JP4996874B2 - 金属cmp用研磨組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、金属CMP(Chemical Mechanical Polishing、化学機械研磨)用研磨組成物に関するものであり、特に半導体装置の製造に当たってダマシン法により配線を形成する際に、銅、銅合金層の除去に好ましく使用される金属CMP用研磨組成物に関するものである。
半導体装置の製造に当たりダマシン法により配線を形成する際には、剰余の銅または銅合金層およびバリアメタル層の除去にCMPが行われている。このCMPにおいてよく行われる2段研磨法では、第1段研磨で最表層部の銅または銅合金層のみを、配線部銅または銅合金層のディッシングをタンタル系バリア層の厚みより小さく抑えつつ選択的に研磨し、第2段研磨では最表層部銅または銅合金層の研磨後露出したタンタル系バリア層のみを、絶縁膜および配線部銅または銅合金層のエロージョンを抑制しながら選択的に研磨することが望まれている。これに加えて最近では、金属表面の表面状態や平坦性についても良好であることも求められている。
CMP技術は、回転する板の上に平坦化処理を行うウエハを載せ、ウエハ表面にパッドを接触させ、ウエハとパッド間に研磨用組成物を供給しながら回転盤とパッドを両方とも回転させて研磨を行う。研磨用組成物内の研磨砥粒とパッド表面の機械的作用でウエハ表面が研磨されると同時に、研磨用組成物内の化合物とウエハ表面の化学反応によりウエハ表面が平坦化される。
金属CMPに用いることのできる研磨組成物の研磨砥粒としては、シリカ、アルミナ、セリアなどの無機砥粒が広く使用されているが、微小な研磨傷(スクラッチ)の問題があり、有機高分子化合物を砥粒として使用することが検討されている。
例えば、特許文献1は、有機高分子化合物からなる粒子を研磨砥粒として使用することで研磨砥粒残留とディッシングを抑制したCMPを開示している。ここには、有機高分子化合物としては、メタクリル樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂が例示されている。また、特許文献2は、乳化重合により得られるビニル化合物重合体の樹脂粒子を研磨砥粒として、錯化剤と併用することで充分な研磨速度を有し、研磨表面の傷を低減したCMPを開示している。また、特許文献3は、架橋構造を有する重合体粒子を研磨砥粒として用いた研磨表面の傷を低減したCMPを開示している。
一方、ポリウレタン系の合成高分子化合物を研磨用組成物に用いることは、例えば、特許文献4および特許文献5に開示されている。しかし、ポリウレタン系合成高分子化合物は、砥粒分散剤やエッチング抑制剤として用いられているものであり、研磨砥粒として使用しているものではない。
金属CMP用研磨組成物は、研磨砥粒、酸化剤などの種々の成分の選択および配合の組み合わせにより、要求特性を満たすように設計されているが、種々の要求性能についていまだ改善の余地がある。特に、銅研磨の場合、銅はエッチングされやすく、研磨速度や研磨選択性などの研磨能力と平坦性、表面状態などの研磨後の形状とのバランスが得られにくい。上記で報告の有機高分子化合物を砥粒として使用したCMP用研磨組成物は、充分な研磨速度が得られない問題点がある。また、研磨速度を向上させるために酸化剤などの他の成分で調整すると、エッチングが抑制できなくなり、エロージョンなどの表面状態が悪化するという問題点がある。さらには、銅とバリア層との選択研磨性を解決するものではなかった。
特開平7−86216号公報(特に、請求項1、段落[0015]、実施例) 特開平11−162910号公報(特に、請求項1、段落[0010]、実施例) 特開2000−204275号公報(特に、請求項1〜4、実施例) 特開2001−240850号公報(特に、請求項4) 特開2002−299292号公報(特に、段落[0017])
本発明は、金属CMP、特に銅CMPにおいて、エッチングを抑制しながら充分な研磨速度を有し、バリア層との研磨選択性に優れた金属CMP用研磨組成物を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究の結果、水分散型ポリウレタンを研磨砥粒として使用した組成物が有効であることを知見し、結果本発明に到達した。本発明は、研磨砥粒として水分散型ポリウレタンを0.01〜10質量%含有してなるCMP用研磨組成物を提供する。
本発明によれば、金属CMPにおいて、特にダマシン法により銅配線を形成する際に、バリア層との研磨選択性に優れ、エッチングの影響を排しながら、充分な研磨速度を有する金属CMP用研磨組成物を提供することができる。
本発明の金属CMP用研磨組成物において、研磨砥粒である水分散型ポリウレタンについて説明する。
本発明に係る水分散型ポリウレタンは、ウレタン結合を複数有する有機高分子化合物であり、水または水溶液中に均一に分散することができるものであり、水または水溶液中での分散の状態は、エマルション、ディスパーション、サスペンション、コロイダル分散液でもよい。また、主鎖分子中に他の重合ユニットによる結合を含んでいてもよい。例えば、ウレア結合を有するポリウレタンポリウレアでもよく、エステル結合を有するポリウレタンポリエステルでもよい。
ポリウレタンに水分散性を付与する方法としては、例えば、ポリウレタン分子の主鎖または側鎖にアニオン性基またはカチオン性基のイオン性基を導入することで水分散性を付与する方法、ポリウレタン分子の主鎖または側鎖にノニオン性基を導入することで水分散性を付与する方法(自己乳化)、界面活性剤などの乳化剤を使用することで水分散性を付与する方法(強制乳化)が挙げられる。本発明に係る水分散型ポリウレタンの水分散性は、これらのいずれにより付与されたものでもよく、これらの2種類以上を併用して付与するものでもよい。
