態で積層体に熱および圧力を伝達可能な保持具をワークとして、前記ワークに対して外部から加圧加熱する第1加圧加熱ユニットと、前記第1加圧加熱ユニットにより処理された前記ワークに対して、外部から加圧加熱する第2加圧加熱ユニットと、前記第2加圧加熱ユニットにより処理された前記ワークに対して、外部から加圧冷却する加圧冷却ユニットとを有してなり、前記第1加圧加熱ユニット、第2加圧加熱ユニットおよび加圧冷却ユニットが、円周上に配置されてなり、前記ワークが、前記円周の中心に配置された旋回機構により、前記第1加圧加熱ユニット、第2加圧加熱ユニットおよび加圧冷却ユニットの各処理位置に搬送され、前記第1加圧加熱ユニット、第2加圧加熱ユニットおよび加圧冷却ユニットが、それぞれ、前記ワークを間に挟んで加圧加熱または加圧冷却する上側プレスユニットと下側プレスユニットとを有してなり、前記下側プレスユニットの下側加圧プレートが、昇降シリンダとスライドガイドからなる移動機構により昇降され、前記下側加圧プレートが、キーブロックからなるロックアップ機構により、所定の上昇位置で固定される真空熱プレス装置を用い、前記第1加熱ステップを前記第1加圧加熱ユニットにより実施し、前記第2加熱ステップを前記第2加圧加熱ユニットにより実施することを特徴としている。
上記多層基板の製造方法においては、熱可塑性樹脂からなる樹脂フィルムの積層体の加熱プロセスを、第1加熱ステップと第2加熱ステップの2段で構成している。そして、昇温過程である第1加熱ステップの第1昇温過程と第2加熱ステップの第2昇温過程においては、積層体の最大昇温速度をそれぞれ20℃/分以上として、積層体を急速加熱するようにしている。また、上記加熱プロセスにおける第1加熱ステップの第1温度保持過程は、予備試験の結果判明した急速加熱時に発生する熱可塑性樹脂の加水分解反応を抑制するために導入した過程である。上記のように、第1温度保持過程における保持温度を150℃以上、250℃以下の範囲とし、温度保持時間を1分以上、10分以下の範囲とすることで、熱可塑性樹脂中に含まれる水分を融着温度より低い温度で抜き出して加水分解反応を抑制すると共に、プロセス時間の短縮を両立させることができる。
以上のようにして、上記多層基板の製造方法は、熱可塑性樹脂からなる樹脂フィルムの積層体を加熱・加圧することで、該樹脂フィルムを相互に貼り合わせて製造する多層基板の製造方法であって、前記積層体を急速加熱しても熱可塑性樹脂の加水分解反応を抑制することができ、高精度な多層基板を高い生産効率で製造することができる。
また、上記多層基板の製造方法は、記積層体の真空熱プレス装置であって、前記積層体を密閉空間内に保持し、該密閉空間内を減圧した状態で積層体に熱および圧力を伝達可能な保持具をワークとして、前記ワークに対して外部から加圧加熱する第1加圧加熱ユニットと、前記第1加圧加熱ユニットにより処理された前記ワークに対して、外部から加圧加熱する第2加圧加熱ユニットと、前記第2加圧加熱ユニットにより処理された前記ワークに対して、外部から加圧冷却する加圧冷却ユニットとを有してなり、前記第1加圧加熱ユニット、第2加圧加熱ユニットおよび加圧冷却ユニットが、円周上に配置されてなり、前記ワークが、前記円周の中心に配置された旋回機構により、前記第1加圧加熱ユニット、第2加圧加熱ユニットおよび加圧冷却ユニットの各処理位置に搬送され、前記第1加圧加熱ユニット、第2加圧加熱ユニットおよび加圧冷却ユニットが、それぞれ、前記ワークを間に挟んで加圧加熱または加圧冷却する上側プレスユニットと下側プレスユニットとを有してなり、前記下側プレスユニットの下側加圧プレートが、昇降シリンダとスライドガイドからなる移動機構により昇降され、前記下側加圧プレートが、キーブロックからなるロックアップ機構により、所定の上昇位置で固定される真空熱プレス装置を用い、前記第1加熱ステップを前記第1加圧加熱ユニットにより実施し、前記第2加熱ステップを前記第2加圧加熱ユニットにより実施する
上記真空熱プレス装置は、樹脂フィルムの積層体からなる積層体が密閉空間内に減圧状態で保持されている保持具をワークとして、該ワークを第1加圧加熱ユニット、第2加圧加熱ユニットおよび加圧冷却ユニットの各ユニットに一つずつ一定方向に順次搬送し、上記各ユニットで積層体を保持具の外部から加圧加熱または加圧冷却していく、所謂、枚葉式の真空熱プレス装置である。従って、上記真空熱プレス装置は、大きな真空チャンバを用いたバッチ型の真空熱プレス装置に較べて、生産効率やエネルギー利用効率に優れている。
上記真空熱プレス装置において、第1加圧加熱ユニット、第2加圧加熱ユニットおよび加圧冷却ユニットの各ユニットは、円周上に配置されており、ワークを円周の中心に配置された旋回機構で間欠回転させて、各ユニットの処理位置に素早く搬送することができる。
また、上記真空熱プレス装置は、第1加圧加熱ユニットと第2加圧加熱ユニットの2つの加圧加熱ユニットを有しており、樹脂フィルムの積層体からなる積層体に対して、圧力および温度の異なる2段階の処理を実施することができる。また、ワークである保持具は、上記したように各ユニット間を素早く搬送される。
