JP4992420B2 - 水晶振動子 - Google Patents

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本発明は、電子機器に用いられる水晶振動子の電極構造に関するものである。
従来の圧電振動子に、例えば、以下に示すような構成からなる水晶振動子がある。この水晶振動子は、その筐体がパッケージと蓋とから構成されてなる。そして、パッケージ内部には、例えばATカット水晶振動板が搭載されている。パッケージは、一面を開口させた箱型状体からなる。このパッケージの内部底面の一側部には、水晶振動板を搭載支持する一対の支持体が設けられている。また、この一対の支持体には、下記する水晶振動板の励振電極と導電性接着剤を介して導通する電極が形成されている。蓋は、板状体からなる。この蓋の外周縁部がパッケージの開口面と接合してパッケージ内部が気密封止される。水晶振動板は、X軸方向の辺とZ'軸方向の辺とから構成される矩形状の水晶振動板からなる。この水晶振動板の長辺軸の指定は、一般的に、保持形態により選択されている。車載向けなどの耐衝撃性が求められるものでは、長辺側の両端を保持するために、長辺側の保持の影響が少ないZ'軸方向を長辺とするものが多い。これに対して、X軸方向を長辺とするものでは、長辺側の保持の影響を受けやすいので片端側で保持する一方、水晶振動板の励振電極を大きく形成することができるので、励振領域を広くし、直列共振抵抗を改善したり、周波数可変量を広くすることができる。ATカット水晶振動板を用いた厚み振動系水晶振動子は、一般に水晶振動板の表裏面に一対の励振電極を正対向して形成し、当該励振電極に交流電圧を印加する構成である。つまり、水晶振動板の両主面には励振電極と、この励振電極を外部電極(支持体に形成された電極)と導通するための接続電極と、励振電極を接続電極に導通させるための引出電極が形成されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2003−17978号公報
近年、水晶振動板の小形化・低背化が益々進んでおり、水晶振動板をパッケージの端子電極と接続する場合、引出電極の一部を水晶振動板の端部で表裏面に引き回し、導電性接合材等をパッケージの端子電極側のみで接続する構成が多くなっている。このように構成することで、水晶振動板の搭載構成の薄肉化が行え、結果として水晶振動子の低背化が行える。
しかしながら、引出電極の一部を水晶振動板の端部で表裏面に引き回す構成では、次のような問題点があった。小型化された水晶振動板では、電気的特性(直列共振抵抗、周波数可変量)を確保するため、励振領域を阻害しない程度に励振電極の面積に対して、引出電極の面積をより小さく形成する必要があるので、水晶振動板の表裏面の励振電極に対する引出電極による引き回し電極も小さくなり、導通抵抗が低下するといった問題があった。特に、水晶振動板の稜で引き回し電極の電極切れが発生した場合、引出電極が断線して水晶振動子の不発振を招く危険性が懸念される。
また、30MHz以上に高周波化された水晶振動子では、低周波タイプの水晶振動子に比べて、水晶振動板を厚みすべり振動させるために必要な励振電極に対してかける電荷エネルギの絶対量が少なくてすむ一方で、励振電極自身が重りとなって厚みすべり振動を阻害するのを抑制するために、励振電極の厚みをより薄く設計する必要がある。このため、励振電極と同じ厚み寸法で引出電極を形成すれば、水晶振動板の稜での引き回し電極の電極切れが発生しやすく、引出電極が断線して水晶振動子の不発振を招く危険性が懸念されていた。従来では、引出電極のみの電極厚みを厚くするために、引出電極領域のみを露出させたマスク治具を用いて、さらに電極膜を形成していた。しかしながら、引出電極の厚み増大化工程が増加するだけでなく、この電極形成工程に伴う治工具類等も作成する必要があるので、コストアップの要因となっていた。さらに、前記電極形成工程によって電極ずれが発生する等、製品歩留まりの低下も懸念されるのが現状であった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、より安価に水晶振動板の小形化・低背化を実現しながら、水晶振動板の表裏面の励振電極に対する引出電極による引き回し電極の断線や導通抵抗が低下することのない、より電気的接続性の優れた水晶振動子を提供することを目的する。