本発明に係る水分散型ポリウレタンとしては、例えば、ジイソシアネートを必須成分とし、他のポリイソシアネート化合物を任意成分として含有してなるポリイソシアネート成分(a)、ポリオール成分(b)、必要に応じて用いられる鎖延長剤成分(c)、必要に応じて用いられる内部分岐剤または内部架橋剤(d)から得られるものが挙げられる。
上記ポリイソシアネート成分(a)の必須成分であるジイソシアネートは、特に制限を受けず、周知一般のジイソシアネートを1種類または2種類以上混合で用いることができる。該ジイソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、3,3’−ジメチルジフェニル−4,4’−ジイソシアネート、ジアニシジンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネート;イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、トランス−1,4−シクロヘキシルジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネートなどの脂環式ジイソシアネート;1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4および/または2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リシンジイソシアネート、1,3−ビス(2−イソシアナト−2−プロピル)ベンゼンなどの脂肪族ジイソシアネートが挙げられる。ジイソシアネートとしては、得られるポリウレタン分子が耐加水分解性に優れるので、1,3−ビス(2−イソシアナト−2−プロピル)ベンゼン、脂環式ジイソシアネートが好ましく、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネートがより好ましい。
また、上記のジイソシアネートは、カルボジイミド変性、イソシアヌレート変性、ビウレット変性などの変性物の形で用いてもよく、各種のブロッキング剤によってブロックされたブロックイソシアネートの形で用いてもよい。
ポリイソシアネート成分(a)の任意成分である他のポリイソシアネート化合物とは、1分子中にイソシアネート基を3つ以上有するポリイソシアネートである。例えば、上記例示のジイソシアネートのイソシアヌレート三量化物、ビューレット三量化物、トリメチロールプロパンアダクト化物など;トリフェニルメタントリイソシアネート、1−メチルベンゾール−2,4,6−トリイソシアネート、ジメチルトリフェニルメタンテトライソシアネートなどの三官能以上のイソシアネートなどが挙げられ、これらのイソシアネート化合物はカルボジイミド変性、イソシアヌレート変性、ビウレット変性などの変性物の形で用いてもよく、各種のブロッキング剤によってブロックされたブロックイソシアネートの形で用いてもよい。
上記のポリオール成分(b)は、特に制限を受けず、周知一般のポリオールを1種類または2種類以上混合で用いることができる。該ポリオールとしては、低分子ポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリブタジエンポリオール、シリコーンポリオール、エステル結合を有するポリオール、イオン性基を導入するポリオールが挙げられる。
上記の低分子ポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−2,4−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、3,5−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールなどの脂肪族ジオール類、シクロヘキサンジメタノール、シクロヘキサンジオールなどの脂環式ジオール類、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ヘキシトール類、ペンチトール類、グリセリン、ペンタエリスリトール、テトラメチロールプロパンなどの三価以上のアルコール類が挙げられる。
ポリエーテルポリオールとしては、例えば、上記の低分子ポリオールのエチレンオキサイドおよび/またはプロピレンオキサイド付加物、ポリテトラメチレングリコールなどが挙げられる。
シリコーンポリオールとしては、分子中に、シロキサン結合を有する末端がヒドロキシル基のシリコーンオイル類などが挙げられる。
エステル結合を有するポリオールとしては、ポリエステルポリオール、ポリエステルポリカーボネートポリオール、結晶性または非結晶性のポリカーボネートポリオールなどが挙げられる。
上記のポリエステルポリオールとしては、上記に例示の低分子多価アルコールと該多価アルコールの化学量論的量より少ない量の多価カルボン酸またはそのエステル、無水物、ハライドなどのエステル形成性誘導体との直接エステル化反応および/またはエステル交換反応により得られるものが挙げられる。多価カルボン酸またはそのエステル形成性誘導体としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、2−メチルコハク酸、2−メチルアジピン酸、3−メチルアジピン酸、3−メチルペンタン二酸、2−メチルオクタン二酸、3,8−ジメチルデカン二酸、3,7−ジメチルデカン二酸、水添ダイマー酸、ダイマー酸などの脂肪族ジカルボン酸類、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸類、1,2−シクロペンタンジカルボン酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−ジカルボキシルメチレンシクロヘキサン、ナジック酸、メチルナジック酸などの脂環式ジカルボン酸類、トリメリット酸、トリメシン酸、ひまし油脂肪酸の三量体などのトリカルボン酸類などの多価カルボン酸、これらの多価カルボン酸の酸無水物、該多価カルボン酸のクロライド、ブロマイドなどのハライド、該多価カルボン酸のメチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、イソプロピルエステル、ブチルエステル、イソブチルエステル、アミルエステルなどの低級エステルや、γ−カプロラクトン、δ−カプロラクトン、ε−カプロラクトン、ジメチル−ε−カプロラクトン、δ−バレロラクトン、γ−バレロラクトン、γ−ブチロラクトンなどのラクトン類が挙げられる。
