JP2014041850A - 化学機械研磨用水系分散体および化学機械研磨方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】微細配線における配線金属の腐食を抑制すると共に、配線材料に対する高研磨速度および被研磨面におけるディッシングの低減を同時に達成できる化学機械研磨用水系分散体を提供する。
【解決手段】本発明に係る化学機械研磨用水系分散体は、(A)砥粒と、(B)下記一般式(1)で示される化合物と、(C)アニオン性界面活性剤と、を含有することを特徴とする。
HOOC−(CR−COOH …(1)
(上記一般式(1)において、RおよびRは、それぞれ独立に水素原子またはアルキル基を表す。nは9以上の整数を表す。)
【選択図】なし

Description

本発明は、化学機械研磨用水系分散体および化学機械研磨方法に関する。
近年、半導体装置の集積度の向上や多層配線化等に伴い、半導体装置内に形成される配線の微細化が進んでいる。これに伴い、配線層を化学機械研磨(以下、「CMP」ともいう)により平坦化する手法が用いられている。例えば、半導体基板上の酸化シリコン等の絶縁膜に設けられた微細な溝や孔に、アルミニウム、銅、タングステン等の導電体金属をスパッタリング、メッキ等の方法により堆積させた後、余剰に積層された金属膜をCMPにより除去し、微細な溝や孔の部分にのみ金属を残すダマシンプロセスが一般的である(例えば、特許文献1参照)。
半導体装置をダマシンプロセスにより製造する場合には、通常バリアメタル膜上の配線材料をCMPにて除去する工程(第1研磨工程)と、その後バリアメタル膜をCMPにより除去し必要に応じて配線材料および層間絶縁膜をさらに研磨して平坦化を行う工程(第2研磨工程)を行う必要がある。
前述した第1研磨工程では、高速で配線材料のみを選択的に研磨することが要求される。しかしながら、第1研磨工程の終了時(バリアメタル膜等の他種材料膜が露出した時点)において、配線材料に対する高研磨速度を維持させた状態で配線の腐食やディッシングを同時に抑制することは困難であった。
このような技術的課題に対して、化学機械研磨用水系分散体の組成の観点から種々検討されている。例えば、化学機械研磨用水系分散体に配線金属の腐食を抑制するための添加剤を使用する技術(特許文献2参照)、配線材料のディッシングを抑制するために長鎖ジカルボン酸を使用する技術(特許文献3参照)等が知られている。
特表2002−518845号公報 国際公開第2008/013226号パンフレット 特開2006−229215号公報
しかしながら、これらの技術であっても、微細配線における配線金属の腐食を抑制すると共に、配線材料に対する高研磨速度およびディッシングの低減を同時に達成することは難しかった。特に配線材料とバリアメタル膜との接触部においては、標準電極電位の異なる異種金属同士が接触することでそれらの金属の間で電池が形成されて、標準電極電位が卑な金属が腐食(溶出)することがある。この腐食は、ガルバニック腐食と呼ばれており、配線の微細化に伴って配線材料とバリアメタル膜との接触面積も増大することから、非常に大きな課題となっている。
そこで、本発明に係る幾つかの態様は、上記課題を解決することで、微細配線における配線金属の腐食を抑制すると共に、配線材料に対する高研磨速度および被研磨面におけるディッシングの低減を同時に達成できる化学機械研磨用水系分散体を提供するものである。
本発明は上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の態様または適用例として実現することができる。
[適用例1]
本発明に係る化学機械研磨用水系分散体の一態様は、
(A)砥粒と、(B)下記一般式(1)で示される化合物と、(C)アニオン性界面活性剤と、を含有することを特徴とする。
HOOC−(CR−COOH …(1)
(上記一般式(1)において、RおよびRは、それぞれ独立に水素原子またはアルキル基を表す。nは9以上の整数を表す。)
[適用例2]
適用例1の化学機械研磨用水系分散体において、
前記(B)成分は、ドデカン二酸またはトリデカン二酸であることができる。
[適用例3]
適用例1または適用例2の化学機械研磨用水系分散体において、
前記(B)成分の含有量は、化学機械研磨用水系分散体の全質量に対して0.01質量%以上0.5質量%以下であることができる。
[適用例4]
適用例1ないし適用例3のいずれか一例の化学機械研磨用水系分散体において、
前記(C)成分は、アルキルベンゼンスルホン酸、アルケニルコハク酸、およびこれらの塩から選択される少なくとも1種であることができる。
[適用例5]
適用例1ないし適用例4のいずれか一例の化学機械研磨用水系分散体において、
前記(C)成分の含有量は、化学機械研磨用水系分散体の全質量に対して0.005質量%以上0.2質量%以下であることができる。
[適用例6]
適用例1ないし適用例5のいずれか一例の化学機械研磨用水系分散体において、
さらに(D)アミノ酸を含有することができる。
[適用例7]
適用例1ないし適用例6のいずれか一例の化学機械研磨用水系分散体において、
pHが8以上10以下であることができる。
[適用例8]
適用例1ないし適用例7のいずれか一例の化学機械研磨用水系分散体において、
さらに(E)含窒素複素環を有する有機酸を含有することができる。
[適用例9]
適用例1ないし適用例8のいずれか一例の化学機械研磨用水系分散体において、
さらに(F)酸化剤を含有することができる。
[適用例10]
適用例1ないし適用例9のいずれか一例の化学機械研磨用水系分散体において、
さらに(G)水溶性高分子を含有することができる。
[適用例11]
本発明に係る化学機械研磨方法の一態様は、
