JP2003212604A - 化工澱粉、硝子繊維集束剤およびそれを付着させた硝子繊維 - Google Patents

化工澱粉、硝子繊維集束剤およびそれを付着させた硝子繊維

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JP2003212604A
JP2003212604A JP2002016907A JP2002016907A JP2003212604A JP 2003212604 A JP2003212604 A JP 2003212604A JP 2002016907 A JP2002016907 A JP 2002016907A JP 2002016907 A JP2002016907 A JP 2002016907A JP 2003212604 A JP2003212604 A JP 2003212604A
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Toru Nakajima
徹 中島
Mayumi Maeda
真由美 前田
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Nippon Starch Chemical Co Ltd
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Nippon Starch Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ヤーン用の集束剤としては澱粉または澱粉を化
学的に処理変性したものが主剤として用いられている。
これは、澱粉が適度なフィルム形成力と接着力をもつこ
と、焼成脱油が容易なこと、コストが比較的安いことな
どによる。収束剤には澱粉の他に潤滑剤、カチオン系柔
軟剤、界面活性剤、防腐剤などが助剤として添加され
る。このような集束剤を塗布したヤーンは優れた諸特性
を示しこれまで使用されているが、種々の改良が提案さ
れている。脱油性に優れ、かつ粉落ちや毛羽立ちが少な
く、飛走性の良いヤーンが得られる硝子繊維用集束剤用
化工澱粉、集束剤、硝子繊維を得ることを目的とする。 【解決手段】ヒドロキシアルキル化澱粉および/または
アセチル化澱粉にカチオン化澱粉分解物またはカチオン
化ヒドロキシアルキル化澱粉分解物を配合した化工澱
粉、その化工澱粉を含んだ硝子繊維集束剤およびそれを
付着させた硝子繊維。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は粉落ちや毛羽立ちが
少なく、飛走性が良いという優れた諸特性を有する硝子
繊維集束剤用化工澱粉、硝子繊維集束剤およびこの集束
剤を付着させた硝子繊維に関する。
【0002】
【従来の技術】フィルム形成剤として作用する集束剤と
しては、ヤーン用とロービング用に大別される。ヤーン
用の集束剤としては澱粉または澱粉を化学的に処理変性
したものが主剤として用いられている。これは、澱粉が
適度なフィルム形成力と接着力をもつこと、焼成脱油が
容易なこと、コストが比較的安いことなどによる。収束
剤には澱粉の他に潤滑剤、カチオン系柔軟剤、界面活性
剤、防腐剤などが助剤として添加される。このような集
束剤を塗布したヤーンは優れた諸特性を示しこれまで使
用されているが、種々の改良が提案されている。
【0003】塗布された集束剤が、巻き取られた糸のパ
ッケージを乾燥する際に特定の成分(一般には水に溶け
やすい成分)が表面部分に移行するマイグレーションと
いう現象を防止するための改良として特公昭53−35
639号公報には、「糊化後の平均粒径が0.5〜10
ミクロン、粘度が5%、50℃において30mPa・s
以下を示す架橋エーテル化澱粉を被膜形成剤とする集束
剤」が提案されている。
【0004】また、特公平4−76338号公報には
「澱粉とオクチル無水コハク酸やテトラデシル無水コハ
ク酸とのエステル化物を用いる移動安定性の硝子集束用
糊剤組成物」が提案されている。また、特開昭61−2
70236号公報には、「澱粉またはヒドロキシアルキ
ル化物を一価の低級脂肪酸または一価の芳香族酸でエス
テル化し、濃硫酸で澱粉分子を分解してなる硝子繊維用
集束剤」が提案されている。
【0005】脱油性の改良として、特開平8−1045
48号公報には「硫酸アンモニウム系化合物を、少なく
とも1種以上含むガラス繊維用集束剤及びこれを0.0
01−10.00重量%付着させた硝子繊維」が提案さ
れている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記の特公昭53−3
5639号公報の集束剤は、糊化後の平均粒子径を0.