また、イオン性基を導入するポリオールとしては、例えば、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸、ジメチロール酪酸、ジメチロール吉草酸などのカルボキシル基を含有するポリオール類、1,4−ブタンジオール−2−スルホン酸などのスルホン酸基を含有するポリオール類が挙げられ、カチオン性基を導入するものとしては、例えば、N,N−ジアルキルアルカノールアミン類、N−メチル−N,N−ジエタノールアミン、N−ブチル−N,N−ジエタノールアミンなどのN−アルキル−N,N−ジアルカノールアミン類、トリアルカノールアミン類が挙げられる。
上記のイオン性基導入ポリオールから導入されるイオン性基は、その一部または全部を中和剤によって中和してもよい。アニオン性基の中和剤としては、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミンなどのトリアルキルアミン類;N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジメチルプロパノールアミン、N,N−ジプロピルエタノールアミン、1−ジメチルアミノ−2−メチル−2−プロパノールなどのN,N−ジアルキルアルカノールアミン類;N−アルキル−N,N−ジアルカノールアミン類、トリエタノールアミンなどのトリアルカノールアミン類;アンモニア;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなどの塩基性化合物;テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、コリンなどの四級アンモニウムが挙げられ、カチオン性基の中和剤としては、蟻酸、酢酸、乳酸、コハク酸、グルタル酸、クエン酸などの有機カルボン酸、パラトルエンスルホン酸、スルホン酸アルキルなどの有機スルホン酸、塩酸、リン酸、硝酸、スルホン酸などの無機酸、エピハロヒドリンなどのエポキシ化合物の他、ジアルキル硫酸、ハロゲン化アルキルなどの4級化剤が挙げられる。これらの中和剤の使用量は、通常、イオン性基1モルに対して0.1〜2.0モルである。
上記の鎖延長剤成分(c)としては、エチレンジアミン、プロピレンジアミンなどの前記例示の低分子ジオールのアルコール性水酸基がアミノ基に置換されたものである低分子ジアミン類;ポリオキシプロピレンジアミン、ポリオキシエチレンジアミンなどのポリエーテルジアミン類;メンセンジアミン、イソホロンジアミン、ノルボルネンジアミン、ビス(4−アミノ−3−メチルジシクロヘキシル)メタン、ジアミノジシクロヘキシルメタン、ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、3,9−ビス(3−アミノプロピル)2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカンなどの脂環式ジアミン類;m−キシレンジアミン、α−(m/p−アミノフェニル)エチルアミン、m−フェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン、ジアミノジエチルジメチルジフェニルメタン、ジアミノジエチルジフェニルメタン、ジメチルチオトルエンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、α,α’−ビス(4−アミノフェニル)−p−ジイソプロピルベンゼンなどの芳香族ジアミン類;ヒドラジン;上記のポリエステルポリオールに用いられる多価カルボン酸で例示したジカルボン酸とヒドラジンの化合物であるジカルボン酸ジヒドラジド化合物が挙げられ、これらは1種類または2種類以上混合で用いることができる。
上記の内部分岐剤または内部架橋剤(d)としては、メラミン、メチロールメラミンなどが挙げられる。
また、本発明に係る水分散型ポリウレタンには、アミノプロピルトリエトキシシラン、アミノエチルトリエトキシシランなどのカップリング剤を用いて分子構造中にアルコキシシランを導入してもよい。
本発明の金属CMP用研磨組成物中の水分散型ポリウレタンの含有量は0.01〜10質量%である。上記含有量が0.01質量%より少ないと充分な研磨速度を得ることができない。一方、上記含有量が10質量%を超えても研磨速度の向上は得られないばかりか、水分散型ポリウレタンの二次凝集のため研磨組成物の分散性が悪くなる、研磨面および研磨機に砥粒残渣の問題が起きる。水分散型ポリウレタンの含有量は0.1〜10質量%が好ましい。
水分散型ポリウレタンは、これを分散させる乳化剤がCMP性能に影響を及ぼす可能性があるので、CMP性能を制御しやすい自己乳化型ポリウレタンが好ましい。カチオン性基を導入したカチオン性水分散型ポリウレタンは、銅に対するエッチング作用が強く、これを制御しにくい場合があるので、ノニオン性水分散型ポリウレタンまたはアニオン性水分散型ポリウレタンがより好ましく、銅の研磨速度が大きいのでアニオン性水分散型ポリウレタンがさらに好ましい。また、アニオン性水分散型ポリウレタンの場合、酸価(mgKOH/g)は、1〜200が好ましく、10〜150がより好ましい。
