JP4997712B2 - 高炉の操業方法 - Google Patents

高炉の操業方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4997712B2
JP4997712B2 JP2005110715A JP2005110715A JP4997712B2 JP 4997712 B2 JP4997712 B2 JP 4997712B2 JP 2005110715 A JP2005110715 A JP 2005110715A JP 2005110715 A JP2005110715 A JP 2005110715A JP 4997712 B2 JP4997712 B2 JP 4997712B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mass
ore
water content
lump ore
blast furnace
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2005110715A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006291255A (ja
Inventor
達男 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Metal Industries Ltd filed Critical Sumitomo Metal Industries Ltd
Priority to JP2005110715A priority Critical patent/JP4997712B2/ja
Publication of JP2006291255A publication Critical patent/JP2006291255A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4997712B2 publication Critical patent/JP4997712B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Manufacture Of Iron (AREA)

Description

本発明は、高炉の操業方法に関し、詳しくは、高炉に装入使用する塊鉱石の性状を特定することにより、高炉の出銑量を維持ないしは増大させることのできる高炉の操業方法に関するものである。
高炉で使用される鉄原料装入物は、概ね焼結鉱、塊鉱石およびペレットに大別される。鉱山で採掘された鉄鉱石は、粒度別に分別され、高炉に直接装入可能な5〜30mm前後の粒径を有する塊鉱石は、直接高炉に装入され、0.1〜5mm程度の粒径を有する粉鉱石は、焼結プロセスによって焼結鉱として塊成化され、塊鉱石と同レベルの粒径に整粒された後、高炉に装入される。さらに微粉の鉄鉱石は、ペレットとして塊成化され、高炉に装入される。上記の焼結鉱およびペレットは総称して塊成鉱とも称される。
塊成鉱は、高炉に装入可能な塊成化だけでなく、高炉において副産物として生成するスラグの成分調整のために、それ自身に副原料の添加が行なわれている。焼結鉱は、粉状の鉄鉱石に水分を添加して造粒後、焼成し、一部を溶融させることにより塊成化を図ったものであり、一般に気孔率が高く緻密な塊鉱石よりも高い被還元性を有する。高炉に装入される全鉄原料装入物に占める焼結鉱およびペレットの配合割合(以下、「塊成鉱比」とも記す)は、高炉の操業条件により差異があるものの、概ね70〜80質量%の範囲であり、全鉄原料装入物の大部分を占めている。
塊成鉱の中でも焼結鉱はその大部分を占めており、ペレットは塊成鉱比を維持するために補完的に使用されている場合が多い。高炉に装入される鉄原料装入物の大部分を占める焼結鉱の性状は、高炉操業に及ぼす影響が大きく、粒度、強度、還元粉化性、還元性、高温性状などの様々な測定が行なわれ、それらの品質管理が行なわれている。また、高炉操業をさらに一層改善するために、焼結鉱の成分組成および製造プロセスの改善が行なわれ、これらの品質向上が図られている。
例えば、特許文献1には、焼結原料のコークス粒度を0.5〜1.5mmが全コークスに対して50〜100質量%となるように調整または造粒した後に、他の焼結原料に配合し、焼結原料全体を混合・造粒してから焼結機に装入して焼成する高炉還元・軟化溶融性状の優れた焼結鉱の製造方法が開示されている。また、特許文献2には、返鉱以外の鉄含有原料中に、1200℃以上で平均気孔径が10μm以下の微細気孔を0.035cc/g以上含有する鉄鉱石を40〜80質量%配合し、同0.025cc/g未満含有する鉄鉱石を40質量%未満配合する高温性状の優れた焼結鉱の製造方法が開示されている。
さらに、特許文献3には、シリケートスラグとマグネタイト主体の結合組織にマクロ気孔が分散した結合組織を有する軟化溶融性状の優れた焼結鉱が開示されており、特許文献4には、SiO2含有率が5質量%以下、(CaO/SiO2)が1.0〜3.0、および(ヘマタイト相量/マグネタイト相量)が0.5以下を満たし、且つ、15面積%以上の平均気孔率を有する高品質焼結鉱が開示されている。
