JP2011041094A - 画像処理装置、撮像装置および画像処理方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】画像処理装置は、撮影により生成されたカラー画像に含まれる色滲みを色滲み検出パラメータを用いて検出する色滲み検出手段150と、色滲みを低減するための補正量を色滲み補正パラメータを用いて算出し、該補正量を用いてカラー画像に対する色滲み低減処理を行う処理手段150とを有する。そして、該装置は、色滲み検出パラメータおよび色滲み補正パラメータのうち少なくとも一方のパラメータをユーザに設定させるためのユーザインターフェース手段190,200を有する。
【選択図】図3
Description
色収差は、異なる分散を持つレンズを複数組み合わせることにより、ある程度光学的に低減することができる。しかし、デジタルカメラの小型化が進行し、イメージセンサ(撮像素子)の高解像度化と共に光学系の小型化に対する要求も高まり、色収差を光学のみで十分に低減することが困難となってきている。このため、画像処理によるアーティファクトの低減が求められている。
色収差は、横色収差(倍率色収差)と縦色収差(軸上色収差)に大別される。横色収差は、図1に示すように、光源から発した光が結像光学系によって焦点面に結像するとき、波長450nm付近のB光線、波長550nm付近のG光線、波長650nmのR光線の結像位置が像面方向にずれる現象である。縦色収差は、図2に示すように、光源から発した光が結像光学系によって焦点面に結像するとき、B光線、G光線、R光線の結像位置が光軸方向にずれる現象である。
一方、縦色収差は、例えば可視光域の中心波長を担うGプレーンで合焦した画像においては、可視光域の端部となるRプレーンやBプレーンにおいては非合焦画像となる現象である。これは、横色収差のような幾何補正では補正できないが、特許文献2にて開示されているように、色滲みが生じる領域での彩度を下げることにより目立たなくすることができる。具体的には、RGBの各色プレーンに対し、デコンボリューション(deconvolution)処理およびその近似的な処理である輪郭強調処理を行って色滲みを目立たなくする。
これに対し、特許文献3や特許文献4にて開示された方法では、画像から、色滲みの検出に用いられる検出パラメータと色滲みの補正(低減)処理に用いられる補正パラメータを算出する。このため、画像さえあれば良好に色滲みを低減することが可能である。ただし、特許文献3にて開示されているように彩度を下げる処理は、輝度の強い画素に相応する色を他の色の輝度レベルまで落とす処理である。この処理は、色滲みの色を消して不自然さを減らす効果はあるが、場合によっては被写体の本来の色も影響を受け、色滲みの有無にかかわらず画像がグレーがかる。
また、特許文献4にて開示された方法では、画像内の白飛び領域の検出が必要である。しかも、白飛び領域の階調、白飛び領域の周辺の色滲み領域の大きさ(画素距離)および色滲みの色相範囲等、画像の内容に密接に関係する色滲みに関する物理量を指定する必要がある。このため、画像の内容が少しでも変わるとパラメータを流用することができないという問題がある。また、周辺画素による穴埋め処理で色滲みを解消するため、間違った周辺画素で穴埋めしてしまう可能性もある。
これに対し、特許文献5にて光学系の設計情報や収差量、撮影条件等が不明であっても、画像内の強度:傾斜を調べて色滲みを検出し、色滲みの輝度傾斜と色プレーン間の輝度差に基づいて色滲みを補正する方法(以下、輝度傾斜法という)が提案されている。この輝度傾斜法によれば、彩度低下や穴埋め補間を行う場合よりも自然な色滲み補正を行うことができる。
また、輝度傾斜法は、輝度傾斜および色プレーン間の輝度差といったより抽象的な量を基準とする。すなわち、白飛び領域の階調、白飛び領域を基準とした色滲み領域の範囲、色滲み領域の色相や彩度といった画像の内容に密接な物理量をパラメータとしない。このため、より多様な場面で撮影した画像に対しても、ロバストに色滲み補正を行えることが期待される。
補正パラメータを設定するユーザーインターフェース(UI)は、特許文献4にて開示されている。
しかしながら、特許文献4にて開示された色滲み補正方法では、前述したように、画像の内容に密接にかかわる物理量をパラメータとする。このため、UIにおいても白飛び領域の輝度、白飛び領域周辺の色滲み領域の大きさ(画素距離)、色滲み領域の色相・彩度、補正後の色相・彩度といった画像処理に不慣れなユーザにはわかりにくい専門的なパラメータを複数設定する必要がある。