さらに、上記真空熱プレス装置においては、前記下側プレスユニットの下側加圧プレートが、昇降シリンダとスライドガイドからなる移動機構により昇降される構成となっている。これにより、例えば後の上側プレスユニットの移動機構で示すボールねじによる移動機構を採用する場合に較べて、下側加圧プレートを高速で昇降することができる。このように、下側加圧プレートの昇降時間を短縮することで、ワークを各ユニット内の所定のプレス位置に素早く搬送することができ、各ユニット内工程でワークの温度維持や処理時間の短縮を図ることができる。
また、上記真空熱プレス装置において、前記下側加圧プレートは、キーブロックからなるロックアップ機構により、所定の上昇位置で固定される構成となっている。これにより、下側加圧プレートを上記昇降シリンダとスライドガイドからなる移動機構でプレス位置まで高速で上昇させた場合であっても、正確なプレス位置を確保することができる。
このように、上記真空熱プレス装置では、搬送の間におけるワークの温度を確実に維持することができる。これによって、樹脂フィルムの積層体からなる積層体の熱処理温度を厳密に制御することができ、高精度な多層基板を高い歩留りで製造することができる。
上記真空熱プレス装置を用い、前述した多層基板の製造方法における第1加熱ステップを上記第1加圧加熱ユニットにより実施し、第2加熱ステップを上記第2加圧加熱ユニットにより実施することで、前記積層体を急速加熱しても熱可塑性樹脂の加水分解反応を抑制することができ、高精度な多層基板を高い生産効率で製造することができる。
尚、上記真空熱プレス装置は、請求項に記載のように、前記旋回機構が、ロータリ真空バルブを有してなり、前記保持具の密閉空間内が、前記ロータリ真空バルブを介して、前記第1加圧加熱ユニット、第2加圧加熱ユニットおよび加圧冷却ユニットによる処理中、並びに前記旋回機構による搬送中にも、減圧状態が維持される構成とすることができる。
これによって、保持具の密閉空間内を当該真空熱プレス装置への投入前に予め真空引きするだけでなく、該密閉空間内を、上記ロータリ真空バルブを介して、各ユニットでの処理中および旋回機構による搬送中にも真空引きすることができる。従って、例えば加圧加熱処理中において該密閉空間内に放出される積層体からの水分を、より確実に排出することができる。
上記多層基板の製造方法において、前記第1昇温過程と前記第2昇温過程における前記積層体の最大昇温速度は、請求項3に記載のように、それぞれ、100℃/分以上であってもよい。さらには、請求項4に記載のように、それぞれ、700℃/分以上であるようにすることもできる。第1昇温過程と第2昇温過程における積層体の最大昇温速度を速くするほど、熱可塑性樹脂に加水分解反応が発生する確率が高まるが、プロセス時間を短縮して生産効率を高めることができる。
上記多層基板の製造方法においては、特に請求項5に記載のように、前記第1温度保持過程における保持温度を、180℃以上、240℃以下とし、前記第1温度保持過程における温度保持時間を、1分以上、7分以下とすることが好ましい。これによれば、熱可塑性樹脂の加水分解反応の抑制とプロセス時間短縮による生産効率の向上を、ハイレベルで両立させることができる。
上記多層基板の製造方法は、前記熱可塑性樹脂が、請求項6に記載のように、液晶ポリマー、ポリアミド(PA)、セルロースまたはポリエチレンテレフタレート(PET)のいずれかである場合に適しており、特に請求項7に記載のように、液晶ポリマーである場合に好適である。予備的な調査によれば、液晶ポリマー、ポリアミド(PA)、セルロースおよびポリエチレンテレフタレート(PET)は熱可塑性樹脂の中でも加水分解反応が発生し易い材料であり、特に液晶ポリマーは加水分解反応が発生し易い。このように加水分解反応が発生し易い材料であっても、上記製造方法を適用することで、急速加熱時の加水分解反応を抑制し、高精度な多層基板を高い生産効率で製造することができる。
上記多層基板の製造方法においては、請求項8に記載のように、前記樹脂フィルムが、一方の表面に導体パターンが形成され、該導体パターンを底とする孔に導電ペーストが充填されてなる樹脂フィルムであって、前記多層基板が、異なる層にある前記導体パターン同士が前記導電ペーストの焼結体からなる接続導体で層間接続されてなる多層回路基板であってよい。この場合、上記製造方法における第1温度保持過程の保持温度と保持時間は、上記導電ペーストのバインダー除去や焼結進展に係る効果も有している。
本発明は、複数枚の熱可塑性樹脂からなる樹脂フィルムを積層し、前記樹脂フィルムの積層体を加熱・加圧することにより、前記複数枚の樹脂フィルムを相互に貼り合わせて製造する多層基板の製造方法に関する。本発明は、前記樹脂フィルムの積層体を急速加熱しても熱可塑性樹脂の加水分解反応を抑制することができ、高精度な多層基板を高い生産効率で製造することのできる多層基板の製造方法を提供するものであるが、最初に、上記熱可塑性樹脂を急速加熱した場合に発生する加水分解反応についての検討結果を簡単に説明する。
図1は、上記熱可塑性樹脂を急速加熱した時に発生する加水分解反応の様子を説明する模式的な図で、図1(a)は反応前の熱可塑性樹脂分子を示す図であり、図1(b)は反応後の熱可塑性樹脂分子を示す図である。
