JP4996567B2 - エンジン - Google Patents
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Description
この従来のエンジンでは、スロットルバルブを、空気と一定比率の燃料を混合するベンチュリー構造のミキサと一体構造としている。これにより、スロットルバルブは、燃料量つまりエンジンの出力や回転速度を制御する機能をも有している。
第2燃焼状態としてストイキ・EGR燃焼を行う場合について説明すると、例えば、排ガスの一部を吸気路のスロットルバルブよりも上流側に戻して燃焼室に再循環させるものでは、空気に加えて戻された排ガスをもスロットルバルブに供給するので、スロットルバルブの開度をそのまま維持していると燃焼室への吸気量(空気量)が低下することになる。よって、燃焼室への適正な吸気量(空気量)を確保するためにスロットルバルブの開度が拡大される。また、排ガスの一部を吸気路のスロットルバルブよりも下流側に戻して燃焼室に再循環させるものでは、スロットルバルブの開度をそのまま維持していると戻された排ガスが優先して燃焼室に供給されることになる。よって、ストイキ・EGR燃焼に切り換えると、スロットルバルブの開度を拡大させるように制御することにより、燃焼室への適正な吸気量(空気量)を確保している。
第2燃焼状態としてリーン燃焼を行う場合においても、理論空気量以上に空気を投入することから、燃焼室に供給する空気量を増加させるために、スロットルバルブの開度が拡大される。
前記燃焼室にてストイキ燃焼を行う第1燃焼状態と、排ガスの一部を前記吸気路に戻して前記燃焼室に再循環させて前記燃焼室にてストイキ・EGR燃焼を行う又は前記燃焼室にてリーン燃焼を行う第2燃焼状態との両燃焼状態において、前記スロットルバルブの開度可動範囲内で開度が大きい拡大領域と開度が小さい縮小領域との間に存在する中間領域内に前記スロットルバルブの開度がなるように、前記スロットルバルブの開度を調整する開度調整手段を備えている。
その結果、第1燃焼状態及び第2燃焼状態の両燃焼状態において、スロットルバルブの開度を中間領域内に維持できながら、第2燃焼状態において、燃焼室に再循環させる排ガス量や理論空気量以上に投入する空気量を多量にすることができる。
〔第1実施形態〕
図1に示すように、このエンジン1は、空気と燃料との混合気を圧縮して燃焼させる燃焼室2を備え、燃料供給弁3を介して供給された燃料Gと空気Aとの混合気Mを吸気路4から燃焼室2に吸気し、その混合気Mを燃焼室2において圧縮し、その混合気Mを燃焼室2において点火プラグ5にて点火して燃焼・膨張させ、その燃焼により発生した排ガスEを排気路6に排出するというように、通常の4サイクルエンジンと同様の構成を有する。
スロットルバルブ制御手段51は、スロットルバルブ10の開度を制御することにより、エンジン1の出力又は回転速度が要求出力又は要求回転速度になるように構成されている。
そこで、バイパス弁制御手段53は、バイパス弁19を開状態として所定の開度に制御することにより、バイパス路18にも通気させて、スロットルバルブ10の開度を縮小側に調整している。これにより、スロットルバルブ10の開度が拡大領域(70%以上)まで移行するのを防止でき、第2燃焼状態においても、スロットルバルブ10の開度を中間領域(30〜70%)内に維持できる。このようにして、開度調整手段20は、バイパス路18と、バイパス弁19と、バイパス弁制御手段53とから構成されている。
第1燃焼状態では、EGR弁制御手段52がEGR弁17を閉状態(開度が0%)に制御し、且つ、バイパス弁制御手段53がバイパス弁19も閉状態(開度が0%)に制御する。第2燃焼状態では、EGR弁制御手段52がEGR目標開度になるようにEGR弁17の開度を制御し、且つ、バイパス弁制御手段53がバイパス目標開度になるようにバイパス弁19の開度を制御する。
ここで、EGR弁17のEGR目標開度は、燃焼室2に再循環させる排ガス量に応じて予め設定されている。例えば、EGR目標開度は、燃焼室2への混合気Mの流量に対する燃焼室2に再循環させる排ガス流量のEGR率が15%以上となるように、50%に設定されている。
バイパス弁19のバイパス目標開度は、吸気路4に戻される排ガス量に応じて予め設定されている。つまり、バイパス目標開度は、EGR目標開度を指標として或いは経験式として、吸気路4に戻される排ガス量に応じて設定されている。例えば、バイパス目標開度は、EGR弁17の開度をEGR目標開度としたときに、スロットルバルブ10の開度が中間領域(30〜70%)内になるように、EGR目標開度(50%)に対して例えば20%に設定されている。
第1燃焼状態では、EGR弁開度が0%であり、バイパス弁開度も0%である。このとき、スロットル弁開度は中間領域(30〜70%)内に維持されている。EGR弁制御52は、EGR弁開度を0%から拡大側に移行させていき、EGR弁開度をEGR目標開度(50%)とする。バイパス弁開度については、バイパス弁制御手段53が、バイパス弁開度を0%から拡大側に移行させていき、バイパス弁開度をバイパス目標開度(20%)とする。これにより、EGR弁開度とバイパス弁開度とを同様に拡大側に移行させていきながら、EGR弁開度をEGR目標開度(50%)としたときにバイパス弁開度がバイパス目標開度(20%)となるようにして、第1燃焼状態から第2燃焼状態に切り換える。このようにして第1燃焼状態から第2燃焼状態に切り換えると、スロットル弁開度は、第1燃焼状態のときよりも多少拡大側に移行するものの、中間領域(30〜70%)内に維持することができる。