上記の目的を達成するために、本発明の特許請求項1に示すように、水晶振動板とパッケージと蓋を有する水晶振動デバイスであって、
前記パッケージの支持体に導電性接合材により水晶振動板を電気的機械的に接続し、前記導電性接合材は水晶振動板の一方の主面とパッケージの支持体側のみに形成し、
水晶振動板は、厚みすべり振動する水晶振動板の表裏面に対向して一対の励振電極が形成され、当該各励振電極は引出電極により水晶振動板の端部に引き出されてなり、前記各引出電極は水晶振動板の側面を介して反対面に引き出されてなり、
前記励振電極と引出電極を同一電極層構成とするとともに、
電極層構成を、
下地電極層と当該下地電極層の上面に形成された銀からなる第1主電極層、
前記第1電極層の上面に形成された脱ガス吸着層と当該脱ガス吸着層の上面に形成された銀、または金からなる第2主電極層からなり、
前記第1主電極層が第2主電極層より薄いことを特徴とする。
なお、前記下地電極層や脱ガス吸着層として、クロムやニッケルを用いることが好ましくい。
上記構成により、電極層構成が、下地電極層と当該下地電極層の上面に形成された銀からなる第1主電極層、前記第1電極層の上面に形成された脱ガス吸着層から形成しているので、下地電極層を介して第1主電極層を形成しており水晶振動板への密着性を低下させることなく、かつ脱ガス吸着層の脱ガス作用によって第1主電極層の銀が飛散することがなくなる。特に電極の密着性が極端に低くなり電極の膜厚が薄くなる引出電極領域の水晶振動板の稜部分では、後工程(導電性接合材の硬化工程やリフロー工程等)や環境変化などによって外部から熱が加わったとしても、脱ガス吸着層で酸素を吸着させて、脱ガス吸着層下面の銀電極層の飛散を抑制することができる。その結果、引出電極の稜部分での電極の膜厚が薄くなったとしても、脱ガス吸着層の下面にある第1主電極層の銀が確実に確保されるので、断線することが一切なくなる。また、引き回される引出電極の形成幅が水晶振動板の端部から小さくなるほど、電極形成時にマスク部材の影となりやすく、水晶振動板の稜部分に形成される引出電極の膜厚は薄くなりやすいので、引出電極の稜部分での断線の問題がより顕著に現れやすい。以上のように、本発明では、引出電極が薄くなったり、小さくなったとしても、第1主電極層の銀による引出電極と表裏面の励振電極の導電路が確実に確保され電気的接続性が極めて安定する。
そして、水晶振動板をパッケージの端子電極と接続する場合、引出電極により表裏面の励振電極の接続が確立されるので、導電性接合材等は水晶振動板の一方の主面とパッケージの支持体(端子電極側)のみで形成することができる。つまり、水晶振動板の搭載構成の薄肉化が行え、結果として水晶振動子の低背化が行える。加えて、導電性接合材が樹脂系の接着剤であれば余分なガスの発生を抑制することができ、樹脂系の接着剤を上塗りすることによる水晶振動板のずれ込みの悪影響も抑制することができる。さらに、近年の導電性接合材として注目されているフリップチップボンディング(FCB)工法に最適な構成となり、水晶振動板の片面のみに金属バンプや金属メッキバンプを用いることができるので、より小型化・低背化に対応できる。
また、本発明では電極層構成が、前記脱ガス吸着層の上面に形成された銀、または金からなる第2主電極層から形成しているので、脱ガス吸着層の極端な酸化の進行が抑制され、電極全体の酸化を抑制することができる。
また、脱ガス吸着層が励振電極の最上面に形成されると、樹脂系接着剤のガス等を吸着することによって、励振電極の硬度が増加したり重みが増したりするなど、エージング特性の低下を招く原因となっていた。本発明では、前記脱ガス吸着層の上面に形成された銀、または金からなる第2主電極層から形成しているので、樹脂系接着剤のガス等が吸着しにくくなることで、周波数の低下が抑制され周波数の安定化が行える。結果として、エージング特性が向上しより電気的信頼性の高い水晶振動子が得られる。
さらに、第1と第2の主電極層のうち第1主電極層で銀を用いることでより安価で安定した主電極構成とするとともに、前記第1主電極層の銀が第2主電極層の銀、または金より薄く形成することで、電極のトータルの厚みを抑制しながら、上記引出電極による電気的接続性の確保とエージング特性の向上が実現できる極めて実用的な電極構成とすることができる。
