JP4987971B2 - デュアルウェストゲートを具えたターボチャージャ - Google Patents

Description

本発明は、ウェストゲート式のターボチャージャに関する。特に、本発明は、分離型入口タービンを具えたターボチャージャ用のデュアルウェストゲートポートとバルブのアセンブリに関する。

ターボチャージャは、大気圧より高い圧力（ブースト圧力）で内燃エンジンの吸気口に空気を供給するための周知の装置である。従来のターボチャージャは、排気ガス駆動のタービンホイールを本質的に具えており、該タービンホイールは、エンジン排気マニホールドの下流に接続されたタービンハウジングの内部にて、回転可能なシャフトに取り付けられている。タービンホイールの回転により、圧縮機ハウジング内にて前記シャフトの他端に取り付けられている圧縮機ホイールが回転する。該圧縮機ホイールは、圧縮された空気をエンジン吸気マニホールドに送り込む。ターボチャージャシャフトは、従来、適当な潤滑システムを含むジャーナルベアリングとスラストベアリングによって支持されており、該ベアリングは、タービンと圧縮機ホイールハウジングとの間に接続された中央ベアリングハウジングの内部に設置されている。

周知のターボチャージャにおいて、タービンステージは、内部にタービンホイールが取り付けられたタービンチャンバを具えている。環状入口通路は、タービンチャンバの周囲に配置されて対向した放射状の壁の間に形成されている。入口ボリュートは入口通路の周囲に配置され、出口通路はタービンチャンバから伸びている。両通路とチャンバは、入口チャンバに入った圧縮排気ガスが入口通路から出口通路までタービンを経て流れ、そして該圧縮排気ガスがタービンホイールを回転させるように連通している。入口通路を通って流れるガスをタービンホイールの回転方向に向けて偏向させるべく、ノズル羽根と呼ばれる羽根を入口通路に設けることにより、タービンの性能が向上することも周知である。

タービンは、固定形状型或いは可変形状型のものであってもよい。可変形状タービンは、タービンのパワー出力を変化させることにより様々なエンジン要求が満たされるように、入口通路のサイズを変化させることにより質量流量率の範囲に亘ってガスの流速を最適化することが出来る点で、固体形状タービンと異なっている。例えば、タービンに送り込まれた排気ガスの体積が比較的小さい場合、環状入口通路のサイズを減少させることにより、タービンホイールに到達するガスの速度は、効率的なタービン運転を保証するレベルに維持される。可変形状タービンを具えたターボチャージャは、可変形状ターボチャージャと呼ばれている。

ターボチャージャタービンは、ターボチャージャのブースト圧力及び／又はシャフト速度の制御を可能にすべく、ウェストゲートと呼ばれるバルブ制御されたバイパスポートを具えていてもよい。ウェストゲートバルブ（典型的にはポペット型のバルブ）は、ブースト空気の圧力が所定のレベルに向かって上昇した場合、ウェストゲートポートを開くように制御され、これにより排気ガスの一部がタービンホイールを迂回することになる。典型的には、ウェストゲートポートは、バイパスガス流をタービン出口に逸らすか又は該バイパスガス流を大気中に逃がすバイパス通路に開口している。ウェストゲートバルブは、電子アクチュエータを含む様々な手段によって駆動されてもよいが、より典型的には、圧縮機ホイールによって送り込まれたブースト圧力により動作する空気圧式のアクチュエータによって駆動される。

２つのシリンダバンクを有するエンジンに設置されているターボチャージャは、分離型入口ボリュートを持ったタービンを具えていてもよい。これは、両排気ガスの個々の推進力がより効率的にタービンホイールに伝達されるように、両エンジンシリンダバンクのそれぞれからタービンホイールまで平行に伸びた別々のガス入口流路を具えている。そのような分離型入口タービンのウェストゲーティングには、デュアルウェストゲートバルブ機構によって制御されるウェストゲートポートが、個々の入口流路のそれぞれに１つずつ、計２つ必要である。