5〜10ミクロンにするためには特殊な小粒子の澱粉を
使用するか、小粒子澱粉の膨潤を抑えるために架橋度合
いを高くしなければならない。しかし、高架橋澱粉は水
に溶けないので、フィルム性が悪く、均一で柔軟なフィ
ルムにならないためヤーンの被覆が不十分となり、粉落
ち、毛羽立ちが多くなる。
【0007】上記の特公平4−76338号公報の集束
剤は、疎水性と親水性をもった乳化力の高い澱粉を使用
するため、併用する油成分が澱粉の水に溶けやすい成分
と乳化し、澱粉糊液と油とが一体になるためマイグレー
ションしにくくなるかもしれない。しかし、澱粉フィル
ムの表層に移行して澱粉フィルム表面の滑りを良くして
摩擦抵抗を下げ、粉落ち、毛羽立ちを抑える役目の油成
分が乳化され澱粉フィルムの内層にも分布するため、表
面の平滑性が低下し、粉落ち、毛羽立ちを抑える効果が
乏しくなる。
【0008】上記の特開昭61−270236号公報の
集束剤は、澱粉をヒドロキシアルキル化とエステル化ま
たはエステル化したものを更に、濃硫酸による酸加水分
解処理しているため、水に対する溶解性が非常に高くな
っているので、マイグレーションし易い。また、この濃
硫酸による酸加水分解処理は上記特開平8−10454
8号公報によると、アンモニウム化合物と併用すると脱
油性を向上させる硫酸アンモニウム系化合物を生成する
のであるが、硫酸は反応設備の腐食を促進するので好ま
しくない。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記課題を
解決するために鋭意検討を重ねた結果、ヒドロキシアル
キル化澱粉および/またはアセチル化澱粉にカチオン化
澱粉分解物またはカチオン化ヒドロキシアルキル化澱粉
分解物を配合した化工澱粉を硝子繊維集束剤として付着
させた硝子繊維が、粉落ちや毛羽立ちが少なく、飛走性
が良く上記の課題を解決するのに有効であることを見出
した。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の化工澱粉は、ヒドロキシ
アルキル化澱粉および/またはアセチル化澱粉にカチオ
ン化澱粉分解物またはカチオン化ヒドロキシアルキル化
澱粉分解物を配合して得られる。ヒドロキシアルキル化
澱粉は、コーンスターチ、タピオカ澱粉、小麦澱粉、甘
藷澱粉、馬鈴薯澱粉またはハイアミロースコーンスター
チから選ばれる原料澱粉に1,2−アルキレンオキシ
ド、すなわちエチレンオキシド、1,2−プロピレンオ
キシド、1,2−ブチレンオキシドを作用して得られ
る。これらのアルキレンオキシドはコーンスターチ、タ
ピオカ澱粉、小麦澱粉、甘藷澱粉、および馬鈴薯澱粉に
対してはMS値が0.03〜0.26、好ましくは0.
07〜0.20の範囲になるように付加し、ハイアミロ
ースコーンスターチに対してはMS値が0.07〜0.
36、好ましくは0.10〜0.30の範囲になるよう
に付加される。ここでヒドロキシアルキル化の程度を示
すMS値とは、澱粉の無水グルコース残基当たりのヒド
ロキシアルキル基のモル数(Molar Substitution)をい
う。
【0011】アセチル化澱粉は、コーンスターチ、タピ
オカ澱粉、小麦澱粉、甘藷澱粉、馬鈴薯澱粉またはハイ
アミロースコーンスターチから選ばれる原料澱粉に無水
酢酸または酢酸ビニルを作用して得られる。これらのア
セチル化試薬はコーンスターチ、タピオカ澱粉、小麦澱
粉、甘藷澱粉、および馬鈴薯澱粉に対してはDS値が
0.03〜0.25、好ましくは0.05〜0.15の
範囲になるように付加し、ハイアミロースコーンスター
チに対してはDS値が0.07〜0.36、好ましくは
