JP4996825B2 - 視野角制御表示装置及び視野角制御素子 - Google Patents

視野角制御表示装置及び視野角制御素子 Download PDF

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Description

本発明は、視野角制御表示装置及び視野角制御素子に関する。
現在、表示装置は、人と機械とをつなぐインターフェースとして広く使用され、目覚しい進展を果たしている。多くの場合、表示装置の視野角は広いほうが好ましい。そのため、表示装置の開発は視野角を広げる方向で進められてきた。
かかる表示装置に、セキュリティ性の高い情報を表示する場合がある。このとき、広視野角の表示装置にセキュリティ性の高い情報を表示すると、第三者に表示を見られてしまう可能性がある。そこで、プライバシ−保護への要求から、視野角を特定の範囲に制御する必要性が高まっている。
また、昨今、カーナビゲーション技術の発展に伴い、多くの車にカーナビゲーションシステムが装備されるようになった。通常、カーナビゲーションシステムにおいて地図を表示するための表示装置は、同時にテレビ受像機としても機能する。このとき、表示装置は、当然のことながら運転席からも視認することができるが、運転中に運転者がテレビ画像を見ることは安全上の問題がある。従って、表示装置がテレビ画像を表示している場合には、助手席からは画面を見ることができる一方で、運転席からは画面を見ることができないように、やはり視野角を制御する必要性が高まっている。
表示装置の視野角制御技術として、さまざまな手段が開発されている(例えば、特許文献1〜3および非特許文献1参照。)。
特開2003−23307号公報 特開平8−114795号公報 特開平9−105958号公報 松本正一・角田市良共著「液晶の基礎と応用」、工業調査会、1991年5月20日、10章 9.2
特許文献1に記載された視野角制御表示装置では、配向膜が視認可能な大きさの複数領域に区画され、そして隣接する領域の配向を異ならせている。従って、正面以外の方向から見た場合に固定パタ−ンが視認され、これにより、視野角を狭くしている。しかしながら、特許文献1に記載された視野角制御表示装置は、斜め方向から観察した場合に、固定パタ−ンを介して表示素子に表示された情報が見えてしまうという問題がある。また、主視野角が正面方向であるため、正面以外が主視野角であるような場合には適用できないという問題がある。
本発明は、上述のような従来技術の課題を解決するためになされたものであり、視野角制御状態において視野角制御方向の光の遮光度が高い視野角制御素子及び視野角制御表示装置を提供することを目的とする。
第1の態様にかかる視野角制御表示装置は、表示素子と視野角制御素子とを備え視野角制御状態において当該表示素子の表示面に対して垂直な面より一定角度傾斜した視認非制限方向から当該表示素子を視認することを可能としつつ、前記視認非制限方向が傾斜した側と反対側に傾斜した視認制限方向から当該表示素子を視認することを制限する表示装置であって、前記視野角制御素子はツイステッドネマチック素子を備え、当該ツイステッドネマチック素子のリタデーション値はリタデーション値の値に対する垂直透過率の極大点を含む所定の範囲のうち、リタデーション値が最も小さい第一の範囲よりも大きい第二の範囲以降の範囲としたものである。これにより、視野角制御状態において視認非制限方向に対する透過率を高めることができ、明るい画像を提供できる。なお、本発明において垂直透過率とは表示素子の表示面に対して垂直な面で測定した光の透過率であり、単に透過率とは測定角度を垂直方向に限定しない様々な角度からの光の透過率を指すものとする。
第2の態様にかかる視野角制御表示装置は、表示素子と視野角制御素子とを備え視野角制御状態において当該表示素子の表示面に対して垂直な面より一定角度傾斜した視認非制限方向から当該表示素子を視認することを可能としつつ、前記視認非制限方向が傾斜した側と反対側に傾斜した視認制限方向から当該表示素子を視認することを制限する表示装置であって、前記視野角制御素子はツイステッドネマチック素子を備え、当該ツイステッドネマチック素子のリタデーション値を0.9〜1.9μmの範囲としたものである。これにより、視野角制御状態において視認非制限方向に対する透過率を高めることができ、明るい画像を提供できる。
第3の態様にかかる視野角制御表示装置は、表示素子と視野角制御素子とを備えた視野角制御表示装置であって、前記視野角制御素子は電気的に視野角制御状態と非視野角制御状態を切り替えることができ、視野角制御状態において視野角制御素子に垂直な任意の面から垂直方向に対して+40°傾斜した角度の光の透過率が1%以下であり、−40°傾斜した角度の光の透過率が10%以上であって、非制御状態において±40°傾斜した角度の光の透過率が10%以上であることを特徴とするものである。これにより、表示を制限する方向に対しては十分に遮光でき、かつ表示を制限しない方向に対しては、十分な明るさで表示できる。
第4の態様にかかる視野角制御表示装置におけるツイステッドネマチック素子では偏光板の透過偏光軸と、最近接の液晶分子の短軸方向のなす角を液晶分子の長軸方向となす角よりも狭くしている。これにより、視野角制御状態において視認制限方向に対して遮光性を向上できるとともに、視認非制限方向に対する透過率を高めることができ、明るい画像を提供できる。
第5の態様にかかる視野角制御表示装置は、表示素子による表示領域に、視野角制御可能な制御領域と、視野角制御できない非制御領域を設けたものである。これにより、非制御領域は明るさを有しているため制御領域が遮光状態にある場合、周囲光が暗い環境において、視認者の暗順応を抑制し、制御方向の遮光効果を高めることができる。
第6の態様にかかる視野角制御表示装置における視野角制御素子は視野角制御状態において前記視認制限方向に遮光性を生じさせるツイステッドネマチック素子を2層以上備えている。これによって、視野角制御状態において視認制限方向に対する遮光性を向上させることができる。
第7の態様にかかる視野角制御表示装置において、前記ツイステッドネマチック素子のうち少なくとも一つのツイステッドネマチック素子のツイスト方向が他のツイステッドネマチック素子に対して逆ツイストの関係にある。これによって、視野角制御状態において視認非制限方向に対する透過率を高めることができ、明るい画像を提供でき、また視野角非制御状態において視認方向による色味変化の小さい画像を提供することができる。
第8の態様にかかる視野角制御表示装置において、前記ツイステッドネマチック素子は、少なくとも一つのツイステッドネマチック素子のリタデーション値が0.3〜0.55μmの範囲にあり、少なくとも一つのツイステッドネマチック素子のリタデーション値が0.9〜1.9μmの範囲にある。これによって、特に、視野角制御状態において視認非制限方向に対する透過率を高めることができ、明るい画像を提供できる。
第9の態様にかかる視野角制御表示装置において、前記ツイステッドネマチック素子は、相互に独立して視野角制御可能である。これによって、外光が明るい環境下では、1層のみによる視野角制御を行うなどの細かい処理を実現できる。
第10の態様にかかる視野角制御表示装置における表示素子は、液晶表示素子とバックライトを備え、前記視野角制御素子は当該液晶表示素子に対して反バックライト側に配置される。これにより、視認制限方向に対する遮光特性を向上させることができる。
第11の態様にかかる視野角制御表示装置の視野角制御素子におけるツイステッドネマチック素子間、または、前記ツイステッドネマチック素子と前記液晶表示素子間にある偏光板を、挟持する二つの素子で共用している。これにより、偏光板の数を減らすことができるため偏光板の吸光による透過率低下を低減し、光の利用効率を向上させることができる。
第12の態様にかかる視野角制御表示装置において、前記液晶表示素子、または、前記視野角制御素子が各々有する最近接の偏光板であって、各々の偏光板の間に、位相差板が配置されている。これにより、液晶表示素子と視野角制御素子間の位相を揃えることができる。
