JP4991512B2 - スクイズ式泡吐出容器 - Google Patents

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本発明は、スクイズ式泡吐出容器に関し、特に、可撓性を備える胴部を有する外側容器と、内溶液を収容する内側容器と、泡吐出部と、内側容器を外側容器の内側に配置するキャップ部とからなるスクイズ式泡吐出容器に関する。
界面活性剤等の起泡剤を含む内溶液を空気と混合して発泡させ、さらにネット(網目)や多孔質体からなる泡微細化手段(泡均質化手段)を通過させて均質でクリーミーな泡状の液体とした後に、吐出口から吐出させるようにした泡吐出容器が種々開発されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
これらの泡吐出容器は、起泡剤を含む内溶液と空気とを混合する気液混合室、容器本体から内溶液を気液混合室に導入する液体導入通路、容器本体から空気を気液混合室に導入する空気導入通路、気液混合室の下流側に連通する泡均質化手段を備える泡流出通路、泡流出通路に連通して外部に開口する泡吐出通路等を含んで構成されている。
実開昭60−186053号公報 実開平5−54304号公報
しかしながら、上記従来の泡吐出容器では、気液混合室に内溶液や空気を導入する液体導入通路及び空気導入通路を別々に設ける必要があると共に、気液混合室においてこれらを合流させるものであるため、その構造が複雑になる。また、狭い気液混合室において内溶液と空気とを混合して発泡させるものであるため、例えば内溶液が泡立った状態で気液混合室に導入されること等により、泡質にバラツキを生じやすくなる。
本発明は、気液混合室を不要とした簡易な構造を備えており、広いスペースにおいて内溶液と空気とを混合して発泡させることにより、安定した状態で内溶液を泡状の液体として吐出させることのできる泡吐出器を提供することを目的とする。
本発明は、可撓性を備える胴部を有する外側容器と、起泡剤を含む内溶液を収容する内側容器と、前記内側容器に収容された内容液を泡として吐出する泡吐出部と、前記外側容器の上端開口部を覆うように装着されて、前記内側容器を前記外側容器の内側に配置すると共に、前記泡吐出部を前記外側容器よりも上方に突出させた状態で、前記内側容器を前記外側容器の上端開口部に保持するキャップ部とからなるスクイズ式泡吐出容器であって、前記内側容器の下端部に空気流入孔が設けられると共に、該空気流入孔を介した前記内側容器の外部から内部への空気の流入を許容し、前記内側容器の内部から外部への内容液の流出を遮断する内容液逆止弁が設けられており、前記キャップ部に外気流入孔が設けられると共に、該外気流入孔を介した外気の前記外側容器の内部への流入を許容し、前記外側容器の内部の空気の外部への流出を遮断する空気逆止弁が設けられているスクイズ式泡吐出容器を提供することにより、上記目的を達成したものである。
本発明のスクイズ式泡吐出容器によれば、気液混合室を不要とした簡易な構造を備えており、広いスペースにおいて内溶液と空気とを混合して発泡させることにより、内溶液を泡状の液体として吐出させることができる。
図1に示す本発明の好ましい一実施形態に係るスクイズ式泡吐出容器10は、起泡剤として例えば界面活性を含む内容液11を、例えば外側容器12の胴部13を把持し、把持した胴部13を挟み込むようにズクイズして押圧変形させるだけの簡単な操作によって、均質でクリーミーな泡状の液体として内容液11を吐出させるための簡易な容器として用いられる。
そして、本実施形態のスクイズ式泡吐出容器10は、可撓性を備える胴部13を有する外側容器12と、起泡剤を含む内溶液11を収容する内側容器16と、内側容器16に収容された内容液11を泡として吐出する泡吐出部15と、外側容器12の上端開口部を覆うように装着されて、内側容器16を外側容器12の内側に配置すると共に、泡吐出部15を外側容器12よりも上方に突出させた状態で、内側容器16を外側容器12の上端開口部に保持するキャップ部17とからなる吐出容器である。また内側容器16の下端部に空気流入孔18が設けられると共に、この空気流入孔18を介した内側容器16の外部から内部への空気の流入を許容し、内側容器16の内部から外部への内容液11の流出を遮断する内容液逆止弁19が設けられており、キャップ部17に外気流入孔20が設けられると共に、この外気流入孔20を介した外気の外側容器12の内部への流入を許容し、外側容器12の内部の空気の外部への流出を遮断する空気逆止弁21が設けられている。本実施形態では、好ましくは内側容器16の液収容部14の上端部から泡吐出部15の中空内部を経て先端の吐出口22に至る吐出流路23に泡微細化手段24が設けられている。