デュアルウェストゲートポートを同時に開閉することを可能にすると共に各バルブシートを正確に閉じ位置に配置したデュアルウェストゲートバルブ機構を設けることは困難である。１つの支持アームに取り付けられた一対のバルブ手段を具えた初期のころのデュアルウェストゲートバルブ機構の例が、日本国公開特許公報第５７−１３７６１９号公報に開示されている。これは、連結支持手段の動作により両バルブ手段が同時に動作するように該支持手段に直接固定された２つのバルブ手段を具えているデュアルウェストゲートバルブ機構を開示している。しかし、前記支持手段の比較的小さな歪みでさえも、一方又は両方のバルブは、排気ガス流が各ウェストゲートポートを通って漏れるような不適切な閉じ方をしてしまう。この機構に係る改良形態が、日本国公開実用新案公報第６２−１８３０３３号公報に開示されている。この機構においては、各バルブ手段が、支持手段に対するバルブ手段の多少の動作を可能にするピンによって、支持手段にゆるく連結されている。この動作の自由は、支持手段における僅かな歪みを許容する。しかし、各バルブ手段と支持手段との間に過度な動作の自由があると、ブースト圧力が所定のレベルに到達する前に一方又は他方のバルブ手段が早い段階で開いてしまう。

上述した機構に更なる改良が加えられたデュアルウェストゲートバルブ機構が、米国特許５０４６３１７号に開示されている。この機構においては、一対のウェストゲートバルブ手段（ポペット）が連結支持手段にゆるく取り付けられており、該支持手段に対して僅かな動作の自由を有している。更に、前記支持手段は、支持アームに、２つのバルブ手段の中間点にて枢支されており、ウェストゲートポートに対する支持手段自身の僅かな枢動が可能になっている。支持手段に対するバルブ手段の動作と支持アームに対する支持手段の動作とを組み合わせたときの動作の自由により、バルブシートの高さの違いが許容されると共に、ウェストゲートポートが閉じた場合に各バルブ手段がそのバルブシートにしっかりと適切に着座することが保証されると考えられている。

他のデュアルウェストゲートバルブ機構が、米国特許５９９６３４８号に開示されている。これは、２つのバルブ手段を同時に開閉させると共に該２つのバルブ手段の間に僅かな動作の自由を許容する機構を設けることに対して異なるアプローチを採用している。各バルブ手段（ポペット）は、それに対応するシャフトの回転により該ポペットが上昇又は下降してウェストゲートポートが開閉するように、該シャフトから傾いて伸びているアームに取り付けられている。２つのシャフトは、レバーの動作により両シャフトが同時に回転してウェストゲートポートが同時に開閉するように、同軸に配列されると共にポペットバルブから遠い方の端にて溶接され、そして溶接された位置にて共通の駆動レバーに連結されている。両シャフトは一端にて溶接されているが、それらは、交差の積み重ね又はバルブシートの変形に対して両シャフトを個々に順応させることを目的として、捩れに対して互いに独立しており、各ポペットを閉じたときに該ポペットを正確に着座させることが可能になっている。

米国特許５０４６３１７号と米国特許５９９６３４８号において提案されている最近のデュアルウェストゲートバルブ機構は、初期の提案において存在していた欠点に対処したものであるが、それらは比較的複雑な機構であり、摩耗しやすい。

本発明の目的は、デュアルウェストゲートポートの開閉を実現する改良されたデュアルウェストゲートバルブ機構を提供することである。

本発明によれば、
排気入口の第１部分に連通している第１バイパスポートと、
前記第１バイパスポートを包囲している第１バルブシートに係合して該第１バルブシートをシールするための第１バルブ手段と、
排気入口の第２部分に連通している第２バイパスポートと、
前記第２ポートを包囲している第２バルブシートに係合して該第２バルブシートをシールするための第２バルブ手段と、
前記第１及び第２バルブ手段の両方を、前記第１及び第２バルブシートのそれぞれに係合してシールされた状態から持ち上げるべく、各バルブ手段を、シャフト軸周りに回転させるように支持するシャフトと、
を具え、
前記第１バルブシートは前記第２バルブシートに対して傾斜し、前記シャフトはその軸方向に動作の自由を有するターボチャージャウェストゲートバルブアセンブリが提供される。

本発明においては、両バルブ手段（好ましくはポペット）に及んだ反力は、軸方向についてのシャフトの動作の自由によって芯出し動作を実現するシャフトの軸方向の成分を有している。

両バルブシートは、互いに向かっていって（Ｖ字形に）或いは互いに離れていって（逆Ｖ字形に）傾斜した平面内に位置してもよい。

両バルブシートは、９０°（傾斜角）より大きな角度で傾斜することが好ましい。

各バルブシートは、それぞれのバルブシート平面の交線から等距離で配置されていることが好ましいが、代わりに一方のバルブシートが、他方のバルブシートよりも前記交線に接近して配置されていてもよい。

