JP4989588B2 - 作業車のリフトアーム昇降構造 - Google Patents
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Description
ロータリ耕耘装置を機体に連結した場合、ロータリ耕耘装置を例えば地面から大きく上昇した所定の上昇位置、及び地面に接地した所定の下降位置に亘って繰り返して昇降操作する際に、昇降操作具を上昇側及び下降側に操作することにより、ロータリ耕耘装置の昇降操作が楽に行える。
これにより、キースイッチのOFF位置からON位置への操作後で且つエンジンの始動操作前の状態において、昇降操作具が誤って上昇側又は下降側に操作されてしまい、制御装置により制御弁が上昇側又は下降側に操作されたとしても、油圧ポンプが停止しているので、油圧シリンダ及びリフトアームは作動しない。
この場合、昇降操作具が上昇側又は下降側に操作されていないのに、エンジンの始動操作が行われたことにより、リフトアームが上昇又は下降するので、作業者は故障が発生したものと誤解をしてしまうおそれがある。
(構成)
本発明の第1特徴は、作業車のリフトアーム昇降構造において次のように構成することにある。
機体に昇降自在に連結された作業装置を昇降操作するリフトアームと、リフトアームを昇降操作する油圧シリンダと、エンジンにより駆動される油圧ポンプと、油圧シリンダに油圧ポンプの作動油を給排操作する制御弁と、人為的に操作される昇降操作具とを備え、昇降操作具の上昇側の操作により、リフトアームの上昇側に制御弁を操作し、昇降操作具の下降側の操作により、リフトアームの下降側に制御弁を操作する制御手段を備える。
キースイッチのOFF位置からON位置への操作後で且つエンジンの始動操作前において、昇降操作具が上昇側に操作されても、制御手段による制御弁の上昇側への操作を阻止し、エンジンの始動操作後において、昇降操作具が上昇側に操作されると、制御手段による制御弁の上昇側への操作を許容する許容手段を備える。
[発明が解決しようとする課題]に記載のように、キースイッチのOFF位置からON位置への操作後で且つエンジンの始動操作前の状態は、制御装置等に電力が供給されて、制御装置による制御弁の操作は可能な状態であるが、エンジンが作動していないので油圧ポンプは停止しており、制御弁に作動油は供給されない状態である。
従って、次にエンジンの始動操作が行われて(昇降操作具は上昇側に操作されていない状態)、エンジンにより油圧ポンプが駆動され、油圧ポンプから作動油が制御弁に供給されても、制御弁が上昇側に操作されずに中立位置に残されていることにより、油圧シリンダは上昇側に作動せず、リフトアームは上昇操作されない(油圧シリンダ及びリフトアームはその位置で停止している)。
本発明の第1特徴によると、作業車のリフトアーム昇降構造において、キースイッチのOFF位置からON位置への操作後で且つエンジンの始動操作前の状態で、昇降操作具が上昇側に操作されても、制御手段により制御弁が上昇側に操作されないように構成することにより、この後にエンジンの始動操作が行われても、リフトアームが上昇操作されることはないので、故障が発生したものと作業者が誤解をしてしまう状態を避けることができた。これにより、誤解に基づく作業者の誤操作を少なくすることができた。
(構成)
本発明の第2特徴は、本発明の第1特徴の作業車のリフトアーム昇降構造において次のように構成することにある。
キースイッチのOFF位置からON位置への操作後で且つエンジンの始動操作前において、昇降操作具が下降側に操作されても、制御手段による制御弁の下降側への操作を阻止し、エンジンの始動操作後において、昇降操作具が上昇側に操作されてから、昇降操作具が下降側に操作されると、制御手段による制御弁の下降側への操作を許容するように、許容手段を構成する。
本発明の第2特徴によると、本発明の第1特徴と同様に前項[I]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。
[発明が解決しようとする課題]に記載のように、キースイッチのOFF位置からON位置への操作後で且つエンジンの始動操作前の状態は、制御装置等に電力が供給されて、制御装置による制御弁の操作は可能な状態であるが、エンジンが作動していないので油圧ポンプは停止しており、制御弁に作動油は供給されない状態である。
従って、次にエンジンの始動操作が行われて(昇降操作具は下降側に操作されていない状態)、エンジンにより油圧ポンプが駆動され、油圧ポンプから作動油が制御弁に供給されても、制御弁が下降側に操作されずに中立位置に残されていることにより、油圧シリンダは下降側に作動せず、リフトアームは下降操作されない(油圧シリンダ及びリフトアームはその位置で停止している)。
