JP6101552B2 - 化学機械研磨用スラリー、及び該スラリーを用いた化学機械研磨方法 - Google Patents

化学機械研磨用スラリー、及び該スラリーを用いた化学機械研磨方法 Download PDF

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Description

本発明は、半導体用基板の製造に好適な化学機械研磨用スラリー、及び該スラリーを用いた化学機械研磨方法に関する。
半導体回路の高性能化は、回路を構成するトランジスタ、抵抗、配線等の微細化による高密度化によって、あるいはこれと同時に高速応答化によって達成された。加えて、配線の積層化により、さらなる高密度化及び高集積化が可能となった。これらを可能とした半導体製造における技術として、浅溝素子分離(Shallow Trench Isolation)(以下、「STI」と略称する場合がある。)、層間絶縁膜平坦化、ダマシンプロセス、メタルプラグが挙げられる。STIとは、トランジスタ素子分離のことであり、ダマシンとは、金属配線の埋め込み技術のことであり、メタルプラグとは、層間絶縁膜を貫通した構造を持つ金属による三次元配線のことである。そして、これらの各工程に欠かすことのできない技術が化学機械研磨(Chemical Mechanical Polishing)(以下、「CMP」と略称する場合がある)であり、STI形成、層間絶縁膜平坦化、ダマシンプロセス、メタルプラグ埋め込みのそれぞれの工程において、常に用いられている。これらの微細なパターンは、フォトリソグラフィ工程により形成されるレジストマスクを転写することで形成されるが、微細化が進むにつれリソグラフィに用いる投影レンズの焦点深度が浅くなり、ウェハの凹凸をそれ以内に収めなければならないため、要求される平坦性が高くなる。CMPにより加工面を平坦化することによって、ナノオーダー、原子レベルでの平坦面が得られ、三次元配線、即ち積層化による高性能化が可能となる。
STI形成工程では、素子分離領域(以下、「STI領域」と略称する場合がある。)となる溝の形成と溝以外の領域へのストップ膜の形成を行った後、溝内部及びストップ膜上に、素子分離用の絶縁膜を成膜する。次いで、余分の絶縁膜をストップ膜が露出するまでCMPにより研磨除去し、平坦化する。ストップ膜としては通常、窒化ケイ素が用いられ、絶縁膜には通常、酸化ケイ素が使われることが多い。
高平坦化と素子保護のために、ストップ膜が露出した時点で、ストップ膜及び絶縁膜の研磨速度がともに低下することが必要である。ウェハ全面でストップ膜を確実に露出させるために、ウェハ上の研磨速度が速い領域ではストップ膜が露出した後も比較的長時間研磨が行われる。このため、ストップ膜の露出後も絶縁膜の研磨速度が高い場合には、STI領域であるパターン凹部の絶縁膜が過度に除去され(ディッシング現象)、素子の性能及び信頼性が低下する。また、ストップ膜の研磨速度が高い場合にも、ストップ膜が絶縁膜とともに過度に除去されて素子分離のための絶縁膜が薄くなり、やはり素子の性能及び信頼性が低下する。
現在、STI形成のためには、高平坦化や過剰研磨時の研磨抑制のために、セリア(酸化セリウム)砥粒及びポリアクリル酸の組合せを含有するスラリーが主に用いられている(例えば、特許文献1及び2)。また、ポリアクリル酸と、ポリビニルピロリドン、カチオン化合物、両性イオン化合物とを併用している系も知られている(例えば、特許文献3)。一方、STI形成用途ではないが、ノニオン性の水溶性ポリウレタンを含有する研磨スラリーも知られている(例えば、特許文献4)。
特許第3672493号公報 特許第3649279号公報 特開2007−273973号公報 特開2001−240850号公報
STI領域は、一般に、以下のような工程を経て形成される。図1〜図4は、半導体装置の製造プロセスでのSTI形成工程を段階的に示した模式断面図である。なお、図中の各部の寸法は、理解を容易にするために設定したもので、各部と各部との間の寸法比は、実際のものとは必ずしも一致しない。
まず、基板1表面の酸化絶縁膜2(酸化ケイ素など)上に、ストップ膜3が積層される。次いで、酸化絶縁膜2及びストップ膜3が積層された基板1に、フォトリソグラフィによりレジスト膜(不図示)を積層し、エッチングした後、レジスト膜を除去することによって、溝4(エッチング部分)が形成される(図1)。この溝4を埋めるように、CVDなどによって絶縁膜5(酸化ケイ素など)が積層される(図2)。そして、ストップ膜3上に形成された余剰の絶縁膜5をCMPにより研磨除去してストップ膜を完全に露出させる。理想的な研磨では、ストップ膜3と、溝4に埋め込まれてSTI領域6を形成している絶縁膜5の段差がなく平坦になっている(図3)。
