JP4997034B2 - 車両用シートのクッション構造 - Google Patents
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Description
また、車両用シートには、正面衝突の際に後退するものがある(例えば、特許文献2参照。)。
図10は、従来の技術(特許文献1)を説明する図であり、従来の車両のシート装置201は、クッション202をエアスプリング203で形成し、車両の衝突時にボディパネルがへこむとワイヤケーブル204が栓体205を押し開くので、乗員の体重などで排出口206から空気が抜けて、エアスプリング203が潰れ(特許文献1の図5)、乗員の救出に必要な空間を形成することができるというものである。
また、エアスプリング203の空気圧が環境によって変化するので、空気圧を管理し難いという問題がある。
さらに、栓体205を押し開く制御部品を追加する必要があり、構造が複雑になる。
また、シートの後退をガイドしているレールが正面衝突の際に変形することがあるという問題がある。
図1は、本発明の車両用シートのクッション構造(第1実施の形態)の概要説明図である。
車両用シートは、車両11の運転席用シート12及び助手席用シートである。
車両用シートのクッション構造(第1実施の形態)16は、運転席用シート12及び助手席用シートのクッション構造であり、第1クッション構造17と、第2クッション構造18とからなる。
運転席用シート12と助手席用シートは、ほぼ同様(車体の中央を基準に対象)であり、運転席用シート12に採用したクッション構造(第1実施の形態)16を具体的に後述する。
運転席用シート12は、シートクッション34と、シートクッション34にリクライニング装置35を介して接続したシートバック36とからなる。
第1載置部材45は、平坦な面で、平坦な面に低摩擦層52(図6参照)として、例えば、フッ素樹脂など摩擦係数の小さい樹脂の層が施され、第1クッション構造17に含まれる。
第2載置部材65は、第1載置部材45と同様に低摩擦層52が施され、第2クッション構造18に含まれる。
すなわち、第1クッション材47は、2分割したものをさらに、約5等分した長さL/10の長さで矢印b1のように五つ折りにされて、前後に配置され、前後を引っ張りベルト81で連結している。
引っ張りベルト81の幅Wbは、任意であり、幅Wbが広い場合には、1本でもよい。
なお、第1クッション材47は五つ折りにして配置しているが、折り合わされた面同士の一部を結合力の小さい接着剤や引っ張り力の小さい糸で接合してもよい。その結果、乗員の体重によって折りたたんだ状態が崩れるのを防ぐことができる。
第1クッション材47は、厚さt、幅W、全長を任意に設定してもよい。そして、五つ折りにしたが、折る回数や折りたたみ形状は任意である。
また、第1面76のみに低摩擦層(引っ張りベルト)81を接合してもよい。
低摩擦層は、引っ張りベルト81が兼ねる形態としたが、低摩擦層を別に挙げると、例えば、引っ張りベルト81を挟んで、折られる面(第1面76、第2面77)の全面に塗布又は接合した樹脂層を挙げることができる。
図4は、本発明の車両用シートのクッション構造と車両の正面衝突との関係を説明する図である。
車両11が正面衝突した場合に、フロントボデー24の損傷に伴い二点鎖線で示したインストルメントパネル28、ステアリングコラム31、ステアリングホイール32が車室21内に矢印b2のように押し込まれて、運転席用シート12に座っている乗員Mにまで達することがある。そして、乗員Mと押し込まれた実線で示すインストルメントパネル28、ステアリングコラム31、ステアリングホイール32とが干渉して、乗員Mを運び出せない状況下のときに、救助隊員など別な人が運転席用シート12に設けた第1引き取っ手56並びに第2引き取っ手74を前右ドア25へ向け(矢印b3の方向)引っ張る。
運転席用シート12に設けた第1引き取っ手56を前右ドア25へ向け(矢印b3の方向)引っ張ると、第1抜き口53並びに第1クッション抜き口55から第1クッション材47が矢印b4のように引き出されて、シートクッションフレーム37に設けた第1載置部材45と第1パッド材41との間から第1クッション材47が抜けるので、第1パッド材41は乗員Mの体重などシートクッション34に加わっている力によって潰れる。
第2クッション構造18では、第1クッション構造17と同様の作用、効果を発揮する。
図7(a)、(b)は、第2実施の形態を説明する図である。上記図1〜図6に示す実施の形態と同様の構成については、同一符号を付し説明を省略する。
第2クッション抜き口73Bは、第2表皮材63に配置した第2ファスナ92を有し、(b)に示したように第2ファスナ92を開いて、第2引き取っ手74を引く。
また、第2実施の形態の車両用シートのクッション構造16Bでは、第1クッション抜き口55Bは、第1ファスナ91を有しているので、第1ファスナ91を閉じると、第1引き取っ手56を第1表皮材42内に収納することができ、第1引き取っ手56を隠すことができる。
同様に、第2ファスナ92を有しているので、第2ファスナ92を閉じると、第2引き取っ手74を第2表皮材63内に収納することができ、第2引き取っ手74を隠すことができる。
第3実施の形態の車両用シートのクッション構造16Cは、第1クッション抜き口55を覆う抜き口カバー94を備えていることを特徴とする。
第3実施の形態の車両用シートのクッション構造16Cは、第1実施の形態の車両用シートのクッション構造16と同様の作用、効果を発揮する。
また、第3実施の形態の車両用シートのクッション構造16Cでは、抜き口カバー94を有しているので、第1クッション抜き口55を覆うと、第1引き取っ手56を隠すことができる。
第4実施の形態の車両用シートのクッション構造16Dは、運転席用シート12のシートバック36Dに第2クッション抜き口73Dと、を備えていることを特徴とする。
制御部は、作動スイッチ103の点火情報と正面衝突情報との2つの情報に基づいてインフレータ(ガス発生装置)を点火する。すなわち、予めステアリングホイール32に配置したエアバックが作動した条件下であるときにのみ(正面衝突がありか否かを判断した後)、作動スイッチ103の点火情報に基づいてインフレータ(ガス発生装置)を点火する。
第4実施の形態の車両用シートのクッション構造16Dは、第1実施の形態の車両用シートのクッション構造16と同様の作用、効果を発揮する。
つまり、第2引き取っ手74を第2表皮材63内に収納することができ、第2引き取っ手74を隠すことができる。
Claims (4)
- 車体に取付けられたシートフレームに配置されて表皮材で覆われた車両用シートのクッション構造において、
前記シートフレームに設けた載置部材と、該載置部材に折りたたんで配置されている長尺厚板状のクッション材と、該折りたたんだクッション材が前記載置部材上から折りたたみを崩されながら抜かれるときに通る大きさに前記シートの左側部又は右側部に形成されているクッション抜き口と、を備えていることを特徴とする車両用シートのクッション構造。 - 前記クッション構造は、前記クッション抜き口の近傍に配置されている前記クッション材の端部に引き取っ手を備えていることを特徴とする請求項1記載の車両用シートのクッション構造。
- 前記クッション材は、折られる面に低摩擦層を備えていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の車両用シートのクッション構造。
- 前記載置部材は、前記クッション材に接触する面に低摩擦層を備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両用シートのクッション構造。
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