JP4994412B2 - レーダ装置 - Google Patents

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Description

この発明は、対象に電波を照射して、対象の距離、角度と相対速度を計測するレーダ装置に関し、特に、対象の速度を精度良く測定するようにしたレーダ装置に関するものである。
近年、車両の安全走行の分野では、ミリ波レーダやレーザレーダを用いたアダプティブクルーズコントロール等の快適システムやプリクラッシュセーフティのような安全システムが市場投入されており、今後も様々な快適・安全システムへの適用が望まれているが、さらに高度なシステムへの適用のためには、対象の挙動を正確に把握することが必要となる。
また、対象としての他車との接触を回避するような装置として、例えば特許文献1に開示されたものがある。この装置では、自車線に他車が侵入してくる場合、検出位置(距離)に基づいて相対速度を算出し、他車との接触可能性を推定して、回避支援を行う。
また、車両同士の衝突の可能性を検知して、車両の走行を制御する装置として、例えば特許文献2に開示されたものがある。この装置では、自車両速度と相手車両速度を比較し、例えば相手車両速度が自車両速度より大きい場合には、自車両が相手車両に側突するように自車両の走行を制御している。
特開2008−62873号公報 特開2008−37313号公報
上記特許文献1に記載の装置では、対象の代表検出点(端点)の時間変化率から相対速度を算出しているが、レーダによる検出点は対象の反射点に依存するため、反射点が変われば、検出点もばらつき、算出された相対速度精度の低下につながる。
また、上記特許文献2に記載の装置では、例えば、自車の前方を左から右に直進してきた相手車両の軌道を求める際、相手車両の絶対位置と速度の情報を得て推定している。ここでも、ミリ波レーダの検出位置は、相手車両の反射点がばらつくことによりばらつきを持ってしまう。よって、位置の時間的変化量から速度を算出する場合には、相対速度誤差が発生するという問題がある。上記特許文献2に記載の装置では、過去10点分の位置から最小二乗法によって直線を求め、相手車両の軌道を推定しており、相手車両の相対速度も用いて、軌道を推定していると記載されているが、その具体的な手法については言及されていない。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、対象の速度を正確に計測するレーダ装置を得るものである。
この発明に係るレーダ装置は、自車に搭載したレーダから対象に向けて電波を送信して、前記自車と前記対象の距離、角度と相対速度を計測するレーダ装置において、前記レーダの正対方向の法線方向をXとするとき、前記対象の移動方向を判定する対象移動方向判定手段と、前記対象移動方向判定手段の判定結果に基づき、前記対象の速度を算出する対象速度算出手段を有し、前記対象移動方向判定手段は、前記対象がX方向に移動していると仮定した場合の今回の予測位置(Xp1,Yp1)を、
Xp1 = Xn + Vx1*Δt
Yp1 = Yn + Vy1*Δt
Vx1 = (V - Vs*cosθ)/sinθ
Vy1 = -Vs
(ただし、ΔtはN回前と今回の観測時間差、(Xn,Yn)はN回前の観測時の対象の位置、Vはレーダで計測された今回の対象の、レーダ装置に対する相対速度、θはレーダで計測されたレーダの正対方向に対して対象のなす角度、Vsは自車の大地に対する速度(車速))
で算出し、
前記対象速度算出手段は、前記対象移動方向判定手段により、今回の対象の位置(X0,Y0)と前記予測位置(Xp1,Yp1)との差分ΔP1が予め設定された値以下の場合には、前記対象がX方向に移動していると判定し、前記対象のX方向を
(V - Vs*cosθ)/sinθ
で算出し、
前記対象移動方向判定手段により、前記差分ΔP1が予め設定された値を超える場合には、前記対象のX方向速度を0とするものである。
この発明によれば、対象の速度を正確に計測できるレーダ装置が得られる。