0.10〜0.30の範囲になるように付加される。こ
こでエステル化の程度を示すDS値とは、澱粉の無水グ
ルコース残基当たりの置換アセチル基数(Degree of Su
bstitution)のことをいう。例えば、DS値が0.01
とはグルコース100個について1個の水酸基がアセチ
ル基に置換されていることを表す。
【0012】これらのヒドロキシアルキル化澱粉または
アセチル化澱粉は、5%水溶液、60℃で略3〜50m
Pa・sの粘度を有するものが好適に用いられる。その
ため、エーテル化、アセチル化後の粘度がこの粘度幅よ
り高いときには、低粘度化するために低分子化処理、架
橋処理などの化工を必要に応じてなされる。本発明で用
いられる硝子繊維集束剤用の化工澱粉は、ヒドロキシア
ルキル化澱粉および/またはアセチル化澱粉にカチオン
化澱粉分解物を配合し、5%水溶液、60℃で略3〜4
0mPa・s、好ましくは5〜15mPa・sの粘度を
有する粘度に調整される。
【0013】本発明の化工澱粉は、必要に応じて低粘度
化するために低分子化処理や架橋処理される。低分子化
処理とは硫酸、硝酸、塩酸などの鉱酸や有機酸による酸
加水分解処理と、過酸化水素、次亜塩素酸ソーダなどの
酸化剤による酸化処理をいう。本発明の化工澱粉は、架
橋反応によっても粘度を調整することができる。架橋剤
としては、エピクロルヒドリン、トリメタリン酸ナトリ
ウム、シアヌリッククロライド、アジピック−アセチッ
クアンハイドライド、ホルマリン、ジエポキシド化合
物、ジアルデヒド化合物などの澱粉の水酸基と反応し得
る官能基を2つ以上有する試薬が用いられる。その低粘
度化の程度は加水分解されて低粘度化(低分子化)され
た結果、および架橋処理によって澱粉の膨潤を抑制され
た結果の粘度で示される。その粘度は5%水溶液、60
℃で略3〜50mPa・s、好ましくは5〜30mPa
・sのものが好適に使用される。
【0014】本発明の化工澱粉はヒドロキシアルキル化
澱粉および/またはアセチル化澱粉にカチオン化澱粉分
解物またはカチオン化ヒドロキシアルキル化澱粉分解物
を配合して得られる。ヒドロキシアルキル化澱粉および
/またはアセチル化澱粉100質量部に対してカチオン
化澱粉分解物またはカチオン化ヒドロキシアルキル化澱
粉分解物を1〜20質量部、好ましくは3〜10質量部
配合することによって、本発明の硝子繊維集束剤として
の効果(集束剤を付着させた硝子繊維が、粉落ちや毛羽
立ちが少なく、飛走性が良い)が得られる。本発明のカ
チオン化澱粉分解物は50%水溶液、60℃で略1〜2
000mPa・sの粘度を有し、ヒドロキシアルキル化
澱粉および/またはアセチル化澱粉にカチオン化澱粉分
解物またはカチオン化ヒドロキシアルキル化澱粉分解物
を配合した後の粘度は、5%水溶液、60℃で略3〜4
0mPa・s、好ましくは5〜15mPa・sの粘度を
有する粘度に調整される。
【0015】本発明において、カチオン化澱粉分解物と
は、澱粉分解物をカチオン化したものをいう。澱粉分解
物とは、澱粉を酸または酵素で加水分解したデキストリ
ン、オリゴ糖、マルトース、グルコース等をいい、本発
明ではこれら澱粉分解物に含まれる還元糖を水素添加等
により還元して得られる還元水飴、マルチトール、ソル
ビトールも含む。また、これらの澱粉分解物をカチオン
化したものだけでなく、ヒドロキシアルキル化したヒド
ロキシアルキル化澱粉分解物をカチオン化したものも好
適に用いられる。
【0016】ヒドロキシアルキル化澱粉分解物は、上記
した澱粉分解物に、1,2−アルキレンオキシド又は1
−ハロゲノ−2−ヒドロキシアルカンを反応させて得ら
