JP4989855B2 - ガラス繊維集束剤およびガラス繊維 - Google Patents
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Description
上記α‐1,4‐グルカンが酵素合成α‐1,4‐グルカンであり;
上記α‐1,4‐グルカンの修飾物の修飾が、エステル化、エーテル化、酸化および架橋からなる群より選択される化学修飾である;ことが好ましい。
上記(a)α‐1,4‐グルカンおよびその修飾物の少なくとも1種を1〜95重量%、(b)他の多糖類およびその修飾物を99〜5重量%含有し;
さらに乳化剤、界面活性剤、潤滑剤をあわせて0.01〜30重量%含有し、各成分の合計が100重量%を超えない量で含まれる;ことが好ましい。
用語「分散度Mw/Mn」とは、重量平均分子量Mwに対する数平均分子量Mnの比(すなわち、Mw÷Mn)である。高分子化合物は、タンパク質のような特別の場合を除き、その由来が天然または非天然のいずれであるかに関わらず、その分子量は単一ではなく、ある程度の幅を持っている。そのため、高分子化合物の分子量の分散程度を示すために、高分子化学の分野では通常、分散度Mw/Mnが用いられている。この分散度は、高分子化合物の分子量分布の幅広さの指標である。分子量が完全に単一な高分子化合物であればMw/Mnは1であり、分子量分布が広がるにつれてMw/Mnは1よりも大きな値になる。本明細書中で「分子量」という用語は、特に断りのない限り重量平均分子量(Mw)を指す。
(1)生物資源である糖質を原料として製造される;
(2)天然澱粉と同様にグルコース残基のみで構成されており、α‐1,4‐グルカンも、その分解中間体も、そして最終分解物に至るまで環境および生体に対して毒性がない;
(3)分子量分布が狭く(Mw/Mnが1.1以下)、製造条件を適切に制御することによって任意の重合度(約60〜約37000)を有するものが得られる;
(4)完全に直鎖であり、天然澱粉から分画したアミロースに認められるわずかな分岐構造をも含まない;
(5)皮膜の酸素透過性が低い;
(6)皮膜の形成性が高く、皮膜の強度は通常の合成高分子に匹敵する;
(7)必要に応じて澱粉と同様の化学修飾が可能である。
(I)枝分かれのない均一な構造であることから、ガラス繊維上に形成される皮膜は高強度で柔軟性が高い。またガラスとの接着性も向上させられる。
(II)分子量分布が狭く任意の重合度のものを合成できるため、集束剤溶液の物性を容易に制御することができる。
(III)高分子量の酵素合成α‐1,4‐グルカンは水に容易に溶解し、溶液の粘度は安定であることから、従来の澱粉のような加熱糊化の工程を省略し、安定的生産を図ることができる。
(IV)ガラス繊維上に形成される酵素合成α‐1,4‐グルカンの皮膜は非常に滑らかであることから、製織時の飛走性に優れ、製織の高速化がはかれる。
(V)酵素合成α‐1,4‐グルカンの製造工程において、微量に含まれる塩類は完全に除去可能で、集束剤としての使用量も従来品よりも減らすことができるため、脱油時に問題となる灰分を減らすことができる。
(VI)生物資源由来で生分解性であることから、環境への負荷を低減できる。
α‐1,4‐グルカンおよびその修飾物のフィルム強度測定は、以下の方法で行なった。得られたフィルムを幅12.7mm×長さ152.4mmの大きさの試験片を26℃、相対湿度55%の恒温恒湿室に1日静置したのち、同じ場所で引張試験を行った。引張試験機(島津製作所製 オ−トグラフAGS−H)にあらかじめ厚みを測定した試験片を、持ち手間距離が100mmになるように固定し、10mm//分の速度で破断するまで引張った。各試験片について5本の試験結果を平均し、持ち手内部で切断した場合は除外した。引張強度は破断時の荷重をフィルムの断面積で割って求めた。また、引張の前後の長さから、伸びの値を求めた。
ガラス繊維の接着強度測定は、以下の方法で行なった。電気炉をもちいて500℃で5時間加熱し、有機成分を除いたガラスクロス(坪量100g/m2、平織り)を幅25mm、長さ50mmに切断して試験片とした。2枚のテープ片の片端より20mmを接着面として集束剤溶液に浸した後、接着面同士を合わせて接着した。その後、棚式乾燥機にて60℃で1時間以上乾燥し、26℃、相対湿度55%の恒温恒湿室で30分以上静置した。引張試験機を用いて上下に引張り、接着面が剥がれる時の力を接着力として測定した。引張速度4mm//分、チャック間距離は50mm。各サンプル3点ずつ測定し、得られた最大点荷重の平均値を求め、接着強度とした。剥離後のガラスクロス表面を目視および走査型電子顕微鏡で観察し、毛羽立ちや皮膜の剥離等の状態を確認した。
