JP4991230B2 - 稠密充填型テンセグリティ・ジョイント - Google Patents
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- E04B1/18—Structures comprising elongated load-supporting parts, e.g. columns, girders, skeletons
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- E04B2001/1996—Tensile-integrity structures, i.e. structures comprising compression struts connected through flexible tension members, e.g. cables
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Description
Structure)における、不連続な複数の圧縮部材を互いに非接触に正確に配置するための位置決め手段、引張力調整手段、および外力分散を向上させるテンセグリティ・ジョイントに関する。
NON-SYMMETRICAL TENSEGRITYは、引張部材を複数の圧縮部材用の各パイプのスリットを有した端部で連続させると同時に、各パイプ端部の内側で固定して構築される非対称な球状テンセグリティ構造体が第2図、第11図に開示されている。
それゆえに、バックミンスター・フラーによってその原理が発見された1949年から、圧縮部材と引張部材によるシナジーの相互作用からなる究極の構造体と称されるテンセグリティ構造の飛躍的な強度の向上は、軽量化される圧縮部材の素材開発以上に超高強度、高弾性で低伸度の引張部材の素材開発とともに発展してきたと言える。
直径が数メートルの球状テンセグリティでさえ各引張部材毎にミリ単位で調整され、サイズが研究教育用モデルの場合はミリ単位以下での調整が要求されるので、寸法変化がほとんどない引張部材の素材が特に求められてきた。
Fuller vol.4 Garlamd Pess 1985 P.92には、
直接テンセグリティ構造体の各引張部材に取り付けられるターンバックルに替わるテンセグリティ・ジョイントとして、第1図に示すような引張部材に対する最小限の引張力調整機能を備えた方法が記載されている。この機能によって各引張部材に取り付けられる主に金属からなるターンバックルの重量を軽減できる。またターンバックルによる増加した各引張部材の振動も軽減できる。
米国特許第3866366号 NON-SYMMETRICAL
TENSEGRITYの第2図に開示されるように、引張部材を複数の圧縮パイプ材のスリットを有した端部で連続させると同時に各引張部材の端部がスリットから引き抜けないように、圧縮パイプ材の内面に位置する端子で固定する場合、スリットに固定された引張部材が圧縮部材と接触する部分は、連続したすべての引張部材の振動によって、疲労しやすく、とりわけ引張部材の圧縮部材との結合角度が鋭角な場合は剪断を起こしやすくなる。
また、各引張部材の端部に取り付けられる圧着端子の抜け強度は、本来の強度に比べて、一般に引張部材の太さに無関係に低下し、引張強度の最大十分の一程度まで著しく低下するリスクがある。
また各引張部材の端部と圧縮部材との固定に接着剤などを使用して固着した場合、耐薬品性が低いアラミド繊維などからなる引張部材の化学的安定性は著しく劣化する。
またテンセグリティ・ジョイントにおいて引張部材の結合や張力調整機能にこうした上記のボルトやフランジなどの金属部材を使用すると、ジョイント部の総部材数から言っても構造全体を軽量にすることは困難であった。またジョイント部の小型化には、強度や作業に使用する道具の大きさの点で限界が生じていた。
さらに、引張部材と圧縮部材との結合や固着による、引張部材の剪断を回避し、引張部材の引き抜き強度を向上させる結合方法がデザインされているとは言い難い。
さらに、引張部材に損傷を与えることなく一定の張力が常に調節可能で、動的な外力分散機能を備えたテンセグリティ・ジョイントが必要であるが、同時に耐久性があり経済的に量産化可能なデザインが不可欠である。