図1(a)に示すように、熱可塑性樹脂は、炭素原子が数万から数十万程度連なり、その炭素に水素や酸素等の他の原子が結合した高分子の集合体からなる。熱可塑性樹脂には、通常、該高分子の間に水分子やその他の分子が入り込んでいる。これら高分子間に入り込んでいる水分子は、熱可塑性樹脂を加熱すると樹脂外に放出されるが、この加熱速度が速すぎると、該水分子と熱可塑性樹脂分子が反応して、図1(b)に示す加水分解反応が発生すると考えられる。すなわち、水分子が水素機(−H)と水酸基(−OH)に分解して高分子の炭素鎖に結合し、高分子の炭素原子鎖が切断されて、反応後には高分子の分子量が小さくなる。このため、熱可塑性樹脂の融点低下や柔軟性の喪失といった物性変化が生じてしまう。
図2は、熱可塑性樹脂からの水の放出速度を測定した結果である。測定した熱可塑性樹脂は液晶ポリマー(ジャパンゴアテックス製、商品名「BIAC」、グレード「BA」)で、昇温速度は10℃/分である。
図2に示すように、熱可塑性樹脂の温度が上昇するに従って水の放出速度も次第に大きくなるが、260〜320℃の範囲で水の放出速度が一旦減少し、320℃を越えると急激に増大する。このことから、液晶ポリマーにおいては、約260℃から樹脂中に取り込まれている水分子と高分子の加水分解反応が生じ、該水分子が加水分解反応で消費されるため、水の放出速度が260℃以上で低下していると考えることができる。尚、320℃はほぼ該液晶ポリマーの融解温度であり、このため取り込まれている水の放出速度が急激に高まったと考えられる。
図3は、熱可塑性樹脂である(a)の液晶ポリマーと(b)のポリエーテルエーテルケトン(PEEK)/ポリエーテルイミド(PEI)アロイの特性を比較して示した図である。図3(a)の液晶ポリマーは加水分解反応が発生し易く、図3(b)のPEEK/PEIアロイは加水分解反応が発生し難い。図3(a)に示す液晶ポリマーは結合部にエステル基を有しており、図3(b)に示すPEEK/PEIアロイはエステル基を有していないことから、結合部にエステル基の部分が切断されて加水分解反応に寄与していると考えられる。
以上の検討結果を基にして、次に、本発明を実施するための最良の形態を図に基づいて説明する。
前述したように、本発明は、複数枚の熱可塑性樹脂からなる樹脂フィルムを積層し、前記樹脂フィルムの積層体を加熱・加圧することにより、前記複数枚の樹脂フィルムを相互に貼り合わせて製造する多層基板の製造方法に関するものであり、図4は、本発明の多層基板の製造方法における積層体の加熱プロセスの一例を示す図である。尚、複数枚の熱可塑性樹脂からなる樹脂フィルムの積層体の準備工程は、図9(a),(b)で説明したとおりであり、その説明は省略する。また、図4の加熱プロセスを適用する樹脂フィルム(積層体)は、図2の試験で用いた液晶ポリマー(ジャパンゴアテックス製、商品名「BIAC」、グレード「BA」)からなる。
図4に示す積層体の加熱プロセスは、後述する真空熱プレス装置を用いて実行されるプロセスで、第1昇温過程と第1温度保持過程で構成された第1加熱ステップと、前記第1加熱ステップに続いて実施される第2昇温過程と第2温度保持過程で構成された第2加熱ステップとを有している。図4の例では、第1加熱ステップの第1昇温過程における最大昇温速度は、昇温スタート時点グラフの傾きから約75℃/分である。第1加熱ステップの第1温度保持過程における保持温度は、200℃であり、温度保持時間は6分である。また、第2加熱ステップの第2昇温過程における最大昇温速度は、昇温スタート時点グラフの傾きから約40℃/分である。第2加熱ステップの第2温度保持過程における保持温度は、320℃であり、温度保持時間は6分である。
本発明の多層基板の製造方法においては、上記第1昇温過程と第2昇温過程における積層体の最大昇温速度を、それぞれ、20℃/分以上とする。また、第1温度保持過程における保持温度を、150℃以上、250℃以下とし、第1温度保持過程における温度保持時間を、1分以上、10分以下とする。尚、第2温度保持過程における保持温度は、熱可塑性樹脂の融着温度に設定する。
以上のように、本発明の多層基板の製造方法においては、熱可塑性樹脂からなる樹脂フィルムの積層体の加熱プロセスを、第1加熱ステップと第2加熱ステップの2段で構成している。そして、昇温過程である第1加熱ステップの第1昇温過程と第2加熱ステップの第2昇温過程においては、積層体の最大昇温速度をそれぞれ20℃/分以上として、積層体を急速加熱するようにしている。また、上記加熱プロセスにおける第1加熱ステップの第1温度保持過程は、図1〜図3で説明した予備試験の結果判明した急速加熱時に発生する熱可塑性樹脂の加水分解反応を抑制するために導入した過程である。上記のように、第1温度保持過程における保持温度を150℃以上、250℃以下の範囲とし、温度保持時間を1分以上、10分以下の範囲とすることで、熱可塑性樹脂中に含まれる水分を融着温度より低い温度で抜き出して加水分解反応を抑制すると共に、プロセス時間の短縮を両立させることができる。
