JP4988208B2 - アップライトピアノ - Google Patents
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Description
即ち、この上前板は、5枚の板材からなり、3枚の板材を、所定の間隔を空けて鍵盤における鍵の配列方向に一列に並んで配置し、その後方にて、各板材の間に残り2枚の板材を取り付けることにより構成される。そして、板材同士の接合部分には、ピアノの内部と外部とを連結するためのスリットが形成されており、ケース内で発生した音は、そのスリットを通って外部へ逃げるようにされている(例えば、特許文献1参照)。
そこで、本発明は、こうした問題を解決するためになされたものであり、打弦によりケース内で発生した音がこもってしまうのを防止することが可能なアップライトピアノを、簡素な構造で実現することを目的としている。
よって、打弦によりケース内で発生した音がこもってしまうのを防止することが可能なアップライトピアノを、簡素な構造で実現することができる。
よって、アップライトピアノの美観を損なうことなく、打弦によりケース内で発生した音を外部へ逃がすことができる。
これによれば、低音と高音とを効率よく外部へ逃がすことができる。
即ち、請求項4に記載のアップライトピアノは、請求項1〜3の何れかに記載のアップライトピアノにおいて、貫通孔の上前板に対する配置位置を、高音域側は上方となるように配置し、低音域側は下方となるように配置するようにされている。
次に、請求項5に記載のアップライトピアノは、請求項1〜3の何れかに記載のアップライトピアノにおいて、貫通孔は、弦の長手方向に沿って複数形成されていることを特徴としている。
また、貫通孔の各々は、請求項6に記載のように、上前板に対し、高音域側は上方に多く配置され、低音域側は下方に多く配置されているとよい。
また、請求項7に記載の発明では、前記上前板には、少なくとも、上下方向に一列に沿って並んだ複数の貫通孔が形成されており、前記被覆部材は、一枚の長尺状の部材からなり、前記一列に沿って並んだ複数の貫通孔全体を覆い隠す位置関係で設けられていることを特徴とする。
図1は、本実施形態のアップライトピアノを説明する説明図であり、図1(a)はアップライトピアノの正面図であり、図1(b)は弦40の取付状態を説明する説明図である。なお、以下の説明において、上下左右前後等の方向に関する表現は、演奏者側からピアノを見た方向である。
なお、図1(b)において、点線で示す箇所は、弦40における各端の取付位置を表している。また、中音域や高音域の弦40の各々は、その長手方向とピアノの上下方向とが略平行となるように取り付けられており、低音域の弦40は、ケース20の高さ(上下方向の長さ)よりも長いため、ケース20に対して所定角度傾くように取り付けられている。
具体的に説明すると、左側(低音域側)に形成された貫通孔22a〜22fは、上前板22の下側から順に、3個,2個,1個というようにグループ化して分散して配置されており、右側(高音域側)に形成された貫通孔22g〜22lは、上前板22の上側から順に、3個,2個,1個というようにグループ化して分散して配置されている。
これにより、打弦により発生された音は、貫通孔22a〜22l及びスリット70a〜70c,72a〜72cを介して外部へ出ていくこととなる。
また、本実施形態によれば、貫通孔22a〜22lを覆い隠すように被覆部材70,72が上前板22に取り付けられているため、ピアノの美観を損なうことなく、打弦によりケース20内で発生した音を外部へ逃がすことができる。
上記実施形態では、被覆部材70,72として、貫通孔22a〜22lに対応する部分の断面が略L字状となるようなスリット70a〜70c,72a〜72cが形成されたものを用いていたが、これに限らず、被覆部材は、貫通孔22a〜22lを被覆可能で、且つ、ケース20内で発生した音を逃がすことが可能な形状であれば何でもよく、例えば、図4に示す被覆部材74,76を用いてもよい。
一方、図6に示すように、上前板22の上下方向に延びる長尺状の長尺部78a,80aと、その長尺部78a,80aの長手方向に沿った一端側から上前板22側へ向かって突出した突出部78b,80bとからなる被覆部材78,80を用いてもよい。
ところで、上記実施形態において、貫通孔22a〜22lは、その貫通孔22a〜22lとの中心位置に位置する弦40の中心位置に対応するように形成されていたが、上前板22を貫通する孔であればどこに形成されていてもよく、例えば、図7に示す貫通孔22m〜22wが上前板22に形成されていてもよい。
以上のような図7の上前板22を用いれば、低音域側と高音域側とで貫通孔22m〜22wの大きさを変えているので、高音域や低音域の音を効率よく逃がすことができる。
このようにすれば、打弦により発生された音をより効果的に逃がすことができる。
Claims (7)
- ピアノの外装を構成するケースの上前板を一枚の板材にて構成してなるアップライトピアノであって、
前記上前板に、当該上前板を貫通する貫通孔を形成すると共に、
該貫通孔を前記ケースの外側から被覆する被覆部材を設け、
該被覆部材には、前記貫通孔に対応する前記上前板側の領域に凹状のスリットが形成されており、このスリットは前記上前板の前面に沿った方向に開口しており、
前記上前板の左右両側には、前記貫通孔及びその貫通孔に対応する前記被覆部材がそれぞれ設けられ、
前記被覆部材におけるスリットは、該被覆部材に対応する前記貫通孔が形成されている前記上前板の左右両側に向けて開口していることを特徴とするアップライトピアノ。 - 前記貫通孔は、少なくとも、弦の配列方向の中心部分よりも高音域側に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のアップライトピアノ。
- 前記貫通孔は、弦の配列方向の中心部分よりも高音域側と低音域側とに形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のアップライトピアノ。
- 前記貫通孔は、当該上前板に対して、高音域側は上部に、低音域側は下部に配置されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3の何れか1項に記載のアップライトピアノ。
- 前記貫通孔は、弦の長手方向に沿って複数形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3の何れか1項に記載のアップライトピアノ。
- 前記貫通孔の各々は、当該上前板に対し、高音域側は上部に多く配置され、低音域側は下部に多く配置されていることを特徴とする請求項5に記載のアップライトピアノ。
- 前記上前板には、少なくとも、上下方向に一列に沿って並んだ複数の貫通孔が形成されており、
前記被覆部材は、一枚の長尺状の部材からなり、前記一列に沿って並んだ複数の貫通孔
全体を覆い隠す位置関係で設けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項6の何れか1項に記載のアップライトピアノ。
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