JP4991608B2 - 脱落防止ねじ - Google Patents

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Description

本発明は、締結後に弛んだとしても、めねじ部材から脱落しないようにした脱落防止ねじに関する。
ボルト、ナットの組み合わせを利用した部材の締結方法は、従来から機械部品のみならず、様々な産業分野において標準的な締結方法として用いられてきた。
しかしながら、ねじによってしっかりと締結されていても、固定されていた部材に経年劣化でのへたり、外部から加わる振動等によるゆるみ等が発生すると、部材同士が固定できなくなり、最悪の場合、ナットがボルトから脱落し、部材が分離してしまうおそれがある。
部材同士が分離してしまうと、重大な事故につながるような締結部位は非常に多いことから、従来から、ボルトやナットの弛み止め、特に脱落を防止する対策が数多く提案されている(特許文献1乃至4参照)。しかし、ねじとして要求される下記のようなすべての項目において、すぐれている対策は存在しなかった。
1)脱落防止効果、
2)作業性、
3)締結時の軸力安定性、
4)再使用性、
5)製品コスト
たとえば、特許文献1には、めねじねじ山のピッチとおねじねじ山のピッチとの間に寸法差を形成し、ねじ軸のねじ山の応力分布を均一にするねじが記載されている。
このねじは、適正な軸力が発生していれば通常のねじ山よりも軸力の低下が起こりにくいものではあるが、締結部材にへたりが生じて厚さがわずかに減少した場合でも、軸力が低下してしまう。そのため、この形状での効果が発揮されずに締結力が低下し、外部からの入力に対して締結部材を固定することができず、部材の移動や振動等によって容易にめねじ部材からおねじ部材が脱落してしまう。
特許文献2には、おねじねじ山の頂部に溝を入れて、ねじ山断面におけるおねじねじ山のA寸法をナットのめねじねじ山のB部寸法よりも大きくしたもので、めねじ内におねじねじ山がねじこまれると溝部分が弾性変形し、そのばね性によって緩みを防止する構成となっている。
しかし、おねじねじ山の全長にわたってねじ山が変形しており、めねじとの嵌合初期から大きな抵抗となり、ねじ込みトルクが増大する。また、締付け完了時にもねじ山変形部がナット内の全山にわたって嵌合しているため、軸力が発生している状態でも遊び側フランク面におねじのフランク面が干渉し、締付け特性が安定しない。
また、製造工程は通常のボルトと同様であるが、転造工具が非常に複雑な構造となり、工具コストが上昇するとともに、理想的な山形を成形する際までに大幅な調整時間を要する。
特許文献3には、おねじを加熱した状態でねじ山の一部に樹脂を溶着させた樹脂溶着型弛み止めねじが記載されている。この弛み止めねじにあっては、ねじ山に付着した樹脂が、ねじ込み時のねじ孔通過時には、めねじねじ山に干渉するものの、ねじ込みトルクを負荷することで弾性変形しながらねじ込まれ、ねじ孔通過後は形状が復元し、弛みが発生してナットが戻り回転したときには、めねじねじ山と干渉して脱落を防止するものである。
しかし、この樹脂溶着型弛み止めねじの場合には、通常のボルトの製造工程に対して、樹脂粉体塗装工程等の樹脂を溶着させる工程が必要となり、工程数が増大してしまう。
特許文献4には、ねじ軸先端部にナイロンペレット等の合成樹脂弾性体を埋め込んだ構成のボルトが記載されている。このボルトは、ねじ込み時には合成樹脂弾性体が弾性変形して締結具のネジ孔を乗り越え、ねじ込み後は、合成樹脂弾性体の形状が復元し、ねじの脱落を防止するようになっている。
しかし、合成樹脂弾性体を取り付ける工程が必要で、やはり工程数が増大し、コストがかさむという問題があった。
