JP4997825B2 - 誘導電動機の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体電力変換装置によって誘導電動機を可変速制御する制御装置に関し、詳しくは、1次巻線が複数組の多相巻線から構成される誘導電動機の制御装置に関するものである。
図7は、通常の4極の3相誘導電動機の1次巻線構成例を簡略化して示したものである。図示するように、この1次巻線は、巻線3U,3V,3Wからなる3相巻線と、同3U,3V,3Wからなる3相巻線とをそれぞれ直列接続して構成されている。
一方、大容量の誘導電動機を可変速制御する方法として、誘導電動機の1次巻線を複数組の3相巻線に分割して多重巻線構成とし、各組の3相巻線に複数のインバータからそれぞれ給電する方法が知られている。
その一例として、図8は2多重巻線の構成例を示しており、この例では、図7に示した2組の3相巻線3U,3V,3W及び3U,3V,3Wを個別に端子に引き出し、2台のインバータによって個別に3相電流を供給している。
この場合、各巻線の電流は図7と同じであり、巻線3U,3U、巻線3V,3V、巻線3W,3Wの各電流は、それぞれ同じ大きさ、同じ位相を持った電流に制御される。電動機容量の製作限界に比べてインバータ容量の製作限界は低いので、このような多重巻線構成を採用すると、比較的容易に大容量の駆動装置を製作できる利点がある。
次に、図9は、図8に示したような2多重巻線の3相誘導電動機3を2台のインバータ2A,2Bにより駆動する従来の駆動装置を示している。
図9の主回路において、三相電源系統に接続されたダイオード整流器1は、交流入力電力を直流電力に変換する。直流中間回路には第1,第2の3相インバータ2A,2Bが並列に接続され、その出力側に2多重巻線の3相誘導電動機3が接続されている。電動機3の回転子には速度検出器4が接続されている。また、2台のインバータ2A,2Bの出力側には、電流検出器5A,5Bがそれぞれ接続されており、各検出器5A,5Bはインバータ2A,2Bの出力電流(電動機3の多重巻線の電流)Ia1,Ib1,Ic1とIa2,Ib2,Ic2とを検出する。
図9において、破線で囲んだ部分は制御装置100Aのブロック図であり、ベクトル制御の例を示している。なお、ベクトル制御の詳細な内容に関しては、例えば非特許文献1に記載されている。
制御装置100A内の速度調節器6は、速度指令値ωと速度検出器4からの速度検出値ωとの偏差を増幅して、トルク指令値Tを出力する。磁化電流演算器7は、磁束指令値Φと電動機3の等価回路定数とから磁化電流指令値I を演算する。除算器8は、トルク指令値Tを磁束指令値Φにより除算してトルク電流指令値I を演算する。
すべり周波数演算器9は、磁束指令値Φとトルク電流指令値I とから、すべり周波数ωslを演算する。加算器10は、ωslとωとを加算して1次角周波数ωを演算する。積分器11は、ωを積分して電動機3の固定子巻線(1次巻線)に対する磁束位相θを演算する。座標変換器12は、I 及びI の座標軸をθだけ回転させて、固定座標系の電流指令値Iα ,Iβ を演算する。2相/3相変換器13は、Iα ,Iβ から3相の電流指令I ,I ,I を演算する。
電流調節器14Aは、インバータ2Aから出力される3相電流Ia1,Ib1,Ic1がそれぞれI ,I ,I に一致するようにフィードバック制御を行う。また、電流調節器14Bは、インバータ2Bから出力される第2組の3相電流Ia2,Ib2,Ic2がそれぞれI ,I ,I に一致するようにフィードバック制御を行う。
PWM演算器15A,15Bは、それぞれ電流調節器14A,14Bの出力をパルス幅制御して駆動パルスを生成し、インバータ2A,2Bをオン・オフ制御する。
さて、電動機を加速する場合や一般の運転時には、インバータは直流を交流に電力変換して電動機を駆動する。しかるに、電動機を急速に減速させる場合には、電動機は制動トルクを出力する必要がある。この制動トルクを得るためには、電動機に蓄積された運動エネルギーを何らかの方法によって吸収する必要がある。
運動エネルギーを吸収する一つの方法としては、電動機やインバータの損失により運動エネルギーを熱として消費する方法がある。他の方法としては、電動機の運動エネルギーをインバータの動作により直流中間回路に電気エネルギーとして吸収する方法がある。
