JP4990052B2 - インクジェット記録用水分散体の製造方法。 - Google Patents

インクジェット記録用水分散体の製造方法。 Download PDF

Info

Publication number
JP4990052B2
JP4990052B2 JP2007182366A JP2007182366A JP4990052B2 JP 4990052 B2 JP4990052 B2 JP 4990052B2 JP 2007182366 A JP2007182366 A JP 2007182366A JP 2007182366 A JP2007182366 A JP 2007182366A JP 4990052 B2 JP4990052 B2 JP 4990052B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
group
weight
aqueous dispersion
formula
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2007182366A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009019101A (ja
Inventor
勝彦 稲田
伸林 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kao Corp filed Critical Kao Corp
Priority to JP2007182366A priority Critical patent/JP4990052B2/ja
Publication of JP2009019101A publication Critical patent/JP2009019101A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4990052B2 publication Critical patent/JP4990052B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Ink Jet (AREA)
  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
  • Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)

Description

本発明はインクジェット記録用水分散体の製造方法に関する。
インクジェット記録方式は、非常に微細なノズルからインク液滴を記録部材に直接吐出し、付着させて、文字や画像を得る記録方式である。この方式は、フルカラー化が容易で、かつ安価であり、記録部材として普通紙が使用可能、被印字物に対して非接触、という数多くの利点があるため普及が著しい。
特許文献1には、水溶性染料、炭素数8以上のアルキル基を有するエチレングリコールモノアルキルエーテル、及びトリエチレングリコールモノブチルエーテルを含有する水性インクジェット用インクが開示されている。
特許文献2には、保存安定性に優れた水系インクを提供することを目的として、水、着色剤、水不溶性ポリマー、及び有機溶媒を含有する混合物を分散処理した後、該有機溶媒を除去して、着色剤を含有する水不溶性ポリマー粒子の水分散体を調製し、得られた水分散体を40℃以上で加熱処理するインクジェット記録用水系インクの製造方法が開示されている。
特許文献3には、着色剤を含有する水不溶性ビニルポリマー粒子の水分散体であって、該水不溶性ビニルポリマーが、本願明細書の式(2)及び(3)で表される構成単位を有するポリマーであるインクジェット記録用水分散体が開示されている。
しかし、これらの水系インクに用いられる水分散体は、長期の製造においては耐性菌の発生が起り易く、恒久的な防腐性付与が困難である。
特開2002−212477号公報 特開2006−1971号公報 特開2006−89721号公報
本発明は、光沢性に優れたインクジェット記録用水系インクに含有される、防腐性に優れた水分散体及びその製造方法を提供することを課題とする。
本発明は、次の(1)及び(2)を提供する。
(1)着色剤を含有する水不溶性ポリマー粒子10〜30重量%、下記式(1)で表される化合物3〜10重量%、及び防腐剤を含有する水分散体を、60℃以上で加熱滅菌する工程を有する、インクジェット記録用水分散体の製造方法。
10−O(CH2CH2O)a−H (1)
(式中、R10は炭素数3〜6の炭化水素基を示し、aは2〜5の数である。)
(2)前記(1)の方法によって得られる、インクジェット記録用水分散体。
本発明方法により得られたインクジェット記録用水分散体は防腐性に優れ、これを含有する水系インクは光沢性に優れている。
本発明のインクジェット記録用水分散体の製造方法は、着色剤を含有する水不溶性ポリマー粒子10〜30重量%、下記式(1)で表される化合物3〜10重量%、及び防腐剤を含有する水分散体を、60℃以上で加熱滅菌する工程を有することを特徴とする。特に汚菌され易い各原料を用いる製造条件では、本発明の製造方法は有効に滅菌されるため好ましい。
以下、各成分、工程について説明する。
[水不溶性ポリマー]
本発明に用いられる水不溶性ポリマーは、下記式(2)で表される構成単位を有することが好ましい。下記式(2)で表される構成単位を有する水不溶性ポリマー粒子に、着色剤を含有させてなる水系インクを用いることで、専用紙に印字した際に、特に優れた光沢性を発現することができる。
ここで、水不溶性ポリマーとは、ポリマーを105℃で2時間乾燥させた後、25℃の水100gに溶解させたときに、その溶解量が10g以下、好ましくは5g以下、更に好ましくは1g以下であるポリマーをいう。溶解量は、ポリマーが塩生成基を有する場合は、その種類に応じて、ポリマーの塩生成基を酢酸又は水酸化ナトリウムで100%中和した時の溶解量である。
用いるポリマーとしては、ポリエステル、ポリウレタン、ビニルポリマー等が挙げられるが、その保存安定性の観点から、ビニル単量体(ビニル化合物、ビニリデン化合物、ビニレン化合物)の付加重合により得られるビニルポリマーが好ましい。以下、水不溶性ビニルポリマーについて説明する。
Figure 0004990052
式(2)中、R1は水素原子又はメチル基を示す。R2は、置換基を有していてもよい、炭素数7〜22、好ましくは炭素数7〜18、更に好ましくは炭素数7〜12のアリールアルキル基、又は、置換基を有していてもよい、炭素数6〜22、好ましくは炭素数6〜18、更に好ましくは炭素数6〜12のアリール基を示す。置換基はヘテロ原子を含んでいてもよく、ヘテロ原子としては、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子が挙げられる。
2の具体例としては、ベンジル基、フェネチル基(フェニルエチル基)、フェノキシエチル基、ジフェニルメチル基、トリチル基等が挙げられる。
置換基の具体例としては、好ましくは炭素数1〜9の、アルキル基、アルコキシ基若しくはアシロキシ基、水酸基、エーテル基、エステル基又はニトロ基等が挙げられる。
式(2)で表される構成単位としては、高光沢性を発現させる観点から、特にベンジル(メタ)アクリレートに由来する構成単位が好ましい。
式(2)で表される構成単位は、下記式(2−1)で表されるモノマーを重合することによって得ることが好ましい。
CH2=CR1COOR2 (2−1)
(式中、R1、R2は、前記と同じである。)
具体的には、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−フェニルエチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、1−ナフチルアクリレート、2−ナフチル(メタ)アクリレート、フタルイミドメチル(メタ)アクリレート、p−ニトロフェニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−メタクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート、2−アクリロイロキシエチルフタル酸等を重合することで、式(2)で表される構成単位を有するポリマーを合成することができる。これらの中では、特にベンジル(メタ)アクリレートが好ましい。これらは、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