れるものである。1,2−アルキレンオキシドとして
は、エチレンオキシド、1,2−プロピレンオキシド、
1,2−ブチレンオキシド等を使用するのが好ましい。
1−ハロゲノ−2−ヒドロキシアルカンとしては、エチ
レンクロルヒドリン、1−ハロゲノ−2−ヒドロキシプ
ロパン、1−ハロゲノ−2−ヒドロキシブタン等を使用
するのが好ましい。ヒドロキシアルキル化澱粉分解物の
MS値は、0.05〜1.8であるのが好ましく、特に
0.2〜1.0であるのがより好ましい。
【0017】以上のようにして準備した澱粉分解物また
はヒドロキシアルキル化澱粉分解物に、カチオン化剤を
反応させる。使用するカチオン化剤としては、2,3−
エポキシプロピルトリアルキルアンモニウム塩(グリシ
ジルトリアルキルアンモニウム塩)、または3−ハロゲ
ノ−2−ヒドロキシトリアルキルアンモニウム塩が単独
でまたは混合して用いられる。また、アンモニウム塩の
陰イオンは、陰イオンとなりうるものであれば無機性の
ものであっても有機性のものであってもよく、一般的に
ハロゲンイオンであるのが好ましく、塩素イオンである
のが最も好ましい。
【0018】2,3−エポキシプロピルトリアルキルア
ンモニウム塩(グリシジルトリアルキルアンモニウム
塩)のうち、本発明において好適に使用しうるものを例
示すれば、2,3−エポキシプロピルトリメチルアンモ
ニウムクロライド、2,3−エポキシプロピルトリエチ
ルアンモニウムクロライド、2,3−エポキシプロピル
トリプロピルアンモニウムクロライド、2,3−エポキ
シプロピルジメチルオクチルアンモニウムクロライド、
2,3−エポキシプロピルジメチルデシルアンモニウム
クロライド、2,3−エポキシプロピルジメチルラウリ
ルアンモニウムクロライド、2,3−エポキシプロピル
ジメチルミリスチルアンモニウムクロライド、2,3−
エポキシプロピルジメチルパルミチルアンモニウムクロ
ライド、2,3−エポキシプロピルジメチルドデシルア
ンモニウムクロライド、2,3−エポキシプロピルジメ
チルオクタデシルアンモニウムクロライド等を挙げるこ
とができる。
【0019】3−ハロゲノ−2−ヒドロキシトリアルキ
ルアンモニウム塩のうち、本発明において好適に使用し
うるものを例示すれば、3−ハロゲノ−2−ヒドロキシ
トリメチルアンモニウムクロライド、3−ハロゲノ−2
−ヒドロキシトリエチルアンモニウムクロライド、3−
ハロゲノ−2−ヒドロキシトリプロピルアンモニウムク
ロライド、3−ハロゲノ−2−ヒドロキシジメチルオク
チルアンモニウムクロライド、3−ハロゲノ−2−ヒド
ロキシジメチルラウリルアンモニウムクロライド、3−
ハロゲノ−2−ヒドロキシジメチルミリスチルアンモニ
ウムクロライド、3−ハロゲノ−2−ヒドロキシジメチ
ルパルミチルアンモニウムクロライド、3−ハロゲノ−
2−ヒドロキシジメチルドデシルアンモニウムクロライ
ド、3−ハロゲノ−2−ヒドロキシジメチルオクタデシ
ルアンモニウムクロライド等を挙げることができる。
【0020】澱粉分解物またはヒドロキシアルキル化澱
粉分解物と、上記カチオン化剤との反応は、水及びアル
カリ性物質の存在下で行われる。即ち、澱粉分解物また
はヒドロキシアルキル化澱粉分解物に、カチオン化剤,
水及びアルカリ性物質を添加して反応を進行させる。カ
チオン化剤,水及びアルカリ性物質の添加順序は任意で
ある。また、反応温度は40〜80℃程度が好ましい。
澱粉分解物またはヒドロキシアルキル化澱粉分解物とカ
チオン化剤との反応は、澱粉分解物またはヒドロキシア
ルキル化澱粉分解物の主として6位,2位又は3位の炭
素に結合している水酸基から水素原子を引き抜いて、エ