しかし、ストップ膜3上と溝4では絶縁膜5の初期高さに違いがあり(図2)、また、ストップ膜3に比べて絶縁膜5の研磨速度が高いため、ストップ膜3上の絶縁膜5を研磨除去する際に溝4内に充填されている絶縁膜も過剰に除去されやすい。このため、ストップ膜3とSTI領域6を形成している絶縁膜5の間に段差hが生じるとともに、素子分離用の絶縁膜5の厚みtが薄くなる(図4)。これにより、半導体素子の信頼性が低下しやすい。
さらに、基板はうねりを有しており、また、基板上でのスラリーの分布や圧力も完全には均一でないため、実際上、基板全域において均一に研磨を行うことは困難である。そのため、基板上の全てのストップ膜3が完全に露出するまで研磨を行うと、早い段階でストップ膜3が露出した部分では、溝4内に充填されている絶縁膜5がさらに研磨されてしまうという問題(過剰研磨)が生ずる。この過剰研磨の部分では、段差が一層大きくなり、素子分離用の絶縁膜5の厚みもさらに減少する。
特許文献1〜3に記載された化学機械研磨用スラリーは、絶縁膜とストップ膜との間の段差を小さくするという点において、必ずしも満足できるものではなかった。また、特許文献4に記載された化学機械研磨用スラリーは、ストップ膜の研磨速度が低くならず、STI形成に用いることができなかった。
従って、本発明は、被研磨膜を平坦化する能力(以下「平坦化性能」と略称する場合がある)に優れる化学機械研磨用スラリーを提供すること、特に、STI形成工程において絶縁膜とストップ膜との間の段差を極めて小さくすることができる化学機械研磨用スラリー、及び該スラリーを用いた化学機械研磨方法を提供することを目的とする。
本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、砥粒(a)と、カルボキシ基と繰り返し単位数が4以上のポリオキシエチレン基の両方を有するポリウレタン(b)と、水とを含有する化学機械研磨用スラリーであって、前記ポリウレタン(b)が有するカルボキシ基の量がポリウレタン(b)1g当たり0.5〜5.0mmolであり、且つ、前記ポリウレタン(b)が有する繰り返し単位数が4以上のポリオキシエチレン基の量がポリウレタン(b)1g当たり0.04〜0.8gである化学機械研磨用スラリーは、上記目的を達成し得ることを見出し、以下の本発明を完成させた。
[1] 砥粒(a)と、
カルボキシ基と繰り返し単位数が4以上のポリオキシエチレン基の両方を有する水溶性ポリウレタン(b)と、
水と
を含有する化学機械研磨用スラリーであって、前記ポリウレタン(b)が有するカルボキシ基の量がポリウレタン(b)1g当たり0.5〜5.0mmolであり、 且つ、前記ポリウレタン(b)が有する繰り返し単位数が4以上のポリオキシエチレン基の量がポリウレタン(b)1g当たり0.04〜0.8gである化学機械研磨用スラリー
[2] 前記砥粒(a)の濃度が0.1〜10質量%であり、前記化合物(b)の濃度が0.1〜3質量%である、上記[1]の化学機械研磨用スラリー。
[3] 前記砥粒(a)が酸化セリウム、酸化マンガン、酸化鉄、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム及び酸化タンタルからなる群から選ばれる少なくとも一つである、上記[1]または[2]の化学機械研磨用スラリー。
[4] 前記ポリウレタン(b)が、さらにスルホ基をポリウレタン(b)1g当たり0.01〜1.0mmol有する、上記[1]〜[3]のいずれかの化学機械研磨用スラリー。
[5] 前記ポリウレタン(b)の重量平均分子量が3,000〜100,000である、上記[1]〜[4]のいずれかの化学機械研磨用スラリー。
[6] さらに、アミノ基及び水酸基を有する塩基性化合物(c)を0.001〜1質量%の濃度で含有する、上記[1]〜[5]の化学機械研磨用スラリー。
[7] 上記[1]〜[6]のいずれかの化学機械研磨用スラリーを用いて絶縁膜を研磨する、化学機械研磨方法。
[8] 浅溝素子分離を形成するために用いられる、上記[7]の化学機械研磨方法。
本発明によれば、基板上の被研磨膜の平坦化性能に優れ、特に、STI形成工程において絶縁膜とストップ膜との間の段差を極めて小さくすることができる化学機械研磨用スラリー、及び該スラリーを用いた化学機械研磨方法を提供できる。
エッチングによって溝を形成した基板の模式断面図である。 CVDなどによって絶縁膜を積層した基板の模式断面図である。 理想的なCMPによって絶縁膜を研磨した基板の模式断面図である。 CMPによって絶縁膜が過度に研磨され、段差が生じた基板の模式断面図である。
本発明の化学機械研磨用スラリーは、砥粒(a)、カルボキシ基と繰り返し単位数が4以上のポリオキシエチレン基の両方を有する水溶性ポリウレタン(b)(以下「ポリウレタン(b)」と略称する場合がある)、及び水を必須成分として含有する。