なお、本明細書にいう「(メタ)アクリ」とは、「アクリ」、「メタクリ」又はそれらの混合物を意味する。
本発明に用いられる水不溶性ビニルポリマーは、さらに下記式(3)で表される構成単位を有することが好ましい。
Figure 0004990052
式(3)中、R3は水素原子又はメチル基を示し、R4Oはオキシプロパン−1,2−ジイル基を示す。R4Oには、−CH2CH(CH3)O−以外に、−CH(CH3)CH2O−が含まれていてもよい。R5Oは炭素数2又は4のオキシアルカンジイル基を示し、オキシエチレン基、オキシテトラメチレン基を示す。
6は、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、又は炭素数1〜9のアルキル基を有してもよいフェニル基を示す。R6は、高い印字濃度及び良好な保存安定性の観点から、炭素数1〜12のアルキル基が好ましく、炭素数1〜8のアルキル基がより好ましい。また、炭素数1〜8のアルキル基を有していてもよい、フェニル基が好ましい。炭素数1〜8のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、2-エチルヘキシル基等が挙げられる。
4O及びR5Oはランダム付加又はブロック付加している。R4O及びR5Oが、ブロック付加している場合、-COO-(R4O)x-(R5O)y-R6、又は-COO-(R5O)y -(R4O)x -R6の何れであってもよい。x、yは、平均付加モル数を表し、xは0〜30の数であり、2〜30が好ましく、3〜20が更に好ましく、3〜15が特に好ましい。yは0〜30の数であり、0〜20が好ましく、0〜15が更に好ましい。xとyが共に0であることはなく、y個のR5Oは同一でも異なっていてもよい。
式(3)で表される構成単位は、下記式(3−1)で表されるモノマーを重合することによって得ることが好ましい。
CH2=CR3COO−(R4O)x−(R5O)y−R6 (3−1)
(式中、R3、R4O、R5O、R6、x、及びyは、前記と同じである。)
具体的には、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、エトキシポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、オクトキシポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ステアロキシポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、フェノキシポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、エチレングリコール・プロピレングリコール(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール・プロピレングリコール)モノ(メタ)アクリレート[エチレングリコールとプロピレングリコールがランダム結合している]、オクトキシポリエチレングリコール・ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート[ポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールがブロック結合している]等を重合することで、式(3)で表される構成単位を有するポリマーを合成することができる。これらの中では、特にポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートが好ましい。これらは、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
本発明に用いられる水不溶性ビニルポリマーにおける前記式(2)及び前記式(3)で表される構成単位の重量比[式(2)で表される構成単位/式(3)で表される構成単位]は、印字濃度と光沢性を両立させ、定着性を与える観点から、1/2〜10/1が好ましく、1/2〜8/1がより好ましく、1/2〜5/1が更に好ましく、1/1〜5/1が最も好ましい。
当該水不溶性ビニルポリマーは、その分散性を向上させる観点から、更に、塩生成基含有モノマー(a)由来の構成単位を含むことが好ましい。塩生成基含有モノマー(a)に由来する構成単位は、塩生成基含有モノマーを重合することにより得ることができるが、ポリマーの重合後、ポリマー鎖に塩生成基(アニオン性基又はカチオン性基)を導入してもよい。
塩生成基含有モノマー(a)としては、(a−1)アニオン性モノマー及び(a−2)カチオン性モノマーが好ましい。
(a−1)アニオン性モノマーとしては、不飽和カルボン酸モノマー、不飽和スルホン酸モノマー及び不飽和リン酸モノマーからなる群より選ばれた一種以上が挙げられる。
不飽和カルボン酸モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、2−メタクリロイルオキシメチルコハク酸等が挙げられる。
不飽和スルホン酸モノマーとしては、例えば、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、3−スルホプロピル(メタ)アクリレート、ビス−(3−スルホプロピル)−イタコネート等が挙げられる。
不飽和リン酸モノマーとしては、例えば、ビニルホスホン酸、ビニルホスフェート、ビス(メタクリロキシエチル)ホスフェート、ジフェニル−2−アクリロイロキシエチルホスフェート、ジフェニル−2−メタクリロイロキシエチルホスフェート、ジブチル−2−アクリロイロキシエチルホスフェート等が挙げられる。
上記のアニオン性モノマーの中では、インク粘度及び吐出性の観点から、不飽和カルボン酸モノマーが好ましく、アクリル酸及びメタクリル酸がより好ましい。
当該水不溶性ビニルポリマーは、分散安定性、印字濃度及び耐マーカー性を向上させる観点から、さらに、スチレン系マクロマー(b)及び/又は疎水性モノマー(c)由来の構成単位を含むことが好ましい。
スチレン系マクロマー(b)は、例えば、片末端に重合性官能基を有するスチレン単独重合体、及び片末端に重合性官能基を有する、スチレンと他のモノマーとの共重合体が挙げられる。片末端に存在する重合性官能基は、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基が好ましく、これらを共重合させることで、スチレン系マクロマー由来の構成単位を有する水不溶性ビニルポリマーを得ることができる。
他のモノマーとしては、例えば、(1)(メタ)アクリロニトリル、(2)ヒドロキシ基を有していてもよい、炭素数1〜22、好ましくは炭素数1〜18のアルキル基を有する、(メタ)アクリレート類、(3)スチレン以外の芳香環含有モノマー等が挙げられる。
(2)(メタ)アクリレート類としては、具体的には、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、(イソ)プロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(イソ又はターシャリー)ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、(イソ)オクチル(メタ)アクリレート、(イソ)デシル(メタ)アクリレート、(イソ)ステアリル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
なお、本明細書にいう「(イソ又はターシャリー)」及び「(イソ)」は、「イソ」又は「ターシャリー」で表される枝分かれ構造が存在している場合と存在しない場合(ノルマル)の両者を示すものである。
また、(3)スチレン以外の芳香環含有モノマーとしては、例えば、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルナフタレン、エチルビニルベンゼン、4−ビニルビフェニル、1,1−ジフェニルエチレン、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−メタクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート等の炭素数6〜22の芳香環を有するビニルモノマーが挙げられる。