ーテル結合によってカチオン化剤の3位の炭素が結合す
ると考えられる。なお、澱粉の加水分解、カチオン化、
ヒドロキシアルキル化の反応はこれまでの説明では、加
水分解を先に行う例を示したが、順序はいずれが先に行
われても良い。例えば、まずヒドロキシアルキル化を行
い次にカチオン化し、最後に酸または酵素による加水分
解を行なっても良い。カチオン化の程度はカチオン化さ
れた澱粉分解物またはヒドロキシアルキル化澱粉分解物
の窒素含有率で表わされる。本発明のカチオン化澱粉分
解物またはカチオン化ヒドロキシアルキル化澱粉分解物
の窒素含有率は0.2〜3.5質量%であることが好ま
しい。窒素含有率が0.2質量%未満の場合はカチオン
化の程度が低く本発明の効果が期待できないおそれがあ
る。また、窒素含有率が3.5質量%を超えても、更な
る本発明の効果の向上が望めず、性能的に飽和状態にな
る。
【0021】澱粉分解物またはヒドロキシアルキル化澱
粉分解物は冷水可溶性のものであり、反応生成物は、水
溶液として得られる。この水溶液は、カチオン化された
生成物以外にも未反応の澱粉分解物またはヒドロキシア
ルキル化澱粉分解物等が含まれる混合物として得られ
る。ヒドロキシアルキル化澱粉および/またはアセチル
化澱粉100質量部に対してカチオン化澱粉分解物また
はカチオン化ヒドロキシアルキル化澱粉分解物を1〜2
0質量部、好ましくは3〜10質量部配合することによ
って、本発明の硝子繊維集束剤としての効果(集束剤を
付着させた硝子繊維が、粉落ちや毛羽立ちが少なく、飛
走性が良い)が得られるが、このカチオン化澱粉分解物
またはカチオン化ヒドロキシアルキル化澱粉分解物の1
〜20質量部というのは、各種の濃度で得られる水溶液
の純分(固形分)での1〜20質量部をいう。
【0022】本発明の硝子繊維集束剤用化工澱粉は、硝
子繊維用集束剤に通常使用される潤滑剤(動植物油に水
素添加した硬化油、パラフィンワックス、高級飽和脂肪
酸と高級飽和アルコールの縮合物など)、カチオン系柔
軟剤(テトラエチレンペンタミンとステアリン酸とを反
応させて得られるアマイドまたはイミダゾリン、炭素数
8から18程度のポリエチレンイミンとの反応生成物な
ど)、界面活性剤(ポリオキシエチレンポリアルキルエ
ーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルなど)、
防腐剤(ホルマリンなど)、その他の助剤を添加混合す
ることによって硝子繊維用集束剤となり、硝子フィラメ
ントに塗布して使用される。
【0023】
【実施例】<実施例1>ハイアミロースコーンスターチ
1000gを耐圧ブレンダーに投入し、メタノール10
0gにトリエチルアミン25gを溶解した溶液を撹拌し
ながら噴霧した。1,2−プロピレンオキシドを150
g、エピクロルヒドリン0.3gと共に添加し、50℃
で10時間架橋・ヒドロキシプロピル化した。反応終了
後、硫酸で中和し、乾燥し、精粉した。得られた架橋・
ヒドロキシプロピル化ハイアミロースコーンスターチ
(試料1)のヒドロキシプロピル化のM.S.値は0.
12であり、5%水溶液の60℃、B型粘度計60rp
mにおける粘度は、12mPa・sであった。
【0024】<実施例2>硫酸による酸処理を行い低粘
度化した酸処理化コーンスターチ1000gを水150
0gの入ったビーカーに投入し、次いで酢酸ビニル10
0g添加し、3%苛性ソーダを滴下しpHを8に維持し
撹拌しながら40℃で3時間アセチル化した。反応終了
後、硫酸で中和し、乾燥し、精粉した。得られたアセチ
ル化コーンスターチ(試料2)のアセチル化のD.S.
