JP4986820B2 - 画像処理装置及び画像処理方法 - Google Patents

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    • H04N25/134Arrangement of colour filter arrays [CFA]; Filter mosaics characterised by the spectral characteristics of the filter elements based on three different wavelength filter elements

Description

フィルムカメラ、デジタルカメラ、ビデオカメラ等のカラー撮像装置で得た画像を、演算処理し、好適な画像を得る方法、プログラム、装置。特に、明るい像周辺の本来存在しない滲み状の色分布を目立たなくする画像処理に関する。
カラー撮像系では結像光学系の色収差により、画像上の明るい部分の周囲に本来存在しない青や赤、或いは双方が混じった紫色のアーチファクトが滲み状に生じる。これを色滲みもしくはパープルフリンジと称する。
色収差は、異なる分散を持つレンズを複数組み合わせることにより、ある程度光学的に低減することができる。しかし、デジタルカメラの小型化が進行し、イメージセンサ(撮像素子)の高解像度化と共に光学系の小型化に対する要求も高まり、色収差を光学のみで十分に低減することが困難となってきている。このため、画像処理によるアーティファクトの低減が求められている。
色収差は、横色収差(倍率色収差)と縦色収差(軸上色収差)に大別される。横色収差は、図1に示すように、光源10から発した光が結像光学系11によって焦点面12に結像するとき、波長450nm付近のB光線13、波長550nm付近のG光線14、波長650nmのR光線15の結像位置が像面方向にずれる現象である。縦色収差は、図2に示すように、光源20から発した光が結像光学系21によって焦点面22に結像するとき、B光線23、G光線24、R光線25の結像位置が光軸方向にずれる現象である。
横色収差に対しては、原色系のデジタル撮像系であれば、特許文献1にて開示されているように、RGBの各色プレーンに対して異なる歪曲を加える幾何変換によって補正される。
一方、縦色収差は、例えば可視光域の中心波長を担うGプレーンで合焦した画像においては、可視光域の端部となるRプレーンやBプレーンにおいては非合焦画像となる現象である。これは、横色収差のような幾何補正では補正できず、特許文献2にて開示されているように、色滲みが生じる領域での彩度を下げることにより目立たなくする。また、特許文献3にて開示されているように、RGBの各色プレーンに対し、異なる輪郭強調処理を加えて補正することもできる。
また、動画撮像においても、特許文献4にて開示されているように、前回の動画像フレームを用いて色滲みの発生部を探索し、今回の動画像フレームにおける対象部位をある程度特定することで、その部位に対する色滲み低減処理を行うことができる。
米国特許第6,724,702明細書 特開2001−145117号公報 特開2003−018407号公報 特開2006−135744号公報
しかしながら、特許文献2にて開示されているように彩度を下げる処理は、輝度の強い画素に相応する色を他の色の輝度レベルまで落とす処理である。この処理は、色滲みの色を消して不自然さを減らす効果はあるが、場合によっては被写体の本来の色も影響を受け、色滲みの有無にかかわらず画像がグレーがかる。
また、特許文献3にて開示された処理は、デコンボリューション(deconvolution)及びその近似的な輪郭協調処理であるが、適切な結果を得るために必要な正確な収差関数を得にくいという問題がある。結像光学系のズーム位置、絞り値、フォーカス位置、レンズ個々の寸法及び組み立て状態といった膨大な撮像条件の1つ1つに対応する収差関数を正確に把握することは難しい。また、デコンボリューションは、イメージセンサの線形反応境域でしか用いることができず、飽和画素周囲の色滲みを低減できない。
さらにこれら従来の色収差低減処理を、移動する高輝度被写体を撮像して得られた動画像に適用すると、色収差低減処理をする/しないといった時系列の不連続な処理によって、不自然な動画像が得られ、これを鑑賞している人に違和感を与える。
特許文献4にて開示された色滲み低減処理では、計算負荷を削減するために、前回の動画像フレームを利用するが、不連続な色滲み低減処理による違和感を緩和する効果はない。
本発明は、結像光学系の色収差によって画像内の明るい部分の周囲に出現する色滲みを効果的に除去し、かつ本来の色を再現する画像処理を行えるようにした画像処理装置及び画像処理方法を提供する。さらに本発明は、動画像を構成するフレーム画像間の不連続な色滲み低減処理による不自然さを減らすことができる画像処理装置及び画像処理方法を提供する。
本発明の一側面としての画像処理装置は、第1のフレーム画像と該第1のフレーム画像よりも後に得られた第2のフレーム画像を用いてカラー動画像の色滲み低減処理を行う。該画像処理装置は、第1のフレーム画像に対する色滲み低減処理に用いられた第1の色滲み低減量を記憶する記憶部と、第2のフレーム画像に対する空間演算を行って該第2のフレーム画像における色滲み推定量を求める推定部と、第1の色滲み低減量と色滲み推定量との差が所定範囲内の値になるように第2のフレーム画像に対する色滲み低減処理に用いる第2の色滲み低減量を求める決定部とを有することを特徴とする。