しかるに、図9において直流中間回路に接続されたダイオード整流器1は、その原理上、電源系統に電力を回生できないので、吸収された電力によって直流中間回路の電圧が異常に上昇し、インバータ2A,2Bやダイオード整流器1が過電圧により破損される問題がある。このため、電動機3やインバータ2A,2Bの損失により制動トルクを発生する方法をとることになるが、その場合には制動トルクを電動機3やインバータ2A,2Bの損失以上には発生させることができないので、減速時間が長くなるという別の問題がある。
そこで、例えば特許文献1では、誘導電動機のV/f制御において、インバータの出力電圧と出力周波数との比を、減速時に加速時よりも大きくなるように制御することにより、減速時では許容範囲内で過励磁状態として電動機損失を増大させている。
また、特許文献2では、直流中間回路に回生電力(または回生電流)検出器を設け、電動機の制動時に回生電力(または回生電流)検出値に応じてインバータの出力電圧指令値を増加させ、電動機の過励磁により許容範囲内において電動機損失を増大させている。
更に、特許文献3では、誘導電動機が減速運転するときに、インバータが各相異なった搬送波によりPWM制御を行うことにより、電動機の高調波損失を増大させている。
また、先願に係る特願2005−245537号(本願の出願時において未だ出願公開されていない)では、オープン巻線をもつ誘導電動機において、制動時にゼロ相電流を流すことにより誘導電動機の損失を増大させている。
特開平4−248397号公報(段落[0008]〜[0010]、図1等) 特開平7−7981号公報(段落[0006]〜[0010]、図1等) 特開2001−224191号公報(段落[0006]〜[0010]、図2,図8,図9等) 中野孝良,「交流モータのベクトル制御」,第4.2.1項 制御原理とシステム構成,p.68〜p.73,日刊工業新聞社,1996年3月29日発行
上述した特許文献1〜3に記載された従来技術、及び、特願2005−245537号に係る先願発明は、電動機等の損失により制動トルクを発生させて減速時間を短縮するという点で、本発明と同一の課題を有している。
しかし、特許文献1,2に記載された過励磁により電動機損失を増大する方法では、電動機の磁束を増大させるために固定子と回転子との間に働く電磁吸引力が大きくなると共に、磁気飽和による磁束の歪みも増大する。この結果、電動機の異常な振動や騒音発生の原因となるため、損失の増大効果に限界がある。
特許文献3に記載された従来技術では、電動機に高調波電流を流すことになるので、電動機のトルクリプルが増大し、上記と同様な問題が生じる。
また、先願発明ではゼロ相電流を流すことが必要であるため、電動機の巻線はオープン巻線など特殊な条件でしか適用することができない。
そこで、本発明の解決課題は、千kW級以上の大容量可変速駆動において多く適用されている多重巻線電動機を対象として、磁束や高調波電流を増加する方法によらず、電動機やインバータの損失を広範囲に制御して制動トルクの増大、減速時間の短縮を可能にした誘導電動機の制御装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、請求項1記載の発明は、1次巻線が2組の多相巻線から構成される誘導電動機を半導体電力変換装置により可変速制御する誘導電動機の制御装置において、
前記2組の多相巻線の電流をそれぞれ独立に制御する手段と、
前記誘導電動機が制動状態である場合に、
前記2組の多相巻線の電流が同位相であるときと同一のトルクが得られるように、前記2組の多相巻線の電流の間に所定の位相差を持たせることによって前記2組の多相巻線の電流が同位相であるときよりも大きい電流を前記電力変換装置から前記誘導電動機に供給するための電流位相制御手段と、を備えたものである。
請求項2記載の発明は、請求項1に記載した誘導電動機の制御装置において、
2組の多相巻線に共通した電流位相基準となる基準位相を有し、
前記電流位相制御手段は、
第1組の多相巻線の電流位相を、前記基準位相から所定のオフセット角度を減算した位相に制御し、かつ、第2組の多相巻線の電流位相を、前記基準位相に前記オフセット角度を加算した位相に制御するものである。
請求項3記載の発明は、1次巻線が偶数組の多相巻線から構成される誘導電動機を半導体電力変換装置により可変速制御する誘導電動機の制御装置において、
前記偶数組の多相巻線の電流をそれぞれ独立に制御する手段と、