また、特許文献4にて開示された色滲み補正方法は、入力画像ごとにパラメータを決定することが前提となっている。さらに、輝度傾斜法は、他の従来の補正方法に比べて、パラメータ数が少なく、かつ抽象度の高いパラメータを用いる。このため、ユーザに分かりにくいパラメータの入力を課したり、パラメータのロバスト性を生かしていなかったりする。
そこで、本発明は、良好な色滲みの検出処理と低減処理を行うためのパラメータをユーザが容易に設定できるようにした画像処理装置および画像処理方法を提供する。
また、本発明の他の一側面としての画像処理方法は、撮影により生成されたカラー画像に含まれる色滲みを色滲み検出パラメータを用いて検出する色滲み検出ステップと、色滲みを低減するための補正量を色滲み補正パラメータを用いて算出し、該補正量を用いてカラー画像に対する色滲み低減処理を行う処理ステップとを有する。そして、該方法は、検出パラメータおよび補正パラメータのうち少なくとも一方のパラメータを、ユーザインターフェースを通じてユーザに設定させるパラメータ設定ステップを有することを特徴とする。
カラー撮像装置100は、結像光学系110と、イメージセンサ120と、AD変換部130と、デモザイク部140と、色滲み除去部150とを有する。また、撮像装置100は、視覚補正部160と、圧縮部170と、記録部180と、表示部190と、操作部200と、メモリ部210と、ズーム状態読取部220とを有する。
なお、図3中に示した写野(撮像領域,被写体)fやR(赤),G(緑),B(青)の光線は、カラー撮像装置100の構成要素ではないが、説明のため図示している。
写野fからの光線は、結像光学系110によってイメージセンサ120上に結像する。一般に、カラー撮像装置に設けられる結像光学系は、一定の色収差補正が施されている。本実施例の結像光学系110は、全ての波長域においてある程度、縦色収差が補正されているが、特にG波長域での縦色収差が良好に補正されており、他波長ではG波長域よりも多くの縦色収差が残存している。このようにBの波長域の縦色収差の補正基準を下げることにより、その他の収差補正を改善したり、撮像装置を小型化したりすることが可能となる。
イメージセンサ120は、一般的な原色カラーフィルタ系を備える単板カラーイメージセンサである。原色カラーフィルタ系は、図4に示すように、それぞれ650nm,550nm,450nmの近傍に透過主波長帯を持つ3種類の色フィルタにより構成されており、それぞれR,G,Bの各バンドに対応する色プレーンを撮像する。単板カラーイメージセンサでは、これらの色フィルタを図5に示すように画素毎に空間的に配列し、各画素に対しては単一の色プレーンにおける強度を得ることしかできない。このためイメージセンサ120からは色モザイク画像が出力される。
なお、不図示の色分解プリズムを用いて入射光をR,G,Bの波長域に分け、それぞれの波長の光を別々のイメージセンサで撮像する3板式カラーイメージセンサを用いてもよい。この場合、デモザイク部140は不要となる。
AD変換部130は、イメージセンサ120からアナログ電圧として出力される色モザイク画像を、これ以降の画像処理に適したデジタルデータに変換する。
デモザイク部140は、色モザイク画像を補間することによって、全ての画素がRGBの色情報を有するカラー画像を生成する。イメージセンサ120、AD変換部130およびデモザイク部140によって、撮影によりカラー画像を生成する撮像系が構成される。
デモザイク部140で生成されたカラー画像は、結像光学系110の色収差によって、RプレーンやGプレーンに比べてBプレーンの解像度が劣る画像となる。このため、明暗の境界部では、例えば図6に示すように、Bの色滲みが生じ、明部の周囲に青い縁取りのようなアーティファクトが生じる。
なお、本実施例では、イメージセンサ120の色フィルタをR,G,Bからなる原色系とするが、補色系カラーフィルタとしてもよい。この場合、色変換処理によって、R,G,Bの色プレーンからなるカラー画像が得られる。
色滲み除去部(処理手段)150は、画像処理によって、カラー画像(入力画像)からこの青色のアーチファクトを除去(低減)する。色滲み除去部150での色滲み除去処理(色滲み低減処理)については、後で詳しく説明する。
視覚補正部160は、主として画像の見栄えを改善するための処理をカラー画像に対して行う。例えば、トーンカーブ(ガンマ)補正、彩度強調、色相補正、エッジ強調といった画像補正が行われる。