また、本実施形態のスクイズ式泡吐出容器10は、外側容器12の胴部13を押圧することにより、空気流入孔18を介して外側容器12の内部の空気を内側容器16の液収容部14に収容された内溶液11の内部に送り込んで発泡させ、発泡させた内溶液11を吐出流路23に送り込んで好ましくは泡微細化手段24を通過させることにより、内溶液11を泡状にして吐出口22から吐出するようになっている。
さらに、本実施形態では、内側容器16は、キャップ部17と一体として形成されており、キャップ部17を外側容器12の上端開口部を覆うようにして装着することにより、外側容器12に着脱可能に取り付けられている。
本実施形態では、外側容器12は、例えばポリプロピレン、ポリエチレン等の合成樹脂からなる有底筒形状を備える成形品である。外側容器12は、下端面が底部25によって閉塞された例えば円形又は楕円形の中空断面形状を備える胴部13と、胴部13の上部に当該胴部13と連続して形成されたキャップ装着部26とによって構成される。
胴部13は、例えば手や指で把持して挟み込むよう押圧した際に、容易に押しつぶされて変形できる程度の可撓性を有している。また押圧した状態を解放した際に、その弾性によって容易に元の形状に復帰できる程度の形状復元性を備えている。
キャップ装着部26は、例えば手や指で挟み込むよう押圧しても、容易に押しつぶされない程度の保形剛性を備えている。またキャップ装着部26の外周面には、雄ネジ突条27が設けられている。この雄ネジ突条27に雌ネジ突条28を螺着することにより、キャップ部17が内側容器16と共にキャップ装着部26に着脱可能に装着固定される。
本実施形態では、キャップ部17及び内側容器16は、例えばポリプロピレン、ポリエチレン等の合成樹脂を用いて一体として形成される。キャップ部17は、中央部に内側容器16が貫通配置されるドーナツ形円盤形状の天面部29と天面部29の周縁部分から下方に延設する円筒形状のスカート部30とからなる。スカート部30の内周面には、外側容器12のキャップ装着部26の雄ネジ突条27に螺着する雌ネジ突条28が設けられている。また天面部29から下方に突出して、スカート部30と同心状に配置されたインナーリング31が設けられている。このインナーリング31は、キャップ部17が外側容器12のキャップ装着部26に装着された際に、外側容器12の上端開口の縁部内周面と密着して強固なシール性を発揮する。
また、本実施形態では、キャップ部17の天面部19は、中央を貫通する内側容器16に近接する部分が、肉厚が上方に向けて厚くなったリング状の厚肉段差部32となっており、この厚肉段差部32を上下に貫通して、外側容器12の外部と中空内部とを連通する外気流入孔20が設けられている。外気流入孔20は、厚肉段差部32に一箇所のみ設けても良く、例えば周方向に間隔をおいて複数箇所に設けることもできる。
さらに、本実施形態では、外気流入孔20を外側容器12の内側から覆って開閉する空気逆止弁21が設けられている。空気逆止弁21は、例えば弾性弁からなり、円筒形状の固着部33と、固着部33の上端部から片持梁状に外側に張り出して設けられた円環帯板形状の開閉弁34とからなる。空気逆止弁21は、キャップ部17の天面部19の直下部分における内側容器16の外周面に密着させた状態で固着部33を装着固定して、開閉弁34を天面部19の厚肉段差部32の内側面に密着させた状態で配置する。空気逆止弁21は、外側容器12の内部が大気圧又は正圧の状態では、開閉弁34を外気流入孔20の周囲の天面部19内側面に強固に密着させて、外側容器12の内部の空気が外部へ流出するのを遮断する。外側容器12の内部が負圧の状態では、開閉弁34を下方に湾曲させて空気逆止弁21の周囲の天面部19内側面との間に隙間を生じさせ、外気流入孔20を介して外気が外側容器12の内部への流入するのを許容する。
キャップ部17の天面部19の中央を貫通して設けられた内側容器16は、外側容器12よりも径の小さな有底円筒状の部分である。内側容器16は、その底部35を外側容器12の底部25に致らせることなく、液収容部14を外側容器12の内側に吊り下げた状態に保持して設けられる。内側容器16の上端開口は、キャップ部17の天面部19の厚肉段差部32よりもさらに上方に突出して設けられる。また、内側容器16の底部35には、空気流入孔18及び内容液逆止弁19が設けられ、内側容器16の上端開口には、泡吐出部15が着脱可能に装着される。