第13の態様にかかる視野角制御表示装置は、車載用の表示装置であって、前記視野角制御素子は、視野角制御状態において助手席からの視認を可能とし、運転席からの視認を制限するように視野角を制御する。これにより、運転席に対してテレビ画像等の表示を制限できるため、安全性を高めることができる。
第14の態様にかかる視野角制御素子は、視野角制御状態においてその主面に対して垂直な面より一定角度傾斜した視認非制限方向に対して光を透過させ、反対側に傾斜した視認制限方向に対して光を遮光する視野角制御素子であって、視野角制御状態において前記視認制限方向に遮光性を生じさせるツイステッドネマチック素子を2層以上備えたものである。これによって、視野角制御状態において視認制限方向に対する遮光性を向上させることができる。
第15の態様にかかる視野角制御素子は、視野角制御状態においてその主面に対して垂直な面より一定角度傾斜した視認非制限方向に対して光を透過させ、前記視認非制限方向が傾斜した側と反対側に傾斜した視認制限方向に対して光を遮光する視野角制御素子であって、この視野角制御素子はツイステッドネマチック素子を備え、当該ツイステッドネマチック素子のリタデーション値はリタデーション値の値に対する垂直透過率の極大点を含む所定の範囲のうち、リタデーション値が最も小さい第一の範囲よりも大きい第二の範囲以降の範囲としたものである。これにより、視野角制御状態において視認非制限方向に対する透過率を高めることができ、明るい画像を提供できる。
第16の態様にかかる視野角制御素子は、視野角制御状態においてその主面に対して垂直な面より一定角度傾斜した視認非制限方向に対して光を透過させ、前記視認非制限方向が傾斜した側と反対側に傾斜した視認制限方向に対して光を遮光する視野角制御素子であって、前記視野角制御素子はツイステッドネマチック素子を備え、当該ツイステッドネマチック素子のリタデーション値が0.9〜1.9μmの範囲である。これにより、視野角制御状態において視認非制限方向に対する透過率を高めることができ、明るい画像を提供できる。
第17の態様にかかる視野角制御素子は、視野角制御状態においてその主面に対して垂直な面より一定角度傾斜した視認非制限方向に対して光を透過させ、前記視認非制限方向が傾斜した側と反対側に傾斜した視認制限方向に対して光を遮光する視野角制御素子であって、前記視野角制御素子は電気的に視野角制御状態と非視野角制御状態を切り替えることができ、視野角制御状態において視野角制御素子に垂直な任意の面から垂直方向に対して+40°傾斜した角度の光の透過率が1%以下であり、−40°傾斜した角度の光の透過率が10%以上であって、非制御状態において±40°傾斜した角度の光の透過率10%以上である。これにより、表示を制限する方向に対しては十分に遮光でき、かつ表示を制限しない方向に対しては、十分な明るさで表示できるように視野角を制御できる。
本発明によれば、視野角制御状態において視野角制御方向の光の遮光度が高い視野角制御素子及び視野角制御表示装置を提供することができる。
以下に、本発明を適用可能な実施の形態が説明される。以下の説明は、本発明の実施の形態を説明するものであり、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
図1は、本発明にかかる視野角制御表示装置(以下、単に表示装置とする)の模式的断面図である。図1に示す表示装置100は、液晶表示装置であり、液晶表示素子101、視野角制御素子102及びバックライトユニット103を備えている。本例にかかる表示装置100は、車載用の表示装置であり、カーナビゲーションシステムにおいて用いられる。従って、表示装置100は、四輪自動車の車内前方の中央部に設けられ、運転席及び助手席から視認することができる。そして、表示装置100には、カーナビゲーションモードでは地図情報が表示され、テレビモードやDVDモードでは映像情報が表示される。なお、図1において、上方が視認側、下方が反視認側である。
液晶表示素子101は、従来から知られているTN(Twisted Nematic:ツイステッドネマチック)方式、STN(Super Twisted Nematic)方式等のパッシブマトリクス方式や、薄膜トランジスタ(TFT)を用いたアクティブマトリクス方式あるいはセグメント方式のいずれでもよい。また、液晶表示素子101においては、例えば、TN、STN、IPS(In−Plane Switching)、OCB(Optically Compensated Birefringence)等が用いられる。液晶表示素子101の視認側、反視認側には配向方向に応じて各々透過軸を所定の方向に配置した偏光膜が設けられる。
視野角制御素子102は、電気的制御により表示装置100の視野角を制御する素子であり、後にその構成及び機能について詳述する。この視野角制御素子102には、図示しない駆動回路よりカーナビゲーションシステムのモードに応じて電圧の供給が制御される。例えば、カーナビゲーションモードでは、視野角制御素子102に対して電圧が供給されないため、視野角は制御されない。また、テレビモード等では、視野角制御素子102に対して電圧が供給され、視野角が制御される。このとき、視野角制御素子102は、運転席からの視認を制限する。
バックライトユニット103は、液晶表示素子101の反視認側から当該液晶表示素子101に対して背面光を照射する。バックライトユニット103は、例えば、光源となる冷陰極管の他、導光板、輝度上昇フィルム、偏光分離膜(DBEF:3M社製)等の構成を備えている。また、バックライトユニット103の光源として、3波長LED(Laser Emitting Diode)や白色有機EL(Electro Luminescence)等を用いることもできる。
液晶表示素子101、視野角制御素子102及びバックライトユニット103のそれぞれの間は、接着性の樹脂によって接着し、固定するようにしてもよい。これによりそれぞれの部材界面における反射が低減され、透過率の低下を防止でき、光の利用効率を向上させることができる。
なお、図1に示す表示装置では、視野角制御素子102を液晶表示素子101とバックライトユニット103の間に配置したが、液晶表示素子101の視認側に配置してもよい。また、液晶表示素子102の代わりにCRT(Cathode Ray Tube)や有機EL素子等の自発光素子を用いる場合には、自発光素子の視認側に視野角制御素子102を配置する。
次に図2を用いて視野角制御素子102の構成について説明する。図2は視野角制御素子102の模式的断面図である。図2において上方は液晶表示素子101が配置された側、即ち視認側であり、下方はバックライトユニット103が配置された側、即ち反視認側である。
視野角制御素子102は、第1TN(ツイステッドネマチック)素子1021と第2TN(ツイステッドネマチック)素子1022の2層構造を有している。本発明では、このようにTN素子を2層構造とすることにより、遮光特性を向上させることができた。TN素子を3層以上積層することにより、さらに遮光特性を向上させることができる。そして、第1TN素子1021の視認側には偏光板21が、第1のTN素子1022と第2TN素子1022の間には偏光板22が、さらに第2TN素子1022の反視認側には偏光板23が設けられている。これらの偏光板21、22、23は、各々透過軸が所定の方向に配置された偏光膜である。偏光板21、22、23として薄型TAC(トリアセテ−ト)偏光板を用いても良い。
なお、図2に示す構成例では、第1TN素子1021と第2TN素子1022の間の偏光板22は1枚とし、第1TN素子1021と第2TN素子1022とで偏光板を共用しているが、これに限らず、両者間に2枚の偏光板を設けるようにしてもよい。
また、視野角制御素子102の視認側には図1に示されるように液晶表示素子101が設けられており、この液晶表示素子101においてもその視認側及び反視認側の双方に偏光板を設ける必要があるが、視野角制御素子102の視認側に設けた偏光板21を液晶表示素子101の反視認側に設けるべき偏光板と共用するようにしてもよい。この場合には、第1TN素子1021と、液晶表示素子101の透明基板間には、1枚の偏光板が設けられる。このような構成によれば液晶表示素子101と視野角制御素子102とで重複して偏光板を設けておらず、偏光板の数を減らすことができるため偏光板の吸光による透過率低下を抑制し、光の利用効率を向上させることができる。