この場合、本発明の第2特徴によると、エンジンの始動操作後において、最初に昇降操作具が下降側に操作されても、制御装置により制御弁が下降側に操作されることはなく、最初に昇降操作具が上昇側に操作された後でないと、昇降操作具が下降側に操作されても制御装置により制御弁が下降側に操作されない。
このように本発明の第2特徴によると、エンジンの始動操作後において、最初に作業者に昇降操作具を上昇側に操作させるようにすることにより、リフトアームの昇降操作(作業装置の昇降操作)を行うことの意識付けが作業者に行われるのであり、作業者の注意を喚起することができる(例えば不用意に作業装置が下降操作されると、作業装置が畦等に衝突する可能性があることの注意を喚起することができる)。
本発明の第2特徴によると、本発明の第1特徴と同様に前項[I]に記載の「発明の効果」を備えており、これに加えて以下のような「発明の効果」を備えている。
本発明の第2特徴によると、キースイッチのOFF位置からON位置への操作後で且つエンジンの始動操作前の状態で、昇降操作具が下降側に操作されても、制御手段により制御弁が下降側に操作されないように構成することにより、この後にエンジンの始動操作が行われても、リフトアームが下降操作されることはないので、故障が発生したものと作業者が誤解をしてしまう状態を避けることができた。これにより、誤解に基づく作業者の誤操作を少なくすることができた。
図1に示すように、右及び左の前輪1、右及び左の後輪2で支持された機体の前部にエンジン3が備えられ、機体の後部にミッションケース4が備えられて、作業車の一例である四輪駆動型の農用トラクタが構成されている。
次に、制御弁11及び第1昇降レバー19に関する構造について説明する。
図4に示すように、エンジン3によって駆動される油圧ポンプ10が備えられ、油圧ポンプ10の作動油が制御弁11に供給されて、制御弁11から逆止弁17及び可変絞り弁18を介して油圧シリンダ8に供給されている。逆止弁17は、制御弁11から油圧シリンダ8への作動油の流れを許容し、油圧シリンダ8から制御弁11への作動油の流れを止めるものである。制御弁11は3位置操作式の制御弁部12、アンロード弁部13、逆止弁部14、速度調節弁部15及びリリーフ弁部16等を備えて構成されている。
次に、第1昇降レバー19の操作について説明する。
図2及び図4に示す状態は、第1昇降レバー19を任意に操作位置に操作している状態であり、第1昇降レバー19の操作位置に対応する位置にリフトアーム7が位置している状態である。この状態において、操作アーム28の中央部及び操作部材29が中立位置に操作され、制御弁部12が中立位置12Nに操作されて、アンロード弁部13が開位置13Aに操作され、速度調節弁部15が逆止位置15Bに操作されている。
これにより、油圧ポンプ10の作動油がアンロード弁部13の開位置13Aを介して排出され、油圧シリンダ8の作動油が逆止弁部14によって止められて、油圧シリンダ8及びリフトアーム7が停止している。
これにより、油圧ポンプ10の作動油によりアンロード弁部13が閉位置13Bに操作され、油圧ポンプ10の作動油が制御弁部12の上昇位置12Uを介して油圧シリンダ8に供給され、油圧シリンダ8が伸長作動するのであり、第1昇降レバー19の上昇側への操作に伴ってリフトアーム7が上昇操作される。
これによりアンロード弁部13が開位置13Aに操作されて、油圧ポンプ10の作動油がアンロード弁部13の開位置13Aを介して排出され、油圧シリンダ8の作動油が速度調節弁部15の開位置15Aを介して排出されて、油圧シリンダ8が収縮作動するのであり、第1昇降レバー19の下降側への操作に伴ってリフトアーム7が下降操作される。
次に、第2昇降レバー23(昇降操作具に相当)に関する構造について説明する。
図1及び図5に示すように、前輪1を操向操作する操縦ハンドル33の基部に、第2昇降レバー23が備えられている。第2昇降レバー23は中立位置、上昇位置及び下降位置に操作自在で、中立位置に付勢されており、第2昇降レバー23の操作位置が制御装置36(制御手段に相当)に入力されている。
次に、エンジン3の始動操作前の状態での第2昇降レバー23の操作の流れについて、図6に基づいて説明する。
図5に示すように、操縦ハンドル33の基部の付近にキースイッチ43が備えられ、キースイッチ43はOFF位置、ON位置及びエンジン3の始動位置を備えており、キースイッチ43の操作位置が制御装置36に入力されている。
この場合に、電動モータ35は作動せずに停止状態に維持される(ステップS7)(以上、本願発明の請求項1の「キースイッチのOFF位置からON位置への操作後で且つエンジンの始動操作前において、昇降操作具が上昇側に操作されても、制御手段による制御弁の上昇側への操作を阻止する」「許容手段」に相当)。
この場合、ロック手段が作動状態であるので、電動モータ35は作動せずに停止状態に維持される(以上、本願発明の請求項2の「キースイッチのOFF位置からON位置への操作後で且つエンジンの始動操作前において、昇降操作具が下降側に操作されても、制御手段による制御弁の下降側への操作を阻止する」「許容手段」に相当)。