凹部が形成された絶縁膜と、前記凹部内の底面ないし側面を覆うようにして形成されたバリアメタル膜と、前記バリアメタル膜を覆うようにして前記凹部に埋め込まれた銅または銅合金からなる金属膜と、を備えた基板において、適用例1ないし適用例10のいずれか一例の化学機械研磨用水系分散体を用いて前記金属膜を平坦化する工程を含むことを特徴とする。
本発明に係る化学機械研磨用水系分散体によれば、微細配線における配線材料の腐食が抑制されると共に、配線材料に対する高研磨速度と被研磨面におけるディッシングの低減とが同時に達成された良好な化学機械研磨を実現することができる。
また、本発明に係る化学機械研磨方法によれば、前記化学機械研磨用水系分散体を用いることにより、配線材料を高研磨速度で研磨できると共に、腐食の発生が抑制され、且つ、ディッシングが低減された良好な被研磨面を得ることができる。
本実施の形態に係る化学機械研磨方法に用いられる被処理体を模式的に示した断面図である。 第1研磨工程終了後の被処理体を模式的に示す断面図である。 第2研磨工程終了後の被処理体を模式的に示す断面図である。
以下、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。
1.化学機械研磨用水系分散体
本発明の一実施形態に係る化学機械研磨用水系分散体は、(A)砥粒と、(B)下記一般式(1)で示される化合物と、(C)アニオン性界面活性剤と、を含有することを特徴とする。
HOOC−(CR−COOH …(1)
(上記一般式(1)において、RおよびRは、それぞれ独立に水素原子またはアルキル基を表す。nは9以上の整数を表す。)
以下、本実施の形態に係る化学機械研磨用水系分散体を構成する各成分について詳細に説明する。
1.1.(A)砥粒
本実施の形態に係る化学機械研磨用水系分散体は、(A)砥粒(以下、単に「(A)成分」ともいう)を含有する。(A)砥粒としては、アルミニウム、銅、タングステン等の配線材料を機械的に研磨する機能を有する粒子であれば特に限定されないが、例えば、シリカ粒子、セリア粒子、アルミナ粒子、ジルコニア粒子、チタニア粒子等が挙げられる。(A)砥粒は、これらの中でもシリカ粒子であることが好ましい。これらの(A)砥粒は、1種単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。
シリカ粒子としては、(a)気相中で塩化ケイ素等を酸素および水素と反応させるヒュームド法により合成されたヒュームドシリカ、(b)金属アルコキシドから加水分解縮合して合成するゾルゲル法により合成されたシリカ、(c)精製により不純物を除去した無機コロイド法等により合成されたコロイダルシリカ等が挙げられる。これらの中でも、pH8〜11のアルカリ性で安定し、アニオン性界面活性剤との適合性に優れている点で、(b)金属アルコキシドから加水分解縮合して合成するゾルゲル法により合成されたシリカ、および(c)精製により不純物を除去した無機コロイド法等により合成されたコロイダルシリカがより好ましい。
(A)砥粒の形状は、球状であることが好ましい。ここで、「球状」とは、鋭角部分を有さない略球形を含み、必ずしも真球に近いものである必要はなく楕円球であってもよい。球状の(A)砥粒を用いることにより、被研磨面におけるスクラッチ等の研磨欠陥の発生を抑制することができる。
(A)砥粒の平均粒子径は、好ましくは10〜300nmであり、より好ましくは10〜200nmであり、特に好ましくは15〜100nmである。前記範囲の平均粒子径を有する砥粒であれば、配線材料に対する十分な研磨速度が得られると共に、砥粒の沈降・分離が生じにくい安定性に優れた化学機械研磨用水系分散体とすることができる。なお、(A)砥粒の平均粒子径は、透過型電子顕微鏡によって個々の粒子を観察し、その累積粒子径と個数とから算出して求められる。
(A)砥粒の含有量は、化学機械研磨用水系分散体の全質量に対して、好ましくは0.01質量%以上10質量%以下であり、より好ましくは0.02質量%以上5質量%以下であり、特に好ましくは0.05質量%以上1質量%以下である。(A)砥粒の含有量が前記範囲にあると、配線材料に対する十分な研磨速度が得られると共に、砥粒の沈降・分離が生じにくい安定性に優れた化学機械研磨用水系分散体とすることができる。
1.2.(B)一般式(1)で示される化合物
本実施の形態に係る化学機械研磨用水系分散体は、(B)下記一般式(1)で示される化合物(以下、単に「(B)成分」ともいう)を含有する。
HOOC−(CR−COOH …(1)
(上記一般式(1)において、RおよびRは、それぞれ独立に水素原子またはアルキル基を表す。nは9以上の整数を表す。)
(B)成分としては、例えば、直鎖状または分岐状のウンデカン二酸、直鎖状または分岐状のドデカン二酸、直鎖状または分岐状のトリデカン二酸、直鎖状または分岐状のテトラデカン二酸、直鎖状または分岐状のペンタデカン二酸、直鎖状または分岐状のヘキサデカン二酸、直鎖状または分岐状のヘプタデカン二酸、直鎖状または分岐状のオクタデカン二酸、直鎖状または分岐状のノナデカン二酸、直鎖状または分岐状のエイコサン二酸等が挙げられる。(B)成分を含有することにより、微細配線における配線材料の腐食が効果的に抑制されると同時に、被研磨面におけるディッシングが低減された良好な化学機械研磨を実現することができる。前記例示した(B)成分の中でも、ドデカン二酸は、配線金属に対する研磨速度を向上できる点で特に好ましい。これらの(B)成分は、1種単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。
(B)成分の作用効果については、以下のように推察される。一般的に、シュウ酸(エタン二酸)、マロン酸(プロパン二酸)、酒石酸(2,3−ジヒドロキシブタン二酸)、リンゴ酸(2−ヒドロキシブタン二酸)、グルタル酸(ペンタン二酸)、クエン酸(2−ヒドロキシプロパン−1,2,3−トリカルボン酸)、マレイン酸(cis−ブテン二酸)等の2以上のカルボキシル基を有する化合物は、金属イオンへ配位して安定な五〜七員環を形成することができる。このため、金属イオンを容易にキレート化することができる。したがって、これらの化合物は、配線材料の表面に吸着して金属錯体膜を形成することにより、研磨を促進させる作用効果を奏するものと考えられる。