〔砥粒(a)〕
砥粒(a)としては、任意の無機化合物、有機化合物、有機−無機複合材料を用いることができ、例えば、酸化セリウム、酸化マンガン、酸化鉄、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化タンタル、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化スズ、ダイヤモンド、フラーレン及びポリスチレンなどが挙げられる。中でも、砥粒(a)は酸化セリウム、酸化マンガン、酸化鉄、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム及び酸化タンタルからなる群から選ばれる少なくとも一つであることが、研磨速度が高く、研磨傷の低減に優れることから好ましい。さらには、平坦化性能が一層優れることから、砥粒(a)として、酸化セリウムが特に好ましい。なお、砥粒(a)は1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の化学機械研磨用スラリー中の砥粒(a)の濃度は、0.1〜10質量%であることが研磨速度や平坦化性能、砥粒(a)の分散安定性に優れることから好ましく、0.15〜5質量%であることがより好ましく、0.2〜3質量%であることがさらに好ましい。砥粒(a)の含有量が0.1質量%未満であると研磨速度が低下する傾向にあり、10質量%を超えると研磨砥粒が凝集する場合がある。研磨速度と研磨傷抑制の観点から、前記研磨砥粒(a)の含有量は、0.25〜1質量%の範囲とすることが最も好ましい。
また、砥粒(a)の平均粒径は1〜500nmであることが、研磨速度に優れ、被研磨膜への研磨傷も少ないことから好ましい。砥粒(a)の平均粒径が5〜400nmであることがより好ましく、10〜300nmであることがさらに好ましい。平均粒径が1nm未満であると研磨速度が低下する場合があり、平均粒径が500nmを超えると研磨傷が発生しやすくなる。なお、平均粒径の測定は、大塚電子株式会社製粒径測定装置「ELSZ−2」を用いて、キュムラント法により解析することにより求めることができる。
〔ポリウレタン(b)〕
ポリウレタン(b)は、カルボキシ基と繰り返し単位数が4以上のポリオキシエチレン基の両方を有するポリウレタンである。ポリウレタン(b)がカルボキシ基を有することにより、ストップ膜が露出した後に研磨速度が十分に低下し、ストップ膜の下層の素子領域を保護することができる。
また、ポリウレタン(b)が繰り返し単位数が4以上のポリオキシエチレン基を有することにより、パターン凹部の絶縁膜の研磨を抑制することができ、良好な平坦化性能を示す。ここで、ポリオキシエチレン基の繰り返し単位数とは、ポリオキシエチレン基中に含まれるオキシエチレン基(−OC−)の数を意味する。ポリウレタン(b)に適度に水溶性を付与する観点から、ポリオキシエチレン基の繰り返し単位数は5〜150であることが好ましく、6〜100であることがより好ましく、7〜50であることがさらに好ましい。ポリオキシエチレン基の繰り返し単位数が4未満では、パターン凹部の絶縁膜の研磨抑制効果が不十分となりやすく、ポリオキシエチレン基の繰り返し単位数が150を超えると、ポリウレタン(b)が水に溶解しにくくなる場合がある。
ポリウレタン(b)が有するカルボキシ基の量は、ポリウレタン(b)1g当たり0.5〜5.0mmolであることが好ましい。カルボキシ基の量がポリウレタン(b)1g当たり0.5mmol未満であると、ストップ膜の研磨速度が十分に低下せずストップ膜の下層の素子領域を保護することができない傾向がある。一方、カルボキシ基の量がポリウレタン(b)1g当たり5.0mmolより多いと、カルボキシ基同士やカルボキシ基とウレタン基の凝集によりポリウレタンの製造が困難となりやすく、ポリウレタンの水への溶解性も低下しやすい。ポリウレタン(b)中のカルボキシ基の量は、ポリウレタン(b)1g当たり0.6〜4.5mmolであることがより好ましく、0.7〜4.0mmolであることがさらに好ましい。
ポリウレタン(b)が有する繰り返し単位数が4以上のポリオキシエチレン基の量は、ポリウレタン(b)1g当たり0.04〜0.8gであることが好ましい。ポリオキシエチレン基の量がポリウレタン(b)1g当たり0.04g未満では、パターン凹部の絶縁膜の研磨抑制効果が不十分となりやすく、ポリオキシエチレン基の量がポリウレタン(b)1g当たり0.8gを超えると、ポリウレタン中のカルボキシ基の量が少なくなりストップ膜の研磨速度を十分に低下させることができない場合がある。ポリウレタン(b)中のポリオキシエチレン基の量は、ポリウレタン(b)1g当たり0.05〜0.7gであることがより好ましく、0.06〜0.6gであることがさらに好ましい。
