JP4995437B2 - シアンヒドリン類濃縮液及びα−ヒドロキシカルボン酸類結晶の製造方法 - Google Patents
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Description
通常、当該酵素を使う光学活性シアンヒドリン類の合成は、酵素、基質であるHCN及びカルボニル化合物を含む水系、水―有機溶媒二相系、有機溶媒―微水系、有機溶媒系で実施される。酵素反応に用いる有機溶媒としては、水に難溶又は不溶な有機溶媒が好ましく使用される。また、光学活性α-ヒドロキシカルボン酸類は、上記光学活性シアンヒドリン類を加水分解することにより製造されている(非特許文献1〜2、特許文献2〜4)。上記の光学活性α-ヒドロキシカルボン酸の製造方法は、光学活性シアンヒドリン類を固液分離操作し、溶剤抽出あるいは相分離により、光学活性シアンヒドリン類と酵素を分離した後、加水分解している。上述の方法では残存するHCNの存在下で酵素を分離する必要があり、危険性が高いという問題があった。また、化学純度、及び光学純度の高い光学活性シアンヒドリン類は室温付近で固結する場合があり、固結したシアンヒドリン類は取り扱いが困難であるという問題があった。
本発明の濃縮の対象となるシアンヒドリン類、酵素並びに水及び/又は有機溶剤を含む酵素反応溶液は、以下の方法で得ることができる。シアンヒドリン類は、シアニドドナーの存在下、カルボニル化合物から合成する。この合成反応には、酵素であるヒドロキシニトリルリアーゼを使用する。
ハロゲン原子の例としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられるが、フッ素原子、塩素原子、臭素原子が好ましい。
シアンヒドリン類において、一方の鏡像異性体(例えばR体)が他方の鏡像異性体(例えば、S体)より多く含まれているシアンヒドリン類、又はいずれか一方の鏡像異性体のみからなるシアンヒドリン類のことを光学活性シアンヒドリン類という。なお、光学活性シアンヒドリン類がいずれか一方の鏡像異性体のみからなる場合、光学純度100%という。
R体のシアンヒドリン類を合成するヒドロキシニトリルリアーゼ((R)-ヒドロキシニトリルリアーゼ)としては、アーモンド(Prunus amygdalus)等のバラ科植物由来の(R)-ヒドロキシニトリルリアーゼ(EC-No.4.1.2.10)及びアマ科植物由来の(R)-ヒドロキシニトリルリアーゼ(EC-No.4.1.2.10)等を例示できる。S体のシアンヒドリン類を合成するヒドロキシニトリルリアーゼ((S)-ヒドロキシニトリルリアーゼ)としては、モロコシ(Sorghum bicolor) (EC-No.4.1.2.11)等のイネ科植物由来の(S)-ヒドロキシニトリルリアーゼ、キャッサバ(Manihot esculenta) (EC-No.4.1.2.37)、パラゴムノキ(Hevea brasiliensis) (EC-No.4.1.2.39)等のトウダイグサ科植物由来の(S)-ヒドロキシニトリルリアーゼ、キシメニア(Ximenia americana) (EC-No.4.1.2.10)等のボロボロノキ科植物由来の(S)-ヒドロキシニトリルリアーゼ等を例示できる。好ましくは、アーモンド(Prunus amygdalus)由来の(R)-ヒドロキシニトリルリアーゼ、キャッサバ(Manihot esculenta)由来の(S)-ヒドロキシニトリルリアーゼが使用されるが、キャッサバ(Manihot esculenta)由来の(S)-ヒドロキシニトリルリアーゼが特に好ましい。なお、キャッサバ(Manihot esculenta)由来ヒドロキシニトリルリアーゼ遺伝子の塩基配列は公知であり、文献等に公開されている(Jane Hughes et al, Arch.Biochem.Biophys.331(1994)496-502及びGenBank accession number Z29091)。該遺伝子の塩基配列は配列番号2で表される。また、該遺伝子がコードするアミノ酸配列は配列番号1で表される。
