JP4996829B2 - 通信装置及びキャリブレーションウエイト更新方法 - Google Patents

通信装置及びキャリブレーションウエイト更新方法 Download PDF

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Description

本発明は通信装置及びキャリブレーションウエイト更新方法に関する。
従来、複数のアンテナをアダプティブアレイアンテナとして使用する基地局装置では、各アンテナから送信する通信信号の振幅及び位相に関する送信特性が、各アンテナで受信される通信信号の振幅及び位相に関する受信特性と同等になるよう、送信する通信信号の振幅及び位相をアンテナごとに調整している。このようにすることで、受信された通信信号の送信元である移動局装置にアダプティブアレイアンテナの指向性を合わせられるようにしている。
ところで、近年の移動体通信システムの基地局装置では、デジタル信号処理による上記調整を行っている。つまり、通信信号の振幅及び位相を調整する場合、送信する通信信号のD/A変換がされる前に、各アンテナで受信された通信信号がA/D変換された後の振幅及び位相に基づいて調整を行っている。このため、アンテナと、上記通信信号のA/D変換やD/A変換を行う送受信部を含む基地局装置本体部と、が離れている基地局装置では、上記調整を基地局装置本体部で行うこととなる。これに対し、通信信号をアンテナから送出する為のパワーアンプや受信した信号を増幅するためのプリアンプは、基地局装置本体部ではなく、アンテナのすぐ近くに設置される。この場合、アンテナと基地局装置本体部とを接続するケーブルの長さがアンテナごとに異なるために、送受信される通信信号の振幅や位相がアンテナごとに変動してしまい、上記調整の効果が損なわれることがある。
このような事情に鑑み、基地局装置では、アンテナごとに通信信号の振幅と位相を校正する処理(キャリブレーション)が行われる。このキャリブレーションでは、所定のキャリブレーションウエイト算出処理により算出されるキャリブレーションウエイトが用いられる。
キャリブレーションウエイト算出処理のために、通常、キャリブレーション端末としての移動局装置が基地局装置内に1台設置される。このキャリブレーション端末のアンテナの出入力は、基地局装置の各アンテナとの間でカプラにより電気的に結合されている。このためキャリブレーション端末は、カプラから出力される信号(すなわち、アンテナから送信される下り通信信号)を受信し、自ら生成した信号を、各カプラを通じて、上り通信信号として基地局装置に受信させることができる。
以下では、キャリブレーション端末をキャリブレーション部、アンテナ及び基地局装置本体部と離れたところに該アンテナと一体に設置される部分(通常は、上記パワーアンプやプリアンプなどの増幅回路を含む)をアンテナ部、と呼ぶ。このアンテナ部は、上記複数のアンテナを含んでおり、各アンテナはそれぞれ送受信部及びキャリブレーション部と接続される。
まず上り信号に関しては、キャリブレーション部において生成した試験信号(キャリブレーション信号)を、各アンテナ部を介して、通信信号として送受信部に受信させる。送受信部は、各アンテナ部を介して受信された試験信号間の振幅及び位相の相違量を取得する。
次に下り信号に関しては、送受信部において試験信号(キャリブレーション信号)を生成し、アンテナ部に含まれる各アンテナを介して、通信信号としてキャリブレーション部に受信させる。なお各アンテナは同じ信号を送受信するために設置されているものであり、キャリブレーション部は、通信信号同様、各アンテナを介して受信される試験信号を合成して受信信号としている。一方キャリブレーションウエイト算出処理では各アンテナを介して受信された信号間の振幅及び位相の相違量を取得する必要があるため、送受信部は1度に1つのアンテナのみを介して試験信号を送信するようにし、これを各アンテナについて行っている。キャリブレーション部は、各アンテナを介して受信した試験信号間の振幅及び位相の相違量を取得する。
キャリブレーションウエイト算出処理では、このようにして取得した受信時及び送信時の試験信号間の振幅及び位相の相違量に基づいて、アンテナごとの校正量(キャリブレーションウエイト)を算出している。キャリブレーションでは、このようにして算出したキャリブレーションウエイトに基づいて、送信する通信信号の振幅と位相を校正している。なお特許文献1には、このようなキャリブレーションの1つの実施例が記載されている。
特開2003−234610号公報
ところで、上記従来のキャリブレーションウエイト算出処理では、基地局装置の周辺環境において、その温度(環境温度)の変動があったことを契機としてキャリブレーションウエイト算出処理をやり直す必要がある。基地局装置に備えられる送受信回路や増幅回路に使用されている電子部品の電気的特性は温度特性を有するため、環境温度が変化すると、各アンテナで送受信される通信信号の振幅や位相に、それぞれ変化が生ずる。この結果、アンテナ間の位相や振幅の関係が変化してしまうためである。
このように従来は、環境温度の変動があったことを契機としてキャリブレーションウエイト算出処理をやり直す必要があった。しかしながら、キャリブレーションウエイト算出処理では、通信信号で使用する通信チャネルを使用して試験信号を送信又は受信するため、試験信号の送受信に使用している通信チャネルでは、試験中に通信信号の送受信を行うことはできない。このため、できるだけ通信信号の送受信を妨げないよう、環境温度が変化するたびにキャリブレーションウエイト算出処理を行うのではなく、予め環境温度に対応付けてキャリブレーションウエイトを記憶しておき、実際に測定される上記条件に対応付けて記憶されるキャリブレーションウエイトを使用するようにしていることがある。