特開平8−135643号公報 特開平7−139536号公報 特開平11−51032号公報 特開平7−127226号公報
本発明は、上記した従来技術の問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、作業性を損なうことなく脱落を確実に防止でき、しかも締結時に安定した軸力を維持でき、さらに再使用も可能な新規の脱落防止ねじを提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、めねじ部材にねじ軸を螺合する際に、ねじ込み時のねじ孔を通過する際にはねじ込みトルクを負荷することで弾性変形して通過が許容され、ねじ孔通過後に弾性復帰し、ねじ軸が緩み方向に回転した際にめねじ部材のめねじねじ山と干渉して脱落を防止する干渉部を備えた脱落防止ねじにおいて、
前記干渉部を、めねじねじ山の締付け側フランク面以外の部分に干渉する干渉ねじ山によって構成し、
前記干渉ねじ山は、山頂部にめねじねじ山間の谷部と干渉する干渉領域が設けられる第1の干渉ねじ山と共に、遊び側フランク面にめねじねじ山の遊び側フランク面と干渉する干渉領域が設けられた第2の干渉ねじ山が設けられ、
ねじ軸の先端側から、第1の干渉ねじ山、第2の干渉ねじ山の順に配置され、
第1の干渉ねじ山と第2の干渉ねじ山が、めねじ部材のねじ孔を通過する段階では、第1の干渉ねじ山の山頂部とめねじねじ山の谷部との嵌合により、第2の干渉ねじ山とめねじねじ山との軸方向位置が位置決めされ、この位置で第2の干渉ねじ山の干渉領域はめねじねじ山の遊び側フランク面と干渉し、第2の干渉ねじ山の締付け側フランク面は、めねじねじ山の締付け側フランク面とは接触せず、所定の隙間を介して非接触状態に維持され、
前記第1の干渉ねじ山がねじ孔を抜けた最終的な締結状態では、第2の干渉ねじ山の締付け側フランク面が、めねじねじ山の締付け側フランク面に密接して締付けられる構成となっていることを特徴とする。
本発明によれば、ねじ孔に螺合して締付けた後に、軸力が低下してねじ軸が弛み側に逆回転しても、干渉ねじ山がめねじねじ山の締付け側フランク面以外の部分に引っ掛かり、ねじに戻しトルクを加えないかぎり、ねじを取り外すことができない。
干渉ねじ山は、ねじ山の締付け側フランク面以外の部分に設けられているだけであり、しかも、ねじ孔を通過したねじ軸の先端側に部分的に設けるだけなので、締付け時には、多少は作業トルクが増大するものの、締付け側フランク面に沿ってスムースに螺合することができ、作業性を損なうことはない。
また、締結面となるおねじねじ山およびめねじねじ山の締付け側フランク面は、通常のねじ締結と全く変わることがなく、干渉ねじ山も外に出ているので安定した軸力が得られる。
締付け後に、干渉ねじ山がめねじねじ山と干渉して脱落が阻止されるものの、取り外し方向にトルクをかければ、締付け時と同様に、ねじ孔を通過させることができる。また、ねじ軸におけるねじ山の締付け側フランク面に、変形や傷等も付かないので、再使用することもできる。
また、干渉ねじ山は、通常のねじ山を変形させるだけで製造可能であり、コストをかけることなく通常ねじ山と同時に転造によって成形することができる。
干渉ねじ山は、山頂部にめねじねじ山間の谷部と干渉する干渉領域が設けられた第1の干渉ねじ山と、ねじ山の遊び側フランク面にめねじねじ山の遊び側フランク面と干渉する干渉領域が設けられた第2の干渉ねじ山の組み合わせとしており、干渉領域を山頂部に設けた第1の干渉ねじ山により、ピッチ誤差に関わり無く、確実に干渉させることができる。また、干渉領域が遊び側フランク面に設けた第2の干渉ねじ山は、通常ねじ山の締付け側フランク面との関係で、干渉部分の設定が容易である。