ヒドロキシニトリルリアーゼを多量に使用すると、水及び/又は有機溶剤を留去した後のシアンヒドリン類濃縮液が鉱酸による加水分解工程に供される場合にα-ヒドロキシカルボン酸が着色する傾向にある。そのため、ヒドロキシニトリルリアーゼの使用量はカルボニル化合物の最終的な使用量の1ミリモルあたり、1〜20単位とすることが好ましく、1〜10単位とすることが特に好ましい。
減圧度及び温度は用いる有機溶剤の種類に応じて適宜決定する。例えば、t-ブチルメチルエーテルやジイソプロピルエーテル等の、沸点が約30〜100℃の有機溶剤が用いられる場合は、温度は、0〜100℃とすることが好ましく、20〜70℃とすることがより好ましく、20〜60℃とすることが特に好ましい。減圧度は、1〜600Torrとすることが好ましく、5〜400Torrが特に好ましい。また、留出した水及び/又は有機溶剤は、水及び/又は有機溶剤を捕集するのに十分な温度、例えば、10℃以下に冷却された冷却管を使い効率よく捕集することができる。
加水分解するシアンヒドリン類の濃度は、1〜70質量%とすることが好ましい。この範囲内とすることにより加水分解速度が速くなる。濃度は、5〜60質量%とすることがより好ましく、10〜50質量%とすることが特に好ましい。
また、加水分解においては、濃縮液を鉱酸中に添加する時の反応温度と、該反応液に溶媒を添加する時の反応温度は異なっていても良い。例えば、濃縮液を鉱酸中に添加する時の反応温度は−5℃〜溶媒の沸点温度とすることが好ましく、10〜40℃とすることが特に好ましい。該反応液に溶媒を添加する時の反応温度は10℃〜溶媒の沸点温度とすることが好ましく、30〜90℃とすることが特に好ましい。
加水分解により、シアンヒドリン類及び中間体であるα-ヒドロキシアミドが実質的に消失した後、加水分解反応溶液(結晶が析出し、不均一な状態、いわゆるスラリーになっている場合もある。)からα-ヒドロキシカルボン酸類結晶を回収する。
ここで、「実質的に消失」とは、高速液体クロマトグラフィーでの分析結果が、シアンヒドリン類及び中間体であるα-ヒドロキシアミドがα-ヒドロキシカルボン酸類に対して面積比で10%以下であることをいう。
α-ヒドロキシカルボン酸類溶液は、回収する結晶への着色を防止するためにα-ヒドロキシカルボン酸類結晶の回収前に、活性炭と接触処理することが好ましい。
接触処理とは、例えば、回分式で接触処理する場合は、α-ヒドロキシカルボン酸類溶液に活性炭を加え、攪拌して脱色すれば良い。連続式で接触処理する場合は、活性炭を充填したカラム内にα-ヒドロキシカルボン酸溶液を通すことにより脱色すれば良い。
α-ヒドロキシカルボン酸類溶液は、有機溶媒を用いて抽出し、必要に応じて水洗する。その後、溶媒を蒸発・乾固するか、あるいは、反応溶液を濃縮及び/又は冷却晶析することによりα-ヒドロキシカルボン酸類結晶を析出し、結晶を回収する。
得られたα-ヒドロキシカルボン酸類結晶が着色している場合は、α-ヒドロキシカルボン酸類結晶を溶剤に再溶解した後、活性炭と接触処理して結晶を脱色すれば良い。
回分式で接触処理した場合は、接触処理後、活性炭を濾別し、溶媒を蒸発・乾固する。または、活性炭を濾別した後、α-ヒドロキシカルボン酸類溶液を濃縮及び/又は冷却晶析した後、結晶を濾別する。
連続式で接触処理した場合は、活性炭を濾別する必要がないので、接触処理後のα-ヒドロキシカルボン酸類溶液から溶媒を蒸発・乾固するか、あるいは接触処理後のα-ヒドロキシカルボン酸類溶液を濃縮及び/又は冷却晶析した後、結晶を濾別して結晶を回収する。
[調製例1]
ヒドロキシニトリルリア−ゼ発現形質転換(導入)体の調製
(1) ヒドロキシニトリルリア−ゼ遺伝子の作製
