JP4989149B2 - 床支持体 - Google Patents
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Description
特許文献1では、支持脚に両端を支持される横架材の上に二重床用パネルを載せて二重床を構成している。支持脚の上端には水平な基板が設けられており、この基板上に、十字形の仕切り凸部が凸設されている。仕切り凸部の十字形の4つの腕部分にあたる突起体には、それぞれ横架材の端部が外嵌される。また、仕切り凸部には下方からナット部材に組み付けられた支持ボルト体が螺入され、高さ調整可能となっている。
また、特許文献1の支持体では、横架材の一部を切り欠いて切り欠き部分により折曲片を形成し、突起体側の係止突起と係合する係合部として機能させている。しかしながら、このような係合部を横架材に形成するためには切り欠き加工と折曲加工の2工程が必要であり、加工手間がかかるという問題点があった。
また、特許文献1では、横架材の上端面に二重床用パネル等の継ぎ目の位置を示す目印を設けたり、位置合わせ用の部材を設けることは提案されていなかった。
そして、本発明では、支持脚の支柱の内部にネジ溝を形成し、両切りボルト等のネジ部材を螺入して支柱頭部の高さ調整を行うように構成されており、さらに、このネジ溝を支柱の上端面に形成された開口に連通させると共に、ネジ部材の上端側の端面に係合部を形成している。このような構成により、開口側すなわち支持脚の上方からネジ溝の内部に工具を挿入し、この工具の先端を係合部に形成させてネジ部材を回動させ、その螺入長さを調整して支持脚の高さ調整を行うことができる。よって、床受け部材を横架した後に、そのままの状態で床受け部材の水平精度を確認しながら各支持脚の高さ調整を行うことができ、作業性が向上される。
また、このような構成では、上部板状部および下部板状部を除去するだけで、床受け部材の両端部に支持板に装着可能な外嵌部を形成することができるので、床受け部材の製造が容易である。
このように構成すれば、外嵌部を支持板に外嵌させると同時に支持板に係合させることができるので、床受け部材を横架する際の作業性が向上される。
このように、除去される部材と他の部材との接続部が肉薄になっていると、外嵌部を形成するために上部板状部および下部板状部を除去する加工作業が容易となる。従って、床受け部材の製造が容易である。
このように、側面板状部に形成した溝を係止部として使用すれば、切り欠き加工のみで係止部を形成することができる。よって、簡易な構成となり、かつ、容易に製造することができる。
このように、天面板状部の幅方向中央のライン上に垂直板状部が立設されていれば、この垂直板状部に床材や下地部材等の端部を合わせることにより、床材や下地部材等の位置合わせを容易に行うことができる。よって、二重床の設置作業が容易化されると共に、設置後の二重床の外観意匠性が向上される。
○ 本発明の床支持体は、支持脚の上端の開口からネジ溝の内部に工具を挿入し、この工具の先端をネジ部材の係合部に係合させてネジ部材を回動させ、その螺入長さを調整して支持脚の高さ調整を行うことができる。よって、床受け部材を横架した後に、そのままの状態で床受け部材の水平精度を確認しながら各支持脚の高さ調整を行うことができ、作業性が向上される。
○ 本発明の床支持体は、支持板の板面上に係合部が形成されると共に、この係合部に上方から係合可能な係止部が支持板に外嵌される外嵌部に形成されている。従って、外嵌部を支持板に外嵌させると同時に支持板に係合させることができるので、床受け部材を横架する際の作業性が向上される。また、側面板状部に切り込んで形成した溝を係止部として使用すれば、切り欠き加工のみで係止部を形成することができる。よって、簡易な構成となり、かつ、容易に製造することができる。
○ 本発明の床支持体は、同一断面形状の長尺部材の一部を除去するだけでその端部に外嵌部を形成することができる。また、除去される部位と他の部位との接続部を肉薄としたので除去加工が容易となり、床受け部材の製造を容易とすることができる。