しかしながら実際には、通信信号の振幅や位相の変動は一定ではなく、例えば時間が経つに連れて変化する。このため、予め測定しておいたキャリブレーションウエイトを記憶しておいても、いずれ有効でなくなってしまい、通信信号の振幅や位相が不適切なものになってしまうという問題があった。かといって、記憶しているキャリブレーションウエイトを更新するために試験信号の送受信を行うと、その間、試験信号の送受信をしている通信チャネルでは通信信号の送受信を行うことができなくなってしまうという問題があった。
本発明は上記課題に鑑みてなされたもので、その目的の一つは、通信信号の送受信に影響を与えずにキャリブレーションウエイトを更新することができる通信装置及びキャリブレーションウエイト更新方法を提供することにある。
上記課題を解決するための本発明に係る通信装置は、複数のアンテナを含み、前記複数のアンテナを介して信号の送受信を行うことにより、複数の周波数チャネルを使用して通信を行う通信手段を含む通信装置において、前記複数のアンテナの少なくとも1つについて、環境条件ごとに所定のキャリブレーションウエイト算出処理によって算出されたキャリブレーションウエイトを、前記複数のアンテナおよび環境条件のそれぞれと対応付けて記憶するキャリブレーションウエイト記憶手段と、前記複数の周波数チャネルのそれぞれについて、前記通信手段により使用されているか否かを定期的に判断する判断手段と、前記判断手段により使用されていないと判断される周波数チャネルを使用して、前記通信手段による前記通信の実行中に所定のキャリブレーションウエイト算出処理により前記複数のアンテナのそれぞれについてのキャリブレーションウエイトを算出するよう当該通信装置を制御するキャリブレーション制御手段と、前記算出されたキャリブレーションウエイトにより、前記キャリブレーションウエイト記憶手段により記憶されるキャリブレーションウエイトのうち、該算出されたキャリブレーションウエイトの算出時の環境に基づく環境条件に対応づけて記憶されるキャリブレーションウエイトを更新するキャリブレーションウエイト更新手段と、を含むことを特徴とする。
本発明によれば、使用されていない通信チャネルを使用してキャリブレーションウエイトを算出することができるので、通信信号の送受信に影響を与えずにキャリブレーションウエイトを更新することができる。
また、上記通信装置において、前記通信手段は、複数の周波数チャネルのうちの少なくとも1つを使用して通信を行い、前記キャリブレーションウエイト記憶手段は、前記複数の周波数チャネルの少なくとも一部について前記所定のキャリブレーションウエイト算出処理によって算出されたキャリブレーションウエイトを、前記複数の周波数チャネルのそれぞれと対応付けて記憶し、前記キャリブレーション制御手段は、前記複数の周波数チャネルのうちの一部について、前記所定のキャリブレーションウエイト算出処理により前記複数のアンテナのそれぞれについてのキャリブレーションウエイトを算出するよう当該通信装置を制御し、前記算出したキャリブレーションウエイトと、前記一部の周波数チャネルについて前記キャリブレーションウエイト記憶手段により記憶されるキャリブレーションウエイトと、が所定値以上異なっている場合に該記憶されるキャリブレーションウエイトを無効と判断する有効性判断手段、をさらに含み、前記キャリブレーション制御手段は、前記有効性判断手段により、前記一部の周波数チャネルについて前記キャリブレーションウエイト記憶手段により記憶されるキャリブレーションウエイトが無効と判断された場合、前記複数の周波数チャネルのうちの他の一部について、前記所定のキャリブレーションウエイト算出処理により前記複数のアンテナのそれぞれについてのキャリブレーションウエイトを算出するよう当該通信装置を制御し、前記キャリブレーションウエイト更新手段は、前記複数の周波数チャネルのそれぞれについて前記算出されたキャリブレーションウエイトにより、前記キャリブレーションウエイト記憶手段により該複数の周波数チャネルのそれぞれに対応づけて記憶されるキャリブレーションウエイトを更新する、こととしてもよい。
本発明によれば、少なくとも1つの周波数チャネルについて記憶されるキャリブレーションウエイトが有効でないと判断された場合、他の周波数チャネルについてのキャリブレーションウエイトを更新することができる。
また、本発明に係るキャリブレーションウエイト算出方法は、複数のアンテナを含み、前記複数のアンテナを介して信号の送受信を行うことにより、複数の周波数チャネルを使用して通信を行う通信手段と、前記複数のアンテナの少なくとも1つについて、環境条件ごとに所定のキャリブレーションウエイト算出処理によって算出されたキャリブレーションウエイトを、前記複数のアンテナおよび環境条件のそれぞれと対応付けて記憶するキャリブレーションウエイト記憶手段と、を含む通信装置においてキャリブレーションウエイトを算出するキャリブレーションウエイト算出方法であって、前記複数の周波数チャネルのそれぞれについて、前記通信手段により使用されているか否かを定期的に判断する判断ステップと、前記判断ステップにおいて使用されていないと判断される周波数チャネルを使用して、前記通信手段による前記通信の実行中に所定のキャリブレーションウエイト算出処理により前記複数のアンテナのそれぞれについてのキャリブレーションウエイトを算出するよう当該通信装置を制御するキャリブレーション制御ステップと、前記算出されたキャリブレーションウエイトにより、前記キャリブレーションウエイト記憶手段により記憶されるキャリブレーションウエイトのうち、該算出されたキャリブレーションの算出時の環境に基づく環境条件に対応づけて記憶されるキャリブレーションウエイトを更新するキャリブレーションウエイト更新ステップと、を含むことを特徴とする。
