JP4990120B2 - タイヤ及びホイールの取付システム並びに方法 - Google Patents
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Description
尚、本出願は、米国特許仮出願第60/882,377号(出願日:2006年12月28日)及び米国特許仮出願第60/984,853号(出願日:2007年11月2日)に基づく優先権の利益を主張するものである。
自動車タイヤを自動車ホイールに取付けるための最も一般的な手法は、以下の段階からなる。
(1)自動車ホイールを所定位置に固定する段階
(2)少なくとも自動車ホイールの縁部分上に自動車タイヤを部分的に配するように操作する段階
(3)取付工具を用いて、タイヤビードの残りの部分をホイール縁部上に押し込む段階
この押込段階は、従来技術において、取付工具(例えば、ローラホイール)或いはこれに類する工具を用いて、ホイールのビードシート上にタイヤのビードを下方に押込むことにより実行される。
請求項3記載の発明は、前記回転操作は、前記取付けられたタイヤ又はホイールを他方に対して自転運動または歳差運動の少なくとも一方をさせることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法である。
請求項4記載の発明は、前記主要発動機は、前記自転運動および/または前記歳差運動に加えて前記取付けられたタイヤ又はホイールを他方に対して軸方向の押込み動作をさせることを特徴とする請求項3に記載の方法である。
請求項5記載の発明は、前記タイヤ又は前記ホイールのうち前記主要発動機に取付けられていない方は、前記取付けられたホイール又はタイヤに対する受け手として拘束されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の方法である。
添付の図面は、本発明の実施形態にしたがって構築されるタイヤをホイールに取付けるシステム並びに方法の例示的な実施態様を示す。上述に記載に基づき、本明細書で用いられる用語は、便宜性を鑑みて、簡便化されたものであり、本発明を説明するための語句は、当業者が理解しうる限り最大の範囲の意味を有するものである。例えば、「タイヤをホイールに取付ける」との文言が、本明細書全体にわたって用いられるが、この文言は、「ホイールをタイヤに取付ける」との文言と同義である。また、「タイヤの回転軸」或いは「ホイールの回転軸」なる文言は、自動車内でタイヤ或いはホイールが運動しているときのタイヤ或いはホイールが回転する中心となる仮想軸を意味するものと理解すべきである。更に、「回転式にタイヤ或いはホイールを動作させる」との用語も、本明細書全体にわたって用いられる。この文言は、少なくとも図1D乃至図1Jに示されるような運動態様を意味するように幅広く理解されるべきものである。
特に、図1Dは、ホイール(W)或いはタイヤ(T)の単純な回転を示し、この回転は、それぞれ対応するホイールの軸(WA)並びにタイヤの軸(TA)周りになされる。
図1Eは、軸(OA−OA)周りのホイール(W)或いはタイヤ(T)の回転を示し、ホイール軸(WA)或いはタイヤ軸(TA)は、軸(OA−OA)から所定距離だけ離間した位置にある。
図1Fは、図1D及び図1Eに示す回転形態を組み合わせたものであり、ホイール(W)或いはタイヤ(T)は、それぞれの軸(WA,TA)周りに回転するとともに、第2の軸(OA−OA)の周りでも回転する。尚、ホイール軸(WA)或いはタイヤ軸(TA)は、距離(R)だけ、軸(OA−OA)から離間して配されている。
図1Gにおいて、ホイール軸(WA)或いはタイヤ軸(TA)が、軸(OA−OA)に対して角度θだけ傾斜していることを除いて、ホイール(W)或いはタイヤ(T)の回転軌跡は、図1Dに関連して示すものと同様である(尚、ホイール軸(WA)及びタイヤ軸(TA)は、図1D乃至図1Fにおいて、軸(OA−OA)に対して、略平行である)。