また、本発明の他の一側面としての画像処理装置は、第1のフレーム画像と該第1のフレーム画像よりも後に得られた第2のフレーム画像を用いてカラー動画像の色滲み低減処理を行う。該画像処理装置は、第1のフレーム画像に対する色滲み低減処理によって得られた第1の画素値を記憶する記憶部と、第2のフレーム画像に対する空間演算を行って該第2のフレーム画像における色滲み推定量を求める第1の推定部と、該第2のフレーム画像に対する色滲み推定量を用いた色滲み低減処理によって得られる推定画素値を求める第2の推定部と、第1の画素値と推定画素値との差が所定範囲内の値になるように第2のフレーム画像に対する色滲み低減処理の結果として出力する第2の画素値を求める決定部とを有することを特徴とする。
また、本発明の他の一側面としての画像処理方法は、第1のフレーム画像と該第1のフレーム画像よりも後に得られた第2のフレーム画像を用いてカラー動画像の色滲み低減処理を行う。該方法は、第1のフレーム画像に対する色滲み低減処理に用いられた第1の色滲み低減量を記憶するステップと、第2のフレーム画像に対する空間演算を行って該第2のフレーム画像における色滲み推定量を求めるステップと、第1の色滲み低減量と色滲み推定量との差が所定範囲内の値になるように第2のフレーム画像の色滲み低減処理に用いる第2の色滲み低減量を求めるステップとを有することを特徴とする。
さらに、本発明の他の一側面としての画像処理方法は、第1のフレーム画像と該第1のフレーム画像よりも後に得られた第2のフレーム画像を用いてカラー動画像の色滲み低減処理を行う。該方法は、第1のフレーム画像に対する色滲み低減処理によって得られた第1の画素値を記憶するステップと、第2のフレーム画像に対する空間演算を行って該第2のフレーム画像における色滲み推定量を求めるステップと、該第2のフレーム画像に対して色滲み推定量を用いた色滲み低減処理によって得られる推定画素値を求めるステップと、第1の画素値と推定画素値との差が所定範囲内の値になるように第2のフレーム画像に対する色滲み低減処理の結果として出力する第2の画素値を求めるステップとを有することを特徴とする。
本発明によれば、結像光学系の色収差によって出現する色滲みを効果的に低減し、かつ本来の被写体の色を十分に再現することができる。しかも、本発明では、第2のフレーム画像に対する色滲み低減量又は色滲み低減処理後の画素値を、その前に色滲み低減処理がなされた第1のフレーム画像に対する色滲み低減量又は処理後の画素値から所定の範囲内の値になるように制限する。このため、本発明によれば、動画像を構成するフレーム画像間の不連続な色滲み低減処理による不自然さを減らすことができる。
以下、本発明の好ましい実施例について図面を参照しながら説明する。
図3には、本発明の実施例1である画像処理装置を搭載した又は画像処理方法を使用するカラー撮像装置100を示す。
カラー撮像装置100は、結像光学系110と、イメージセンサ120と、AD変換部130と、デモザイク部140と、色滲み除去部150とを有する。また、撮像装置100は、視覚補正部160と、圧縮部170と、記録部180とを有する。
なお、図3中に示した写野90(撮像領域、被写体)及びR(赤)光線91,G(緑)光線92,B(青)光線93はカラー撮像装置100の構成要素ではないが、説明のため図示する。
図3において、撮像された写野90は、結像光学系110を経てイメージセンサ120上に結像する。一般に、カラー撮像装置に装着される結像光学系は、一定の色収差補正が施されている。本実施例の結像光学系110は、RとGの波長域の縦色収差が良好に補正され、Bの波長域の縦色収差が残存している。このようにBの波長域の縦色収差の補正基準を下げることにより、その他の収差補正を改善したり、撮像装置を小型化したりすることが可能となる。
イメージセンサ120は、一般的な原色カラーフィルタ系を備える単板カラーイメージセンサである。原色カラーフィルタ系は、図4に示すように、それぞれ650nm,550nm,450nmの近傍に透過主波長帯を持つ3種類の色フィルタ41,42,43により構成されており、それぞれR,G,Bの各バンドに対応する色プレーンを撮像する。
単板カラーイメージセンサでは、これらの色フィルタを図5に示すように画素毎に空間的に配列し、各画素に対しては単一の色プレーンにおける強度を得ることしかできない。このためイメージセンサ120からは色モザイク画像が出力される。
なお、不図示の色分解プリズムを用いて入射光をR,G,Bの波長域に分け、それぞれの波長の光を別々のイメージセンサで撮像する3板式カラーイメージセンサを用いてもよい。この場合、デモザイク部140は不要となる。
AD変換部130は、イメージセンサ120からアナログ電圧として出力される色モザイク画像を、これ以降の画像処理に適したデジタルデータに変換する。
デモザイク部140は、色モザイク画像を補間することによって、全ての画素がRGBの色情報を有するカラー画像を生成する。なお、この補間手法には単純な線形補間から、 E. Chang, S. Cheung, and D. Pan, “Color filter array recovery using a threshold-based variable number of gradients.” Proc. SPIE, vol. 3650, pp. 36-43, Jan.1999.にて紹介されている複雑な手法まで多くの手法が提案されている。本実施例における補間手法はこれら又はこれら以外のいずれでもよい。