また、視野角制御素子102が液晶表示素子101の視認側に配置されている場合、第2TN素子1022の反視認側の偏光板23を液晶表示素子101と共用することができる。従って、このような配置においても偏光板の吸光による透過率低下を防止し、光の利用効率を向上させることができる。
さらに、バックライトユニット103から出射される光が偏光性を有する場合には、バックライトユニット103に対して最も近接する偏光板(図2に示す例では偏光板23)を設けなくてもよい。これにより偏光板による透過率低下を低減し、光の利用効率を向上させることができる。
第1TN素子1021では、2枚の透明基板11、12の間にTN液晶51が挟持され、シ−ル材6によりその外周が封止されている。透明基板11、12は、ガラスや透明樹脂により形成されている。透明基板11、12の片面上には、電極31、32がそれぞれ形成されている。電極31、32は、例えば、ITO等の透明電極により形成されている。電極31と電極32間に図示しない駆動回路により所定電圧を印加することによりTN液晶51における液晶分子の配列を変化させ、バックライトユニット103から入射した光の透過・遮断を制御できる。
さらに電極31、32上には、配向膜41、42が積層されている。配向膜41、42は、TN液晶51の配向を制御するために設けられている。この配向膜41、42は、電極31、32が形成された透明基板11、12の表面に例えばポリイミドの有機膜を印刷し、かかる有機膜の表面にラビング処理を施すことによって、配向異方性を生じさせることにより形成される。
第2TN素子1022は、第1TN素子1021と同様の構成を有し、透明基板13、14、電極33、34、配向膜43、44、TN液晶52及びシ−ル材6を備えている。電極33と電極34間には所定電圧を印加することができ、これによりTN液晶52における液晶分子の配列を変化させることができ、バックライトユニット103から入射した光の透過・遮断を制御できる。
液晶表示素子101において反視認側に設けられた偏光板(図示せず)の透過軸と、視野角制御素子102において第1TN素子1021の視認側に設けられた偏光板21の透過軸とが異なる場合には、液晶表示素子101の偏光板と、視野角制御素子102の偏光板21の間に位相差フィルム、即ち位相差板(図示せず)を配置してもよい。当該位相差板は、直線偏光の方向を回転させ、両偏光板の透過軸を揃えることができる。
次に、図3を参照して、視野角制御素子102における各光学系の軸配置について説明する。図3(a)は偏光板21、同図(b)は第1TN素子1021、同図(c)は偏光板22、同図(d)は第2TN素子1022、同図(e)は偏光板23のそれぞれの吸収軸配置を示す。なお、軸角は第1TN素子1021の中心における液晶分子長軸を基準線(図示点線)とし、これに対して左回りを正数としている。また、第1TN素子1021及び第2TN素子1022の軸配置を示す図3(b)(d)においてFは視認側の配向膜41、43の配向軸を示し、Rは反視認側の配向膜42、44の配向軸を表す。
図3(a)に示されるように、偏光板21の吸収軸角をθ1とすると、θ1は135〜140°もしくは40〜45°に設定され、より好ましくは137〜140°もしくは40〜43°に設定される。これにより視野角制御素子を用いて本発明における視認制限方向と視認非制限方向での透過率比を向上することが可能になる。即ち視野角制御方向での遮光率を向上させるとともに視野角制御方向の広い範囲で高い遮光率を達成することができ、かつ、非視野角制御方向の透過率の低下を抑制し、視野角制御素子としての性能を向上できるからである。
また、図3(b)に示されるように、第1TN素子1021の視認側における配向軸の軸角をθ2とすると、θ2は120〜155°もしくは25〜60°に設定され、より好ましくは、135〜145°もしくは35°〜45°に設定される。また、視認側の配向方向から反視認側の配向方向に至るねじれ角をφ2とすると、φ2は50〜120°もしくは−50〜−120°に設定され、より好ましくは70〜90°もしくは−70〜−90°に設定される。また、液晶分子の屈折率異方性(測定光波長589nm、以下同じ)Δn2と液晶層の厚みd2の積であるリタデ−ション値Δn2・d2は、第一の範囲0.3〜0.55μm、第二の範囲0.9〜1.3μm又は第三の範囲1.3〜1.9μmのいずれかに設定され、より好ましくは第二の範囲0.9〜1.3μmに設定される。リタデーション値Δn2・d2を第二の範囲に設定することにより、第一の範囲に設定した場合よりも視認非制限方向に対する透過率を高めることができ、また、第三の範囲に設定した場合よりも視認制限方向に対する遮光性を高めることができるからである。
図3(c)に示されるように、偏光板22の軸角をθ3とすると、θ3は40〜45°若しくは135〜140°に設定され、より好ましくは40〜43°もしくは137〜140°に設定される。θ1の設定と同様に、視認制限方向の広い範囲での高遮光率と視認非制限方向での透過率低下の防止を両立でき、視野角制御素子としての性能を向上できるからである。
図3(d)に示されるように、第2TN素子1022の視認側における配向軸の軸角をθ4とすると、θ4は25〜60°もしくは120〜155°に設定され、より好ましくは35〜45°もしくは135〜145°に設定される。また、視認側の配向方向から反視認側の配向方向に至るねじれ角をφ4とすると、φ4は−50〜−120°もしくは50〜120°に設定され、より好ましくは−70〜−90°もしくは70〜90°に設定される。また、液晶分子の屈折率異方性Δn4と液晶層の厚みd4の積であるリタデ−ション値Δn4・d4は、第一の範囲0.3〜0.55μm、第二の範囲0.9〜1.3μmまたは第三の範囲1.3〜1.9μmに設定され、より好ましくは第二の範囲0.9〜1.3μmに設定される。図3(e)に示されるように、偏光板23の軸角をθ5とすると、θ5は135〜140°もしくは40〜45°に設定され、より好ましくは137〜140°もしくは40〜43°に設定される。
図3(b)(d)に示されるように、第1TN素子1021と第2TN素子1022のツイスト方向は、逆ツイストの関係に設定される。これにより視認方向による色味の角度依存性が小さくなり、色味評価値ΔE*を小さくすることが可能になる。その際、|φ2|=|φ4|及び70°≦|φ2|(=|φ4|)<90°に設定することにより、視野角制御状態において視野角制御方向の高い遮光度を実現することができる。また、通常のTN素子における偏光板軸角の交差角は90°であるが、斜め方向から見ると交差角が実効的に90°以上になる。これが光漏れの要因となるため、偏光板の交差角を90°未満に設定することにより斜め方向からの遮光度を改善できる。特に、偏光板の交差角は、80°〜86°であることが好ましい。
図4は、3層構造を有する視野角制御素子における光学系の軸配置について示している。
図4(a)は偏光板21、同図(c)は偏光板22、同図(e)は偏光板23、同図(g)は偏光板24のそれぞれの吸収軸配置を示す。なお、軸角は第1TN素子1021の中心における液晶分子長軸を基準線(図示点線)とし、これに対して左回りを正数としている。また、第1TN素子1021、第2TN素子1022及び第3TN素子1023の軸配置を示す図4(b)(d)(f)においてFは視認側の配向膜の配向軸を示し、Rは反視認側の配向膜の配向軸を表す。
図4(a)に示されるように、偏光板21の吸収軸角をθ1とすると、θ1は135〜140°もしくは40〜45°に設定され、より好ましくは137〜140°もしくは40〜43°に設定される。これにより視野角制御素子を用いて本発明における視認制限方向と視認非制限方向での透過率比を向上することが可能になる。即ち視認制限方向での遮光率を向上させるとともに視認制限方向の広い範囲で高い遮光率を達成することができ、かつ、視認非制限方向の透過率の低下を抑制し、視野角制御素子としての性能を向上できるからである。