Jane Hughes et al, Arch.Biochem.Biophys.331<1994>496-502及びGenBank accession number Z29091記載の塩基配列を元に、配列番号2によって表されるキャッサバ(Manihot esculenta)由来のヒドロキシニトリルリア−ゼ遺伝子をPCR法により合成した。具体的には、20種のオリゴヌクレオチドF01〜F10及びR01〜R10(配列番号3〜22)を設計及び合成した。オリゴヌクレオチドに相補的に設定された20種のオリゴヌクレオチドは、それぞれ約20塩基ずつ重なるように設計した。図1に20種のオリゴヌクレオチドF01〜F10及びR01〜R10(配列番号3〜22)の位置関係を模式的に表した。凍結乾燥されたオリゴヌクレオチドを蒸留水で再懸濁し、100 pmol/μlとした。20種のオリゴヌクレオチド溶液のそれぞれから1μlずつ集めてミックスオリゴを作製した。この混合液をPCR-mix(Pwo 10×緩衝液、dNTP mix、Pwo DNAポリメラ−ゼ)(Boehringer Mannheim社製)に加えた。表1にPCR反応液の組成を示した。
上記(1)で得られた2nd PCRの増幅産物のバンド(約1kb)をQIAquick Gel Extraction Kit(QIAGEN社製)で精製した。精製したDNA(5μl)を制限酵素BamHI (1μl)(オリゴヌクレオチドF01中に消化認識部位が含まれる)及びKpnI(1μl)(オリゴヌクレオチドR01中に消化認識部位が含まれる)で37℃、1時間消化し、フェノ−ル抽出・クロロホルム抽出・エタノ−ル沈殿[Molecular Cloning, A Laboratory Manual 2nd ed.(Cold Spring Harbor Press (1989))]により精製した。精製したDNA(5μl)、BamHI並びにKpnIで予め消化しておいたベクタ−pUC19(タカラバイオ社製)(1μl)、蒸留水(4μl)及びsolution I(DNA Ligation Kit ver.2(タカラバイオ社製))(10μl)を混合してライゲ−ション混合物を作った。得られた混合物を12時間、16℃でインキュベ−トすることで、精製したDNAとベクタ−を結合しライゲーション産物を作製した。
大腸菌 JM109株をLB培地(1% バクトトリプトン、0.5%バクトイ−ストエキス、0.5% NaCl) 1mlに接種し37℃、5時間好気的に前培養した。この前培養液 0.4mlを SOB培地 40ml(2%バクトトリプトン、0.5%バクトイ−ストエキス、10mM NaCl 、2.5mM KCl 、1mM MgSO4 、1mM MgCl2 ) に加え、18℃で20時間培養した。次いで、培養物を遠心分離により集菌(3,700×g、10分間、4℃)した後、冷TF溶液(20mM PIPES-KOH(pH 6.0) 、200mM KCl 、10mM CaCl2 、40mM MnCl2 ) を13ml加え、0℃で10分間静置した。その後、再度遠心分離(3,700×g、10分間、4℃)し、上澄を除いた。沈殿した大腸菌を冷TF溶液 3.2mlに懸濁し、0.22mlのジメチルスルフォキシドを加え0℃で10分間静置した。その後、200μlずつ分注してコンピテントセルを作製した。
工程(3)で得られたコンピテントセル 200μl を工程(2)で作製した該ライゲーション産物10μlに加え、0℃で30分静置した。次いで、42℃で30秒間ヒ−トショックを与え、0℃で2分間冷却した。その後、これにSOC 培地(20mM グルコ−ス、2%バクトトリプトン、0.5%バクトイ−ストエキス、10mM NaCl 、2.5mM KCl 、1mM MgSO4 、1mM MgCl2 )1ml を添加し、37℃にて1時間振盪培養した。この培養液を 200μl LBAmp寒天培地(アンピシリン 100mg/L 、1.5%寒天を含有するLB培地)にまき、37℃で培養した。寒天培地上に生育した複数個の形質転換体コロニーを各々 1.5mlのLBAmp培地(アンピシリン 100mg/Lを含有するLB培地)で一晩37℃で培養した。この培養液を各々集菌後、Flexi Prep(アマシャムバイオサイエンス社製)を用いて組換えベクターを回収した。得られた組換えベクターの塩基配列をCEQ DTCS Quick Start Kit及び蛍光シ−ケンサCEQ 2000XL DNA Analysis system(いずれもBECKMAN COULTER、米国)を用いて解析した。プライマ−は、オリゴヌクレオチドF01〜F10及びR01〜R10を用いた。
解析した結果、取得した組換えベクターが、配列番号2で表されるキャッサバ(Manihot esculenta)由来ヒドロキシニトリルリア−ゼ遺伝子の塩基配列と同一の配列を有することがわかった。それ組換えベクターをpUMEと命名した。