水分散型ポリウレタンの平均粒子径は、研磨砥粒として機能し、金属CMP用研磨組成物中に安定に分散可能な範囲である5〜200nmが好ましく、10〜150nmがより好ましい。分子量については、水分散型ポリウレタンを全溶解させることができず、正確な値を得ることは困難であるが溶媒溶解分のGPCによるポリスチレン換算による手法によると10,000〜200,000が好ましい。
本発明の金属CMP用研磨組成物は、上記の水分散型ポリウレタン以外の研磨砥粒成分を含有してもよい。これを含有させる場合の使用量は水分散型ポリウレタン100質量部に対して、100質量部以下が好ましく、50質量部以下がより好ましい。含有される研磨砥粒としては、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化セリウム、窒化ケイ素、酸化ジルコニウム、炭化ケイ素および二酸化マンガン、ポリスチレンおよびポリスチレンからなるラテックス、ポリアクリル酸およびポリアクリル酸エステルからなるラテックスなどが挙げられ、これらは1種類または2種類以上混合して用いることができる。水分散型ポリウレタン以外の研磨砥粒としては、安定性などの面から二酸化ケイ素が好ましく、後記実施例で示す通り、研磨性能において特に優れた相乗効果が得られるコロイダルシリカがより好ましい。
コロイダルシリカには種々の粒径を持つ多くの種類があるが、本発明の金属CMP用研磨組成物においてはその粒径が1〜400nmの範囲が好ましく、5〜200nmの範囲がより好ましい。
本発明の金属CMP用研磨組成物は、有機酸成分を含有してもよい。含有される有機酸としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、2−メチル酪酸、n−ヘキサン酸、3,3−ジメチル酪酸、2−エチル酪酸、4−メチルペンタン酸、n−ヘプタン酸、グリコール酸、グリセリン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、マレイン酸、フマル酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、無水酢酸などの脂肪族有機カルボン酸;安息香酸、2−ヒドロキシ安息香酸、3−ヒドロキシ安息香酸、4−ヒドロキシ安息香酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、キナルジン酸、ナフタレン−1−カルボン酸、ナフタレン−2−カルボン酸などの芳香族カルボン酸;メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、プロパンスルホン酸、ブタンスルホン酸、ペンタンスルホン酸、ヘキサンスルホン酸、ヘプタンスルホン酸、オクタンスルホン酸、ノルボルネンスルホン酸、アダマンタンスルホン酸、シクロヘキサンスルホン酸、カンファースルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ペンタフルオロエタンスルホン酸、ヘプタフルオロプロパンスルホン酸などの脂肪族スルホン酸;ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、オクチルベンゼンスルホン酸、デシルベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ナフタレン−1−スルホン酸、ナフタレン−2−スルホン酸、アントラセンスルホン酸、アセナフテンスルホン酸、フェナントレンスルホン酸などの芳香族スルホン酸が挙げられ、これらは1種類または2種類以上の混合物で使用される。
上記の有機酸成分の使用効果は、構造により異なる。脂肪族有機酸および脂肪族スルホン酸は、銅CMP用研磨組成物の安定性を高める効果があり、また、研磨速度を向上させる効果がある。芳香族カルボン酸および芳香族スルホン酸は銅のエッチングなどを抑制し、研磨面の平坦化を良好にする効果がある。
本発明の金属CMP用研磨組成物中の有機酸成分の好ましい含有量は0.0005〜5質量%である。上記含有量が下限より少ないと充分な使用効果が得られない場合があり、一方、上記含有量が上限より多いと使用効果が過剰となり、表面粗れ、平坦性悪化、研磨効率低下、選択研磨性の低下をきたす場合がある。
本発明の金属CMP用研磨剤組成物のpHは、8〜12が好ましい範囲である。pHが8未満6以上であると、充分な研磨速度が得られない場合がある。また、pHが6より小さいとバリア層の研磨が起こり、選択研磨性が低下する場合がある。また、pHが12より大きいとディッシングが起こり、表面状態が悪化する場合がある。従って、本発明の金属CMP研磨組成物には、必要に応じてpH調整剤成分を使用してもよい。
本発明の金属CMP用研磨組成物に使用されるpH調整剤成分は、水溶性塩基性化合物と水溶性酸性化合物である。水溶性塩基性化合物としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの水酸化アルカリ金属類、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム、水酸化バリウムなどの水酸化アルカリ土類金属類、炭酸アンモニウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属の炭酸塩類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、コリンなどの4級アンモニウムヒドロキシド類、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ヒドロキシエチルアミンなどの有機アミン類、アンモニアが挙げられ、これらは1種類または2種類以上の混合物で使用される。中でも安価で扱い易いのでアンモニアおよび水酸化アルカリ金属類が好ましい。