本実施形態では、空気流入孔18は、内側容器16の下端部を構成する液収容部14の底部35の中央部分を貫通して、内側容器16の内部と外部とを連通するように設けられている。また空気流入孔18を上方(内側容器16の内側)から覆うようにして、内容液逆止弁19が取り付けられている。
内容液逆止弁19としては、例えばボール弁等の公知の各種の逆止弁を用いることができる。内容液逆止弁19は、外側容器12の内部が大気圧又は負圧の状態では、液収容部14に収容された内容液11の自重等によって空気流入孔18を閉塞し、内溶液11が外部へ流出するのを遮断する。内容液逆止弁19は、外側容器12の内部に圧力が負荷されると、空気流入孔18を開放して、外側容器12の内部の空気を内側容器16に流入させ、流入させた空気を、液収容部14に収容された内容液11の内部を下方から上方に向けて通過させることにより、内容液11と空気とを混合させる。
内容液逆止弁19は、内容液11の種類に応じて、内側容器16から外側容器12へ液が漏れ出ないように、弁の種類、径などを適宜選択する必要がある。一般に粘性が低いものや表面張力が小さいものは径を小さくし、また弁が動作し易いように弁体が軽いものを用いるのが好ましい。
本実施形態では、内側容器16の上端開口に装着される泡吐出部15は、略L字形状に折れ曲がって形成された円筒パイプ状の部材である。泡吐出部15は、例えばその接合基端部分を内側容器16の上端開口に嵌合したり螺着することによって、内側容器16に着脱可能に装着される。泡吐出部15は、その中空内部が、内側容器16の液収容部14の内溶液11が収容されていない上端部と共に、発泡させた内容液11を先端の吐出口22に向けて送り出すための吐出流路23を形成する。また、本実施形態では、泡吐出部15の接合基端部分に泡微細化手段24が設けられている。
泡微細化手段24は、内容液11を発泡させて生成した泡をクリーミーな状態に微細化又は均質化するための部材として公知の各種のものを使用することができる。具体的には、50〜150μm程度の微細な網目を有するネットや、多数の微細な連通孔を有するスポンジ、焼結体等の多孔質体を用いることができる。また泡微細化手段24として、好ましくは網目の大きさが一定のネットを用いることにより、生成した泡の均質化を容易に図ることが可能になる。
泡微細化手段24は、外側容器12の胴部13への押圧操作によって、発泡した内容液11が吐出流路23を経て吐出口22に向けて圧送される際に、泡の抵抗体として機能し、各網目や各連通孔の周囲の摩擦力や表面張力によって通過する泡の速度を抑制すると共に、各網目や各連通孔を通過させることにより発泡した内容液11を微細化又は均質化して、クリーミーな泡を生成する。
また、本実施形態では、内側容器16の液収容部14に収容される起泡剤を含む内容液11は、25℃での粘度が1〜100Pa・sとなっている。液収容部14に収容される起泡剤を含む内容液11が、1〜100Pa・sの粘度を有していることにより、内溶液11と空気が容易に混合し、発泡しやすくなるという利点が得られる。
そして、上述の構成を備える本実施形態のスクイズ式泡吐出容器10では、例えば外側容器12の胴部13を把持すると共に、把持した胴部13を挟み込むようにスクイズして押圧変形させるだけの簡単な操作によって、均質でクリーミーな泡状の液体として内容液11を容易に吐出することができる。すなわち、外側容器12の胴部13をスクイズして押圧変形させれば、外側容器12の内部の圧力は増加する。これれによって、内容液逆止弁19を開放しつつ、内部の空気は空気流入孔18を介して内側容器16に流入する。内側容器16に流入して送り込まれたた空気は、液収容部14に収容された内容液11の内部を下方から上方に向けて通過することにより、内容液11と混合され、内容液11を発泡させて、生成した泡を、内溶液11が収容されていない液収容部14の上端部に充填する。充填された泡は、外側容器12の胴部13を押圧変形した際の加圧力によって、吐出流路23に送り込まれると共に、吐出口部28に向けてさらに押し出されることになる。送り込まれた内容液11は、好ましくは吐出流路23に設けられた泡微細化手段24を通過して微細化又は均質化されることにより、クリーミーな泡の状態となって吐出口22から吐出されることになる。
