JP4998362B2 - 光導波路の製造方法及びその製造装置 - Google Patents
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Description
図1は、本実施の形態の光導波路の製造方法及びその製造装置の概略を説明する図である。
本願の発明者は、図1のように略90度に緩やかに曲がった曲面を有する透明構造体10の溝10aに、液状接着剤であるコア材を気泡の混入を少なく充填できる技術を提案している(特願2006−350088号)。この技術では、クラッドとなる透明構造体10を、所定角度傾斜した光導波路の製造装置(ラミネート装置)のステージ11上に曲面を上にしてブロック12で固定し、コア材13を溝10aの一端に保持するようにしている。また、このラミネート装置は、コア材13の溝10aへの充填機構として、凹面を有する弾性体14を先端に設けたシリンダ15を有している。そして、凹面にクラッドフィルム16を真空吸着させて、シリンダ15を押し下げていき、弾性体14を透明構造体10の曲面に徐々に押し当てていく。これにより、溝10aの一端に保持されていたコア材13が溝10aの他端まで充填されていくとともに、クラッドフィルム16が透明構造体10に貼り付けられていき、光導波路が形成される。
光受光部20は、たとえば、フォトディテクタアレイであり、ステージ11上において透明構造体10の溝10aの一端側に配置されている。光入射部21で入射された光を、充填されたコア材13を介して受光する。
図2は、本実施の形態の光導波路の製造装置の正面図である。
また、図3は、本実施の形態の光導波路の製造装置の側面図である。
筐体30内で、ステージ11は位置を調整可能となっており、弾性体14の押し当て位置を調整することができる。また、図2,図3に示すように、曲面側を上にしてステージ11に固定される透明構造体10の背面から、たとえば、紫外線照射部31によりコア材13を硬化させるための紫外線を照射可能なように、開口部32が設けられている。また、図3に示すように、弾性体14にはクラッドフィルム16を吸着させるための吸着穴33が形成されている。吸着穴33には、コネクタを介して真空ポンプが接続されるが、図示を省略している。
更に、弾性体14の降下位置を表示するディスプレイ及びステージ11の位置を調整するコントローラなどを有しているが図示を省略している。
ここでは、送信側4チャンネル、受信側4チャンネルの多チャンネル光トランシーバを製造する際にステージ11に設ける光受光部20を示している。光受光部20は、回路基板20−1と、回路基板20−1上に配置された4chフォトディテクタアレイ20−2a,20−2b及びレシーバIC(Integrated Circuit)20−3を有している。
まず、各部材を図2,図3で示したような製造装置にセットする(ステップS1)。ここでは、透明構造体10をステージ11に固定し、コア材13を透明構造体10の溝10aの一端に滴下して保持する。また、クラッドフィルム16を弾性体14に吸着させる。次に、シリンダ制御部34はシリンダ15の降下を開始させる(ステップS2)。これにより、弾性体14が透明構造体10に押し当てられ、コア材13が溝10aに充填されていく。このとき、光源21aからの光が光入射部(コネクタ)21を介して溝10aに入射される。光受光部20ではその光を受光し電気信号に変換して測定部22に伝達する。測定部22は、光の強度を測定するともに損失を算出する(ステップS3)。ここで、たとえば、シリンダ制御部34は、測定部22の測定結果を監視し、損失が低下しきったか(光の強度が飽和したか)否かを判定し(ステップS4)、損失が低下しきった場合には、シリンダ15の降下を停止させる(ステップS5)。損失が低下しきっていない場合には、シリンダ15の降下を継続させる。ここで、コア材硬化制御部35は、測定部22の測定結果から、損失が基準値以下(光の強度が基準値以上)であるか否かを判定する(ステップS6)。
このような場合、コア材硬化制御部35は、たとえば、紫外線照射部31により開口部32を介して透明構造体10の背面側から、溝10aに充填されたコア材13を硬化させる(ステップS7)。
得られた光導波路について、サンプルごとに、損失が低下しきった時点での弾性体14の降下位置に±200μm、停止位置に±300μm程度のばらつきがあった。しかしながら、本実施例を適用することで、損失はチャンネル間で±0.5dB、サンプル間で±0.3dBとなり、損失ばらつきは少なかった。また、損失が大きい不良サンプルの透明構造体10も充填条件を調整して、再度利用することができるため、製造歩留まりを向上することができ、製造コストを削減することができる。
図7は、多チャンネル光トランシーバの一例を示す図である。
また、光送信機能としてドライバIC44及び面型発光素子45、光受信機能としてレシーバIC46及び面型受光素子(フォトディテクタなど)47を有している。
たとえば、図1〜図3の製造装置の光受光部20と、光入射部21とを逆に設けてもよい。具体的には、図1〜図3の製造装置の光受光部20の位置に面型発光素子などを設けて光信号を溝10aの一端に入射し、他端からコネクタを介してフォトディテクタで光信号を検出し、パワーメータなどで光の強度を測定するようにしてもよい。
10a 溝
11 ステージ
12 ブロック
13 コア材
14 弾性体
15 シリンダ
16 クラッドフィルム
20 光受光部
21 光入射部
21a 光源
22 測定部
Claims (5)
- 表面に溝を形成した透明構造体の当該溝に、充填部により当該透明構造体よりも屈折率の大きなコア材を充填していく充填工程を有し、
前記充填工程の最中に、前記溝の一端から光を入射し、前記溝の他端に配置された光受光部で当該光を受光して、測定部により当該光の強度を測定し、前記光の強度の飽和時に、前記光の強度が基準値より低い場合、前記コア材の硬化を禁止することを特徴とする光導波路の製造方法。 - 前記光の強度を監視し、前記光の強度が飽和した際に、前記充填部による充填動作を停止させることを特徴とする請求項1記載の光導波路の製造方法。
- 前記光の強度が飽和した際に、前記光の強度が前記基準値以上の場合に、前記コア材を硬化させることを特徴とする請求項1または2に記載の光導波路の製造方法。
- 前記光の強度が前記基準値よりも低い場合、充填条件を調整し、前記透明構造体を洗浄し、当該透明構造体を再利用して前記充填工程を行うことを特徴とする請求項3記載の光導波路の製造方法。
- 表面に溝を形成した透明構造体の当該溝に、当該透明構造体よりも屈折率の大きなコア材を充填していく充填部と、
充填の最中に、前記溝の一端から光を入射する光入射部と、
前記溝の他端に配置され、前記光を受光する光受光部と、
前記光受光部で受光した前記光の強度を測定する測定部と、
前記光の強度の飽和時に、前記コア材の硬化可否を制御するコア材硬化制御部と、
を有し、
前記コア材硬化制御部は、前記光の強度の飽和時に、前記光の強度が基準値より低い場合、前記コア材の硬化を禁止する、ことを特徴とする光導波路の製造装置。
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