前記誘導電動機が制動状態である場合に、
前記偶数組の多相巻線を更に第1群と第2群とに分割し、第1群の多相巻線の電流と第2群の多相巻線の電流とが同位相であるときと同一のトルクが得られるように、第1群及び第2群の多相巻線の電流の間に所定の位相差を持たせることによって第1群及び第2群の多相巻線の電流が同位相であるときよりも大きい電流を前記電力変換装置から前記誘導電動機に供給するための電流位相制御手段と、を備えたものである。
請求項4記載の発明は、請求項3に記載した誘導電動機の制御装置において、
各組の多相巻線に共通した電流位相基準となる基準位相を有し、
前記電流位相制御手段は、
第1群の多相巻線の電流位相を、前記基準位相から所定のオフセット角度を減算した位相に制御し、かつ、第2群の多相巻線の電流位相を、前記基準位相に前記オフセット角度を加算した位相に制御するものである。
請求項5記載の発明は、請求項1〜4の何れか1項に記載した誘導電動機の制御装置において、前記誘導電動機が駆動状態である場合には全ての組の多相巻線の電流位相を同相に制御する手段を備えたものである。
請求項6記載の発明は、請求項2または4に記載した誘導電動機の制御装置において、
各組の多相巻線の電流指令値に前記オフセット角度の余弦の逆数のゲインを乗じるものである。
請求項1に係る発明では、2組の多相巻線をもつ2多重巻線の誘導電動機において、2組の多相巻線の電流に所定の位相差を持たせ、また、請求項3に係る発明では、偶数組の多相巻線をもつ多重巻線の誘導電動機において、偶数組の多相巻線を第1群と第2群とに分割して両群の多相巻線の電流に所定の位相差を持たせるものである。
従って、従来技術のように磁束や高調波電流を増大させることなく誘導電動機の1次電流を増加させて電動機及びインバータの損失を大きくすることができる。
これにより、交流電源に電力を回生しなくても大きな制動トルクが得られるため、電動機を速やかに減速することが可能になる。
請求項2に係る発明では第1組、第2組の多相巻線の電流位相を、また、請求項4に係る発明では第1群、第2群の多相巻線の電流位相を対象として、基準位相にオフセット角度をそれぞれ加算または減算した値に制御するため、制御特性を対称にすることができる。
請求項5に係る発明によれば、電動機が駆動状態である場合には、各組または各群の電流を同相にして電動機等の損失を増加させない制御が可能になるため、高効率な運転を行うことができる。
請求項6に係る発明によれば、電流指令値にオフセット角度の余弦の逆数で与えられるゲインを乗じることにより、複数組の磁化電流を合成した磁化電流値は磁化電流指令値に一致し、複数組のトルク電流を合成したトルク電流値はトルク電流指令値に一致するので、制御系のループゲインを一定にして安定した運転が行えるという効果がある。
以下、図に沿って本発明の実施形態を説明する。
まず、図1は本発明の第1実施形態を示す構成図である。図1において、主回路の構成は図9に示した従来技術と同一であるため、説明を省略する。また、誘導電動機3の多重巻線は、図8と同様に2組の3相巻線3U,3V,3W及び3U,3V,3Wからなる2多重巻線であるものとする。
また、図1に破線で囲んだ制御装置100において、図9と同一の部分については図示を省略してある。以下、本実施形態における特徴的な部分を中心に説明する。
この実施形態では、図9と異なって一対の座標変換器12A,12B及び2相/3相変換器13A,13Bが設けられている。また、加算器16が追加されており、この加算器16により基準位相θとオフセット角度Δθとを加算して角度信号θ1Bを演算するようになっている。なお、座標変換器12A,12B、加算器16、基準位相θ、オフセット角度Δθ及び角度信号θ1B等は、請求項1における電流位相制御手段を構成している。
この制御装置100の構成を、更に具体的に説明する。
座標変換器12Aは、I 及びI の座標軸をθだけ回転させて、第1のインバータ2A側の固定座標系の電流指令値Iα1 ,Iβ1 を演算する。2相/3相変換器13Aは、Iα1 ,Iβ1 から3相の電流指令Ia1 ,Ib1 ,Ic1 を演算する。電流調節器14Aは、第1のインバータ2A側の3相電流(第1組の3相巻線3U,3V,3Wの電流)Ia1,Ib1,Ic1がそれぞれIa1 ,Ib1 ,Ic1 に一致するようにフィードバック制御を行う。