この発明の実施の形態1に係るレーダ装置を示すブロック図である。 この発明の実施の形態1に係るレーダ装置の送信動作について説明するための図である。 この発明の実施の形態1に係るレーダ装置の受信動作について説明するための図である。 この発明の実施の形態1による対象のみがX方向に移動している場合の速度ベクトルを示す図である。 この発明の実施の形態1による自車(レーダ搭載車)が速度Vsで移動し、対象もX方向にVxで移動している場合の速度ベクトルを示す図である。 この発明の実施の形態1によるレーダで観測されるX方向、Y方向それぞれの速度を示した図である。 この発明の実施の形態1における処理フローチャートである。 この発明の実施の形態1における対象移動方向の判定処理のフローチャートである。 この発明の実施の形態2による自車(レーダ搭載車)が速度Vsで移動し、対象もX方向にVxで移動している場合の速度ベクトルを示す図である。 この発明の実施の形態2における処理フローチャートである。 この発明の実施の形態3における処理フローチャートである。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係るレーダ装置を示すブロック図である。本実施の形態1のレーダ装置は、送信経路として、変調用信号を生成する電圧発生回路102、この電圧発生回路102により制御される電圧制御発振器(VCO:Voltage Controlled Oscillator)(以下VCOという)103、分配器104、送信用スイッチ105、サーキ
ュレータ106、及び送受信共用アンテナ107を備えている。受信経路としては、前記送受信共用アンテナ107、前記サーキュレータ106、ミキサ108、バンドパスフィルタ(BPF:Band Pass Filter)(以下BPFという)109、アンプ110、A/D変換器111、メモリ112、信号処理部113を備えている。信号処理部113には自車両から、自車速とヨーレートが加えられる。本レーダ装置は、さらに制御部101を備えており、この制御部101が、送受信共用アンテナ107の方向を制御するためのアンテナ方向制御部114、前記電圧発生器102、前記A/D変換器111、前記メモリ112、前記信号処理部113、及びアンテナ方向制御部114を制御するようになされている。
まず、送信動作について説明する。制御部101によりタイミングなどが制御された電圧発生回路102は、時間的に三角波状に変化する図2(a)の電圧を発生し、VCO103に印加する。VCO103は、印加された電圧に応じて、周波数が時間的に変化する周波数変調連続波(以下FMCWという)を生成し、分配器104へ出力する。このFMCWについて、時間に対する電圧変化を図2(b)に、時間に対する周波数変化を図2(
c)に示す。分配器104は、入力されたFMCWの一部を送信信号として送信用スイッチ105へ出力し、残りをローカル信号としてミキサ108へ出力する。送信用スイッチ105では、入力されたFMCWをパルス変調し、サーキュレータ106を経て、送受信共用アンテナ107へ出力する。送受信共用アンテナ107は、入力された送信信号を送信波として空間に放射する。
次に、受信動作について説明する。送受信共用アンテナ107から放射された電波は、T期間だけ出力されるパルス波となり、対象までの距離Rに対応する遅延時間τをもって、送受信共用アンテナ107に入力される。その後、ミキサ108によりVCO103からのFMCWとミキシングされ、図3に示すようにビート信号を出力する。得られたビート信号はバンドパスフィルタ109を通過し、アンプ110により増幅される。増幅された信号は、距離ゲート毎にA/D変換器111に入力されてデジタル信号に変換され、メモリ112へ出力される。メモリ112は、制御部101の制御によって、アップフェーズ、ダウンフェーズの観測期間が終了すると、記録したA/D値を読み出し可能とする。
信号処理部113は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、あるいはCPUと
DSP(Digital Signal Processor)で構成され、制御部101によってアップフェーズ、あるいはダウンフェーズの観測期間が終了した時点で、アップフェーズにおけるビート信号のA/D値、あるいは、ダウンフェーズにおけるビート信号のA/D値が入力され、対象の距離・相対速度・角度を算出する。
次に、レーダの正対方向をY、その法線方向をXとする時、対象のX方向の速度を信号処理部113にて算出する方法について説明する。図4は対象のみがX方向に移動している場合の速度ベクトルを示している。レーダの正対方向に対する対象の角度をθ、対象のX方向の速度ベクトルをVxとすると、レーダで観測される速度(レーダで計測される相対速度)Vは、
V = Vx*sinθ (式1)
となる。