集束剤中の灰分の測定は以下の方法で行なった。あらかじめ十分乾燥させたルツボに集束剤のサンプルを約5g入れ、重量を測定した。これを電気炉に移し、600℃で6時間灰化させたあとデシケーターに移し、室温まで放冷したのちにルツボの重量を測定した。灰分は下式で表わされる。
灰分(%)=(B−C)/(B−A)×100
A:空のルツボの重量(g)
B:灰化前のサンプルとルツボの重量(g)
C:灰化後のサンプルとルツボの重量(g)
15mMリン酸緩衝液(pH7.0)、106mMスクロース、及びマルトオリゴ糖混合物(テトラップH、林原製)5.4mg/リットルを含有する反応液(1リットル)に、馬鈴薯塊茎由来の精製グルカンホスホリラーゼ(1単位/ml)と、Streptococcus mutans由来スクロースホスホリラーゼ(1単位/ml)を加えて37℃で16時間保温し、反応終了後、生成したα‐1,4‐グルカンの収率(%)、重量平均分子量(Mw)および分子量分布(Mw/Mn)を決定した。その結果、重量平均分子量が1250kDa、分子量分布(Mw/Mn)が1.03のα‐1,4‐グルカンを得た。
耐圧反応容器中で、1000ミリリットルの蒸留水に水酸化ナトリウム6g、塩化ナトリウム36gおよび製造例1で得られたα‐1,4‐グルカン50gを溶解した。窒素ガス置換を行った後に、エチレンオキシド16gを添加し、38℃で10時間撹拌した。希塩酸でpHを6に調整して反応を止めた後に500ミリリットルのエタノールを加えて沈殿を析出させた。沈殿を濾過後、エタノールで洗浄、乾燥してヒドロキシエチル化α‐1,4‐グルカン(HEAG)を得た。
α‐1,4‐グルカンをコーンスターチあるいはハイアミロースに変えた以外は製造例2と同様な方法で、ヒドロキシエチル化コーンスターチ(HECS)およびヒドロキシエチル化ハイアミロースコーンスターチ(HEHA)を作製した。
製造例1で得られたα‐1,4‐グルカン、各種澱粉、および製造例2と製造例3で得られたヒドロキシエチル化したサンプルから、集束剤溶液を作製した。95℃に加熱した蒸留水にトータルで5重量%になるように各サンプルを投入し、撹拌しながら1時間加熱した。その後撹拌を止めて放冷し、50℃で保持した。表1に集束剤溶液の組成および放冷後の溶液の状態を示す。
実施例1で得られた集束剤溶液を基板上に流延し、50℃に保った棚式乾燥機で一晩乾燥してフィルムを作製した。フィルムが得られたものについて強度を測定した。結果を表2に示す。α‐1,4‐グルカンおよびその修飾物からなるフィルムは強度、伸びともに良好な結果を示した。またヒドロキシエチル化コーンスターチに重量比で10%のヒドロキシエチル化α‐1,4‐グルカンを配合することで、強度と伸びを向上させられることが分かった。
実施例1で得られた集束剤溶液を用いて、ガラス繊維の接着強度の測定と剥離後の表面状態の観察をした。結果を表3に示す。(*間に合えば電子顕微鏡の写真を追加します)
実施例1で用いた集束剤用サンプルの灰分を測定した。結果を表4に示す。
Claims (6)
- 酵素合成されたα‐1,4‐グルカンまたはその修飾物を含有するガラス繊維集束剤。
- 前記α‐1,4‐グルカンの修飾物の修飾が、エステル化、エーテル化、酸化および架橋からなる群より選択される化学修飾である請求項1に記載のガラス繊維集束剤。
- (a)前記α‐1,4‐グルカンまたはその修飾物の少なくとも1種と、(b)他の多糖類またはその修飾物と、を含有する請求項1に記載のガラス繊維集束剤。
- 前記(a)α‐1,4‐グルカンまたはその修飾物の少なくとも1種を1〜95重量%、(b)他の多糖類またはその修飾物を99〜5重量%含有する、請求項3に記載のガラス繊維集束剤。
- さらに乳化剤、界面活性剤、潤滑剤をあわせて0.01〜30重量%含有し、各成分の合計が100重量%を超えない量で含まれる、請求項4に記載のガラス繊維集束剤。
- 請求項1〜3のいずれかに記載のガラス繊維集束剤を付着してなるガラス繊維。
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