また、図4(b)に示されるように、第1TN素子1021の視認側における配向軸の軸角をθ2とすると、θ2は120〜155°もしくは25〜60°に設定され、より好ましくは、135〜145°もしくは35°〜45°に設定される。また、視認側の配向方向から反視認側の配向方向に至るねじれ角をφ2とすると、φ2は50〜120°もしくは−50〜−120°に設定され、より好ましくは70〜90°もしくは−70〜−90°に設定される。また、液晶分子の屈折率異方性(測定光波長589nm、以下同じ)Δn2と液晶層の厚みd2の積であるリタデ−ション値Δn2・d2は、第一の範囲0.3〜0.55μm、第二の範囲0.9〜1.3μm又は第三の範囲1.3〜1.9μmのいずれかに設定され、より好ましくは第二の範囲0.9〜1.3μmに設定される。リタデーション値Δn2・d2を第二の範囲に設定することにより、第一の範囲に設定した場合よりも視認非制限方向に対する透過率を高めることができ、また、第三の範囲に設定した場合よりも視認制限方向に対する遮光性を高めることができるからである。
図4(c)に示されるように、偏光板22の軸角をθ3とすると、θ3は40〜45°もしくは135〜140°に設定され、より好ましくは40〜43°もしくは137〜140°に設定される。θ1の設定と同様に、視認制限方向に対して広い範囲での高遮光率と視認非制限方向での透過率低下の防止を両立でき、視野角制御素子としての性能を向上できるからである。
図4(d)に示されるように、第2TN素子1022の視認側における配向軸の軸角をθ4とすると、θ4は25〜60°もしくは120〜155°に設定され、より好ましくは35〜45°もしくは135〜145°に設定される。また、視認側の配向方向から反視認側の配向方向に至るねじれ角をφ4とすると、φ4は−50〜−120°もしくは50〜120°に設定され、より好ましくは−70〜−90°もしくは70〜90°に設定される。また、液晶分子の屈折率異方性Δn4と液晶層の厚みd4の積であるリタデ−ション値Δn4・d4は、第一の範囲0.3〜0.55μm、第二の範囲0.9〜1.3μmまたは第三の範囲1.3〜1.9μmに設定され、より好ましくは第二の範囲0.9〜1.3μmに設定される。図4(e)に示されるように、偏光板23の軸角をθ5とすると、θ5は135〜140°もしくは40〜45°に設定され、より好ましくは137〜140°もしくは40〜43°に設定される。図4(f)に示されるように、偏光板23の軸角をθ6とすると、θ6は120〜155°もしくは25〜60°に設定され、より好ましくは135〜145°もしくは35°〜45°に設定される。また、視認側の配向方向から反視認側の配向方向に至るねじれ角をφ6とすると、φ6は50〜120°もしくは−50〜−120°に設定され、より好ましくは70〜90°もしくは−70〜−90°に設定される。また、液晶分子の屈折率異方性Δn6と液晶層の厚みd6の積であるリタデ−ション値Δn6・d6は、第一の範囲0.3〜0.55μm、第二の範囲0.9〜1.3μmまたは第三の範囲1.3〜1.9μmに設定され、より好ましくは第二の範囲0.9〜1.3μmに設定される。図4(g)に示されるように、偏光板23の軸角をθ7とすると、θ7は40〜45°もしくは135〜140°に設定され、より好ましくは40〜43°もしくは137°〜140°に設定される。
図4(b)(d)(f)に示されるように、第1TN素子1021と第2TN素子1022のツイスト方向及び第2TN素子1022と第3TN素子1023は、逆ツイストの関係に設定される。これにより視認方向による色味の角度依存性が小さくなり、色味評価値ΔE*を小さくすることが可能になる。その際、|φ2|=|φ4|=|φ6|及び70°≦|φ2|(=|φ4|=|φ6|)<90°に設定することにより、視野角制御状態において視野角制御方向の高い遮光度を実現することができる。また、通常のTN素子における偏光板軸角の交差角は90°であるが、斜め方向から見ると交差角が実効的に90°以上になる。これが光漏れの要因となるため、偏光板の交差角を90°未満に設定することにより斜め方向からの遮光度を改善できる。特に、偏光板の交差角は、80°〜86°であることが好ましい。
次に、視野角制御素子102の動作について説明する。電極31と32との間に所定電圧が印加されると、第1TN素子1021における液晶分子は電界の変化に応じて電界と同方向にその向きを変える。第1TN素子1021における液晶分子は、正の誘電率異方性を有しているため、2枚の基板11、12の主面に対して垂直になるよう配列を変化させる。また、電極33と34との間に所定電圧が印加されると、第2TN素子1022における液晶分子は電界の変化に応じて電界と同方向にその向きを変える。第2TN素子1022における液晶分子は、正の誘電率異方性を有しているため、2枚の基板13、14の主面に対して垂直になるよう配列を変化させる。なお、液晶分子については負の誘電異方性でも同様に利用可能である。
続いて、図5を用いて本発明にかかる視野角制御素子102の制御について説明する。視野角制御素子102は、視野角制御に関し、非制御状態と制御状態の2つの状態をとりうる。図5(a)に示されるように、視野角制御素子102が非制御状態にある場合には、視野角制御素子102を備えた表示装置100は、その主面に対する法線から−40°傾斜した方向(以下、視認非制限方向とする)から観察した場合、同じく+40°傾斜した方向(以下、視認制限方向とする)から観察した場合の双方において、液晶表示素子101の表示を視認することができる。このとき、視野角制御素子102は、視認非制限方向及び視認制限方向のいずれの方向に対しても、バックライトユニット102からの出射光を透過させ、液晶表示素子101に供給している。例えば、表示装置100がカーナビゲーションシステムの表示装置である場合には、視認非制限方向は助手席に座った人が当該表示装置100の画面を視認する際の視線の方向を想定している。また、視認制限方向は運転席に座った人が当該表示装置100の画面を視認する際の視線の方向を想定している。カーナビゲーションの操作をするための地図情報の表示画面を表示する場合に当該視野角制御素子102は非制御状態に設定され、助手席及び運転席の双方から当該表示画面を視認できることになる。
図5(b)に示されるように、視野角制御素子102が視野角制御状態にある場合には、視野角制御素子102を備えた表示装置100は、視認非制限方向から観察した場合には液晶表示素子101の表示を視認できるが、視認制限方向から観察した場合には液晶表示素子101の表示を視認することができない。このとき視野角制御素子102は、バックライトユニット103からの出射光を視認非制限方向に対しては透過させて液晶表示素子101に供給するが、視認非制限方向に対しては遮光している。例えば、表示装置100がカーナビゲーションシステムの表示装置である場合には、テレビ画像やDVD画像等の映像情報(視認制限情報)の表示画面を表示する際に当該視野角制御素子102は制御状態に設定され、助手席からは映像情報を視認できるが運転席からは映像情報を視認できない。
このように、視野角制御素子102が視野角制御状態にある場合には、視認制限方向に対しては画面が暗くなり、液晶表示素子101の表示を視認することができないが、周囲光が暗い環境では視認者の目が暗さに慣れてくると、徐々に表示画像を視認できる場合がある。そこで、本発明にかかる表示装置100は、視認制限方向から表示画像を視認することを確実に抑制するための構成を採用することができる。
図6に示されるように、表示装置100を正面から見ると、周囲に筐体201、即ちフレ−ムが視認され、その内側に矩形状の表示画面300が視認される。矩形状の表示画面300には、視野角制御領域301と視野角非制御領域302が設けられている。視野角制御領域301は、表示画面300の最外周より一定距離だけ内側に離間した矩形状の領域であり、視野角を制御できる領域である。視野角制御領域301では、電気的な制御により、視野角制御素子102を非制御状態又は制御状態のいずれかに設定できる。