ポリウレタン(b)は、研磨スラリー中で溶解していることが好ましく、そのためにポリウレタン(b)は水溶性であることが好ましい。なお、本明細書において、「水溶性」とは20℃における水への溶解度が10g/L以上であることを示す。また、ポリウレタン(b)は広いpH範囲で水溶性である必要はなく、研磨スラリーと同一のpHで水溶性であればよい。
ポリウレタン(b)の水への溶解度を高めるために、ポリウレタン(b)が、さらにスルホ基をポリウレタン(b)1g当たり0.01〜1.0mmol有することが好ましい。ポリウレタン(b)中のスルホ基の量は、ポリウレタン(b)1g当たり0.02〜0.9mmolであることがより好ましく、0.03〜0.8mmolであることがさらに好ましい。
また、ポリウレタン(b)はウレタン基(−NHCOO−)を、ポリウレタン(b)1g当たり0.10〜0.25g有することが好ましい。ウレタン基の量がポリウレタン(b)1g当たり0.10g未満であると、ストップ膜の研磨が抑制されにくい場合がある。一方、ウレタン基の量がポリウレタン(b)1g当たり0.25gより多いと、ポリウレタン(b)の製造が困難となりやすく、ポリウレタン(b)の水への溶解性も低下する傾向がある。ポリウレタン(b)中のウレタン基の量は、0.11〜0.24gであることがより好ましく、0.12〜0.23gであることがさらに好ましい。なお、ポリウレタン(b)は、ウレタン基とともにウレア基(−NHCONH−)を有していてもよい。
ポリウレタン(b)の重量平均分子量は、3,000〜100,000であることが好ましい。ポリウレタン(b)の重量平均分子量が3,000未満ではストップ膜及びパターン凹部の絶縁膜の研磨を抑制する効果が不十分であり、平坦化性能の向上効果が低い傾向がある。ポリウレタン(b)の重量平均分子量が100,000を超えると研磨スラリーの粘度が高くなり、研磨速度や研磨均一性が低下しやすい上、砥粒が凝集しやすくなる場合がある。ポリウレタン(b)の重量平均分子量が4,000〜80,000であることがより好ましく、5,000〜60,000であることがさらに好ましく、6,000〜40,000であることが特に好ましい。
なお、この重量平均分子量は、ポリエチレングリコールを標準物質とし、GPC装置(Waters社製「150C」)にGPCカラム(東ソー株式会社製「GMPWXL」)を接続して200mMリン酸塩水溶液を移動相として測定することができる。
ポリウレタン(b)は、好ましくは、有機ジイソシアネート、カルボキシ基含有ジオール及び繰り返し単位数が4以上のポリオキシエチレン基含有ジオールを反応させることにより製造することができる。
ポリウレタン(b)の製造に用いることができる有機ジイソシアネートとしては、通常のポリウレタンの製造に従来から使用されている有機ジイソシアネートのいずれを使用してもよく、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートなどの脂肪族または脂環式ジイソシアネート;4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネートが挙げられる。これらの有機ジイソシアネートは1種を単独で、または2種以上を併用してもよい。
ポリウレタン(b)の製造に用いることができるカルボキシ基含有ジオールとしては、例えば2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸や2,2−ビス(ヒドロキシメチル)ブタン酸などが挙げられる。
ポリウレタン(b)の製造に用いることができる、繰り返し単位数が4以上のポリオキシエチレン基含有ジオールとしては、例えばポリエチレングリコールやポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールなどが挙げられる。これらのカルボキシ基含有ジオールやポリオキシエチレン基含有ジオールを用いることで、容易にポリウレタンにカルボキシ基やポリオキシエチレン基を導入することができる。
ポリウレタン(b)の製造に、その他のジオールやジアミン、アミノアルコール等を併用してもよい。
その他のジオールとしては、例えばポリテトラメチレンエーテルグリコールやポリプロピレングリコール、ポリエステルジオール、ポリカーボネートジオール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオールなどが挙げられる。
ジアミンとしては、例えばエチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、ヒドラジン、キシリレンジアミン、イソホロンジアミン、ピペラジン、アジピン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジドなどが挙げられる。