加えて、前記励振電極と引出電極を同一電極層構成とすることで、励振電極と引出電極の形成を同一工程により一度に形成できるので、電極形成に関する工程を余分に増加させることなく、かつ工程管理も容易となる。結果として、電極形成する際の生産性の低下やコスト増大を招くことがなくなり、かつ製品歩留まりの向上が行える電極構成を提供できる。
また、本発明の特許請求項2に示すように、上述の構成に加え、前記水晶振動板の片面に形成された主電極厚みを3500オングストローム以下とし、第1主電極層の厚みを500〜1500オングストロームとしたことを特徴とする。
上記構成により、上述の作用効果に加えて、水晶振動子の高周波化に対応させることができる。振動周波数や水晶振動板のサイズに応じて最適な電極厚み設計する必要があるが、水晶振動子の高周波化に伴い電極膜厚が薄くなるので、前述のような電極膜構成による問題点がより顕著なものとなる。例えば、基本波周波数が30MHz以上の水晶振動子では、片面の電極厚みを3500オングストローム以下に設定しないと、励振電極自身が重りとなって厚みすべり振動を阻害し、主振動特性に悪影響を及ぼすことがあるので、引出電極の稜線部分での断線の問題がより切実なものとなる。つまり、前記水晶振動板の片面に形成された電極厚みを3500オングストローム以下としたことで、励振電極自身が重りとなって厚みすべり振動を阻害するのを抑制することができる。さらに、かつ第1主電極層の厚みを500〜1500オングストロームとしたことで、第1主電極層の引出電極による電気的接続性が確保され、第2主電極層の厚み寸法を第1主電極層の厚み寸法以上に形成することができるので、エージング特性のさらなる向上が実現できる。本発明では、このような電極層構成と厚み寸法の特定事項を組み合わせることで、断線の問題と励振電極の酸化や劣化によるエージング特性低下の問題も解決されるので、水晶振動板の高周波化、小型化に対応できる。
次に、クロムからなる脱ガス吸着層が形成された従来品と本発明品について、図5の比較検証データに基づいて説明する。比較検証した各サンプルの共通項目として、主電極のトータル厚み7000オングストローム(片面の厚み3500オングストローム)で、基本振動で40MHzの水晶振動子ものを使用し、各サンプルについて、125℃高温環境で1000時間放置後の周波数変化特性を検証している。
従来比較品1は、片面の厚み10〜40オングストロームのクロムの下地電極層と、片面の厚み3500オングストロームの銀の主電極層と、片面の厚み10〜40オングストロームのクロムの脱ガス吸着層の3層構成としたもの。
従来比較品2は、片面の厚み10〜40オングストロームのクロムの下地電極層と、片面の厚み3000オングストロームの銀の第1主電極層と、片面の厚み10〜40オングストロームのクロムの脱ガス吸着層と、片面の厚み500オングストロームの銀の第2主電極層の4層構成としたもの。
本発明比較品3は、片面の厚み10〜40オングストロームのクロムの下地電極層と、片面の厚み1500オングストロームの銀の第1主電極層と、片面の厚み10〜40オングストロームのクロムの脱ガス吸着層と、片面の厚み2000オングストロームの銀の第2主電極層の4層構成としたもの。
本発明比較品4は、片面の厚み10〜40オングストロームのクロムの下地電極層と、片面の厚み500オングストロームの銀の第1主電極層と、片面の厚み10〜40オングストロームのクロムの脱ガス吸着層と、片面の厚み3000オングストロームの銀の第2主電極層の4層構成としたもの。
これらの検証データから、従来品1と2に対して本発明品3と4については、周波数変化量が小さく、全般的に特性が安定していることが明らかである。
以上のように、本発明の水晶振動子によれば、より安価に水晶振動板の小形化・低背化を実現しながら、水晶振動板の表裏面の励振電極に対する引出電極による引き回し電極の断線がなく、励振電極の酸化や劣化によるエージング特性低下もない、より電気的接続性の優れた水晶振動子を提供することを目的する。
以下、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。本実施の形態では、厚みすべり振動にて動作するATカット水晶振動板について説明する。
図1は本発明の表面実装型の水晶振動子を示す分解斜視図であり、図2は図1の水晶振動板を搭載した状態の断面図である。図3は図2の水晶振動板の断面を拡大した図である。
