JP4994073B2 - ガスバリア積層フィルムとその製造方法。 - Google Patents
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食品等の包装に用いられるガスバリア性フィルムとしては、たとえば、真空蒸着法、スパッタ法やプラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法による、酸化シリコン膜や酸化アルミ膜が一般的である。
また、近年、EL用基板や液晶表示素子において、軽量化および薄膜化、またフレキシブル化の観点から提案されている無機材料の高性能ガスバリア膜として、窒化シリコン膜を、真空蒸着法、スパッタ法やCVD法によりコーティングする構成が提案されている。
本発明は、触媒気相成長法と物理気相成長法により連続してガスバリア層を積層形成することにより、基材フィルム表面にプライマー処理を施すことなくガスバリア性に優れ、かつ密着性に優れたガスバリア積層フィルム、及び該フィルムの製造方法を提供することにある。
(1)基材フィルムの少なくとも一方の面に、厚さ0.1〜500nmの無機及び/又は有機の薄膜層(A層)、及び厚さ0.1〜500nmの無機薄膜層(B層)を、順次形成してなるガスバリア積層フィルムであって、上記A層が加熱触媒体を用いて材料ガスを接触熱分解する触媒化学気相成長法により形成され、かつB層が物理気相成長法により形成されたガスバリア積層フィルム、及び
(2)工程(1)で得られた該薄膜層(A層)上に、厚さ1〜100nmの無機薄膜層(B層)を物理気相成長法により積層する工程、
を有するガスバリア積層フィルムの製造方法、
に関する。
[ガスバリア積層フィルム]
本発明のガスバリア積層フィルムの基材フィルムとしては、加工性の点から、熱可塑性高分子フィルムが好ましく、その原料としては、通常の包装材料等に使用しうる樹脂であれば特に制限なく用いることができる。
具体的には、エチレン、プロピレン、ブテン等の単独重合体またはこれらの共重合体であるポリオレフィン、環状ポリオレフィン等の非晶質ポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート等のポリエステル、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12、共重合ナイロン等のポリアミド、エチレン−酢酸ビニル共重合体部分加水分解物(EVOH)、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリカーボネート、ポリビニルブチラール、ポリアリレート、ポリメタクリル樹脂、フッ素樹脂、アクリレート樹脂、生分解性樹脂等が挙げられる。これらの中では、フィルム強度、コストなどの点から、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリメタクリル樹脂、ポリエーテルサルホン、環状ポリオレフィンが好ましく、より好ましくはポリエステルである。上記基材フィルムは、公知の添加剤、例えば、帯電防止剤、光線遮断剤、紫外線吸収剤、可塑剤、滑剤、フィラー、着色剤、安定剤、潤滑剤、架橋剤、ブロッキング防止剤、酸化防止剤等を含有することができる。
基材フィルムの厚さは、本発明のガスバリア積層フィルムの基材としての機械強度、可撓性、透明性等の点から、その用途に応じ、通常5〜500μm、好ましくは10〜200μm、より好ましくは10〜15μmの範囲で選択され、厚さが大きいシート状のものも含む。また、フィルムの幅や長さについては特に制限はなく、適宜用途に応じて選択することができる。
このように、これらの工程を連続して行うことにより、触媒化学気相成長法のみにおいて2層を形成する場合よりも、非常に高速でガスバリア性フィルムを製造することが可能となる。これは、触媒化学気相成長法により形成するA層は基材フィルムとの密着性、表面形状、亀裂の目止め効果を付与する層であるため薄膜でよいことから、物理気相成長法の成膜速度において運転する真空装置内において、物理気相成長法の前工程として触媒化学気相成長法によりA層を形成し、連続してガスバリア性フィルムを形成することができるからである。
触媒化学気相成長法によるA層の成膜速度は、膜の緻密性や基材フィルムへの熱ダメージの点から5〜100nm/minの範囲内であることが好ましく、より好ましくは20