図1Hは、オフセット軸(OA−OA)周りのホイール(W)或いはタイヤ(T)の回転を示す。尚、図1Hにおいて、ホイール(W)或いはタイヤ(T)は、それぞれの軸(WA、TA)周りには回転していない。
図1Iは、ホイール(W)或いはタイヤ(T)それぞれの軸(WA,TA)周りの回転とオフセット軸(OA−OA)周りの回転からなるホイール(W)或いはタイヤ(T)の複合回転動作を示す。
図1Jは、ホイール(W)或いはタイヤ(T)により辿られる螺旋状の回転経路を示す。図1Jに示す形態において、ホイール(W)或いはタイヤ(T)は、図1D乃至図1Hに示すいずれかの運動形態を以って回転するのに加えて、オフセット軸(OA−OA)に対して平行な方向で平行移動する。
図1Aに示す図から明らかなように、ホイール(W)或いはタイヤ(T)により辿られる経路は、図1Jに示すような略螺旋形状の経路となる。
タイヤ(T)とホイール(W)を取付けるための本発明に係るシステムは、全体として、符号10で示される。タイヤを拘束(即ち、ホイールに対する移動を防止)し、ホイールを操作して、ホイールをタイヤに取付けることの利点に関して説明されるが、システム(10)は、ホイールの移動を抑制し(タイヤに対して)、タイヤを操作し、タイヤをホイールに取付ける形態に対して適用することも可能である。いずれの取付形態においても、システム(10)は、タイヤとホイールを部分的に或いは完全に合体させてなる組立体(TW)(例えば、図1C、図3、図4D、図6、図8参照)を生み出すことができる。
ある実施形態において、ホイールとタイヤのうち少なくとも一方が他方に対して直接的に取付作業を実行するように(ホイールとタイヤを仲介する工具を利用することなく)、ホイールとタイヤを操作する取付システムとして、本発明を理解することができる。この意味において、「作業実行部(作業を実行するホイールとタイヤのうち一方)」は、取付工具(或いは少なくとも取付工具の一部)として機能する。
ある実施形態において、タイヤ或いはホイールのうち一方は、主要発動機(例えば、電気モータ)により駆動され、他方は受け手となる。タイヤとホイールがシステム(物理的に、システムとの用語本来の意味で)を構成するものと考えられるならば、タイヤ/ホイールシステムにエネルギを与えるための他の主要発動機は必要とされない。この手法は、従来の手法、即ち、タイヤとホイールの間を仲介する工具(主要発動機により動力を与えられる)を使用し、タイヤをホイールに取付ける全ての手法とは大きく異なるものである。
ある実施形態において、タイヤ(T)とホイール(W)が「完全に」取付けられるということは、タイヤ(T)のビード(B1,B2)のうち一方が、完全に、ホイール(W)の周縁部(Wc)周囲に完全に配されることを意味する(例えば、図4D及び図6参照)。
ある実施形態において、タイヤ(T)とホイール(W)が「完全に」取付けられるということは、タイヤ(T)のビード(B1,B2)の両方が、ホイール(W)の周縁部(Wc)周囲に完全に配されることを意味する(例えば、図8参照)。
したがって、タイヤ(T)とホイール(W)を取付けることとは、ホイール(W)の周縁部(Wc)周りに1若しくはそれ以上のビード(B1,B2)を部分的に或いは完全に配すること(タイヤとホイールからなる組立構造体を作るために)を意味する。タイヤ(T)とホイール(W)からなる組立構造体は、下流工程部において、追加的な処理に曝される。尚、下流工程において、例えば、位置決め用マーキング、膨張、ビードシーティング、ユニフォーミティテスト、タイヤとホイールを合体させた組立体(TW)のバランス取りが行なわれる。
システム(10)は、マスターアクチュエータを備える。マスターアクチュエータは、タイヤ又はホイールのうち少なくとも一方に接続する。マスターアクチュエータは、アクチュエータ(25)及びホイール支持アーム組立体(12)を備える。ホイール支持アーム組立体(12)は、回転アクチュエータ(14)を備える。回転アクチュエータ(14)は、ベース部(16)とスピンドル(18)の間を接続する部材である。