アミノアルコールとしては、例えば2−アミノエタノールや、3−アミノ−1−プロパノール、4−アミノ−1−ブタノールなどが挙げられる。
上記のその他のジオールやジアミン、アミノアルコールは1種を単独で、または2種以上を併用してもよい。
ポリウレタン(b)の製造に、単官能のモノオールやモノアミン、3官能以上のポリオールやポリアミンを併用してもよく、これらの化合物の併用によりポリウレタン(b)の分子量を調整することが可能である。モノオールとしては、例えばエタノール、イソプロパノールなどが挙げられ、モノアミンとしては、例えばブチルアミンやジブチルアミンなどが挙げられる。3官能以上のポリオールとしては、例えばトリメチロールプロパンやペンタエリスリトールなどが挙げられ、3官能以上のポリアミンとしては、例えばジエチレントリアミンやトリエチレンテトラミンなどが挙げられる。
さらに、ポリウレタン(b)の製造に併用することができる化合物として、カルボキシ基含有アミンやスルホ基含有アミンが挙げられる。これらの化合物を用いることによりポリウレタン(b)中にカルボキシ基やスルホ基を導入することができる。カルボキシ基含有アミンとしては、例えば、4−アミノブタン酸や、5−アミノペンタン酸、6−アミノヘキサン酸、7−アミノヘプタン酸、グリシン、アラニン、トリシンなどが挙げられる。スルホ基含有アミンとしては、例えば、2−アミノエタンスルホン酸や、2-アミノ−1−プロパンスルホン酸、アミノベンゼンスルホン酸、N−トリス(ヒドロキシメチル)メチル−2−アミノエタンスルホン酸、N−トリス(ヒドロキシメチル)メチル−3−アミノプロパンスルホン酸、3−[N−トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミノ]−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸などが挙げられる。
本発明において、ポリウレタン(b)の製造方法としては特に制限はなく、プレポリマー法やワンショット法などの公知の製造方法を用いることができる。特に好ましい製造方法しては、イソホロンジイソシアネートやm−キシリレンジイソシアネート等の脂肪族または脂環式ジイソシアネートと、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)ブタン酸等のカルボキシ基含有ジオール、ポリオキシエチレングリコール等の繰り返し単位数が4以上のポリオキシエチレン基含有ジオールを反応させて、カルボキシ基と繰り返し単位数が4以上のポリオキシエチレン基を有し、且つ両末端がイソシアネート基のウレタンプレポリマーを合成した後に、2−アミノエタンスルホン酸等のスルホ基含有アミン及びピペラジン等のジアミンを反応させて高分子量化するとともにポリウレタン中にスルホ基を導入する方法が挙げられる。ポリウレタン(b)は、1種のみを単独で、または2種以上を併用してもよい。
本発明の化学機械研磨用スラリー中のポリウレタン(b)の濃度は、0.1〜3質量%であることが研磨速度や平坦化性能、砥粒(a)の分散安定性に優れることから好ましく、0.15〜2質量%であることがより好ましく、0.2〜1質量%であることがさらに好ましい。ポリウレタン(b)の含有量が0.1質量%未満であると平坦化性能が低下する傾向にあり、3質量%を超えると研磨速度が低くなりすぎるとともに砥粒(a)が凝集しやすくなる傾向がある。平坦化性能と研磨速度の観点から、前記ポリウレタン(b)の含有量は、0.25〜0.8質量%の範囲とすることが最も好ましい。
〔任意成分〕
本発明の化学機械研磨用スラリーは、任意成分として、アミノ基及び水酸基を有する塩基性化合物(c)(以下「塩基性化合物(c)」と略称することがある)をさらに含有していてもよい。塩基性化合物(c)をポリウレタン(b)と併用することにより、研磨速度と平坦化性能をさらに向上することが可能である。
塩基性化合物(c)としては、例えば2−ジメチルアミノエタノール、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジブチルアミノエタノール、N−メチルジエタノールアミン、N−ブチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2−(2−アミノエチルアミノ)エタノール、1−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン、トリスヒドロキシメチルアミノメタン、N−メチルグルカミン、N−エチルグルカミン等が挙げられる。これらは1種を単独で、または2種以上を併用してもよい。中でもN−メチルグルカミンが好ましい。