引張部材に超高強度高弾性で低伸度の繊維からなる複数の引張部材を用いて、各該引張部材をあらかじめ設計した長さで周期的または非周期的に区分し、該引張部材に対して各区分の各境界点を中心に別の繊維で該圧縮部材の直径以上の長さを被覆補強した被覆引張部を形成し、該各境界点上に球状カシメ材をクランプし、該球状カシメ材と該球状カシメ材を貫通する該被覆引張部から構成する凸型ジョイント部を設けると共に、該圧縮部材の側面両端部に対して該圧縮部材の直径方向に該被覆引張部を平行に挟み込む誘導スリットと、該両端部側面の中央から該圧縮部材の軸方向に該誘導スリットに対して平行でかつ該誘導スリットの底面を貫通した該球状カシメ材の直径より大きな直径の円筒状トンネルとを有する凹型ジョイント部とを設け、該凸型ジョイント部の該球状カシメ材を該凹型ジョイント部の該円筒状トンネルに、該凸型ジョイント部の該被覆引張部を該凹型ジョイント部の該誘導スリットにそれぞれ沿わせながら挿入し、少なくとも2個以上の該球状カシメ材を該円筒状トンネルの内壁に接触させると同時に、該円筒状トンネル内で相互に点接触させて仮充填し、さらに該被覆引張部を該円筒状トンネルを挟む左右の該誘導スリット内にそれぞれ集束させて、最終的に引張力によって安定する複数の該球状カシメ材による稠密な充填構造をノードとした完全に閉じたネットワークを形成し、対称的あるいは非対称的テンセグリティ構造体を構築する稠密充填型テンセグリティ・ジョイントを採用している。
凸型ジョイント部が凹型ジョイント部の内部で相互に点接触で充填され、同時に誘導スリット内に該被覆引張部を常に集束させるので、テンセグリティ構造体が外力によって発生する引張応力または圧縮応力を分散するために構造全体が振動する場合、凸型ジョイント部が変動する応力によって円筒状トンネル内部領域内で相互の接触関係を変化させながら回転や移動ができ、様々な応力に対応する常に動的に安定する充填構造が維持されるので、ネットワークのノードとしての機能は一定である。
したがって、引張部材が破断した場合でも、引張部材の交換だけでなく圧縮部材の交換も容易になる。さらにまたテンセグリティ・ジョイントの小型化によって、テンセグリティ構造体の更なる軽量化がはかれる。また、テンセグリティ構造体が弛緩した場合の引張力の調節は、2点間距離の引張部材のみの交換によって容易になる。
図2は、対称的なテンセグリティ構造体101の斜視図である。図6に示すZ型テンセグリティユニット105から構成される。30組の各テンセグリティユニットは、圧縮部材10と超高強度高弾性で低伸度の繊維からなる引張部材20から構築される。中空の圧縮部材11の両端部には、回転可能な凹型ジョイント部30が嵌合されている。該凹型ジョイント部30の端部には、圧縮部材10の中心軸方向に沿って円筒状トンネル40と誘導スリット50が設けられている。すべての凸型ジョイント部は、30本の引張部材20からなる球状の閉じたネットワークの引張力によって、円筒状トンネル40内部に挿入されている。
圧縮部材10は、必要な剛性を有していれば特に材質を限定するものではないが、テンセグリティ構造体の軽量化を考慮するのであれば、アルミ合金、チタン合金、強化プラスチック、カーボンであることが好ましい。また、中実あるいは中空の棒材から構成するのであれば、その断面形状は任意であり、矩形、円形などであってもよく、端部以外を中空にしてもよい。
引張部材20は、引張部材としてテンセグリティ構造体を構築するために必要な強度を備えていれば特にその素材に限定されないが、金属繊維、炭素繊維、アラミド繊維などの伸度が低い適宜な素材で引張部材を構成することができる。
また引張部材20に円筒状トンネル40から逸脱させない引張力があれば、圧縮部材が互いに不連続に配置されながらも連続したネットワークで統合され、テンセグリティ構造体は、常に球状に自律できる。