さらに、ねじ軸の先端側から、山頂部が干渉する第1の干渉ねじ山、遊び側フランク面に干渉領域を有する第2の干渉ねじ山の順に設けることにより、山頂部が干渉する第1の干渉ねじ山によって、遊び側フランク面に干渉領域を有する第2の干渉ねじ山の位置決めがなされるので、めねじのねじ孔通過時には、締め付け側フランク面は非接触に維持され、締め付け側フランク面に傷や変形が付かないし、締め付け後のゆるみ止めについては、第1の干渉ねじ山によって第2の干渉ねじ山の遊び側フランク面側の干渉領域が確実に干渉して脱落を防止することができる。
干渉ねじ山の干渉領域は、円周方向に部分的に複数設けられていればよい。このようにすれば、ねじ孔通過時に過度な抵抗が加わることなく、脱落を確実に防止できる。
干渉ねじ山の締付け側フランク面を、ねじ孔通過時にめねじねじ山の締付け側フランク面とは非接触状態となるように構成すれば、ねじ孔通過時の通過抵抗を小さくすることができ、作業性が一層向上する。
干渉ねじ山がねじ部長さ方向に数巻き分設けられることにより、脱落防止効果をより確実にすることができる。
本発明によれば、作業性を損なうことなく脱落を確実に防止でき、しかも締結時に安定した軸力を維持でき、さらに再使用も可能となる。
以下にこの発明を実施するための最良の形態を、図示の実施の形態に基づいて詳細に説明する。
[参考例1]
図1は、本発明の参考例1に係る脱落防止ねじのねじ部分を拡大して示す模式図である。
すなわち、この脱落防止ねじ1は、ナット等のめねじ部材20にねじ軸10を螺合する際に、ねじ込み時のねじ孔21を通過する際にはねじ込みトルクを負荷することで弾性変形して通過が許容され、ねじ孔通過後に弾性復帰し、ねじ軸が緩み方向に回転した際にめねじ部材20のめねじねじ山22と干渉して脱落を防止する干渉部としての第1の干渉ねじ山31を備えた構成となっている。なお、ねじ軸10の一端には頭部2が設けられ、頭部2とめねじ部材20の間に被締結部材40を挟んで締付け固定するように構成される。
第1の干渉ねじ山31は、めねじねじ山22の締付け側フランク面22A以外の部分と干渉するように構成したものである。
この例では、第1の干渉ねじ山31は、図示例では一巻き分設けられているが、ねじ部長さ方向に数巻き分設けてもよい。第1の干渉ねじ山31の付け根側は、通常のおねじねじ山12よりもフランク面間の幅が狭く、締付け側フランク面31Aと遊び側フランク面31Bは、いずれもめねじねじ山22の締付け側フランク面22Aと遊び側フランク面22Bと隙間が開いている。
第1の干渉ねじ山31の山頂部31Cは、めねじねじ山22間の谷部22Cの奥深くまで入り込み、その外径が、めねじ谷部22Cの谷底径とほぼ同一径となっている。また、山頂部31Cの軸方向幅は谷部22Cの軸方向幅とほぼ等しく、その軸方向両側縁がめねじねじ山22の谷部22C側の締付け側フランク面22Aと遊び側フランク面22Bに係合し、めねじねじ山22に対する通常のおねじねじ山12の位置決めがなされている。
また、この山頂部31Cには、図1(C)に示すように、さらにめねじ谷部22の谷底径よりも部分的に突出する干渉領域L1が設けられている。この干渉領域L1は、図2に示すように部分的に突出するもので、円周方向複数個所に設けられている。図2(A)は3箇所、図2(B)は4箇所に設けた例である。
この干渉領域L1は、1条ねじの場合には、一巻きのうちに少なくとも2箇所以上設けられていることが好ましい。