以上のようにして、上記多層基板の製造方法は、熱可塑性樹脂からなる樹脂フィルムの積層体を加熱・加圧することで、該樹脂フィルムを相互に貼り合わせて製造する多層基板の製造方法であって、前記積層体を急速加熱しても熱可塑性樹脂の加水分解反応を抑制することができ、高精度な多層基板を高い生産効率で製造することができる。
上記多層基板の製造方法において、第1昇温過程と第2昇温過程における積層体の最大昇温速度は、それぞれ、100℃/分以上であってもよい。さらには、それぞれ、700℃/分以上であるようにすることもできる。第1昇温過程と第2昇温過程における積層体の最大昇温速度を速くするほど、熱可塑性樹脂に加水分解反応が発生する確率が高まるが、プロセス時間を短縮して生産効率を高めることができる。
上記多層基板の製造方法においては、特に、第1温度保持過程における保持温度を、180℃以上、240℃以下とし、第1温度保持過程における温度保持時間を、1分以上、7分以下とすることが好ましい。これによれば、熱可塑性樹脂の加水分解反応の抑制とプロセス時間短縮による生産効率の向上を、ハイレベルで両立させることができる。
上記多層基板の製造方法は、熱可塑性樹脂が液晶ポリマー、ポリアミド(PA)、セルロースまたはポリエチレンテレフタレート(PET)のいずれかである場合に適しており、特に、液晶ポリマーである場合に好適である。図1〜図3で説明した予備的な調査によれば、液晶ポリマー、ポリアミド(PA)、セルロースおよびポリエチレンテレフタレート(PET)は熱可塑性樹脂の中でも加水分解反応が発生し易い材料であり、特に液晶ポリマーは加水分解反応が発生し易い。このように加水分解反応が発生し易い材料であっても、上記製造方法を適用することで、急速加熱時の加水分解反応を抑制し、高精度な多層基板を高い生産効率で製造することができる。
上記多層基板の製造方法においては、図9(a),(b)で説明したように、樹脂フィルムが、一方の表面に導体パターンが形成され、該導体パターンを底とする孔に導電ペーストが充填されてなる樹脂フィルムであって、多層基板が、異なる層にある前記導体パターン同士が前記導電ペーストの焼結体からなる接続導体で層間接続されてなる多層回路基板であってよい。この場合、上記製造方法における第1温度保持過程の保持温度と保持時間は、上記導電ペーストのバインダー除去や焼結進展に係る効果も有している。
次に、上記した多層基板の製造方法を実施するための真空熱プレス装置について説明する。
図5は、図4に示した加熱プロセスを実施するための真空熱プレス装置の一例で、真空熱プレス装置200を模式的に示した斜視図である。図6は、図5の真空熱プレス装置200に投入されるワークを説明する図で、積層体30と開いた状態にある保持具40を模式的に示した斜視図である。図6に示した積層体30および保持具40は、図10(a)で説明したものと同様であり、同じ符号を付した。図7は、図5の真空熱プレス装置200の構成要素である第1加圧加熱ユニットHU1、第2加圧加熱ユニットHU2および加圧冷却ユニットCUの基本構造Uを模式的に示した斜視図である。また、図8(a)〜(d)は、ワーク40aが定位置にきた後の各ユニットHU1,HU2,CUでの一連の動作を説明する図で、それぞれ、部分断面図で動作途中の各状態を示している。
図5に示す真空熱プレス装置200は、図6に示す積層体30を内部に保持した保持具40をワークとする真空熱プレス装置である。
図6の積層体30は、図9(b)に示したような樹脂フィルム20a〜20fの積層体からなり、個々の樹脂フィルム20a〜20fは、図9(a)に示したように、熱可塑性樹脂1からなる樹脂フィルムの片面に所定の導体パターン2aが形成され、導体パターン2aを底とする有底孔に導電ペースト4が充填されている。代表的には、導体パターン2aは、銅(Cu)箔をエッチングして形成され、導電ペースト4には、銀(Ag)と錫(Sn)の混合粉末からなる導電ペーストが用いられる。尚、以下の説明においては、図5,2に示した積層体30として、図9(a)〜(c)に示した樹脂フィルム20,20a〜20fとその各部の符号を参照する。
図6に示すように、積層体30は、熱伝導性に優れる金属(例えばチタン)を十分な剛性を有するように厚板状に形成した平坦なベース部41とカバー部42の間に挟まれて、保持具40に入れられる。積層体30が入れられた保持具40は、図10(a)に示したように、閉じた状態にして、排気口11を介して、真空ポンプにより内部が減圧される。
以上のように、図5の真空熱プレス装置200は、積層体30を密閉空間内に保持し、該密閉空間内を減圧した状態で積層体30に熱および圧力を伝達可能な保持具40をワーク40aとしている。
図5に示す真空熱プレス装置200は、上記ワーク40aに対して外部から加圧加熱する第1加圧加熱ユニットHU1と、第1加圧加熱ユニットHU1により処理されたワーク40aに対して外部から加圧加熱する第2加圧加熱ユニットHU2と、第2加圧加熱ユニットHU2により処理されたワーク40aに対して外部から加圧冷却する加圧冷却ユニットCUとを有している。第1加圧加熱ユニットHU1、第2加圧加熱ユニットHU2および加圧冷却ユニットCUは、円周上に配置されている。ワーク40aは、円周の中心に配置された旋回機構RMにより、旋回プレートRPに載せられて、軌道レールRL上を間歇回転して移動し、第1加圧加熱ユニットHU1、第2加圧加熱ユニットHU2および加圧冷却ユニットCUの各処理位置に搬送される。
