JP4991608B2 - 脱落防止ねじ - Google Patents
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Description
2)作業性、
3)締結時の軸力安定性、
4)再使用性、
5)製品コスト
しかし、この樹脂溶着型弛み止めねじの場合には、通常のボルトの製造工程に対して、樹脂粉体塗装工程等の樹脂を溶着させる工程が必要となり、工程数が増大してしまう。
しかし、合成樹脂弾性体を取り付ける工程が必要で、やはり工程数が増大し、コストがかさむという問題があった。
前記干渉部を、めねじねじ山の締付け側フランク面以外の部分に干渉する干渉ねじ山によって構成し、
前記干渉ねじ山は、山頂部にめねじねじ山間の谷部と干渉する干渉領域が設けられる第1の干渉ねじ山と共に、遊び側フランク面にめねじねじ山の遊び側フランク面と干渉する干渉領域が設けられた第2の干渉ねじ山が設けられ、
ねじ軸の先端側から、第1の干渉ねじ山、第2の干渉ねじ山の順に配置され、
第1の干渉ねじ山と第2の干渉ねじ山が、めねじ部材のねじ孔を通過する段階では、第1の干渉ねじ山の山頂部とめねじねじ山の谷部との嵌合により、第2の干渉ねじ山とめねじねじ山との軸方向位置が位置決めされ、この位置で第2の干渉ねじ山の干渉領域はめねじねじ山の遊び側フランク面と干渉し、第2の干渉ねじ山の締付け側フランク面は、めねじねじ山の締付け側フランク面とは接触せず、所定の隙間を介して非接触状態に維持され、
前記第1の干渉ねじ山がねじ孔を抜けた最終的な締結状態では、第2の干渉ねじ山の締付け側フランク面が、めねじねじ山の締付け側フランク面に密接して締付けられる構成となっていることを特徴とする。
干渉ねじ山の締付け側フランク面を、ねじ孔通過時にめねじねじ山の締付け側フランク面とは非接触状態となるように構成すれば、ねじ孔通過時の通過抵抗を小さくすることができ、作業性が一層向上する。
干渉ねじ山がねじ部長さ方向に数巻き分設けられることにより、脱落防止効果をより確実にすることができる。
図1は、本発明の参考例1に係る脱落防止ねじのねじ部分を拡大して示す模式図である。
すなわち、この脱落防止ねじ1は、ナット等のめねじ部材20にねじ軸10を螺合する際に、ねじ込み時のねじ孔21を通過する際にはねじ込みトルクを負荷することで弾性変形して通過が許容され、ねじ孔通過後に弾性復帰し、ねじ軸が緩み方向に回転した際にめねじ部材20のめねじねじ山22と干渉して脱落を防止する干渉部としての第1の干渉ねじ山31を備えた構成となっている。なお、ねじ軸10の一端には頭部2が設けられ、頭部2とめねじ部材20の間に被締結部材40を挟んで締付け固定するように構成される。
第1の干渉ねじ山31は、めねじねじ山22の締付け側フランク面22A以外の部分と干渉するように構成したものである。
この干渉領域L1は、1条ねじの場合には、一巻きのうちに少なくとも2箇所以上設けられていることが好ましい。
れている。この先端側ねじ山13は、図示例では、その締付け側フランク面13Aの角度がめねじねじ山22の締付け側フランク面22Aの角度と異なっているが、同一角度に設定していてもよい。
めねじ部材20のねじ孔21に、脱落防止ねじのねじ軸10を螺合する。螺合初期には、ねじ軸10の先端側ねじ山13がめねじねじ山22に螺合し、続いて第1の干渉ねじ山31がねじじ穴21に螺合していく(図1(A)参照)。このように、第1の干渉ねじ山31は、先端側の案内ねじ山13に先導されてスムースにめねじねじ山22間に嵌合する。
このように、締結状態でめねじ部材20の端面直後に位置するように設定しておけば、弛んだとしてもがたつきがなく、脱落防止効果が高い。
図3は、本発明の参考例2に係る脱落防止ねじの干渉ねじ山部分を拡大して示すものである。ここでは、参考例1と異なる部分についてのみ説明するものとし、同一の構成部分については同一の符号を付してその説明を省略する。
この参考例2では、第2の干渉ねじ山32の干渉領域としての突起L2が、締付け側フランク面とは反対側の遊び側フランク面32Bに設けられている。この第2の干渉ねじ山32の山形状は、通常のおねじねじ山12のねじ山形状と違って不完全な形状となっており、通常のおねじねじ山12の締付け側フランク面12Aがめねじねじ山22の締付け側フランク面22Aと接触した状態で、めねじねじ山22の遊び側フランク面22Bと干渉するようになっている。この干渉領域L2も、円周方向に複数、部分的に設けられている。
本参考例2によれば、第2の干渉ねじ山32の遊び側フランク面32Bにめねじねじ山22と干渉する突起L2が設けられているので、突起L2の成形が容易である。
次に、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、主として上記参考例1、2と異なる部分についてのみ説明するものとし、同一の構成部分については同一の符号を付してその説明を省略するものとする。