非制御領域302は、筐体201と視野角制御領域301の間に位置する一定領域であり、視野角を制御できない領域である。視野角非制御領域302において、バックライトユニット103から出射された光は、そのまま液晶表示素子101に供給される。このため、視野角非制御領域302は、視野角制御素子102が制御状態にあり、視認制限方向から表示画面300の殆どが視認できない状態にあっても、当該視野角非制御領域302は明るく、視認できる状態にある。このように表示画面300のうち、一部の視野角非制御領域302が明るい状態にあるため、視野角制御素子102が視認制限方向から暗く認識される場合であっても、視認者の目はその暗さに慣れることは困難となる。例えば、表示装置100がカーナビゲーションシステムの表示装置である場合であって、その表示装置にテレビ画像等の映像情報を表示しているとき、運転席からは当該映像情報を視認しようとしたとしても、視野角非制御領域302が一定の明るさを有しているため、視野角制限領域301において表示された映像情報を視認することができない。
なお、図6に示す例では、視野角非制御領域302は、視野角制御領域301の全周を途切れなく囲うようにして設けられているが、これに限らず、一部において途切れていてもよい。さらに、視野角非制御領域302は、表示画面300上の任意の一領域に設けられていてもよく、任意の数に分割された領域に設けられていてもよい。さらには、視野角非制御領域302は、任意のパタ−ンであってもよく、そのパタ−ンが文字又は記号を示してもよい。例えば、視野角非制御領域302の形状をカーナビゲーションシステムを製造販売する会社のロゴのパタ−ンとしてもよい。この場合には、視野角制御素子102を制御状態にすると、運転席から当該ロゴが視認される。
次に、TN素子のリタデ−ション値Δndと垂直透過率の関係について説明する。図7は、当該TN素子のリタデ−ション値Δndと垂直透過率の関係を示すグラフであり、図8はその観察を行なった条件を説明するための図である。図8(a)(b)(c)に示されるように、視認側から第1偏光板、TN素子、第2偏光板の順に積層している。図8(a)(c)における矢印はそれぞれ吸収軸を示す。図8において、θ1=45°、θ2=45°、θ3=135°、φ2=90°、Δnd2=(変数)に設定した。
図7に示されるように、リタデ−ション値Δndが0から0.3μmに増加するに従って、垂直透過率はほぼ単調に増加するが、図のR1で示す0.3〜0.55μmにおいて最初の極大点(ピ−ク)を有する。この極大点を含み、次の極小点までの範囲が前述した第一の範囲である。また、図のR2で示す0.9〜1.3μmにおいて次の極大点を有し、この極大点を含み、次の極小点までの範囲が前述した第二の範囲である。さらに、図のR3で示す1.3〜1.9μmにおいて次の極大点を有し、この極大点を含み、次の極小点までの範囲が前述した第三の範囲である。
本発明にかかる視野角制御素子では、図7に示される第一の範囲、第二の範囲、第三の範囲のいずれのリタデ−ション値でも良いが、視野角非制御状態における透過性、視野角制御状態における視認非制限方向に対する透過性、視野角制御状態における視認制限方向に対する遮光性のバランスに優れる第二の範囲が好ましい。
ここで、TN素子の視角特性について図9を用いて説明する。図9(a)は、計算によりTN素子の視角特性をシミュレ−ションしたものであり、同一のコントラストを示すラインC1よりわかるように、一定の角度(ここでは90°側)からの視角特性が優れている。
また、図9(b)は、TN素子の光学特性を示し、TN素子に対して所定電圧を印加した場合と印加していない場合の双方について、視野角に対する透過率の変化についてプロットしている。図9(b)に示されるように、所定電圧を印加していない状態では、−40°から+40°に亘って30%以上の透過率を有しているのに対して、所定電圧を印加した状態では、−40°から+40°に亘って15%以下の透過率を有している。そして、TN素子に所定電圧を印加した場合には、−40°近傍では10〜15%程度の透過率を有しているのに対して、0°〜+40°において数%以下の透過率に留まり、ほぼ遮光状態にある。即ち、TN素子は、所定電圧を印加した状態において、その透過率に異方性を有しており、視野角が−40°の方向と、+40°の方向で全く異なる透過率となり、前者では一定量の光を透過させ、後者では殆どの光を透過させない。本発明は、かかるTN素子の特性を利用して視野角制御を実現した。
続いて、本発明の実施例及び比較例について説明する。各例の説明において、視野角制御素子における各光学系の軸配置は、図3において特定したパラメ−タにより決定する。なお、各例において、偏光板21の吸収軸の角度θ1は、液晶表示素子の配向軸と一致させるため、固定値(135°)としている。また、軸角は視野角制御素子内の第1TN素子1021の中心における液晶分子長軸を基準線(図示点線)とし、これに対して左回りを正数としている。
各例にかかる表示装置は、車載の表示装置であり、図1に示す構成を備えている。かかる表示装置は、運転席と助手席間の前方に取り付けられ、視野角制御状態において運転席から視認できないように遮光制御される。
以下に説明する例1〜15のうち、例1〜例12は視野角制御素子の透過率の値であり、例13〜例15は表示パネルに取り付けた視野角制御装置の輝度の値である。また、例5、6、9及び10の透過率と例7、8の色味評価値はシミュレーションにより計算した値であり、その他は実測値である。
例1.
例1にかかる視野角制御素子は、視野角制御状態において、運転席に対して広角方向側の遮光を改善する目的で光学系の軸配置を決定した。このため偏光板の交差角は狭く設定した。また、例1にかかる視野角制御素子は、第1TN素子及び第2TN素子の2層構造を有し、それぞれのリタデ−ションΔndを第一の範囲(0.3〜0.55μm)とし、かつツイスト角は70°とした。
そして、軸配置をθ1=135°、θ2=145°、θ3=40°、θ4=35°、θ5=140°、φ2=70°、φ4=−70°とし、リタデーション値をΔn2・d2=0.446μm、Δn4・d4=0.446μmに設定した。
このような構成を有する視野角制御素子は、非制御状態において−40°の方向に対する透過率が26.2%、40°の方向に対する透過率が25.9%であった。また、視野角の制御状態において、−40°の方向に対する透過率が15.7%、40°の方向に対する透過率が0.014%であった。コントラストを(−40°の方向に対する透過率)/(40°の方向に対する透過率)と定義すると、制御状態における本例のコントラストは1121であった。
図10(a)は非制御状態における透過率の変化を、同図(b)は制御状態における透過率の変化を、同図(c)は制御状態における運転席に対しての透過率の変化を、それぞれ例1、例2、例3について示している。
例2.
例2にかかる視野角制御素子は、視野角制御状態において、助手席に対する輝度が高くなるようにするため、リタデーションΔndを大きくした。また、例2にかかる視野角制御素子は、第1TN素子及び第2TN素子の2層構造を有し、それぞれのリタデーション値Δndを第二の範囲(0.9〜1.3μm)とし、かつツイスト角を80°とした。
そして、軸配置をθ1=135°、θ2=140°、θ3=40°、θ4=40°、θ5=140°、φ2=80°、φ4=−80°とし、リタデーション値をΔn2・d2=1.00μm、Δn4・d4=1.00μmとした。
このような構成を有する視野角制御素子では、非制御状態において−40°の方向に対する透過率が23.9%、40°の方向に対する透過率が22.1%であった。また、視野角の制御状態において、−40°の方向に対する透過率が25.6%、40°の方向に対する透過率が0.010%であった。制御状態における本例のコントラストは2560であった。
このように、例2にかかる視野角制御素子では、視野角の制御状態における−40°の方向に対する透過率が25.6%となり、例1における透過率15.7%よりも明らかに向上した。図10(b)からも例1よりも例2にかかる視野角制御素子の方が−40°近傍における透過率が高いことが判る。
例3.