本発明の化学機械研磨用スラリー中の塩基性化合物(c)の濃度は、0.001〜1質量%であることが、研磨速度や平坦化性能、砥粒(a)の分散安定性に優れることから好ましく、0.01〜0.5質量%であることがより好ましく、0.1〜0.3質量%であることがさらに好ましい。また、塩基性化合物(c)の一部または全てが、ポリウレタン(b)が有するカルボキシ基やスルホ基と塩を形成していてもよい。
本発明の化学機械研磨用スラリーのpHは3〜11であることが、研磨速度、平坦化性能及び砥粒(a)の分散安定性がともに優れることから好ましく、3.5〜9であることがより好ましく、4〜7であることがさらに好ましい。ポリウレタン(b)と塩基性化合物(c)の濃度を変えることによりpHを任意に調整可能である。また、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、2−ヒドロキシエチルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、アンモニア、トリメチルアミン、トリエチルアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、イミダゾール等の塩基;塩酸、硝酸、硫酸、酢酸、クエン酸、リンゴ酸、フタル酸、グルコン酸等の酸;グリシン、アラニン、グルタミン酸、アスパラギン酸等のアミノ酸;ジヒドロキシエチルグリシン等のキレート剤;などをスラリーに添加することによっても、化学機械研磨用スラリーのpHを調整することができる。
本発明の化学機械研磨用スラリーは、本発明の効果を阻害しない範囲で、さらに、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ポリ(メタ)アクリルアミド、ポリ(メタ)アクリル酸等の重合体や、界面活性剤、分散剤、抗菌剤、酸化剤、還元剤、水溶性有機溶剤などを含有していてもよい。
本発明の化学機械研磨用スラリーは、絶縁膜に形成された凹凸パターンを平坦化するのに適しており、とりわけ、絶縁膜を研磨して平坦化し、STI領域を形成する際に特に有用である。本発明の化学機械研磨用スラリーは、ストップ膜が露出した時点でストップ膜及び絶縁膜の研磨速度がともに低下するため、平坦化性能に極めて優れる。ストップ膜としては、例えば、窒化ケイ素膜、ポリシリコン膜等が挙げられる。本発明の効果が一層発揮されるため、ストップ膜が窒化ケイ素膜であり、絶縁膜が酸化ケイ素膜であるCMPに、本発明の化学機械研磨用スラリーを用いることが好ましい。なお、少量のホウ素、リン、炭素、フッ素などで変性された酸化ケイ素膜のCMPに、本発明の化学機械研磨用スラリーを用いてもよい。
本発明の化学機械研磨用スラリーを用いたCMPには、公知の手段を用いることができる。公知の手段としては、例えば、研磨定盤上に貼り付けた研磨パッドの表面に本発明の化学機械研磨用スラリーを供給しながら、被研磨膜を形成したウェハを押し当てて加圧し、研磨定盤とウェハをともに回転させて被研磨膜を研磨する方法が挙げられる。本発明のCMPに使用可能な研磨パッドとしては特に制限がなく、発泡樹脂、無発泡樹脂、不織布等のいずれも使用可能である。また、研磨層のみからなる単層パッドでも良く、研磨層の下にクッション層を備えた二層構造のパッドでもよい。
本発明の化学機械研磨用スラリーの研磨パッド上への供給方法としては、全ての成分を含んだ一液として送液してもよいし、各成分を含む複数の液を送液して配管途中やパッド上で混合して所望の濃度に調整してもよい。また、研磨の途中で、各成分の種類や濃度を適宜変化させてもよい。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。なお、研磨性能の評価は下記の方法で実施した。
[化学機械研磨用スラリーのpH]
株式会社堀場製作所製pHメーター「F−22」を用い、標準緩衝液(フタル酸塩pH緩衝液:pH4.00(25℃)、中性リン酸塩pH緩衝液:pH7.00(25℃)、ホウ酸塩pH緩衝液:pH9.00(25℃))を用いて3点校正した後、化学機械研磨用スラリーのpHを25℃に調温した状態で測定した。
[酸化ケイ素及び窒化ケイ素の膜厚測定]
ナノメトリクス社製膜厚測定装置「Nanospec Model5100」を用い、倍率10の対物レンズで酸化ケイ素及び窒化ケイ素の膜厚を測定した。
[パターンウェハの段差測定]
株式会社ミツトヨ製表面粗さ測定機「SJ−400」を用い、標準スタイラス、測定レンジ 80μm、JIS2001、GAUSSフィルタ、カットオフ値λc 2.5mm、及びカットオフ値λs 8.0μmの設定で測定を行い、断面曲線からパターンウェハの段差を求めた。
[パターンウェハの研磨性能評価]