シャフトの軸方向は、２つのバルブシートの中心を結んだ線を含む平面に平行な方向に伸びていることが好ましく、両バルブシートが、それぞれの平面の交線から等距離で配置されている場合においては、シャフトの軸方向は、２つのバルブシートの中心を結んだ線に平行であることが好ましい。或いは、両バルブシートは、一方のバルブシートが他方のバルブシートより軸に接近するように、軸に対してずれていてもよい。

各バルブ手段のある程度の動作の自由によって着座が改良されるように、両バルブ手段は、支持シャフトにゆるく取り付けられていることが好ましい。しかし、両バルブ手段は、シャフト（より好ましくは、シャフトから横方向に伸びた支持部）にしっかりと取り付けられてもよい。

本発明の更に別の好ましい特徴は、以下の説明から明らかになるであろう。

デュアルウェストゲートバルブアセンブリを有する従来技術のターボチャージャを模式的に示す図である。 本発明の第１の実施形態に係るデュアルウェストゲートバルブアセンブリを模式的に示す図である。 図２に示すデュアルウェストゲートバルブアセンブリの側面図である。 本発明に係るウェストゲートバルブアセンブリの第２の実施形態を示す模式的な図である。 図４に示すウェストゲートバルブアセンブリの断面図である。

次に、添付図面を参照して、本発明の具体的な実施形態を一例として説明する。
図１を参照すると、これには、上述した米国特許５０４６３１７に開示されているように、分離型タービン入口とツインウェストゲートバルブアセンブリを具えたターボチャージャが示されている。図示されているターボチャージャは、中央ベアリングハウジング３によって互いに連結されたタービン１と圧縮機２を具えている。タービン１は、タービンハウジング６の内部にてターボシャフト５の一端に取り付けられたタービンホイール４を具えている。圧縮機２は、圧縮機ハウジング８の内部にてターボシャフト５の他端に取り付けられた圧縮機ホイール７を具えている。ターボシャフト５は、ベアリングハウジング３の内部に設置されたベアリングアセンブリ（図示せず）上のターボチャージャ軸周りに回転する。

タービンハウジングには、環状入口通路１１を通じてタービンホイール４に排気ガスを送り込むと共に軸方向の出口通路１２を通じてタービンハウジングから抜け出た互いに平行な排気ガス入口通路９，１０を有する分離型入口ボリュートが形成されている。

圧縮機ハウジング２には、軸方向入口１３と出口ボリュート１４が形成されている。

タービン１を通る排気ガス流は、ターボシャフト５の他端に取り付けられた圧縮機ホイール７を次々に回転させるタービンホイール４の回転を引き起こす。圧縮機ホイール７の回転により、空気が軸方向入口１３から引き込まれ、そして圧力の高められた空気が燃焼エンジン（図示せず）のシリンダに出口ボリュート１４を通じて送り込まれる。

タービン１はウェストゲート型タービンであり、各排気ガス入口通路９，１０はそれぞれ、デュアルウェストゲートバルブアセンブリを通じてバイパスガス通路１７に連通したウェストゲートポート１５，１６を具えている。デュアルウェストゲートバルブアセンブリは、一対のウェストゲートバルブ手段、即ち連結支持手段２０の両端にゆるく取り付けられたポペット１８，１９を具えている。各ポペットは、該ポペットのぴったりの位置を僅かに移動させることが可能な僅かな動作の自由を有しており、これにより、各出口バイパスポート９，１０の開口の周囲に形成されたバルブシートのそれぞれの高さについて、僅かな変化が許容されることになる。

支持手段２０は支持アーム２１の一端に取り付けられており、該支持アーム２１は、タービンハウジングの壁２２を通って伸びると共にアクチュエータアーム２３に他端が連結されている。ブッシング２４は、タービンハウジングの壁２２に設けられ、これによりサポートアーム２１の回転が許容されている。

支持手段２０に固定されている支持アーム２１の一端は、該支持アーム２１の回転軸に対して直角に曲げられている。アクチュエータアームの往復運動（矢印２５によって図示）により支持アーム２１が回転し、これにより連結支持手段２０とポペット１８，１９が動いてウェストゲートポート９，１０が同時に開閉されるように、支持アーム２１の他端はアクチュエータアーム２５に連結されている。支持アーム２１の先端は、支持手段２０に、これら２つの間の僅かな角運動が許容されるように取り付けられている。特に、支持アーム２１の先端と支持手段２０との間の枢着は、両ポペットの正確な着座を改良すべく、芯出し動作を実現することを目的としている。