よって、求めたいVxは、(式1)を変形して、(式2)で表される。
Vx= V / sinθ (式2)
図5はレーダ搭載車である自車が速度Vsで移動し、対象もX方向にVxで移動している場合を示す。レーダで観測される対象の速度ベクトルVは、レーダ基準の相対座標で考える
と、図5(a)のように、VsとVxのベクトル和のレーダ方向の投影成分となる。ここで、絶対座標で見た場合には、図5(b)となり、実際の対象のX方向の速度Vxは、
Vx= (V - Vs*cosθ) / sinθ (式3)
となる。
このように、対象の移動方向がX方向と判定できた場合には、X方向速度Vxを正確に算出することができる。位置Xの時間変化量(微分)からX方向速度を算出する場合には、前述したように、対象の反射点のばらつきによる検出位置Xのばらつきが生じるため、それから算出されるX方向速度Vxには誤差が発生してしまう。一方、上記のような対象の相対速度ベクトルを利用する方法の場合、(式3)に表されるように、Vxはレーダで観測される相対速度Vと角度θで求めることができるため、対象の反射点がばらついても影響が
ないことがわかる。
次に、対象の移動方向を判定する方法について説明する。まず対象の動きを図6に示すように、X方向にのみ移動している場合と、Y方向にのみ移動している場合に大別する。図6(a)は対象がX方向にのみ移動している場合を示しており、この場合、レーダで観測されるX方向、Y方向それぞれの速度Vx1、Vy1は、
Vx1 = (V - Vs*cosθ) / sinθ (式4)
Vy1 = Vs (式5)
となる。
一方、図6(b)は対象がY方向にのみ移動している場合を示しており、この場合、レーダで観測されるX方向、Y方向それぞれの速度Vx2、Vy2は、
Vx2 = 0 (式6)
Vy2 = V / cosθ (式7)
となる。
前述したように、対象の検出位置はばらつく可能性があるため、移動方向の判定を、例えば、前回検出位置(X1,Y1)と今回検出位置(X0,Y0)から判定することは難しい。
(位置(X,Y)は、レーダで観測された距離Rと角度θから算出する。X=R*sinθ、Y=R*cosθ)
そこで、N回前の検出位置(Xn,Yn)から今回の検出位置の予測位置(Xp,Yp)を求め、今回の検出位置(X0,Y0)との差分により、対象の移動方向を判定することを考える。
対象がX方向にのみ移動していると仮定した場合の今回の予測位置(Xp1,Yp1)は、
Xp1 = Xn + Vx1*Δt (式8)
Yp1 = Yn + Vy1*Δt (式9)
(ここで、ΔtはN回前と今回の観測時間差を表す。)
と表すことができる。
一方、対象がY方向にのみ移動していると仮定した場合の今回の予測位置(Xp2,Yp2)は

Xp2 = Xn + Vx2*Δt = Xn (式10)
Yp2 = Yn + Vy2*Δt (式11)
と表すことができる。
次に、今回の検出位置と予測位置との差分を考える。対象がX方向にのみ移動していると仮定した場合の今回の検出位置と予測位置の差分ΔP1を例えば以下のように定義する。
ΔP1 = (X0 - Xp1)*(Y0 - Yp1) (式12)
同様に、対象がY方向にのみ移動していると仮定した場合の今回の検出位置と予測位置の差分ΔP2を以下のように定義する。
ΔP2 = (X0 - Xp2)*(Y0 - Yp2) (式13)
ここで、それぞれの場合を仮定した差分ΔP1、ΔP2を比較し、差分の小さい方を対象の移動方向とし、(式4)から(式7)を用い、今回のX方向、Y方向の速度とする。あるいは、差分に所定の閾値を設け、差分がその閾値以下の場合に対象の移動方向を確定してもよい。なお、ここでは差分ΔP1、ΔP2を(式12)、(式13)を用いて求めることを示したが、今回の検出位置と予測位置を用いて、他の方法を用いて差分を求めてもよい。また、上記では予測位置を求め、今回の検出位置との差分から対象の移動方向を判定する手法を示したが、対象の位置の過去履歴、あるいは対象の位置と相対速度の過去履歴をもとに、対象の移動方向を判定してもよい。
次に、信号処理方法について、図7のフローチャートを用いて説明する。以下、それぞれのステップについて説明する。
S701:距離・相対速度・角度を算出し、結果をメモリに記憶する。
S702:対象の移動方向を判定する。詳細は後述。
S703:移動方向がX方向のみの場合はS704へ進む。そうでなければ、S705へ進む。
S704:対象のX方向速度、Y方向速度を(式4)、(式5)から算出する。