本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施の形態に係る移動体通信システム1の構成図である。該移動体通信システム1は、図1に示すように、基地局装置2と、移動局装置3と、通信ネットワーク4と、を含んで構成されている。移動体通信システム1では、基地局装置2と移動局装置3とが、互いに無線で通信を行う。また、移動局装置3は、基地局装置2を介して通信ネットワーク4との通信を行う。
基地局装置2は、図2に示すように、制御部10と、記憶部20と、ネットワークインターフェイス部30と、無線通信部40と、キャリブレーション部50と、を含んで構成されている。
制御部10は、記憶部20に記憶されるプログラムを実行するための処理ユニットを備え、基地局装置2の各部を制御するとともに、通話やデータ通信に関わる処理を実行している。
記憶部20は、制御部10のワークメモリとして動作する。また、この記憶部20は、制御部10によって行われる各種処理に関わるプログラムやパラメータを保持している。
ネットワークインターフェイス部30は、通信ネットワーク4と接続されており、通信ネットワーク4からの音声信号や通信用パケット等を受信して制御部10に出力したり、制御部10の指示に従って音声信号や通信用パケット等を通信ネットワーク4に対して送信したりする。
無線通信部40は、複数のアンテナを備え、移動局装置3からの音声信号や通信用パケット等を各アンテナでそれぞれ受信して復調し、制御部10に出力する。また、制御部10から入力される指示に従って、制御部10から入力される音声信号や通信用パケット等を変調し、各アンテナを介して無線区間に送出する。
なお、無線通信部40は、周波数分割多重方式(FDMA,Frequency Division Multiple Access)により互いに周波数の異なる複数の無線キャリアを使用して通信を行う。各無線キャリアはそれぞれ周波数チャネルを構成し、各周波数チャネルでは互いに異なる信号が送受信される。
また、無線通信部40は、複数の通信チャネルによる通信ができるよう、構成される。この通信チャネルは、周波数分割多重の多重単位である周波数チャネル、時分割多重の多重単位であるタイムスロット、符号分割多重の多重単位である符号、などの多重単位のうち少なくとも1つを利用してなる通信単位である。移動局装置3との通信を行う場合には、この通信チャネルのうちの少なくとも1つを使用して行う。
さらに、無線通信部40は、上記複数のアンテナをアダプティブアレイアンテナとして使用することにより、空間分割多重方式(SDMA,Space Division Multiple Access)にて通信を行う。空間分割多重方式は、複数のアンテナから送出する通信信号の振幅又は位相の少なくとも一方を調節することにより、移動局装置3の存在する位置にアンテナの指向性を合わせる方式である。空間分割多重方式では、複数のアンテナにおいて同じ信号が送受信される。
キャリブレーション部50は、キャリブレーションウエイト算出処理を行うためにカスタマイズされた移動局装置3である。キャリブレーションウエイト算出処理は、基地局装置2内での信号伝達の際に生ずる電力ロスや遅延を、送信信号の振幅や位相に反映させるために使用されるキャリブレーションウエイトを算出する処理である。このキャリブレーションウエイト算出処理については、後に詳述する。
移動局装置3は、基地局装置2から無線送信される信号を受信し、また、基地局装置2に対し信号を無線送信することにより、基地局装置2と通信を行う。移動局装置3の例としては、携帯電話端末、PHS端末、無線LAN端末が挙げられる。
なお、基地局装置2と移動局装置3との間で行われる通信では上記空間分割多重方式、周波数分割多重方式が使用されるとともに、時分割複信方式(TDD,Time Division Duplex)が使用される。この時分割復信方式では、同一の周波数チャネルが、移動局装置3から基地局装置2へ送信される信号(上り信号)と、基地局装置2から移動局装置3へ送信される信号(下り信号)とで、時分割切替されつつ、使用される。
通信ネットワーク4は複数のコンピュータ(不図示)と接続され、各コンピュータと、基地局装置2との間の通信を中継する。具体的には、移動体通信システムの交換機ネットワークであってもよいし、TCP/IP網であってもよい。
図3は、本実施の形態にかかる基地局装置2の機能ブロック及びハードウェア構成図である。同図に示すように、基地局装置2は、物理的には、基地局装置本体部70と、アンテナ部80と、これらを接続するケーブルと、を含んで構成される。
この基地局装置本体部70とアンテナ部80とは空間的に離隔して設置されている。具体的には、アンテナ部80は鉄塔の頂上、基地局装置本体部70は鉄塔の根元、というように配置されている。このように基地局装置本体部70とアンテナ部80とが離隔しているため、基地局装置2における信号送受信では、内部での信号伝達の際に電力ロスや遅延が生ずる。これらの電力ロスや遅延は、アンテナ部80と基地局装置本体部70とを接続するケーブルの長さや信号の通過する回路がアンテナごとに異なるため、アンテナごとに異なる。また、これらの電力ロスや遅延は周波数ごとにも異なり、さらに気温などの周辺環境の変化や時間の経過によっても変化する量である。
ところで、基地局装置2では上述のように空間分割多重方式が採用される。このため、基地局装置2は、受信した通信信号の振幅又は位相に基づいて、該受信した通信信号の振幅又は位相のアンテナ間における相違量を示す受信ウエイトを算出する。この算出処理は移動局装置3ごとに行われる。
そして、受信ウエイトに基づいて移動局装置3に指向性を合わせるよう、送信ウエイトを算出する。この算出処理も移動局装置3ごとに行われる。そして、算出した送信ウエイトをアンテナごとに通信信号に乗算することにより、通信信号の振幅又は位相の少なくとも一方を調節し、送出する電波の指向性を、移動局装置3に合わせている。