水晶振動板1は矩形平板状のATカット水晶振動板(厚みすべり振動)からなり、その表裏面の中央領域に平面視矩形状の励振電極11,12が形成されている。水晶振動板1はX軸が長辺、Z’軸が短辺になるよう設定されており、また各励振電極11,12は各辺がX軸とZ’軸に沿った構成となっている。励振電極11,12は同形状で、かつ水晶振動板1を介して正対向して形成されている。なお、裏面に形成された励振電極12については一部図示していない。
また励振電極11は引出電極111により水晶振動板1の短辺側であって、当該短辺の一角部分に引き出され、励振電極12は引出電極121により同じ短辺側の他角部分に引き出されている。なお、引出電極111,121はそれぞれ水晶振動板のZ’軸方向の一側面(一短辺)のみに形成された引き回し部112,122を介して反対面に引き出されている。これらの電極は、振動周波数や水晶振動板のサイズに応じて最適な電極厚みに設計する必要があるが、水晶振動子の高周波化に伴い電極膜厚が薄くする必要がある。例えば、基本波周波数が30MHz以上の水晶振動子では、片面の電極厚みを3500オングストローム以下に設定しないと、励振電極自身が重りとなって厚みすべり振動を阻害し、主振動特性に悪影響を及ぼすことがある。本発明の実施形態では、前記励振電極11,12と引出電極111,121を同一電極層構成とするとともに、主電極について水晶振動板の両面でのトータル厚みを例えば7000オングストローム(片面の厚み3500オングストローム)とした。
電極層構成は、図3に示すように、片面の厚み10〜40オングストローム程度のクロムからなる下地電極層Aと、その上面に片面の厚み500〜1500オングストローム程度の銀からなる第1主電極層Bと、その上面に片面の厚み10〜40オングストローム程度のクロムからなる脱ガス吸着層Cと、その上面に片面の厚み2000〜3000オングストローム程度の銀からなる第2主電極層Dの4層構成としている。なお、第2の主電極層Dについては片面の厚み2000〜3000オングストローム程度の金からなる電極であってもよく、下地電極Aと脱ガス吸着層Cについては、クロムの他にニッケルやチタン、タングステン等を用いてもよい。さらにこれら開示した電極材料を組み合わせてもよい。
このように前記励振電極と引出電極を同一電極層構成とすることで、電極形成する際の生産性を低下させることがなくより安価な電極膜構成とすることができる。加えて、水晶振動板1との密着性の高いクロムの下地電極材料を介して銀電極層とクロム電極層と銀電極層または金電極層を形成しているので、水晶振動板1の短辺稜部での引出電極112,122の断線が一切なくなり、電気的接続性がより確実なものとなった。また、水晶振動子の励振電極11,12の表面層の酸化や劣化がクロム電極層の場合と比較して極端に抑制されることで、エージング特性が低下することのないより電気的信頼性と安定性の高い水晶振動子が得られる。加えて、第1と第2の主電極層のうち第1主電極層で銀を用いることでより安価な主電極構成とするとともに、前記第1主電極層の銀が第2主電極層の銀、または金より薄く形成することで、電極のトータルの厚みを抑制しながら、上記引出電極による電気的接続性の確保とエージング特性の向上が実現できる極めて実用的な電極構成とすることができる。
以上の水晶振動板1はパッケージ2に搭載される。図2は水晶振動板1をパッケージに搭載した状態を示す断面図である。パッケージ2は平面視矩形状で、セラミックを主体として内外部に導体配線が形成されたセラミックパッケージであり、断面で見て水晶振動板1を収納する凹部を有し、その周囲に堤部20が形成された構成である。パッケージ2の凹部の長辺方向一端には電極パッド21,22が底部23に対して一段高く形成された支持体24が形成されている。水晶振動板1は当該電極パッド21,22に片持ち支持される。当該片持ち支持は、例えばシリコーン系の導電樹脂接着剤(導電性接合材)3を用いて引出電極111,121と電極パッド21,22を電気的機械的に接続する。
このとき、引出電極の引き回し部112,122により、表裏面の励振電極11,12の接続が水晶振動板の一方の主面のみで確立することができるので、導電性樹脂接着剤3はパッケージの支持体24側のみで形成している。つまり、水晶振動板1の搭載構成の薄肉化が行え、結果として水晶振動子の低背化が行える。導電性樹脂接着剤3の余分なガスの発生を抑制することができ、導電性樹脂接着剤3を水晶振動板の上塗りすることによる水晶振動板のずれ込みの悪影響も抑制することができる。そして所定の加熱等による安定化処理を行った後、図示しない蓋にてパッケージの開口部20aをシーム接合やビーム接合、ろう接合、ガラス封止等の手段により、気密封止を行うことで水晶振動子の完成となる。