例えば下記式(2)に示すように、シュウ酸は、その2つのカルボキシル基と金属イオンとが安定な五員環キレートを形成することができるので、金属をキレート化しやすい構造であるといえる。
Figure 2014041850
一方、(B)成分は2つのカルボキシル基の間隔が長いため、金属イオンと安定な五〜七員環キレートの形成が困難であり、金属をキレート化することで溶解を促進させることは困難であると考えられる。すなわち、(B)成分の作用効果は、シュウ酸等の安定な五〜七員環キレートを形成するような従来の添加剤と同様の作用機序では説明することができない。
(B)成分が配線金属に対して効果的に作用する機構としては、疎水性の長鎖炭化水素部位を持つことに由来すると考えられる。例えば、シュウ酸は親水性のカルボキシル基のみからなるため配線金属の表面に形成される錯体膜も親水性が高く、配線金属が比較的溶解しやすいと考えられる。これに対して(B)成分、例えばドデカン二酸では10個の炭素鎖からなる疎水性の部位を有するため錯体膜も疎水性が高く、配線金属が比較的溶解しにくいためディッシングや腐食の抑制に効果的であると考えられる。
(B)成分の含有量は、化学機械研磨用水系分散体の全質量に対して、好ましくは0.01質量%以上0.5質量%以下であり、より好ましくは0.05質量%以上0.3質量%以下である。(B)成分の含有量が前記範囲にあると、配線材料に対する十分な研磨速度が得られると共に、微細配線における配線材料の腐食が効果的に抑制され、被研磨面におけるディッシングが低減された良好な化学機械研磨を実現することができる。
1.3.(C)アニオン性界面活性剤
本実施の形態に係る化学機械研磨用水系分散体は、(C)アニオン性界面活性剤(以下、単に「(C)成分」ともいう)を含有する。
(C)成分としては、例えば、脂肪酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸エステル塩、アルキルエステルカルボン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルファスルホ脂肪酸エステル塩、アルキルポリオキシエチレン硫酸塩、アルキルリン酸塩、モノアルキルリン酸エステル塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルファオレフィンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、アルケニルコハク酸塩、ポリアクリル酸およびその塩、ポリメタクリル酸およびその塩、ベタイン系化合物等が挙げられる。これらの(C)成分は、1種単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。
(C)成分としては、配線材料表面に容易に吸着して、これによるディッシングや腐食の発生を低減する効果が特に高い点で、下記一般式(3)で示される構造を有するアニオン性界面活性剤が好ましい。
Figure 2014041850
前記一般式(3)において、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、金属原子、または置換もしくは非置換のアルキル基である。R、Rがアルキル基である場合には、炭素数が1〜8の置換もしくは非置換のアルキル基であることが好ましい。また、R、Rが金属原子である場合には、アルカリ金属であることが好ましく、ナトリウムまたはカリウムであることがより好ましい。Rは、置換もしくは非置換のアルケニル基またはスルホン酸基(−SOX)を表す。Rがアルケニル基である場合、炭素数が2〜8の置換もしくは非置換のアルケニル基であることが好ましい。Rがスルホン酸基(−SOX)である場合、Xは水素イオン、アンモニウムイオンまたは金属イオンである。Xが金属イオンである場合、Xはナトリウムイオンまたはカリウムイオンであることが好ましい。
前記一般式(3)で示される化合物の具体的な商品名としては、Rにスルホン酸基(−SONa)を有する、商品名「ニューコール291−M」(日本乳化剤株式会社から入手可能)、商品名「ニューコール292−PG」(日本乳化剤株式会社から入手可能)、商品名「ペレックスTA」(花王株式会社から入手可能)、アルケニルコハク酸塩である商品名「ラテムルASK」(花王株式会社から入手可能)等が挙げられる。
また、前記アルキルベンゼンスルホン酸塩としては、例えば、デシルベンゼンスルホン酸、ウンデシルベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、トリデシルベンゼンスルホン酸、テトラデシルベンゼンスルホン酸等のナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩が挙げられる。これらの中でも、ドデシルベンゼンスルホン酸塩は、配線材料表面に吸着して、これによるディッシングや腐食の発生を低減する効果が特に高い点で好ましい。
前述した(B)成分と(C)成分とを組み合わせて使用することにより、それぞれ単独で用いた場合には予測できなかったほどの高腐食耐性および高平坦性が実現できる。この理由としては、(B)成分が形成する錯体膜による配線金属の溶解抑制効果と、(C)成分が配線金属表面に及ぼす界面活性作用と、の両者によって配線金属が保護されるという機構により実現されるものと考えられる。
