JP4994048B2 - 油圧制御装置 - Google Patents
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Description
具体的には、油路プレートを重ね合わせたとき、その一方の重ね合わせ面には、上記弁体が摺動可能な組み込み孔を開口させるとともに、その他方の重ね合わせ面には、上記弁体よりもその外周を小さくした通路を開口させる。このように、他方の重ね合わせ面に形成する通路の開口を弁体の外周よりも小さくすることで、油路プレートを重ね合わせたとき、組み込み孔から弁体が飛び出さないようにしている。言い換えれば、油路プレートの他方の重ね合わせ面を、弁体の抜け止め部として機能させている。
このように、各パイロット室に作用するパイロット圧のうちの最高圧を選択して、他の機器のバルブ制御等に利用する場合には、油路プレートを積層して弁体を保持しなければならず、装置全体が必要以上に大きくなってしまうという問題があった。
第3の発明は、上記バルブ本体に上記最高圧通路を形成するとともに、上記バルブ本体に上記複数の弁機構を組み込んだ点に特徴を有する。
第4の発明は、上記複数のキャップを一体に形成するとともに、この一体化した複数のキャップに上記最高圧通路を形成し、かつ、上記複数のキャップに上記複数の弁機構を組み込んだ点に特徴を有する。
第5の発明は、上記スリーブが、その先端側の開口外周に沿って複数の切欠き部を備え、この切欠き部を介して上記最高圧通路と上記スリーブ内とを連通させるとともに、上記弁体が開弁したとき、上記切欠きを介して上記最高圧通路と上記連通路とが連通する構成にした点に特徴を有する。
しかも、弁体をスリーブに保持させたので、スリーブを組み込むだけで、パイロット室と最高圧通路との連通過程に、しっかりと弁体を保持することができる。
したがって、弁体の抜け止め防止用に油路プレートを積層する必要がなくなる。言い換えれば、油路プレートを積層しなくても、パイロット室と最高圧通路との連通過程に弁体をしっかりと保持することができるので、装置全体を小型化することができる。
図1に示すように、バルブ本体Vには、複数のスプール孔1を形成するとともに、これらスプール孔1のそれぞれには、スプールSを摺動自在に組み込んでいる。そして、上記バルブ本体Vの側面には、1枚の油路プレートPを固定するとともに、この油路プレートPには、上記スプール孔1に対応する貫通孔2を複数形成している。
なお、図2に示すように、上記キャップ3の開口部分にはフランジ3aを設けるとともに、このフランジ3aを貫通する締結ボルトBを介して、キャップ3を油路プレートPに固定している。
また、図1中符号5は、スプールSの端部に設けたスプリングガイド、符号6,7は、上記スプリングガイド5を貫通させるスプリング受け、符号8は、上記スプリング受け6,7間に介在させたスプリングである。
そして、組み込み孔10の幅広部10aには、上記流路9を開口させる一方、油路プレートPには、各組み込み孔10の先端部10cを連通する最高圧通路11を形成している。
上記スリーブ12は、それを組み込み孔10に組み込んだとき、幅広部10aと先端部10cとを遮断するとともに、幅広部10aおよび先端部10cに、上記スリーブ12の外周に所定の空間が形成されるようにしている。
そして、スリーブ12には、その内部に連通路12aを形成しており、このスリーブ12内部に形成した連通路12aを介して、幅広部10aの空間と先端部10cの空間とが連通するようにしている。
そして、上記スリーブ12に形成した凹部12bには、金属製の弁体13を組み込んでいる。この弁体13は、図4に示すように、円柱の対向部を切り落とした形状をしており、凹部12b内に着座したとき、その一端面によって連通路12aの開口を塞ぐようにしている。また、弁体13を凹部12b内に保持した状態でスリーブ12を組み込み孔10に組み込んだとき、弁体13は、凹部12b内において、その軸方向に僅かに摺動可能な寸法関係を維持している。
そして、この最高圧通路11をバルブ本体Vに設けた図示しない通路を介して、他の機器のバルブ等に導くとともに、当該最高圧通路11の圧力をパイロット圧として作用させるようにしている。