ニッタ・ハース社製研磨パッド「IC1400(同心円溝);直径380mm」を株式会社エム・エー・ティー製研磨装置「BC−15」の研磨定盤に貼り付け、株式会社アライドマテリアル製ダイヤモンドドレッサー(ダイヤ番手#100;直径190mm)を用い、純水を150mL/分の速度で流しながらドレッサー回転数140rpm、研磨パッド回転数100rpm、ドレッサー荷重5Nにて60分間研磨パッド表面を研削した(以下「コンディショニング」と略称する)。
次に、研磨パッド回転数100rpm、ウェハ回転数99rpm、研磨圧力24kPaの条件において、研磨スラリーを120mL/分の速度で供給しつつ、膜厚が1000nmでパターンのない酸化ケイ素膜(プラズマ化学蒸着により形成された酸化ケイ素膜;以下、「PETEOS酸化ケイ素膜」と略称する)を表面に有する直径2インチのシリコンウェハを60秒間、コンディショニングを行わずに研磨した。その後、コンディショニングを30秒間行った後、ウェハを交換して再度研磨及びコンディショニングを繰り返し、計10枚のウェハを研磨した。
次いで、線状の凸部と凹部が交互に繰り返し並んだ凹凸パターンのある、SKW社製STI研磨評価用パターンウェハ「SKW3−2」を上記と同条件で1枚研磨した。該パターンウェハの凸部幅100μm及び凹部幅100μmのパターンについて測定を行った。なお、凸部と凹部の初期段差は約550nmであり、パターン凸部がシリコンウェハ上に膜厚15nmの酸化ケイ素膜、その上に膜厚120nmの窒化ケイ素膜、さらにその上に膜厚700nmの酸化ケイ素膜(高密度プラズマ化学蒸着により形成された酸化ケイ素膜;以下、「HDP酸化ケイ素膜」と略称する)を積層した構造であり、パターン凹部はシリコンウェハを400nmエッチングして溝を形成した後に膜厚700nmのHDP酸化ケイ素膜を形成した構造である。
パターンウェハの研磨において、研磨により凸部窒化ケイ素膜上の酸化ケイ素膜が消失した時点を「ジャスト研磨」とし、ジャスト研磨における酸化ケイ素膜及び窒化ケイ素膜の膜厚、パターン段差を測定した。その後、ジャスト研磨に要した研磨時間の15%に相当する時間だけパターンウェハをさらに研磨して過剰研磨時のモデル試験を行い、再度、膜厚及び段差を測定した。過剰研磨中の膜厚減少量及び段差増加量が小さい方が、平坦化性能に優れるため好ましい。
下記の製造例、実施例及び比較例で用いられる化合物の略号を表1に示す。
Figure 0006101552
[製造例1]
三つ口フラスコに、PEG1000を15.0g、DMBAを10.0g、m−XDIを11.5g、IPDIを5.5g及び2−ブタノンを125g秤取し、乾燥窒素雰囲気下70℃で系中の水酸基を定量的に反応させ、ポリウレタンプレポリマーを製造した。次いで、30℃に冷却した後に、末端停止剤及び鎖伸長剤としてPIP2.6g及びAES1.3gを蒸留水45gに溶解した水溶液を添加し、1時間撹拌してポリウレタン(b−1)を得た。次いで、塩基性物質(c)としてDEAE4.3gを蒸留水910gに溶解した水溶液を加えた後、エバポレーターにより2−ブタノンを除去した。DEAE及び蒸留水も一部除去されるため、ポリウレタン(b−1)の濃度が5.0質量%、pHが5.0となるようにDEAE及び蒸留水を加え、ポリウレタン(b−1)及びDEAEを含む水溶液を得た(以下、「ポリウレタン(b−1)含有水溶液」と略称する)。
なお、ポリウレタン(b−1)中のカルボキシ基の含有量はポリウレタン1g当たり1.5mmolであり、繰り返し単位数が4以上のポリオキシエチレン基の含有量はポリウレタン1g当たり0.33gであり、スルホ基の含有量はポリウレタン1g当たり0.23mmolであり、ウレタン基の含有量はポリウレタン1g当たり0.17gであった。ポリウレタン(b−1)の重量平均分子量は26,000であった。なお、ポリウレタン(b−1)中のカルボキシ基、ポリオキシエチレン基及びスルホ基の含有量はそれぞれ原料の仕込み比率から計算した。ポリウレタン(b−1)の重量平均分子量は前記のとおりGPCにより求めた。
[製造例2〜7]
表2に示した原料を用いること以外は製造例1と同様にして、ポリウレタン濃度5.0質量%、pHが5.0のポリウレタン(b−2)〜(b−7)及び塩基性化合物(c)を含む水溶液を得た。
ポリウレタン(b−2)〜(b−7)中のカルボキシ基の含有量、繰り返し単位数が4以上のポリオキシエチレン基の含有量、スルホ基の含有量、ウレタン基の含有量及びポリウレタン(b−2)〜(b−7)の重量平均分子量を表2に示す。
[製造例8]
表2に示した原料を用いること以外は製造例1と同様にしてポリウレタンを製造しようとしたが、ポリウレタンプレポリマーを製造中にゲル化が起こり、ポリウレタンを製造することができなかった。
Figure 0006101552
[実施例1]