この第2実施形態は、上記第1実施形態において開度調整手段20の別実施形態を示すものである。以下、図3に基づいて、第2実施形態における開度調整手段20について説明するが、その他の構成については、上記第1実施形態と同様であるので説明は省略する。
開度調整手段20は、上流側スロットルバルブ21と、上流側スロットルバルブ制御手段54とから構成されている。
第1燃焼状態では、EGR弁制御手段52がEGR弁17を閉状態(開度が0%)に制御し、且つ、上流側スロットルバルブ制御手段54が上流側スロットルバルブ21の開度可動範囲内の中間開度(開度が50%)に上流側スロットルバルブ21の開度を制御する。第2燃焼状態では、EGR弁制御手段52がEGR目標開度になるようにEGR弁17の開度を制御し、且つ、上流側スロットルバルブ制御手段54が上流側スロットル目標開度(目標開度に相当する)になるように上流側スロットルバルブ21の開度を制御する。ここで、EGR目標開度は、上記第1実施形態と同様に設定されている。上流側スロットルバルブ21の上流側スロットル目標開度は、吸気路4に戻される排ガス量に応じて中間開度(開度が50%)よりも拡大側に予め設定されている。つまり、上流側スロットル目標開度は、EGR目標開度を指標として或いは経験式として、吸気路4に戻される排ガス量に応じて設定されている。例えば、上流側スロットル目標開度は、EGR弁17の開度をEGR目標開度としたときにスロットルバルブ10の開度が中間領域(例えば30〜70%)内になるように、EGR目標開度(50%)に対して例えば70%に設定されている。
(1)上記第2実施形態では、第2燃焼状態として、ストイキ・EGR燃焼を行う場合について例示したが、第2燃焼状態として、混合気における投入燃料を一定として理論空気量以上に空気を投入するリーン燃焼を行うこともできる。このリーン燃焼を行う場合には、EGR流路16、EGR弁17、及び、EGR弁制御手段52等を省略することができる。
4 吸気路
10 スロットルバルブ
18 バイパス路
19 バイパス弁
20 開度調整手段
21 上流側スロットルバルブ
53 バイパス弁制御手段
54 上流側スロットルバルブ制御手段
Claims (4)
- 空気と燃料との混合気を圧縮して燃焼させる燃焼室と、
吸気路に設けられて前記燃焼室への吸気量を調整自在なスロットルバルブとを備えたエンジンであって、
前記燃焼室にてストイキ燃焼を行う第1燃焼状態と、排ガスの一部を前記吸気路に戻して前記燃焼室に再循環させて前記燃焼室にてストイキ・EGR燃焼を行う第2燃焼状態との両燃焼状態において、前記スロットルバルブの開度可動範囲内で開度が大きい拡大領域と開度が小さい縮小領域との間に存在する中間領域内に前記スロットルバルブの開度がなるように、前記スロットルバルブの開度を調整する開度調整手段を備え、
前記開度調整手段は、前記吸気路において前記スロットルバルブをバイパスして前記スロットルバルブの上流側と下流側とを接続するバイパス路と、前記バイパス路の通気量を調整自在なバイパス弁と、前記バイパス弁の開度を制御するバイパス弁制御手段とから構成され、
前記バイパス弁制御手段は、前記第1燃焼状態よりも前記第2燃焼状態の方を前記バイパス弁の開度を拡大側に制御するように構成されているエンジン。 - 前記バイパス弁制御手段は、前記第1燃焼状態のときには、閉状態に前記バイパス弁の開度を制御し、且つ、前記第2燃焼状態のときには、前記ストイキ・EGR燃焼において前記吸気路に戻される排ガス量に応じて予め設定された目標開度に前記バイパス弁の開度を制御する請求項1に記載のエンジン。
- 空気と燃料との混合気を圧縮して燃焼させる燃焼室と、
吸気路に設けられて前記燃焼室への吸気量を調整自在なスロットルバルブとを備えたエンジンであって、
前記燃焼室にてストイキ燃焼を行う第1燃焼状態と、排ガスの一部を前記吸気路に戻して前記燃焼室に再循環させて前記燃焼室にてストイキ・EGR燃焼を行う又は前記燃焼室にてリーン燃焼を行う第2燃焼状態との両燃焼状態において、前記スロットルバルブの開度可動範囲内で開度が大きい拡大領域と開度が小さい縮小領域との間に存在する中間領域内に前記スロットルバルブの開度がなるように、前記スロットルバルブの開度を調整する開度調整手段を備え、
前記開度調整手段は、前記吸気路において前記スロットルバルブよりも上流側に配設された上流側スロットルバルブと、前記上流側スロットルバルブの開度を制御する上流側スロットルバルブ制御手段とから構成され、
前記上流側スロットルバルブ制御手段は、前記第1燃焼状態から前記第2燃焼状態に切り換えたときに、前記上流側スロットルバルブの開度を拡大側に制御するように構成されているエンジン。 - 前記上流側スロットルバルブ制御手段は、前記第1燃焼状態のときには、前記上流側スロットルバルブの開度可動範囲内の中間開度に前記上流側スロットルバルブの開度を制御し、且つ、前記第2燃焼状態のときには、前記ストイキ・EGR燃焼において前記吸気路に戻される排ガス量又は前記リーン燃焼において理論空気量以上に投入する空気量に応じて予め設定された前記中間開度よりも拡大側の目標開度に前記上流側スロットルバルブの開度を制御する請求項3に記載のエンジン。
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