S705:対象のX方向速度、Y方向速度を(式6)、(式7)から算出する。
次に、図7のS702の対象移動方向判定について、図8のフローチャートを用いて説明する。以下、それぞれのステップについて説明する。
S801:N回前の検出位置(Xn,Yn)から今回の検出位置の予測位置(Xp,Yp)を以下により算出する。
対象がX方向にのみ移動していると仮定し、(式4)、(式5)、(式8)、(式9)から(Xp1,Yp1)を算出する。
対象がY方向にのみ移動していると仮定し、(式6)、(式7)、(式10)、(式11)から(Xp2,Yp2)を算出する。
S802:今回の検出位置と予測位置との差分を以下により算出する。
対象がX方向にのみ移動していると仮定した場合、(式12)からΔP1を算出。
対象がY方向にのみ移動していると仮定した場合、(式13)からΔP2を算出。
S803:対象の移動方向を以下により算出する。
ΔP1 < ΔP2の場合:対象はX方向に移動していると判定。
ΔP1 >= ΔP2の場合:対象はY方向に移動していると判定。
S803の対象の移動方向については、差分ΔP1、ΔP2に対して閾値Tpを設け、以下のように判定してもよい。
ΔP1 < ΔP2、かつΔP1 < Tpの場合:対象はX方向に移動していると判定。
ΔP1 >= ΔP2、かつΔP2 < Tpの場合:対象はY方向に移動していると判定。
以上のように、この発明の実施の形態1によれば、対象の相対速度ベクトルを利用するので、対象の反射点のばらつきにも影響されることなく、対象のX方向速度、Y方向速度を正確に算出することができる。
実施の形態2.
実施の形態2に係るレーダ装置の構成は、図1にブロック図で示したものと同じである。以下、実施の形態1と異なる点のみ説明する。
前述したように、対象がX方向にのみ移動していると判定された場合、(式4)を用いてX方向の速度を算出した。ところが、図9のレーダ基準の相対座標で見た場合(a)と絶対座標で見た場合(b)に示すように、対象の角度θが小さい場合、Vxを求める際に必要な、
V - Vs*cosθ (式14)
の値が小さくなり、その結果求められるVxの誤差が大きくなってしまうことが考えられる。よって、ある程度θの小さい範囲においては、(式4)のみでX方向速度を算出するのではなく、それに加えて、Xの時間変化率からX方向速度をさらに求め、(式4)から求めたX方向速度との重み付け平均をとることが望ましい。
次に、図10のフローチャートを用いて処理内容を詳細に説明する。以下、それぞれのステップについて説明する。
S1001:距離・相対速度・角度を算出し、結果をメモリに記憶する。
S1002:対象の移動方向を判定する。詳細は既述。
S1003:移動方向がX方向のみの場合はS1004へ進む。そうでなければ、S1007へ進む。
S1004:対象の第1のX方向速度Vx11を以下の(式16)より算出する。
Vx11 = (V - Vs*cosθ) / sinθ (式16)
S1005:対象の第2のX方向速度Vx12を以下の(式17)より算出する。
Vx12 = ( X0 - Xn) / Δt (式17)
(X0:今回の検出位置、Xn:N回前の検出位置、Δt:N回前と今回の観測時間差)
S1006:(式16)、(式17)で算出したVx11、Vx12を用い、重み付け平均を行な
い、対象のX方向速度を算出する(式18、式19)。
Vx1 = (1-α)*Vx11 + α*Vx12 (式18)
(α:0以上1以下の係数)
Vy1 = Vs (式19)
S1007:対象のX方向速度、Y方向速度を(式6)、(式7)から算出する。
以上のように、この発明の実施の形態2によれば、対象の相対速度ベクトルを利用して算出したX方向速度と、対象のX位置の時間変化率から算出したX方向速度の双方を用い、重み付け平均を実施して対象のX方向速度を算出するので、検出全角度範囲において、正確に対象のX方向速度を求めることができる。例えば、対象のX位置の絶対値(あるいは角度θの絶対値)が小さい範囲については、対象のX位置の時間変化率から算出したX方向速度に重きを置き、逆に、X位置の絶対値(あるいは角度θの絶対値)が小さい範囲については、対象の相対速度ベクトルを利用して算出したX方向速度に重きを置けばよい。
なお、ここでは対象の第2のX方向速度を(式17)から算出したが、過去N回分のX位置の情報を用い、最小二乗法等の他の方法から第2のX方向速度を算出してもよい。
実施の形態3.