水溶性酸性化合物としては、有機酸で例示したものの中で水溶性のもの、塩酸、硫酸、硝酸などの無機酸が挙げられる。
本発明の金属CMP用研磨組成物は、酸化剤成分を含有してもよい。含有される酸化剤としては、過酸化水素、硝酸、過ヨウ素酸、過ヨウ素酸カリウム、過ヨウ素酸リチウム、過ヨウ素酸ナトリウム、過マンガン酸カリウム、過マンガン酸リチウム、過マンガン酸ナトリウム、重クロム酸、重クロム酸カリウム、重クロム酸リチウム、重クロム酸ナトリウム、過塩素酸、過塩素酸塩(アルカリ金属塩、アンモニウム塩など)、次亜塩素酸、次亜塩素酸塩(アルカリ金属塩、アンモニウム塩など)、過硫酸、過硫酸塩(アルカリ金属塩、アンモニウム塩など)、過酢酸、t−ブチルハイドロパーオキサイド、過安息香酸、オゾンなどが挙げられ、これらは1種類または2種類以上の混合物で使用される。
本発明の金属CMP用研磨組成物中の酸化剤成分の好ましい含有量は0.01〜10質量%である。下限より少ないと充分な研磨速度が得られない場合があり、上限より多いとエッチングを制御できなくなり、ディッシングなどの不具合の原因となる場合がある。
本発明の金属CMP用研磨組成物に含有される酸化剤として好適なのは、過硫酸アンモニウムおよび過酸化水素である。これらは、他の酸化剤に対して、研磨速度とエッチング抑制のコントロールが容易である利点を有する。
本発明の金属CMP用研磨組成物は、研磨抑制、各成分の溶解または分散安定性、消泡性などを付与するために界面活性剤を含有してもよい。含有される界面活性剤としては、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ベタイン系界面活性剤が挙げられ、これらは1種類または2種類以上の混合物で使用される。
本発明の金属CMP用研磨組成物中に界面活性剤成分を使用する場合の好ましい含有量は0.0001〜10質量%である。上記含有量が上記下限より少ないと充分な使用効果が得られない場合があり、一方、上記含有量が上記上限より多いと研磨速度が低下する場合がある。
本発明の金属CMP用研磨組成物に含有される界面活性剤として好適なのは、アニオン系界面活性剤である。アニオン界面活性剤としては、例えば、高級脂肪酸塩、高級アルコール硫酸エステル塩、硫化オレフィン塩、高級アルキルスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、硫酸化脂肪酸塩、スルホン化脂肪酸塩、リン酸エステル塩、脂肪酸エステルの硫酸エステル塩、グリセライド硫酸エステル塩、脂肪酸エステルのスルホン酸塩、α−スルホ脂肪酸メチルエステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルカルボン酸塩、アシル化ペプチド、脂肪酸アルカノールアミドまたはそのアルキレンオキサイド付加物の硫酸エステル塩、スルホコハク酸エステル、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルベンゾイミダゾールスルホン酸塩、ポリオキシアルキレンスルホコハク酸塩、N−アシル−N−メチルタウリンの塩、N−アシルグルタミン酸またはその塩、アシルオキシエタンスルホン酸塩、アルコキシエタンスルホン酸塩、N−アシル−β−アラニンまたはその塩、N−アシル−N−カルボキシエチルタウリンまたはその塩、N−アシル−N−カルボキシメチルグリシンまたはその塩、アシル乳酸塩、N−アシルサルコシン塩、およびアルキルまたはアルケニルアミノカルボキシメチル硫酸塩などの1種または2種以上の混合物を挙げることができる。
本発明の金属CMP用研磨組成物は、研磨された金属を溶出させる金属溶出剤成分を含有してもよい。銅CMPの場合、含有される金属(銅)溶出剤としては、上記の有機酸成分で例示した有機酸のアンモニウム塩およびアルカリ金属塩が挙げられ、これらは1種類または2種類以上の混合物で使用される。
上記の銅溶出剤を使用する場合の好ましい含有量は0.01〜10質量%である。上記含有量が上記下限より少ないと充分な研磨速度が得られない場合があり、一方、上記含有量が上記上限より多いと過剰なエッチングを制御できなくなる場合がある。
また、上記の銅溶出剤として好適なのは、脂肪族有機カルボン酸のアンモニウム塩であり、特にシュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、マレイン酸、フマル酸、シュウ酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸のアンモニウム塩が好ましい。これらを使用する場合の配合量は、0.05〜2質量%が好ましく、0.1〜1質量%がより好ましい。
本発明の金属CMP用研磨組成物は、上記説明の有機性成分を安定に溶解させるために可溶化剤成分を含有してもよい。含有される可溶化剤としては、メタノール、エタノールなどのアルコール類;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルなどのアルキレングリコールモノアルキルエーテル類;エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、グリセリン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、テトラメチロールプロパンなどのポリアルコール類;N−メチルピロリドンなどのピロリドン類が挙げられ、これらは1種類または2種類以上の混合物で使用される。
可溶化剤を使用する場合の好ましい含有量は0.01〜10質量%である。上記含有量が上記下限より少ないと充分な使用効果が得られない場合があり、一方、上記含有量が上記上限より多いと研磨面の表面粗れが生じる場合がある。