値は0.07であり、5%水溶液の60℃、B型粘度計
60rpmにおける粘度は、8mPa・sであった。
【0025】<実施例3>過酸化水素による酸化処理を
行い低粘度化した酸化タピオカ澱粉1000g、硫酸ナ
トリウム300g、苛性ソーダ15gを水1500gの
入った耐圧反応容器に投入し、次いで1,2−プロピレ
ンオキシド150g添加し、45℃で20時間ヒドロキ
シプロピル化した。反応終了後、硫酸で中和し、乾燥
し、精粉した。得られたヒドロキシプロピル化タピオカ
澱粉(試料3)のヒドロキシプロピル化のM.S.値は
0.12であり、5%水溶液の60℃、B型粘度計60
rpmにおける粘度は、20mPa・sであった。
【0026】<実施例4>還元水飴として、サンエイ糖
化株式会社製の「ダイヤトール」を準備した。この「ダ
イヤトール」は、単糖アルコール(ソルビトール)10
質量%以下、二糖アルコール50〜56質量%、三糖ア
ルコール15〜25質量%、四糖以上の糖アルコール2
0〜25質量%の糖アルコール組成を持つものであり、
濃度70質量%の水溶液形態のものである。この還元水
飴水溶液200gに、濃度15質量%の水酸化ナトリウ
ム水溶液20g(還元水飴の無水グルコース単位の1モ
ルに対して0.09モル)を添加し、次にカチオン化剤
として濃度80質量%のグリシジルトリメチルアンモニ
ウムクロライド水溶液80g(還元水飴の無水グルコー
ス単位の1モルに対して0.5モル)を加え、加温し5
0℃で7時間反応させた。反応終了後、反応液を濃硝酸
で中和した後、未反応および開環したが還元水飴と反応
しなかったカチオン化剤を除くために電気透析を行っ
た。電気透析は、旭化成工業株式会社製のマイクロ・ア
シライザーG3で、分画分子量300のカートリッジA
C−220−40を使用した。得られた水溶液形態のカ
チオン化還元水飴(試料4)の濃度は55.0質量%で
あり、窒素含有率は3.0質量%、50%水溶液60℃
で50mPa・sの粘度であった。
【0027】<実施例5>実施例3において、ヒドロキ
シプロピル化が終了したときに中和せず、続いてカチオ
ン化剤として濃度80重量%のグリシジルトリメチルア
ンモニウムクロライド水溶液380gを加え、加温し5
0℃で7時間反応させた。反応終了後、反応液を濃硝酸
で中和した後水洗した試料のヒドロキシプロピル化の
M.S.値は0.12であり、窒素含有率は2.7質量
%であった。これを乾燥せず水に再分散し、常法に従っ
て酵素変性処理した。酵素変性処理したカチオン化ヒド
ロキシプロピル化タピオカ澱粉分解物(試料5)は、濃
度60質量%の水溶液に調整した。50%水溶液60℃
で360mPa・sの粘度であった。
【0028】次に、こうして得られた試料1〜5を種々
組み合わせ、本発明の化工澱粉として4.0質量%、水
素添加植物油0.7質量%、パラフィンワックス0.8
質量%、テトラエチレンペンタミンとステアリン酸の縮
合物の酢酸活性化物0.25質量%、乳化剤(ポリオキ
シエチレンポリプロピレンエーテル)0.2質量%、ホ
ルマリン0.03質量%(純分100%換算)および残
部が水からなる本発明の集束剤を0.8〜1.0質量%
に付着させたヤーンを用い、エアジェットルームでガラ
スクロスを製織した。ヤーンの撚糸工程、整経工程での
粉落ちの状態により5ランクに等級付けし、クロス表面
の毛羽数により5ランクに等級付けし、緯糸としてヤー
ンを打ち込んだときの到達タイミングの測定値と緯糸に
起因する織機停台回数を総合判定し飛走性を5ランクに
等級付けし、クロスを加熱脱油した後、白度や着色度を
総合判定し、脱油性を5ランクに等級付けした。いずれ
の値も小さい方が優れた結果が得られたことを示す。
【0029】<実施例6>化工澱粉4.0質量%の内、
試料1を3.6質量%、試料4を0.4質量%用いた集
束剤で紡糸した。硝子繊維の評価は以下に示すように良
好な結果であった。集束剤付着率0.88質量%、粉落
ち等級1、毛羽等級1、飛走性等級1、脱油性等級1。
【0030】<実施例7>化工澱粉4.0質量%の内、
試料2を3.7質量%、試料5を0.3質量%用いた集
束剤で紡糸した。硝子繊維の評価は以下に示すように良