スチレン系マクロマー(b)における、スチレン由来の構成単位の含有量は、着色剤を充分に水不溶性ビニルポリマー粒子に含有し、印字濃度を向上させる観点から、好ましくは60重量%以上、より好ましくは70重量%以上、特に好ましくは90重量%以上である。
スチレン系マクロマー(b)の数平均分子量は、保存定性を高めるために共重合比を高めつつ、粘度を低く抑えるという観点から、1000〜10,000が好ましく、2000〜8000が更に好ましい。この数平均分子量は、標準物質としてポリスチレンを用い、溶媒として50mmol/Lの酢酸を含有するテトラヒドロフランを用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィーによって測定したときの値である。
商業的に入手しうるスチレン系マクロマーとしては、例えば、東亜合成株式会社の商品名、AS−6、AS−6S、AN−6、AN−6S、HS−6、HS−6S等が挙げられる。
疎水性モノマー(c)に由来する構成単位は、疎水性モノマーを重合することにより得ることができるが、ポリマーの重合後、ポリマー鎖に疎水性モノマーを導入してもよい。
疎水性モノマー(c)としては、(c−1)炭素数1〜22のアルキル基を有する(メタ)アクリレート又は(c−2)下記式(4)で表されるモノマーが好ましい。
CH2=C(R7)−R8 (4)
(式中、R7 は水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基、R8は炭素数6〜22の芳香環含有炭化水素基を示す。)
(c−1)炭素数1〜22のアルキル基を有する(メタ)アクリレートとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、(イソ)プロピル(メタ)アクリレート、(イソ又はターシャリー)ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、(イソ)オクチル(メタ)アクリレート、(イソ)デシル(メタ)アクリレート、(イソ)ドデシル(メタ)アクリレート、(イソ)ステアリル(メタ)アクリレート、ベへニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(c−2)式(4)で表されるモノマーとしては、印字濃度の観点から、スチレン、ビニルナフタレン、α―メチルスチレン、ビニルトルエン、エチルビニルベンゼン、4−ビニルビフェニル、1,1−ジフェニルエチレンから選ばれた一種以上が好ましい。これらの中では、印字濃度及び保存安定性の観点から、スチレン、α−メチルスチレン、及びビニルトルエンからなる群から選ばれる一種以上であるスチレン系モノマーがより好ましい。
当該水不溶性ビニルポリマーは、更に他の構成単位を含有していてもよい。他の構成単位としては、例えば、好ましくは下記式(5)で表される、片末端に重合性官能基を有するシリコーン系マクロマー、片末端に重合性官能基を有するアルキルメタクリレート系マクロマー(メチルメタクリレート系マクロマー、ブチルアクリレート系マクロマー、イソブチルメタクリレート系マクロマー等)に由来する構成単位が挙げられる。
CH2=C(CH3)-COOC36-〔Si(CH32O〕t-Si(CH33 (5)
(式中、tは8〜40の数を示す)
上記の(a)塩生成基含有モノマー、(b)スチレン系マクロマー、(c)疎水性モノマーは、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
当該水不溶性ビニルポリマーは、前記式(2−1)で表されるモノマー、前記式(3−1)で表されるモノマーを含有し、更に、必要により(a)塩生成基含有モノマー、(b)スチレン系マクロマー及び/又は(c)疎水性モノマー等を含有するモノマー混合物(以下、「モノマー混合物」という)を共重合して得られるものが好ましい。
モノマー混合物における前記式(2−1)で表されるモノマー含有量、又は水不溶性ビニルポリマーにおける前記式(2)で表される構成単位の含有量は、水系インクとした際の印字濃度と光沢性の向上、定着性及び良好な分散安定性の観点から、10重量%以上、好ましくは10〜80重量%、更に好ましくは20〜80重量%、特に好ましくは25〜75重量%である。
モノマー混合物における前記式(3−1)で表されるモノマー含有量、又は水不溶性ビニルポリマーにおける前記式(3)で表される構成単位の含有量は、水系インクとした際の印字濃度と光沢性の向上、定着性及び良好な分散安定性の観点から、好ましくは5〜60重量%、更に好ましくは8〜55重量%、特に好ましくは10〜50重量%である。
モノマー混合物における塩生成基含有モノマー(a)の含有量(未中和量としての含有量。以下同じ)、又は水不溶性ビニルポリマーにおける塩生成基含有モノマー(a)に由来する構成単位の含有量は、水系インクとした際の印字濃度と光沢性の向上及び良好な分散安定性の観点から、好ましくは3〜30重量%、更に好ましくは5〜25重量%、特に好ましくは5〜20重量%である。
[式(1)で表される構成単位/塩生成基含有モノマー(a)由来の構成単位]の重量比は、水不溶性ビニルポリマーの分散性及び光沢性を向上させる観点から、好ましくは10/1〜1/1、更に好ましくは8/1〜2/1である。
[式(2)で表される構成単位/塩生成基含有モノマー(a)由来の構成単位]の重量比は、水不溶性ビニルポリマーの分散性及び印字濃度を向上させる観点から、好ましくは10/1〜1/1、更に好ましくは5/1〜1/1である。
モノマー混合物におけるスチレン系マクロマー(b)の含有量、又は水不溶性ビニルポリマーにおけるスチレン系マクロマー(b)に由来する構成単位の含有量は、水系インクとした際の印字濃度の観点から、好ましくは0〜40重量%、更に好ましくは5〜35重量%、特に好ましくは5〜30重量%である。
モノマー混合物における疎水性モノマー(c)の含有量、又は水不溶性ビニルポリマーにおける疎水性モノマー(c)に由来する構成単位の含有量は、水系インクとした際の印字濃度及び分散安定性の観点から、好ましくは0〜40重量%、更に好ましくは0〜20重量%である。
当該水不溶性ビニルポリマーは、塩生成基含有モノマー(a)由来の塩生成基を、後述する中和剤により中和して用いる。塩生成基の中和度は、10〜200%であることが好ましく、さらに20〜150%、特に50〜150%であることが好ましい。
ここで中和度は、塩生成基がアニオン性基である場合、下記式によって求めることができる。
{[中和剤の重量(g)/中和剤の当量]/[ポリマーの酸価 (KOHmg/g)×ポリマーの重量(g)/(56×1000)]}×100
塩生成基がカチオン性基である場合、下記式によって求めることができる。
[[中和剤の重量(g)/中和剤の当量]/[ポリマーのアミン価 (HCLmg/g)×ポリマーの重量(g)/(36.5×1000)]]×100
酸価やアミン価は、水不溶性ビニルポリマーの構成単位から、計算で算出することができる。または、適当な溶剤(例えばメチルエチルケトン)にポリマーを溶解して、滴定する方法でも求めることができる。
当該水不溶性ビニルポリマーの重量平均分子量は、着色剤の分散安定性、耐水性及び吐出性の観点から5,000〜500,000が好ましく、10,000〜400,000がさらに好ましく、10,000〜300,000が特に好ましい。この重量平均分子量は、実施例に記載の方法により測定することができる。
(水不溶性ビニルポリマーの製造方法)
本発明に用いられる水不溶性ビニルポリマーは、塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法等の公知の重合法により、モノマー混合物を共重合させることによって製造される。これらの重合法の中では、溶液重合法が好ましい。
重合の際には、ラジカル重合開始剤を用いることができる。ラジカル重合開始剤の量は、モノマー混合物1モルあたり、好ましくは0.001〜5モル、より好ましくは0.01〜2モルである。重合の際には、さらに重合連鎖移動剤を添加してもよい。
モノマー混合物の重合条件は、使用するラジカル重合開始剤、モノマー、溶媒の種類等によって異なるので一概には決定することができない。通常、重合温度は、好ましくは30〜100℃、より好ましくは50〜80℃であり、重合時間は、好ましくは1〜20時間である。また、重合雰囲気は、窒素ガス雰囲気、アルゴン等の不活性ガス雰囲気であることが好ましい。