実験のコントロール及び後述する高発現型ヒドロキシニトリルリア−ゼ作製の際の鋳型として使用するため、キャッサバ(Manihot esculenta) 由来ヒドロキシニトリルリア−ゼ発現プラスミドを、以下の方法で作製した。まず、ヒドロキシニトリルリア−ゼをコ−ドするDNA断片を発現ベクタ−に容易に導入可能な制限酵素認識部位を両端に有する形となるようPCR法で作製した。PCR用の反応混合物は、5μlのPwo 10×バッファ−、5μlのdNTP mix、0.5μlのPwo DNAポリメラ−ゼ、36.2μlの蒸留水、1μlのセンスプライマー(配列番号23、29ヌクレオチドからなり、その配列中にNcoI認識部位及びヒドロキシニトリルリア−ゼ遺伝子のATG開始コドン以降を有する)、アンチセンスプライマ−(配列番号24、33ヌクレオチドからなり、その配列中にSse8387I認識部位及びヒドロキシニトリルリア−ゼ遺伝子の終止コドンを含む)、並びに鋳型としてプラスミドpUMEを1μl添加したものを用いた。PCRは、95℃で2分の変性を行った後、94℃で30秒、50℃で30秒、72℃で2分を30サイクル行った。
CCACCATGGTAACTGCACATTTTGTTCTG(配列番号23;下線部は制限酵素NcoI認識部位を示す)
アンチセンスプライマ−:
GGCCTGCAGGTTAACTTAATAGGAGCTAAAAGC(配列番号24;下線部は制限酵素Sse8387I認識部位を示す)
次いで、ヒドロキシニトリルリア−ゼ発現用ベクターを以下のように調製した。ベクターpKK233-2(Centraalbureau voor Schimmelcultures (CBS)、オランダ;http://www.cbs.knaw.nl/)(5μl)をHindIII(1μl)で消化後、フェノ−ル抽出・クロロホルム抽出・エタノ−ル沈殿により精製した。次いで、DNA Blunting Kit(タカラバイオ社製)を用いて末端の平滑処理を行った。この処理液を再度フェノ−ル抽出・クロロホルム抽出・エタノ−ル沈殿により精製した。精製した発現ベクタ−(5μl)をShrimp Alkaline Phosphatase(タカラバイオ社製)を用いて脱リン酸化処理を行った。この処理液を再度エタノ−ル沈殿により精製した。精製したベクタ−DNA(5μl)、アニ−リング済みSse8387Iリン酸化リンカ−pSse8387I(タカラバイオ社製)(5μl)及びsolution I(DNA Ligation Kit ver.2(タカラバイオ社製))(10μl)を混合してライゲ−ション混合物を作った。この混合物を12時間、16℃でインキュベ−トすることでリンカ−とベクタ−を結合した。工程(4)と同様の操作により、大腸菌JM109株の形質転換を行った。生育したコロニ−より組換えベクターを回収した。回収した組換えベクターに対してSse8387I消化反応を行い、直鎖状に消化されることが確認されたものをpKK233-2(+Sse)とした。このpKK233-2(+Sse)を制限酵素NcoIとSse8387Iで消化後、フェノ−ル抽出・クロロホルム抽出・エタノ−ル沈殿により精製し、ヒドロキシニトリルリア−ゼ発現用ベクターを調製した。
工程(5)の方法で得られたヒドロキシニトリルリア−ゼ遺伝子DNA断片(5μl)と工程(6)の方法で作成したヒドロキシニトリルリア−ゼ発現用ベクターpKK233-2(+Sse) (5μl)を混合した。この混合液にsolution I(DNA Ligation Kit ver.2(タカラバイオ社製))(10μl)を添加してライゲ−ション混合物を作った。この混合物を12時間、16℃でインキュベ−トすることでリンカ−とベクタ−を結合した。工程(4)と同様の操作により、大腸菌JM109株の形質転換を行い、生育コロニ−から組換えベクターを回収した。ヒドロキシニトリルリア−ゼ遺伝子DNA断片が正しく発現ベクタ−に連結された組換えベクターを確認し、ヒドロキシニトリルリア−ゼ発現組換えベクターをpOXN103と命名した。同時に、ヒドロキシニトリルリア−ゼ発現形質転換(導入)体JM109/pOXN103を得た。