なお、本実施例では、イメージセンサ120の色フィルタをR,G,Bからなる原色系とするが、補色系カラーフィルタとしてもよい。この場合、色変換処理によって、R,G,Bの色プレーンからなるカラー画像が得られる。
デモザイク部140で生成されたカラー画像におけるBプレーン(青プレーン)の解像度は、結像光学系110の色収差によって、Rプレーン(赤プレーン)やGプレーン(緑プレーン)に比べて劣っている。このため、図6に示すように、R,Gプレーンの像61よりもBプレーンの像62がぼやけ、明部の周囲に青い縁取りのような色滲み63が生じる。
色滲み除去部150は、カラー画像からこの青い縁取りのような色滲みを除去(低減)する。色滲み除去部150での色滲み除去処理(色滲み低減処理)については、後で詳しく説明する。
視覚補正部160は、主として画像の見栄えを改善するようにカラー画像を処理する。例えば、トーンカーブ(ガンマ)補正、彩度強調、色相補正、エッジ強調といった画像処理を行う。
処理の最後として、圧縮部170は、補正されたカラー画像をJPEG等の方法で画像圧縮を行い、記録時のサイズを小さくする。
圧縮処理が行われたカラー画像は、記録部180にて、ハードディスク、DVD、磁気テープ、フラッシュメモリ等の記録媒体に記録される
これらイメージセンサ120から記録部180までの処理部は、実際にはそれぞれ別々のデバイスによって構成されてもよいし、単一のマイクロプロセッサ上に構成されてもよい。
次に、色滲み除去部150での処理(画像処理方法)を図7のフローチャートを用いて説明する。色滲み除去部150は、空間演算ステップ151と,推定ステップ153と,領域判定ステップ152と、比較制限ステップ157と、過除去抑制ステップ154と、除去ステップ155と、画像処理値記憶ステップ156とを有する。
ここで、上記ステップ151〜157は、色滲み除去部150の構成と考えることもできる。画像処理値記憶ステップ156により記憶部が構成され、空間演算ステップ151と推定ステップ153とにより推定部が構成される。また、比較制限ステップ157により決定部が構成される。
本実施例では、Bプレーンを色滲みを除去する対象の色プレーンとし、Gプレーンを色滲み除去において参照する基準プレーンとする。
また、以下の説明において、撮像により得られるカラー動画像を構成する連続したフレーム画像群において、前回(直前回でなくてもよい)の処理の対象となったフレーム画像を第1のフレーム画像という。また、その後(今回)の処理の対象となるフレーム画像を第2のフレーム画像という。さらに、Bプレーン強度とは、Bプレーンでの画素値を表す。
図8には、高輝度な被写体の典型的なBプレーンのプロファイル81と、Gプレーンのプロファイル82を示す。RはGと同じプロファイルであるので、ここでの説明は省略する。図8の上側の図において、横軸は画像上の断面を示し、縦軸は強度を示す。また、中心部にイメージセンサの飽和レベルを超える高輝度被写体83を持つ。高輝度被写体83の周囲も、高輝度被写体83から結像光学系110の収差やフレアによって滲んだ光によって強度分布を持つ。この強度分布は、高輝度被写体83の強度に依存し、さらに高輝度被写体83から離れるにしたがって指数関数的に弱くなる。Gプレーンの強度分布範囲は、Bプレーンに比べて小さい。
イメージセンサ120によって図8の上図に示す高輝度被写体83を撮像すると、図8の下図に示すような画像が得られる。イメージセンサ120は、飽和レベル以上の強度を測定できないため、高輝度被写体83より一回り大きなGとBの飽和した白飽和領域84が形成される。そして、白飽和領域84の周囲に、Bが飽和してGが減衰していく水色飽和領域85と、BとGがともに減衰する水色領域86と、Gが消えてBのみが強度を持つ青領域87とが形成される。
このうち、水色飽和領域85、水色領域86及び青領域87の青滲みが不自然に感じられる。仮に、Bの滲みがGと同程度であれば、滲みは高輝度被写体83の色と認識され、自然な滲みとなる。
以上のように、滲みはイメージセンサ120の飽和レベルを超えた高輝度被写体83の明るさを示す有益な画像表現である。
本実施例においては、このBプレーンのプロファイルの傾きによって、カラー画像(第2のフレーム画像)におけるBの滲み量を推定する(すなわち、推定滲み量を求める)。
空間演算ステップ151では、Bプレーン及びGプレーンに対する輝度傾斜マップをそれぞれ∇B,∇Gとすると、∇B,∇Gを以下の式を用いた空間演算により計算する。
ここで、
G(x+1,y)とB(x+1,y)はそれぞれ、G及びBプレーンにおける注目画素の右隣の画素の値である。
G(x−1,y)とB(x−1,y)はそれぞれ、G及びBプレーンにおける注目画素の左隣の画素の値である。
G(x,y+1)とB(x,y+1)はそれぞれ、G及びBプレーンにおける注目画素の下隣の画素の値である。
G(x,y−1)とB(x,y−1)はそれぞれ、G及びBプレーンにおける注目画素の上隣の画素の値である。
推定ステップ153ではカラー画像(第2のフレーム画像)の各画素に対して、色滲みとなっている余計なBプレーンの強度を推定する。推定手法はBが飽和しているか、していないかによって異なるが、双方の場合に備えて推定ステップ1(158)及び推定ステップ2(159)により2種類の色滲み推定量E,Eを計算する。