一方、塊鉱石は、破砕や篩い分けなどにより粒度調整がなされるものの、基本的には天然に賦存する鉱物であり、その性状は、鉱山の存在する地域や鉱床の生成過程に強く依存している。従来、塊鉱石としては、3質量%程度以下の比較的低い結晶水含有量のヘマタイトを主成分とする鉱石が使用されてきたが、資源の枯渇にともない、結晶水含有量が高く、鉄含有量の低い鉱石の使用拡大が図られてきている。
結晶水を多量に含有する塊鉱石は、特許文献5においても記載されているように、一般に(1)表面に付着粉が多い、(2)結晶水が分解・気化する際に粉化しやすく強度も弱い、(3)還元粉化しやすい、(4)高温で収縮し、粒度が小さくなるなどの性質を有している。このため、これらを装入物としてそのまま使用した場合には、高炉内の通気性を悪化させ、生産量の低下を招くことから、鉄原料装入物中におけるその配合割合を抑制せざるを得なかった。
これに対して、例えば、特許文献5には、気孔率が30%以上で、結晶水を3%以上含有し、粒度が5〜20mmの多孔質塊鉱石の使用方法が開示されており、高炉内での3mm以下の粉の総量を抑制すべく、装入前の塊鉱石の付着粉を除去したり、焼結鉱の還元粉化により粉の発生量が増大する場合や高炉の操業条件が還元粉化を起こしやすい状態の場合には、前記塊鉱石の装入量を減少させることにより、安価で還元性の良好な塊鉱石を安定的に使用する方法が記載されている。
特開平8−120350号公報(特許請求の範囲および段落[0011]〜[0014]) 特開2001−303142号公報(特許請求の範囲および段落[0010]〜[0013]) 特開2003−49228号公報(特許請求の範囲および段落[0011]〜[0013]) 特開平10−265857号公報(特許請求の範囲および段落[0016]〜[0018]) 特開平4−263003号公報(特許請求の範囲および段落[0006]) 望月 顕、村井達典、川口善澄、岩永祐治:「鉄と鋼」Vol.72(1986)、1856〜1861頁
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、その課題は、結晶水を3質量%以上含有する高結晶水含有鉱石であっても、特定の条件を満たす鉱石を多量に配合使用することにより、出銑量の増加を図ることのできる高炉の操業方法を提供することにあり、また一部の劣質な塊鉱石を使用する場合であっても、高炉の出銑量を低下させることなく操業を可能とする高炉の操業方法を提供することにある。
本発明者らは、上記した課題を解決するために、長年にわたり調査および蓄積してきた種々の塊鉱石の性状データに基づいて、それらを高炉操業に使用した場合の効果を解析し、また、高炉への装入試験を行うことにより、下記の(a)〜(d)の知見を得て、本発明を完成させた。
(a)塊鉱石の被還元性を表す還元率(JIS M 8713で規定される還元率を意味し、「RI」と略記する)は、結晶水含有量(質量%)の増加とともに向上し、還元粉化性を表す還元粉化指数(JIS M 8720で規定される還元後の粉化率(−3mm%)を意味し、「RDI」と略記する)は、結晶水含有量の増加にともなって悪化する(後述の図1および図2)。
(b)塊鉱石の高温通気抵抗指数は、塊鉱石中の脈石成分であるSiO2およびAl23の合計含有量(以下、「脈石成分含有量」とも記す)の増加とともに上昇し、また、被還元性の向上とともに低下する(後述の図3および図4)。ここで、高温通気抵抗指数とは、非特許文献1に記載された鉱石類の品質評価指数であり、高炉内融着帯までの温度、ガス組成および装入物荷重条件にシミュレートさせた昇温荷重軟化試験により測定されるガスの圧力損失を指数化したものであり、「KS値」とも称する。
(c)上記(a)および(b)の結果を高炉数学モデルに入力し、出銑量に及ぼす塊鉱石の結晶水含有量の効果を評価した結果によれば、後述するとおり、塊鉱石の結晶水含有量が3〜7質量%の範囲において出銑量の極大値が存在する。また、脈石成分量が4質量%以下の塊鉱石を使用することにより、従来の塊鉱石の使用時に比して出銑量を増加させることができる。(後述の図5〜図8)。
(d)高炉での使用試験によれば、後述の実施例で示されるとおり、結晶水含有量が1質量%以下の塊鉱石が5質量%未満の配合割合で併用される場合には、結晶水含有量が3〜7質量%で脈石成分量が4質量%以下の塊鉱石の配合割合を10質量%以上とすることにより、出銑量を増加させることが可能である。また、結晶水含有量が1質量%以下の塊鉱石が5質量%以上の配合割合で併用される場合には、結晶水含有量が3〜7質量%で脈石成分量が4質量%以下の塊鉱石の配合割合を前者塊鉱石の配合割合以上とすることにより、出銑量を維持または増加させることが可能である。
本発明は、上記の知見に基いて完成されたものであり、その要旨は、下記に示す高炉の操業方法にある。すなわち、
「高炉に装入される鉄原料装入物のうち、結晶水含有量が1質量%以下の塊鉱石の配合割合を10質量%以下とする高炉の操業方法であって、結晶水含有量が3〜7質量%でかつ脈石成分であるSiO2およびAl23の合計含有量が4質量%以下の塊鉱石の配合割合を下記の(a)または(b)のいずれかの方法により調整することを特徴とする高炉の操業方法。
(a)結晶水含有量が1質量%以下の塊鉱石が配合されない場合、および5質量%未満の配合割合で併用される場合には、前記塊鉱石の配合割合を10質量%以上13質量%以下とする。
(b)結晶水含有量が1質量%以下の塊鉱石が5質量%以上10質量%以の配合割合で併用される場合には、前記塊鉱石の配合割合を、結晶水含有量が1質量%以下の塊鉱石の配合割合以上とする。」である。