以上のように、(C)成分としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩およびアルケニルコハク酸塩から選択される少なくとも1種を使用することが好ましいが、ドデシルベンゼンスルホン酸アンモニウムとアルケニルコハク酸ジカリウムとを組み合わせて用いることで、ディッシングや腐食の発生を最も効果的に低減できることが本願発明者らによる研究により明らかとなっている。
(C)成分の含有量は、化学機械研磨用水系分散体の全質量に対して、好ましくは0.005質量%以上0.2質量%以下であり、より好ましくは0.01質量%以上0.1質量%以下である。(C)成分の含有量が前記範囲にあると、配線材料に対する十分な研磨速度が得られると共に、微細配線における配線材料の腐食が効果的に抑制され、被研磨面におけるディッシングが低減された良好な化学機械研磨を実現することができる。
なお、前記(C)成分の含有量(M)に対する前記(B)成分の含有量(M)の比(M/M)は、好ましくは0.1以上15以下、より好ましくは0.5以上14以下である。M/Mの値が前記範囲にあると、(B)成分と(C)成分との含有量のバランスが良好であるため、配線材料に対する十分な研磨速度が得られると共に、微細配線における配線材料の腐食が効果的に抑制され、被研磨面におけるディッシングが低減された良好な化学機械研磨がさらに実現しやすくなる。
1.4.(D)アミノ酸
本実施の形態に係る化学機械研磨用水系分散体は、必要に応じて(D)アミノ酸(以下、単に「(D)成分」ともいう)を添加してもよい。(D)アミノ酸は、金属イオン(特に銅イオン)と配位結合を形成しやすく、配線材料の表面において高いキレート配位能力を有する。これにより、配線材料の表面に吸着して表面荒れを抑制し高い平坦性を維持しつつ、金属イオンとの親和性を高めることで研磨速度を促進させることができる。また、(D)アミノ酸は、配線材料の研磨により化学機械研磨用水系分散体中へ溶出してくる金属イオンへ容易に配位することができるので、金属の析出を防ぐことができる。その結果、スクラッチ等の研磨欠陥を低減させることができる。
(D)アミノ酸としては、グリシン、アラニン、フェニルアラニン、アルギニン、ヒスチジン、ロイシン、イソロイシン、リシン、システイン、メチオニン、プロリン、セリン、トレオニン、バリン、チロシン、グルタミン酸、アスパラギン酸、グリシルグリシン、トリプトファン等が挙げられる。これらの中でも、配線材料に対する研磨速度を促進させる点で、グリシンが好ましい。これらの(D)アミノ酸は、1種単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。
(D)成分の含有量は、化学機械研磨用水系分散体の全質量に対して、好ましくは0.1質量%以上2.0質量%以下であり、より好ましくは0.3質量%以上1.8質量%以下である。(D)成分の含有量が前記範囲にあると、配線材料に対して十分な研磨速度で化学機械研磨を実現することができる。
1.5.(E)含窒素複素環を有する有機酸
本実施の形態に係る化学機械研磨用水系分散体には、必要に応じて(E)含窒素複素環を有する有機酸(以下、単に「(E)成分」ともいう)を添加してもよい。(E)成分は、配線材料を構成する金属と水不溶性錯体を形成して被研磨面の表面を保護することで、被研磨面のディッシングを低減させることができる。
(E)成分中に含まれる含窒素複素環としては、ピロール構造、イミダゾール構造、トリアゾール構造等の複素五員環、およびピリジン構造、ピリミジン構造、ピリダジン構造、ピラジン構造等の複素六員環が挙げられる。該複素環は縮合環を形成していてもよい。より具体的には、インドール構造、イソインドール構造、ベンゾイミダゾール構造、ベンゾトリアゾール構造、キノリン構造、イソキノリン構造、キナゾリン構造、シンノリン構造、フタラジン構造、キノキサリン構造、アクリジン構造等が挙げられる。
(E)成分としては、例えば、キノリン酸、キナルジン酸、8−キノリノール、8−アミノキノリン、キノリン−8−カルボン酸、2−ピリジンカルボン酸、キサンツレン酸、キヌレン酸、7−ヒドリキシ−5−メチル−1,3,4−トリアザインドリジン、アロプリノール、ヒポキサンチン、ニコチン酸、ピコリン酸、ピコリン酸メチルおよびピコリオン酸等が挙げられ、キノリン酸が特に好ましい。これらの(E)成分は、1種単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。
(E)成分の含有量は、化学機械研磨用水系分散体の全質量に対して、好ましくは0.01質量%以上5質量%以下であり、より好ましくは0.1質量%以上2質量%以下である。(E)成分の含有量が前記範囲にあると、被研磨面のディッシングが低減されると共に、配線材料に対して十分な研磨速度で化学機械研磨を実現することができる。
1.6.(F)酸化剤
本実施の形態に係る化学機械研磨用水系分散体には、必要に応じて(F)酸化剤(以下、単に「(F)成分」ともいう)を添加してもよい。(F)酸化剤は、配線材料を構成する金属の表面を酸化させて化学機械研磨に活性な被研磨面を作り出すことで、配線材料に対する研磨速度を向上させることができる。
(F)酸化剤としては、例えば、過酸化水素、過硫酸、過硫酸塩、次亜塩素酸、次亜塩素酸塩、硝酸第二鉄、硝酸二アンモニウムセリウム、ケイモリブデン酸、ケイタングステン酸、過ヨウ素酸カリウム、過酢酸、オゾン等が挙げられる。これらの酸化剤のうち、酸化力、保護膜との相性および取扱い易さ等を考慮すると、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過酸化水素が好ましい。これらの(F)酸化剤は、1種単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。
(F)成分の含有量は、化学機械研磨用水系分散体の全質量に対して、好ましくは0.05質量%以上4質量%以下であり、より好ましくは0.1質量%以上3質量%以下である。(F)成分の含有量が前記範囲にあると、銅膜に対して十分な研磨速度で化学機械研磨を実現することができる。