Bが飽和していない水色領域86及び青領域87においては、推定ステップ1(158)により色滲み推定量Eを算出する。推定ステップ1(158)は、以下の式で示すように、Bの輝度傾斜∇Bの絶対値に係数kを乗じて色滲み推定量Eとする。
ここで、kは正値であり、3前後が好ましい。
一方、Bが飽和している水色飽和領域85では、Bの輝度傾斜は0になってしまい、飽和前の輝度傾斜が得られない。このような領域の色滲み推定量Eを推定ステップ2(159)により算出する。推定ステップ2(159)は、以下の式で示すように、Gの輝度傾斜∇Gによって推定滲み量Eを定める。
ここで、kは正値であり、3前後が好ましい。
領域判定ステップ152では、まずBプレーンの強度に対する非線形変換を行い、飽和度Sを生成する。この飽和度Sは、Bが飽和しているかどうかを示すものであり、Bの強度が飽和している領域では1になり、Bの強度が小さい領域では0となる。そして、この飽和度Sを用いて推定ステップ153で算出したE又はEを選択する。すなわち、新たな色滲み推定量Eを、
とする。
比較制限ステップ157では、画像処理値記憶ステップ156にて記憶された前回の色滲み除去量(すなわち、第1のフレーム画像に対する色滲み低減処理に用いられた第1の色滲み量低減量)Epを色滲み推定量Eから差し引く。そして、その差し引いた後の値(差)が、下限値l1から上限値l2までの所定範囲内にあれば、過除去抑制ステップ154に色滲み推定量(すなわち、第2のフレーム画像に対する色滲み軽減処理に用いる第2の色滲み低減量)Eを渡す。
また、色滲み除去量Epを色滲み推定量Eから差し引いた後の値が下限値l1より小さい場合は、色滲み除去量Epと下限値l1の和(第2の色滲み低減量)を過除去抑制ステップ154に渡す。さらに、色滲み除去量Epを色滲み推定量Eから差し引いた後の値が上限値l2より大きい場合は、色滲み除去量Epと上限値l2の和(第2の色滲み低減量)を過除去抑制ステップ154に渡す。
このように、本実施例では、第2のフレーム画像に対する色滲み推定量(第2の色滲み低減量)Eを、この色滲み推定量Eと第1のフレーム画像に対する処理で使用した色滲み除去量(第1の色滲み低減量)Epとの差が所定範囲内となるように制限する。
ここで、本実施例では、後述するように、過除去抑制ステップ154にて、色滲み推定量(第2の色滲み低減量)Eを修正して実際に第2のフレーム画像であるカラー画像に適用する色滲み除去量E′を求める。しかし、本発明では、比較制限ステップ157で求められる色滲み推定量Eを、色滲み除去量E′とともに「第2のフレーム画像に対する色滲み軽減処理に用いる第2の色滲み低減量」に含める。なお、後述する過除去抑制ステップ154は必ずしも設ける必要はない。
また、上述した下限値l1及び上限値l2の絶対値を、高輝度被写体に距離が近いほど大きく設定するようにしてもよい。また、下限値l1と上限値l2をほぼ同じとしてもよいし、ある程度違えてもよい。
ここで、点滅する高輝度被写体901を撮像して得られた画像を、図9A,9B,9Cに示す。また、典型的なBプレーンのプロファイル902と、Gプレーンのプロファイル903を同図に示す。RはGと同じプロファイルであるので、ここでの説明は省略する。
図9A,9B,9Cの上図において、横軸は画像上の断面を示し、縦軸は強度を示す。図9Bに示すように、高輝度被写体901の周囲にも、結像光学系110の収差やフレアによって滲んだ光による強度分布が生じる。この強度分布は、高輝度被写体901の強度に依存し、さらに高輝度被写体901から離れるにしたがって指数関数的に弱くなり、青滲み領域904と水色滲み領域907が出現する。
高輝度被写体901が、時刻T1(図9A)→時刻T2(図9B)→時刻T3(図9C)というように時間に伴って変化し、イメージセンサ120の飽和レベルを超えたり下回ったりする。この場合、青滲み領域904と水色滲み領域907が、図9Aに示すように消滅したり、図9Bに示すように出現したり、図9Cに示すように縮小したりする。
このように変化する高輝度被写体901の近傍の地点905のBプレーン強度、色滲み推定量、及び色滲み除去後のBプレーン強度の時間変化をそれぞれ、図10A、10B、10Cに示す。
図10Aに示すように、高輝度被写体901の光強度が増すにしたがい、地点905のBプレーン強度は増加し始め(1001)、やがて飽和レベルに達する(1002)。高輝度被写体901の光強度はさらに増加し、一定の値となる(1003)が、この間、Bプレーン強度は飽和しているので変化しない。そして、高輝度被写体901の光強度は減少し(1004)、Bプレーンの強度も飽和レベルを下回り(1005)、さらに減少して地点905のBプレーン強度が一定になる(1006)。
この間、図10Bに示すように、色滲み推定量を制限しない従来技術(1007)では、地点905の色滲み推定量は、領域判定ステップ152による推定ステップ1(158)と推定ステップ2(159)との切り換え(1002,1005)によって急変する。一方、本実施例(1008)では、色滲み推定量Eを前回の(第1のフレーム画像に対する)処理で用いられた色滲み除去量に対する差が所定範囲内の値になるように制限するので、色滲み推定量Eは緩やかに変化する。
この結果、図10Cに示すように、従来技術(1009)の場合は地点905の色滲み除去後のBプレーン強度は、上記切り換え時(1002,1005)に急変し、観察者に違和感を与える。一方、本実施例(1010)では、地点905の色滲み除去後のBプレーン強度は穏やかに変化し、観察者に違和感を与えにくい。