実施の形態3に係るレーダ装置の構成は、図1にブロック図で示したものと同じである。以下、実施の形態1と異なる点のみ説明する。
S803の対象の移動方向について、差分ΔP1、ΔP2に対して閾値Tpを設け、
ΔP1 < ΔP2、かつΔP1 < Tpの場合:対象はX方向に移動していると判定。
ΔP1 >= ΔP2、かつΔP2 < Tpの場合:対象はY方向に移動していると判定。
ΔP1 > Tp、かつΔP2 > Tpの場合:対象はX方向とY方向それぞれに移動ベクトル成分を有する(すなわち斜め方向へ移動している)と判定。
とすることを考える。
次に、図11のフローチャートを用いて処理内容を詳細に説明する。以下、それぞれのステップについて説明する。
S1101:距離・相対速度・角度を算出し、結果をメモリに記憶する。
S1102:対象の移動方向を判定する。
S1103:移動方向がX方向のみの場合はS1104へ進む。そうでなければ、S1105へ進む。
S1104:対象のX方向速度、Y方向速度を(式4)、(式5)から算出する。
S1105:移動方向がY方向のみの場合はS1106へ進む。そうでなければ、S1107へ進む。
S1106:対象のX方向速度、Y方向速度を(式6)、(式7)から算出する。
S1107:対象のX方向速度、Y方向速度を(式20)、(式21)から算出する。
Vx= α*(V-Vs*cosθ)/sinθ (式20)
(ただし、αは0以上1以下の値、Vはレーダで計測された対象の相対速度、θは対象の
角度、Vsは自車の速度)
Vy= (1-α)*V / cosθ (式21)
ここで重み付け係数であるαは、差分ΔP1、ΔP2の値をもとに求められる。
例えば、
α = ΔP2 / (ΔP1+ΔP2) (式15)
としてもよい。
以上のように、この発明の実施の形態3によれば、対象がX方向およびY方向の双方の
移動成分を持っている場合、すなわち対象が斜め方向に移動している場合についても、正確に対象のX方向速度、Y方向速度を算出することができる。
101 制御部、
102 変調用信号を生成する電圧発生回路、
103 電圧制御発振器(VCO:Voltage Controlled Oscillator)、
104 分配器、
105 送信用スイッチ、
106 サーキュレータ、
107 送受信共用アンテナ、
108 ミキサ、
109 バンドパスフィルタ(BPF:Band Pass Filter)、
110 アンプ、
111 アナログデジタル(A/D:Analog to Digital)変換器、
112 メモリ、
113 信号処理部、
114 アンテナ方向制御部。

Claims (4)

  1. 自車に搭載したレーダから対象に向けて電波を送信して、前記自車と前記対象の距離、角度と相対速度を計測するレーダ装置において、前記レーダの正対方向の法線方向をXとするとき、前記対象の移動方向を判定する対象移動方向判定手段と、前記対象移動方向判定手段の判定結果に基づき、前記対象の速度を算出する対象速度算出手段を有し、前記対象移動方向判定手段は、前記対象が前記レーダに対してX方向に移動していると仮定した場合の今回の予測位置(Xp1,Yp1)を、
    Xp1 = Xn + Vx1*Δt
    Yp1 = Yn + Vy1*Δt
    Vx1 = (V - Vs*cosθ)/sinθ
    Vy1 = -Vs
    (ただし、ΔtはN回前と今回の観測時間差、(Xn,Yn)はN回前の観測時の対象の位置、Vはレーダで計測された今回の対象の、レーダ装置に対する相対速度、θはレーダで計測されたレーダの正対方向に対して対象のなす角度、Vsは自車の大地に対する速度(車速))