本発明は片持ち支持するものに限らず、図4に示すように、両端保持する構成に対応することができる。図4(図4(a)は本発明の他の形態を示す水晶振動板の平面図であり、図4(b)は図4(a)のA−A線に沿う断面図)に示す。すなわち、水晶振動板1はZ’軸が長辺、X軸が短辺になるよう設定されており、また各励振電極11,12は各辺がZ’軸とX軸に沿った構成となっている。励振電極11,12はZ’軸方向の水晶振動板の両端部から所定のギャップを有しながらX軸方向の水晶振動板の両端部まで形成されている。なお、裏面に形成された励振電極12については一部図示していない。また励振電極11は引出電極111により水晶振動板1の短辺側であって、当該短辺の一角部分に引き出され、励振電極12は引出電極121により対角位置にある短辺側の他角部分に引き出されている。なお、引出電極111,121はそれぞれ水晶振動板のX軸方向の両側面(両短辺)に形成された引き回し部112,122を介して反対面に引き出されている。
このように構成された励振電極11,12と引出電極111,121については、同一電極層構成とするとともに、水晶振動板の両面でのトータル厚みを例えば6000オングストローム(片面の厚み3000オングストローム)とした。電極層構成は、片面の厚み10〜40オングストローム程度のニッケルからなる下地電極層Aと、その上面に片面の厚み500〜1400オングストローム程度の銀からなる第1主電極層Bと、その上面に片面の厚み10〜40オングストローム程度のニッケルからなる脱ガス吸着層Cと、その上面に片面の厚み1600〜2500オングストローム程度の金からなる第2主電極層Dの4層構成としている。なお、第2の主電極層Dについては片面の厚み1600〜2500オングストローム程度の銀からなる電極であってもよく、下地電極Aと脱ガス吸着層Cについては、ニッケルの他にクロムやチタン、タングステン等を用いてもよい。さらにこれら開示した電極材料を組み合わせてもよい。このように構成することで、両持保持する構成であっても上記実施形態と同様の効果が期待できる。
本発明は、その精神または主要な特徴から逸脱することなく、他のいろいろな形で実施することができる。そのため、上述の実施の形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、なんら拘束されない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
本発明の表面実装型の水晶振動子を示す分解斜視図。 図1の水晶振動板を搭載した状態の断面図。 図2の水晶振動板の断面を拡大した図。 本発明の他の形態を示す水晶振動板の平面図と断面図。 本発明品と従来品の検証データを示す図。
1 水晶振動板
2 パッケージ

Claims (2)

  1. 水晶振動板とパッケージと蓋を有する水晶振動デバイスであって、
    前記パッケージの支持体に導電性接合材により水晶振動板を電気的機械的に接続し、前記導電性接合材は水晶振動板の一方の主面とパッケージの支持体側のみに形成し、
    水晶振動板は、厚みすべり振動する水晶振動板の表裏面に対向して一対の励振電極が形成され、当該各励振電極は引出電極により水晶振動板の端部に引き出されてなり、前記各引出電極は水晶振動板の側面を介して反対面に引き出されてなり、
    前記励振電極と引出電極を同一電極層構成とするとともに、
    電極層構成を、
    下地電極層と当該下地電極層の上面に形成された銀からなる第1主電極層、
    前記第1電極層の上面に形成された脱ガス吸着層と当該脱ガス吸着層の上面に形成された銀、または金からなる第2主電極層からなり、
    前記第1主電極層が第2主電極層より薄いことを特徴とする水晶振動デバイス。
  2. 前記水晶振動板の片面に形成された主電極厚みを3500オングストローム以下とし、第1主電極層の厚みを500〜1500オングストロームとしたことを特徴とする特許請求項1記載の水晶振動デバイス。
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