スピンドル(18)は、ホイール(W)に接続する。例えば、スピンドル(18)は、ホイール(W)の中央ハブ部に接続する。マスターアクチュエータ(25)によりなされる作動動作は、一般的な目的ロボットにより実行される。簡便に説明するために、符号25がブロック内に示され、「ロボット」とのラベルが図中に付されている。本発明に関連して開示される作動動作(或いは、動作)を実行するためにロボットを用いることができるが、本明細書に開示される動作を実行するのに用いることができる非常に単純化された機械を用いることもできる。この機械は、ある実施形態においては、自動化されたものであってもよく、他の実施形態においては、単純に手動式で作動するものであってもよい。本発明の適用範囲をロボットベースのものに限定して解釈すべき事項は、本明細書による開示範囲には存在しない。
図1Aに示す如く、組立体(12)は、ホイール(W)をタイヤ(T)に近づけるように移動させる。その後、図1Bに示す如く、組立体(12)は、ホイール(W)のドロップセンター部(DC)をタイヤ(T)の第1のビード(B1)に近づけるように移動させる。
図1C及び図2Aを参照する。組立体(12)は、ホイール(W)のドロップセンター部(DC)を移動させ、ドロップセンター部(DC)をタイヤ(T)の第1のビード(B1)に隣接させる。タイヤ(T)の第1のビード(B1)の一部は、ホイール(W)のドロップセンター部の一部によって、しっかりと押圧されることとなる。
アクチュエータ(25)が、組立体(12)及びホイール(W)を更に移動させる前に、ホイール軸(AW−AW)が傾斜角θで傾くように(即ち、タイヤ軸(AT−AT)に対して平行ではない状態となるように)、アクチュエータ(25)は、タイヤ(T)に対するホイール(W)の位置を定める。
ある実施形態において、アクチュエータ(25)は、ホイール支持アーム組立体(12)及びこれに連なるホイール(W)を移動させ、タイヤ(T)及びタイヤ軸(AT−AT)に対して、ホイール軸(AW−AW)を旋回移動させる。即ち、ホイール軸(AW−AW)は、矢印(P1乃至P4)の方向に向かう旋回動作をする(図2A乃至図3及び図1G参照)。一般的に、この旋回動作(P1乃至P4)の態様は、タイヤ軸に対するホイール軸の傾斜により定められる。
その後、ホイール軸(AW−AW)をタイヤ軸(AT−AT)周りに回転させ、タイヤ軸(AT−AT)周りのホイール軸(AW−AW)の移動領域が形成される。この領域は、略円錐形状の表面輪郭をなす。ホイール(W)の旋回動作の間、回転アクチュエータ(14)を用いて、ホイール(W)を、ホイール軸(AW−AW)周りに回転させること(図1H参照)は、いくつかのタイヤ(T)とホイール(W)の組合せにおいて、有効である。
アクチュエータ(25)は、ホイール支持アーム組立体(12)を用いて、ホイール(W)を歳差運動させて、タイヤ(T)に対して、ホイール(W)の位置を定めることができる。例えば、「9時の位置」(図3参照)から、タイヤ(T)を中心にして、ホイール(W)を、矢印(P1)で示す時計回りに歳差運動させ、「12時の位置」(図3参照)にホイール(W)を配することができる。
その後、図2Bに示す如く、アクチュエータ(25)は、ホイール支持アーム組立体(12)を用いて、タイヤ(T)を中心として、ホイール(W)を歳差運動させる。例えば、タイヤ(T)を中心にしてホイール(W)を歳差運動させ、「12時の位置」にあるホイール(W)を、矢印(P2)で示す時計回りに旋回させ、「3時の位置」に配する。
この後、図2Cに示す如く、アクチュエータ(25)は、ホイール支持アーム組立体(12)を動かし、タイヤ(T)を中心にホイール(W)を歳差運動させる。例えば、タイヤ(T)を中心に、矢印(P3)で示す時計回り方向に回転させ、「3時の位置」にあるホイールを「6時の位置」に移動させる。