○ 本発明の床支持体は、床受け部材の天面板状部の幅方向中央部から略垂直に立設された垂直板状部を備えていることにより、床パネル等の位置合わせを容易に行うことができる。よって、敷設作業が容易化されると共に、施工後の二重床の外観意匠性が向上される。
図1〜図14は本発明の床支持体の一実施形態を示すものであり、図1はフロアシステムの平面図、図2はフロアシステムの側面図、図3はフロアシステムの断面図(図1のA−A断面図)、図4は床用アジャスターの側面図、図5は床用アジャスターの平面図、図6は床用アジャスターの断面図(図5のC−C断面図)、図7は床用アジャスターの断面説明図、図8は床用アジャスターの断面図(図4のB−B断面図)および底面図、図9は床受け部材の側面図、図10は床受け部材の平面図、図11は床受け部材の底面図、図12は床受け部材の中間部分の断面図(図9のD−D断面図)および一部拡大断面図、図13は床受け部材の端部(外嵌部)の断面図(図9のE−E断面図)および端部側からみた側面図、図14は二重床の設置方法の説明図である。
本発明の床支持体を、屋内の床面や屋外の平面上に二重床を設置する際に、仕上げ材である床板やその下地部材を支持するために用いる二重床用のフロアシステムに適用した一実施形態について説明する。
このフロアシステムSは、各種イベント空間の設営や展示空間の設営等に好適に用いることができるものであり、図1〜図3に示すように、設置面(例えば、屋内の床面など)上に所定間隔で設置される複数の床用アジャスター10と、隣り合う床用アジャスター10に両端をそれぞれ支持されて横架される床受け部材20と、を主要構成要素とする。
床用アジャスター10は金属製(例えば、表面にめっき処理を施したアルミニウム合金製や、鋼製等)とされ、図4、図5に示すように、設置面上に載置される略円形のベースプレート11と、このベースプレート11の略中央から略垂直に立設された略円柱状の支柱12と、支柱12の上部側面から側方(径方向外側)に向かって延出された所定の板厚の支持板13と、を備えて構成されている。なお、上記支柱12が本発明の支柱に相当し、上記支持板13が本発明の支持板に相当する。
なお、上記止めネジ14が本発明のネジ部材に相当し、上記下部筒状体12Aが本発明の下部筒状体に相当し、上記上部筒状体12Bが本発明の上部筒状体に相当する。
また、支持板13の上向きの端面13aは略水平に形成されている。この端面13aは、後述するように床受け部材20を下方から当接支持する支持面となる。また、支持板13の下向きの端面は、支柱12側から径方向外側に向かって斜めに上昇している。つまり、支持板13は径方向外側ほど高さ寸法が小さくなっている。
ベースプレート11の板厚は5mmとされ、直径90mmに形成されている。このベースプレート11は、本例では下部筒状体12Aと一体に組み付けられている。ベースプレート11の略中央には直径12mmの開口が形成され、ネジ溝に連通している。図8(b)は、床用アジャスター10を底面側(ベースプレート11の裏側)からみた図である。
支柱12(下部筒状体12A、上部筒状体12Bからなる筒状体)は外側面の直径が30mmとされ、ネジ溝は止めネジ14(呼び径16mm)と螺合する寸法に形成されている。下部筒状体12Aと上部筒状体12Bの合計長さは65mmとされ、下部筒状体12Aの長さが20mm、上部筒状体12Bの長さが45mmとされている。止めネジ14は上述したように呼び径16mmとされ、長さは60mmである。
また、係止凸部15の位置(円柱の中心)は、支持板13の上端(端面13a)から20mm下方で、かつ、支柱12の表面よりも15mm径方向外側である。
図9〜図11に示すように、床受け部材20は、所定長さの長尺部材とされ、その長さは、隣接する2本の支柱12の表面間距離(図1に示す距離L1)と略同一となっている。なお、図1に示す距離L2は隣接する2本の支柱12の中心間距離(すなわち、隣接する2つの床用アジャスター10の中心間距離)である。