重合反応の終了後、反応溶液から再沈澱、溶媒留去等の公知の方法により、生成した水不溶性ビニルポリマーを単離することができる。また、得られた水不溶性ポリマーは、再沈澱を繰り返したり、膜分離、クロマトグラフ法、抽出法等により、未反応のモノマー等を除去して精製することができる。
[着色剤]
着色剤は、特に制限はなく、顔料、疎水性染料等を用いることができるが、耐水性、分散安定性及び耐擦過性の観点から、顔料が好ましい。
顔料及び疎水性染料は、水系インクに使用する場合には、界面活性剤、ポリマーを用いて、インク中で安定な微粒子にする必要がある。
顔料は、無機顔料及び有機顔料のいずれであってもよい。無機顔料としては、例えば、カーボンブラック、金属酸化物、金属硫化物、金属塩化物等が挙げられる。これらの中では、特に黒色水系インクにおいては、カーボンブラックが好ましい。
有機顔料としては、例えば、アゾ顔料、ジアゾ顔料、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、イソインドリノン顔料、ジオキサジン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、チオインジゴ顔料、アンソラキノン顔料、キノフタロン顔料等が挙げられる。
好ましい有機顔料の具体例としては、C.I.ピグメント・イエロー、C.I.ピグメント・レッド、C.I.ピグメント・バイオレット、C.I.ピグメント・ブルー、C.I.ピグメント・グリーン等の各品番製品が挙げられる。
体質顔料としては、シリカ、炭酸カルシウム、タルク等が挙げられる。
上記の着色剤は、単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
着色剤と水不溶性ポリマーとの重量比(水不溶性ポリマー/顔料)は、光沢性と保存安定性の観点から、好ましくは10/90〜90/10、更に好ましくは20/80〜50/50、特に好ましくは20/80〜40/60である。
[式(1)で表される化合物]
本発明の製造方法は、滅菌効果を向上させる観点から、下記式(1)で表される化合物を用いる。
10−O(CH2CH2O)a−H (1)
(式中、R10は炭素数3〜6の炭化水素基を示し、aは2〜5の数である。)
10は、水系インクを調製した場合の光沢性及び防腐性を向上させる観点から、好ましくは炭素数3〜6のアルキル基であり、より好ましくは炭素数3〜4のアルキル基である。R10の具体例としては、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基等が挙げられる。
aは、水系インクを調製した場合の光沢性及び防腐性を向上させる観点から、2〜5の数であり、3〜5が好ましく、3がより好ましい。
式(1)で表される化合物の好適例としては、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノブチルエーテル等のエチレングリコールモノアルキルエーテルが挙げられるが、特にトリエチレングリコールモノブチルエーテルが好ましい。
前記式(1)で表される化合物の含有量は、水分散体中、好ましくは1〜5重量%、より好ましくは2〜4重量%である。
[防腐剤]
防腐剤は、水分散体及び水系インクの腐敗による不溶解物の生成を防止するために用いられる。ここで、防腐剤とは、微生物、特に細菌・真菌(カビ)の発生、発育を防止する機能を有するものを意味し、水に溶解又は安定に分散可能で、実用上十分な抗菌性能、防腐性能、及び安定性を有し、安全性が高く、環境負荷の少ないものが好ましい。
本発明における防腐剤としては、有機系、無機系のものを特に制限なく使用することができる。例えば、日本防菌防黴学会編、「防菌防黴ハンドブック」(技報堂出版、1986年発行)、日本防菌防黴学会編、「防菌防黴剤事典」等に記載されたものを使用することができる。
有機系の防腐剤としては、含窒素複素環化合物、第4級アンモニウム塩類、フェノール類、アルコール類、カルボン酸又はその塩・エステル類等が挙げられる。
含窒素複素環化合物としては、ピリジン系、ピリミジン系、ピラゾール系、オキサゾール系、オキサジン系、イミダゾール系、ベンズイミダゾール系、ジアジン系、1,3,5−トリアジン系、ヘキサヒドロトリアジン系、トリアゾール系、イソオキサゾール系、チアゾール系、チアジアジン系、ベンズチアゾール系、チアゾリン−2−オン系、イソチアゾリン−3−オン系、ベンゾイソチアゾリン−3−オン系、ベンゾチアゾリン−2−オン系、テトラヒドロチアジアジン−2−チオン系、モルホリン系、ピロール系等の骨格を有する化合物が挙げられる。例えば、チアベンダゾール、2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン、1,2−ベンゾイソチアゾール−3(2H)−オン、1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン、3,4−イソチアゾリン−3−オン、ベンゾイソチアゾロン、アルキルイソチアゾロン、クロルアルキルイソチアゾロン、ベンズイソチアゾロン、ベンズイミダゾール、サイアベンダゾール、チアゾスルファミド、ピリジンチオールオキシド、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−(4−チアゾリル)−ベンゾイミダゾール、2−メトキシ−カルボニルアミノベンゾイミダゾール、ナトリウムピリジンチオン−1−オキシド、4,4−ジメチルオキサゾリジン等が含まれる。
第4級アンモニウム塩類としては、テトラブチルアンモニウムクロリド、セチルピリジニウムクロリド、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド、塩化ベンザルコニウム、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンゼトニウム等が挙げられる。
フェノール類としては、フェノール、チモール、クロロフェノール、ジクロロフェン、ヘキサクロロフェン、ブロモフェノール、クロロブロモフェノール、クレゾール、グアヤコール、o−フェニルフェノール、キシレノール、クロルキシレノール、フェノールスルホン酸、レゾルシン、ピロガロール、フェノキシエタノール、ビスフェノール等が挙げられ、アルコール類としては、エタノール、クロルブタノール、イソプロパノール、フェノキシアルコール類、アラルキルアルコール類、フェノキシエーテル類等が挙げられ、カルボン酸又はその塩・エステル類としては、安息香酸、安息香酸ナトリウム、モノブロム酢酸エステル、p−ヒドロキシ安息香酸エステル、ソルビン酸、ソルビン酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、ソルビン酸カルシウム、ソルビン酸エステル等が挙げられる。
その他の有機系防腐剤としては、ブロム系防腐剤〔CH3CONHBr、C65−CH2OCOCH2Br、HOH2C−CBr(NO2)−CH2OH等〕、アミン類(ヘキサメチレンテトラミン、アルキルグアニジン、ニトロメチルベンジルエチレンジアミン等)、酸アミド類、カルバミン酸、カルバメート類、チオ尿素類、チオセミカルバジド類、ジチオカルバメート類、スルフィド類、ジスルフィド類、スルホキシド類、スルファミド類、有機水銀化合物(フェニル酢酸水銀、フェニルオレイン酸水銀等)等が挙げられる。
無機系防腐剤としては、重金属イオンを含有する無機物(銀イオン含有物等)やその塩類が挙げられる。
上記の中では、含窒素複素環化合物、フェノール類、カルボン酸又はその塩・エステル類等がより好ましく、好適例としては、チアベンダゾール、2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン、1,2−ベンゾイソチアゾール−3(2H)−オン、1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン、3,4−イソチアゾリン−3−オン、ベンゾイソチアゾロン、アルキルイソチアゾロン、クロルアルキルイソチアゾロン、ベンズイソチアゾロン、ベンズイミダゾール、サイアベンダゾール、チアゾスルファミド、ピリジンチオールオキシド、ジクロロフェン、ヘキサクロロフェン、ブロモニトロアルコール、クロルキシレノール、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム等が挙げられる。