その後、図2Dに示す如く、アクチュエータ(25)は、ホイール支持アーム組立体(12)を動かし、タイヤ(T)を中心にホイール(W)を歳差運動させる。例えば、タイヤ(T)を中心に、矢印(P4)で示す時計回り方向に回転させ、「6時の位置」にあるホイールを「9時の位置」に移動させる。
加えて、図2A乃至図2Dに対応する図面として、図3を用意し、簡便化のため、ホイール(W)及び/又はホイール支持アーム組立体(12)の位置を特定の「時刻位置」として表現しているが、本明細書に開示される発明は、タイヤ(T)とホイール(W)を組み合せる際の初期位置或いは終了位置が、特定の「時刻位置」に限定されるものではない。
ある実施形態において、第1のビード(B1)が、第1のビードシート(S1)に近づき、少なくとも部分的に第1のビードシート(S1)に近接した位置に配されることとなる。ひとたび、ビード(B1)がビードシート(S1)近傍に近づくと、ホイール軸(AW−AW)とタイヤ軸(AT−AT)は、略同軸状態となる。したがって、歳差運動(P1乃至P4)の結果、タイヤ(T)とホイール(W)は、部分的或いは完全に合体した状態となる。ひとたび、タイヤ(T)がホイール(W)に取付けられると、略同軸関係にあるタイヤ(T)とホイール(W)は、他の工程部(図示せず)に搬送され、そこで、位置決め用マーキング、膨張、ビードシーティング、ユニフォーミティテスト、タイヤとホイールを合体させた組立体(TW)のバランス取り或いは他の後工程が行なわれる。
タイヤ(T)とホイール(W)を合体させる本実施形態に係るシステムは、全体として、符号100で指し示されている。システム(100)は、システム(10)と略同様の構成を備え、アクチュエータ(25)及びホイール支持アーム組立体(12)を用いて、ホイール(W)に歳差運動(P1乃至P4)をさせる。しかしながら、システム(100)は、同時に、支持アーム組立体(12)の運動を介して、ホイール(W)の歳差運動(P1乃至P4)と、支持アーム組立体(12)の軸方向の押込み動作を複合させる。この押込み動作は、図中において符号AP−APで示される軸に沿って行なわれる。軸(AP−AP)は、本明細書において、押込み軸と称される。
ホイール支持アーム組立体(12)は、図1C及び図2Aに示されるとともに説明されたものと略同様の位置にある。タイヤ(T)の軸端表面(TA)は、軸支持面(S)により保持されるとともに軸支持面(S)に対向して配されている。
図6を参照する。ホイール支持組立体(12)は、ホイール(W)に部分的に取付けられたタイヤ(T)を仕上げ工程部に移動させる。仕上げ工程部は、全体として、符号150で示される。仕上げ工程部(150)は、第2ビード(B2)をホイール(W)の周縁部(Wc)周りに取付ける効果を奏する。
ある実施形態において、接地ローラ(152a乃至152c)及びシーソー・ローラ(154)は、タイヤ(T)の軸端表面(TA)の周縁部(Wc)周りに配される。ある実施形態において、ローラ(152a乃至152c及び156)は、拘束されておらず、これらローラそれぞれの軸周りの回転を行なうことができる。尚、ローラ(152a乃至152c及び156)は、受動的に回転するものである(即ち、ローラ(152a乃至152c及び156)は、主要発動機により駆動されるものではなく、タイヤ(T)に対して能動的に作用をもたらすことはできない)。
ホイール支持組立体(12)は、部分的に合体したタイヤ(T)とホイール(W)を、矢印(Z)の方向で、仕上げ工程部(150)に向けて移動させる。タイヤ(T)の軸端表面(TA)は、接地ローラ(152a乃至152c)及びシーソー・ローラ(154)に接触する。その後、アクチュエータ(156)は、シーソー・ローラ(154)を下方位置(D)から上方位置(U)に向けて移動させる。これにより、タイヤ(T)の軸端表面(TA)の少なくとも一部が、接地ローラ(152a乃至152c)から離れる方向に向けて、押されることとなる。