1.7.(G)水溶性高分子
本実施の形態に係る化学機械研磨用水系分散体には、必要に応じて(G)水溶性高分子(以下、単に「(G)成分」ともいう)を添加してもよい。(G)成分は、被研磨面の表面に吸着して研磨摩擦を低減させる機能を有している。そのため、化学機械研磨用水系分散体に(G)成分を添加すると、被研磨面のディッシングを低減させることができる。
(G)成分としては、例えば、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド等が挙げられる。これらの(G)成分は、1種単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。
(G)成分の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは1万以上150万以下、より好ましくは4万以上120万以下である。なお、本明細書中における「重量平均分子量」とは、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)によって測定されたポリエチレングリコール換算の重量平均分子量のことを指す。
(G)成分の含有量は、化学機械研磨用水系分散体の常温における粘度が2mPa・s未満となるように調整するとよい。化学機械研磨用水系分散体の常温における粘度が2mPa・s以上であると、粘度が高くなりすぎることで研磨布上に安定して供給できない場合がある。その結果、研磨布の温度上昇や研磨ムラ等が発生することがある。化学機械研磨用水系分散体の粘度は、(G)成分の重量平均分子量や含有量によりほぼ決定されるので、それらのバランスを考慮しながら調整するとよい。
1.8.pH
本実施の形態に係る化学機械研磨用水系分散体のpHは、好ましくは8.0以上10.0以下であり、より好ましくは8.5以上9.5以下である。化学機械研磨用水系分散体のpHが前記範囲にあると、配線材料に対する十分な研磨速度が得られると共に、微細配線における配線材料の腐食が効果的に抑制され、被研磨面におけるディッシングが低減された良好な化学機械研磨を実現することができる。
化学機械研磨用水系分散体のpHを調整する手段としては、例えば、化学機械研磨用水系分散体に塩基を添加する方法が挙げられる。添加し得る塩基としては、例えば、アンモニア、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、TMAH(テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド)等が挙げられる。これららの中でも、アンモニアや水酸化カリウムが好ましい。これらの塩基は、1種単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。
1.9.製造方法
本実施の形態に係る化学機械研磨用水系分散体は、純水に直接(A)成分、(B)成分、(C)成分、必要に応じてその他の成分を添加して混合・撹拌することにより調製することができる。このようにして得られた化学機械研磨用水系分散体をそのまま使用してもよいが、各成分を高濃度で含有する(すなわち、濃縮された)化学機械研磨用水系分散体を調製し、使用時に所望の濃度に希釈して使用してもよい。
また、前記成分のいずれかを含む複数の液(例えば、2つまたは3つの液)を調製し、これらを使用時に混合して使用することもできる。かかる場合、複数の液を混合して化学機械研磨用水系分散体を調製した後これを化学機械研磨装置に供給してもよいし、複数の液を個別に化学機械研磨装置に供給して定盤上で化学機械研磨用水系分散体を形成してもよい。
具体例としては、水および(A)成分を含有する水系分散体である液(I)と、水および(B)成分、(C)成分を含有する液(II)と、から構成され、これらの液を混合して前記化学機械研磨用水系分散体を調製するためのキットが挙げられる。前記液(I)および前記液(II)における各成分の濃度は、これらの液を混合して最終的に調製される化学機械研磨用水系分散体中の各成分の濃度が前記範囲にあれば特に限定されない。例えば、各成分を化学機械研磨用水系分散体の濃度よりも高濃度で含有する液(I)および(II)を調製し、使用時に必要に応じて液(I)および(II)を希釈してこれらを混合し、各成分の濃度が前記範囲にある化学機械研磨用水系分散体を調製する。具体的には、前記液(I)と前記液(II)とを1:1の重量比で混合する場合には、化学機械研磨用水系分散体の濃度の2倍の濃度の液(I)および液(II)を調製すればよい。また、化学機械研磨用水系分散体の濃度の2倍以上の濃度の液(I)および液(II)を調製し、これらを1:1の重量比で混合した後、各成分が前記範囲となるように水で希釈してもよい。以上のように、液(I)と液(II)とを別々に調製することにより、水系分散体の保存安定性を向上させることができる。
前述したキットを使用する場合、研磨時に前記化学機械研磨用水系分散体が形成されていれば、液(I)と液(II)との混合の方法およびタイミングは特に限定されない。例えば、液(I)と液(II)とを混合して前記化学機械研磨用水系分散体を調製した後、これを化学機械研磨装置に供給してもよいし、液(I)と液(II)とを独立して化学機械研磨装置に供給し、定盤上で混合してもよい。あるいは、液(I)と液(II)とを独立して化学機械研磨装置に供給し、装置内でライン混合してもよいし、化学機械研磨装置に混合タンクを設けて、混合タンク内で混合してもよい。また、ライン混合の際には、より均一な水系分散体を得るために、ラインミキサーなどを用いてもよい。
1.10.用途
