JP4990542B2 - 成形装置 - Google Patents
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Description
前記した成形装置100では、上型110及び下型120の側周面の二方向に当接する板状の測定端子130,130が設けられており、型閉時に上型110及び下型120を二体の測定端子130,130に当接させることにより、上型110及び下型120の位置を検出することができる。
そして、各測定端子130,130の検出結果に基づいて、上型110や下型120の位置を調整して、上型110と下型120の芯合わせを行うことにより、製品の成形精度を高めることができる(例えば、特許文献1参照)。
また、成形時に上型110及び下型120が加熱されたときには、上型110及び下型120の熱が測定端子130に伝わって、測定端子130が熱膨張することにより、測定端子130の検出結果に誤差が生じて、製品の成形精度が低下してしまうという問題がある。
また、前記した成形装置において、ガイド部材をベース部材に取り付けるとともに、ベース部材には、型開閉方向に移動するロッドを有するシリンダ部を設け、支持部材にロッドの先端部が遊嵌される挿入穴を形成し、ロッドの先端面を挿入穴の底部に嵌め込まれたボール部材に当接させてもよい。
また、成形時に加熱された金型の熱によるガイド部材の熱膨張を、支持部材によって防ぐことができる。これにより、第1の金型及び第2の金型が加熱されたときに、第1の金型と第2の金型は同じ軸芯位置の状態を保つことができ、製品の成形精度を高めることができる。
さらに、第1の金型及び第2の金型とガイド部材とが支持部材を介して離れており、成形時には、金型のみを効率よく加熱又は冷却することができるため、製品の生産効率及び成形時のエネルギ効率を向上させることができる。
また、各支持部材では、ガイド部材への取り付け面から、金型を取り付けるための基準となる基準面までの距離が一致しており、複数の支持部材を同時に加工したり、同一の部材から複数の支持部材を切り出したりすることができるため、各支持部材の加工精度を高めることができるとともに、各支持部材の製造コストを低減することができる。
本実施形態では、本発明の成形装置をガラス光学レンズ(以下、単に「レンズ」という。)の製造に適用した場合について説明する。
図1は、本実施形態の成形装置を示した斜視図である。図2は、本実施形態の成形装置を示した部分拡大側面図である。図3は、本実施形態の成形装置において、シリンダのロッドが支持部材を斜めに押し出している態様を部分断面で示した側面図である。
なお、以下の説明において、前後左右方向とは、図1に示す前後左右方向に対応している。
成形装置1は、図1に示すように、型閉時にキャビティ(図示せず)を形成し、このキャビティ内でレンズを成形するように構成された上型10(特許請求の範囲における「第1の金型」)及び下型20(特許請求の範囲における「第2の金型」)と、型開閉方向(上下方向)に延設されたガイド部材30と、このガイド部材30を支持しているベース部材70とを備えている。
上型10及び下型20は、図1及び図2に示すように、円柱状に形成された金属性の部材であり、上下に対峙した状態で配置されている。
上型10では、下端面にキャビティ面11が形成されており、上端部の外周に取り付け用フランジ部12が形成されている。一方、下型20では、上端面にキャビティ面21が形成されており、下端部の外周に取り付け用フランジ部22が形成されている。
二体の支持部材40a,40bは、図1及び図2に示すように、後記するガイド部材30の各スライド部32・・・にそれぞれ取り付けられており、この支持部材40a,40bは、型開閉方向(上下方向)にスライド可能なスライド部32とともに、型開閉方向に移動可能となっている。
断熱部材50は、図2に示すように、上型10と温調部材60aとの間、及び下型20と温調部材60bとの間に介設された円柱状の部材である。この断熱部材50は、成形時に加熱された上型10及び下型20の熱を、支持部材40a,40b側に伝わり難くするものであり、セラミックス等の材料によって形成されている。また、断熱部材50の上下両端部には、上型10又は下型20の取り付け用フランジ部12,22が取り付けられる金型側フランジ部51と、温調部材60a,60bの水平部61a,61bに取り付けられる温調部材側フランジ部52とが形成されている。
温調部材60a,60bは、図2に示すように、支持部材40a,40bの温度を一定に保つために、断熱部材50と支持部材40a,40bとの間にそれぞれ介設されている部材である。
上側の温調部材60aは、水平部61aと、この水平部61aの後端部から下方に向かって形成された鉛直部62aとによってL字形状に形成されており、水平部61aの上面が、上側の支持部材40aの切り欠き部43aの下面に取り付けられ、水平部61aの下面には、断熱部材50を介して上型10が取り付けられている。
また、上側の温調部材60aの内部には、水等の流体を循環させる循環路が形成されており、外部から接続された供給管63aによって、流体が供給されるように構成されている。
ここで、上側の支持部材40a及び下側の支持部材40bは、同じガイド部材30のスライド部32に取り付けられており、さらに、各支持部材40a,40bの基準面42a,42bから取り付け面41a,41bまでの距離が一致しているため、基準面42a,42bに対して位置決めされた上下の温調部材60a,60bは、上下に対向する位置に配置されることになる。したがって、断熱部材50を介して温調部材60a,60bに取り付けられている上型10と下型20も同じ軸芯位置の状態で配置されることになる。
