JP4994357B2 - 誘導加熱調理器 - Google Patents
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(全体構成)
図1は、本発明の実施の形態1に係る誘導加熱調理器の組立斜視図である。図2は、この誘導加熱調理器の分解斜視図である。また、図3は、図1のA−A断面模式図である。以下、図1〜図3を用いて本実施の形態1における誘導加熱調理器について説明する。
図4は、図3のQ部拡大図である。コイルユニット20は、誘導加熱コイル21、フェライト22、及び支持体23等から構成されている。誘導加熱コイル21は、略中央部を開口して、導線が略円形状に巻かれて形成されている。この誘導加熱コイル21は、誘導加熱コイル21とトッププレート3の下面との距離を一定に保つため、支持体23によって支持されている。この支持体23は、例えば略中央部が開口した円形状の板材であり、誘導加熱コイル21と対応した形状となっている。また、支持体23の下面には、誘導加熱コイル21から発振される磁束の分布を調整するため、複数の角棒状のフェライト22が、誘導加熱コイル21及び支持体23の略中央部を中心として放射状に配設されている。
図5は、本発明の実施の形態1に係る誘導加熱コイルを駆動させるための駆動回路の構成図である。誘導加熱調理器1は交流電源30に接続されており、交流電源30から供給される交流電力は直流電源回路31で直流電力に変換される。この直流電源回路31は、整流ダイオードブリッジ32、平滑コンデンサ33及びリアクトル34から構成されている。また、交流電源30と整流ダイオードブリッジ32の間には入力電流検知回路35及び平滑コンデンサ36が設けられている。入力電流検知回路35は、直流電源回路31へ入力される電流値を検知するものであり、制御回路50に接続されている。平滑コンデンサ36は、交流電源30から供給される交流電力からノイズを除去する。
本実施の形態1に係る誘導加熱調理器1には、鍋材質判定手段が設けられている。この鍋材質の判定は、制御回路50によって行われている。
図6は、本発明の実施の形態1に係る鍋材質判定テーブルである。図中、小鍋以外の鍋は通常使用される大きさの鍋である。この図6はインバータ回路37に所定の周波数を発生させた際、トッププレート3上に載置される鍋の材質等の違いによって、入力電流検知回路35で検知される入力電流の値、及びコイル電流検知回路45で検知される高周波電流の値がいかに変化するのかを示している。図6からわかるように、抵抗値の大きい鍋ほど、入力電流検知回路35で検知される入力電流の値が大きくなる。また、鍋の大きさ(鍋底の大きさ)が大きいほど、入力電流検知回路35で検知される入力電流の値が大きくなる。また、磁性材料よりも非磁性材料の方が、コイル電流検知回路45で検知される高周波電流の値が大きくなる。
図7は、本発明の実施の形態1に係る鍋材質判定方法を示すフローチャートである。調理が開始されると(ステップS0)、制御回路50はインバータ回路37に所定の周波数を発生させる。そして、入力電流検知回路35で入力電流の値を検知し、コイル電流検知回路45で誘導加熱コイル21に流れる高周波電流の値を検知する(ステップS1)。なお、このステップS1は、例えば1秒毎に実行される。次に、ステップ2では、入力電流検知回路35で検知される入力電流の値が所定の電流値Wa(図6に示す)よりも小さいか否かを判定する。入力電流値がWaよりも小さいときはステップS3に進み、入力電流値がWa以上のときはステップS10に進む。
続いて、本実施の形態1の誘導加熱調理器1に係るバネ6のへたり検出方法について説明する。本実施の形態1に係るバネ6のへたり検出は、上述の鍋材質判定と同時に行う。
図8は、本発明の実施の形態1に係るバネのへたり量と誘導加熱コイルで検知される高周波電流値との関係を示す特性図である。この図の横軸は、誘導加熱コイル21とへたり検知部材25との距離L1(図4に示す)、つまりバネ6のへたり量を示している。この図の縦軸は、コイル電流検知回路45で検知される高周波電流の値を示している。