〜50nm/minである。また、物理気相成長法による成膜速度は、生産速度の点から、300nm/min以上であることが好ましい。
本発明においては、無機物質としては、ガスバリア性と基材フィルムやB層との密着性の点から、酸素及び窒素を含有する珪素化合物(SiOxNy)が好ましく、ここで、xは好ましくは0.5〜2.0であるが、より好ましくは1.0〜1.8である。yは好ましくは0.1〜0.7であるが、より好ましくは0.3〜0.5である。
上記有機物質としては、ガスバリア性や基材フィルムやB層との密着性の点から、好ましくはアクリル系モノマー、ビニル系モノマーである。上記A層としては、バリア性の点から、無機薄膜層であることが好ましい。また、A層は、通常無機及び/又は有機の薄膜層一層からなるが、複数の層から構成されていてもよい。
材料ガスとして水素を用いなくてもH・は発生するが、水素を材料ガスとして真空装置内に流入させることで、H・を大量に発生させることができ、従来に比して絶大な効果を発揮している。そして、主にSiH3・とNH2・が基材フィルム表面での熱エネルギー、堆積種の熱エネルギー、H・等の反応補助成分の存在により反応し、窒化シリコン膜となると推測されるが、詳しい気相反応や基板表面反応はわかっていない。なお、前記において、・印はラジカルの状態を示す。
すなわち、シランに対するアンモニアの流量比が上記範囲内であれば、窒化シリコン膜の着色がなく、また、アンモニアが加熱触媒体上での水素の分解を顕著に妨げることもなく、得られる珪素化合物膜の水蒸気や酸素等に対するバリア性も良好である。また、シランに対する、水素の流量比が上記範囲内であれば、水蒸気や酸素等のバリア性が良好である。また、真空装置内で堆積種の濃度の低下も見られず、堆積速度も良好である。
B層として形成する無機薄膜の厚さは、一般に0.1〜500nmであるが、好ましくは1〜300nm、より好ましくは5〜200nmである。上記範囲内であれば、十分なガスバリア性が得られ、また、無機薄膜に亀裂や剥離を発生させることなく、透明性にも優れている。
本発明においては、A層とB層を積層した後、最上層に用途に応じて保護膜や導電膜等の機能性膜を形成することも可能である。最上層に形成する機能性膜の厚さは、その用途に応じて選定することが可能であるが、膜応力によるガスバリア層への亀裂の発生や透明性低下等の問題を抑制するため一般に0.1〜500nmの範囲内であることが好ましい。
また、基材フィルムへのアンカーコート剤の塗布性、接着性を改良するため、アンカーコート剤の塗布前にフィルムに通常の化学処理、放電処理などの表面処理を施してもよい。
通常の実施態様としては、上記無機薄膜面及び/又は基材フィルム面上にプラスチックフィルムを設けた積層体が各種用途に使用される。上記プラスチックフィルムの厚さは、積層フィルムの基材としての機械強度、可撓性、透明性等の点から、通常5〜500μm、好ましくは10〜200μmの範囲で用途に応じて選択される。また、フィルムの幅や長さは特に制限はなく、適宜用途に応じて選択することができる。例えば、無機薄膜層の塗布面及び/又は基材フィルム面上にヒートシール可能な樹脂を使用することにより、ヒートシールが可能となり、種々の容器として使用できる。ヒートシール可能な樹脂としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、アクリル系樹脂、生分解性樹脂等の公知の樹脂が例示される。
(1)基材フィルム/A層/B層
(2)基材フィルム/A層/B層/A層/B層
(3)基材フィルム/A層/B層/A層/B層/A層/B層
(4)基材フィルム/A層/B層/接着剤層/基材フィルム/A層/B層
基材フィルム/A層/B層/接着剤層/基材フィルム/A層/B層/基材フィルム/A層/B層
等の積層構成を挙げることができる。
本発明は、また、(1)基材フィルムの少なくとも一方の面に、加熱触媒体を用いて材料ガスを接触熱分解する触媒化学気相成長法により、厚さ0.1〜500nmの無機及び/又は有機の薄膜層(A層)を形成する工程、及び
(2)工程(1)で得られた該薄膜層(A層)上に、厚さ1〜100nmの無機薄膜層(B層)を物理気相成長法により積層する工程、