本発明の金属CMP用研磨組成物は、水溶性高分子化合物成分を含有してもよい。含有される水溶性高分子化合物としては、例えば、アルギン酸、ペクチン酸、カルボキシメチルセルロース、寒天、カードランおよびプルランなどの多糖類;ポリアスパラギン酸、ポリグルタミン酸、ポリリシン、ポリリンゴ酸、ポリメタクリル酸、ポリアミド酸、ポリマレイン酸、ポリイタコン酸、ポリフマル酸、ポリ(p−スチレンカルボン酸)、ポリアクリル酸、およびポリグリオキシル酸などのポリカルボン酸、ポリメタクリル酸アンモニウム塩、ポリメタクリル酸ナトリウム塩、ポリアクリルアミド、ポリアミノアクリルアミド、ポリアクリル酸アンモニウム塩、ポリアクリル酸ナトリウム塩、ポリアミド酸アンモニウム塩、ポリアミド酸ナトリウム塩などに例示されるポリカルボン酸の塩、エステルおよび誘導体;ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンおよびポリアクロレインなどのビニル系ポリマー;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、アルキレングリコールまたはポリアルキレングリコールのエチレンオキサイドおよびプロピレンオキサイドのランダムまたはブロック付加物などのポリアルキレングリコール類が挙げられ、これらは1種類または2種類以上の混合物で使用される。
本発明の金属CMP用研磨組成物は、他の添加剤成分を含有してもよい。添加剤成分としては、pH緩衝作用、防錆作用を付与するために用いられるキナルジン酸、アスパラギン酸、グリシン、アラニンなどのアミノ酸化合物;防錆作用を付与するために用いられるベンゾトリアゾールおよびチアベンダゾールなどの複素環化合物、ウエハの有機物汚染を低減させる効果のある有機化合物を包接するα−、β−またはγ−シクロデキストリンなどの包接化合物、研磨面の表面平滑性を付与するイセチオン酸脂肪酸エステルなどのヒドロキシアルカンスルホン酸脂肪酸エステル類など、砥粒表面の清浄化作用を付与することで、砥粒の分散安定性および研磨能力を向上させるモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2−ジメチルアミノエタノール、2−(2−アミノエチルアミノ)エタノール、N−メチルジエタノールアミンなどのアルカノールアミン類が挙げられる。これらのその他の添加剤成分を使用する場合は、各々0.0001〜10質量%、好ましくは0.0005〜5質量%となる範囲で配合される。
本発明の金属CMP用研磨用組成物は、上記した各成分を上記したような含有量で含んでなるが、残りは水である。従って、上記に挙げた各成分を規定した量で含む金属CMP用研磨組成物となるように、水を加えて100質量%とする。
本発明の金属CMP用研磨組成物の調製は、上記で説明した各成分と水を混合し、均一に分散溶解すればよい。水分散型ポリウレタンは、予め水に分散させた分散液の状態で加えればよい。また、本発明の金属CMP用研磨組成物は、全ての成分を混合して1液タイプの組成物としてもよく、2液タイプの組成物としてもよい。2液タイプの組成物としては、例えば、酸化剤成分のみ別成分とし、他の全ての成分の混合物との2液タイプが挙げられる。
以下、実施例および比較例をもって本発明をさらに具体的に説明する。しかしながら、本発明は以下の実施例などによって何ら制限を受けるものではない。
[実施例1、比較例1〜3]
ベンゾトリアゾール0.001質量%とドデシルベンゼンスルホン酸0.025質量%と過硫酸アンモニウム0.6質量%と表1に記載の研磨砥粒0.9質量%(固形分)とを水に混合し、各種金属CMP用研磨組成物を調製した。なお、pH調整剤はアンモニアを使用し、全てpH9.5に調整した。ここで得た金属CMP用研磨組成物について、電解めっき法で銅膜をシリコン基板上に1,500nm成膜したウエハを3×3cm正方形に切断したテストピース用いて、エッチング試験による銅のエッチング速度の評価および研磨試験による銅の研磨速度の評価を行った。また、スパッタリング法でシリコン基板上にタンタル100nmを成膜したウエハを3×3cm正方形に切断したテストピースを用いて研磨試験によるタンタルの研磨速度の評価を行った。エッチング試験は、23℃の金属CMP用研磨組成物にテストピースを浸漬して行い、研磨試験は、研磨機:NF−300(ナノファクター製)、研磨パッド:IC1400(XY溝付)(ロデールニッタ製)、研磨時間:1分間、定盤回転数:60rpm、キャリア回転数:60rpm、研磨加工圧力:2psi、研磨液供給速度:50ml/分の条件で行った。なお、膜厚は、Loresta GP(三菱化学製)を使用して測定した。
Figure 0004996874
なお、表1に記載のアニオン性水分散型ポリウレタンNo.1は以下に示す製造方法により得たものである。
(アニオン性水分散型ポリウレタンNo.1)
窒素置換した反応フラスコに1,6−ヘキサンジオールを使用して得たポリカーボネートジオール(分子量2,000)182.1gとジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート90.3gとN−メチル−2−ピロリドン57gとを仕込み、110℃で2時間攪拌した。これにさらに、ジメチロールプロピオン酸16.8gとN−メチル−2−ピロリドン57gをそれぞれ加え、再度110℃で2時間攪拌してプレポリマー組成物を得た。このプレポリマー組成物389.7gを、イオン交換水457.8gとトリエチルアミン15.9gとの混合液中に滴下して、15分攪拌後、エチレンジアミン4.2gとイオン交換水12.6gとの混合液をさらに加えて15分攪拌して平均粒径120nm、酸価24(mgKOH/g)のアニオン性水分散型ポリウレタンNo.1を得た。