また、図9は、本発明の実施の形態1に係るバネのへたり量と入力電流検知回路で検知される入力電流値との関係を示す特性図である。この図の横軸は、誘導加熱コイル21とへたり検知部材25との距離L1(図4に示す)、つまりバネ6のへたり量を示している。この図の縦軸は、入力電流検知回路35で検知される入力電流の値を示している。
バネ6のへたり検出用に新たな検出回路を設ける必要がない。
実施の形態1では、コイルユニット20(誘導加熱コイル21)の下方に低抵抗非磁性材料であるアルミニウムにより形成されたへたり検知部材25を設け、バネ6のへたりを検出した。コイルユニット20(誘導加熱コイル21)の下方に磁性材料で形成されたへたり検知部材を設けても、バネ6のへたりを検出することが可能である。なお、本実施の形態2において、特に記述しない項目については実施の形態1と同様とし、同一の機能や構成については同一の符号を用いて述べることとする。
図10は、本発明の実施の形態2に係るコイルユニット周辺の縦断面模式図である。この図は、図3におけるQ部と同位置を表している。図10に示すように、コイルユニット20(誘導加熱コイル21)の下方には、例えば略円板状のへたり検知部材61が仕切板2aの上面に設けられている。このへたり検知部材61は、磁性材料である鉄により形成されている。また、へたり検知部材61の上面部には、へたり検知部材61の温度を検知する温度センサ62が設けられている。この温度センサ62は、制御回路50に接続されている。ここで、温度センサ62が、本発明の温度検知部に相当する。なお、へたり検知部材61は、鉄に限らず、例えばステンレス(SUS430等)等の磁性部材で形成してもよい。また、温度センサ62の設置位置も、へたり検知部材61の温度が検知できる位置であれば任意である。
続いて、本実施の形態2の誘導加熱調理器1に係るバネ6のへたり検出方法について説明する。
図11は、本発明の実施の形態2に係るコイル電流検知回路の検知電流とへたり検知部材に設けられた温度センサの検知温度との関係を示す特性図である。なお、この図では、バネ6にへたりが発生していない状態を正常時として示し、バネ6にへたりが発生している状態を異常時として示している。
実施の形態1又は実施の形態2に係る誘導加熱調理器1に、バネ6のへたりを検出する開閉装置を設けることにより、より確実にバネ6のへたりを検出することが可能となる。なお、本実施の形態3において、特に記述しない項目については実施の形態1又は実施の形態2と同様とし、同一の機能や構成については同一の符号を用いて述べることとする。
経年劣化によりバネ6にへたりが発生すると、トッププレート3とコイルユニット20(誘導加熱コイル21)との間の隙間が増大する。この隙間が所定の寸法よりも大きくなると、マイクロスイッチ71の端子部はトッププレート3の下面に押圧されなくなる。このため、マイクロスイッチ71が開状態となり、制御回路51への信号は出力されなくなる。これにより、制御回路50はバネ6のへたりを検出する。バネ6のへたりを検出した制御回路50は、誘導加熱コイル21への高周波電流の通電を停止する。
Claims (7)
- 鍋を載置するトッププレートと、
該トッププレートの下方に設けられた誘導加熱コイルと、
該誘導加熱コイルを前記トッププレートに向けて付勢する付勢手段と、
前記誘導加熱コイルの下方に設けられ、低抵抗非磁性材料により形成されたへたり検知部材と、
交流電源を直流電源に変換する直流電源回路と、
該直流電源回路の直流電流を高周波電流に変換し、該高周波電流を前記誘導加熱コイルに流すインバータ回路と、
前記直流電源回路の入力電流を検知する入力電流検知回路と、
前記誘導加熱コイルに流れる電流を検知するコイル電流検知回路と、
前記入力電流検知回路の検知電流と前記コイル電流検知回路の検知電流とに基づき前記付勢手段のへたりを検出し、前記誘導加熱コイルへの高周波電流の通電を停止する制御回路と、