使用しうる防腐剤の市販品としては、アビシア株式会社製の商品名、プロキセルCRL、プロキセルBDN、プロキセルLV、プロキセルGXL、プロキセルXL2、プロキセルIB、プロキセルTN;日本曹達株式会社の商品名、ベストサイド200K、ベストサイド300、ベストサイド1000、ベストサイド1200、ベストサイドNS、Clariant社の商品名、JMAC−LP10%等が挙げられる。
上記の防腐剤は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
これらの防腐剤は、水溶性であることが好ましく、防腐剤を2種以上組み合わせて使用する場合は、異なる化学構造の骨格を有するものを使用することが好ましい。例えば、含窒素複素環化合物とフェノール類等との組み合わせが挙げられる。
防腐剤の含有量は、水分散体中、好ましくは0.01〜1重量%、よりが好ましくは0.05〜0.5重量%、よりが好ましくは0.1〜0.4重量%である。防腐剤の含有量が上記範囲であれば、十分な防腐作用が得られ、分散不良等の原因となることがない。
[水分散体の製造方法]
本発明の水分散体は、次の工程(1)〜(3)により得ることが好ましい。
工程(1):水不溶性ビニルポリマー、有機溶媒、着色剤、水及び必要により中和剤を含有する混合物を、分散処理する工程
工程(2):前記有機溶媒を除去して、着色剤を含有する水不溶性ポリマー粒子の水分散体を得る工程
工程(3):工程(2)で得られた水分散体と、前記式(1)で表される化合物と、防腐剤とを混合し、加熱滅菌して水分散体を得る工程
工程(1)では、まず、前記水不溶性ビニルポリマーを有機溶媒に溶解させ、次に着色剤、水、及び必要に応じて中和剤、界面活性剤等を、前記有機溶媒に加えて混合し、水中油型の分散体を得ることが好ましい。混合物中、着色剤は5〜50重量%が好ましく、有機溶媒は10〜70重量%が好ましく、水不溶性ポリマーは2〜40重量%が好ましく、水は10〜70重量%が好ましい。
水不溶性ビニルポリマーが塩生成基を有する場合、中和剤を用いることが好ましいが、中和度には特に限定がない。通常、最終的に得られる水分散体の液性が中性、例えば、pHが4.5〜10であることが好ましい。前記水不溶性ビニルポリマーの望まれる中和度により、pHを決めることもできる。
有機溶媒としては、アルコール系溶媒、ケトン系溶媒及びエーテル系溶媒が好ましく挙げられ、水に対する溶解度が20℃において、10重量%以上のものが好ましく、10〜50重量%のものが特に好ましい。より具体的には、イソプロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が好ましく、特に、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンが好ましい。これらの溶媒は、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
中和剤としては、水不溶性ビニルポリマー中の塩生成基の種類に応じて、酸又は塩基を使用することができる。酸としては、塩酸、酢酸、プロピオン酸、リン酸等が挙げられ、塩基としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、トリエタノールアミン等が挙げられる。
工程(1)における混合物の分散方法に特に制限はない。本分散だけで水不溶性ポリマー粒子の平均粒径を所望の粒径となるまで微粒化することもできるが、好ましくは予備分散させた後、さらに剪断応力を加えて本分散を行い、水不溶性ポリマー粒子の平均粒径を所望の粒径とするよう制御することが好ましい。
混合物を分散させる際には、アンカー翼等の一般に用いられている混合撹拌装置を用いることができる。これらの中では、ウルトラディスパー〔浅田鉄鋼株式会社製〕、TKホモミクサー〔特殊機化工業株式会社製〕等の高速攪拌混合装置が好ましい。
本分散の剪断応力を与える手段としては、例えば、ロールミル、ビーズミル、ニーダー、エクストルーダ等の混練機、ホモバルブ式の高圧ホモジナイザー、チャンバー式の高圧ホモジナイザー等が挙げられる。これらの中では、ロールミル、ニーダー、マイクロフルイダイザー〔Microfluidics 社製〕が好ましい。
工程(2)では、前記工程(1)で得られた分散体から有機溶媒を留去して水系にすることで、着色剤を含有する水不溶性ポリマー粒子の水分散体を得ることができる。水分散体に含まれる有機溶媒の除去は、減圧蒸留等による公知の方法により行うことができる。得られた水不溶性ポリマー粒子を含む水分散体中の有機溶媒は実質的に除去されており、有機溶媒の量は、好ましくは0.1重量%以下、より好ましくは0.01重量%以下である。
着色剤を含有する水不溶性ポリマー粒子の水分散体は、着色剤を含有する水不溶性ポリマーの固体分が水を主溶媒とする中に分散しているものである。ここで、着色剤を含む水不溶性ポリマー粒子の形態は特に制限はなく、少なくとも着色剤と水不溶性ポリマーにより粒子が形成されていればよい。例えば、水不溶性ポリマーに着色剤が内包された粒子形態、水不溶性ポリマー中に着色剤が均一に分散された粒子形態、水不溶性ポリマー粒子表面に着色剤が露出された粒子形態等が含まれる。
工程(3)では、工程(2)で得られた水分散体と、前記式(1)で表される化合物と、防腐剤とを混合し、加熱滅菌処理を行う。前記式(1)で表される化合物は、滅菌効果と水分散体の安定性との観点から、加熱前に添加しておく方が好ましく、また、防腐剤も、滅菌効果の観点から、加熱前に添加しておき、その後に加熱処理することが好ましい。
加熱処理の温度は、60℃以上、好ましくは60〜95℃であり、加熱処理の時間は、好ましくは1〜24時間、より好ましくは2〜12時間である。加熱滅菌処理は、例えば、前記水分散体と、前記式(1)で表される化合物と、防腐剤とを密閉容器に入れ、前記の温度、前記の時間、静置又は撹拌下に保持することにより行うことが好ましい。
菌が工程(1)〜(3)のいずれかの工程で混入しても、前記式(1)で表される化合物及び防腐剤の存在下で加熱することで、水分散体の防腐性と安定性とを高め、更には、水系インクとした時の光沢性に優れたものとすることができる。このような本発明の効果を高めるためには、水不溶性ポリマーが前記式(2)で表される構成単位を有することが好ましい。
[水分散体]
本発明のインクジェット記録用水分散体は、着色剤を含有する水不溶性ポリマー粒子、下記式(1)で表される化合物及び防腐剤を含有するが、更に湿潤剤を含有していてもよい。ここで湿潤剤とは、水分散体中の水の蒸散を抑制する化合物であり、水酸基が2以上のポリオール化合物(糖類を含む)である。
ポリオール化合物としては、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオジグリコール、ペンタエリスリトール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン等が挙げられ、糖類としては、マルチトース、ソルビトース、グルコノラクトン、マルトース等が挙げられる。湿潤剤の含有量は、好ましくは1〜20重量%であり、更に好ましくは5〜15重量%である。
本発明の水分散体中には、インクジェット記録用水系インクに通常用いられる浸透剤、分散剤、消泡剤、防錆剤、界面活性剤は、本質的に含まない。本質的に含まないとは、総量が好ましくは0.5重量%以下であり、更に好ましくは0.1重量%以下であり、全く含まれないことが好ましい。
水分散体中、着色剤を含有する水不溶性ポリマー粒子の含有量は10〜30重量%であり、好ましくは10〜25重量%である。
着色剤を含有する水不溶性ポリマー粒子と前記式(1)で表される化合物との重量比〔前記式(1)で表される化合物/着色剤を含有する水不溶性ポリマー粒子〕は、0.1〜0.4が好ましく、0.15〜0.3が更に好ましい。
[水系インク]
本発明の水系インクは、上記で得られた水分散体に、水系インクに通常用いられる浸透剤、分散剤、消泡剤、防錆剤、界面活性剤等を添加することにより調製することができる。
水系インク中、着色剤を含有する水不溶性ポリマー粒子の含有量は1〜10重量%が好ましく、3〜8重量%が更に好ましい。また、前記式(1)で表される化合物の含有量は1〜15重量%が好ましく、3〜10重量%が更に好ましく、防腐剤の含有量は0.1〜1重量%が好ましく、0.1〜0.5重量%が更に好ましい。