本例では、フロアシステムSのモジュール寸法として450mmまたは900mmの2種類が採用されており、従って、L2(支柱12の中心間距離)は450mmまたは900mmの2種類であり、L1(床受け部材20の長さ)は420mmまたは870mmの2種類である。なお、他のモジュール寸法を適用することができることは勿論である。
床受け部材20は、その両端部分を除く中間部分の断面形状が略同一とされ、両端部分は、支持板13に上方から外嵌可能な外嵌部20Aとなっている。なお、この外嵌部20Aが本発明の外嵌部に相当する。
床受け部材20の中間部分は、図12(a)に示すように、その下部が縦長薄型の中空の矩形断面部分とされ、その上部が中空の逆三角形断面部分となっている。
この略平行な一対の側面板21の間の間隔は、床用アジャスター10の支持板13の板厚と略同一となっている。また、図12(b)は図12(a)の領域Z部分の一部拡大断面図であるが、この図に示すように、下部板23は、側面板21との接続部が他の部位よりも肉薄に形成されている。
なお、上記側面板21が本発明の側面板状部に相当し、上記上部板22が本発明の上部板状部に相当し、上記下部板23が本発明の下部板状部に相当し、上記斜面板24が本発明の斜面板状部に相当し、上記天面板25が本発明の天面板状部に相当し、上記垂直板26が本発明の垂直板状部に相当する。
外嵌部20Aの側面板21には、側面板21の下端の所定位置から上方に直線状に切り込んだ係止溝27が形成されている。この係止溝27は、外嵌部20Aを支持板13に外嵌させた状態における係止凸部15の位置と重なるように形成されている。また、側面板21の係止溝27よりも端面寄りの部位は、その下端が所定寸法カットされている。
床受け部材20の断面形状は、一対の側面板21の間の内法間隔が4mmとされ、側面板21の下端から天面板25の上端までの寸法が50mm、天面板25の上端から垂直板26の上端までの寸法が8mmとされている。また、天面板25の幅寸法は30mmとされ、垂直板26はその中央に立設されている。また、天面板25の上端から13mm下がった位置に、斜面板24と側面板21の接続部および上部板22が位置している。そして、斜面板24と側面板21は、135度の角度で接続されている。
また、上部板22および下部板23は、側面板21、斜面板24、天面板25の長尺方向の端面から30mmの位置まで除去されている。
係止溝27は、溝幅が3.1mmで溝の長さ(切り込んだ長さ)が30mmであり、床受け部材20の端面(長尺方向の両側面、すなわち、図9の矢印X1またはX2方向視の側面)から係止溝27の中央のラインまでが15mmとなる位置に形成されている。また、側面板21は、図9に示すように、係止溝27よりも上記端面寄りの部位の下端が5mmカットされて短くなっている。
続いて、上述した各構成、すなわち、床面上に所定間隔で設置される複数の床用アジャスター10と、該床用アジャスター10に両端部をそれぞれ支持されて横架される床受け部材20と、を備えたフロアシステムSの製造方法について説明する。
まず、第1工程では、床面に対して略垂直に立設される支柱12の上部側面から側方に延出されるように支持板13を取り付けて床用アジャスター10を形成する。
以上の工程により、フロアシステムSの床用アジャスター10および床受け部材20が形成される。このような製造方法では、同一断面形状の長尺部材から所望の長さを切り出し、その一部を除去するだけでその端部に外嵌部20Aを形成することができるので、床受け部材20を容易に製造することができ、好適である。
なお、第1工程で支持板13の板面13bの所定位置に係止凸部15を形成すると共に、第2工程で側面板21の下端側の所定位置から上方に向かって所定幅の切り込みを入れることにより側面板21に係止溝27を形成すれば、簡易な構成で外嵌部20Aと支持板13を係合させることができ、好適である。
続いて、本例のフロアシステムSの設置方法、および、フロアシステムSを用いた二重床の設置方法について説明する。
図14に示すように、まず、床用アジャスター10を、設置面上に所定間隔で配置する。例えば、床用アジャスター10を、図1に示すようなモジュール寸法間隔で縦横に格子状に配置する。