もっとも、2条ねじのような場合には、各干渉ねじ山一巻きに1箇所であっても、隣り合うねじ山に設ける干渉領域の位相を変えて、1リードのうちに複数個所の干渉領域を備えた構成となっていてもよい。いずれにしても、複数の干渉領域L1が円周方向にバランスよく配置されていることが好ましい。
第1の干渉ねじ山31がめねじねじ山22に係合している状態では、第1の干渉ねじ山31とめねじねじ山22の締付け側フランク面22Aと遊び側フランク面22Bとの間に隙間が生じて非接触となっていることはもちろん、第1の干渉ねじ山31の山頂部において、めねじねじ山に対する通常のおねじねじ山12の相対位置が決定され、通常のおねじねじ山12の締付け側フランク面12Aと遊び側フランク面12Bとめねじねじ山22の締付け側フランク面22Aと遊び側フランク面22Bとの間に、隙間が生じて非接触状態に維持される。
また、第1の干渉ねじ山31は、めねじ部材20に締結終了時点のねじ孔21の端部から突出するねじ軸部分の、ねじ軸先端とめねじ部材20の間に設けられている。第1の干渉ねじ山31よりねじ軸先端側にはおねじねじ山12と同様の先端側ねじ山13が設けら
れている。この先端側ねじ山13は、図示例では、その締付け側フランク面13Aの角度がめねじねじ山22の締付け側フランク面22Aの角度と異なっているが、同一角度に設定していてもよい。
本実施の形態に係る上記脱落防止ねじは、次のように使用される。
めねじ部材20のねじ孔21に、脱落防止ねじのねじ軸10を螺合する。螺合初期には、ねじ軸10の先端側ねじ山13がめねじねじ山22に螺合し、続いて第1の干渉ねじ山31がねじじ穴21に螺合していく(図1(A)参照)。このように、第1の干渉ねじ山31は、先端側の案内ねじ山13に先導されてスムースにめねじねじ山22間に嵌合する。
第1の干渉ねじ山31の干渉領域L1は、めねじねじ山22の谷部22Cと干渉して弾性変形し、摩擦抵抗が増大するものの、第1の干渉ねじ山31は、ねじ軸20全長のうち、先端側に部分的に設けられただけである。特に、本実施例では一巻き分であり、しかも干渉領域L1は部分的に設けられているだけなので、締付けトルクが多少は増大するものの、その増分は小さく、めねじねじ山22の谷部22Cに案内されてスムースに螺合することができ、作業性を損なうことはない。
そして、ねじ孔21に螺合して締付けた時点では、干渉ねじ山31がねじ孔21を通過し、通常のおねじねじ山12とめねじねじ山22によって締付け固定される。したがって、締結面となるおねじねじ山12およびめねじねじ山22の締付け側フランク面12A,22Aは、通常のねじ締結と全く変わることがなく、軸力が安定する。また、通過した第1の干渉ねじ山31の山頂部31Cに設けられた干渉領域L1が弾性復帰し、外径が谷部22C内径よりも大きくなっている。
締付けた後に、ねじ軸10の軸力が低下し、ねじ軸10が弛み側に逆回転したとしても、第1の干渉ねじ山31の山頂部31Cの外径はめねじねじ山22間の谷部22Cの内径とほぼ同一であり、嵌合しにくい。仮に、第1の干渉ねじ山31の山頂部31cがめねじねじ山22間に入り込んだとしても、弾性復帰した第1の干渉ねじ山31の山頂部31Cの干渉領域L1がめねじねじ山22の谷部に引っ掛かり、脱落を確実に防止することができる。仮に、一つの干渉領域L1が、ねじ孔21内に入り込んだとしても、円周方向に複数の干渉領域L1が設けられているので、後続の第1の干渉ねじ山31が引っかかり、確実に脱落を防止することができる。