また、外側容器12の胴部13への押圧を解除すれば、胴部13は元の形状に復帰しようとして外側容器12の内部は負圧になる。これによって、内容液逆止弁19は閉塞されて内側容器16への空気の流入が遮断されると共に、空気逆止弁21は開放され、外気流入孔20を介して外気が外側容器12の内部へ流入して、スクイズ式泡吐出容器10は、スクイズする前の元の状態に復帰する。
したがって、本実施形態のスクイズ式泡吐出容器10によれば、気液混合室を不要とした簡易な構造であるにもかかわらず、外側容器12を押圧して変形させるだけの簡単な操作によって、内側容器16の内部の広いスペースにおいて内溶液11を空気と混合して発泡させつつ、泡質のバラツキが抑制された安定した状態で、内溶液11を泡状の液体として吐出させることが可能になる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されることなく種々の変更が可能である。例えば、内側容器をキャップ部と一体として形成する必要は必ずしもなく、別部材としても良い。また、泡吐出部は、内側容器に着脱可能に装着される必要は必ずしもなく、内側容器と一体として形成しても良い。泡吐出部を内側容器の上端開口に着脱可能に取り付ければ、内溶液を内側容器に補充しながら、スクイズ式泡吐出容器を長期に渡って使用することが可能になる。さらに、起泡剤を含む内溶液として、種々のものを内側容器の収容部に収容して発泡させることができ、内溶液は、界面活性剤等を含む化粧料や液体洗剤の他、染毛剤等であっても良い。アルカリ剤を含有する第1剤と過酸化水素水を含有する第2剤との混合液であって、第1剤又は第2剤が起泡剤を含むものであっても良い。
本発明の好ましい一実施形態に係るスクイズ式泡吐出容器の構成を説明する略示断面図である。
符号の説明
10 スクイズ式泡吐出容器
11 起泡剤を含む内容液
12 外側容器
13 胴部
14 液収容部
15 泡吐出部
16 内側容器
17 キャップ部
18 空気流入孔
19 内容液逆止弁
20 外気流入孔
21 空気逆止弁
22 吐出口
23 吐出流路
24 泡微細化手段
26 キャップ装着部

Claims (6)

  1. 可撓性を備える胴部を有する外側容器と、起泡剤を含む内溶液を収容する内側容器と、前記内側容器に収容された内容液を泡として吐出する泡吐出部と、前記外側容器の上端開口部を覆うように装着されて、前記内側容器を前記外側容器の内側に配置すると共に、前記泡吐出部を前記外側容器よりも上方に突出させた状態で、前記内側容器を前記外側容器の上端開口部に保持するキャップ部とからなるスクイズ式泡吐出容器であって、
    前記内側容器の下端部に空気流入孔が設けられると共に、該空気流入孔を介した前記内側容器の外部から内部への空気の流入を許容し、前記内側容器の内部から外部への内容液の流出を遮断する内容液逆止弁が設けられており、
    前記キャップ部に外気流入孔が設けられると共に、該外気流入孔を介した外気の前記外側容器の内部への流入を許容し、前記外側容器の内部の空気の外部への流出を遮断する空気逆止弁が設けられているスクイズ式泡吐出容器。
  2. 前記外側容器の胴部を押圧することにより、前記空気流入孔を介して前記外側容器の内部の空気を前記内側容器の液収容部に収容された前記内溶液の内部に送り込んで発泡させ、発泡させた前記内溶液を前記内側容器の液収容部の上端部から前記泡吐出部の中空内部を経て先端の吐出口に至る吐出流路に送り込むことにより、前記内溶液を泡状にして前記吐出口から吐出する請求項1記載のスクイズ式泡吐出容器。
  3. 前記内側容器は、キャップ部と一体として形成されており、該キャップ部を前記外側容器の上端開口部を覆うようにして装着することにより、前記外側容器に着脱可能に取り付けられる請求項1又は2に記載のスクイズ式泡吐容器。
  4. 前記起泡剤を含む内溶液は、25℃での粘度が1〜100Pa・sである請求項1〜3のいずれかに記載のスクイズ式泡吐出容器。
  5. 前記吐出流路に泡微細化手段が設けられている請求項1〜4のいずれかに記載のスクイズ式泡吐出容器。
  6. 前記泡微細化手段は、ネット、又はスポンジ、焼結体等の多孔質体である請求項5に記載のスクイズ式泡吐出容器。
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