ホイール支持組立体(12)又は回転アクチュエータ(14)のうち少なくとも一方が、部分的に合体したタイヤ(T)とホイール(W)を軸(AR−AR)周りに回転する。この軸(AR−AR)は、軸(AT−AT)並びに軸(AW−AW)と略同軸である。この軸(AR−AR)は、本明細書において、仕上げ工程回転軸と称される。タイヤ(T)の軸端表面(TA)が、接地ローラ(152a乃至152c)及びシーソー・ローラ(154)に接触することとなるので、ホイール支持組立体(12)の回転運動は、ホイール(W)及びタイヤ(T)から接地ローラ(152a乃至152c)及びシーソー・ローラ(154)に伝達されることとなる。
所望であれば、アクチュエータ(156)は、シーソー・ローラの上方位置(U)を更に高い位置に設定してもよい。これにより、ホイール(W)の周縁部(Wc)周囲に第2のビード(B2)が更に促されることとなる。この位置において、第2のビード(B2)は、ホイール(W)の周縁部(Wc)の周囲のうち約10%の部分に配されることとなる。
図8を参照する。図8において、ホイール支持組立体(12)は、その後、矢印(Z’)の方向に向けて移動する。尚、矢印(Z’)の方向は矢印(Z)の方向とは反対向きである。これにより、合体したタイヤ・ホイール組立体(TW)は、仕上げ工程部(150)から離れ、1若しくはそれ以上の下流工程部(位置決め用マーキング、膨張、ビードシーティング、ユニフォーミティテスト、タイヤとホイールを合体させた組立体(TW)のバランス取りの工程)に向けて、移動する。
ホイール(916)は、ホイール支持アーム組立体(910)に固定されている。ホイール支持アーム組立体(910)は、回転アクチュエータ(914)(モータ或いはこれに類するもの)を備える。回転アクチュエータ(914)は、ベース部(912)とスピンドル(915)の間に配される。必要に応じて、ピボットジョイント(919)が、ベース部(912)とアクチュエータ(914)の間に配される。
スピンドル(915)は、ホイール(916)の中央ハブ部に接続する。この接続は、当業者に周知の方法を以って行なわれる。ベース部(912)は、リニアアクチュエータ(911)に接続する。これにより、リニアアクチュエータ(911)は、ホイール支持アーム組立体(910)全体を第1軸(B)に対して平行に移動させることができる。
リニアアクチュエータ(911)、ベース部(912)、ピボットジョイント(919)及び回転アクチュエータ(914)は、単一のロボットシステムに組み込まれた機能を実現することとなる。したがって、リニアアクチュエータ(911)、ベース部(912)、ピボットジョイント(919)及び回転アクチュエータ(914)が、全て、別個の部品として示されたが、本発明の開示範囲を、個々の部品、これらの部品のうちいくつかのものに限定すべきものはない。これらの部品により関連する機能全てが、ロボットシステムにより実現可能なものである。
軸(B)は、通常、タイヤ(922)の回転軸に一致する。ピボットジョイント(919)は、ベース部(912)に対して、回転アクチュエータ(919)を回動させるために用いられる。軸(A)は、調整可能であり、軸(B)と一致することもできるし(即ち、θ=0°)、或いは、他の形態においては、軸(A)は、軸(B)に対して角度的にずれた位置に配される(即ち、θ≠0°)(尚、本明細書においては、角度ずれをθの記号で表現しているが、これは、角度表記によく用いられる記号である)。回転アクチュエータ(914)は、主要発動機であり、例えば、電気式、空力式、水力式或いは他の種の回転アクチュエータからなる。回転アクチュエータ(914)は、軸(A)周りにホイール(916)を回転させる能力を備える。
タイヤ(922)は、第1のタイヤビード(924)及び第2のタイヤビード(926)を備える。タイヤ(922)が、非圧縮状態にあるとき、ビード(924)とビード(926)は、一般的に、空隙(944)分だけ離間した位置にある。
