JP4989465B2 - 改良型ドラム - Google Patents

Description

本発明は楽器の分野に関し、特に、ユーザが音域を作り出すことができるよう構成され、単独で使用したり他の楽器と合わせて使用することができる改良型ドラム装置に関する。

特に、このドラムは、カホンや箱形のドラムとして一般に知られている種類のドラムであって中空固体直方体やチューブが効果的な共振室を提供することを利用しており、この知識を活用して、長年、ドラムや“ティーチェスト”バスといった楽器が作られている。ドラムを作る場合、ドラムは座を提供するのに十分な大きさであり、少なくとも一の面は所望の音を発生すべく振動可能な素材でできている。

この種のドラムは、人気のある楽器であり、現在では一般にフラメンコやキューバ音楽で使用され、特定の音楽スタイルに適した特定の音を発生するよう作られている。それぞれの音楽スタイルに関連する音は異なるため、以前は音楽のスタイル毎に異なるドラムを提供しなければならなかった。

別々のドラムの必要性に応えるべく、ユーザがスイッチやレバーによって異なるスタイルの音に切り替えることができる複合式ドラムが作られた。これにより、ユーザは同じドラムを用いて、フォーク、ジャズ、およびその他の音楽と同じようにフラメンコやキューバ式音楽を演奏することができる。

本発明の目的は、複数のスタイルの音を発生するだけでなく、ユーザが特定の音楽スタイルに応じて、音域や音の周波数を切り替え、ドラムと共によく使用される他の楽器の音を出すことができる改良型ドラムを提供することである。

本発明は、様々な音を発生するよう構成された共振室と、発生する音を変化または変更することができる少なくとも一の手段とを備える改良型ドラムを提供する。

第１の手段は、演奏者が叩く装置の内側面に接触可能な複数の内部スネアであることが好適であり、発生する音の種類を変える。

第２の手段は、前記共振室の内部に設けられ、その動きによって演奏者が叩く前記ドラムの内側面を選択的に叩くことができるよう構成されたバスドラムスティック装置であることが好適であり、前記手段により、前記ドラムに外付けされた演奏者により操作可能な前記スティックが動作する。

本実施例では、ドラム装置１０は、背面１２または装置側面に中央開口部１３を有する箱形である。

本実施例では、この装置は大部分が、所望の強度を有する木やその他の材料でできているが、前面１１は、仕上げ、強度、および発生する音により特別に選ばれた合板でできている。しかしながら、この前面および／または装置全体を、達成したい音に応じて、アルミニウム、板金、または合成材料といった他の適切な材料から作ることもできる。

ドラム装置の内部は中空状であり、当該装置の共振空洞として機能する。この共振空洞は、ドラム装置が発する総ての音用の自然の増幅器である。

複数のスネアワイヤ２０がドラム装置内部に設けられている。好適な構成では、スネアワイヤは、互いが均等にスペースを空けて設けられており、ボックスの両サイドの内側に取り付けられ、ブロック２１により適切な位置にクランプで止め付けられている。

第１のポジションでは、図５に示すように、スネアワイヤが装置の内側前面２２からスペースを空けて保持されているので、これらのワイヤが、ドラムが発する音を妨げることがない。第２のポジションでは、図４に示すように、スネアワイヤは装置の内側前面に接触するように保持されており、ドラムを叩くときに、スネアワイヤが、通常の反響を妨げて異なる音を発生する。

第１のポジションと第２のポジションとの間のスネアの動きは、一の外側面に配置されたレバーアーム２４等により操作されるシャフト機構２３を介して制御される。このシャフト機構は、スネアワイヤの上側に位置する回転可能なシャフト部材２３を備える。このシャフトはレバー２４に連結している。したがって、レバーを回転させることでシャフト部材が回転する。この回転は、図示するように直接的に行うことができ、あるいはシャフト部材を連結したギア等により行ってもよい。また、サドル部材をシャフトに連結してもい。このサドル部材はワイヤでできており、スネアワイヤの下側に配置された中央部２６を具えており、シャフトが前方または後方に回転する際にスネアワイヤを持ち上げて移動させるよう構成されている。

マグネットをドラム装置の内側前面に設けて、レバーを回転させてワイヤをマグネットに近接させる際に、マグネットがワイヤを適切な位置に引き寄せて保持するようにして、ドラムの表面を叩いたときに所望の音を発生する。代替的に、構成部材の向きが正しい場合に、スネアを内側前面に接触させるようにしてもよい。

これらのポジションは、図４および図５より明らかである。

また、ヘッド３１およびシャフト３２を具えるバスドラムスティック３０がボックスの内部に設けられ、当該シャフトは、ボックスの両側の壁を貫通して延在しており、ドラムペダルが連結されている外側端部連結手段３４を具える回転シャフト３３に連結されている。

ドラムスティックは通常、シャフト３３とボックスの側壁とを連結するフレキシブルな伸縮可能な伸張部材３５によって直立したポジションに保持される。

使用時には、フットペダル４０が部材３４に連結され、当該フットペダルを踏むと、スティック３０が、図７の実線で示す位置から、破線で示すドラムの前面１１と接触する位置へ移動する。

理解できるように、ドラムは叩く位置によって音色が異なる。一般に、ドラムを叩く位置が面１１の縁の近いほど音が高くなり、ドラムの中心部に近いほど音は実質的に低くなる。