得られる水分散体及び水系インクにおける、着色剤を含有する水不溶性ビニルポリマー粒子の平均粒径は、プリンターのノズルの目詰まり防止及び分散安定性の観点から、好ましくは0.01〜0.5μm、より好ましくは0.03〜0.3μm、特に好ましくは0.05〜0.2μmである。なお、平均粒径は、大塚電子株式会社のレーザー粒子解析システムELS−8000(キュムラント解析)で測定することができる。測定条件は、温度25℃、入射光と検出器との角度90°、積算回数100回であり、分散溶媒の屈折率として水の屈折率(1.333)を入力する。
本発明の水分散体及び水系インク中の水の含有量は、好ましくは30〜90重量%,より好ましくは40〜80重量%である。
本発明の水分散体及び水系インクの好ましい表面張力(20℃)は、水分散体としては30〜65mN/m、さらに好ましくは35〜60mN/mであり、水系インクとしては、25〜50mN/mであり、さらに好ましくは27〜45mN/mである。
本発明の水分散体の10重量%の粘度(20℃)は、水系インクとした際に好ましい粘度とするために、2〜6mPa・sが好ましく、2〜5mPa・sが更に好ましい。また、本発明の水系インクの粘度(20℃)は、良好な吐出性を維持するために、2〜12mPa・sが好ましく、2.5〜10mPa・sが更に好ましい。
以下の製造例、実施例及び比較例において、「部」及び「%」は特記しない限り「重量部」及び「重量%」である。
製造例1
反応容器内に、メチルエチルケトン20部及び重合連鎖移動剤(2−メルカプトエタノール)0.03部、表1に示す各モノマーの200部の10%を入れて混合し、窒素ガス置換を十分に行い、混合溶液を得た。
一方、滴下ロートに、表1に示すモノマーの残りの90%を仕込み、前記重合連鎖移動剤0.27部、メチルエチルケトン60部及びラジカル重合開始剤(2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル))1.2部を入れて混合し、十分に窒素ガス置換を行い、混合溶液を得た。
窒素雰囲気下、反応容器内の混合溶液を攪拌しながら65℃まで昇温し、滴下ロート中の混合溶液を3時間かけて徐々に滴下した。滴下終了から65℃で2時間経過後、前記ラジカル重合開始剤0.3部をメチルエチルケトン5部に溶解した溶液を加え、更に65℃で2時間、70℃で2時間熟成させ、ポリマー溶液を得た。得られたポリマーの重量平均分子量を下記方法により測定した。その結果を表1に示す。
[水不溶性ポリマーの重量平均分子量(Mw)の測定]
溶媒として、60mmol/Lのリン酸と50mmol/Lのリチウムブロマイドを含有するN,N−ジメチルホルムアミドを用いたゲルクロマトグラフィー法により、標準物質としてポリスチレンを用いて測定した。使用カラム:東ソー株式会社製(TSK-GEL、α-M×2本)、本体:東ソー株式会社製(HLC−8120GPC)、流速:1mL/minを用いた。
[表1に示す化合物の詳細]
・ポリプロピレングリコールモノメタクリレート(プロピレンオキシド平均付加モル数=9):日本油脂株式会社製、商品名:ブレンマーPP−500
・ポリエチレングリコールモノメタクリレート(エチレンオキシド平均付加モル数=9):新中村化学工業株式会社製、商品名:NKエステルM−90G
・スチレンマクロマー:東亜合成株式会社製、商品名:AS−6(S)(50%トルエン溶液、固形分15部)数平均分子量:6000、重合性官能基:メタクリロイルオキシ基
Figure 0004990052
実施例1−1(水分散体の製造と防腐性評価)
製造例1で得られたポリマー溶液を減圧乾燥させて得られたポリマー25部をメチルエチルケトン70部に溶かし、その中に中和剤(5N水酸化ナトリウム水溶液)4.1部(中和度75%)及びイオン交換水230部加えて塩生成基を中和し、更にジメチルキナクリドン顔料(C.I.ピグメント・レッド122、チバ・スペシャリティー・ケミカルズ株式会社製、商品名:IRGAPHOR MAGENTA DMQ)75部を加え、ディスパー翼で20℃で1時間混合した。得られた混合物をマイクロフルイダイザー(Microfluidics 社製、商品名)で200MPaの圧力で10パス分散処理した。
得られた混練物に、イオン交換水250部を加え、攪拌した後、減圧下で60℃でメチルエチルケトンを除去し、更に一部の水を除去し、5μmのフィルター(アセチルセルロース膜、外径:2.5cm、富士写真フイルム株式会社製)を取り付けた容量25mLの針なしシリンジ(テルモ株式会社製)で濾過し、粗大粒子を除去することにより、固形分濃度が約20%の顔料含有水不溶性ポリマー粒子の水分散体を得た。
その後、防菌性、色材安定性向上のため、トリエチレングリコールモノブチルエーテル(TEGMBE)4部、プロキセルXL2(防腐剤、アビシア株式会社製)を0.3部、グリセリン9.09部を配合し、固形分濃度が18.18%になるように水を加えて配合した水分散体を作製した。その後、70℃で5時間滅菌後、再度5μmのフィルターで濾過し、固形分濃度が18.18%の顔料含有水不溶性ポリマー粒子の水分散体を得た。
得られた水分散体を用いて、下記の微生物抵抗性試験を行った。得られた水分散体の組成と防腐性の評価結果を表2に示す。
[防腐性の評価(微生物抵抗性試験)]
水分散体50gに細菌用菌液(黄色ブドウ球菌、大腸菌群、バチルス菌含有)を0.5mLを加え、十分攪拌混合し、以下の方法により防腐性能の評価を行った。
滅菌したLP希釈液(日本新薬株式会社製)9mLを含む試験管に、菌液含有水分散体の試料1mLを加えて混合した後、混合希釈液0.1mLをSCDLP寒天培地(日本新薬株式会社製)の入ったプレートの平板表面にとり、滅菌したコンラージ棒で均一に塗抹し、その後30℃の恒温槽で静置培養後、形成されたコロニー(集落)を計数した。サンプリングは1日目、3日目、7日目、14日目、28日目に行った。
なお、実用上の合格基準については、106/gの菌を摂取した場合、3日目で103/g以下、7日目で検出下限(102/g)以下になり、試験期間(28日)中、菌の増殖が認められないことを合格の条件とした。
○:7日以内でプレート上の菌数検出下限(102/g)以下で、菌の増殖なし。
△:28日以内プレート上の菌数検出下限(102/g)以下
×:28日以内プレート上の菌数検出下限(102/g)以上
比較例1−1〜3−1
実施例1−1において、トリエチレングリコールモノブチルエーテルとイオン交換水の量を変えた以外は、実施例1−1と同様の操作を行って、固形分濃度が18.18%の顔料含有水不溶性ポリマー粒子の水分散体を得た。その後、実施例1−1と同様にして防腐性能の評価を行った。得られた水分散体の組成と防腐性の評価結果を表2に示す。
比較例4−1
比較例3−1において、70℃で5時間の加熱滅菌を行わなかった以外は、比較例3−1と同様の操作を行って、固形分濃度が18.18%の顔料含有水不溶性ポリマー粒子の水分散体を得た。その後、実施例1−1と同様にして防腐性能の評価を行った。得られた水分散体の組成と防腐性の評価結果を表2に示す。
Figure 0004990052
実施例1−2及び比較例1−2〜4−2
(水系インクの評価)
実施例1−1及び比較例1−1〜4−1に記載した水分散体に細菌用菌液を添加した微生物抵抗性試験用液を用いて、表3に記載の水系インク組成になるように、各成分を混合し、得られた混合液を1.2μmのフィルター(アセチルセルロース膜、外径:2.5cm、富士写真フイルム株式会社製)を取り付けた容量25mLの針なしシリンジで濾過し、粗大粒子を除去することにより、表3に示す水系インクを得た。
これらの水系インクを室温3日放置後の光沢性を以下の方法により評価した。結果を表3に示す。
[光沢性]
セイコーエプソン株式会社製プリンター(型番:PX−V630、ピエゾ方式)を用い、市販の専用紙(写真用紙<光沢>セイコーエプソン株式会社製、商品名:KA450PSK)にベタ印字し〔印字条件=用紙種類:フォトプリント紙、モード設定:フォト〕、25℃で24時間放置後、20°の光沢度を光沢計(日本電色工業株式会社製、商品名:HANDY GLOSSMETER PG-1)で5回測定し、その平均値を求めた。数値が大きい方が、光沢性が高い。
Figure 0004990052
表3から、実施例の水系インクは、比較例の水系インクに比べて、光沢性に優れていることが分かる。