過除去抑制ステップ154では、上記比較制限ステップ157から渡された色滲み推定量Eをさらに修正し、実際に除去する色滲み量である色滲み除去量E′を決める。推定ステップ153で推定した色滲み量は一定のモデルに沿ったものであり、実際の滲み量とは必ずしも一致しない。例えば、同じBプレーンで検出される光であっても、波長450nmの光と波長400nmの光では滲み方が変化するが、推定ステップ153ではこれを考慮していない。除去量が過小である場合、除去後も若干の青みが残る。
一方、除去量が過大であると、灰色の背景に対してBを減らしすぎ、黄緑色になってしまう。特に、後者は不自然で、観察者に大きな違和感を与える。そこで、過除去抑制ステップ154では、一定の色相範囲内でのみ色滲み除去が作用するよう制限する。
このため、まず、画素の色度を計算する。R,G,Bの各プレーンの強度に対し、
とする。
この色度座標ab面を図11に示す。青色は第4象限にあり、Bプレーン強度から推定量Eを除去すると、点線矢印321のように左上方向へ移動する。矢印の始点が除去前の色度であり、先端が推定量Eを除去した後の色度である。
このことから、色滲み除去が作用する色相範囲をa>0、かつb<0に制限すると、
B>0.22R+0.68G、かつB>−1.84R+3.30G
となる。
このため、ステップ154では、この条件を満たさない画素に対してE′=0とし、除去対象から外す。これにより、これらの画素は除去ステップ155によって変化せず、色滲み除去部150によって画素値が影響を受けることがない。すなわち、この条件を満たす画素のみが除去対象となる。
さらに、条件を満たす画素に対しても色滲み除去量E′を、
E′=min(E,B−(0.22R+0.68G),B−(−1.84R+3.30G))
として、除去ステップ155に渡す。この色滲み除去量E′に対応する滲みの除去による色度変化は、図11に実線矢印322で示すように、第4象限内に留まる。これにより、除去ステップ155により色相制限範囲を超えてBが減少されるのを防ぐ。
除去ステップ155では、上記色滲み除去量E′をBプレーンの強度から減じて、新たなBプレーン強度を、
B=B−E′
とする。
画像処理値記憶ステップ156では、上記色滲み除去量E′をEpとして記憶し、これ以降の処理(第2のフレーム画像の後に得られるフレーム画像に対する処理)に備える。
このようにBプレーンを修正したカラー画像を、色滲み除去部150の出力として視覚補正部160に渡す。
このように、本実施例によれば、明滅したり移動したりする高輝度被写体の青滲みが効果的に除去され、自然で違和感のないカラー動画像が得られる。
また、付随する結像光学系110においては、B波長域のおける縦色収差の制限を緩めることができるので、その他の収差補正を向上させたり、撮像装置を小型化したりすることができる。
次に、本発明の実施例2について説明する。実施例1では、色滲み推定量Eを制限したが、本実施例では、色滲み推定量を除去した後のBプレーン強度(すなわち、色滲み低減処理後の第2のフレーム画像の画素値)を制限する。このため、図3に示したカラー撮像装置のうち色滲み除去部150で行われる処理が実施例1とは異なる。
本実施例の色滲み除去部150での処理を図12のフローチャートを用いて説明する。色滲み除去部150は、空間演算ステップ1151と、推定ステップ1153と、領域判定ステップ1152と、除去推定ステップ1158と、比較制限ステップ1157とを有する。さらに、過除去抑制ステップ1154と、除去ステップ1155と、画像処理値記憶ステップ1156とを有する。
ここで、上記ステップ1151〜1158は、色滲み除去部150の構成と考えることもできる。画像処理値記憶ステップ1156により記憶部が構成され、空間演算ステップ1151と推定ステップ1153とにより第1の推定部が構成される。また、除去推定ステップ1158により第2の推定部が構成され、比較制限ステッ1プ157により決定部が構成される。
空間演算ステップ1151,推定ステップ1153,領域判定ステップ1152,過除去抑制ステップ1154及び除去ステップ1155での処理は、実施例1と同様である。ただし、過除去抑制ステップ1154及び除去ステップ1155で扱うのは、色滲み推定量ではなく、推定画素値としてのBプレーン強度である。推定ステップ1153には、実施例1で説明したのと同様な推定ステップ1(2158)と推定ステップ2(2159)が設けられている。
除去推定ステップ1158は、第2のフレーム画像であるカラー画像のBプレーン強度から、推定ステップ1153にて得られた色滲み推定量Eを差し引いて、色滲み除去後の推定画素値としてのBプレーン強度を求める。
比較制限ステップ1157は、上記推定画素値としてのBプレーン強度から、画像処理値記憶ステップ1156で記憶したBプレーン強度(すなわち、第1のフレーム画像に対する色滲み軽減処理の結果得られた第1の画素値)Bpを差し引く。そして、この差し引いた後の値(差)が、下限値l3から上限値l4までの所定範囲内にあれば、この推定画素値であるBプレーン強度を、第2の画素値として過除去抑制ステップ1154に渡す。
また、上記差し引いた後の値が下限値l3を下回った場合は、下限値l3とBプレーン強度Bpの和であるBプレーン強度(第2の画素値)を過除去抑制ステップ1154に渡す。さらに、該差し引いた後の値が上限値l4を上回った場合は、上限値l4とBプレーン強度Bpの和であるBプレーン強度(第2の画素値)を過除去抑制ステップ1154に渡す。