なお、このように位置合わせすると、床受け部材20の端面が、床用アジャスター10の支柱12の表面に丁度当接した状態に組み付けられる。また、支持板13の上向きの端面13aは、上部筒状体12Bの上端面から2mm下がった位置となっているので、支柱12の上端面と天面板25とが面一な状態に組み付けられる。
なお、高さ調整は、床受け部材20を組み付ける前に概略の高さ調整を行い、その後、床受け部材20を組み付けてから微調整を行ってもよい。
11‥‥ベースプレート
12‥‥支柱
12A‥下部筒状体
12B‥上部筒状体
13‥‥支持板
13a‥端面
13b‥板面
14‥‥止めネジ(ネジ部材)
14a‥窪み(第1係合部)
15‥‥係止凸部(第2係合部)
20‥‥床受け部材
20A‥外嵌部
21‥‥側面板(側面板状部)
22‥‥上部板(上部板状部)
23‥‥下部板(下部板状部)
24‥‥斜面板(斜面板状部)
25‥‥天面板(天面板状部)
26‥‥垂直板(垂直板状部)
27‥‥係止溝(係止部)
F‥‥‥床材
S‥‥‥フロアシステム(床支持体)
Claims (5)
- 床面上に所定間隔で設置される複数の支持脚と、該支持脚に両端部をそれぞれ支持されて横架される床受け部材と、を備えた床支持体であって、
前記支持脚は、床面に対して略垂直に立設される支柱と、該支柱の上部側面から側方に延出された支持板と、を有し、
前記床受け部材の両端には、それぞれ前記支持板に上方から外嵌可能な外嵌部が形成され、
前記支柱は、上下に貫通するネジ溝が形成された筒状体と、前記ネジ溝に螺入されるネジ部材とを備え、前記筒状体は、前記支持板よりも下方の所定位置で上部筒状体と下部筒状体とに長さ方向に2分割され、前記ネジ部材は、上端側が前記上部筒状体のネジ溝に螺入されると共に、下端側が前記下部筒状体のネジ溝に螺入され、
前記上部筒状体に形成されたネジ溝は前記支柱の上端面に形成された開口に連通し、
前記ネジ部材は、前記上部筒状体に螺入された上端側の端面に第1係合部が形成され、該第1係合部に前記開口側から前記ネジ溝の内部に挿入された工具の先端を係合可能に構成され、
前記床受け部材は、略水平かつ略平行に配設された所定長さの一対の側面板状部と、該一対の側面板状部の上端同士と下端同士をそれぞれ略水平に接続する上部板状部および下部板状部と、前記一対の側面板状部の上端からそれぞれ上方に拡開するように延出された一対の斜面板状部と、該一対の斜面板状部の上端同士を接続する略水平な天面板状部と、を有し、前記外嵌部は、前記床受け部材の端部において前記側面板状部、前記斜面板状部、前記天面板状部、が前記上部板状部および前記下部板状部よりも所定寸法長く延出された形状とされ、前記一対の側面板状部の間隔が前記支持板の板厚と略同一とされたことにより、前記一対の側面板状部の間に下方から挿入された前記支持板によって前記天面板状部が下方から当接支持されたことを特徴とする床支持体。 - 前記支持板はその板面が床面に対して略垂直とされ、前記板面上の所定位置には第2係合部が形成され、
前記外嵌部には、前記支持板に外嵌された状態で前記第2係合部に対応する位置に、上方から前記第2係合部に係合可能な係止部が形成されたことを特徴とする請求項1に記載の床支持体。 - 前記上部板状部または前記下部板状部は、前記一対の側面板状部との接続部が他の部位よりも肉薄に形成されたことを特徴とする請求項1に記載の床支持体。
- 前記第2係合部は、前記支持板の板面から突出する凸部からなり、前記係止部は、前記側面板状部の下端から前記凸部に対応する位置を通過するように前記天面板状部側に向かって切り込んで形成された係止溝からなり、該係止溝は、その内法幅が前記凸部の幅と略同一に形成されたことを特徴とする請求項2に記載の床支持体。
- 前記床受け部材は、前記天面板状部の幅方向中央のライン上に略垂直に立設された垂直板状部を備えることを特徴とする請求項1に記載の床支持体。
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