図5に示す真空熱プレス装置200は、樹脂フィルム20a〜20fの積層体からなる積層体30が密閉空間内に減圧状態で保持されている保持具40をワーク40aとして、該ワーク40aを第1加圧加熱ユニットHU1、第2加圧加熱ユニットHU2および加圧冷却ユニットCUの各ユニットに一つずつ一定方向に順次搬送し、上記各ユニットHU1,HU2,CUで積層体30を保持具40の外部から加圧加熱または加圧冷却していく、所謂、枚葉式の真空熱プレス装置である。従って、図5の真空熱プレス装置200は、大きな真空チャンバを用いたバッチ型の真空熱プレス装置に較べて、生産効率やエネルギー利用効率に優れている。
図5の真空熱プレス装置200は、図9(a)に示したように熱可塑性樹脂からなる樹脂フィルム20の導体パターン2aを底とする孔に導電ペースト4が充填され、図9(b)に示した樹脂フィルム20a〜20fの積層体を一括して真空熱プレスして、図9(c)の多層基板90を製造するのに好適な装置となっている。真空熱プレス装置200は、第1加圧加熱ユニットHU1と第2加圧加熱ユニットHU2の2つの加圧加熱ユニットを有しており、樹脂フィルム20a〜20fの積層体からなる積層体30に対して、図4に示す第1加熱ステップを第1加圧加熱ユニットHU1により実施し、図4に示す第2加熱ステップを第2加圧加熱ユニットHU2により実施する。
図5の真空熱プレス装置200では、第1加圧加熱ユニットHU1、第2加圧加熱ユニットHU2および加圧冷却ユニットCUの各ユニットが、円周上に配置されている。特に、真空熱プレス装置200では、ワーク40aの脱着位置を含めて、各ユニットHU1,HU2,CUが、円周の中心に配置された旋回機構RMに対して、十字型に配置されている。該真空熱プレス装置200では、ワーク40aが円周の中心に配置された旋回機構RMを用いて間欠回転され、各ユニットHU1,HU2,CUの処理位置に素早く搬送される。従って、真空熱プレス装置200では、搬送の間におけるワーク40aの冷却を抑制することができ、ワーク40aの温度を確実に維持することができる。これによって、樹脂フィルム20a〜20fの積層体からなる積層体30の熱処理温度を厳密に制御することができ、高精度な多層基板90を高い歩留りで製造することができる。
次に、上記した真空熱プレス装置200の細部について、より詳細に説明する。
図5に示す真空熱プレス装置200は、ワーク40aの旋回機構RMが、ロータリ真空バルブ(図示省略)を有しており、保持具40の密閉空間内が、該ロータリ真空バルブを介して、第1加圧加熱ユニットHU1、第2加圧加熱ユニットHU2および加圧冷却ユニットCUによる処理中、並びに旋回機構RMによる搬送中にも、減圧状態が維持される構造となっている。
これによれば、保持具40の密閉空間内を当該真空熱プレス装置200への投入前に予め真空引きするだけでなく、該密閉空間内を、上記ロータリ真空バルブを介して、各ユニットHU1,HU2,CUでの処理中および旋回機構RMによる搬送中にも真空引きすることができる。従って、例えば加圧加熱処理中において該密閉空間内に放出される積層体30からの水分を、より確実に排出することができる。
図7の基本構造Uに示すように、真空熱プレス装置200の第1加圧加熱ユニットHU1、第2加圧加熱ユニットHU2および加圧冷却ユニットCUは、それぞれ、ワーク40aを間に挟んで加圧加熱または加圧冷却する上側プレスユニットUPと下側プレスユニットDPとを有している。
図5の真空熱プレス装置200における第1加圧加熱ユニットHU1と第2加圧加熱ユニットHU2は、前述したように、それぞれ第1加熱ステップと第2加熱ステップを実施する部分である。従って、第1加圧加熱ユニットHU1と第2加圧加熱ユニットHU2では、図7の基本構造Uにおける上側加圧プレート50uと下側加圧プレート50dに、加熱ヒータHが設けてあり、上側加圧プレート50uと下側加圧プレート50dが熱盤となっている。一方、図5の真空熱プレス装置200における加圧冷却ユニットCUは、第2加熱ステップ後の冷却成形段階を実施する部分である。従って、加圧冷却ユニットCUでは、図7の基本構造Uにおける上側加圧プレート50uと下側加圧プレート50dに、冷却水Cが導入される構造となっている。また、上記加圧プレート50u,50dの周りには断熱壁DWが設けられており、断熱壁DWの構成も各ユニットHU1,HU2,CUで異なる。しかしながら、図5の真空熱プレス装置200において、加圧プレート50u,50dと断熱壁DW以外の主な構成、例えば加圧プレート50u,50dの昇降機構の構成は、各ユニットHU1,HU2,CU共に、図7と図8に示した共通の構成となっている。