本発明において、「鉄原料装入物」とは、焼結鉱、塊鉱石、ペレット、鉄系スクラップなどを意味する。
本発明の方法によれば、結晶水を3質量%以上含有する高結晶水含有塊鉱石を使用する場合であっても、結晶水含有量が7質量%以下かつ脈石成分であるSiO2およびAl23の合計含有量が4質量%以下の塊鉱石を多量に配合使用することにより、出銑量の増加を図ることができる。また、結晶水含有量が1質量%以下の塊鉱石を併用使用する場合であっても、前記の結晶水含有量が高くかつ脈石成分含有量の低い塊鉱石を、結晶水含有量が1質量%以下の塊鉱石の配合割合以上に配合することにより、出銑量を低下させることなく維持することが可能である。
本発明は、前記のとおり、高炉に装入される鉄原料装入物のうち、結晶水含有量が3〜7質量%でかつ脈石成分であるSiO2およびAl23の合計含有量が4質量%以下の塊鉱石の配合割合を下記の(a)または(b)のいずれかの方法により調整する高炉の操業方法である。すなわち、(a)結晶水含有量が1質量%以下の塊鉱石が配合されない場合、および5質量%未満の配合割合で併用される場合には、前記塊鉱石の配合割合を10質量%以上とし、(b)結晶水含有量が1質量%以下の塊鉱石が5質量%以上の配合割合で併用される場合には、前記塊鉱石の配合割合を、結晶水含有量が1質量%以下の塊鉱石の配合割合以上とする方法である。
以下に、本発明の範囲を前記のとおり限定した理由および好ましい範囲について説明する。
(1)塊鉱石の被還元性、還元粉化性および高温通気抵抗に及ぼす結晶水含有量および脈石成分含有量の影響
塊鉱石は、その産地、さらに遡ればその生成過程によりその性状は大きく相違している。本発明者は、長年にわたり多様な塊鉱石について種々の性状を測定し、それらを蓄積してきた。それらを系統的に整理し、解析することにより以下の知見を得た。
本発明において解析の対象とした主要塊鉱石の成分組成、脈石成分含有量、結晶水含有量、還元率、還元粉化指数および高温通気抵抗指数の例を表1に示す。
Figure 0004997712
図1は、塊鉱石の結晶水含有量と還元率(RI)との関係を示す図である。塊鉱石の被還元性を表す還元率は、塊鉱石の結晶水含有量の増加にともなって上昇する。これは、結晶水含有量が高い鉱石は気孔率が元々高いこと、および塊鉱石中に含有される結晶水の分解・気化により鉱石が多孔質化、すなわち、気孔率がさらに増加し、また、細粒化されることにより、還元ガスとの接触面積が増加してガス還元性が良好となるからである。
図2は、塊鉱石の結晶水含有量と還元粉化率(RDI)との関係を示す図である。結晶水含有量が増加するにつれて、還元粉化指数(−3mm%)は増加(悪化)する。
図3は、塊鉱石の脈石成分含有量と高温通気抵抗指数(KS)との関係を示す図である。同図において、高温通気抵抗指数は、非特許文献1に記載された鉱石類の品質評価指数であり、高炉内融着帯に至るまでの温度、ガス組成および装入物荷重条件にシミュレートさせた昇温荷重軟化試験により測定されるガスの圧力損失を指数化したものである。
高温通気抵抗指数は、塊鉱石中のSiO2およびAl23の合計含有量、すなわち、脈石成分含有量の増加にともなって上昇する。これは、脈石成分含有量が増加すると、塊鉱石の軟化収縮から融着および融け落ち完了に至るまでの通気抵抗が増加することによる。
図4は、塊鉱石の還元率(RI)と高温通気抵抗指数(KS)との関係を示す図である。塊鉱石の被還元性の上昇により、高温通気抵抗指数は減少している。これは、焼結鉱の場合と同様に、被還元性の上昇により、軟化融着領域から溶融滴下温度領域にかけての未還元FeO(ウスタイト)量が低減し、溶融滴下性が良好になるためと推察される。
図1〜図4の結果に示されたように、高炉操業成績、特に還元効率および炉内通気性に及ぼす塊鉱石性状の影響は、概ね塊鉱石の結晶水含有量と脈石成分含有量により支配されていることが明らかである。したがって、これらの結果を用いることにより、高炉操業成績に及ぼす塊鉱石性状および配合割合の影響を定量化することが可能となる。