圧縮部170は、視覚補正部160にて補正されたカラー画像をJPEG等の画像圧縮方法で圧縮し、記録時のサイズを小さくする。圧縮処理が行われたカラー画像は、記録部180にて、ハードディスク、DVD、磁気テープ、フラッシュメモリ等の記録媒体に記録される
これらイメージセンサ120から記録部180までの処理部は、実際にはそれぞれ別々のデバイスによって構成されてもよいし、単一のマイクロプロセッサ上に構成されてもよい。
表示部190および操作部200は、ユーザインターフェースを構成する。表示部190は、液晶パネルや有機ELパネル等の表示素子(表示素子)により構成されている。表示部190は、各種処理の前後の画像や各種パラメータをユーザに設定又は変更させるためのグラフィカルユーザインターフェース(GUI)を表示する。
操作部200には、ボタン、十字キー、スティック、ダイヤル等の操作部材を有する。ユーザが該操作部材を操作することにより、表示部190に表示されたメニュー項目を選択したり、各種パラメータを設定又は変更したりすることができる。
メモリ部210はフラッシュメモリ等により構成されており、ここには各種パラメータのプリセット値が記録されている。各種パラメータには、色滲み除去に関するパラメータとして、色滲み検出パラメータと色滲み補正パラメータが含まれている。色滲み検出パラメータは、カラー画像中の色滲み(色滲み領域)を検出する色滲み検出処理に用いられる。また、色滲み補正パラメータは、色滲みを除去(低減)する色滲み除去処理(色滲み低減処理)に用いられる。
ズーム状態読取部220は、結像光学系110のズーム状態を読み取るエンコーダにより構成されている。前述した色滲み検出パラメータおよび色滲み補正パラメータは、ズーム状態を変数とするテーブルデータとしてメモリ部210に記録されている。
色滲み除去部150は、ズーム状態読取部220によって読み取られたズーム状態に対応する色滲み検出パラメータおよび色滲み補正パラメータをメモリ部210内のテーブルデータから読み出す。
次に、色滲み除去部150での処理を図7のフローチャートを用いて説明する。色滲み除去部150での処理は、空間演算ステップS151と、色滲み推定ステップS153と、領域判定ステップS152と、過除去抑制ステップS154と、除去ステップS155とにより構成されている。なお、これら各ステップでの処理は、撮像装置100内の不図示のメモリに格納されたコンピュータプログラムに従って実行される。このことは、後述する他の実施例でも同じである。
ここで、上記ステップS151〜S155は、色滲み除去部150の構成と考えることもできる。空間演算ステップS151および領域判定ステップS152により色滲み検出手段および色滲み検出ステップが構成される。また、推定ステップS153、過除去抑制ステップS154および除去ステップS155により処理手段又は処理ステップが構成される。
本実施例では、Rプレーンを色滲みを除去する対象の色プレーンとし、Gプレーンを色滲み除去において参照する基準プレーンとする。
空間演算ステップS151では、GプレーンおよびBプレーンの輝度傾斜マップをそれぞれ∇B,∇Gとすると、∇B,∇Gを以下の式を用いた空間演算により計算する。
B(x+1,y)とG(x+1,y)はそれぞれ、BおよびGプレーンにおける注目画素の右隣の画素の値である。
B(x−1,y)とG(x−1,y)はそれぞれ、BおよびGプレーンにおける注目画素の左隣の画素の値である。
B(x,y+1)とG(x,y+1)はそれぞれ、BおよびGプレーンにおける注目画素の下隣の画素の値である。
B(x,y−1)とG(x,y−1)はそれぞれ、BおよびGプレーンにおける注目画素の上隣の画素の値である。
推定ステップS153ではカラー画像の各画素に対して、色滲みとなっている余計なBプレーンの強度を推定する。推定手法はBが飽和しているか、していないかによって異なるが、双方の場合に備えて推定ステップ1(S153a)および推定ステップ2(S153b)により2種類の色滲み推定量E1,E2を計算する。
本実施例では、基本的にBの輝度プロファイルの傾きによってBの滲み量を推定する。そこで、推定ステップ1(S153a)では、以下の式で示すように、Bの輝度傾斜∇Bの絶対値に係数k1を乗じて色滲み推定量E1とする。
一方、Bが飽和している水色飽和領域では、Bの輝度傾斜は0になってしまい、飽和前の輝度傾斜が得られない。このような領域の色滲み推定量E2を推定ステップ2(S153b)により算出する。推定ステップ2(S153b)では、以下の式で示すように、Gの輝度傾斜∇Gによって色滲み推定量E2を定める。