本実施の形態に係る化学機械研磨用水系分散体によれば、配線材料に対する十分な研磨速度が得られると共に、微細配線における配線材料の腐食が効果的に抑制され、被研磨面におけるディッシングが低減された良好な化学機械研磨を実現することができる。したがって、本実施の形態に係る化学機械研磨用水系分散体は、バリアメタル膜上の配線材料をCMPにて除去する工程(第1研磨工程)に好適である。
化学機械研磨の対象となる配線材料は、特に限定されないが、銅または銅合金である場合に本願発明の効果が得られやすいため特に好適である。ここで、銅合金中の銅含有量は、95質量%以上であることが好ましい。
2.化学機械研磨方法
本実施の形態に係る化学機械研磨方法は、凹部が形成された絶縁膜と、前記凹部内の底面ないし側面を覆うようにして形成されたバリアメタル膜と、前記バリアメタル膜を覆うようにして前記凹部に埋め込まれた銅または銅合金からなる金属膜と、を備えた基板において、前述の化学機械研磨用水系分散体を用いて前記金属膜を平坦化する工程を含むことを特徴とする。以下、本実施の形態に係る化学機械研磨方法の一具体例について、図面を参照しながら詳細に説明する。
2.1.被処理体
図1は、本実施の形態に係る化学機械研磨方法に用いられる被処理体を模式的に示した断面図である。以下に、図1に示す被処理体100の製造方法について説明する。
(1)まず、低誘電率絶縁膜10を塗布法またはプラズマCVD法により形成する。低誘電率絶縁膜10としては、無機絶縁膜および有機絶縁膜が挙げられる。無機絶縁膜としては、例えば、SiOF膜(k=3.5〜3.7)、Si−H含有SiO膜(k=2.8〜3.0)等が挙げられる。有機絶縁膜としては、カーボン含有SiO膜(k=2.7〜2.9)、メチル基含有SiO膜(k=2.7〜2.9)、ポリイミド系膜(k=3.0〜3.5)、パリレン系膜(k=2.7〜3.0)、テフロン(登録商標)系膜(k=2.0〜2.4)、アモルファスカーボン(k=<2.5)等が挙げられる(前記括弧内のkは誘電率を表す)。
(2)低誘電率絶縁膜10の上に、CVD法または熱酸化法を用いて絶縁膜12を形成する。絶縁膜12としては、例えば、TEOS膜等が挙げられる。この絶縁膜12は、機械的強度の低い低誘電率絶縁膜10を研磨圧力等から保護するために形成された膜であり、いわゆるキャップ層とも呼ばれている。
(3)低誘電率絶縁膜10および絶縁膜12を連通するようにエッチングして配線用凹部11を形成する。
(4)CVD法を用いて絶縁膜12の表面ならびに配線用凹部11の底面ないし側面を覆うようにしてバリアメタル膜14を形成する。バリアメタル膜14は、銅(または銅合金)膜との接着性および銅(または銅合金)膜に対する拡散バリア性に優れる観点から、TaまたはTaNであることが好ましい。
(5)さらにメッキ法を用いてバリアメタル膜14の上に銅(または銅合金)を堆積させて銅(または銅合金)膜16を形成することにより、被処理体100が得られる。
2.2.化学機械研磨方法
図2は、第1研磨工程終了後の被処理体を模式的に示す断面図である。図3は、第2研磨工程終了後の被処理体を模式的に示す断面図である。
まず、バリアメタル膜14の上に堆積した不要な銅(または銅合金)膜16をCMPにより除去する(第1研磨工程)。この第1研磨工程では、本実施の形態に係る化学機械研磨用水系分散体を用いてCMPを行う。図2に示すように、CMPによりバリアメタル膜14が表出するまで銅(または銅合金)膜16を研磨し続け、バリアメタル膜14が表出したことを確認した上でCMPを一旦停止させる。なお、本実施の形態に係る化学機械研磨用水系分散体は、銅(または銅合金)膜16に対する研磨速度が非常に高い反面、バリアメタル膜14に対する研磨速度が低いという特徴を有している。このため、図2に示すようにバリアメタル膜14が表出した時点でCMPが進行しにくくなるため、CMPの停止は容易となる。
続いて、不要なバリアメタル膜14や銅(または銅合金)膜16をCMPにより除去する(第2研磨工程)。この第2研磨工程では、第2研磨工程用の化学機械研磨用水系分散体を用いてCMPを行う。図3に示すように、CMPにより低誘電率絶縁膜10が表出するまで不要な膜を研磨し続ける。このようにして、被研磨面の平坦性に優れた半導体装置200が得られる。
本実施の形態に係る化学機械研磨方法では、市販の化学機械研磨装置を用いることができる。市販の化学機械研磨装置として、例えば、荏原製作所社製、型式「EPO−112」、「EPO−222」;ラップマスターSFT社製、型式「LGP−510」、「LGP−552」;アプライドマテリアル社製、型式「Mirra」等が挙げられる。
好ましい研磨条件としては、使用する化学機械研磨装置により適宜設定されるべきであるが、例えば化学機械研磨装置として「EPO−112」を使用する場合には下記の条件とすることができる。
・定盤回転数;好ましくは30〜120rpm、より好ましくは40〜100rpm
・ヘッド回転数;好ましくは30〜120rpm、より好ましくは40〜100rpm
・定盤回転数/ヘッド回転数比;好ましくは0.5〜2、より好ましくは0.7〜1.5
・研磨圧力;好ましくは60〜200gf/cm、より好ましくは100〜150gf/cm
・化学機械研磨用水系分散体供給速度;好ましくは50〜400mL/分、より好ましくは100〜300mL/分
3.実施例
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
3.1.化学機械研磨用水系分散体の調製
3.1.1.コロイダルシリカ水分散体の調製
3号水硝子(シリカ濃度24質量%)を水で希釈し、シリカ濃度3.0質量%の希釈ケイ酸ナトリウム水溶液を得た。この希釈ケイ酸ナトリウム水溶液を、水素型陽イオン交換樹脂層を通過させ、ナトリウムイオンの大部分を除去したpH3.1の活性ケイ酸水溶液を得た。その後、すぐに撹拌下10質量%水酸化カリウム水溶液を加えてpHを7.2に調整し、さらに続けて加熱し沸騰させて3時間熱熟成した。得られた水溶液に、先にpHを7.2に調整した活性ケイ酸水溶液の10倍量を少量ずつ添加し、コロイダルシリカを成長させた。