一方、座標変換器12Bは、I 及びI の座標軸を、加算器16から出力されるθ1B(=θ+Δθ)だけ回転させて、第2のインバータ2B側の固定座標系の電流指令値Iα2 ,Iβ2 を演算する。2相/3相変換器13Bは、Iα2 ,Iβ2 から3相の電流指令Ia2 ,Ib2 ,Ic2 を演算する。電流調節器14Bは、第2のインバータ2B側の3相電流(第2組の3相巻線3U,3V,3Wの電流)Ia2,Ib2,Ic2がそれぞれIa2 ,Ib2 ,Ic2 に一致するようにフィードバック制御を行う。
これらの制御により、第1,第2のインバータ2A,2Bの出力電流Ia1,Ib1,Ic1及びIa2,Ib2,Ic2は、それぞれθ1Bとθとの差であるΔθだけ位相差をもった電流となる。
ここで、図2は第1,第2のインバータ2A,2Bの出力電流(例えばIa1,Ia2,)の位相が異なる場合の電動機巻線の起磁力への影響を説明するための図である。簡単のため、1相分としてU相(Ia1が流れる相)の巻線3UとU相(Ia2が流れる相)の巻線3Uとの結線状態を示している。この例では隣極接続と呼ばれる巻線構成を採用しており、U相とU相すなわち巻線3Uと3Uとは互いに近接している。
電動機巻線の起磁力はIa1とIa2との合成電流によって決まるため、Ia1とIa2との位相差Δθに起因してそれぞれの瞬時値が異なっていても磁束分布に歪みは発生せず、異常な振動や騒音が発生するおそれはない。
また、同一のトルクを得たい場合(トルク電流指令値I が同一である場合)、本実施形態のように第1,第2のインバータ2A,2Bの出力電流に位相差を持たせれば、これらの電流が同位相である場合に比べて合成電流を大きくすることができる。従って、電動機3及びインバータ2A,2Bの損失を増大させ、交流電源に電力を回生しなくても大きな制動トルクを得て電動機3を速やかに減速することができる。
次に、図3は本発明の第2実施形態を示す構成図である。
この実施形態の主回路構成は図1と同様であるため、図3では制御装置110の構成のみを示している。なお、図1と同一の構成要素には同一の参照符号を付してある。
図3において、座標変換器12A,12B、減算器16A、加算器16B、基準位相θ、オフセット角度Δθ及び角度信号θ1A,θ1B等は、請求項2における電流位相制御手段を構成している。
第1実施形態では、座標変換器の入力部の角度信号が、第2のインバータ2B側の座標変換器12Bにのみ基準位相θにオフセット角度Δθを加算した信号θ1Bを用い、第1のインバータ2A側の座標変換器12Aの角度信号はθである。このため、第2のインバータ2B側のI ,I に対してのみ信号θ1Bが寄与して変化を生じさせ、過渡的には上記変化を第1のインバータ2A側で補償しなくてはならないので、制御特性に対称性がなく、制御性能が悪化するという問題がある。
そこで、第2実施形態では、図3に示すように減算器16Aと加算器16Bとを備え、第1のインバータ2A側については、減算器16Aにより基準位相θからオフセット角度Δθを減算し、その減算値θ1Aを用いてI ,I を座標変換器12Aにより座標変換し、電流指令値Iα1 ,Iβ1 を演算する。
一方、第2のインバータ2B側については、加算器16Bにより基準位相θにオフセット角度Δθを加算し、その加算値θ1Bを用いてI ,I を座標変換器12Bにより座標変換し、電流指令値Iα2 ,Iβ2 を演算する。その他の制御内容は図1と同様であるため、説明を省略する。
図4は、このようにして得られた第1のインバータ2A側の電流指令値Iα1 ,Iβ1 に相当する磁化電流IM1及びトルク電流IT1、第2のインバータ2B側の電流指令値Iα2 ,Iβ2 に相当する磁化電流IM2及びトルク電流IT2、これらの合成値である磁化電流I及びトルク電流Iを示すベクトル図である。ここでは、前記オフセット角度Δθを60度としてある。
通常は、IM1及びIM2の絶対値の単純加算値がIとなり、IT1及びIT2の絶対値の単純加算値がIになるのに対し、本実施形態では、Iの絶対値はIM1及びIM2の絶対値にそれぞれ等しく、Iの絶対値はIT1及びIT2の絶対値にそれぞれ等しくなる。
このため、図4の場合には、通常の制御に比べて同一のトルクを得るのに2倍の電流が必要になる。電動機の損失として銅損が支配的であるとすると、銅損は電流の2乗に比例するので、同一のトルクに対しては損失は4倍に増加する。従って、この損失の分だけ制動トルクを増加させることができ、電動機3を速やかに減速することができる。