領域判定ステップS152では、まず、通常のグラデーションを色滲みと誤判定することを防止するため、∇B/∇Gを計算し、その値が閾値k3よりも大きい場合には色滲み補正をしないこととして、色滲み領域を判定する。
次に、領域判定ステップS152では、Bプレーンの強度に対する非線形変換を行い、飽和度Sを生成する。この飽和度Sは、Bが飽和しているかどうかを示すものであり、Bの強度が飽和している領域では1になり、Bの強度が小さい領域では0となり、Bの強度が中程度である領域では0より大きく1より小さい値になる。
具体的には、図8に示すように、画素値Iとの関係で飽和度Sを生成する。εは画素値Iに対する閾値である。I≧Imax−ε(Imaxは画素値Iの最大値)であれば、S=1とする。I<εであれば、S=0とする。また、Imax−ε>I≧εであれば、0<S<1となるように画素値Iに比例するように飽和度Sを生成する。
そして、領域判定ステップS152では、この飽和度Sを用いて推定ステップS153で算出したE1又はE2を新たな色滲み推定量Eとして選択する。飽和度Sが0又は1であれば、新たな色滲み推定量Eを、
また、0<S<1であれば、新たな色滲み推定量Eを、
E=(1−S)E1+SE2
とする。
過除去抑制ステップS154では、新たな色滲み推定量Eを修正し、Bプレーンにおいて実際に除去する色滲み量としての色滲み除去量(色滲み補正量)E′を決める。ただし、除去による色相Hの変化が所定の角度δ以内となるように色滲み除去量E′を決める。
色相−彩度面を図9に示す。Bの強度から色滲みを除去すると、図中に点線矢印で示すように色相が下方に移動する。色相の変化を角度δ以内にするには、まず色滲み除去前の色相である、
Hori=H(R,G,B)
を求め、色滲み除去の前後において角度δの変化を与えるBの色滲み除去量Er,Elを以下の式により計算する。
H(R,G,B−Er)=Hori−δ
H(R,G,B−El)=Hori+δ
δとしては、10〜45度程度にするのが好適である。
そして、これらのEr,Elと色滲み推定量Eとを用いて色滲み除去量E′を求める。
E′=min(E,max(Er,El,0))
図10においてはE′=Erとなる。
B=B−E′
を求める。そして、この新たなBプレーン強度を用いてBプレーンを修正した出力画像としてのカラー画像を視覚補正部160に出力する。
しかし、係数k1,k2,k3や角度δの厳密な適正値は結像光学系110の構成、イメージセンサ120の画素ピッチ、結像光学系110のズーム状態、絞り値、フォーカス状態、被写体距離、像高、色滲みを発生させる光源の明るさ等によって変化する。係数k1,k2,k3や角度δが適正値から外れると、検出漏れや誤検出、補正不足や過剰補正を生じる。また、係数k1,k2,k3や角度δは、画素の輝度値や色相とは直接的な関係を持たないため、ユーザがこれらパラメータの変更の効果を把握ににくい。このため、ユーザに、色滲み補正処理を行った出力画像等を見せながら該パラメータの設定変更(調節)を行わせるのが望ましい。
本実施例では、色滲み補正処理前のカラー画像と色滲み補正処理後の出力画像又は色滲み補正処理の対象領域を表す画像とを表示部190に表示して、ユーザにパラメータ調節の効果を確認させながらパラメータ調節を行わせる。
図10〜図13を参照して、本実施例におけるパラメータ設定方法(パラメータ設定ステップ)について説明する。図10には、図3に示したカラー撮像装置100に相当するコンパクトデジタルカメラを示している。1101はカメラ本体である。1102はカメラ本体1101の背面に取り付けられた表示部であり、図3中の表示部190に相当する。1103,1104,1105は操作部材であり、図3中の操作部200に含まれる。表示部1102および操作部材1103,1104,105によりユーザインターフェースが構成される。
図11、図12および図13には、図10の表示部1102に表示される内容を示す。図11は色滲み除去量(色滲み補正量)、つまりは係数k1,k2を調節するための表示である。ここでは説明を単純にするために、k1′=k1=k2とする。表示部1102には、画像とスライダとが表示されている。
操作部材1104の操作によって、表示画像が色滲み補正処理前の画像(元のカラー画像)と色滲み補正処理後の画像との間で切り替わる。操作部材1103の操作によってスライダを移動させることにより、色滲み補正処理後の画像における色滲み除去効果が変化する。ユーザは、色滲み補正処理後の画像を見ながらスライダを移動させ、最も好ましい色滲み除去が行われた画像が表示されるスライダ位置で操作部材1105を操作する。これにより、係数k1′が決定される。