例3にかかる視野角制御素子は、図2において偏光板21、第1TN素子1021、偏光板22よりなる1層構造を有し、第1TN素子1021におけるリタデーション値Δndを第一の範囲(0.3〜0.55μm)とし、かつツイスト角を70°とした。
そして、軸配置をθ1=135°、θ2=145°、θ3=42°,φ2=70°とし、リタデーション値をΔn2・d2=0.446μmとした。制御状態における本例のコントラストは62であった。
このような構成を有する視野角制御素子では、非制御状態において−40°の方向に対する透過率が35.8%、40°の方向に対する透過率が35.1%であった。また、視野角の制御状態において、−40°の方向に対する透過率が27.3%、40°の方向に対する透過率が0.44%であった。
このように、例3にかかる視野角制御素子では、視野角の制御状態における40°の方向に対する透過率が0.44%であり、例1における透過率0.014%よりも高いものであった。従って、運転席からテレビ画像等の映像情報が確実に視認できないようにするためには、例3のように1層構造を採用するよりも、例1のように2層構造を採用することが好ましいことが判明した。図10(c)からも例3における40°近傍の透過率が例1のそれよりも高いことが判る。
例4.
例4にかかる視野角制御素子は、運転席における遮光度を改善することを目的として第1TN素子、第2TN素子の2層構造を有し、リタデーション値Δndを第一の範囲(0.3〜0.55μm)とし、かつツイスト角を70°とした。
そして、軸配置をθ1=135°、θ2=145°、θ3=45°、θ4=35°,θ5=135°、φ2=70°、φ4=−70°とし、リタデーション値をΔn2・d2=0.446μm、Δn4・d4=0.446μmと設定した。
このような構成を有する視野角制御素子では、非制御状態において−40°の方向に対する透過率が25.9%、40°の方向に対する透過率が27.2%であった。また、視野角の制御状態において、−40°の方向に対する透過率が18.8%、40°の方向に対する透過率が0.005%であった。制御状態における本例のコントラストは3917であった。
図11(a)は非制御状態における透過率の変化を、同図(b)は制御状態における透過率の変化を、同図(c)は制御状態における運転席に対しての透過率の変化を、それぞれ例3、例4について示している。図11(a)によれば、非制御状態では、1層構造の例3の方が2層構造の例4よりも透過率が高いことが判る。図11(b)によれば、助手席側においては1層構造の例3の方が2層構造の例4よりも透過率が高いことが判る。図11(c)によれば、運転席側において1層構造の例3よりも2層構造の例4の方が透過率が低く、遮光性が高いことが判る。
また、例4にかかる視野角制御素子では、偏光板22の軸角θ3が45°、偏光板23の軸角θ5が135°であるのに対して、例1にかかる視野角制御素子では、偏光板22の軸角θ3が40°、偏光板23の軸角θ5が140°であり、狭軸構造を有している。図12(a)は非制御状態における透過率の変化を、同図(b)は制御状態における透過率の変化を、同図(c)は制御状態における運転席に対しての透過率の変化を、それぞれ例1、例4について示している。図からも判るように、狭軸構造を有する例1の方が例4よりも運転席側における遮光性が高い。
例5.
例5にかかる視野角制御素子は、運転席における遮光度を改善することを目的としてツイスト角を小さくしている。また、当該視野角制御素子は、第1TN素子、第2TN素子の2層構造を有し、リタデーション値Δndを第一の範囲(0.3〜0.55μm)とし、かつツイスト角を70°とした。
そして、軸配置をθ1=135°、θ2=145°、θ3=45°、θ4=35°、θ5=135°、φ2=70°、φ4=−70°とし、リタデーション値をΔn2・d2=0.408μm、Δn4・d4=0.408μmと設定した。
このような構成を有する視野角制御素子では、非制御状態において−40°の方向に対する透過率が26.8%、40°の方向に対する透過率が26.5%であった。また、視野角の制御状態において、−40°の方向に対する透過率が21.9%、40°の方向に対する透過率が0.021%であった。制御状態における本例のコントラストは1043であった。
例6.
例6にかかる視野角制御素子は、第1TN素子、第2TN素子の2層構造を有し、リタデーション値Δndを第一の範囲(0.3〜0.55μm)とし、かつツイスト角を90°とした。
そして、軸配置をθ1=135°、θ2=145°、θ3=45°、θ4=35°、θ5=135°、φ2=90°、φ4=−90°とし、リタデーション値をΔn2・d2=0.408μm、Δn4・d4=0.408μmと設定した。
このような構成を有する視野角制御素子では、非制御状態において−40°の方向に対する透過率が26.7%、40°の方向に対する透過率が26.7%であった。また、視野角の制御状態において、−40°の方向に対する透過率が20.9%、40°の方向に対する透過率が0.219%であった。制御状態における本例のコントラストは95であった。
図13(a)は非制御状態における透過率の変化を、同図(b)は制御状態における透過率の変化を、同図(c)は制御状態における運転席に対しての透過率の変化を、それぞれ例5、例6について示している。図13(a)によれば、非制御状態では、70°ツイストの例5と90°ツイストの例6とで透過率は殆ど同じであることが判る。図13(b)によれば、助手席側においては90°ツイストの例6の方が70°ツイストの例5よりも若干低いことが判る。図13(c)によれば、運転席側において70°ツイストの例5の方が、90°ツイストの例6よりも透過率が低く、遮光性において優位性を有することが判る。
例7.
例7にかかる視野角制御素子は、逆ツイスト構造の第1TN素子及び第2TN素子の2層構造を有し、リタデーション値Δndを第一の範囲(0.3〜0.55μm)とし、かつツイスト角を70°とした。
そして、軸配置をθ1=135°、θ2=145°、θ3=45°、θ4=35°、θ5=135°、φ2=70°、φ4=−70°とし、リタデーション値をΔn2・d2=0.454μm、Δn4・d4=0.454μmと設定した。
このような構成を有する視野角制御素子では、非制御状態において−40°の方向に対する透過率が24.3%、40°の方向に対する透過率が26.1%であった。また、視野角の制御状態において、−40°の方向に対する透過率が25.3%、40°の方向に対する透過率が0.093%であった。制御状態における本例のコントラストは272であった。
例8.
例8にかかる視野角制御素子は、順ツイスト構造の第1TN素子及び第2TN素子の2層構造を有し、リタデーション値Δndを第一の範囲(0.3〜0.55μm)とし、かつツイスト角を70°とした。
そして、軸配置をθ1=135°、θ2=215°、θ3=45°、θ4=−35°、θ5=135°、φ2=70°、φ4=70°とし、リタデーション値をΔn2・d2=0.454μm、Δn4・d4=0.454μmと設定した。
このような構成を有する視野角制御素子では、非制御状態において−40°の方向に対する透過率が24.9%、40°の方向に対する透過率が24.7%であった。また、視野角の制御状態において、−40°の方向に対する透過率が22.4%、40°の方向に対する透過率が0.091%であった。制御状態における本例のコントラストは246であった。
図14(a)は非制御状態における透過率の変化を、同図(b)は制御状態における透過率の変化を、同図(c)は制御状態における運転席に対しての透過率の変化を、同図(d)は視野角非制御状態の色味評価値の変化をそれぞれ例7、例8について示している。図14(a)によれば、非制御状態では、逆ツイストの例7と順ツイストの例8とで−40°〜+40°の範囲において透過率は殆ど同じであることが判る。但し、−40°以下、+40°以上の範囲において逆ツイストの例7の方が透過率が高い。図14(b)によれば、制御状態では助手席側においては逆ツイストの例7の方が順ツイストの例8よりも透過率が高いことが判る。図14(c)によれば、運転席側において順ツイストの例8と逆ツイストの例7の透過率は同等で、遮光性もほぼ同等であることが判る。図14(d)によれば、順ツイストの例8の方が逆ツイストの例7よりも色味評価値ΔE*が高く、色味の視認位置による角度依存性が大きいことが判る。
例9.