を備えたことを特徴とする誘導加熱調理器。 - 鍋を載置するトッププレートと、
該トッププレートの下方に設けられた誘導加熱コイルと、
該誘導加熱コイルを前記トッププレートに向けて付勢する付勢手段と、
前記誘導加熱コイルの下方に設けられ、低抵抗非磁性材料により形成されたへたり検知部材と、
交流電源を直流電源に変換する直流電源回路と、
該直流電源回路の直流電流を高周波電流に変換し、該高周波電流を前記誘導加熱コイルに流すインバータ回路と、
前記直流電源回路の入力電流を検知する入力電流検知回路と、
前記誘導加熱コイルに流れる電流を検知するコイル電流検知回路と、
前記入力電流検知回路が検知した電流値が第1の閾値よりも小さく、前記コイル電流検知回路が検知した電流値が第2の閾値よりも大きくなった場合、前記トッププレートに不適合鍋が載置されていると判断し、前記入力電流検知回路が検知した電流値が第3の閾値よりも小さく、前記コイル電流検知回路が検知した電流値が第4の閾値よりも大きくなった場合、前記付勢手段にへたりが発生していると判断する制御回路と、
を備え、
前記第1の閾値及び前記第3の閾値として同じ第5の閾値を用い、前記第2の閾値及び前記第4の閾値として同じ第6の閾値を用いることができるように、前記へたり検知部材と前記誘導加熱コイルとの距離、及び前記へたり検知部材の形状の少なくとも一方を設定し、
前記制御回路は、
前記入力電流検知回路が検知した電流値が第5の閾値よりも小さく、前記コイル電流検知回路が検知した電流値が第6の閾値よりも大きくなった場合、前記トッププレートに不適合鍋が載置されている状態及び前記付勢手段にへたりが発生している状態のうちのいずれかの状態であると判断し、前記誘導加熱コイルへの高周波電流の通電を停止することを特徴とする誘導加熱調理器。 - 前記低抵抗非磁性材料は、アルミニウム及び銅のうち少なくとも一方であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の誘導加熱調理器。
- 鍋を載置するトッププレートと、
該トッププレートの下方に設けられた誘導加熱コイルと、
該誘導加熱コイルを前記トッププレートに向けて付勢する付勢手段と、
交流電源を直流電源に変換する直流電源回路と、
該直流電源回路の直流電流を高周波電流に変換し、該高周波電流を前記誘導加熱コイルに流すインバータ回路と、
前記誘導加熱コイルの下方に設けられ、磁性材料により形成されたへたり検知部材と、
該へたり検知部材に設けられた温度検知部と、
前記温度検知部が検知した前記へたり検知部材の温度に基づき前記付勢手段のへたりを検出し、前記誘導加熱コイルへの高周波電流の通電を停止する制御回路と、
を備えたことを特徴とする誘導加熱調理器。 - 前記磁性材料は、鉄及びステンレスのうち少なくとも一方であることを特徴とする請求項4に記載の誘導加熱調理器。
- 端子部が押圧された状態においては閉状態となり、端子部が押圧されていない状態においては開状態となる開閉装置を備え、
前記付勢手段のへたり量が所定値以下の状態では前記トッププレートと前記誘導加熱コイルとの間に挟まれて前記端子部が押圧され、前記付勢手段のへたり量が所定値よりも大きくなった状態では前記端子部が押圧されないように前記開閉装置を設置し、あるいは、前記付勢手段のへたり量が所定値以下の状態では前記端子部が押圧されず、前記付勢手段のへたり量が所定値よりも大きくなった状態では前記端子部が前記誘導加熱コイルによって押圧されるように前記開閉装置を設置し、
前記制御回路は、
前記開閉装置の開閉状態に基づき、前記付勢手段のへたりを検出することを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の誘導加熱調理器。 - 前記制御手段は、
前記開閉装置により前記付勢手段のへたりを検出した場合、前記誘導加熱コイルへの高周波電流の通電を停止することを特徴とする請求項6に記載の誘導加熱調理器。
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