そして、締結状態で、めねじ部材20の直後に、第1の干渉ねじ山31の締付け側フランク面31Aが位置するように設定しておくことが好ましい。すなわち、締付け工程が進行して第1の干渉ねじ山31がめねじ部材20のねじ孔21を抜けてから、さらに締付け方向に回転する。これにより、頭部2とめねじ部材20間の間隔を狭め、最終的に通常のおねじねじ山12とめねじねじ山22の締付け側フランク面同士を圧接して締結作業が終了するが、締結状態になった時点で、第1の干渉ねじ山31の締付け側フランク面31Aがめねじ部材20のねじ孔21の孔縁に係合するような位置関係に設定しておくことが好ましい。
締結状態に至る前に、第1の干渉ねじ山31がめねじ部材20のねじ孔21の孔縁に係合してしまうと、締付けトルクが得られない。一方、第1の干渉ねじ山31とめねじ部材20のねじ孔21の孔縁から離れすぎていると、弛んだあとに、第1の干渉ねじ山31が引っかかるまでの間の間隔が大きくなりすぎ、締結部のがたつきが大きくなってしまう。
このように、締結状態でめねじ部材20の端面直後に位置するように設定しておけば、弛んだとしてもがたつきがなく、脱落防止効果が高い。
このように干渉ねじ山31がめねじねじ山22と干渉して脱落が阻止されるものの、取り外し方向にトルクをかければ、締付け時と同様に、第1の干渉ねじ山31の干渉領域L1をねじ孔21内に入り込ませ、ねじ孔21を通過させることができる。また、ねじ軸10におけるねじ山12の締付け側フランク面12Aに、変形や傷等も付かないので、再使用することもできる。
また、第1の干渉ねじ山31は、ねじ山を特殊形状に変形させているだけなので、コストをかけることなく通常のおねじねじ山12と同時に転造によって成形することができる。
参考例2
図3は、本発明の参考例2に係る脱落防止ねじの干渉ねじ山部分を拡大して示すものである。ここでは、参考例1と異なる部分についてのみ説明するものとし、同一の構成部分については同一の符号を付してその説明を省略する。
この参考例2では、第2の干渉ねじ山32の干渉領域としての突起L2が、締付け側フランク面とは反対側の遊び側フランク面32Bに設けられている。この第2の干渉ねじ山32の山形状は、通常のおねじねじ山12のねじ山形状と違って不完全な形状となっており、通常のおねじねじ山12の締付け側フランク面12Aがめねじねじ山22の締付け側フランク面22Aと接触した状態で、めねじねじ山22の遊び側フランク面22Bと干渉するようになっている。この干渉領域L2も、円周方向に複数、部分的に設けられている。
この第2の干渉ねじ山32は、遊び側フランク面32Bの付け根側が、めねじねじ山22の遊び側フランク面22Bと部分的に干渉する突起L2となっている。もちろん、この突起L2は遊び側フランク面32Bの山頂部側に設けてもよいし、付け根側から山頂部側にかけて全体的に設けてもよい。この第2の干渉ねじ山32は、頂部が通常のおねじねじ山12よりも低い不完全なねじ山形状であってもよい。
また、この例では、通常のおねじねじ山12の締付け側フランク面12Aがめねじねじ山22の締付け側フランク面22Aと接触した状態で、第2の干渉ねじ山32の締付け側フランク面32Aも相手側のめねじねじ山22の締付け側フランク面22Aと接触するようになっている。
参考例2によれば、第2の干渉ねじ山32の遊び側フランク面32Bにめねじねじ山22と干渉する突起L2が設けられているので、突起L2の成形が容易である。
実施の形態
次に、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、主として上記参考例1、2と異なる部分についてのみ説明するものとし、同一の構成部分については同一の符号を付してその説明を省略するものとする。
図4は、本発明の実施の形態に係る脱落防止ねじの干渉ねじ山の干渉ねじ山部分を拡大して示すものである。