好な結果であった。集束剤付着率0.87質量%、粉落
ち等級2、毛羽等級2、飛走性等級1、脱油性等級2。
【0031】<実施例8>化工澱粉4.0質量%の内、
試料3を3.7質量%、試料5を0.3質量%用いた集
束剤で紡糸した。硝子繊維の評価は以下に示すように良
好な結果であった。集束剤付着率0.85質量%、粉落
ち等級2、毛羽等級1、飛走性等級1、脱油性等級1。
【0032】<実施例9>化工澱粉4.0質量%の内、
試料1を2.8質量%、試料2を1.0質量%、試料4
を0.2質量%用いた集束剤で紡糸した。硝子繊維の評
価は以下に示すように良好な結果であった。集束剤付着
率0.91質量%、粉落ち等級2、毛羽等級2、飛走性
等級1、脱油性等級2。
【0033】<実施例10>化工澱粉4.0質量%の
内、試料3を2.7質量%、試料2を1.0質量%、試
料5を0.3質量%用いた集束剤で紡糸した。硝子繊維
の評価は以下に示すように良好な結果であった。集束剤
付着率0.93質量%、粉落ち等級1、毛羽等級1、飛
走性等級2、脱油性等級2。
【0034】<比較例1>化工澱粉4.0質量%の内、
試料1のみを4.0質量%用いた集束剤で紡糸した。硝
子繊維の評価は以下に示すように実施例6〜10に比較
すると劣る結果であった。集束剤付着率0.95質量
%、粉落ち等級3、毛羽等級3、飛走性等級3、脱油性
等級3。
【0035】<比較例2>化工澱粉4.0質量%の内、
試料2のみを4.0質量%用いた集束剤で紡糸した。硝
子繊維の評価は以下に示すように実施例6〜10に比較
すると劣る結果であった。集束剤付着率0.98質量
%、粉落ち等級4、毛羽等級4、飛走性等級3、脱油性
等級4。
【0036】<比較例3>化工澱粉4.0質量%の内、
試料3のみを4.0質量%用いた集束剤で紡糸した。硝
子繊維の評価は以下に示すように実施例6〜10に比較
すると劣る結果であった。集束剤付着率0.96質量
%、粉落ち等級3、毛羽等級4、飛走性等級3、脱油性
等級3。
【0037】<比較例4>化工澱粉4.0質量%の内、
試料4のみを4.0質量%用いた集束剤で紡糸した。硝
子繊維の評価は以下に示すように実施例6〜10に比較
すると劣る結果であった。集束剤付着率0.78質量
%、粉落ち等級3、毛羽等級5、飛走性等級3、脱油性
等級3。
【0038】<比較例5>化工澱粉4.0質量%の内、
試料5のみを4.0質量%用いた集束剤で紡糸した。硝
子繊維の評価は以下に示すように実施例6〜10に比較
すると劣る結果であった。集束剤付着率0.81質量
%、粉落ち等級3、毛羽等級4、飛走性等級3、脱油性
等級3。
【0039】
【発明の効果】本発明のヒドロキシアルキル化澱粉およ
び/またはアセチル化澱粉にカチオン化澱粉分解物また
はカチオン化ヒドロキシアルキル化澱粉分解物を配合し
た化工澱粉を硝子繊維集束剤として付着させた硝子繊維
は、粉落ちや毛羽立ちが少なく、飛走性が良く、脱油性
にも優れた諸特性を有する。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ヒドロキシアルキル化澱粉および/または
    アセチル化澱粉にカチオン化澱粉分解物またはカチオン
    化ヒドロキシアルキル化澱粉分解物を配合したことを特
    徴とする化工澱粉。
  2. 【請求項2】ヒドロキシアルキル化澱粉および/または
    アセチル化澱粉にカチオン化澱粉分解物またはカチオン
    化ヒドロキシアルキル化澱粉分解物を配合した化工澱粉
    含むことを特徴とする硝子繊維集束剤。
  3. 【請求項3】ヒドロキシアルキル化澱粉および/または
    アセチル化澱粉にカチオン化澱粉分解物またはカチオン
    化ヒドロキシアルキル化澱粉分解物を配合した化工澱粉
    を含む集束剤を付着させたことを特徴とする硝子繊維。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN105481989A (zh) * 2015-07-15 2016-04-13 河南恒瑞淀粉科技股份有限公司 一种添加改性淀粉的玻璃纤维浸润剂

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