ガイド部材30は、図1及び図2に示すように、型開閉方向(上下方向)に延設されたレール部31と、このレール部31をスライドして型開閉方向に移動可能な三体のスライド部32・・・とを備えている公知のリニアスライダである。ガイド部材30のレール部31は、後記するベース部材70の支柱72に形成された鉛直面72bに取り付けられている。
上側の二体のスライド部32,32の前面には、上側の支持部材40aの取り付け面41aが取り付けられており、下側の一体のスライド部32の前面には、下側の支持部材40bの取り付け面41bが取り付けられている。
ベース部材70は、図1に示すように、平板状の基板71と、この基板71の上面に立設された支柱72と、支柱72の頂部72aに設けられたシリンダ部80とから構成されており、支柱72に形成された鉛直面72bにガイド部材30のレール部31が取り付けられている。
そして、上側の支持部材40aがシリンダ部80のロッド81によって型閉方向(下方向)に押し出されたときには、二体のコイルバネ73,73が伸長された状態となる。また、型開時にロッド81を収縮させたときには、各コイルバネ73,73の引張力が上側の支持部材40aに作用して、上側の支持部材40aが型開方向(上方向)に引き上げられることになる。
なお、上側の支持部材40aを型閉方向に移動させるための駆動手段は、前記した構成に限定されるものではなく、ロッド等の入力部材が上側の支持部材40aに対して固定されることなく自由度を有しており、上側の支持部材40aを確実に型開閉方向に押し出したり、引き上げたりすることができる構成であればよい。
次に、本実施形態の成形装置1を用いたレンズの成形方法について説明する。
まず、図1及び図2に示すように、上型10と下型20を開いた状態で、下型20のキャビティ面21にガラス材料を載置する。このとき、上型10及び下型20は、ガラス材料の成形に適した所定温度まで加熱する。また、上型10及び下型20の加熱とともに、各温調部材60a,60b内の循環路に流体を循環させる。
なお、上型10及び下型20の加熱手段としては、上型10及び下型20に設けたヒータによって加熱する構成や、上型10及び下型20に近づけたハロゲンランプ等の熱源によって加熱する構成など、その構成は限定されるものではない。
前記した成形装置1では、図1及び図2に示すように、上型10及び下型20が、ガイド部材30に沿って型開閉方向に移動可能な二体の支持部材40a,40bにそれぞれ取り付けられているため、上型10及び下型20は、基準となるガイド部材30に対して一定の間隔を保ちながら、ガイド部材30に沿って型開閉方向に移動することになる。したがって、型開閉時に上型10と下型20は同じ軸芯位置の状態が保たれることになり、従来のように、型閉時に上型10及び下型20を他の部材に当接させて芯合わせを行う必要がなくなるため、上型10及び下型20の磨耗及び損傷を防ぐことができる。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明したが、本発明は前記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
また、成形時に加熱された上型10及び下型20の熱によって支持部材40a,40bが熱膨張しないのであれば、温調部材60a,60b及び断熱部材50を設けなくてもよい。
10 上型
20 下型
30 ガイド部材
31 レール部
32 スライド部
40a 上側の支持部材
40b 下側の支持部材
42a 基準面
42b 基準面
50 断熱部材
60a 上側の温調部材
60b 下側の温調部材
70 ベース部材
80 シリンダ部
81 ロッド
Claims (4)
- 型閉時にキャビティを形成し、前記キャビティ内で製品を成形するように構成された第1の金型及び第2の金型と、
型開閉方向に延設されたレール部を有するガイド部材と、を備え、
前記第1の金型及び前記第2の金型は、前記レール部に沿って型開閉方向に移動可能な二体の支持部材の基準面に位置決めされた状態で、前記各支持部材にそれぞれ取り付けられており、
前記各支持部材には、前記レール部に取り付けられる取り付け面と、前記第1の金型又は前記第2の金型を取り付けるための基準となる前記基準面と、が形成され、
前記各支持部材は、前記取り付け面から前記基準面までの距離が一致していることを特徴とする成形装置。 - 前記第1の金型及び前記第2の金型は、断熱部材を介して、前記各支持部材にそれぞれ取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の成形装置。
- 前記各支持部材には、前記支持部材の温度を一定に保つための温調手段が設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の成形装置。
- 前記ガイド部材は、ベース部材に取り付けられており、
前記ベース部材には、型開閉方向に移動するロッドを有するシリンダ部が設けられ、
前記支持部材には、前記ロッドの先端部が遊嵌される挿入穴が形成され、
前記ロッドの先端面が前記挿入穴の底部に嵌め込まれたボール部材に当接していることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の成形装置。
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