このように、本実施例では、第2のフレーム画像に対する色滲み除去後に出力するBプレーン強度(第2の画素値)を制限する。すなわち、第2のフレーム画像に対する色滲み除去後に得られると推定されるBプレーン強度(推定画素値)と、第1のフレーム画像に対する色滲み除去によって得られたBプレーン強度(第1の画素値)Bpとの差が所定範囲内となるように制限する。
なお、本実施例でも、実施例1と同様に、過除去抑制ステップ1154にて第2の画素値としてのBプレーン強度を修正して実際に出力するカラー画像の画素値を求める。しかし、本発明では、比較制限ステップ1157で求められるBプレーン強度を、過除去抑制ステップ1154で修正されたBプレーン強度とともに、「第2のフレーム画像に対する色滲み軽減処理の結果として出力する第2の画素値」に含める。なお、過除去抑制ステップ1154は必ずしも設ける必要はない。
また、上記下限値l3及び上限値l4の絶対値を、高輝度被写体に近いほど大きく設定するようにしてもよい。また、下限値l3と上限値l4をほぼ同じとしてもよいし、ある程度違えてもよい。
図9A〜図9Cに示したようにその輝度が変化する高輝度被写体901の近傍地点905のBプレーン強度、色滲み推定量、及び色滲み除去後のBプレーン強度の時間変化をそれぞれ、図13A,13B,13Cに示す。
図13Aに示すように、高輝度被写体901の光強度が増すにしたがって、図9Aに示す地点905のBプレーン強度が増加し(1301)、やがて飽和レベルに達する(1302)。高輝度被写体901の光強度はさらに増加して一定の値となる(1303)が、Bプレーン強度は飽和しているので変化しない。そして、高輝度被写体901の光強度は減少し始め(1304)、Bプレーン強度も飽和レベルを下回り(1305)、さらに減少して地点905でのBプレーン強度が一定になる(1306)。
この間、図13Bに示すように、地点905の色滲み推定量は、領域判定ステップ1152による推定ステップ1(2158)と推定ステップ2(2159)との切り換え(1302,1305)により急変する。
この結果、従来技術(1307)の場合は、図13Cに示すように、地点905の色滲み除去後のBプレーン強度は、上記切り換え(1302,1305)によって急変し、観察者に違和感を与える。一方、本実施例(1308)では、地点905の色滲み除去後のBプレーン強度は穏やかに変化し、観察者に違和感を与えにくい。
画像処理値記憶ステップ1156は、Bプレーン強度をBpとして記憶し、これ以降の処理(第2のフレーム画像の後に得られるフレーム画像に対する処理)に備える。
このように、本実施例によれば、明滅したり移動したりする高輝度被写体の青滲みが効果的に除去され、自然で違和感のないカラー動画像が得られる。
また、本実施例のカラー撮像装置は、少なくとも1つの色プレーンに対応する波長域の色収差を光学系によって抑え、その他の色収差を画像処理によって抑えるので、こららの組み合わせによって好適な画像を得ることができる。
次に、本発明の実施例3について説明する。本実施例では、実施例1で説明した色滲み推定量を制限するための下限値と上限値を空間演算結果に基づいて変更する例について説明する。
図9A〜9Cに示した地点906は、地点905よりも高輝度被写体901に近く、色滲み推定量も大きい。色滲み推定量を制限する下限値と上限値を画像内で一定にした場合、図14に示す色滲み除去前のBプレーン強度1401と除去後のBプレーン強度1402とを比較して分かるように、上限値に比べて小さな色滲みの地点905では十分に色滲みを取り除ける。しかし、上限値を超える大きな色滲みの地点906では、色滲みを十分に取り除けず、観察者に違和感を与えることがある。
高輝度被写体901からの距離と高輝度被写体901の明るさにより、空間演算ステップ151で計算した輝度傾斜(すなわち、空間演算値)∇G,∇Bは大きくなる。
本実施例では、高輝度被写体901からの距離と高輝度被写体901の明るさを、輝度傾斜∇G,∇Bに基づいて推定し、色滲み推定量を制限するための上限値及び下限値を変更する。すなわち、空間演算の結果に基づいて上限値及び下限値を変更する。これにより、高輝度被写体901に近い地点906の色滲み推定量の制限が緩和される。したがって、色滲み除去後のBプレーン強度1403に示すように、地点905と同様に、色滲みを十分除去して観察者に違和感のない画像を提供できる。
このように、本実施例によれば、明滅したり移動したりする高輝度被写体の青滲みが効果的に除去され、自然で違和感のないカラー動画像が得られる。
また、実施例2における上限値と下限値についても、同様に、空間演算の結果に基づいて変更してもよい。
次に、本発明の実施例4について説明する。本実施例では、領域判定ステップ152で色滲み推定量を切り換えるときに限り色滲み推定量を比較制限することで、比較的速く移動したり点滅したりする高輝度被写体の色滲みを違和感なく除去する例について説明する。
図15Aには、色滲み除去前のBプレーン強度の時間に伴う変化を示す。この図に示すように、地点905のBプレーン強度が高輝度被写体901の比較的速い点灯1501や消灯1502によって急激に変化すると、色滲み推定量の制限によって、図15Bに1503で示すように、色滲み推定量が時間とともに変化する。この結果、図15Cに1505で示すように、色滲み除去後のBプレーン強度の時間変化が急峻となり、観察者に違和感を与える。