上記の表1より、実施例1は、ポリウレタン以外の他の樹脂を研磨砥粒として用いた比較例1〜3に比べて、特に優れた研磨速度を示すことが確認できた。また、コロイダルシリカを研磨砥粒とした比較例4と比べても、優れた研磨速度を示すこと、および優れた選択研磨性を有することが確認できた。
[実施例2〜5]
ベンゾトリアゾール0.001質量%とシュウ酸0.05質量%とドデシルベンゼンスルホン酸0.025質量%と過硫酸アンモニウム1.0質量%と表2に記載の研磨砥粒0.9質量%(固形分)とを水に混合し、各種金属CMP用研磨組成物を調製した。なお、pH調整剤は水酸化カリウムを使用し、全てpH9.5に調整した。得られた金属CMP用研磨組成物について、上記実施例1と同様にエッチング試験による銅のエッチング速度の評価および研磨試験による銅の研磨速度の評価を行った。
Figure 0004996874
なお、表2に記載のアニオン性水分散型ポリウレタンNo.2〜4は以下に示す製造方法により得たものである。
(アニオン性水分散型ポリウレタンNo.2)
窒素置換した反応フラスコにネオペンチルグリコールとアジピン酸から得られたポリエステルジオール(分子量1,000)400gとジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート408gとメラミン16.7gとN−メチル−2−ピロリドン194gとを仕込み、120℃で3時間攪拌した。これにさらに、ジメチロールプロピオン酸58.9gとトリエチルアミン44.7gとN−メチル−2−ピロリドン194gとをそれぞれ加え、60℃で2時間攪拌してプレポリマー組成物を得た。このプレポリマー組成物1,295gを、イオン交換水1523.5gとトリエチルアミン16.0gとの混合液中に滴下して、15分攪拌後、エチレンジアミン18.7gとイオン交換水56.1gとの混合液を加えて15分攪拌し、アジピン酸ジヒドラジド10.0gとイオン交換水30.0gとの混合液をさらに加えて、15分攪拌し、平均粒子径30nmおよび酸価26(mgKOH/g)のアニオン性水分散型ポリウレタンNo.2を得た。
(アニオン性水分散型ポリウレタンNo.3)
窒素置換した反応フラスコに3−メチル−1,5−ペンタンジオールとテレフタル酸から得られたポリエステルジオール(分子量1,000)144gとジメチロールプロピオン酸42.1gとジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート308gとメラミン23.9gとN−メチル−2−ピロリドン314gとを仕込み、115℃で5時間攪拌した。これにさらに、トリエチルアミン32gを加え、65℃で30分攪拌してプレポリマー組成物を得た。このプレポリマー組成物846.7gを、イオン交換水992gとトリエチルアミン6.0gとの混合液に15分で滴下し、15分攪拌後、エチレンジアミン15.2gとイオン交換水45.7gとの混合液を加え、さらにアジピン酸ジヒドラジド11gとイオン交換水32.8gとの混合液を加え、15分攪拌し、平均粒子径50nmおよび酸価34(mgKOH/g)のアニオン性水分散型ポリウレタンNo.3を得た。
(アニオン性水分散型ポリウレタンNo.4)
窒素置換した反応フラスコにポリテトラメチレンエーテルグリコール(分子量1,000)128.5gとジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート88.1gとを仕込み、115℃で2時間攪拌した。これにさらにジメチロールプロピオン酸10.9gとトリメチルアミン8.3gとN−メチル−2−ピロリドン97.6gとをそれぞれ加え、60℃で2時間攪拌してプレポリマー組成物を得た。このプレポリマー組成物300gを、イオン交換水729.2gに15分で滴下し、20分攪拌後、エチレンジアミン5.1gとイオン交換水15.3gとの混合液を加え、15分攪拌し、平均粒子径50nmおよび酸価20(mgKOH/g)のアニオン性水分散型ポリウレタンNo.4を得た。
上記の表2より、脂肪族ジオールと脂肪族ジカルボン酸から得られるポリエステルジオール、脂肪族ジオールと芳香族ジカルボン酸から得られるポリエステルジオールおよびポリエーテルジオールを原料として用いたアニオン性水分散型ポリウレタンは、いずれもエッチング速度を抑制し、研磨速度の大きい優れた研磨性能を有することが確認できた。
[実施例6〜9]
ベンゾトリアゾール0.001質量%とドデシルベンゼンスルホン酸0.025質量%と過硫酸アンモニウム0.6質量%と表3に記載の研磨砥粒0.9質量%(固形分)とを水に混合し、各種金属CMP用研磨組成物を調製した。なお、pH調整剤はアンモニアを使用し、全てpH9.5に調整した。得られた金属CMP用研磨組成物について、上記実施例1と同様にエッチング試験による銅のエッチング速度の評価および研磨試験による銅の研磨速度の評価を行った。
Figure 0004996874
なお、表3に記載のアニオン性水分散型ポリウレタンNo.5〜8は以下に示す製造方法により得られたものである。
(アニオン性水分散型ポリウレタンNo.5)
窒素置換した反応フラスコに1,6−ヘキサンジオールを使用して得たポリカーボネートジオール(分子量1,000)128.5gとジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート88.1gとを仕込み、115℃で2時間攪拌した。これにさらに、ジメチロールプロピオン酸10.9gとトリエチルアミン8.3gとN−メチル−2−ピロリドン97.6gとをそれぞれ加え、60℃で2時間攪拌してプレポリマー組成物を得た。このプレポリマー組成物300gを、イオン交換水729.2g中に滴下して、20分攪拌後、エチレンジアミン5.1gとイオン交換水15.3gとの混合液を加えて15分攪拌し、平均粒子径50nmおよび酸価20(mgKOH/g)のアニオン性水分散型ポリウレタンNo.5を得た。