前記したとおり、高炉に使用する鉄原料装入物に占める塊鉱石の配合割合は、20〜30質量%と比較的小さいものの、個々の塊鉱石の還元率、還元粉化指数および高温通気抵抗指数といった性状の変化は、焼結鉱におけるこれらの性状変化の数倍〜十倍程度と大きく、したがって、高炉操業成績に及ぼすこれら性状の影響は、焼結鉱の性状の影響とほぼ同程度になり得る。
(2)高炉の出銑量変化に及ぼす塊鉱石の性状の影響
前記図1〜図4にて得られた関係を、高炉内の伝熱、反応および通気性を評価できる数学モデルに入力し、出銑量の変化に及ぼす効果を計算した。なお、基準条件は、出銑量を5600t/dとし、鉄原料装入物中の焼結鉱配合割合を80質量%および塊鉱石の配合割合を20質量%として、塊鉱石は単一銘柄の塊鉱石を装入するものとした。
図5は、塊鉱石の結晶水含有量の変化に基づく還元率(RI)の変化が出銑量に及ぼす影響を評価した図である。結晶水含有量の増加にともない、鉱石の還元効率が向上して高炉の還元材比が低下し、出銑量が増加する。
図6は、塊鉱石の結晶水含有量の変化に基づく還元粉化指数(RI)の変化が出銑量に及ぼす影響を評価した図である。結晶水含有量の増加にともない、鉱石の還元粉化指数が上昇して高炉の通気性が悪化するため、送風量の低下を余儀なくされ、したがって、出銑量は低下する。
図7は、塊鉱石の結晶水含有量および脈石成分含有量の変化に基づく高温通気抵抗指数(KS)の変化が出銑量に及ぼす影響を評価した図である。結晶水含有量の増加にともなって、鉱石の還元率が向上し、高温通気抵抗指数が低下することに起因して、高炉内の軟化融着帯における通気性は若干向上し、出銑量はわずかに増加する。
高温通気抵抗指数に対しては、結晶水含有量の影響よりも脈石成分含有量の影響の方が大きい。脈石成分含有量が増加すると、高温通気抵抗指数が上昇し、高炉の軟化融着帯における通気性が悪化して高炉全体の通気性も悪化することから、出銑量は低下する。
これら塊鉱石の被還元性、還元粉化性および高温通気抵抗を介して結晶水含有量の影響を総合し、以下の結果を得た。図8は、出銑量変化に及ぼす塊鉱石の結晶水含有量および脈石成分含有量の変化の影響を総合的に評価した図である。
結晶水含有量の増加によって、被還元性、還元粉化性および高温通気抵抗がそれぞれ出銑量に対して相反する影響を有するため、これらの影響の総合された結果として、結晶水含有量が3〜7質量%の範囲において出銑量が極大値、すなわち最大値を有することとなる。また、脈石成分含有量の増加にともない上記出銑量の極大値は低下し、脈石成分含有量の減少にともなって出銑量の極大値は上昇する。
つまり、従来使用していたヘマタイトを主成分とする結晶水含有量が2質量%程度の塊鉱石と比較して、結晶水含有量が8質量%以上と非常に高く、脈石成分含有量の高いピソライト系塊鉱石や、逆に結晶水含有量が1質量%以下と非常に低く、脈石成分含有量の比較的高い塊鉱石を使用した場合には、出銑量は低下する。これに対して、結晶水含有量が3〜7質量%の範囲にあり、脈石成分含有量が4質量%以下と比較的低い塊鉱石を使用すれば、従来の塊鉱石よりもむしろ増産が可能となる。
本発明の高炉の操業方法の効果を確認するため、内容積2700m3の高炉において試験操業を行い、その結果を評価した。試験操業においては、鉄原料装入物中の焼結鉱配合割合を80質量%、塊鉱石の総配合割合を20質量%で一定とし、塊鉱石の配合銘柄およびそれらの配合割合の内訳を変化させた。なお、基準操業条件は、出銑量:5600t/d(出銑比:2.07t/d/m3)および還元材比:500kg/tとし、塊鉱石の配合割合内訳以外の操業条件は一定とした。
塊鉱石については、前記の表1示した4種類の銘柄の塊鉱石の配合割合を変更して高炉に装入し、試験操業を行なった。同表において、塊鉱石Aは、結晶水含有量が高く、鉄含有量が低く(鉄品位が低く)、脈石成分含有量の高い鉱石であり、塊鉱石Bは、結晶水含有量が中程度で、脈石成分含有量の低い鉱石である。また、塊鉱石Cは、結晶水含有量が比較的低く、脈石成分含有量の低い鉱石であり、塊鉱石Dは、結晶水含有量が極めて低く、脈石成分含有量の比較的高い鉱石である。