しかし、上述のように基地局装置2内部での信号伝達の際に、信号が通過する回路やケーブルなどアンテナごとに異なる回路要素があり、その為にアンテナごとに異なる電力ロスや遅延が生ずるので、受信ウエイトのみに基づいて送信ウエイトを算出すると、これら電力ロスや遅延のために、移動局装置3に対する指向性が合わなくなってしまう場合がある。そこで、本実施の形態では、既知のキャリブレーション信号を通信信号として送受信することにより、これらの電力ロスや遅延を予め測定するキャリブレーションウエイト算出処理を行い、その測定結果を示すキャリブレーションウエイトを、上記送信ウエイトに反映させている。すなわち、通信信号が送信される際、キャリブレーションウエイトに基づいて該通信信号の振幅又は位相に関する所定の校正処理(キャリブレーション)が行われるようにしている。
ところで、キャリブレーション信号の送受信にあたっては、無線通信部40のうち基地局装置本体部70にある部分と、キャリブレーション部50と、の間で、アンテナ部80を経由してキャリブレーション信号の送受信を行うが、この際、上記通信チャネルを使用する。このため、キャリブレーション信号の送受信を行っている間には、該キャリブレーション信号の送受信に使用されている通信チャネルを通信信号の送受信用に使用することはできない。すなわち、キャリブレーション信号の送受信を行っている間、通信信号の送受信に使用可能な無線リソースは減少する。
また、上述のように、電力ロスや遅延は、気温などの周辺環境の変化に伴って変化する。しかも、この変化はアンテナごとに異なる。このため、温度が変化する都度キャリブレーションウエイト算出処理を行う必要があるが、キャリブレーション信号の送受信を行う間、上述のように無線リソースが減少する。
そこで本実施の形態では、基地局装置2の環境温度とキャリブレーションウエイトとを対応付けてキャリブレーションウエイトテーブルに記憶している。そして、環境温度が変化した場合、変化後の環境温度と対応付けてキャリブレーションウエイトテーブルに記憶されているキャリブレーションウエイトを読み出す。このようにすることで、無線リソースの減少を招くことなく、温度変化に応じたキャリブレーションウエイトを取得することができるようにしている。
さらに、基地局装置2の内部での信号伝達の際に生ずる電力ロスや遅延は時間の経過とともに変化するので、キャリブレーションウエイトテーブルに記憶しているキャリブレーションウエイトはいずれ現実に合わなくなる。そこで、本実施の形態では、例えば定期的に、使用されていない通信チャネルが存在するか否かを確認し、そのような通信チャネルがある場合に、該通信チャネルでキャリブレーションウエイト算出処理を行うこととしている。
また、上述のように、基地局装置2はそれぞれ1又は複数の通信チャネルを含む複数の周波数チャネルを使用して通信を行うよう構成されている。一方、基地局装置2の内部での信号伝達の際に生ずる電力ロスや遅延は周波数ごとに異なるといえども、1つの周波数チャネルについてのこれら電力ロスや遅延が変化した場合、他の周波数チャネルについてのものも変化したとの推定は可能である。このため、本実施の形態では、1つの周波数チャネルに含まれる通信チャネルでキャリブレーションウエイト算出処理を行った結果と、キャリブレーションウエイトテーブルに記憶されている該周波数チャネルについてのキャリブレーションウエイトと、を比較する。このようにすることにより、キャリブレーションウエイトテーブルに記憶されているキャリブレーションウエイトが有効であるか否かを判断し、有効でないと判断した場合には、他の周波数チャネルについてもキャリブレーションウエイト算出処理を行うこととしている。
以下、図3乃至図5を参照しながら、具体的に説明する。
基地局装置本体部70は、送受信部71、温度測定部72、キャリブレーションウエイト記憶部73、キャリブレーションウエイト選択部74、無線アンテナキャリブレーション機能部75、無線リソース情報取得部76、キャリブレーションウエイト有効性判定部77、キャリブレーション更新部78、送受信部79を含んで構成される。アンテナ部80は複数のアンテナ81−i(i=1〜n,nはアンテナの本数)と、それぞれに対応してカプラ82−iを含んで構成される。アンテナ部80と送受信部71はケーブルによって接続されている。なお、アンテナ部80は、各アンテナ81−iと送受信部71の間にそれぞれ設置される増幅部を含むこととしてもよい(不図示)。
なお、温度測定部72、キャリブレーションウエイト選択部74、無線アンテナキャリブレーション機能部75、無線リソース情報取得部76、キャリブレーションウエイト有効性判定部77、キャリブレーション更新部78は制御部10に、キャリブレーションウエイト記憶部73は記憶部20に、送受信部71、アンテナ81−i、カプラ82−iは無線通信部40に、送受信部79はキャリブレーション部50に、それぞれ含まれる。
送受信部71は、1つの通信について複数の通信チャネルのうちの少なくとも1つを使用しつつ、通信信号の送受信を行う。このために、制御部10において取得される通信データを符号化・変調し、各通信チャネルに割り当てた上で、各アンテナ81−iに出力する。また、送受信部71は、アンテナ81−iごと、かつ周波数f(p=1〜m,mは周波数チャネル数)の周波数チャネルごと、の上記送信ウエイトwTip(i=1〜n,p=1〜m)を保持しており、アンテナ81−iごとの通信信号に、その周波数に対応した送信ウエイトを乗算する。具体的には、式(1)に示すように、通信信号S(t)に、その周波数についてのアンテナ81−iごとの送信ウエイトwTipを乗算し、各アンテナ81−i及び各周波数fに対応する通信信号Sip(t)を得ている。
ip(t)=S(t)×wTip ・・・(1)
温度測定部72は温度計を備えている。そして、該温度計により基地局装置本体部70の環境温度を測定し、送受信部71の環境温度として取得する。このようにして測定される基地局装置本体部70の温度は、外気温などの外的要因、及び装置の発する熱などの内的要因によって変化する。