図12は過除去抑制(色反転防止)機能、つまりは角度δを調節するための表示である。表示部1102には、画像とスライダとが表示されている。
操作部材1104の操作によって、表示画像が色滲み補正処理前の画像(元のカラー画像)と色滲み補正処理後の画像との間で切り替わる。操作部材1103の操作によってスライダを移動させることにより、色滲み補正処理後の画像における色滲み除去効果が変化する。ユーザは、色滲み補正処理後の画像を見ながらスライダを移動させ、色相の反転が生じない程度に色滲み除去処理が行われた画像が表示されるスライダ位置で操作部材1105を操作する。これにより、角度δが決定される。
また、図13は色滲み領域として判定される領域、つまりは係数k3を調節するための表示である。
操作部材1104の操作によって、表示画像が色滲み領域の判定前の画像(元のカラー画像)と色滲み領域を明示した画像との間で切り替わる。色滲み領域の明示は、元のカラー画像に対して空間演算ステップS151および領域判定ステップS152での処理を行うことで該カラー画像中に係数k3に対応する画素領域(画像領域)を特定し、その画素領域を他の画素領域と異なる色で表示することで行える。また、元のカラー画像上に色滲み領域を囲む枠を重畳表示してもよい。
操作部材1103の操作によってスライダを移動させることにより、色滲み領域が変化する。ユーザは、スライダを移動させて適切な色滲み領域が明示された画像が表示されるスライダ位置で操作部材1105を操作する。これにより、係数k3が決定される。
本実施例では、上記のようなユーザインターフェースを備えることにより、ユーザが適切な色滲み検出パラメータおよび色滲み補正パラメータを容易に設定することが可能となる。これにより、色滲み領域の検出漏れや誤検出、色滲みの補正不足や過剰補正をほとんど生じることなく良好な色滲み補正画像を得ることができる。
なお、本実施例では、色滲み検出パラメータおよび色滲み補正パラメータの双方をユーザインターフェースを介してユーザが任意に設定可能とした場合について説明した。しかし、色滲み検出パラメータおよび色滲み補正パラメータのうち少なくとも一方のパラメータがユーザインターフェースを介して設定可能であればよい。
なお、本実施例におけるカラー撮像装置および画像処理装置の構成は実施例1と同様である。このため、カラー撮像装置の構成要素には、実施例1にて用いた符号と同符号を付している。また、本実施例における色滲み除去方法も実施例1と同じである。
図14には、表示部190に表示される示されるモード選択ダイアログ(ユーザインターフェースの一部)を示している。ここにいうモードとは、夜景、昼間、室内等の撮影場面である。撮影場面と結像光学系110のズーム状態とに応じた適切な(標準的な)係数k1,k2,k3および角度δが予めメモリ部210に記録されている。
ユーザが操作部200の操作によってモード選択ダイアログ上において撮影場面を選択することにより、色滲み除去部150は、該選択された撮影場面とそのときのズーム状態とに応じた係数k1,k2,k3および角度δをメモリ部210から読み出す。すなわち、本実施例では、ユーザによる撮影場面の選択を通じて色滲み検出パラメータおよび色滲み補正パラメータが変更設定されるようにユーザインターフェースが構成されている。
そして、色滲み除去部150は、該読み出した(設定された)係数k1,k2,k3および角度δを用いて、図7に示した推定ステップS153、領域判定ステップS152および過除去抑制ステップS154での処理を行う。
これにより、色滲み補正の必要がない画素領域が誤って補正されたり色滲み補正の必要がある画素領域が補正されなかったり、過補正や補正不足の発生を回避することができる。
また、結像光学系110が交換レンズである場合には、係数k1,k2,k3および角度δの適切な値も交換レンズの種類によって変化する。このため、図15に示すようなモデル選択ダイアログを表示部190に表示し、ユーザが交換レンズのモデル名を選択することで、該選択されたモデルに対して適切な係数k1,k2,k3および角度δが色滲み除去部150に設定されるようにしてもよい。
なお、本実施例におけるカラー撮像装置および画像処理装置の構成は実施例1と同様である。このため、カラー撮像装置の構成要素には、実施例1にて用いた符号と同符号を付している。また、本実施例における色滲み除去方法も実施例1と同じである。