少なくとも1つのビード圧縮機構(928)が、タイヤ(922)の側壁部近傍に配される。図9Aに示す実施形態において、2つのビード圧縮機構(928,930)が示されているが、1若しくはそれ以上のビード圧縮機構を用いることも本発明の技術的範囲に含まれるものである。各ビード圧縮機構(928,930)は、それぞれ、圧縮アクチュエータ(932,938)を備え、この圧縮アクチュエータ(932,938)は、それぞれ、上側の挟持用指状部材(934,940)と下側の挟持用指状部材(936,942)を備える。
ここで、図9A及び図9Bを参照する。ホイール(916)をタイヤ(922)に取付けるために、ホイール(916)はまず、スピンドル(915)に据付けられる。スピンドル(915)は、アクチュエータ(914)により、軸(A)周りに回転する(尚、回転方向は符号945で示す矢印により表されている)。また、少なくとも1つのビード圧縮機構(928,930)が作動し、これにより、タイヤ(922)のビード(924,926)の少なくとも一部がともに押圧されることとなり、空隙(944)の少なくとも一部が弛緩した状態の空隙からそれよりも狭い幅の空隙幅となる。尚、空隙幅の減少は、図9B中、符号944’で示されている。また、弛緩状態は、図9Aに示されている。
続いて、ベース部(912)は、軸(B)に沿って、直線的に移動する。この直線移動は、図9C中、符号946で示される。これにより、ホイール(916)の第2のビードシート(920)の少なくとも一部(948)が、タイヤ(922)の第1のビード(924)及び第2のビード(926)により形成される開口部(950)を通過することとなる。
その後、更に、直線移動(946)が軸(B)に沿って続行され、ホイール(916)の第2のビードシート(920)全体が、開口部(950)を通過する(図9D参照)。
ひとたび、ホイール(916)が図9Dに示す位置に至ると、アクチュエータ(932,938)は、駆動解除となり、タイヤとホイールからなる組立構造体がスピンドル(915)から切り離され、下流工程に運ばれ、下流での作業(膨張、バランス取り或いはこれに類する作業)が行われることとなる。
傾斜角θは、特定のタイヤとホイールの組合せにとっては非常に重要な因子である一方で、他のタイヤとホイールの組み合わせにとっては全く重要なものではない。例えば、あるタイヤとホイールの組合せでは、タイヤ材料が非常に高い弾性を有する場合(即ち、容易に変形する場合)、傾斜角は形成される必要がなく(即ち、θ=0°)或いは非常に小さな値の角度θで十分に、ホイール(916)をタイヤ(922)に組み付けることができる。これとは対照的に、厚手或いは反発性の高い材料からタイヤが形成されている場合には、傾斜角度をより大きな値に設定する必要がある。例えば、10°、20°或いはそれ以上の角度などにする。
尚、潤滑剤が、1若しくはそれ以上のタイヤビード(924,926)に塗布されてもよく、1若しくはそれ以上のホイールの部分(例えば、ビードシート(918,920)など)が、取付工程を容易化し、タイヤの第1のビード(924)及び第2のビード(926)に、取付工程の間のタイヤとホイール間に生ずる摩擦接触に起因して発生し得る引掻き傷或いは引き裂き傷が生ずることを防いでもよい。
更なる実施形態において、ホイール支持アーム組立体(910)は、図9A乃至図9Dに関連して説明したものと同一の態様で作動する。しかしながら、図10A乃至図10Dに示す形態において、タイヤビード(924,926)は、両方とも、ビード圧縮機構により挟持されていない。したがって、タイヤ(922)のビード(924,926)は、弛緩状態のままである。
図10A及び図10Bを参照する。
ホイール支持アーム組立体(910)は、軸(B)に沿って、直線移動(946)を実行する。その一方で、ホイール(916)は、同時に、軸(A)周りに回転動作(945)をする。ホイール(916)の第2のビードシート(920)が、タイヤ(922)の第1のタイヤビード(924)に接触すると、第2ビードシート(920)の一部(948)は、タイヤ(922)の第1のビード(924)と第2のビード(926)により形成された開口部(950)を通過する。