例9にかかる視野角制御素子では、偏光板の透過軸と最近接の液晶分子の短軸方向がなす角度を長軸方向よりも狭い角度の範囲内とし、第1TN素子、第2TN素子の2層構造を有し、リタデーション値Δndを第一の範囲(0.3〜0.55μm)とし、かつツイスト角は70°とした。即ち、第1TN素子及び第2TN素子に対して入射する光は、これらの素子中の液晶分子の短軸方向に入射している。
そして、軸配置をθ1=135°、θ2=145°、θ3=45°、θ4=35°、θ5=135°、φ2=70°、φ4=−70°とし、リタデーション値をΔn2・d2=0.423μm、Δn4・d4=0.423μmと設定した。
このような構成を有する視野角制御素子では、非制御状態において−40°の方向に対する透過率が26.8%、40°の方向に対する透過率が26.7%であった。また、視野角の制御状態において、−40°の方向に対する透過率が13.2%、40°の方向に対する透過率が0.019%であった。制御状態における本例のコントラストは695であった。
例10.
例10にかかる視野角制御素子では、偏光板の透過軸と最近接の液晶分子の長軸方向がなす角度を短軸方向よりも狭い角度の範囲内とし、第1TN素子、第2TN素子の2層構造を有し、リタデーション値Δndを第一の範囲(0.3〜0.55μm)とし、かつツイスト角を70°とした。即ち、第1TN素子及び第2TN素子に対して入射する光は、これらの素子中の液晶分子の長軸方向に入射している。
そして、軸配置をθ1=135°、θ2=215°、θ3=45°、θ4=−35°、θ5=135°、φ2=−70°、φ4=70°とし、リタデーション値をΔn2・d2=0.423μm、Δn4・d4=0.423μmとした。
このような構成を有する視野角制御素子では、非制御状態において−40°の方向に対する透過率が25.6%、40°の方向に対する透過率が22.7%であった。また、視野角の制御状態において、−40°の方向に対する透過率が8.50%、40°の方向に対する透過率が0.016%であった。制御状態における本例のコントラストは531であった。
図15(a)は非制御状態における透過率の変化を、同図(b)は制御状態における透過率の変化を、同図(c)は制御状態における運転席に対しての透過率の変化をそれぞれ例9、例10について示している。図15(a)によれば、非制御状態では、短軸方向の例9と長軸方向の例10とで−40°〜+40°の範囲において透過率は殆ど同じであることが判る。但し、−40°以下、+40°以上の範囲において短軸方向の例9の方が長軸方向の例10よりも透過率が高い。図15(b)によれば、制御状態では助手席側においては短軸方向の例9の方が長軸方向の例10よりも透過率が高いことが判る。図15(c)によれば、運転席側における遮光性は、短軸方向の例9と長軸方向の例10とで殆ど同じであることが判る。
例11.
例11にかかる視野角制御素子では、第1TN素子、第2TN素子、第3TN素子の3層構造を有し(図4参照)、リタデーション値Δndを第一の範囲(0.3〜0.55μm)とし、かつツイスト角を70°とした。
そして、軸配置をθ1=135°、θ2=145°、θ3=40°、θ4=35°、θ5=140°、θ6=145°、θ7=40°、φ2=70°、φ4=−70°、φ6=70°とし、リタデーション値をΔn2・d2=0.446μm、Δn4・d4=0.446μm、Δn6・d6=0.446μmとした。
このような構成を有する視野角制御素子では、非制御状態において−40°の方向に対する透過率が16.7%、40°の方向に対する透過率が14.4%であった。また、視野角の制御状態において、−40°の方向に対する透過率が11.0%、40°の方向に対する透過率が0.001%であった。制御状態における本例のコントラストは8462であった。
図16に2層構造を有する例1と3層構造を有する例11の透過率特性を示す。図に示されるように、3層構造にすることにより透過率が低くなるが、遮光性を向上させることができた。
例12.
例12にかかる視野角制御素子では、第1TN素子、第2TN素子、第3TN素子の3層構造を有し(図4参照)、リタデーション値Δndを第二の範囲(0.9〜1.3μm)とし、かつツイスト角を80°とした。
そして、軸配置をθ1=135°、θ2=140°、θ3=40°、θ4=40°、θ5=140°、θ6=140°、θ7=40°、φ2=80°、φ4=−80°、φ6=80°とし、リタデーション値をΔn2・d2=1.000μm、Δn4・d4=1.000μm、Δn6・d6=1.000μmとした。
このような構成を有する視野角制御素子では、非制御状態において−40°の方向に対する透過率が16.7%、40°の方向に対する透過率が14.4%であった。また、視野角の制御状態において、−40°の方向に対する透過率が18.4%、40°の方向に対する透過率が0.000%であった。制御状態における本例のコントラストは、317241であった。
図17に、3層構造を有しリタデーション値を第1の範囲とした例11と、3層構造を有しリタデーション値を第2の範囲とした例12の透過率特性を示す。図17(a)は非制御状態における透過率の変化を、同図(b)は制御状態における透過率の変化を、同図(c)は制御状態における運転席に対しての透過率の変化を、それぞれ例11、例12について示している。特に、図17(b)に示されるように、リタデーション値を第二の範囲にすることによって視野角の制御状態における助手席側に対しての輝度を高くすることができた。
例13.
例13にかかる視野角制御表示装置では、視野角制御素子は、第1TN素子、第2TN素子、第3TN素子の3層構造を有し(図4参照)、リタデーション値Δndを第一の範囲(0.3〜0.55μm)とし、かつツイスト角を70°とした。特に、本例13にかかる視野角制御表示装置では、液晶表示素子の反視認側に当該視野角制御素子を配置した。即ち、視認側から液晶表示素子、視野角制御素子、バックライトユニットの順に配置した。
そして、軸配置をθ1=135°、θ2=145°、θ3=40°、θ4=35°、θ5=140°、θ6=145°、θ7=40°、φ1=70°、φ3=−70°、φ5=70°とし、リタデーション値をΔn2・d2=0.446μm、Δn4・d4=0.446μm、Δn6・d6=0.446μmとした。また、本例における表示素子及びバックライトは、パナソニック社製カーTV(TR−T70W3)のものを用いた。この表示素子は、TFTを用いたアクティブマトリックス駆動であり、液晶モードはTNである。
このような構成を有する視野角制御表示装置では、非制御状態において−40°の方向に対する輝度が122cd/m、40°の方向に対する輝度が122cd/mであった。また、視野角の制御状態において、−40°の方向に対する輝度が46.5cd/m、40°の方向に対する輝度が0.0249cd/mであった。輝度比は、1867であった。
例14.
例14にかかる視野角制御表示装置では、視野角制御素子は、第1TN素子、第2TN素子、第3TN素子の3層構造を有し(図4参照)、リタデーション値Δndを第一の範囲(0.3〜0.55μm)とし、かつツイスト角を70°とした。特に、本例14にかかる視野角制御表示装置では、液晶表示素子の視認側に当該視野角制御素子を配置した。即ち、視認側から視野角制御素子、液晶表示素子、バックライトユニットの順に配置した。
そして、軸配置をθ1=140°、θ2=145°、θ3=40°、θ4=35°、θ5=140°、θ6=145°、θ7=45°、φ2=70°、φ4=−70°、φ6=70°とし、リタデーション値をΔn2・d2=0.446μm、Δn4・d4=0.446μm、Δn6・d6=0.446μmとした。また、本例における表示素子及びバックライトは、パナソニック社製カーTV(TR−T70W3)のものを用いた。この表示素子は、TFTを用いたアクティブマトリックス駆動であり、液晶モードはTNである。
このような構成を有する視野角制御表示装置では、非制御状態において−40°の方向に対する輝度が118cd/m、40°の方向に対する輝度が117cd/mであった。また、視野角の制御状態において、−40°の方向に対する輝度が48.6cd/m、40°の方向に対する輝度が0cd/mであった。
図18に、視野角制御素子を液晶表示素子の反視認側に配置した例13と、視野角制御素子を液晶表示素子の視認側に配置した例14の双方の輝度特性を示す。図に示されるように、特に図18(c)に示されるように、視野角制御素子を液晶表示素子の視認側に配置することによって運転席の遮光状態が向上した。
例14.