酸化セリウム砥粒(昭和電工株式会社製研磨剤「GPL−C1010」(原液濃度10質量%,平均粒径200nm)50g、製造例1で得られたポリウレタン(b−1)含有水溶液120g及び純水830gを均一に混合してpHが5.0の化学機械研磨用スラリー1000gを調製した。該スラリー中の酸化セリウム砥粒の濃度は0.5質量%、ポリウレタン(b−1)の濃度は0.6質量%である。
上記の化学機械研磨用スラリーを用いてパターンウェハの研磨性能を評価した結果、表3に示すように、実施例1の化学機械研磨用スラリーは、過剰研磨中のパターン凸部の膜厚減少量が2nm、パターン凹部の膜厚減少量が44nm、段差増加量が40nmと少なく、過剰研磨時の研磨抑制効果及び平坦化性能に優れていた。
[実施例2〜4]
化学機械研磨用スラリーに含まれるポリウレタン(b)及び塩基性化合物(c)を表3に示したように変更した以外は、実施例1と同様にして化学機械研磨用スラリーを調製した。いずれの化学機械研磨用スラリーも、該スラリー中の砥粒(a)の濃度は0.5質量%、ポリウレタン(b)の濃度は0.6質量%であり、pHは5.0となるように、アンモニアまたは塩酸により調整した。
パターンウェハの研磨性能を評価した結果、表3に示すように、実施例2〜4の化学機械研磨用スラリーは、過剰研磨中のパターンの段差増加量及び凹部膜厚減少量がともに少なく、過剰研磨時の研磨抑制効果及び平坦化性能に極めて優れていた。
[比較例1〜3]
化学機械研磨用スラリーの成分及び濃度を表3に示したように変更した以外は、実施例1と同様にして化学機械研磨用スラリーを調製した。スラリーのpHは表に示したとおりであり、アンモニアまたは塩酸により調整した。
パターンウェハの研磨性能を評価した結果、表3に示すように、比較例1〜3の化学機械研磨用スラリーは、過剰研磨中のパターン段差増加量及び凹部膜厚減少量がともに多く、過剰研磨時の研磨抑制効果及び平坦化性能に劣っていた。また、比較例2及び3では、過剰研磨中にストップ膜である凸部窒化ケイ素膜の研磨量が多く、半導体製造時にストップ膜の下層の素子領域を十分に保護することができない。
Figure 0006101552
表3より明らかなように、本発明の化学機械研磨用スラリーを用いた実施例では、過剰研磨時における段差増加や凹部膜厚の減少が少ない。一方、比較例では、過剰研磨による段差増加や凹部膜厚の減少が大きい。
本発明は、半導体基板に形成された酸化ケイ素膜の研磨をはじめ、各種半導体装置の製造プロセスにも適用することのできる化学機械研磨用スラリー、及び該スラリーを用いた化学機械研磨方法を提供するものである。本発明の化学機械研磨用スラリーは、特にSTI形成工程(浅溝素子分離を形成する工程)のための研磨に適しており、STI形成工程において、絶縁膜とストップ膜との間の段差が小さい被研磨膜を得ることができ、半導体基板製造時の歩留まりを向上させることができる。
1 基板
2 酸化絶縁膜(酸化ケイ素など)
3 ストップ膜(窒化ケイ素など)
4 溝
5 絶縁膜(酸化ケイ素など)
6 STI領域
h 段差
t 絶縁膜の膜厚

Claims (8)

  1. 砥粒(a)と、
    カルボキシ基と繰り返し単位数が4以上のポリオキシエチレン基の両方を有するポリウレタン(b)と、
    水とを含有する化学機械研磨用スラリーであって、前記ポリウレタン(b)が有するカルボキシ基の量がポリウレタン(b)1g当たり0.5〜5.0mmolであり、 且つ、前記ポリウレタン(b)が有する繰り返し単位数が4以上のポリオキシエチレン基の量がポリウレタン(b)1g当たり0.04〜0.8gである化学機械研磨用スラリー
  2. 前記砥粒(a)の濃度が0.1〜10質量%であり、前記ポリウレタン(b)の濃度が0.1〜3質量%である、請求項1に記載の化学機械研磨用スラリー。
  3. 前記砥粒(a)が酸化セリウム、酸化マンガン、酸化鉄、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム及び酸化タンタルからなる群から選ばれる少なくとも一つである、請求項1または2に記載の化学機械研磨用スラリー。
  4. 前記ポリウレタン(b)が、さらにポリウレタン(b)1g当たり0.01〜1.0mmolのスルホ基を有する、請求項1〜のいずれかに記載の化学機械研磨用スラリー。
  5. 前記ポリウレタン(b)の重量平均分子量が3,000〜100,000である、請求項1〜のいずれかに記載の化学機械研磨用スラリー。
  6. さらに、アミノ基及び水酸基を有する塩基性化合物(c)を0.001〜1質量%の濃度で含有する、請求項1〜のいずれかに記載の化学機械研磨用スラリー。
  7. 請求項1〜のいずれかに記載の化学機械研磨用スラリーを用いて絶縁膜を研磨する、化学機械研磨方法。
  8. 浅溝素子分離を形成するために用いられる、請求項に記載の化学機械研磨方法。
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