試験操業における鉄原料装入物中の塊鉱石の配合割合、および操業成績中の出銑量を表2および表3に示した。
Figure 0004997712
Figure 0004997712
試験番号1は、本発明において基準操業とした従来の操業であり、試験番号6、7、8、9、10、12および13は、本発明で規定する条件を満足する本発明例であり、また、試験番号2、3、4、5および11は、本発明で規定する条件を満たさない比較例である。
結晶水含有量が1質量%以下の塊鉱石Dが配合されず(すなわち、塊鉱石Dの配合割合が5質量%未満であり)、結晶水含有量が3〜7質量%であって、かつ脈石成分であるSiO2およびAl23の合計含有量が4質量%以下の塊鉱石Bが配合されていない(すなわち、塊鉱石Bの配合割合が10質量%未満である)比較例の試験番号2では、出銑量が基準操業の場合に比較して低下した。また、結晶水含有量が1質量%以下の塊鉱石Dが配合割合5質量%未満で併用されているものの、結晶水含有量が3〜7質量%でかつ脈石成分含有量が4質量%以下の塊鉱石Bの配合割合が10質量%未満である比較例の試験番号5では、出銑量増の十分な効果は得られなかった。
さらに、結晶水含有量が1質量%以下の塊鉱石Dが配合割合5質量%以上で併用されているものの、結晶水含有量が3〜7質量%でかつ脈石成分含有量が4質量%以下の塊鉱石Bの配合割合が塊鉱石Dの配合割合未満である比較例の試験番号3、4および11においても、出銑量が大幅に低下した。
これらに対して、結晶水含有量が1質量%以下の塊鉱石Dが配合割合5質量%未満で併用され、結晶水含有量が3〜7質量%でかつ脈石成分含有量が4質量%以下の塊鉱石Bの配合割合が10質量%以上の本発明例である試験番号6では、出銑量の増加が確認された。また、結晶水含有量が1質量%以下の塊鉱石Dが配合されず、結晶水含有量が3〜7質量%でかつ脈石成分含有量が4質量%以下の塊鉱石Bの配合割合が10質量%以上の本発明例である試験番号7、8、9および10では、出銑量の増加が確認され、特に試験番号10では、出銑量が大幅に増加した。
さらに、結晶水含有量が1質量%以下の塊鉱石Dが配合割合5質量%以上で併用され、結晶水含有量が3〜7質量%でかつ脈石成分含有量が4質量%以下の塊鉱石Bの配合割合が塊鉱石Dの配合割合以上の本発明例である試験番号12および13では、基準操業と同程度、またはそれ以上の出銑量を維持することができた。
以上の操業試験の結果から、本発明で規定した数値範囲の境界的意義および発明の効果がともに確認された。
本発明の方法によれば、結晶水を3質量%以上含有する高結晶水含有塊鉱石を使用するであっても、結晶水含有量が7質量%以下かつ脈石成分含有量が4質量%以下の条件を満たす塊鉱石を多量に配合使用することにより、出銑量の増加を図ることができる。また、結晶水含有量が1質量%以下の塊鉱石を併用使用する場合であっても、結晶水含有量が高くかつ脈石成分含有量の低い塊鉱石を、結晶水含有量が1質量%以下の塊鉱石の配合割合以上に配合することにより、出銑量を維持または増加させることが可能である。したがって、本発明の高炉操業方法は、低品位かつ高結晶水含有量鉱石の使用を余儀なくされている製銑工程において、生産性および銑鉄コストの低減を可能ならしめる高炉操業技術として広範に適用できる。
塊鉱石の結晶水含有量と還元率(RI)との関係を示す図である。 塊鉱石の結晶水含有量と還元粉化率(RDI)との関係を示す図である。 塊鉱石の脈石成分含有量と高温通気抵抗指数(KS)との関係を示す図である。 塊鉱石の還元率(RI)と高温通気抵抗指数(KS)との関係を示す図である。 塊鉱石の結晶水含有量の変化に基づく還元率(RI)の変化が出銑量に及ぼす影響を評価した図である。 塊鉱石の結晶水含有量の変化に基づく還元粉化指数(RI)の変化が出銑量に及ぼす影響を評価した図である。 塊鉱石の結晶水含有量および脈石成分含有量の変化に基づく高温通気抵抗指数(KS)の変化が出銑量に及ぼす影響を評価した図である。 出銑量変化に及ぼす塊鉱石の結晶水含有量および脈石成分含有量の変化の影響を総合的に評価した図である。