を有するガスバリア積層フィルムの製造方法に関する。
基材フィルム、厚さ0.1〜500nmの無機及び/又は有機の薄膜層(A層)、厚さ0.1〜500nmの無機薄膜層(B層)、及び得られるガスバリア積層フィルムについては、前述のとおりである。また、触媒化学気相成長法及び物理気相成長法についてもその詳細は既に述べた通りである。
JIS Z 0222「防湿包装容器の透湿度試験方法」、JIS Z 0208「防湿包装材料の透湿度試験方法(カップ法)」の諸条件に順じ、次の手法で評価した。
透湿面積10.0cm×10.0cm角の各積層フィルムを2枚用い、吸湿剤として無水塩化カルシウム約20gを入れ四辺を封じた袋を作製し、その袋を温度40℃相対湿度90%の恒温恒湿装置に入れ、48時間以上間隔で質量増加がほぼ一定になる目安として14日間まで、質量測定(0.1mg単位)し、水蒸気透過率を下記式から算出した。
水蒸気透過率(g/m2/24h)=(m/s)/t
m;試験期間最後2回の秤量間隔の増加質量(g)
s;透湿面積(m2)
t;試験期間最後2回の秤量間隔の時間(h)/24(h)
JIS Z1707に準じ、各積層フィルムを幅15mmの短冊状に切り出し、その端部を一部剥離させ、剥離試験機(島津製作所製、製品名EZ−TEST)により300mm/分の速度でT型剥離を行い、密着強度(g/15mm)を測定した。
走査型プローブ顕微鏡(セイコーインスツルメンツ社製SPI3800)の非接触モード(ダイナミックフォースモード)で測定した。走査速度、1測定領域中の測定点数、傾斜補正は、表面状態を明確に測定できる条件を選択した。フィルムの表面形状の表面粗さ(Rms)は、走査型プローブ顕微鏡SPI3800付属ソフトの「CROSSSECTION」解析のAREA解析で求めた。
積層体に使用する基材フィルム100mmΦ片を切り出し、オートクレーブにより120℃ の熱水中で30分間加熱した後、取り出し、外径を10点測定し、熱収縮によるの寸法変化の最大値をDmaxとする。寸法変化率は次式より算出する。
〔(100−Dmax)/100〕×100
ポリエチレンテレフタレート樹脂(以下「PET」と略す。三菱化学(株)製「ノバペックス」)を溶融押出してシートを形成し、延伸温度95℃、延伸倍率3.3で流れ方向に延伸した後、延伸温度110℃、延伸倍率3.3で幅方向に延伸することにより、厚さ12μmの二軸延伸PETフィルム(表面粗度(Rms):1.0nm、120℃の熱収縮率:
1.0%)を得た。そのフィルムの片側表面に、触媒化学気相成長(Cat−CVD)装置を使用して二軸延伸PETフィルム基板と加熱触媒体の距離を20cm、堆積前の二軸延伸PETフィルム基板の温度を10℃、加熱触媒体の材質をφ0.5×2650mmのタングステンとし、加熱触媒体の温度を1750℃に設定した。その後、モノシランガス(SiH4),酸素ガス(O2),アンモニアガス(NH3)及び水素ガス(H2)をそれぞれ1:0.7:2.2:40の混合比にて導入し、20.0Pa(0.15Torr)の真空下で、10nm/minの成膜速度において接触熱分解することにより二軸延伸PETフィルム基板上に薄膜厚さ約30nmの珪素化合物膜(SiOxNy、x:1.5、y:0.4)を形成し、第一層(A層)とした。なお、珪素化合物膜の組成はX線光電子分光分析(島津製作所製、製品名ESCA−3400)を用いて測定した。以下の実施例においても同様である。堆積終了時の基板の温度は65℃以下であった。
実施例1において、第一層の厚さを50nm、第二層の厚さを50nmとした以外は同様にして積層フィルムを作製した。得られた積層フィルムについて、前記の評価を行った。結果を表1に示す。
実施例1において、第一層の厚さを100nm、第二層の厚さを100nmとした以外は同様にして積層フィルムを作製した。得られた積層フィルムについて、前記の評価を行った。結果を表1に示す。
実施例1において、基材フィルムとして、流れ方向及び幅方向の延伸倍率がいずれも3.3で厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンナフタレートフィルム(以下「PEN」と略す。帝人デュポンフィルム(株)製「テオネックス」、表面粗度(Rms):0.9nm、120℃の熱収縮率:1.0%)を用いた以外は同様にして積層フィルムを作製した。得られた積層フィルムについて、前記の評価を行った。結果を表1に示す。