例14にかかる視野角制御素子では、第1TN素子、第2TN素子、第3TN素子の3層構造を有し(図4参照)、リタデーション値Δndを第二の範囲(0.9〜1.3μm)とし、かつツイスト角を80°とした。特に、本例15では、液晶表示素子の視認側に当該視野角制御素子を配置した。即ち、視認側から視野角制御素子、液晶表示素子、バックライトユニットの順に配置した。
そして、軸配置をθ1=140°、θ2=140°、θ3=40°、θ4=40°、θ5=140°、θ6=140°、θ7=45°、φ2=80°、φ4=−80°、φ6=80°とし、リタデーション値をΔn2・d2=1.00μm、Δn4・d4=1.00μm、Δn6・d6=1.00μmとした。また、本例における表示素子及びバックライトは、パナソニック社製カーTV(TR−T70W3)のものを用いた。この表示素子は、TFTを用いたアクティブマトリックス駆動であり、液晶モードはTNである。
このような構成を有する視野角制御表示装置では、非制御状態において−40°の方向に対する輝度が114cd/m、40°の方向に対する輝度が108cd/mであった。また、視野角の制御状態において、−40°の方向に対する輝度が50.1cd/m、40°の方向に対する輝度が0cd/mであった。
図19に、リタデーション値を第一の範囲にした例14と、同第二の範囲にした例15の輝度特性を示す。特に図19(b)に示されるように、リタデーション値を第二の範囲にすることによって視野角の制御状態における助手席側に対しての輝度を高くすることができた。
本発明にかかる視野角制御表示装置の概略断面図である。 本発明にかかる視野角制御素子の概略断面図である。 本発明にかかる視野角制御素子における各光学系の軸配置図である。 本発明にかかる視野角制御素子における各光学系の軸配置図である。 本発明にかかる視野角制御素子の制御を説明するための説明図である。 本発明にかかる視野角制御表示装置の正面図である。 TN素子のリタデーション値と垂直透過率の関係を示すグラフである。 図9に示すグラフの前提条件を説明するための軸配置図である。 TN素子の視角特性及び光学特性を示す図である。 本発明に関する例にかかる視野角制御素子の視野角度と透過率の関係を示すグラフである。 本発明に関する例にかかる視野角制御素子の視野角度と透過率の関係を示すグラフである。 本発明に関する例にかかる視野角制御素子の視野角度と透過率の関係を示すグラフである。 本発明に関する例にかかる視野角制御素子の視野角度と透過率の関係を示すグラフである。 本発明に関する例にかかる視野角制御素子の視野角度と透過率の関係を示すグラフである。 本発明に関する例にかかる視野角制御素子の視野角度と透過率の関係を示すグラフである。 本発明に関する例にかかる視野角制御素子の視野角度と透過率の関係を示すグラフである。 本発明に関する例にかかる視野角制御装置の視野角度と透過率の関係を示すグラフである。 本発明に関する例にかかる視野角制御表示装置の視野角度と輝度の関係を示すグラフである。 本発明に関する例にかかる視野角制御表示装置の視野角度と輝度の関係を示すグラフである。
符号の説明
100 視野角制御表示装置
101 液晶表示素子
102 視野角制御素子
103 バックライトユニット
21、22、23、24 偏光板
11、12、13、14 透明基板
31、32、33、34 電極
41、42、43、44 配向膜
51、52 TN液晶
1021 第1TN素子
1022 第2TN素子
1023 第3TN素子

Claims (11)

  1. 表示素子と視野角制御素子とを備え視野角制御状態において当該表示素子の表示面に対して垂直な面より一定角度傾斜した視認非制限方向から当該表示素子を視認することを可能としつつ、前記視認非制限方向が傾斜した側と反対側に傾斜した視認制限方向から当該表示素子を視認することを制限する表示装置であって、
    前記視野角制御素子が2層以上のツイステッドネマチック素子からなり、
    前記ツイステッドネマチック素子のリタデーション値がそれぞれ0.9〜1.9の範囲である視野角制御表示装置。
  2. 表示素子と視野角制御素子とを備えた視野角制御表示装置であって、
    前記視野角制御素子は2層以上のツイステッドネマチック素子を備え、
    前記視野角制御素子は電気的に視野角制御状態と非視野角制御状態を切り替えることができ、視野角制御状態において視野角制御素子に垂直な任意の面から垂直方向に対して+40°傾斜した角度の光の透過率が1%以下であり、−40°傾斜した角度の光の透過率が10%以上であって、非制御状態において±40°傾斜した角度の光の透過率が10%以上である視野角制御表示装置。
  3. 前記ツイステッドネマチック素子は偏光板の透過偏光軸と、最近接の液晶分子の短軸方向のなす角が液晶分子の長軸方向となす角よりも狭い、
    請求項1または2記載の視野角制御表示装置。
  4. 前記表示素子による表示領域に、視野角制御可能な制御領域と、視野角制御できない非制御領域を設けた、
    請求項1、2または3に記載の視野角制御表示装置。
  5. 前記ツイステッドネマチック素子のうち少なくとも一つのツイステッドネマチック素子のツイスト方向が他のツイステッドネマチック素子に対して逆ツイストの関係にある、
    請求項に記載の視野角制御表示装置。
  6. 前記表示素子は、液晶表示素子とバックライトを備え、
    前記視野角制御素子は当該液晶表示素子に対して反バックライト側に配置される、
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の視野角制御表示装置。
  7. 前記視野角制御素子におけるツイステッドネマチック素子間、または、前記ツイステッドネマチック素子と前記液晶表示素子間にある偏光板を、挟持する二つの素子で共用する、
    請求項1〜6のいずれか1項に記載の視野角制御表示装置。
  8. 前記液晶表示素子、または、前記視野角制御素子が各々有する最近接の偏光板であって、
    各々の偏光板の間に、位相差板が配置されていることを特徴とする、
    請求項に記載の視野角制御表示装置。
  9. 前記視野角制御表示装置は、車載用の表示装置であって、
    前記視野角制御素子は、視野角制御状態において助手席からの視認を可能とし、運転席からの視認を制限するように視野角を制御する、
    請求項1〜8のいずれか1項に記載の視野角制御表示装置。
  10. 視野角制御状態においてその主面に対して垂直な面より一定角度傾斜した視認非制限方向に対して光を透過させ、前記視認非制限方向が傾斜した側と反対側に傾斜した視認制限方向に対して光を遮光する視野角制御素子であって、
    視野角制御状態において前記視認制限方向に遮光性を生じさせるツイステッドネマチック素子を2層以上備え、当該ツイステッドネマチック素子のリタデーション値がそれぞれ0.9〜1.9μmの範囲である視野角制御表示素子。
  11. 視野角制御状態においてその主面に対して垂直な面より一定角度傾斜した視認非制限方向に対して光を透過させ、前記視認非制限方向が傾斜した側と反対側に傾斜した視認制限方向に対して光を遮光する視野角制御素子であって、
    前記視野角制御素子は2層以上のツイステッドネマチック素子を備え、
    前記視野角制御素子は電気的に視野角制御状態と非視野角制御状態を切り替えることができ、視野角制御状態において視野角制御素子に垂直な任意の面から垂直方向に対して+40°傾斜した角度の光の透過率が1%以下であり、−40°傾斜した角度の光の透過率が10%以上であって、非制御状態において±40°傾斜した角度の光の透過率10%以上である視野角制御表示素子。
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