Claims (1)

  1. 高炉に装入される鉄原料装入物のうち、結晶水含有量が1質量%以下の塊鉱石の配合割合を10質量%以下とする高炉の操業方法であって、結晶水含有量が3〜7質量%でかつ脈石成分であるSiO2およびAl23の合計含有量が4質量%以下の塊鉱石の配合割合を下記の(a)または(b)のいずれかの方法により調整することを特徴とする高炉の操業方法。
    (a)結晶水含有量が1質量%以下の塊鉱石が配合されない場合、および5質量%未満の配合割合で併用される場合には、前記塊鉱石の配合割合を10質量%以上13質量%以下とする。
    (b)結晶水含有量が1質量%以下の塊鉱石が5質量%以上10質量%以下の配合割合で併用される場合には、前記塊鉱石の配合割合を、結晶水含有量が1質量%以下の塊鉱石の配合割合以上とする。
JP2005110715A 2005-04-07 2005-04-07 高炉の操業方法 Active JP4997712B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005110715A JP4997712B2 (ja) 2005-04-07 2005-04-07 高炉の操業方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005110715A JP4997712B2 (ja) 2005-04-07 2005-04-07 高炉の操業方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006291255A JP2006291255A (ja) 2006-10-26
JP4997712B2 true JP4997712B2 (ja) 2012-08-08