キャリブレーションウエイト記憶部73は、送受信部71の環境温度とキャリブレーションウエイトとを周波数チャネルごとに対応付けて記憶するキャリブレーションウエイトテーブルを記憶する。図4に示すテーブルは、このキャリブレーションウエイトテーブルの例である。同図に示すキャリブレーションウエイトテーブルでは、周波数f(p=1〜m)の周波数チャネルごとに、5℃単位の範囲での送受信部71の環境温度と、キャリブレーションウエイトwCipと、が対応付けて記憶される。なお、このキャリブレーションウエイトは、各アンテナ81−iについてそれぞれ記憶されており、各アンテナ81−iについてのキャリブレーションウエイトを要素とするベクトルをキャリブレーションベクトルと称する。
また、キャリブレーションウエイトテーブルでは、各キャリブレーションベクトルについて、有効か無効かの判断結果を有効無効情報として記憶する。この有効無効情報については後述する。
キャリブレーションウエイト選択部74は、温度測定部72が取得した送受信部71の環境温度を取得する。そして、キャリブレーションウエイトテーブルに記憶されるキャリブレーションウエイトから、取得した環境温度と対応付けて記憶されるキャリブレーションウエイトのうち、特定の周波数fに対応付けて記憶されるキャリブレーションウエイトを選択する。この周波数fは、送受信部71が送信しようとする通信信号の周波数に基づいてキャリブレーションウエイト選択部74が決定している。そして選択したキャリブレーションウエイトをキャリブレーション更新部78に出力する。
一方、キャリブレーションウエイト選択部74は、取得した環境温度及び決定した周波数fと対応付けて記憶されるキャリブレーションウエイトが選択できなかった場合、つまり取得した環境温度及び決定した周波数fと対応付けてキャリブレーションウエイトが記憶されていなかった場合或いは記憶されていても有効無効情報により無効であることが示されている場合、無線アンテナキャリブレーション機能部75に対し、各アンテナ81−iについてのキャリブレーションウエイト算出処理を実行するよう指示を行う。
キャリブレーションウエイト選択部74からキャリブレーションウエイト算出処理を実行するよう指示された無線アンテナキャリブレーション機能部75は、キャリブレーションウエイト算出処理を実行するよう、当該基地局装置2を制御する。
具体的には、まず、キャリブレーションウエイト算出処理が実行できるよう、無線リソースを確保する。このために、無線リソース情報取得部76は、複数の通信チャネルのそれぞれについて、送受信部71において通信信号の送受信のために使用されているか否かを判断し、その結果を示す無線リソース情報を取得する。そして無線リソース情報取得部76は、取得した無線リソース情報を無線アンテナキャリブレーション機能部75に出力する。
無線アンテナキャリブレーション機能部75は、入力された無線リソース情報に基づき使用されていないことが示される通信チャネルを使用してキャリブレーションウエイト算出処理を実行するよう、送受信部71及び送受信部79を制御する。
なお、このキャリブレーションウエイト算出処理では、より具体的には、下り(基地局装置2からの送信)信号と上り(基地局装置2での受信)信号とに分けて、それぞれキャリブレーション信号の送受信が行われ、それぞれについてのキャリブレーションウエイト基礎量が算出される。このキャリブレーションウエイト基礎量は、キャリブレーションウエイトの上り信号と下り信号のそれぞれに関する成分を示す量である。キャリブレーションウエイト算出処理では、上り信号と下り信号のキャリブレーションウエイト基礎量に基づいて、キャリブレーションウエイトが算出される。
まず上り信号について説明する。上りにおいては、送受信部79は、既知のキャリブレーション信号を生成する。このとき、記憶部20に記憶されているキャリブレーション信号の選択により、キャリブレーション信号を生成することとしてもよい。なお、このキャリブレーション信号には、トーン信号(正弦波信号)やバースト信号(ビット列)を使用することができる。また、キャリブレーション信号の周波数は、このキャリブレーションウエイト算出処理において使用される通信チャネルの属する周波数チャネルの周波数(ここでは周波数f)となっている。そして、送受信部79は、各カプラ82−iに対して、生成したキャリブレーション信号を送信する。
カプラ82−iは、送受信部71からアンテナ81−iに至る通信線と、送受信部79からアンテナ81−iに至る通信線と、を電気的に連結する。つまり、カプラ82−iにより、送受信部71からアンテナ81−iに至る通信線を流れる信号は送受信部79からアンテナ81−iに至る通信線にも流れることとなり、逆に送受信部79からアンテナ81−iに至る通信線に流れる信号は送受信部71からアンテナ81−iに至る通信線にも流れることとなる。このため、例えば送受信部79からカプラ82−iに流れる信号を送受信部71において受信し、送受信部71からアンテナ81−iに流れる信号を送受信部79において受信することができるようになっている。
こうして送受信部79が生成したキャリブレーション信号を受信した送受信部71は、受信したキャリブレーション信号と、既知のキャリブレーション信号と、の位相及び振幅の相違量を取得する。そして、取得した相違量に基づいて、上り信号のキャリブレーションウエイト基礎量を、各アンテナ81−iについてそれぞれ算出する。
次に下り信号について説明する。下りにおいては、送受信部71が既知のキャリブレーション信号を生成し、各アンテナ81−iに対して送信する。このときも、記憶部20に記憶されているキャリブレーション信号の選択により、キャリブレーション信号を生成することとしてもよい。また、このキャリブレーション信号にも、トーン信号(正弦波信号)やバースト信号(ビット列)を使用することができる。なお、キャリブレーション信号の周波数も、このキャリブレーションウエイト算出処理において使用される通信チャネルの属する周波数チャネルの周波数fとなっている。