(S)-ヒドロキシニトリルリアーゼ水溶液の調製
形質転換(導入)体JM109/pOXN103を培地(2% 日本製薬社製ポリペプトンN、0.5% オリエンタル酵母社製酵母エキス、0.15% リン酸水素2カリウム、0.1g/L アンピシリンナトリウム、1mM IPTG)を100ml入れた三角フラスコ20本に接種し、37℃で一晩培養した。培養液の酵素活性は、特表平11-508775 号公報に記載の方法により測定したところ、4.77unit/mLであった。この培養液2Lを遠心分離(3,700×g、10分間、4℃)して菌体を回収し、20mMクエン酸及び70mMリン酸水素2ナトリウムを含むpH6.0の緩衝液を加えて80mLの菌体懸濁液を得た。この菌体懸濁液をフレンチプレス(大岳製作所社製 フレンチ・プレス 5502 5615L、1000kg/cm2)で2回処理して菌体を破砕した。その後、遠心分離(10,000×g、10分間、4℃)により上清を回収し、130unit/mLの酵素活性を持つ(S)-ヒドロキシニトリルリアーゼ水溶液60mLを得た。
<マンデロニトリル、マンデルアミド、マンデル酸化学純度>
試料調製方法:試料20mgをキャリヤー25mLに溶解
装置: カラムオーブン 日本分光社製 865−CO
UV 日本分光社製 870−UV
ポンプ 日本分光社製 880−PU
インテグレーター 島津製作所社製 C−R3A
カラム: ODS−2 GLサイエンス社製
キャリヤー: アセトニトリル:水=3/7(リン酸にてpH3.0に調整)
カラム温度: 40℃
流速: 1mL/min
波長: 220nm
<マンデロニトリル、マンデルアミド、マンデル酸光学純度>
試料調製方法:試料20mgをキャリヤー25mLに溶解
装置: カラムオーブン 日本分光社製 865−CO
UV 日本分光社製 870−UV
ポンプ 日本分光社製 880−PU
インテグレーター 島津製作所社製 C−R3A
カラム: CHIRALCEL OJ−H(4.6mm×250mm)ダイセル化学工業社製
キャリヤー: Hexane/IPA/トリフルオロ酢酸=90/10/0.1
カラム温度: 35℃
流速: 1.0mL/min
波長: 220nm
<着色度合い>
比色管によりAPHA標準色と比較することで数値化(ハーゼン色数、定量限界は500番)した。
(1)(S)-マンデロニトリルの合成
調製例2で得られた(S)-ヒドロキシニトリルリアーゼ水溶液44.6mL(5798単位)とt-ブチルメチルエーテル120.8mLを混合した。HCN 5g(0.185mol)をこれに添加し、6〜8℃で酵素水溶液が拡散するように攪拌した。次いで、攪拌しながら、HCN 1.45g(0.0537mol)及びベンズアルデヒド 5.55g(0.0523mol)を添加した。添加してから10分後、10分あたりHCN 1.5g(0.0556mol)及びベンズアルデヒド 4.5g(0.0424mol)の比率でHCN及びベンズアルデヒドを3時間20分かけて連続的に滴下した。滴下中、酵素水溶液が反応系内に拡散するように6〜8℃で攪拌した。滴下終了後、さらに1時間、6〜8℃で攪拌し(S)-マンデロニトリルの反応溶液を得た。その後、HPLC分析により この溶液を分析した。マンデロニトリルの濃度は、45.0質量%、その光学純度は98.0%e.e. のS体過剰であった。
上記(1)で得られた反応溶液261gに、98%硫酸を0.4g添加した。次いで、エバポレーターを用いてバス温度50℃で70〜50Torrになるまで、水及び有機溶媒を留去して濃縮し、90質量%の(S)-マンデロニトリル濃縮液 130.5g(ベンズアルデヒドからの収率98%)を得た。得られた(S)-マンデロニトリル濃縮液は、水及び有機溶剤に不溶な沈澱を含んでいた。