図4は、本発明の実施の形態に係る脱落防止ねじの干渉ねじ山の干渉ねじ山部分を拡大して示すものである。
この実施の形態は、参考例1の山頂部に干渉領域L1を設けた第1の干渉ねじ山31と、参考例2の遊び側フランク面に干渉領域としての突起L2を設けた第2の干渉ねじ山32とを組み合わせたもので、先端側から第1の干渉ねじ山31、第2の干渉ねじ山32の順に、配置されている。
の遊び側フランク面22Bと干渉する。この状態で、第2の干渉ねじ山32の締付け側フランク面32A及び通常のおねじねじ山12のフランク面12Aはいずれも、めねじねじ山22の締付け側フランク面22Aとは接触せず、所定の隙間を介して非接触状態に維持される。
表1は、本発明品と従来品とを比較した試験結果を示している。
比較試験の項目は、作業性、緩み性、繰り返し軸力機能についてであって、作業性についてはねじ込みトルク、緩み性は戻しトルク、繰り返し軸力機能は、繰り返し締結(3回)時の発生軸力を測定している。
従来品1の構成は、ねじ山の山頂部の角度を、底辺部の角度より小さくするとともに、山頂部の高さを、底辺部の角度で形成される三角形の頂点よりも低くし、かつ頂部にアールを付けた形状で、山頂部は締結されるねじの谷部に食い込まないようにしたものである(特許3344747号公報参照)。
従来品2の構成は、平行ねじ部と先端側の先端テーパ部とを備え、平行ねじ部に台形ねじ山を設け、平行ねじ部と先端テーパ部の境界部に通常の外径より大きい台形の外径を備えた形状となっている(特公平2−396433号公報参照)。
本発明品と従来品1,2のねじ軸は、同一径で、ねじ山の形状、ピッチ、ねじ山高さは同一である。
ねじ山の形状はM8、ピッチは1.25、本発明品の干渉ねじ山の干渉領域(L1,L2を合わせたもの)は、0.05mm2程度である。
繰り返し締結の発生軸力は、1回目から3回目において軸力が変化しないことが好適である。変化しなければ、1度締結し、取り外し、再度締結を行っても締結特性は変化せず、安定した締結を行うことができる。従来品1,2は、回数を重ねるにつれて軸力低下が見られ軸力が不安定であるのに対し、本発明品は通常ボルトと変わらない軸力安定性を持っており、再使用も可能である。
2 頭部
10 ねじ軸
12 おねじねじ山
12A 締付け側フランク面
12B 遊び側フランク面
13 先端側ねじ山
20 おねじ部材
21 ねじ孔
22 めねじねじ山
22A 締付け側フランク面
22B 遊び側フランク面
31,32 第1、第2の干渉ねじ山
31A,32A 締付け側フランク面
31B,32B 遊び側フランク面
32C 山頂部
L1 干渉領域
L2 突起(干渉領域)
Claims (4)
- めねじ部材にねじ軸を螺合する際に、ねじ込み時のねじ孔を通過する際にはねじ込みトルクを負荷することで弾性変形して通過が許容され、ねじ孔通過後に弾性復帰し、ねじ軸が緩み方向に回転した際にめねじ部材のめねじねじ山と干渉して脱落を防止する干渉部を備えた脱落防止ねじにおいて、
前記干渉部を、めねじねじ山の締付け側フランク面以外の部分に干渉する干渉ねじ山によって構成し、
前記干渉ねじ山は、山頂部にめねじねじ山間の谷部と干渉する干渉領域が設けられる第1の干渉ねじ山と共に、遊び側フランク面にめねじねじ山の遊び側フランク面と干渉する干渉領域が設けられた第2の干渉ねじ山が設けられ、
ねじ軸の先端側から、第1の干渉ねじ山、第2の干渉ねじ山の順に配置され、
第1の干渉ねじ山と第2の干渉ねじ山が、めねじ部材のねじ孔を通過する段階では、第1の干渉ねじ山の山頂部とめねじねじ山の谷部との嵌合により、第2の干渉ねじ山とめねじねじ山との軸方向位置が位置決めされ、この位置で第2の干渉ねじ山の干渉領域はめねじねじ山の遊び側フランク面と干渉し、第2の干渉ねじ山の締付け側フランク面は、めねじねじ山の締付け側フランク面とは接触せず、所定の隙間を介して非接触状態に維持され、
前記第1の干渉ねじ山がねじ孔を抜けた最終的な締結状態では、第2の干渉ねじ山の締付け側フランク面が通常のおねじねじ山の締付け側フランク面と共に、めねじねじ山の締付け側フランク面に密接して締付けられる構成となっていることを特徴とする脱落防止ねじ。 - 干渉ねじ山の干渉領域は、円周方向に部分的に複数設けられている請求項1記載の脱落防止ねじ。
- 干渉ねじ山の締付け側フランク面は、ねじ孔通過時にめねじねじ山の締付け側フランク面とは非接触状態となるように構成される請求項1又は2に記載の脱落防止ねじ。
- 干渉ねじ山はねじ部長さ方向に数巻き分形成されている請求項1乃至3のいずれかの項に記載の脱落防止ねじ。
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