次に、前記コロイダルシリカを含有する分散体水溶液を減圧濃縮し、シリカ濃度:32.0質量%、pH:7.5であるコロイダルシリカ水分散体を得た。このコロイダルシリカ水分散体を再度水素型陽イオン交換樹脂層に通過させ、ナトリウムの大部分を除去した後、10質量%の水酸化カリウム水溶液を加え、シリカ粒子濃度:28.0質量%、pH:8.0であるコロイダルシリカ水分散体を得た。得られたコロイダルシリカを透過型電子顕微鏡により観察してその平均粒子径を求めたところ、26nmであった。
3.1.2.化学機械研磨用水系分散体の調製
イオン交換水50質量部、シリカに換算して0.7質量部に相当するコロイダルシリカ水分散体、ドデカン二酸0.02質量部、グリシン0.7質量部、キノリン酸0.2質量部、ポリビニルピロリドン0.05質量部、ドデシルベンゼンスルホン酸アンモニウム0.04質量部、アルケニルコハク酸カリウム0.0005質量部をポリエチレン製の瓶に入れ、さらに過硫酸アンモニウム2質量部を添加した後、アンモニア水でpHを調整して15分間撹拌した。最後に、全成分の合計量が100質量部となるようにイオン交換水をポリエチレン製の瓶に加えた後、孔径1μmのフィルターで濾過することにより、実施例1に係る化学機械研磨用水系分散体を得た。
各成分の種類および含有量を表1〜表5に記載の組成に変更したこと以外は、実施例1に係る化学機械研磨用水系分散体の調製方法と全く同様にして、他の実施例ないし比較例に係る化学機械研磨用水系分散体を調製した。
表1〜表5に記載の各成分は、それぞれ以下に記載するものを用いた。
・ドデカン二酸(和光純薬工業株式会社製、商品名「Dodecanedioic Acid」)
・トリデカン二酸(和光純薬工業株式会社製、商品名「Tridecanedioic Acid」)
・セバシン酸(和光純薬工業株式会社製、商品名「Sebacic Acid」)
・DBS−A(ドデシルベンゼンスルホン酸アンモニウム)
・アルケニルコハク酸ジカリウム(花王株式会社製、商品名「ラテムルASK」、アルケニルコハク酸ジカリウム)
・グリシン(和光純薬工業株式会社製、商品名「Glycine」)
・アラニン(和光純薬工業株式会社製、商品名「DL−α−Alanine」)
・キノリン酸(和光純薬工業株式会社製、商品名「2,3−Pyridinedicarboxylic Acid」)
・キナルジン酸(和光純薬工業株式会社製、商品名「2−Quinolinecarboxylic Acid」)
・過硫酸アンモニウム(和光純薬工業株式会社製、商品名「Ammonium Peroxodisulfate」)
・過酸化水素(和光純薬工業株式会社製、商品名「Hydrogen Peroxide」)
・PVP(和光純薬工業株式会社製、商品名「Polyvinylpyrrolidone K90」、ポリビニルピロリドン)
3.2.化学機械研磨試験
3.2.1.パターンなし基板の研磨評価
化学機械研磨装置(荏原製作所社製、型式「EPO112」)に多孔質ポリウレタン製研磨パッド(ニッタ・ハース社製、品番「IC1000」)を装着し、「3.1.2.化学機械研磨用水系分散体の調製」で調製した化学機械研磨用水系分散体のいずれか1種を供給しながら、下記の各種研磨速度測定用基板につき、下記の研磨条件にて1分間研磨処理を行い、下記の手法によって研磨速度を評価した。その結果を表1〜表5に併せて示す。
3.2.2.研磨速度の測定
(1)研磨速度測定用基板
・膜厚15,000Åの銅膜が積層された8インチ熱酸化膜付きシリコン基板。
(2)研磨条件
・ヘッド回転数:30rpm
・ヘッド荷重:200gf/cm
・テーブル回転数:70rpm
・化学機械研磨水系分散体の供給速度:150mL/分
この場合における化学機械研磨用水系分散体の供給速度とは、全供給液の供給量の合計を単位時間当たりで割り付けた値をいう。
(3)研磨速度の評価方法
銅膜について、電気伝導式膜厚測定器(ケーエルエー・テンコール社製、形式「オムニマップRS75」)を用いて、研磨処理後の膜厚を測定し、化学機械研磨により減少した膜厚および研磨時間から研磨速度を算出した。
研磨速度は、700nm/分以上であることが好ましく、750nm/分以上であることがより好ましい。
3.2.3.パターン付きウエハの研磨評価
化学機械研磨装置(荏原製作所社製、型式「EPO112」)に多孔質ポリウレタン製研磨パッド(ニッタ・ハース社製、品番「IC1000」)を装着し、「3.1.2.化学機械研磨用水系分散体の調製」で調製した化学機械研磨用水系分散体のいずれか1種を供給しながら、下記のパターン付きウエハにつき、被研磨面にタンタル膜が検出された時点を研磨終点としたこと以外は、前記「3.2.2.研磨速度の測定」における研磨条件で同様に研磨処理を行い、下記の手法によって平坦性および腐食について評価した。
(1)パターン付きウエハ
シリコン基板上にシリコン窒化膜1,000Åを堆積させ、その上にPETEOS膜を5000Å順次積層させた後、「SEMATECH 854」マスクパターン加工し、その上に250Åのタンタル膜、1,000Åの銅シード膜および10,000Åの銅メッキ膜を順次積層させたテスト用の基板を用いた。
(2)平坦性の評価方法
研磨処理工程後のパターン付きウエハの被研磨面につき、高解像度プロファイラー(ケーエルエー・テンコール社製、形式「HRP240ETCH」)を用いて、銅配線幅(ライン、L)/絶縁膜幅(スペース、S)がそれぞれ100μm/100μmの銅配線部分におけるディッシング量(nm)を測定した。その結果を表1〜表5に併せて示す。ディッシング量は、100nm以下であることが好ましく、80nm以下であることがより好ましい。
(3)腐食の評価方法