送受信部79は、送受信部71が生成したキャリブレーション信号を、カプラ82−iを介して受信する。そして、受信したキャリブレーション信号と、既知のキャリブレーション信号と、の位相及び振幅の相違量を取得する。送受信部79は、取得した相違量に基づいて、下り信号のキャリブレーションウエイト基礎量を、各アンテナ81−iについてそれぞれ算出する。
以上のようにして実行されるキャリブレーションウエイト算出処理によって算出された上り信号と下り信号のキャリブレーションウエイト基礎量の両方に基づいて、無線アンテナキャリブレーション機能部75は周波数fについてのキャリブレーションウエイトを算出する。そして、キャリブレーションウエイト算出処理を実行した際に温度測定部72が取得した送受信部の環境温度を取得し、実行されたキャリブレーションウエイト算出処理の結果得られるキャリブレーションウエイトを、該取得した環境温度及びこのキャリブレーションウエイト算出処理において使用した通信チャネルの周波数fとともに、キャリブレーションウエイト有効性判定部77に出力する。
キャリブレーションウエイト有効性判定部77は、入力された周波数f及び環境温度と対応付けてキャリブレーションウエイトテーブルに記憶されるキャリブレーションウエイトを読み出す。読み出した後、キャリブレーションウエイト有効性判定部77は、周波数fの周波数チャネルについて、入力された環境温度と、入力されたキャリブレーションウエイトと、「有効」を示す有効無効情報と、を対応付けてキャリブレーションウエイトテーブルに書き込む。
次に、キャリブレーションウエイト有効性判定部77は、読み出したキャリブレーションウエイトと、入力されたキャリブレーションウエイトと、を比較し、これらが所定閾値以上異なっているか否かを判断する。
キャリブレーションウエイト有効性判定部77は、上記判断の結果が所定閾値以上異なっていないことを示す場合には、記憶されているキャリブレーションウエイトは有効であると判断し、所定閾値以上に異なっていることを示す場合には、記憶されているキャリブレーションウエイトが無効になっていると判断する。キャリブレーションウエイト有効性判定部77は、この判断結果を示す有効無効情報を、キャリブレーションウエイトテーブルにおいて周波数fの周波数チャネル以外の周波数チャネルについて書き込む。
ここで書き込んだ有効無効情報は、上述のように、キャリブレーションウエイト選択部74がキャリブレーションウエイトを選択する際に参照される。このようにすることにより、キャリブレーションウエイトを更新するまで選択されないようにしている。
記憶されているキャリブレーションウエイトが有効であると判断した場合、キャリブレーションウエイト有効性判定部77は、キャリブレーションウエイト選択部74に再度キャリブレーションウエイト選択を行うよう指示する。この指示を受けたキャリブレーションウエイト選択部74は、キャリブレーションウエイトテーブルに記憶されるキャリブレーションウエイトから、取得していた環境温度及び決定していた周波数と対応付けて記憶されるキャリブレーションウエイトを選択する。そして選択したキャリブレーションウエイトをキャリブレーション更新部78に出力する。
一方、記憶されているキャリブレーションウエイトが無効になっていると判断した場合、キャリブレーションウエイト有効性判定部77は、キャリブレーションウエイト算出処理を再実行するよう、無線アンテナキャリブレーション機能部75に指示を行う。この指示を受けた無線アンテナキャリブレーション機能部75は、周波数fの周波数チャネル以外の周波数チャネルに属する通信チャネルを使用してキャリブレーションウエイト算出処理を実行するよう、送受信部71及び送受信部79を制御する。このとき、周波数fの周波数チャネル以外の周波数チャネル全てについて、それぞれキャリブレーションウエイト算出処理を実行するよう、送受信部71及び送受信部79を制御することが望ましい。そして無線アンテナキャリブレーション機能部75は、各周波数チャネルについてのキャリブレーションウエイトを算出する。
無線アンテナキャリブレーション機能部75は、各キャリブレーションウエイト算出処理を実行した際に温度測定部72が取得した送受信部の環境温度を取得し、実行された各キャリブレーションウエイト算出処理の結果得られるキャリブレーションウエイトを、該取得した環境温度及び各キャリブレーションウエイト算出処理において使用した通信チャネルの周波数fとともに、キャリブレーションウエイト有効性判定部77に出力する。キャリブレーションウエイト有効性判定部77は、出力された周波数、環境温度、及びキャリブレーションウエイトによりキャリブレーションウエイトテーブルを更新する。そして、キャリブレーションウエイト選択部74に再度キャリブレーションウエイト選択を行うよう指示する。この指示を受けたキャリブレーションウエイト選択部74は、キャリブレーションウエイトテーブルに記憶されるキャリブレーションウエイトから、取得していた環境温度及び決定していた周波数と対応付けて記憶されるキャリブレーションウエイトを選択する。そして選択したキャリブレーションウエイトをキャリブレーション更新部78に出力する。
キャリブレーション更新部78は、キャリブレーションウエイト選択部74から入力されるキャリブレーションウエイトにより、送受信部71が保持している送信ウエイトを更新する。具体的には、ある周波数f及びアンテナ81−iについての送信ウエイトを、該周波数f及び該アンテナ81−iについてのキャリブレーションウエイトにより更新する。すなわち、送信ウエイトによる通信信号の振幅又は位相の少なくとも一方の調節を受けた通信信号に、さらにキャリブレーションウエイトによる通信信号の振幅又は位相の少なくとも一方の調節を行ってなる通信信号を得ることができるよう、送信ウエイトを更新する。