ウェストゲートバルブアセンブリは、圧縮機２によって作り出されるブースト圧力が所定のレベルに到達したときに開くように制御されており、これによりタービン入口通路９，１０を通って流れる排気ガスの一部がタービンホイール４を迂回することになり、従って圧縮機によって作り出されるブースト圧力の更なる増加が抑制されることになる。バイパスガス通路１７は、（米国特許５０４６３１７で提案されているように）外気に通じており、例えば主となる排気ガス流と共にバイパスガス流がタービンホイール４の下流に流れるようにタービン出口通路１２に連通していてもよい。

図２及び図３を参照すると、これらには、本発明に係るデュアルウェストゲートポートとバルブのアセンブリが示されている。それらには、本発明に関連する細部だけが描かれている。例えば、ターボチャージャの他の細部、例えばタービンハウジング及び互いに平行である排気ガス入口通路の構成や、ウェストゲートポートが入口通路に連通している形態などは、従来どおりであり、例えば図１に示される一般的な構造を持つことが出来る。

図２は、ハウジング壁３２を貫通して伸びた本発明に係るデュアルウェストゲートポート３０，３１とデュアルウェストゲートバルブアセンブリ３３とを示すターボチャージャタービンハウジングの一部についての断面斜視図である。図３は、図２において矢印Ａの方向に見た図である。ウェストゲートポート３０，３１はそれぞれ、例えば図１に示す構造と実質的に同じ構造を有する分離型タービン入口（図示せず）の排気ガス流路（図示せず）に連通している。

ウェストゲートポート３０はタービン壁３２の第１表面３４に開口し、ウェストゲートポート３１はタービン壁３２の第２表面３５に開口している。第２壁面３５は、第１表面３４に向かって傾斜し、これにより浅いＶ字形が形成されている。従って、各ウェストゲートポート３０，３１の開口の周囲にて表面３４，３５上に形成されたバルブシートはそれぞれ、一方のバルブシートの平面が、ウェストゲートポート３１，３２の開口中心の略中間に位置する線にて他方のバルブシートの平面に交わるように、互いに向かっていって同様に傾斜することが好ましい。

ウェストゲートバルブアセンブリ３３は、バルブシャフト３９の一端に該バルブシャフト３８と共に回転するように取り付けられているバルブ手段支持体３８に固定された一対のウェストゲートバルブ手段、ここではポペット３６、３７を具えている。バルブシャフト３９は、各バルブポート３０，３１の開口中心を結んだ線に対して好ましくは平行であって該線から横方向に偏位した軸４０に沿って伸びている。軸４０周りに回転するように、シャフト３９は、ハウジング壁部４２を貫通した孔に嵌め込まれているブッシング４１によって支持されている。径方向に伸びたレバーアーム４３は、バルブ手段支持体３８とは反対側のシャフトの端に取り付けられている。

バルブ手段支持体３８は、シャフト３９にしっかりと固定されたスリーブ部４４と、スリーブ４４から横方向に伸びたフラッグ部４５とを具えている。各バルブ手段３６，３７は、そのシール面３６ａ，３７ａが、対応するウェストゲートポートバルブシートの平面に平行な平面となるように、支持手段フラッグ部４５に取り付けられている。バルブ手段３６，３７は、好ましくは支持手段３８に“ゆるく”取り付けられており、これにより対応するバルブシートの平面に垂直な軸周りに僅かな動作の自由が許容されており、例えば、ハウジング壁３２の表面３４，３５に対するバルブ手段支持体３８の僅かな歪みが許容されている。このことは、図示されている実施形態においては、従来の形態において各バルブ手段を支持手段３８にゆるくリベットで止めることにより実現されている。

本発明においては、シャフト３９は、ブッシング４１の内側にて軸方向にスライド可能であり、壁手段４２の一方の側でのスリーブ４４とブッシング４１との当接と、壁手段４２の他方の側でのレバーアーム４３とブッシング４１との当接とによって制限された軸方向において動作の自由を有している。