図7に示す上側プレスユニットUPは、駆動モータMOの乗った駆動プレート53u、上側加圧プレート50uを吊り下げた上側昇降プレート54u、およびボールねじBNを4隅に配置した上面プレート55uの3層構造となっており、上面プレート55uが設備の構造体に固定されている。上側昇降プレート54uは、4隅にボールねじBNのナット部、中央に加熱加圧用のヒータブロックまたは冷却加圧用の冷却ブロックが取り付けてあり、該ブロックの先端面が平面度の高い上側加圧プレート50uとなっている。尚、第1加圧加熱ユニットHU1と第2加圧加熱ユニットHU2においては、上側昇降プレート54uとヒータブロック間に冷却水の通る回路が設けられた断熱材からなる断熱冷却プレートCPが挿入されており、ヒータブロックからの熱伝導によってボールねじBNのナット部が損傷しないようになっている。
図7の基本構造Uでは、駆動プレート53uの4隅に各ボールねじBNの駆動モータMOが取り付けてあり、必要に応じ個別または連携してボールねじBNを回転し、上側昇降プレート54u(従って上側加圧プレート50u)を昇降する構成となっている。このように、上側プレスユニットUPの上側加圧プレート50uは、少なくとも3対のボールねじBNからなる移動機構により昇降される構成とすることが好ましい。これによれば、上側加圧プレート50uの傾きを該少なくとも3対のボールねじで精密に制御することができ、対となる下側プレスユニットDPの下側加圧プレート50dに対する平行度を高い精度で確保することができる。従って、樹脂フィルム20a〜20fの積層体からなる積層体30に均等な圧力をかけることができ、高精度な多層基板90を高い歩留りで製造することができる。
次に、下側プレスユニットDPの構成を説明する。図7に示すように、下側プレスユニットDPは、基本的には上側プレスユニットUPを上下反転した構造となっているが、下側プレスユニットDPの下側昇降プレート54dの4隅には、スライドガイドSGが設けてある。そして、下側昇降プレート54dは、下面プレート55dと昇降シリンダCYを取り付けた駆動プレート53dの間で支持されている。下側プレスユニットDPは、駆動プレート53dで設備の構造体に固定されており、上下ユニットの位置関係を保っている。また、駆動プレート53dにはロックアップ機構LUが搭載されており、ロードセル(図示省略)を乗せた可動式のキーブロックKBが作動することにより、下側プレスユニットDPの下側昇降プレート54d(従って下側加圧プレート50d)を上昇位置に保持する構造となっている。
以上のように、下側プレスユニットDPの下側加圧プレート50dは、昇降シリンダCYとスライドガイドSGからなる移動機構により昇降されることが好ましい。これによれば、例えば上側プレスユニットUPと同じボールねじによる移動機構を採用する場合に較べて、下側加圧プレート50dを高速で昇降することができる。このように、下側加圧プレート50dの昇降時間を短縮することで、ワーク40aを各ユニットHU1,HU2,CU内の所定のプレス位置に素早く搬送することができ、各ユニットHU1,HU2,CU内工程でワーク40aの温度維持や処理時間の短縮を図ることができる。
また、この場合、下側加圧プレート50dは、上記したようにキーブロックKBからなるロックアップ機構LUにより、所定の上昇位置で固定される構成とすることが好ましい。これによれば、下側加圧プレート50dを昇降シリンダCYとスライドガイドSGからなる移動機構でプレス位置まで高速で上昇させた場合であっても、正確なプレス位置を確保することができる。
次に、真空熱プレス装置200のより具体的な動作例について説明する。
図5の真空熱プレス装置200において、第1加圧加熱ユニットHU1は、前述した第1加熱ステップを担うため、上側加圧プレート50uと下側加圧プレート50dが200℃に昇温保持されている。第2加圧加熱ユニットHU2は、前述した第2加熱ステップを担うため、上側加圧プレート50uと下側加圧プレート50dが320℃に昇温保持されている。加圧冷却ユニットCUは、前述した第2加熱ステップ後の冷却成形段階を担うため、上側加圧プレート50uと下側加圧プレート50dが20℃に冷却保持されている。また、各ユニットHU1,HU2,CUの後述するプレス圧力は、3.5MPaを目標値として制御されるように設定した。
ワーク40aは、図5の各ユニットHU1,HU2,CU内において、図7の上側プレスユニットUPが上昇端、下側プレスユニットDPがロックアップ機構LUを解除して下降端にある時、旋回機構RMで回転させることができる。図7の上側加圧プレート50uと下側加圧プレート50dは中心が同じ軸上にあり、ワーク40aは、その中心が前記中心軸に一致するように、図5の十字型に配置された各ユニットHU1,HU2,CUに旋回機構RMで搬送される。以上のようにして、搬送が終了した時点では、図5の真空熱プレス装置200における各ユニットHU1,HU2,CUにおいては、内部の密閉空間が真空状態に保持されたワーク40aがセットされている。また、真空熱プレス装置200における正面のワーク脱着位置では、処理を完了したワーク40aが次の仕掛ワークと取り替えられる状態にある。図5では、積層体30と開いた状態にある保持具40の仕掛状態にあるワークが図示されている。
次に、図8(a)〜(d)を用いて、ワーク40aが定位置にきた後、各ユニットHU1,HU2,CUでの一連の動作を説明する。