実施例4において、第一層の厚さを50nm、第二層の厚さを50nmとした以外は同様にして積層フィルムを作製した。得られた積層フィルムについて、前記の評価を行った。結果を表1に示す。
実施例4において、第一層の厚さを100nm、第二層の厚さを100nmとした以外は同様にして積層フィルムを作製した。得られた積層フィルムについて、前記の評価を行った。結果を表1に示す。
実施例1において、二軸延伸PETフィルムと第一層の間に、0.1μmの厚さでアンカーコート層をグラビアコート法により塗布した以外は同様にして積層フィルムを作製した。得られた積層フィルムについて、前記の評価を行った。結果を表1に示す。
<アンカーコート(AC)>
下記アクリル樹脂水性液20質量%、ウレタン樹脂水性液20質量%、オキサゾリン基含有ポリマー(日本触媒製エポクロスWS−500)60質量%を混合して用いた。
アクリル樹脂水性液: アクリル酸エチル40質量部、メタクリル酸メチル30質量部、メタクリル酸20質量部、グリシジルメタクリレート10質量部の混合物をエチルアルコール中で溶液重合し、重合後水を加えつつ加熱しエチルアルコールを除去した。アンモニア水でpH7.5に調節し、アクリル樹脂水性液を得た。
ウレタン樹脂水性液: まず、テレフタル酸664質量部、イソフタル酸631質量部、1,4−ブタンジオール472質量部、ネオペンチルグリコール447質量部からなるポリエステルポリオールを得た。次いで、得られたポリエステルポリオールに、アジピン酸321質量部、ジメチロールプロピオン酸268質量部を加え、ペンダントカルボキシル基含有ポリエステルポリオールAを得た。更に、該ポリエステルポリオールA1880質量部にヘキサメチレンジイソシアネート160質量部を加え、ウレタン樹脂水性液を得た。
実施例7において、第一層の厚さを50nm、第二層の厚さを50nmとした以外は同様にして積層フィルムを作製した。得られた積層フィルムについて、前記の評価を行った。結果を表1に示す。
実施例7において、第一層の厚さを100nm、第二層の厚さを100nmとした以外は同様にして積層フィルムを作製した。得られた積層フィルムについて、前記の評価を行った。結果を表1に示す。
実施例3において形成した積層フィルムの第二層上に、ウレタン系接着剤(東洋モートン社製「AD900」と「CAT−RT85」とを10:1.5の割合で配合)を塗布、乾燥し、厚さ約3μmの接着樹脂層を形成し、この接着樹脂層上に、酸化珪素膜を形成した厚さ12μmの二軸延伸ポリビニルアルコールフィルム(PVA、三菱樹脂(株)製「テックバリアS」)の酸化珪素膜側をラミネートした以外は同様にして積層フィルムを作製した。得られた積層フィルムについて、前記の評価を行った。結果を表1に示す。
実施例6において形成した積層フィルムの第二層上に、ウレタン系接着剤(東洋モートン社製「AD900」と「CAT−RT85」とを10:1.5の割合で配合)を塗布、乾燥し、厚さ約3μmの接着樹脂層を形成し、この接着樹脂層上に、酸化珪素膜を形成した厚さ12μmの二軸延伸ポリビニルアルコールフィルム(三菱樹脂(株)製「テックバリアS」)の無酸化珪素膜側をラミネートした以外は同様にして積層フィルムを作製した。積層フィルムを得た。得られた積層フィルムについて、前記の評価を行った。結果を表1に示す。
実施例1において、二軸延伸PETフィルム上、第一層を設けることなく第二層と同様の条件で、真空蒸着装置を使用して、厚さ約100nmの酸化珪素膜(SiOx、x:1.6)を形成した以外は同様にして積層フィルムを作製した。得られた積層フィルムについて、前記の評価を行った。結果を表1に示す。
実施例1において、二軸延伸PETフィルム上に、同様の条件で触媒化学気相堆積装置を使用して、厚さ約100nmの珪素化合物膜(SiOxNy、x:1.5、y:0.4)を形成し、第二層を設けなかった以外は同様にして積層フィルムを作製した。得られた積層フィルムについて、前記の評価を行った。結果を表1に示す。
比較例2において、触媒化学気相堆積装置においてモノシランガス(SiH4),アンモニアガス(NH3),水素ガス(H2)の各材料ガスをそれぞれ1:2.2:40の混合比にて導入し、二軸延伸PETフィルム基板上に厚さ約100nmの珪素化合物膜を形成した以外は同様にして積層フィルムを作製した。得られた積層フィルムについて、前記の評価を行った。結果を表1に示す。