(アニオン性水分散型ポリウレタンNo.6)
窒素置換した反応フラスコに1,6−ヘキサンジオールを使用して得たポリカーボネートジオール(分子量1,000)112.2gとジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート126gとを仕込み、115℃で2時間攪拌した。これにさらに、ジメチロールプロピオン酸25.2gとトリエチルアミン19gとN−メチル−2−ピロリドン112.9gとをそれぞれ加え、60℃で2時間攪拌してプレポリマー組成物を得た。このプレポリマー組成物300gを、イオン交換水705.7g中に滴下して、20分攪拌後、エチレンジアミン6.2gとイオン交換水18.5gとの混合液を加えて15分攪拌し、平均粒子径30nmおよび酸価40(mgKOH/g)のアニオン性水分散型ポリウレタンNo.6を得た。
(アニオン性水分散型ポリウレタンNo.7)
窒素置換した反応フラスコに1,6−ヘキサンジオールを使用して得たポリカーボネートジオール(分子量1,000)76.0gとジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート151.1gとを仕込み、115℃で2時間攪拌した。これにさらに、ジメチロールプロピオン酸38.1gとトリエチルアミン28.7gとN−メチル−2−ピロリドン113.7gをそれぞれ加え、60℃で2時間攪拌してプレポリマー組成物を得た。このプレポリマー組成物300gを、イオン交換水861.7g中に滴下して、20分攪拌後、エチレンジアミン7.2gとイオン交換水21.5gとの混合液を加えて15分攪拌し、平均粒子径25nmおよび酸価60(mgKOH/g)のアニオン性水分散型ポリウレタンNo.7を得た。
(アニオン性水分散型ポリウレタンNo.8)
窒素置換した反応フラスコに1,6−ヘキサンジオールを使用して得たポリカーボネートジオール(分子量1,000)37.6gとジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート167.9gとを仕込み、115℃で2時間攪拌した。これにさらに、ジメチロールプロピオン酸48.6gとトリエチルアミン36.7gとN−メチル−2−ピロリドン108.9gとをそれぞれ加え、60℃で2時間攪拌してプレポリマー組成物を得た。このプレポリマー組成物300gを、イオン交換水661.8g中に滴下して、20分攪拌後、エチレンジアミン8.1gとイオン交換水24.4gとの混合液を加えて15分攪拌し、平均粒子径35nmおよび酸価80(mgKOH/g)のアニオン性水分散型ポリウレタンNo.8を得た。
上記の表3より、酸価20、40、60および80のアニオン性水分散型ポリウレタンは、いずれもエッチング速度を抑制し、研磨速度の大きい優れた研磨性能を有することが確認できた。
[実施例10〜12、比較例5]
ベンゾトリアゾール0.015質量%とシュウ酸0.15質量%とドデシルベンゼンスルホン酸0.025質量%と過硫酸アンモニウム1.0質量%と表4に記載の研磨砥粒3質量%(固形分)と表4に記載のコロイダルシリカとを水に混合し、各種金属CMP用研磨組成物を調製した。なお、pH調整剤はアンモニアを使用し、全てpH9.5に調整した。得られた金属CMP用研磨組成物について、上記実施例1と同様にエッチング試験による銅のエッチング速度の評価および研磨試験による銅の研磨速度の評価を行った。
Figure 0004996874
上記の表4より、アニオン性水分散型ポリウレタンを砥粒として使用した実施例10は、コロイダルシリカを砥粒として用いた比較例5と比べ、優れた研磨速度を示すことが確認できた。また、アニオン性水分散型ポリウレタンとコロイダルシリカとを併用した実施例11と実施例12はエッチング速度を抑制し、研磨速度を大きく向上させる特異的に優れた研磨性能を有することが確認できた。
[実施例13、14]
ベンゾトリアゾール0.02質量%とシュウ酸0.15質量%と過酸化水素5.0質量%と表5に記載の研磨砥粒0.9質量%(固形分)とを水に混合し、各種金属CMP用研磨組成物を調製した。なお、pH調整剤は酢酸を使用し、pH3に調整した。得られた金属CMP用研磨組成物について、上記実施例1と同様にエッチング試験による銅のエッチング速度の評価および研磨試験による銅の研磨速度の評価を行った。
Figure 0004996874
上記表5より、カチオン性水分散型ポリウレタンを砥粒として使用した実施例13、14は、アニオン性水分散型ポリウレタンを使用したものと比較して、エッチング速度の抑制効果は低いものの充分な研磨速度を有することが確認できた。
本発明の金属CMP用研磨組成物は、特にダマシン法により銅配線を形成する際に、バリア層との研磨選択性に優れ、エッチングの影響を排しながら、充分な研磨速度を有する。

Claims (6)

  1. 研磨砥粒として水分散型ポリウレタンを0.01〜10質量%含有してなることを特徴とするCMP用研磨組成物。
  2. 水分散型ポリウレタンがアニオン性水分散型ポリウレタンである請求項1に記載のCMP用研磨組成物。
  3. 水分散型ポリウレタンの平均粒子径が5〜200nmである請求項1または2に記載のCMP用研磨組成物。
  4. さらに有機酸成分を0.0005〜5質量%およびpH調整剤成分を含有する請求項1〜3のいずれか1項に記載のCMP用研磨組成物。
  5. さらに酸化剤成分を0.01〜10質量%含有する請求項1〜4のいずれか1項に記載のCMP用研磨組成物。
  6. さらに研磨砥粒としてコロイダルシリカを0.01〜5質量%含有してなる請求項1〜5のいずれか1項に記載のCMP用研磨組成物。
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