本実施例では、領域判定ステップ152において推定ステップ1(158)と推定ステップ2(159)を切り換えるときに限り、色滲み推定量を制限する。これにより、高輝度被写体901が比較的速く点滅したときに、図15Bに1504で示すように、それに追従した色滲み推定量が求められる。この結果、図15Cに1506で示すように、色滲み除去後のBプレーン強度の変化が緩やかとなり、観察者に違和感のない画像を提供できる。
このように、本実施例によれば、明滅したり移動したりする高輝度被写体の青滲みが効果的に除去され、自然で違和感のないカラー動画像が得られる。
また、上記実施例1〜4では、結像光学系110から記録部180までの全部を備えたカラー撮像装置について説明した。しかし、カラー撮像装置とは別の装置として、少なくとも色滲み除去部150を有する画像処理装置(パーソナルコンピュータ等)を構成してもよい。この場合、カラー撮像装置により撮像されて半導体メモリ、磁気/光ディスク等の記録媒体に格納されたカラー画像が画像処理装置に入力されるようにすればよい。また、カラー撮像装置と画像処理装置とをケーブルや無線LAN等によって接続し、カラー撮像装置から画像処理装置に画像が送信されるようにしてもよい。
以下、上記実施例で説明した各ステップについて説明を補足する。
(1)空間演算ステップは、除去対象色プレーンと基準プレーンを参照し、除去対象色プレーンと基準プレーンの強度傾斜を演算する。基準プレーンは、結像光学系の色収差を良好に補正した波長域の強度を示す色プレーンや、輝度を示すプレーンであり、一般的にはGプレーンやYプレーンである。
(2)推定ステップは、強度傾斜(輝度傾斜)に依存した値を出力する。単純に、強度傾斜に比例した値を出力とすることもできる。また、除去対象色プレーン内の輝度飽和画素の有無により、色滲み推定量の推定方法を切り換えたり、複数の色滲み推定量から1つを選択したり、複数の色滲み推定量を補間したりすることもできる。
(3)除去ステップは、除去対象色プレーンの画像強度を減算する。除去対象となる色プレーンはRプレーン又はBプレーンでであるが、これらに対応する色味を表す色差プレーンU/Vとすることもできる。
(4)また、除去ステップの前段に、色滲み推定量に過不足があった場合に備えて、過除去抑制ステップを設けてもよい。過除去抑制ステップは、一定の色域の画素のみを除去対象とし、さらに、除去後に一定の色域に留まるようにする。この過除去抑制操作を、色相角を一定の角度内にすることにより実現してもよい。
また、除去対象色プレーンの強度が基準プレーンの強度より大きい画像範囲のみを除去対象としてもよい。推定量が不足すると、除去不足によって若干の色滲みが残る。一方、推定量が過大であると、過除去によって色滲みが除去された部分の色相が反転する。発明者の実験によれば、除去不足よりも過除去の画像の方が不自然に感じられる。また、多少除去不足として色滲みを残すと、被写体本来の明るさや色を識別しやすい。
(5)実施例1の比較制限ステップは、動画像フレーム(第2のフレーム画像)Bの色滲み推定量と、記憶していた動画像フレーム(第1のフレーム画像)Aの処理に用いた色滲み除去量との差が所定範囲内である場合に、該色滲み推定量を次の処理に渡す。色滲み推定量が該所定範囲の上限を超えた場合には、上限値とフレームAで用いた色滲み除去量との和を色滲み推定量として次の処理に渡す。また、色滲み推定量が該所定範囲の下限を下回った場合は、下限値とフレームAで用いた色滲み除去量との和を色滲み推定量として次の処理に渡す。
(6)実施例2の比較制限ステップは、動画像フレームBから色滲み推定量を除去した後の画素値と、記憶していた動画像フレームAの画素値との差が所定範囲内である場合は、該色滲み推定量を除去した後の画素値を次の処理に渡す。画素値が該所定範囲の上限を超えた場合は、上限値と動画像フレームAの画素値との和を、動画像フレームBから色滲み推定量を除去した後の動画像フレームBの画素値として次の処理に渡す。また、画素値が該所定範囲の下限を下回った場合は、下限値と動画像フレームAの画素値との和を、動画像フレームBから色滲み推定量を除去した後の動画像フレームBの画素値として次の処理に渡す。
(7)上記所定範囲を、空間演算結果に基づいて変更してもよい。輝度傾斜が大きく、色滲み量が大きいと推定される場所では、色滲みをより多く除去(低減)するように、空間演算結果に基づいて上記所定範囲を変更する。
(8)また、空間演算ステップにおいて、画像内の高輝度被写体を探索し、推定ステップにて高輝度被写体からの距離により色滲み量を推定してもよい。また、空間演算ステップにて、画像内の高輝度被写体を探索し、推定ステップにて結像光学系で定まるポイントスプレッドファンクションから高輝度被写体のぼけ像を求め、これにより色滲み量を推定してもよい。
以上説明した各実施例は代表的な例にすぎず、本発明の実施に際しては、各実施例に対して種々の変形や変更が可能である。