より具体的には、キャリブレーション更新部78は、空間分割多重方式において算出される送信ウエイトwRipを、キャリブレーションウエイトwCipによって、以下の式(2)により更新し、上記送信ウエイトwTipを取得している。
Tip=wRip×wCip ・・・(2)
以上のようにすることにより、使用されていない通信チャネルを使用してキャリブレーションウエイトを算出することができるので、通信信号の送受信に影響を与えずにキャリブレーションウエイトを更新することができる。また、少なくとも1つの周波数チャネルについて記憶されるキャリブレーションウエイトが有効でないと判断された場合、他の周波数チャネルについてのキャリブレーションウエイトを更新することができる。
なお、温度測定部72が取得した送受信部の環境温度と対応付けてキャリブレーションウエイトが記憶されていなかった場合だけでなく、所定の条件が整った場合にキャリブレーションウエイト算出処理を実行することとしてもよい。この所定の条件としては、前回のキャリブレーションからの経過時間が所定時間となったことなどが挙げられる。この場合、キャリブレーションウエイト算出処理が定期的に行われることになる。
以上の本実施の形態に係る処理を、基地局装置2の処理フロー図を参照しながらより詳細に説明する。
図5は、第1の実施形態に係る基地局装置2の処理のフロー図である。同図に示すように、まず、温度測定部72による温度計測が行われる(S100)。そして、測定した温度に所定量以上の変化があったか否かを判断し(S101)、変化があったと判断される場合、温度測定部72は、キャリブレーションウエイト選択部74に測定した温度を出力する。
キャリブレーションウエイト選択部74は、出力された温度を送受信部71の環境温度として取得するとともに周波数を決定し、キャリブレーションウエイトテーブルに、取得した送受信部71の環境温度及び決定した周波数と対応付けて記憶され、有効無効情報が有効となっているキャリブレーションウエイトがあるか否かを判断する(S102)。そのようなキャリブレーションウエイトが記憶されていた場合、該キャリブレーションウエイトを読み出してキャリブレーション更新部78に出力する(S106)。一方、記憶されていなかった場合、キャリブレーションウエイト選択部74は無線アンテナキャリブレーション機能部75に対して、キャリブレーションウエイト算出処理を行うよう指示をする。
キャリブレーションウエイト選択部74から指示を受けた無線アンテナキャリブレーション機能部75は、キャリブレーションウエイト算出処理を実行するよう、当該基地局装置2を制御する(S103)。このとき、無線アンテナキャリブレーション機能部75は、キャリブレーションウエイト算出処理を実行するための無線リソースを確保する。つまり、空き通信チャネルを取得する。全ての通信チャネルが使用されている場合には、いずれかの通信チャネルが空くまで待機するか、強制的にいずれかの通信チャネルを解放する。そして、確保した無線リソースを使用してキャリブレーションウエイト算出処理を実行するよう、当該基地局装置2を制御している。
無線アンテナキャリブレーション機能部75は、実行したキャリブレーションウエイト算出処理の結果であるキャリブレーションウエイトを取得して、キャリブレーションウエイト有効性判定部77に出力する。キャリブレーションウエイト有効性判定部77は、入力されたキャリブレーションウエイトが有効であるか否かを閾値判定により判断する(S104)。そして、有効と判断した場合には、キャリブレーションテーブルのうち、入力されたキャリブレーションウエイトに対応する有効無効情報を「有効」とした上で、キャリブレーションウエイト選択部74に再度S102の判断処理を行うよう、指示を行う。
一方、無効と判断した場合には、無線アンテナキャリブレーション機能部75に全無線キャリアにおいてキャリブレーションを実行させる(S105)。そして、その結果として取得されるキャリブレーションウエイトと、キャリブレーションウエイト算出処理を実行した際に温度測定部72により取得されていた送受信部の環境温度と、キャリブレーション時に使用した通信チャネルの周波数と、によりキャリブレーションウエイトテーブルを更新する(S106)。このとき、各キャリブレーションウエイトに対応する有効無効情報を「有効」としておく。また、キャリブレーションウエイト選択部74に再度S102の判断処理を行うよう指示を行い、該指示を受けたキャリブレーションウエイト選択部74は、読み出したキャリブレーションウエイトをキャリブレーション更新部78に出力する。
キャリブレーション更新部78は、送受信部71が保持している送信ウエイトを、入力されるキャリブレーションウエイトにより更新する(S106)ことにより、キャリブレーションウエイトによる通信信号の校正処理を行う。
以上のようにして、本実施形態にかかる基地局装置2は、キャリブレーションウエイトテーブルの生成及び送信ウエイトの更新を行っている。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。
例えば、上記実施の形態では環境温度の変化を契機としたキャリブレーションの実施について説明したが、通信品質が急激に悪化したことを契機としてキャリブレーションベクトルが有効か無効かを判断することとしてもよい。こうすることにより、間接的に、基地局装置内での信号伝達の際に生ずる電力ロスや遅延が変化したために通信品質が悪化したのか(この場合、キャリブレーションベクトルは無効と判断される)、あるいはそのほかの原因があるのか(この場合、キャリブレーションベクトルは有効と判断される)、を判断することができる。そして、基地局装置内での信号伝達の際に生ずる電力ロスや遅延が変化したことが原因である場合には、キャリブレーションベクトルを更新することにより迅速に通信品質を復旧させることが可能になる。