パターン付きウエハの被研磨面から2cm×2cmの領域を切り取り、「3.1.2.化学機械研磨用水系分散体の調製」で調製した化学機械研磨用水系分散体のいずれか1種に10分間浸漬させ、洗浄し乾燥させた後、走査電子顕微鏡(日立製、形式「S4800」)を使用して銅配線幅(ライン、L)/絶縁膜幅(スペース、S)がそれぞれ0.18μm/0.18μmの銅微細配線部分を観察した。その結果を表1〜表5に併せて示す。表1〜表5において、「×」は銅配線が部分的に欠落するほど溶解してしまった好ましくない状態、「△」はタンタル膜との境界付近の銅配線が溶解し隙間が見られるやや好ましくない状態、「○」は銅配線に浸漬前と比べて目立った溶解が見られない好ましい状態をそれぞれ表している。
Figure 2014041850
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Figure 2014041850
Figure 2014041850
Figure 2014041850
3.3.評価結果
実施例1〜27に係る化学機械研磨用水系分散体によれば、いずれも銅膜に対する研磨速度が700nm/分以上と十分に高く、腐食の評価においても銅配線の欠落は認められず、ディッシング量も90nm以下と十分に低かった。
これに対して、比較例1は、実施例3の組成から(A)コロイダルシリカを除いた組成である。比較例1の化学機械研磨用水系分散体によれば、銅膜に対する研磨速度が著しく低下したため、実用上の問題が生じ得る。
比較例2は、実施例3の組成から(B)成分のドデカン二酸を除いた組成である。比較例2の化学機械研磨用水系分散体によれば、腐食評価において銅配線の欠落が認められ、腐食の抑制が不十分であることが判った。また、銅膜の平坦性も不良であることが判った。
比較例3は、実施例3のドデカン二酸を、(B)一般式(1)で示される化合物のn=8であるセバシン酸に変更した組成である。比較例3の化学機械研磨用水系分散体によれば、腐食評価において銅配線の欠落が認められ、腐食の抑制が不十分であることが判った。また、銅膜の平坦性も不良であることが判った。
比較例4は、実施例3の組成から(C)成分である界面活性剤を除いた組成である。比較例3の化学機械研磨用水系分散体によれば、腐食評価において銅配線の欠落が認められ、腐食の抑制が不十分であることが判った。また、銅膜の平坦性も不良であることが判った。
以上の結果より、実施例1〜27の化学機械研磨用水系分散体を用いることにより、微細配線における配線材料の腐食が抑制されると共に、配線材料に対する高研磨速度と被研磨面におけるディッシングの低減とが同時に達成された良好な化学機械研磨を実現できることが判った。
なお、本発明に係る化学機械研磨用水系分散体は、Cu、Al、W、Ti、TiN、Ta、TaN、V、Mo、Ru、Zr、Mn、Ni、Fe、Ag、Mg、Mn、Si、これらの元素を含む積層構造、あるいは実質的にバリアメタルが存在しないような構造に対しても有効であると期待される。
10…低誘電率絶縁膜、11…配線用凹部、12…絶縁膜(キャップ層)、14…バリアメタル膜、16…銅(または銅合金)膜、100…被処理体、200…半導体装置

Claims (11)

  1. (A)砥粒と、(B)下記一般式(1)で示される化合物と、(C)アニオン性界面活性剤と、を含有することを特徴とする、化学機械研磨用水系分散体。
    HOOC−(CR−COOH …(1)
    (上記一般式(1)において、RおよびRは、それぞれ独立に水素原子またはアルキル基を表す。nは9以上の整数を表す。)
  2. 請求項1において、
    前記(B)成分が、ドデカン二酸またはトリデカン二酸である、化学機械研磨用水系分散体。
  3. 請求項1または請求項2において、
    前記(B)成分の含有量が、化学機械研磨用水系分散体の全質量に対して0.01質量%以上0.5質量%以下である、化学機械研磨用水系分散体。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか一項において、
    前記(C)成分が、アルキルベンゼンスルホン酸、アルケニルコハク酸、およびこれらの塩から選択される少なくとも1種である、化学機械研磨用水系分散体。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか一項において、
    前記(C)成分の含有量が、化学機械研磨用水系分散体の全質量に対して0.005質量%以上0.2質量%以下である、化学機械研磨用水系分散体。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれか一項において、
    さらに(D)アミノ酸を含有する、化学機械研磨用水系分散体。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれか一項において、
    pHが8以上10以下である、化学機械研磨用水系分散体。
  8. 請求項1ないし請求項7のいずれか一項において、
    さらに(E)含窒素複素環を有する有機酸を含有する、化学機械研磨用水系分散体。
  9. 請求項1ないし請求項8のいずれか一項において、
    さらに(F)酸化剤を含有する、化学機械研磨用水系分散体。
  10. 請求項1ないし請求項9のいずれか一項において、
    さらに(G)水溶性高分子を含有する、化学機械研磨用水系分散体。
  11. 凹部が形成された絶縁膜と、前記凹部内の底面ないし側面を覆うようにして形成されたバリアメタル膜と、前記バリアメタル膜を覆うようにして前記凹部に埋め込まれた銅または銅合金からなる金属膜と、を備えた基板において、請求項1ないし請求項10のいずれか一項に記載の化学機械研磨用水系分散体を用いて前記金属膜を平坦化する工程を含む、化学機械研磨方法。
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