この実施の形態は、参考例1の山頂部に干渉領域L1を設けた第1の干渉ねじ山31と、参考例2の遊び側フランク面に干渉領域としての突起L2を設けた第2の干渉ねじ山32とを組み合わせたもので、先端側から第1の干渉ねじ山31、第2の干渉ねじ山32の順に、配置されている。
この実施の形態では、第1の干渉ねじ山31と第2の干渉ねじ山32が、めねじ部材20のねじ孔21を通過する段階では、第1の干渉ねじ山31の山頂部31Cとめねじねじ山22の谷部22Cとの嵌合により、第2の干渉ねじ山32とめねじねじ山22との軸方向位置が位置決めされ、この位置で第2の干渉ねじ山32の突起L2がめねじねじ山22
の遊び側フランク面22Bと干渉する。この状態で、第2の干渉ねじ山32の締付け側フランク面32A及び通常のおねじねじ山12のフランク面12Aはいずれも、めねじねじ山22の締付け側フランク面22Aとは接触せず、所定の隙間を介して非接触状態に維持される。
そして、第1の干渉ねじ山31がねじ孔21を抜けた最終的な締結状態では、第2の干渉ねじ山32の締付け側フランク面32Aが通常のおねじねじ山12の締付け側フランク面12Aと共に、めねじねじ山22の締付け側フランク面22Aに密接して締付けられる。この実施の形態では、締結状態では、第2の干渉ねじ山32の突起L2は、めねじねじ山22の遊び側フランク面22Bから離れて非接触状態となるので、ねじ孔21内に入ったままである。
お、干渉ねじ山の構成については、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の形状、構造を選択することができる。
[実施例]
表1は、本発明品と従来品とを比較した試験結果を示している。
比較試験の項目は、作業性、緩み性、繰り返し軸力機能についてであって、作業性についてはねじ込みトルク、緩み性は戻しトルク、繰り返し軸力機能は、繰り返し締結(3回)時の発生軸力を測定している。
比較例としての従来品1は、「ツインタイト」((株)トープラの登録商標)、従来品2は、「トープラ アースロック」((株)トープラの登録商標)である。いずれも緩みに対して効果的な製品である。
従来品1の構成は、ねじ山の山頂部の角度を、底辺部の角度より小さくするとともに、山頂部の高さを、底辺部の角度で形成される三角形の頂点よりも低くし、かつ頂部にアールを付けた形状で、山頂部は締結されるねじの谷部に食い込まないようにしたものである(特許3344747号公報参照)。
従来品2の構成は、平行ねじ部と先端側の先端テーパ部とを備え、平行ねじ部に台形ねじ山を設け、平行ねじ部と先端テーパ部の境界部に通常の外径より大きい台形の外径を備えた形状となっている(特公平2−396433号公報参照)。
本発明品と従来品1,2のねじ軸は、同一径で、ねじ山の形状、ピッチ、ねじ山高さは同一である。
ねじ山の形状はM8、ピッチは1.25、本発明品の干渉ねじ山の干渉領域(L1,L2を合わせたもの)は、0.05mm程度である。
試験結果に示す通り、本発明品は干渉ねじ山を持たせているが、ねじ込みトルクは高くなく作業性を損なうことはない。ねじ込みトルクは低い方が作業性がよく、本発明品は、従来品1よりも大きいが、従来品2よりも低くなっている。従来品1は、山角度変化のみのため、元々干渉部分が無く、ねじ込みトルクは上がらない。
また、戻しトルクは高い方が緩みにくく、本発明品は緩みに対して効果的とされている従来品1,2に比べ高い値となっており、緩みに対してさらに効果的である。
繰り返し締結の発生軸力は、1回目から3回目において軸力が変化しないことが好適である。変化しなければ、1度締結し、取り外し、再度締結を行っても締結特性は変化せず、安定した締結を行うことができる。従来品1,2は、回数を重ねるにつれて軸力低下が見られ軸力が不安定であるのに対し、本発明品は通常ボルトと変わらない軸力安定性を持っており、再使用も可能である。