ドラムスティック３０に低音を発生することが求められる場合、スティックの頭部は、面１１を叩く際に当該面のほぼ中心を叩くようにして低音を発生する。

この位置の違いによる音の違いを利用して、演奏者がドラムを叩くときに、当該演奏者は通常叩く面の位置を変えて、所望の様々な音を出す。

ドラム装置に設けられた開口部１３に取り付けるよう構成された付加部材１３が設けられている。好ましい実施例では、この付加部材は、装置の背面に設けた中央開口部に固定するよう構成された“ブームチューブ”である。この付加部材は少なくとも一のクリップを具え、当該付加部材を中央開口部の壁に連結して固定するよう構成されている。この付加部材はまた、チューブの縁の周囲にシールを設けて開口部に取り付けて、確実に音漏れを防止する。これにより総ての音はチューブを通る。

“ブームチューブ”の機能は、装置が発生する音の周波数を変えることにより低音を強調することである。この周波数は、少なくとも１オクターブ音を下げることによって変わり、温かみのあるアコースティックな音を発生する。

本発明のドラム装置は、また、図８、図９、図１０、および図１１に例示する取り付け可能なサウンドエフェクトボードを具える。このボードは、ドラム装置に取り付け外し可能に取り付けて、ドラムから得られる音と違う変更された音域を発生する。これらの音は、ドラムセットと共に通常使用される楽器の音と同じである。取り付け可能なサウンドエフェクトボードを受けて適切な場所に保持するように構成された少なくとも一の取り付け手段を、ドラムの前面１１に設けることができる。この取り付け手段はベロクロ（登録商標）タブであってもよく、好適な実施例では、取り付け手段は、マグネットのように取り外す際に音を出さない。これにより、ユーザがサウンドエフェクトボードを装置に取り付けあるいは取り外す際に生ずる背後のノイズをマイクロホンが検知できなくなる。これらのボードにより発生される音は、“クラック”、トライアングル、タンバリン、“スネア”、“カバサ”、“シンバル”、“フィンガーシンバル”、“シェイカー”、“カスタネット”、“ギロ”、および“Ａｆｕｃｈｅ”の音であると考えられる。しかしながら、使用されるこれらの音は、前述したリストに制限されることを意図するものではない。

図８および図９のサウンドエフェクトボードはスネア音を発生し、図１０および図１１に示すエフェクトボードはタンバリンの音を発生する。

バスドラムスティックおよびその操作ペダルが設けられている装置は、ギターリスト等のための“ストンプボックス”として用いて、ユーザが、所望のビートや拍子を提供することができる。

使用時には、演奏者は、脚をドラムの両サイドにおいてドラムの上面２８に座る。ドラムを演奏するには、演奏者は単純に前面１１を所定のリズムで叩き、叩く面の位置に応じて音の周波数が変わる。また、音色や周波数をさらに変更する必要がある場合、ユーザは、“バスチューブ”付加部材をドラムの後ろに取り付けて低音を１オクターブ下げることができるが、実際には周波数の高い音を減衰させて低音が変化した印象を与えてもよい。

その他の楽器の音とドラムのビートを組み合わせるには、ユーザは単に、特定の取り付け可能なサウンドエフェクトボードを前面に取り付けて間欠的／周期的に当該サウンドエフェクトボードを叩いて、所望の効果を奏することができる。

演奏者がドラムスティックに取り付けられたペダルに片足を載せて足を上下に動かすと同時に、ドラムのビートを提供することができる。これは通常、スティックが面を叩くときのスティックヘッドの位置のため、装置の最も低い周波数である。

ドラム装置の特定の実施例を記載したが、同じ原理をティーチェストバスやその他の類似する構成に適用可能である。また、ドラム装置の全実施例を、保管や輸送を容易にするために折り畳み可能とすることが考えられる。

さらに、本発明のその他の実施例には、前述した特徴を変更したものが考えられる。しかしながら、本発明のその他の実施例は、前述した特徴をいくつか組み合わせたものであり、目的や意図から逸脱しない範囲で変更および修正することができる。

本発明をより明確に理解するために、以下の図および特定の一実施例を参照して、制限のない例を示す。
これらの図において：
図１は、本発明によるドラムの正面の斜視図である。 図２は、本発明によるドラムの背面図である。 図３は、ドラムの背面図であり、スネアを示す。 図４は、４−４線に沿った断面図であり、ドラムの内側面に隣接するスネアを示す。 図５は、図４と同様の断面図であり、ドラムからスペースを空けて設けたスネアを示す。 図６は、バスドラムスティックを設けたドラムの背面図である。 図７は、図６の７−７線に沿った断面図である。 図８は、取り付け用、またはドラムに取り付けたときのアクセサリーボードの外観を示す図である。 図９は、図８に示すボードの底面図である。 図１０は、アクセサリーの他の形態を示す正面図である。 図１１は、図１０に示すボードの底面図である。

Claims (3)

1. ドラムであって、
   外側面を有し、この外側面を当該ドラムの演奏者が叩いたときに様々な音を発生する共振室と、
   前記外側面を叩いたときに発生する前記様々な音を前記演奏者が変化させることができる手段と、
   前記共振室内に設けられたバスドラムスティックとを具え、
   前記バスドラムスティックが、ハンドルとヘッドとを有し、前記ヘッドから離れた前記ハンドルの端部が部分的に回転するように設けられ、前記ヘッドが前記共振室の内側面に選択的に接触可能であることを特徴とするドラム。
2. 請求項１に記載のドラムにおいて、
   前記バスドラムスティックの前記ヘッドを前記共振室の内側面から偏移させる手段をさらに具えることを特徴とするドラム。
3. 請求項１に記載のドラムにおいて、
   前記演奏者により操作可能なフットペダルをさらに具え、当該フットペダルの操作により、前記バスドラムスティックの前記ヘッドが部分的に回転して前記内側面を叩くことを特徴とするドラム。

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