また、図4から明らかなように、IM1,IM2はIに対して、IT1,IT2はIに対して、それぞれ同じだけ寄与することになるので、第1のインバータ2A側と第2のインバータ2B側とで制御特性が対称になり、制御性能を向上させることができる。
次いで、本発明の第3,第4実施形態を図5に基づいて説明する。
第3,第4実施形態は、2多重巻線を超える数(組数)の多重巻線を備えた誘導電動機を対象とし、多重数が偶数である場合の制御装置に関するものであり、図5は4多重巻線の誘導電動機を対象とした制御装置120を示している。
これらの実施形態では、偶数組(この例では4組)の多重巻線を第1群と第2群に分割する。第1群の電流指令値Ia1 〜Ic1 及び第2群の電流指令値Ia2 〜Ic2 を演算するまでの構成は、第2実施形態と同様であるため説明を省略する。
第1群の電流指令値Ia1 〜Ic1 は電流調節器14A,14Aに入力され、第2群の電流指令値Ia2 〜Ic2 は電流調節器14B,14Bに入力される。これらの電流調節器14A,14A,14B,14Bは、制御対象としての誘導電動機の電流である4組の電流Ia11〜Ic11,Ia12〜Ic12,Ia21〜Ic21,Ia22〜Ic22をそれぞれフィードバック制御する。
このとき、第2実施形態と同様に、座標変換器12Aに入力される角度信号θ1Aは基準位相θからオフセット角度Δθを減算した信号であり、座標変換器123Bに入力される角度信号θ1Bは基準位相θにオフセット角度Δθを加算した信号となっている。
上記のように、誘導電動機の4組以上の多重巻線を第1群及び第2群に分割した場合に、第1群の多重巻線に流す電流の位相を、基準位相θから所定のオフセット角度Δθを減算した値に制御すると共に、第2群の多重巻線に流す電流の位相を、基準位相θに所定のオフセット角度Δθを加算した値に制御することにより、第1群、第2群の多重巻線の電流に所定の位相差を持たせる着想が、請求項4の発明の実施形態に相当する。
また、図5における減算器16Aまたは加算器16Bの何れか一方を省略し、第1群、第2群の何れか一方の群の多重巻線に流す電流の位相のみを所定のオフセット角度Δθの減算または加算によって制御することにより、他方の群の多重巻線に流す電流との間に所定の位相差を持たせる着想が、請求項3の発明の実施形態に相当する。
次いで、本発明の第5,第6実施形態を図6に基づいて説明する。
まず、第5実施形態は、誘導電動機の制動状態、駆動状態を判別して制動状態の場合にのみ、上述した第1〜第4実施形態による電流位相の制御動作を行わせるようにしたものである。
図6は、第1〜第4実施形態における磁化電流指令値I 、トルク電流指令値I 及びオフセット角度Δθを生成するためのブロック図である。
図6において、乗算器17はトルク指令値Tと電動機3の速度検出値ωとを乗算して電動機3の出力Pを演算し、関数器18に入力する。Pが正であれば電動機3は駆動状態にあり、Pが負であれば電動機3は制動状態にあるため、関数器18はPの正負に応じて駆動状態、制動状態を判別し、駆動状態ではオフセット角度Δθ=0を、制動状態ではオフセット角度Δθ≠0を出力する。
すなわち、電動機3が制動状態である場合にのみ所定の値を持つオフセット角度Δθが出力されることにより、第1〜第4実施形態におけるオフセット角度Δθの加算または減算が有効になり、2組または2群の電流に位相差を持たせる制御が可能になる。
上記の構成が、請求項5の発明の実施形態に相当する。
次に、請求項6の発明の実施形態を説明する。なお、この実施形態は、前述した第2または第4実施形態に適用されるものである。
図6において、余弦関数器19は関数器18から出力されるΔθの余弦cos(Δθ)を演算する。除算器8は、トルク指令値Tを磁束指令値Φにより除算して第1のトルク電流指令値I **を演算する。後段の除算器20は、このI **をcos(Δθ)により除算して第2のトルク電流指令値(最終的なトルク電流指令値)I を演算する。
また、磁束指令値Φは磁化電流演算器7により第1の磁化電流指令値I **に変換され、除算器21は、第1の磁化電流指令値I **をcos(Δθ)により除算して第2の磁化電流指令値(最終的な磁化電流指令値)I を演算する。