次に、エンジン3の始動操作前にロック手段が解除された状態において(ステップS5,S6)、エンジン3の始動操作後の状態の第2昇降レバー23の操作の流れについて、図6に基づいて説明する。
キースイッチ43がON位置からエンジン3の始動位置に操作されると、エンジン3の始動操作が行われて、エンジン3により油圧ポンプ10が駆動される。
上限位置(ストッパー34の操作位置に対応する位置)において、フィードバックリンク30及び操作アーム31により、制御弁部12が中立位置12Nに操作され、アンロード弁部13が開位置13Aに操作されて、油圧シリンダ8及びリフトアーム7が停止する(以上、本願発明の請求項1の「エンジンの始動操作後において、昇降操作具が上昇側に操作されると、制御手段による制御弁の上昇側への操作を許容する」「許容手段」に相当)。
第1昇降レバー19の操作位置に対応する位置において、フィードバックリンク30及び操作アーム31により、速度調節弁部15が逆止位置15Bに操作され、制御弁部12が中立位置12Nに操作され、アンロード弁部13が開位置13Aに操作されて、油圧シリンダ8及びリフトアーム7が停止する。
次に、エンジン3の始動操作前にロック手段が解除されていない状態において(ステップS5,S2)、エンジン3の始動操作後の状態の第2昇降レバー23の操作の流れについて、図6に基づいて説明する。
キースイッチ43がON位置からエンジン3の始動位置に操作されると、エンジン3の始動操作が行われて、エンジン3により油圧ポンプ10が駆動される。
この場合、ロック手段が作動状態であるので制御装置36により電動モータ35は操作されず、電動モータ35は停止状態に維持されるので、第2昇降レバー23を下降位置に操作しても(下降位置に操作して中立位置に操作しても)、油圧シリンダ8及びリフトアーム7は停止している。
これにより、前項[6]と同様に、第1昇降レバー19が操作されずに現在の操作位置に残された状態で、油圧シリンダ8が伸長作動し、リフトアーム7が上昇操作されて、上限位置(ストッパー34の操作位置に対応する位置)において、油圧シリンダ8及びリフトアーム7が停止する。
これにより、前項[6]と同様に、油圧シリンダ8が収縮作動し、リフトアーム7が下降操作されて、第1昇降レバー19の操作位置に対応する位置において、油圧シリンダ8及びリフトアーム7が停止する(以上、本願発明の請求項2の「エンジンの始動操作後において、昇降操作具が上昇側に操作されてから、昇降操作具が下降側に操作されると、制御手段による制御弁の下降側への操作を許容する」「許容手段」に相当)。
前項[6][7]のステップS10において、第2昇降レバー23を上昇位置に操作した状態(上昇位置に操作して中立位置に操作した状態)(ステップS8,S10)では、電動モータ35、操作板22及び操作軸26が上限位置(ストッパー34の操作位置に対応する位置)に作動して停止しているので、第1昇降レバー19を上昇側及び下降側に操作しても、操作板22及び操作軸26は操作されず、油圧シリンダ8及びリフトアーム7は上限位置(ストッパー34の操作位置に対応する位置)で停止している。
7 リフトアーム
8 油圧シリンダ
10 油圧ポンプ
11 制御弁
23 昇降操作具
36 制御手段
43 キースイッチ
Claims (2)
- 機体に昇降自在に連結された作業装置を昇降操作するリフトアームと、前記リフトアームを昇降操作する油圧シリンダと、エンジンにより駆動される油圧ポンプと、前記油圧シリンダに油圧ポンプの作動油を給排操作する制御弁と、人為的に操作される昇降操作具とを備え、
前記昇降操作具の上昇側の操作により、前記リフトアームの上昇側に制御弁を操作し、前記昇降操作具の下降側の操作により、前記リフトアームの下降側に制御弁を操作する制御手段を備え、
キースイッチのOFF位置からON位置への操作後で且つエンジンの始動操作前において、前記昇降操作具が上昇側に操作されても、前記制御手段による制御弁の上昇側への操作を阻止し、エンジンの始動操作後において、前記昇降操作具が上昇側に操作されると、前記制御手段による制御弁の上昇側への操作を許容する許容手段を備えてある作業車のリフトアーム昇降構造。 - 前記キースイッチのOFF位置からON位置への操作後で且つエンジンの始動操作前において、前記昇降操作具が下降側に操作されても、前記制御手段による制御弁の下降側への操作を阻止し、エンジンの始動操作後において、前記昇降操作具が上昇側に操作されてから、前記昇降操作具が下降側に操作されると、前記制御手段による制御弁の下降側への操作を許容するように、前記許容手段を構成してある請求項1に記載の作業車のリフトアーム昇降構造。
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