使用中においては、小さな角度でレバーアーム４３を往復運動させるために、ウェストゲートバルブアクチュエータ（図示せず）はレバーアーム４３に連結されており、これによりウェストゲートポート３０，３１を開閉するために必要な回転がシャフト３９に与えられることになる。例えば、アクチュエータは、タービン圧縮機内の圧力に応じて往復運動する駆動アーム（図示せず）によってレバーアーム４３に連結された従来の空気圧式のアクチュエータであってもよい。この技術分野には、そのようなアクチュエータの例が多く存在する。典型的には、アクチュエータはバネ付勢されており、アクチュエータに伝達されたブースト圧力によってバネ付勢に抗してウェストゲートバルブが開かれない限り、ウェストゲートバルブは閉じ位置に維持されている。一方、アクチュエータの他の形態、例えば監視されているブースト圧力に従って制御された電子アクチュエータなども使用可能である。図２に示す様に時計回りの方向に小さな角度でレバーアーム４３を回転させることにより、シャフト３９が回転し、これによりバルブ手段支持体３８がシャフト軸４０周りに回転し、その結果、バルブ手段３６，３７が持ち上げられてウェストゲートポート３０，３１が開くことになる。

図２に示す様に反時計回りの方向にレバーアームに駆動力をかけることにより、バルブ手段３６，３７が、対応するハウジング表面３４，３５に着座し、これによりウェストゲートポート３０，３１を閉じることになる。バルブ手段３６，３７のバルブ手段支持体３８へのゆるい連結により、各バルブ手段は僅かに移動することができ、これによりバルブ又は支持体３８において僅かな変形又は摩耗が許容されることになる。更に、傾斜したバルブシートの組合せ、及びシャフトの軸に沿った該シャフトの動作の自由により、力がかかったときにバルブシート上でバルブ手段の芯出しが行われ、その結果、バルブ手段は閉じ位置に維持されることになる。

よって、本発明によれば、機械的に簡単且つ強固な機構を利用した各バルブ手段の正確な着座を実現するデュアルウェストゲートポートとバルブのアセンブリが提供されることになる。

図４及び図５は、本発明の第２の実施形態を示している。交換ガス入口通路５３，５４のそれぞれとバイパス通路５５との間を連通するデュアルウェストゲートポート５１，５２を設けたタービンハウジング５０の一部の斜視図が図４であり、該一部の断面図が図５である。デュアルウェストゲートアセンブリは、ボス６０，６１によって形成された傾斜したウェストゲートポートバルブシート５８，５９に着座するバルブ手段５６，５７を具えている。図５の断面図に示す様に、ボス６０，６１によって形成されたバルブシート５８，５９はそれぞれ、好ましくは相互に傾斜した平面内に位置する。同様に、バルブ手段５６，５７は、それらのシール面６３，６４が、バルブシート平面に平行であって相互に傾斜した平面内に（僅かな動作の自由を有して）位置するように、バルブ手段支持体６２に取り付けられている。

バルブ手段支持体６２は、回転するようにシャフト６９の一端に取り付けられ、図３及び図４の実施形態において述べたように動作する。

本発明の上記実施形態においては、バルブ手段支持体は、２つのバルブ手段を連結し、各バルブ手段が取り付けられる傾斜部を有している。しかし、他の実施形態においては、各バルブ手段は、互いに直接連結されるのではなく、スリーブ部から伸びる支持アームに取り付けられてもよい。

本発明に上記実施形態では、各ウェストゲートポートの開口に設けられたバルブシートは、互いに向かっていくように傾斜している。本発明の別の実施形態においては、バルブシートは、互いに離れていって逆Ｖ字形となるように傾斜していてもよい。更に、例示されている両ウェストゲートポートの方向は、バルブシートのそれぞれに垂直である。これに限られるものではなく、両ウェストゲートポートはそれぞれバルブシートに対して傾斜していてもよい。他の改良点は、適切な当業者には明らかである。

本発明は、図面及び上述の説明において詳細に図示及び説明されたが、それらは例示であってそれに限定されるものではなく、単に好ましい実施形態が図示及び説明されただけであり、発明の範囲内でのすべての変形や改良が保護されることを要求していると解されるべきである。上記説明中に利用された例えば「好ましい(preferable)」や、「好ましくは(preferably)」、「好ましい(preferred)」、「より好ましい(more preferred)」などの用語の使用は、そのように説明された特徴がより好ましいものであることを示しているが、それは必須ではなく、それを欠いた実施形態が以下のクレームによって決定される本発明の範囲内に含まれると解されるべきである。クレームを読むにあたって、例えば“１つ(a, an)”や、“少なくとも１つ(at least one)”、“少なくとも一部(at least one portion)”などの用語が使用されている場合、クレーム中に明確に限定する旨が述べられていない限り、クレームを１つだけの要素に限定することは意図されていない。“少なくとも１つの部分(at least a portion)”及び／又は“１つの部分(a portion)”の用語が使用されている場合、明確に限定する旨が述べられていない限り、その要素は一部分及び／又は要素全体を含んでいる。