比較例1において形成した第一層となる酸化珪素膜上に、実施例1の第一層(A層)と同様の条件で、触媒化学気相堆積装置を使用して第二層である厚さ約100nmの珪素化合物膜(SiOxNy、x:1.5、y:0.4)を形成した以外は同様にして積層フィルムを作製した。得られた積層フィルムについて、前記の評価を行った。結果を表1に示す。
比較例1において形成した第一層となる酸化珪素膜上に、第一層と同一条件にて珪素膜を形成した以外は同様にして積層フィルムを作製した。得られた積層フィルムについて、前記の評価を行った。結果を表1に示す。
実施例1において形成した第一層となる珪素化合部膜上に、触媒化学気相成長(Cat−CVD)装置を使用して第二層となる酸化珪素膜を形成した。形成条件は、二軸延伸PETフィルム基板と加熱触媒体の距離を10cm、二軸延伸PETフィルム基板の温度を0℃、加熱触媒体の材質をφ0.5×2650mmのタングステンとし、加熱触媒体の温度を1750℃に設定した。その後、モノシランガス(SiH4),酸素ガス(O2)及び水素ガス(H2)をそれぞれ30:21:40の混合比にて導入し、20.0Pa(0.15Torr)の真空下で、100nm/minの成膜速度において接触熱分解することにより第一層の珪素化合物膜上に薄膜厚さ約30nmの酸化珪素膜を形成し、第二層とした。得られた積層フィルムについて、前記の評価を行った。結果を表1に示す。
Claims (10)
- 基材フィルムの少なくとも一方の面に、厚さ0.1〜500nmの無機及び/又は有機の薄膜層(A層)、及び厚さ0.1〜500nmの無機薄膜層(B層)を順次形成してなるガスバリア積層フィルムであって、上記A層が加熱触媒体を用いて材料ガスを接触熱分解する触媒化学気相成長法により形成され、かつB層が物理気相成長法により形成されたガスバリア積層フィルム。
- 無機及び/又は有機の薄膜層(A層)及び無機薄膜層(B層)が、酸素及び/又は窒素を含有する珪素化合物である、請求項1記載のガスバリア積層フィルム。
- 40℃、90%RH条件下での透湿度が、0.1g/m2/24hr以下である、請求項1又は2に記載のガスバリア積層フィルム。
- 基材フィルムが、流れ方向に2〜6倍及び幅方向に2〜5倍の延伸倍率で延伸処理され、熱水処理前後の熱収縮率が0.01〜5%である、請求項1〜3のいずれかに記載のガスバリア積層フィルム。
- 基材フィルムの厚さが5〜500μmである、請求項1〜4のいずれかに記載のガスバリア積層フィルム。
- 基材フィルムが、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリメタクリル樹脂、ポリエーテルサルホン、及び環状ポリオレフィンからなる群から選ばれる少なくとも一種からなり、その厚さが5〜150μmである、請求項1〜5のいずれかに記載のガスバリア積層フィルム。
- 基材フィルムと無機及び/又は有機の薄膜(A層)との間にアンカーコート層を有する、請求項1〜6のいずれかに記載のガスバリア積層フィルム。
- 前記アンカーコート層が、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ニトロセルロース系樹脂、シリコン系樹脂、アルコール性水酸基含有樹脂、オキサゾリン基含有樹脂、カルボジイミド基含有樹脂、及びイソシアネート基含有樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂を含む、請求項1〜7のいずれかに記載のガスバリア積層フィルムとその製造方法。
- (1)基材フィルムの少なくとも一方の面に、加熱触媒体を用いて材料ガスを接触熱分解する触媒化学気相成長法により、厚さ0.1〜500nmの無機及び/又は有機の薄膜層(A層)を形成する工程、及び
(2)工程(1)で得られた該薄膜層(A層)上に、厚さ1〜100nmの無機薄膜層(B層)を物理気相成長法により積層する工程、
を有するガスバリア積層フィルムの製造方法。 - 前記材料ガスが、珪素化合物を含む、請求項9記載のガスバリア積層フィルムの製造方法。
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