図4は、図2のテンセグリティ構造体101を構成する圧縮部材の端部から分離独立した稠密充填型テンセグリティ・ジョイント103を示す拡大斜視図である。2個の凸型ジョイント部80が円筒状トンネル40に挿入され、球状カシメ材60が円筒状トンネル40内で相互に点接触して充填された状態を示している。さらにこの分離型のテンセグリティ・ジョイントを構成する凹型ジョイント部30の端部31は、中空の圧縮部材11と回転可能な状態で嵌合する。この回転によるアクティブな外力分散機能によって、テンセグリティ構造体が部分的に大きな外力を受けた場合、ショックアブソーバーと同様の作用が生じる。すなわち圧縮部材の軸方向に対して左右に回転することによって、引張部材への局所的で過剰な応力を効果的にテンセグリティ構造体全体に素早く分散できる。テンセグリティ構造体の構築過程では、凹型ジョイント部30と中空の圧縮部材11は脱落しないように、テープなどで仮止めするのが望ましい。
図4に示す稠密充填型テンセグリティ・ジョイント103によって、図6に示される圧縮部材10と引張部材20からなる30組のZ型テンセグリティユニット105を用いて、図2に示すテンセグリティ構造体101を構築する。このとき、連続したZ型の形状を示す引張部材20は、図5に示す詳細図のように、引張部材上の区間a,bの2種の間隔をおいて、被覆引張部70を有する引張部材上に同径の4個の球状カシメ材60をクランプして形成される凸型ジョイント80から構成される。各引張部材の区間a,bの両端には、凹型ジョイント部への凸型ジョイント部の取り付けを容易にする作業用引張区間cがそれぞれ延長している。図4において、作業用引張区間cを支持しながら凸型ジョイント部80を構成する被覆引張部70と球状カシメ材60を円筒形トンネル40と誘導スリット50へほぼ同時に挿入して、該球状カシメ材60を円筒状トンネル40の底面41に、被覆引張部70を誘導スリット50の底面51にそれぞれ安定させる。この場合、誘導スリット50の幅は、被覆引張部70の直径よりも小さいので、誘導スリット50の挟む力で引張力がまだ十分に発生していない組み立て初段階でも引張部材と圧縮部材を相互に固定できる。このようにして30本の圧縮部材すべての両端に凸ジョイント部80を挿入し、引張部材20をS字型に取り付けて、各圧縮部材の端部の稠密充填型テンセグリティ・ジョイントに、区間a,bの境界に位置する球状カシメ材60と被覆引張部70を同様な方法で勘入させる。
局所的に正五角形状と六角形状からなるネットワークを徐々に拡大するように、圧縮部材10と引張部材20を互いに連結することによって、上記テンセグリティ・ジョイントの円筒状トンネル40内部では、球状カシメ材60は該円筒状トンネル40から逸脱することなく内部の充填構造は、より安定していく。全体を完成しない段階でも不完全な球状テンセグリティ構造体の圧縮部材10はすでに不連続に空間配置されているのは、次第に閉じていくネットワークの見えないシナジー作用によって、連結が進行するにしたがった充填構造がネットワークのノードとして機能しはじめているからである。例えば、この方法で構築される直径数十センチの半球状の段階のテンセグリティ構造体でさえ、床に落としてもバウンドできる程度のテンセグリティ構造体の自律度を検証できる。
11 中空の圧縮部材
12 中空の圧縮部材
20 引張部材
21 引張部材
22 引張部材
23 金属繊維からな引張部材
30 凹型ジョイント部
31 凹型ジョイント部
32 凹型ジョイント部の端部
33 凹型ジョイント部の端部
40 円筒状トンネル
41 円筒状トンネルの底面
42 円筒状トンネル
43 円筒状トンネルの底面
44 円筒状トンネル
45 円筒状トンネルの底面
46 角筒状トンネル
50 誘導スリット
51 誘導スリットの底面
52 誘導スリット
53 誘導スリットの底面
54 誘導スリット
55 誘導スリットの底面
56 誘導スリット
57 誘導スリットの底面
60 球状カシメ材
61 直径の大きい球状カシメ材
62 直径の小さい球状カシメ材
63 球状カシメ材
64 外側に位置する球状カシメ材
65 円柱状カシメ材
70 被覆引張部
71 被覆引張部
72 被覆引張部
73 被覆引張部
74 被覆引張部
80 凸型ジョイント部
81 凸型ジョイント部
90 ボルト
91 フランジ
92 圧着端子
93 引張部材
94 引張部材
95 充填剤
96 六角ボルト