Claims (16)

1. 排気入口の第１部分に連通している第１バイパスポートと、
   前記第１バイパスポートを包囲している第１バルブシートに係合して該第１バルブシートをシールするための第１バルブ手段と、
   排気入口の第２部分に連通している第２バイパスポートと、
   前記第２ポートを包囲している第２バルブシートに係合して該第２バルブシートをシールするための第２バルブ手段と、
   前記第１及び第２バルブ手段の両方を、前記第１及び第２バルブシートのそれぞれに係合してシールされた状態から持ち上げるべく、各バルブ手段を、シャフト軸周りに回転させるように支持するシャフトと、
   を具え、
   前記第１バルブシートは前記第２バルブシートに対して傾斜するように構成されており、前記シャフトはその軸方向に動作の自由を有するターボチャージャウェストゲートバルブアセンブリ。
2. 前記第１バルブシートは第１平面内に位置し、前記第２バルブシートは第２平面内に位置しており、該第１及び第２平面は互いに向かっていくように傾斜している請求項１に記載のウェストゲートバルブアセンブリ。
3. 前記第１バルブシートは第１平面内に位置し、前記第２バルブシートは第２平面内に位置しており、該第１及び第２平面は互いに離れていくように傾斜している請求項１に記載のウェストゲートバルブアセンブリ。
4. 前記軸は、前記第１平面と第２平面との交線方向に対して略垂直な方向に伸びている請求項２又は請求項３に記載のウェストゲートバルブアセンブリ。
5. 両バルブシートは、前記第１平面と第２平面との交線から等距離で配置されている請求項２乃至請求項４の何れかに記載のウェストゲートバルブアセンブリ。
6. 一方のバルブシートは、他方のバルブシートよりも前記第１平面と第２平面との交線に接近して配置されている請求項２乃至請求項４の何れかに記載のウェストゲートアセンブリ。
7. 前記軸は、各バイパスポートの中心を結んだ線を含む平面に対して略平行に伸びている請求項１乃至請求項６の何れかに記載のウェストゲートバルブアセンブリ。
8. 前記軸は、各バイパスポートの中心を結んだ線に対して略平行に伸びている請求項１乃至請求項５の何れかに記載のウェストゲートバルブアセンブリ。
9. 前記第１バルブポートと第１バルブ手段は、前記第２バルブポートと第２バルブ手段よりも前記シャフトの軸から離れている請求項１乃至請求項６の何れかに記載のウェストゲートバルブアセンブリ。
10. 各バルブ手段は、そのシール面が、対応するバルブシートの平面に平行な平面となるように、前記シャフトから横方向に伸びた支持部に取り付けられている請求項１乃至請求項９の何れかに記載のウェストゲートバルブアセンブリ。
11. 各バルブ手段は、該バルブ手段が僅かな動作の自由を有するように前記支持手段にゆるく取り付けられている請求項１０に記載のウェストゲートバルブアセンブリ。
12. 各バルブ手段は、共通の支持体に取り付けられている請求項１０又は請求項１１に記載のウェストゲートバルブアセンブリ。
13. 前記シャフトは、壁を貫通する孔に支持されたブッシングを通って伸び、該シャフトの、その軸に沿う動作の自由は、軸方向についてのブッシングの両側に位置するシャフトの部分によって形成され又は該部分に取り付けられた当接構造によって制限されている請求項１乃至請求項１２の何れかに記載のウェストゲートバルブアセンブリ。
14. 一方の当接構造は、前記シャフトが回転するように該シャフトの一端に連結されたレバーアームによって形成され、他方の当接構造は、前記シャフト上に前記両バルブ手段を支持するための支持手段の一部によって形成されている請求項１２に記載のウェストゲートバルブアセンブリ。
15. 第１部分と第２部分とに分割されている排気ガス入口通路を具え、更に、請求項１乃至請求項１４の何れかに記載のウェストゲートバルブアセンブリを具えるタービン。
16. 請求項１５に記載のタービンを備えるターボチャージャ。

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