図8(a)に示すように、ワーク40aが上側加圧プレート50uと下側加圧プレート50dの中心軸に一致するように搬送されると、次の図8(b)に示すように、昇降シリンダCYを作動させ、ワーク40aを上昇させる。上側加圧プレート50uと下側加圧プレート50dは、ワーク40aが乗せられた下側加圧プレート50dを上昇端に持ち上げた時、上側加圧プレート50uに接触する高さとなるように設定されている。これによって、ワーク40aは上側加圧プレート50uと下側加圧プレート50dに挟まれて停止し、ワーク40aの昇温が始まる。次に、図8(c)に示すように、図示しないシリンダにより、キーブロックKBを移動させる。
次に、図8(d)に示すように、駆動モータMOによりボールねじBNを回動し、下側加圧プレート50dとの間でワーク40aを挟みながら、上側加圧プレート50uを下降させる。尚、昇降シリンダCYの推力はプレス荷重に比べ十分小さいため、下側プレスユニットDPの下側加圧プレート50dは、ロードセルLCにストッパSTが当接するまでわずかながら降下する。
ストッパSTがロードセルLCに当接すると、ロードセルLCの信号により、図示していない制御装置によって各ボールねじBNの回転量を駆動モータMOで制御し、ワーク40aに対してプレス荷重を制御しながらプレスを行う。このように、上側加圧プレート50uは、下降してワーク40aに接触しても下降端に至ることはなく、駆動モータMOとボールねじBNによる押し付け力(プレス力)が、ワーク40aに印加されるようになっている。この押し付け力は、各ボールねじBNの送り量を調整することで、適宜調整することが可能である。
また、上記押し付け力は、下側プレスユニットDPに設けた昇降シリンダCYが受けるのではなく、キーブロックKB上に設けた4つのロードセルLCが各ボールねじBNの軸力を受ける配置となっている。これにより、ワーク40aに加わる全荷重及び荷重バランスを4つのロードセルLCで把握することができるようになっている。
図8(d)の状態で所定の加熱時間が経過すると、逆の手順で初期状態の図8(a)の状態に戻す。すなわち、上側プレスユニットUPの上側加圧プレート50uを上昇し、ワーク40aに加わる荷重が抜けた後、下側プレスユニットDPのキーブロックKBを外し、下側加圧プレート50dを降下させる。
次に、図5の旋回機構RMでワーク40aを回転させて、順次、次の各ユニットHU1,HU2,CUにワーク40aを搬送する。また、真空熱プレス装置200における正面のワーク脱着位置で、処理を完了したワーク40aの保持具40からできあがった多層基板90を取り出す。
上記真空熱プレス装置200においては、各ユニットHU1,HU2,CUの温度を一体に保ち、ワーク40aの保持具40に設けられたベース部41とカバー部42からなる積層体30の保持プレートの質量(昇降温熱量)を最小限に抑えることにより、300℃/分の昇温速度を実現することができる。各ユニットHU1,HU2,CUでの加圧処理時間を考慮しても、10分/ユニットの高速処理が可能であり、また各ユニットHU1,HU2,CU間のワーク40aの搬送も10秒以下で可能であり、高速且つ高精度なプレスを実施することができる。
以上のようにして、上記真空熱プレス装置200を用い、前述した多層基板の製造方法における第1加熱ステップを上記第1加圧加熱ユニットHU1により実施し、第2加熱ステップを上記第2加圧加熱ユニットHU2により実施することで、積層体を急速加熱しても熱可塑性樹脂の加水分解反応を抑制することができ、高精度な多層基板を高い生産効率で製造することができる。
熱可塑性樹脂を急速加熱した時に発生する加水分解反応の様子を説明する模式的な図で、(a)は反応前の熱可塑性樹脂分子を示す図であり、(b)は反応後の熱可塑性樹脂分子を示す図である。 熱可塑性樹脂からの水の放出速度を測定した結果である。 熱可塑性樹脂である(a)の液晶ポリマーと(b)のポリエーテルエーテルケトン(PEEK)/ポリエーテルイミド(PEI)アロイの特性を比較して示した図である。 本発明の多層基板の製造方法における積層体の加熱プロセスの一例を示す図である。 図4に示した加熱プロセスを実施するための真空熱プレス装置の一例で、真空熱プレス装置200を模式的に示した斜視図である。 図5の真空熱プレス装置200に投入されるワークを説明する図で、積層体30と開いた状態にある保持具40を模式的に示した斜視図である。 図5の真空熱プレス装置200の構成要素である第1加圧加熱ユニットHU1、第2加圧加熱ユニットHU2および加圧冷却ユニットCUの基本構造Uを模式的に示した斜視図である。 (a)〜(d)は、ワーク40aが定位置にきた後の各ユニットHU1,HU2,CUでの一連の動作を説明する図で、それぞれ、部分断面図で動作途中の各状態を示している。 (a)〜(c)は、多層基板の製造方法の一例で、多層基板90の製造方法を示す模式的な工程別断面図である。 特許文献3に開示された多層基板の製造方法を説明する図で、(a)は、保持具40に積層体30を保持した状態を示す説明図であり、(b)は、加圧・加熱を行う装置100の概略構成を示した図である。