本発明の実施の形態に係る移動体通信システムのシステム構成図である。 本発明の実施の形態に係る基地局装置のシステム構成図である。 本発明の第1の実施の形態に係る基地局装置の機能ブロック及びハードウェア構成を示す図である。 本発明の第1の実施の形態に係るキャリブレーションウエイトテーブルを示す図である。 本発明の第1の実施の形態に係る処理のフロー図である。
符号の説明
1 移動体通信システム、2 基地局装置、3 移動局装置、4 通信ネットワーク、10 制御部、20 記憶部、30 ネットワークインターフェイス部、40 無線通信部、50 キャリブレーション部、70 基地局装置本体部、71 送受信部、72 温度測定部、73 キャリブレーションウエイト記憶部、74 キャリブレーションウエイト選択部、75 無線アンテナキャリブレーション機能部、76 無線リソース情報取得部、77 キャリブレーションウエイト有効性判定部、78 キャリブレーション更新部、79 送受信部、80 アンテナ部、81 アンテナ、82 カプラ。

Claims (3)

  1. 複数のアンテナを含み、
    前記複数のアンテナを介して信号の送受信を行うことにより、複数の周波数チャネルを使用して通信を行う通信手段を含む通信装置において、
    前記複数のアンテナの少なくとも1つについて、環境条件ごとに所定のキャリブレーションウエイト算出処理によって算出されたキャリブレーションウエイトを、前記複数のアンテナおよび環境条件のそれぞれと対応付けて記憶するキャリブレーションウエイト記憶手段と、
    前記複数の周波数チャネルのそれぞれについて、前記通信手段により使用されているか否かを定期的に判断する判断手段と、
    前記判断手段により使用されていないと判断される周波数チャネルを使用して、前記通信手段による前記通信の実行中に所定のキャリブレーションウエイト算出処理により前記複数のアンテナのそれぞれについてのキャリブレーションウエイトを算出するよう当該通信装置を制御するキャリブレーション制御手段と、
    前記算出されたキャリブレーションウエイトにより、前記キャリブレーションウエイト記憶手段により記憶されるキャリブレーションウエイトのうち、該算出されたキャリブレーションウエイトの算出時の環境に基づく環境条件に対応づけて記憶されるキャリブレーションウエイトを更新するキャリブレーションウエイト更新手段と、
    を含むことを特徴とする通信装置。
  2. 請求項1に記載の通信装置において、
    前記通信手段は、複数の周波数チャネルのうちの少なくとも1つを使用して通信を行い、
    前記キャリブレーションウエイト記憶手段は、前記複数の周波数チャネルの少なくとも一部について前記所定のキャリブレーションウエイト算出処理によって算出されたキャリブレーションウエイトを、前記複数の周波数チャネルのそれぞれと対応付けて記憶し、
    前記キャリブレーション制御手段は、前記複数の周波数チャネルのうちの一部について、前記所定のキャリブレーションウエイト算出処理により前記複数のアンテナのそれぞれについてのキャリブレーションウエイトを算出するよう当該通信装置を制御し、
    前記算出したキャリブレーションウエイトと、前記一部の周波数チャネルについて前記キャリブレーションウエイト記憶手段により記憶されるキャリブレーションウエイトと、が所定値以上異なっている場合に該記憶されるキャリブレーションウエイトを無効と判断する有効性判断手段、をさらに含み、
    前記キャリブレーション制御手段は、前記有効性判断手段により、前記一部の周波数チャネルについて前記キャリブレーションウエイト記憶手段により記憶されるキャリブレーションウエイトが無効と判断された場合、前記複数の周波数チャネルのうちの他の一部について、前記所定のキャリブレーションウエイト算出処理により前記複数のアンテナのそれぞれについてのキャリブレーションウエイトを算出するよう当該通信装置を制御し、
    前記キャリブレーションウエイト更新手段は、前記複数の周波数チャネルのそれぞれについて前記算出されたキャリブレーションウエイトにより、前記キャリブレーションウエイト記憶手段により該複数の周波数チャネルのそれぞれに対応づけて記憶されるキャリブレーションウエイトを更新する、
    ことを特徴とする通信装置。
  3. 複数のアンテナを含み、
    前記複数のアンテナを介して信号の送受信を行うことにより、複数の周波数チャネルを使用して通信を行う通信手段と、
    前記複数のアンテナの少なくとも1つについて、環境条件ごとに所定のキャリブレーションウエイト算出処理によって算出されたキャリブレーションウエイトを、前記複数のアンテナおよび環境条件のそれぞれと対応付けて記憶するキャリブレーションウエイト記憶手段と、
    を含む通信装置においてキャリブレーションウエイトを算出するキャリブレーションウエイト更新方法であって、
    前記複数の周波数チャネルのそれぞれについて、前記通信手段により使用されているか否かを定期的に判断する判断ステップと、
    前記判断ステップにおいて使用されていないと判断される周波数チャネルを使用して、前記通信手段による前記通信の実行中に所定のキャリブレーションウエイト算出処理により前記複数のアンテナのそれぞれについてのキャリブレーションウエイトを算出するよう当該通信装置を制御するキャリブレーション制御ステップと、
    前記算出されたキャリブレーションウエイトにより、前記キャリブレーションウエイト記憶手段により記憶されるキャリブレーションウエイトのうち、該算出されたキャリブレーションウエイトの算出時の環境に基づく環境条件に対応づけて記憶されるキャリブレーションウエイトを更新するキャリブレーションウエイト更新ステップと、
    を含むことを特徴とするキャリブレーションウエイト更新方法。
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