上記(2)で得られた(S)-マンデロニトリル濃縮液130.5gを35%塩酸146g中に17時間かけて滴下しながら30〜35℃で攪拌した。この反応溶液はスラリー状となり、攪拌後の反応溶液をHPLC分析したところ、(S)-マンデロニトリルは検出されず、(S)-マンデルアミドと(S)-マンデル酸が混在していた。次いで、反応溶液中に、水319gを添加して75℃で2時間攪拌した。この反応溶液は溶液状態の均一反応溶液となり、HPLC分析した。 (S)-マンデル酸の濃度は21.3%((S)-マンデロニトリルからの収率94.5%)で、その光学純度は98.0%e.e.のS体過剰であり、得られた均一反応溶液はわずかに褐色に着色し、ハーゼン色数は200〜250番であった。(S)-マンデロニトリル及び(S)-マンデルアミドは検出されなかった。
上記(3)で得られた均一反応溶液595gに、活性炭12g(クラレ社製P-60W5; 含水率50%)を加え、60℃で2時間攪拌した。その後、活性炭を濾別した。この反応溶液のハーゼン色数は80〜100番であった。
上記(4)で得られた反応溶液のうち590gを、冷却速度5℃/時間で60℃から15℃まで冷却し、結晶を析出させた。この結晶を濾別し、10℃の水で結晶を洗浄した。その後、結晶を乾燥させて、白色のマンデル酸結晶114.5gを回収した。回収したマンデル酸結晶の純度は97.0%(R体を含む)であり、その光学純度は99.5% e.e.のS体過剰であった。
(1)(R)-2-クロロマンデロニトリルの合成
50mMクエン酸緩衝液(pH5.0)25mLに溶解したアーモンド(Prunus amygdalus)由来の(R)-ヒドロキシニトリルリアーゼ(シグマ社製MO646(登録商標))24.3mg(13200単位) とt-ブチルメチルエーテル140mLを混合した。HCN 3.0g(0.111mol)をこれに添加し、26〜28℃で酵素水溶液が拡散するように攪拌した。次いで、攪拌しながら、HCN 1.3g(0.048mol)及び2-クロロベンズアルデヒド 5.3g(0.0377mol)を添加した。添加してから10分後、10分あたりHCN 1g(0.037mol)及び2-クロロベンズアルデヒド 4g(0.0284mol)の比率でHCN及び2-クロロベンズアルデヒドを3時間20分かけて連続的に滴下した。滴下中、酵素水溶液が反応系内に拡散するように26〜28℃で攪拌した。滴下終了後、さらに1時間、26〜28℃で攪拌し、(R)-2-クロロマンデロニトリルの反応溶液を得た。その後、HPLC分析により、この溶液を分析した。2-クロロマンデロニトリルの濃度は、41.4質量%、その光学純度は91.5%e.e. のR体過剰であった。
上記(1)で得られた反応溶液238gを実施例1(2)と同様の方法で、(R)-2-クロロマンデロニトリルの濃縮を行い、90質量%の(R)-2-クロロマンデロニトリル濃縮液109.5g(2-クロロベンズアルデヒドからの収率87%)を得た。得られた(R)-2-クロロマンデロニトリル濃縮液は水及び有機溶剤に不溶な沈澱を含んでいた。
上記(2)で得られた2-クロロマンデロニトリル濃縮液109.5gを、35%塩酸の添加量を97g及び水の添加量を213gに変えた以外は実施例1(3)と同様の方法で加水分解を行った。得られた加水分解反応溶液の (R)-2-クロロマンデル酸の濃度は、26.8%((R)-2-クロロマンデロニトリルからの収率93%)で、その光学純度は91.5%e.e.のR体過剰であった。この反応溶液はわずかに褐色に着色し、ハーゼン色数は250〜300番であった。
上記(3)で得られた反応溶液419.5gを、活性炭の添加量を8gに変えた以外は実施例1(4)と同様の方法で脱色を行った。その後、活性炭を濾別した。この反応溶液のハーゼン色数は150〜200番であった。
Claims (2)
- 以下の工程を含むα-ヒドロキシカルボン酸類結晶の製造方法。
(1)シアンヒドリン類、酵素水溶液並びに水及び/又は有機溶剤を含む酵素反応溶液から酵素を分離することなく、水及び/又は有機溶剤を留去し、シアンヒドリン類の濃度を80質量%以上に濃縮する工程
(2)得られたシアンヒドリン類濃縮液を加水分解し、α-ヒドロキシカルボン酸類溶液を得る工程
(3)得られたα-ヒドロキシカルボン酸類溶液からα-ヒドロキシカルボン酸類結晶を析出し、結晶を回収する工程 - 結晶の回収前に活性炭と接触処理することを含む請求項1記載の方法。
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