Figure 0004991608
図1は、本発明の参考例1に係る脱落防止ねじのめねじ部材と螺合されるねじ部分を拡大し模式的に示したもので、同図(A)は締め付け途中状態の模式的断面図、(B)は締結状態の模式的断面図、同図(C)は第1の干渉ねじ山の山頂部をさらに拡大して示す図である。 図2(A)、(B)は、図1の脱落防止ねじの干渉領域の周方向の配置構成例を示す図である。 図3は、本発明の参考例2に係る脱落防止ねじのめねじ部材と螺合されるねじ部分を拡大し模式的に示したもので、同図(A)は締め付け途中状態の模式的断面図、(B)は締結状態の模式的断面図、同図(C)は第2の干渉ねじ山の干渉部分をさらに拡大して示す図である。 図4は、本発明の実施の形態に係る脱落防止ねじのめねじ部材と螺合されるねじ部分を拡大し模式的に示したもので、同図(A)は締め付け途中状態の模式的断面図、(B)は締結状態の模式的断面図である。
1 脱落防止ねじ
2 頭部
10 ねじ軸
12 おねじねじ山
12A 締付け側フランク面
12B 遊び側フランク面
13 先端側ねじ山
20 おねじ部材
21 ねじ孔
22 めねじねじ山
22A 締付け側フランク面
22B 遊び側フランク面
31,32 第1、第2の干渉ねじ山
31A,32A 締付け側フランク面
31B,32B 遊び側フランク面
32C 山頂部
L1 干渉領域
L2 突起(干渉領域)

Claims (4)

  1. めねじ部材にねじ軸を螺合する際に、ねじ込み時のねじ孔を通過する際にはねじ込みトルクを負荷することで弾性変形して通過が許容され、ねじ孔通過後に弾性復帰し、ねじ軸が緩み方向に回転した際にめねじ部材のめねじねじ山と干渉して脱落を防止する干渉部を備えた脱落防止ねじにおいて、
    前記干渉部を、めねじねじ山の締付け側フランク面以外の部分に干渉する干渉ねじ山によって構成し、
    前記干渉ねじ山は、山頂部にめねじねじ山間の谷部と干渉する干渉領域が設けられる第1の干渉ねじ山と共に、遊び側フランク面にめねじねじ山の遊び側フランク面と干渉する干渉領域が設けられた第2の干渉ねじ山が設けられ、
    ねじ軸の先端側から、第1の干渉ねじ山、第2の干渉ねじ山の順に配置され、
    第1の干渉ねじ山と第2の干渉ねじ山が、めねじ部材のねじ孔を通過する段階では、第1の干渉ねじ山の山頂部とめねじねじ山の谷部との嵌合により、第2の干渉ねじ山とめねじねじ山との軸方向位置が位置決めされ、この位置で第2の干渉ねじ山の干渉領域はめねじねじ山の遊び側フランク面と干渉し、第2の干渉ねじ山の締付け側フランク面は、めねじねじ山の締付け側フランク面とは接触せず、所定の隙間を介して非接触状態に維持され、
    前記第1の干渉ねじ山がねじ孔を抜けた最終的な締結状態では、第2の干渉ねじ山の締付け側フランク面が通常のおねじねじ山の締付け側フランク面と共に、めねじねじ山の締付け側フランク面に密接して締付けられる構成となっていることを特徴とする脱落防止ねじ。
  2. 干渉ねじ山の干渉領域は、円周方向に部分的に複数設けられている請求項記載の脱落防止ねじ。
  3. 干渉ねじ山の締付け側フランク面は、ねじ孔通過時にめねじねじ山の締付け側フランク面とは非接触状態となるように構成される請求項1又は2に記載の脱落防止ねじ。
  4. 干渉ねじ山はねじ部長さ方向に数巻き分形成されている請求項1乃至のいずれかの項に記載の脱落防止ねじ。
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