各スプールSを切り換えるために、パイロット室4内にパイロット圧を発生させると、そのパイロット圧は、流路9を介して弁機構Aに導かれる。そして、当該パイロット圧は、スリーブ12に形成した連通路12aを介して、弁体13の一方の側に作用する。したがって、このときのパイロット圧の作用で、弁体13は、図面においてそれを上方へ移動させる力が作用する。ただし、弁体13が上方に移動するためには、当該パイロット圧が最高圧通路11側の圧力よりも高くなければならない。つまり、最高圧通路11の圧力は、すべての弁体13に対して背圧として作用することになるため、弁体13を押し上げて最高圧通路11に導かれるパイロット圧は、複数のパイロット室4のうちの最高圧ということになる。
したがって、最高圧通路11には、各パイロット室4に導かれるパイロット圧のうち最高圧が導かれることとなり、この最高圧が他の弁機構Aの弁体13に対して背圧として作用することとなる。
このように、他の弁機構Aにおいては、弁体13に対して最高圧が背圧として作用するので、この最高圧によって弁体13は凹部12bの底面に押し付けられて、連通路12aが遮断することとなる。
そして、最高圧通路11に導かれたパイロット圧は、図示しないパイロットポートを介して取り出され、別の機器を制御するパイロット圧として利用される。
このように、油路プレートPを積層させる必要がないので、装置全体が大型化することなく、各パイロット室4の最高圧を選択することができる。
別の実施形態としては、バルブ本体Vに最高圧通路11と流路9とを形成し、これらの連通過程に弁機構Aを組み込むようにしても構わない。このように弁機構Aをバルブ本体Vに組み込めば、一層装置全体を小型化することができる。
なお、上記実施形態においては、一つのバルブ本体Vに複数のスプール孔1を形成したが、スプール孔1を形成した複数のバルブ本体Vを連続して設けてもよいこと当然である。
また、上記実施形態においては、全てのパイロット室4を最高圧通路11に連通させたが、最高圧通路11に連通しないパイロット室4を設けてもよいこと当然である。この発明の油圧制御装置においては、複数のパイロット室に作用するパイロット圧のうち最高圧を導くものであるため、少なくとも2つのパイロット室が最高圧通路11に連通していればよい。
3 キャップ
4 パイロット室
11 最高圧通路
12 スリーブ
12a 連通路
13 弁体
A 弁機構
P 油路プレート
S スプール
V バルブ本体
Claims (5)
- 一または複数のバルブ本体と、このバルブ本体に形成した複数のスプール孔と、これら複数のスプール孔に摺動自在に組み込んだ複数のスプールと、上記バルブ本体の側面に設けるとともに、上記複数のスプール孔を塞ぐための複数のキャップと、これら複数のキャップに形成するとともに、上記スプールの端部を臨ませる複数のパイロット室と、これらパイロット室のうち全てもしくは複数に連通した最高圧通路と、この最高圧通路と上記各パイロット室との連通過程に設けた複数の弁機構とを備え、上記弁機構のそれぞれは、上記各パイロット室と上記最高圧通路とを連通する連通路を形成したスリーブと、このスリーブに組み込み、上記連通路を開閉する弁体とからなり、この弁体は円柱状の対向部を切り落とし、この切り落とした部分において上記スリーブの内周との間に隙間を保持する形状を備え、上記弁体の軸方向の一端面によって上記連通路を開閉する構成にし、さらに、上記スリーブの先端側開口を上記最高圧通路に連通させて、上記複数の弁機構を上記最高圧通路に並列に接続するとともに、各弁機構の上記弁体には、上記各パイロット室の圧力と上記最高圧通路の圧力とを対向して作用させ、上記パイロット室の圧力が上記最高圧通路の圧力より高くなったとき、上記弁体が開弁して上記パイロット室と上記最高圧通路とが上記連通路を介して連通し、上記各パイロット室の圧力のうち最高圧が選択される構成にした油圧制御装置。
- 上記バルブ本体と上記複数のキャップとの間に油路プレートを介在させてなり、この油路プレートには、上記最高圧通路を形成するとともに、上記複数の弁機構を組み込んだ請求項1記載の油圧制御装置。
- 上記バルブ本体に上記最高圧通路を形成するとともに、上記バルブ本体に上記複数の弁機構を組み込んだ請求項1記載の油圧制御装置。
- 上記複数のキャップを一体に形成するとともに、この一体化した複数のキャップに上記最高圧通路を形成し、かつ、上記複数のキャップに上記複数の弁機構を組み込んだ請求項1記載の油圧制御装置。
- 上記スリーブは、その先端側の開口外周に沿って複数の切欠き部を備え、この切欠き部を介して上記最高圧通路と上記スリーブ内とを連通させるとともに、上記弁体が開弁したとき、上記切欠きを介して上記最高圧通路と上記連通路とが連通する構成にした請求項1〜4のいずれか1に記載の油圧制御装置。
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