引き続き、ベース(912)は、直線状の移動動作(946)を続行する。これにより、ホイール(916)の第2のビードシート(920)は、タイヤ(922)の第1のビード(924)により形成された上側開口部(950)を完全に通過する(図10C参照)。
その後、ベース(912)は更に、軸(B)に沿って移動する。これにより、ホイール(916)の第2のビードシート(920)が、タイヤ(922)の第2のビード(926)により形成された下側開口部(950’)を通過する。その後、ホイールとタイヤからなる組立構造体は、スピンドル(915)から切り離され、これにより、ホイールとタイヤからなる組立構造体は、膨張工程、バランス取り工程及びこれらに類する下流工程で処理を施される。
図9A乃至図10Dは、タイヤ(922)のホイール用開口部が、軸(B)に対して、略同心であるように示されるが、軸(B)に対してタイヤ(922)が傾斜している形態を含まないものとする理由はない。軸(B)とタイヤ(922)のホイール用開口部間の傾斜についても同様である。
タイヤ(922)は固定され、一般的にタイヤが回転或いは他の移動(ホイール(916)によりタイヤ(922)上に生ずる力に応じて生ずる移動現象)をしないようにされる。実際には、取付工程の間、タイヤの運動量を制御可能とすることにより、取付工程が改善されることとなる。ホイールとタイヤの合体が、固定されたタイヤに対して、ホイールを回転させるとともに直線的に移動させる形態を以って説明されてきたが、ホイールとタイヤの位置関係を逆にしても、開示された方法に何ら悪影響をもたらすものではない。
W・・・・・・・ホイール
B1,B2・・・ビード
TW・・・・・・組立構造体
DC・・・・・・ドロップセンター
152a・・・・ローラ
152b・・・・ローラ
152c・・・・ローラ
154・・・・・ローラ
928・・・・・圧縮機構
919・・・・・ピボットジョイント
934・・・・・挟持用指状部材
936・・・・・挟持用指状部材
940・・・・・挟持用指状部材
942・・・・・挟持用指状部材
Claims (5)
- タイヤとホイールを互いに少なくとも部分的に合体させる方法であって、
主要発動機を用いて、タイヤとホイールのうち一方を直接的に取付けるとともに取付けられたタイヤ若しくはホイールを他方の近傍に運搬してタイヤ/ホイールシステムを形成し、前記ホイールの一部と前記タイヤのビードの一部とを互いに接触状態とする段階と、
前記タイヤのビードの一部に前記ホイールが少なくとも部分的に合体される状態となるように、前記主要発動機により直接に、前記タイヤと前記ホイールとを仲介する道具を用いずに、前記主要発動機以外からのエネルギを与えず、前記取付けられたタイヤ又はホイールを他方に対して回転操作する段階と、
を含むことを特徴とする方法。 - 前記主要発動機は、タイヤではなく、ホイールが直接的に取付けられて用いられることを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 前記回転操作は、前記取付けられたタイヤ又はホイールを他方に対して自転運動または歳差運動の少なくとも一方をさせることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
- 前記主要発動機は、前記自転運動および/または前記歳差運動に加えて前記取付けられたタイヤ又はホイールを他方に対して軸方向の押込み動作をさせることを特徴とする請求項3に記載の方法。
- 前記タイヤ又は前記ホイールのうち前記主要発動機に取付けられていない方は、前記取付けられたホイール又はタイヤに対する受け手として拘束されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の方法。
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