横色収差の説明図。 縦色収差の説明図。 本発明の実施例1であるカラー撮像装置の構成を示すブロック図。 色フィルタの分光透過率を示すグラフ。 色フィルタの配置を示す図。 明暗境界での像強度を示す図。 実施例1における色滲み除去部の処理を示すフローチャート。 高輝度被写体のプロファイルの説明図。 プロファイルの時間変化を示す説明図。 プロファイルの時間変化を示す説明図。 プロファイルの時間変化を示す説明図。 実施例1において色滲み推定量を制限する効果を説明する図。 実施例1において色滲み推定量を制限する効果を説明する図。 実施例1において色滲み推定量を制限する効果を説明する図。 色滲み除去による色度図上の変化を説明する図。 本発明の実施例2における色滲み除去部の処理を示すフローチャート。 実施例2において色滲み除去後のBプレーン強度を制限する効果を説明する図。 実施例2において色滲み除去後のBプレーン強度を制限する効果を説明する図。 実施例2において色滲み除去後のBプレーン強度を制限する効果を説明する図。 本発明の実施例3において、色滲み推定量を空間演算ステップにより変更する効果を説明する図。 本発明の実施例4において、色滲み推定量の制限を推定ステップでの色滲み推定値の切り換え時に限定する効果を説明する図。 実施例4において、色滲み推定量の制限を推定ステップでの色滲み推定値の切り換え時に限定する効果を説明する図。 実施例4において、色滲み推定量の制限を推定ステップでの色滲み推定値の切り換え時に限定する効果を説明する図。
符号の説明
61 RとGプレーンの像
62 Bプレーンの像
63 色滲み
81 Bプレーンのプロファイル
82 Gプレーンのプロファイル
83 高輝度被写体
84 白飽和領域
85 水色飽和領域
86 水色領域
87 青領域
90 写野
110 結像光学系
120 イメージセンサ
130 AD変換部
140 デモザイク部
150 色滲み除去部
151,1151 空間演算ステップ
152,1152 領域判定ステップ
153,1153 推定ステップ
154,1154 過除去抑制ステップ
155,1155 除去ステップ
156,1156 画像処理値記憶ステップ
157,1157 比較制限ステップ
1158 除去推定ステップ
160 視覚補正部
170 圧縮部
180 記録部
901 高輝度被写体
902 Bプレーンのプロファイル
903 Gプレーンのプロファイル
904 青滲み領域
905,906 高輝度被写体の近傍地点
907 水色滲み領域

Claims (5)

  1. 第1のフレーム画像と該第1のフレーム画像よりも後に得られた第2のフレーム画像を用いてカラー動画像の色滲み低減処理を行う画像処理装置であって、
    前記第1のフレーム画像に対する前記色滲み低減処理に用いられた第1の色滲み低減量を記憶する記憶部と、
    前記第2のフレーム画像に対する空間演算を行って該第2のフレーム画像における色滲み推定量を求める推定部と、
    前記第1の色滲み低減量と前記色滲み推定量との差が所定範囲内の値になるように前記第2のフレーム画像に対する前記色滲み低減処理に用いる第2の色滲み低減量を求める決定部とを有することを特徴とする画像処理装置。
  2. 第1のフレーム画像と該第1のフレーム画像よりも後に得られた第2のフレーム画像を用いてカラー動画像の色滲み低減処理を行う画像処理装置であって、
    前記第1のフレーム画像に対する前記色滲み低減処理によって得られた第1の画素値を記憶する記憶部と、
    前記第2のフレーム画像に対する空間演算を行って該第2のフレーム画像における色滲み推定量を求める第1の推定部と、
    該第2のフレーム画像に対する前記色滲み推定量を用いた前記色滲み低減処理によって得られる推定画素値を求める第2の推定部と、
    前記第1の画素値と前記推定画素値との差が所定範囲内の値になるように前記第2のフレーム画像に対する前記色滲み低減処理の結果として出力する第2の画素値を求める決定部とを有することを特徴とする画像処理装置。
  3. 前記決定部は、前記空間演算の結果に基づいて、前記所定範囲を変更することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理装置。
  4. 第1のフレーム画像と該第1のフレーム画像よりも後に得られた第2のフレーム画像を用いてカラー動画像の色滲み低減処理を行う画像処理方法であって、
    前記第1のフレーム画像に対する前記色滲み低減処理に用いられた第1の色滲み低減量を記憶するステップと、
    前記第2のフレーム画像に対する空間演算を行って該第2のフレーム画像における色滲み推定量を求めるステップと、
    前記第1の色滲み低減量と前記色滲み推定量との差が所定範囲内の値になるように前記第2のフレーム画像の前記色滲み低減処理に用いる第2の色滲み低減量を求めるステップとを有することを特徴とする画像処理方法。
  5. 第1のフレーム画像と該第1のフレーム画像よりも後に得られた第2のフレーム画像を用いてカラー動画像の色滲み低減処理を行う画像処理方法であって、
    前記第1のフレーム画像に対する前記色滲み低減処理によって得られた第1の画素値を記憶するステップと、
    前記第2のフレーム画像に対する空間演算を行って該第2のフレーム画像における色滲み推定量を求めるステップと、
    該第2のフレーム画像に対して前記色滲み推定量を用いた前記色滲み低減処理によって得られる推定画素値を求めるステップと、
    前記第1の画素値と前記推定画素値との差が所定範囲内の値になるように前記第2のフレーム画像に対する前記色滲み低減処理の結果として出力する第2の画素値を求めるステップとを有することを特徴とする画像処理方法。
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