上記の構成は、トルク電流指令値及び磁化電流指令値にcos(Δθ)の逆数のゲインをそれぞれ乗算することに相当しており、図4に示した関係から、複数組の磁化電流を合成した磁化電流値は磁化電流指令値I に一致し、複数組のトルク電流を合成したトルク電流値はトルク電流指令値I に一致するので、制御系のループゲインを一定にでき、安定した運転を行うことができる。
本発明の第1実施形態を示す構成図である。 第1実施形態において、第1,第2のインバータの出力電流の位相が異なる場合の電動機巻線の起磁力への影響を説明するための図である。 本発明の第2実施形態を示す構成図である。 第2実施形態における磁化電流及びトルク電流のベクトル図である。 本発明の第3,第4実施形態を示す構成図である。 本発明の第5,第6実施形態の主要部を示す構成図である。 4極の3相誘導電動機の1次巻線構成例を示す図である。 2多重巻線の構成例を示す図である。 2多重巻線の3相誘導電動機を駆動する駆動装置の構成図である。
符号の説明
1:ダイオード整流器
2A,2B:3相インバータ
3:誘導電動機
3U,3U,3V,3V,3W,3W:巻線
4:速度検出器
5A,5B:電流検出器
7:磁化電流演算器
8,20,21:除算器
10,16,16B:加算器
11:積分器
12A,12B:座標変換器
13A,13B:2相/3相変換器
14A,14B,14A,14B,14A,14B:電流調節器
15A,15B,15A,15B,15A,15B:PWM演算器
16A:減算器
17:乗算器
18:関数器
19:余弦関数器
100,110,120:制御装置

Claims (6)

  1. 1次巻線が2組の多相巻線から構成される誘導電動機を半導体電力変換装置により可変速制御する誘導電動機の制御装置において、
    前記2組の多相巻線の電流をそれぞれ独立に制御する手段と、
    前記誘導電動機が制動状態である場合に、
    前記2組の多相巻線の電流が同位相であるときと同一のトルクが得られるように、前記2組の多相巻線の電流の間に所定の位相差を持たせることによって前記2組の多相巻線の電流が同位相であるときよりも大きい電流を前記電力変換装置から前記誘導電動機に供給するための電流位相制御手段と、
    を備えたことを特徴とする誘導電動機の制御装置。
  2. 請求項1に記載した誘導電動機の制御装置において、
    2組の多相巻線に共通した電流位相基準となる基準位相を有し、
    前記電流位相制御手段は、
    第1組の多相巻線の電流位相を、前記基準位相から所定のオフセット角度を減算した位相に制御し、かつ、第2組の多相巻線の電流位相を、前記基準位相に前記オフセット角度を加算した位相に制御することを特徴とする誘導電動機の制御装置。
  3. 1次巻線が偶数組の多相巻線から構成される誘導電動機を半導体電力変換装置により可変速制御する誘導電動機の制御装置において、
    前記偶数組の多相巻線の電流をそれぞれ独立に制御する手段と、
    前記誘導電動機が制動状態である場合に、
    前記偶数組の多相巻線を更に第1群と第2群とに分割し、第1群の多相巻線の電流と第2群の多相巻線の電流とが同位相であるときと同一のトルクが得られるように、第1群及び第2群の多相巻線の電流の間に所定の位相差を持たせることによって第1群及び第2群の多相巻線の電流が同位相であるときよりも大きい電流を前記電力変換装置から前記誘導電動機に供給するための電流位相制御手段と、
    を備えたことを特徴とする誘導電動機の制御装置。
  4. 請求項3に記載した誘導電動機の制御装置において、
    各組の多相巻線に共通した電流位相基準となる基準位相を有し、
    前記電流位相制御手段は、
    第1群の多相巻線の電流位相を、前記基準位相から所定のオフセット角度を減算した位相に制御し、かつ、第2群の多相巻線の電流位相を、前記基準位相に前記オフセット角度を加算した位相に制御することを特徴とする誘導電動機の制御装置。
  5. 請求項1〜4の何れか1項に記載した誘導電動機の制御装置において
    記誘導電動機が駆動状態である場合には全ての組の多相巻線の電流位相を同相に制御する手段を備えたことを特徴とする誘導電動機の制御装置。
  6. 請求項2または4に記載した誘導電動機の制御装置において、
    各組の多相巻線の電流指令値に前記オフセット角度の余弦の逆数のゲインを乗じることを特徴とする誘導電動機の制御装置。
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