Claims (5)

  1. 着色剤を含有する水不溶性ポリマー粒子10〜30重量%、下記式(1)で表される化合物3〜10重量%、及び防腐剤を含有する水分散体を、60℃以上で加熱滅菌する工程を有する、インクジェット記録用水分散体の製造方法。
    10−O(CH2CH2O)a−H (1)
    (式中、R10は炭素数3〜6の炭化水素基を示し、aは2〜5の数である。)
  2. 前記式(1)で表される化合物が、トリエチレングリコールモノブチルエーテルである、請求項1に記載のインクジェット記録用水分散体の製造方法。
  3. 水不溶性ポリマーが下記式(2)で表される構成単位を有する、請求項1又は2に記載のインクジェット記録用水分散体の製造方法。
    Figure 0004990052
    (式中、R1は水素原子又はメチル基を示し、R2は、置換基を有していてもよい、炭素数7〜22のアリールアルキル基又は炭素数6〜22のアリール基を示す。)
  4. 加熱条件が、60〜95℃で1〜24時間である、請求項1〜3のいずれかに記載のインクジェット記録用水分散体の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の方法によって得られる、インクジェット記録用水分散体。
JP2007182366A 2007-07-11 2007-07-11 インクジェット記録用水分散体の製造方法。 Active JP4990052B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007182366A JP4990052B2 (ja) 2007-07-11 2007-07-11 インクジェット記録用水分散体の製造方法。