    で算出し、
    前記対象速度算出手段は、前記対象移動方向判定手段により、今回の対象の位置(X0,Y0)と前記予測位置(Xp1,Yp1)との差分ΔP1が予め設定された値以下の場合には、前記対象がX方向に移動していると判定し、前記対象のX方向速度を
    (V - Vs*cosθ)/sinθ
    で算出し、
    前記対象移動方向判定手段により、前記差分ΔP1が予め設定された値を超える場合には、前記対象のX方向速度を0とすることを特徴とするレーダ装置。
  2. 請求項1に記載のレーダ装置において、第2の対象速度算出手段と、対象速度決定手段をさらに備え、前記第2の対象速度算出手段は、前記対象の距離と角度から算出されたX方向の位置の過去履歴をもとに前記対象のX方向速度を算出し、前記対象速度決定手段は、前記対象がX方向に移動していると判定された場合には、前記対象速度算出手段のX方向速度Vx1を、
    Vx11 = (V - Vs*cosθ)/sinθと
    第2の対象速度算出手段からのX方向速度
    V12 = (X0 - Xn)/Δt
    (ただし、ΔtはN回前と今回の観測時間差、X0は今回レーダで計測された対象のX位置、XnはN回前の観測時のレーダで計測された対象のX位置、Vはレーダで計測された今回の対象の、レーダ装置に対する相対速度、θはレーダで計測されたレーダの正対方向に対して対象のなす角度、Vsは自車の大地に対する速度(車速))とを用い、
    Vx1 = (1 - α)*Vx11 + α*Vx12
    (ただし、α:0以上1以下の係数)
    で算出することを特徴とするレーダ装置。
  3. 請求項2に記載のレーダ装置において、前記対象速度決定手段は、前記対象のX方向の位置によって、αの値を変更することを特徴とするレーダ装置。
  4. 自車に搭載したレーダから対象に向けて電波を送信して、前記自車と前記対象の距離、角度と相対速度を計測するレーダ装置において、前記レーダの正対方向をYとするとき、前記対象の移動方向を判定する対象移動方向判定手段と、前記対象移動方向判定手段の判定結果に基づき、前記対象の速度を算出する対象速度算出手段を有し、前記対象移動方向判定手段は、前記対象が前記レーダに対してY方向に移動していると仮定した場合の今回の予測位置(Xp2,Yp2)を、
    Xp2 = Xn + Vx2*Δt
    Yp2 = Yn + Vy2*Δt
    Vx2 = 0
    Vy2 = V/cosθ
    (ただし、ΔtはN回前と今回の観測時間差、(Xn,Yn)はN回前の観測時の対象の位置、Vはレーダで計測された今回の対象の、レーダ装置に対する相対速度、θはレーダで計測されたレーダの正対方向に対して対象のなす角度)
    で算出し、
    前記対象速度算出手段は、前記対象移動方向判定手段により、今回の対象の位置(X0,Y0)と前記予測位置(Xp2,Yp2)との差分ΔP2が予め設定された値以下の場合には、前記対象がY方向に移動していると判定し、前記対象のY方向速度を、
    V/cosθ
    で算出し、
    前記対象移動方向判定手段により、前記差分ΔP2が予め設定された値を超える場合には、前記対象のY方向速度を
    -Vs
    とすることを特徴とするレーダ装置。
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