前述した実施例2のように、撮影場面に応じた色滲み検出パラメータおよび色滲み補正パラメータの標準値を予めメモリ部210に記録しておくことにより、ユーザが撮影ごとにパラメータを設定する必要がなくなる。しかし、予めメモリ部210にパラメータを記録しておく撮影場面のバリエーションには限りがあり、特殊な撮影場面に対して適切なパラメータが用意されていない場合もあり得る。また、夜景、昼間、室内等の一般的な撮影場面であっても、予めメモリ部210に用意されたパラメータでは十分に良好な色滲み補正画像が得られない場合もあり得る。
そこで、本実施例では、様々な撮影場面(一般的な撮影場面や特殊な撮影場面)と、該撮影場面に対する色滲み検出パラメータおよび色滲み補正パラメータをユーザが登録できるようにしている。
ユーザは、登録したい撮影場面ごとに色滲みを補正したい複数の画像を用意し、それぞれの画像に対する色滲み検出パラメータおよび色滲み補正パラメータを算出する。そして、該複数の画像のそれぞれに対して算出したパラメータの平均値等、統計的に信頼度の高い値をその撮影場面に対するユーザ登録パラメータとして記録する。
ユーザは、操作部200を操作して、これらの複数の画像の中から色滲み領域が適切に設定された画像を選択する。図16中において丸で囲まれた画像が現在選択されている画像である。これにより、メモリ部210には、これら複数の画像の撮影場面とこれに対応する係数k3が登録される。なお、同様にして、色滲み補正パラメータである係数k1,k2および角度δを登録することも可能である。
その後、撮影場面を選択するためのモード選択ダイアログには、図17に示すように、ユーザが登録した撮影場面(ユーザ定義1,ユーザ定義2…)を選択可能とするように項目が追加される。
上記実施例1〜3では、画像処理装置を搭載したカラー撮像装置について説明したが、画像処理装置をパーソナルコンピュータ等のカラー撮像装置とは別の装置として構成してもよい。この場合、カラー撮像装置により生成されたカラー画像が記録媒体又は通信を介して画像処理装置に入力されるようにすればよい。
以上説明した各実施例は代表的な例にすぎず、本発明の実施に際しては、各実施例に対して種々の変形や変更が可能である。
120 イメージセンサ
150 色滲み除去部
190 表示部
200 操作部
210 メモリ部
Claims (6)
- 撮影により生成されたカラー画像に含まれる色滲みを色滲み検出パラメータを用いて検出する色滲み検出手段と、
前記色滲みを低減するための補正量を色滲み補正パラメータを用いて算出し、該補正量を用いて前記カラー画像に対する色滲み低減処理を行う処理手段と、
前記色滲み検出パラメータおよび前記色滲み補正パラメータのうち少なくとも一方のパラメータをユーザに設定させるためのユーザインターフェース手段とを有することを特徴とする画像処理装置。 - 前記ユーザインターフェース手段は、ユーザによる撮影場面の選択を通じて前記少なくとも一方のパラメータが設定されるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
- 前記ユーザインターフェース手段は、ユーザによる選択可能な撮影場面と該撮影場面に対する前記少なくとも一方のパラメータの登録が可能となるように構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理装置。
- 前記ユーザインターフェース手段を通じて設定された前記少なくとも一方のパラメータを用いて前記色滲み低減処理がなされた画像を表示手段に表示させることを特徴とする請求項1から3のうちいずれか1つに記載の画像処理装置。
- 撮影によりカラー画像を生成する撮像系と、
請求項1から4のいずれか1つに記載の画像処理装置とを有することを特徴とする撮像装置。 - 撮影により生成されたカラー画像に含まれる色滲みを色滲み検出パラメータを用いて検出する色滲み検出ステップと、
前記色滲みを低減するための補正量を色滲み補正パラメータを用いて算出し、該補正量を用いて前記カラー画像に対する色滲み低減処理を行う処理ステップと、
前記色滲み検出パラメータおよび前記色滲み補正パラメータのうち少なくとも一方のパラメータを、ユーザインターフェースを通じてユーザに設定させるパラメータ設定ステップとを有することを特徴とする画像処理方法。
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