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007182366A JP4990052B2 (ja) 2007-07-11 2007-07-11 インクジェット記録用水分散体の製造方法。

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009019101A JP2009019101A (ja) 2009-01-29
JP4990052B2 true JP4990052B2 (ja) 2012-08-01

Family

ID=40359027

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007182366A Active JP4990052B2 (ja) 2007-07-11 2007-07-11 インクジェット記録用水分散体の製造方法。

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4990052B2 (ja)

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60210682A (ja) * 1984-04-05 1985-10-23 Canon Inc インクの製造装置
JPS6155173A (ja) * 1984-08-27 1986-03-19 Konishiroku Photo Ind Co Ltd インクジエツト記録用インク組成物
JPS63256667A (ja) * 1987-04-13 1988-10-24 Mitsubishi Pencil Co Ltd 安定化水性インキ組成物の製造方法
JP4277479B2 (ja) * 2002-04-22 2009-06-10 コニカミノルタホールディングス株式会社 着色微粒子分散体インク、インクジェット用水性インクおよび画像形成方法
JP2006001971A (ja) * 2004-06-15 2006-01-05 Kao Corp インクジェット記録用水系インクの製造方法
JP3766095B2 (ja) * 2004-08-27 2006-04-12 花王株式会社 インクジェット記録用水系インク
JP2006273892A (ja) * 2005-03-28 2006-10-12 Seiko Epson Corp インク組成物及びこれを用いた記録方法、記録物
JP2007161899A (ja) * 2005-12-14 2007-06-28 Canon Inc インクジェット用顔料インクの製造方法及びインクジェット用顔料インク
JP5290503B2 (ja) * 2006-08-04 2013-09-18 花王株式会社 水系顔料分散体の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009019101A (ja) 2009-01-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5426092B2 (ja) インクジェット記録用水分散体の製造方法
JP5284581B2 (ja) インクジェット記録用水系インク
JP3766095B2 (ja) インクジェット記録用水系インク
WO2013112400A2 (en) Antibacterial and antifungal protection for ink jet image
JP2007197675A (ja) インクジェット記録用水系インク
JP7093261B2 (ja) 顔料水分散体
WO2013112440A1 (en) Ink having antibacterial and antifungal protection
JP5297023B2 (ja) インクジェット記録用水分散体
JP5006027B2 (ja) インクジェット記録用水系インクの製造方法
JP4990052B2 (ja) インクジェット記録用水分散体の製造方法。
US7121659B2 (en) Water dispersion and ink jet recording ink
JP4672360B2 (ja) インクジェット記録用水系インク
JP5544081B2 (ja) インクジェット記録用水系インク
JP6315251B2 (ja) インクジェットインク組成物
JP2007126544A (ja) インクジェット記録用水系インク
JP4810858B2 (ja) 水性インク
JP4290495B2 (ja) インクジェット記録用水系インク
JP2007277355A (ja) 水性インク組成物
JP2006176623A (ja) インクジェット記録用水系インク
JP2006282779A (ja) 水性インク
US20150002575A1 (en) Ink having antibacterial and antifungal protection
JP5544094B2 (ja) インクジェット記録用水系インク
JP7335692B2 (ja) 水性グラビアインキ
JP4053516B2 (ja) インクジェット記録用水系インク
JP5243019B2 (ja) インクジェット記録用水分散体の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100616

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120409

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120417

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120501

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4990052

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150511

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250