符号の説明
90 多層基板
1 熱可塑性樹脂
2a 導体パターン
4 導電ペースト
4a 接続導体
20,20a〜20f 樹脂フィルム
200 真空熱プレス装置
40a ワーク
30 積層体
40 保持具
RM 旋回機構
HU1 第1加圧加熱ユニット
HU2 第2加圧加熱ユニット
CU 加圧冷却ユニット
U 基本構造
UP 上側プレスユニット
50u 上側加圧プレート
DP 下側プレスユニット
50d 下側加圧プレート

Claims (8)

  1. 複数枚の熱可塑性樹脂からなる樹脂フィルムを積層し、前記樹脂フィルムの積層体を加熱・加圧することにより、前記複数枚の樹脂フィルムを相互に貼り合わせて製造する多層基板の製造方法であって、
    前記積層体の加熱プロセスが、第1昇温過程と第1温度保持過程で構成された第1加熱ステップと、前記第1加熱ステップに続いて実施される第2昇温過程と第2温度保持過程で構成された第2加熱ステップとを有してなり、
    前記第1昇温過程と前記第2昇温過程における前記積層体の最大昇温速度が、それぞれ、20℃/分以上であり、
    前記第1温度保持過程における保持温度が、150℃以上、250℃以下であり、
    前記第1温度保持過程における温度保持時間が、1分以上、10分以下であり、
    前記第2温度保持過程における保持温度が、前記熱可塑性樹脂の融着温度であり、
    前記積層体の真空熱プレス装置であって、
    前記積層体を密閉空間内に保持し、該密閉空間内を減圧した状態で積層体に熱および圧力を伝達可能な保持具をワークとして、
    前記ワークに対して外部から加圧加熱する第1加圧加熱ユニットと、
    前記第1加圧加熱ユニットにより処理された前記ワークに対して、外部から加圧加熱する第2加圧加熱ユニットと、
    前記第2加圧加熱ユニットにより処理された前記ワークに対して、外部から加圧冷却する加圧冷却ユニットとを有してなり、
    前記第1加圧加熱ユニット、第2加圧加熱ユニットおよび加圧冷却ユニットが、円周上に配置されてなり、
    前記ワークが、前記円周の中心に配置された旋回機構により、前記第1加圧加熱ユニット、第2加圧加熱ユニットおよび加圧冷却ユニットの各処理位置に搬送され、
    前記第1加圧加熱ユニット、第2加圧加熱ユニットおよび加圧冷却ユニットが、それぞれ、前記ワークを間に挟んで加圧加熱または加圧冷却する上側プレスユニットと下側プレスユニットとを有してなり、
    前記下側プレスユニットの下側加圧プレートが、昇降シリンダとスライドガイドからなる移動機構により昇降され、
    前記下側加圧プレートが、キーブロックからなるロックアップ機構により、所定の上昇位置で固定される真空熱プレス装置を用い、
    前記第1加熱ステップを前記第1加圧加熱ユニットにより実施し、
    前記第2加熱ステップを前記第2加圧加熱ユニットにより実施することを特徴とする多層基板の製造方法。
  2. 前記旋回機構が、ロータリ真空バルブを有してなり、
    前記保持具の密閉空間内が、前記ロータリ真空バルブを介して、前記第1加圧加熱ユニット、第2加圧加熱ユニットおよび加圧冷却ユニットによる処理中、並びに前記旋回機構による搬送中にも、減圧状態が維持されることを特徴とする請求項1に記載の多層基板の製造方法。
  3. 前記第1昇温過程と前記第2昇温過程における前記積層体の最大昇温速度が、それぞれ、100℃/分以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の多層基板の製造方法。
  4. 前記第1昇温過程と前記第2昇温過程における前記積層体の最大昇温速度が、それぞれ、700℃/分以上であることを特徴とする請求項に記載の多層基板の製造方法。
  5. 前記第1温度保持過程における保持温度が、180℃以上、240℃以下であり、
    前記第1温度保持過程における温度保持時間が、1分以上、7分以下であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の多層基板の製造方法。
  6. 前記熱可塑性樹脂が、液晶ポリマー、ポリアミド(PA)、セルロースまたはポリエチレンテレフタレート(PET)のいずれかであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の多層基板の製造方法。
  7. 前記熱可塑性樹脂が、液晶ポリマーであることを特徴とする請求項に記載の多層基板の製造方法。
  8. 前記樹脂フィルムが、一方の表面に導体パターンが形成され、該導体パターンを底とする孔に導電ペーストが充填されてなる樹脂フィルムであって、
    前記多層基板が、異なる層にある前記導体パターン同士が前記導電ペーストの焼結体からなる接続導体で層間接続されてなる多層回路基板であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の多層基板の製造方法。
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