100 テンセグリティ・ジョイント
101 テンセグリティ構造体
102 Z型ネットワークによるテンセグリティユニット
103 稠密充填型テンセグリティ・ジョイント
104 凸型ジョイント部を設けた引張部材
105 Z型テンセグリティユニット
106 ダイヤモンド型ネットワークによるテンセグリティユニット
107 稠密充填型テンセグリティ・ジョイント
A 凹凸型ジョイントの結合状態
B 凹凸型ジョイントの結合状態
a 引張部材区間
b 引張部材区間
c 作業用引張区間
Claims (7)
- 互いに非接触に配置した不連続な複数の圧縮部材を、引張部材からなる閉じたネットワークによって対称的または非対称的に統合したテンセグリティ構造体において、該引張部材に超高強度高弾性で低伸度の繊維からなる複数の引張部材を用いて、各該引張部材をあらかじめ設計した長さで周期的または非周期的に区分し、該引張部材に対して各区分の各境界点を中心に別の繊維で該圧縮部材の直径以上の長さを被覆補強した被覆引張部を形成し、該各境界点上に球状カシメ材をクランプし、該球状カシメ材と該球状カシメ材を貫通する該被覆引張部から構成する凸型ジョイント部を設けると共に、該圧縮部材の両端部側面に対して該圧縮部材の直径方向に該被覆引張部を平行に挟み込む誘導スリットと、該両端部側面の中央から該圧縮部材の軸方向に該誘導スリットに対して平行でかつ該誘導スリットの底面を貫通した該球状カシメ材の直径より大きな直径の円筒状トンネルとを有する凹型ジョイント部とを設け、該凸型ジョイント部の該球状カシメ材を該凹型ジョイント部の該円筒状トンネルに、該凸型ジョイント部の該被覆引張部を該凹型ジョイント部の該誘導スリットにそれぞれ沿わせながら挿入し、少なくとも2個以上の該球状カシメ材を該円筒状トンネルの内壁に接触させると同時に、該円筒状トンネル内で相互に点接触させて仮充填させ、さらに該被覆引張部を該円筒状トンネルを挟む左右の該誘導スリット内にそれぞれ集束させて、最終的に引張力によって安定する複数の該球状カシメ材による稠密な充填構造をノードとした完全に閉じたネットワークを形成し、テンセグリティ構造体を構築することを特徴とする稠密充填型テンセグリティ・ジョイント。
- 上記誘導スリットを上記圧縮部材の軸方向に2箇所以上設けたことを特徴とする請求項1記載の稠密充填型テンセグリティ・ジョイント。
- 上記凸型ジョイント部の球状カシメ材の直径を少なくとも2種以上にして、上記円筒状トンネル内でより稠密に相互に点接触させることを特徴とする請求項1または請求項2記載の稠密充填型テンセグリティ・ジョイント。
- 上記圧縮部材端部から上記凹型ジョイント部を分離し、残された圧縮部材の新たな端部と該凹型ジョイント部とを嵌合させて回転によるアクティブな外力分散機能を付加したことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の稠密充填型テンセグリティ・ジョイント。
- 上記円筒状トンネル内に球状または円柱状の充填材を追加し、複数の球状カシメ材による稠密な充填構造を組み替えて、上記完全に閉じたネットワークの引張力調整機能のあるノードとしたことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の稠密充填型テンセグリティ・ジョイント。
- 上記球状カシメ材を、上記引張部材と上記被覆引張部からほぼ球状に形成されるノットまたはベンドとしたことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の稠密充填型テンセグリティ・ジョイント。
- 上記凸型ジョイント部の球状カシメ材を円柱状カシメ材にし、かつ上記凹型ジョイント部の円筒状トンネルを角筒状トンネルに形成し、円柱状カシメ材を該角筒状トンネルの内壁に接触させると同時に、該角筒状トンネル内で相互に線接触させたことを特徴とする、請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の稠密充填型テンセグリティ・ジョイント。
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