Family

ID=37412143

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005110715A Active JP4997712B2 (ja) 2005-04-07 2005-04-07 高炉の操業方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4997712B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5251408B2 (ja) * 2008-10-02 2013-07-31 新日鐵住金株式会社 高炉操業方法
JP5359670B2 (ja) * 2009-08-07 2013-12-04 新日鐵住金株式会社 ベル式高炉の原料装入方法
WO2013088583A1 (ja) * 2011-12-13 2013-06-20 Jfeスチール株式会社 高炉用鉄源原料の製造方法
JP7553179B2 (ja) * 2019-06-24 2024-09-18 日本製鉄株式会社 塊鉱石の前処理方法及び高炉の操業方法

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0733528B2 (ja) * 1991-02-15 1995-04-12 新日本製鐵株式会社 高炉の操業方法
JP3061965B2 (ja) * 1992-11-12 2000-07-10 新日本製鐵株式会社 高炉の操業方法
JP2001140007A (ja) * 1999-11-15 2001-05-22 Nippon Steel Corp 多結晶水含有鉄原料を使用した高炉操業方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006291255A (ja) 2006-10-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN105308194A (zh) 用于制造烧结矿的内包炭材料的造粒粒子及其制造方法、以及烧结矿的制造方法
JP4808819B2 (ja) 高炉用の非焼成含炭塊成鉱およびその製造方法
TWI396749B (zh) 還原鐵之製造方法
Lu Important iron ore characteristics and their impacts on sinter quality—A review
CN107614710B (zh) 还原铁的制造方法
CN103374635B (zh) 一种高炉渣铁的回收利用方法
JP4997712B2 (ja) 高炉の操業方法
JP2007077484A (ja) 炭材内装塊成化物の製造方法
JP6288462B2 (ja) 焼結鉱製造用の炭材内装造粒粒子とその製造方法および焼結鉱の製造方法
JP2007246786A (ja) フェロコークスおよび焼結鉱の製造方法
KR20140002218A (ko) 고로용 펠렛 제조 방법
JP4972761B2 (ja) 焼結鉱の製造方法および焼結鉱の製造用擬似粒子
JP5498919B2 (ja) 還元鉄の製造方法
JP2003096521A (ja) 高アルミナ鉄鉱石配合の焼結鉱及びその製造方法
JP3797184B2 (ja) 焼結鉱の製造方法
JP2003313614A (ja) 低スラグ焼結鉱の製造方法
JP2015101740A (ja) 還元鉄の製造方法
JP4462008B2 (ja) 焼結鉱の製造方法および還元鉄が存在する焼結鉱製造用擬似粒子
JP7273305B2 (ja) 焼結鉱の製造方法
JP4720127B2 (ja) 焼結鉱の製造方法
JP2007277684A (ja) 製鉄用非焼成塊成鉱
KR101581572B1 (ko) 고로용 펠렛 제조 방법
JP2002285249A (ja) 焼結原料の造粒方法
JP6458609B2 (ja) 炭素高反応性装入物の装入量決定方法および高炉操業方法
JP2548647B2 (ja) 高ゲーサイト鉄鉱石を原料とする製鉄用焼結鉱の製造法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070620

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20091009

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091020

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091218

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20091218

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100420

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100616

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20100616

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110621

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110715

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120417

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120430

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 4997712

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150525

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150525

Year of fee payment: 3

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150525

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350