JP4986461B2 - パンツ型使い捨ておむつ - Google Patents

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本発明は、パンツ型の使い捨ておむつに関する。
筋力の低下した高齢者にとってパンツ型の使い捨ておむつの引き上げ、特に入浴後等の湿潤時の引き上げは、大変な労力を伴うものであり、その改善が求められている。
また、高齢者、特に女性の高齢者においては、加齢に伴って著しい腹囲の増大が見られる。そのため、従来の大人用のパンツ型の使い捨ておむつは、着用者の腹部ないし下腹部回りにきつさを感じさせ易いという問題があった。
前身頃に配する弾性部材の配置形状を工夫したパンツ型の使い捨ておむつとして、特許文献1には、前身頃及び後身頃に、おむつ幅方向の両端部よりもおむつ幅方向中央部側において股下側に近づくように、それぞれ湾曲させた、前身頃持ち上げ弾性部材及び後身頃持ち上げ弾性部材を設けたものが記載されている。
また、特許文献2には、弾性材が前後方向中心へ向けて斜めに添設されてなるパンツ型の使い捨ておむつが記載され、特許文献3には、胴回り弾性部材の少なくとも1本は股下部側に変位した形状に配置されているパンツ型の使い捨ておむつが記載されている。
特開平10−127687号公報 実開平6−421号公報 特開平9−99006号公報
しかし、特許文献1記載のおむつは、前身頃の腹部相当箇所に、腹部弾性伸縮部材がおむつ幅方向に配されており、前身頃持ち上げ弾性部材とこの腹部弾性伸縮部材とが交差して互いの収縮力が干渉し合うため、前身頃を持っておむつを引き上げる際に、その引き上げ力が後身頃持ち上げ弾性部材に十分伝わらない。そのため、おむつの引き上げ性が良好ではない。また、特許文献1記載のおむつは、後身頃持ち上げ弾性部材のおむつ長手方向の最大変位距離が前身頃持ち上げ弾性部材のおむつ長手方向の最大変位距離よりも大きくなされておらず、おむつの引き上げ力が後身頃持ち上げ弾性部材に十分に伝わらないため、この点からも、おむつの引き上げ性が良好ではない。
また、特許文献2の斜めの弾性部材や特許文献3記載の湾曲した弾性部材によっても、おむつの引き上げ性を向上させることはできない。
おむつの引き上げ性を向上させるために、上記弾性部材の応力を下げる方法があるが、ただ下げただけでは、おむつがズレ落ちてしまい、漏れの原因につながる。
従って、本発明の目的は、おむつ全体を容易に上げ下げでき、また、着用中のズレ落ちが生じにくいパンツ型使い捨ておむつを提供することにある。
本発明は、表面シート、裏面シート及びこれら両シート間に配置された液保持性の吸収体を備え、腹側領域、背側領域及びこれらの間に位置する股下領域を有し、ウエスト開口部及び一対のレッグ開口部が形成されているパンツ型の使い捨ておむつであって、前記背側領域側のウエスト端縁から前記股下領域の幅が最小値を示す部位までの長さLbと、前記腹側領域側のウエスト端縁から前記股下領域の幅が最小値を示す部位までの長さLaとの比(Lb/La)が1.4〜2.0であり、前記吸収体の長手方向の両側部に切込部が形成されており、前身頃及び後身頃それぞれのウエスト端縁の近傍に、おむつ幅方向に沿ってウエスト弾性部材が配されており、前身頃及び後身頃それぞれのウエスト弾性部材よりもおむつ幅方向中心線側に、おむつ幅方向の両端部におけるよりもおむつ幅方向中央部側においておむつ幅方向中心線に近づくように、それぞれ湾曲させて、前身頃湾曲弾性部材及び後身頃湾曲弾性部材が配されており、該前身頃湾曲弾性部材と該後身頃湾曲弾性部材とは、おむつ幅方向中央部付近における相互の最近接部においてもおむつ長手方向に50mm以上離間しており、前身頃におけるウエスト弾性部材と前身頃湾曲弾性部材との間及び後身頃におけるウエスト弾性部材と後身頃湾曲弾性部材との間に、前身頃第2弾性部材及び後身頃第2弾性部材が、おむつ幅方向に沿って配されており、脚周りに配される左右のレッグ部それぞれにレッグ弾性部材が配されており、使い捨ておむつにおける、前記前身頃及び後身頃の両ウエスト弾性部材が配されたウエスト回り環状弾性領域、前記前身頃湾曲弾性部材及び前記後身頃湾曲弾性部材が配された胴回り湾曲環状弾性領域、前記前身頃第2弾性部材及び前記後身頃第2弾性部材が配された胴回り第2環状弾性領域、及び前記レッグ弾性部材が配された脚回り環状弾性領域を、それぞれ、自然状態から1.5倍の長さまで伸長させたときの引張荷重が、順に4N以下、2N以下、3N以下、2N以下であり、前記吸収体の前記切込部が、自然状態において閉じるようになされている、パンツ型使い捨ておむつを提供することにより前記目的を達成したものである。
本発明のパンツ型使い捨ておむつは、おむつ全体を容易に上げ下げでき、また、着用中のズレ落ちが生じにくい。
以下、本発明をその好ましい実施形態に基づいて説明する。
本実施形態のパンツ型の使い捨ておむつ1(以下、おむつ1という)は、図1〜4に示すように、成人用のパンツ型使い捨ておむつであり、図4に示すように、液透過性の表面シート2、液不透過性(液難透過性を含む)又は撥水性の裏面シート3及び液保持性の吸収体4を備えている。
おむつ1は、図2に示すように、股下部に配される股下領域C並びにその前後に位置する腹側領域A及び背側領域Bに区分することができる。股下領域Cは、左右両側にレッグ開口部6,6形成用の凹欠部が形成されている領域である。また、本おむつ1は、図2に示すように、おむつ幅方向に延びるおむつ中心線CLを境にして前身頃Fと後身頃Gとに区分することができる。
おむつ1は、腹側領域Aの両側縁部A1,A1と背側領域Bの両側縁部B1,B1とがヒートシール、超音波シール等の公知の接合手段により接合されて、一対のサイド接合部23,23、ウエスト開口部5及び一対のレッグ開口部6,6が形成されている。
おむつ1は、図2及び図4に示すように、吸収性本体10と、該吸収性本体10の外面(着用者とは反対側に向けられる面)側に位置して該吸収性本体10を固定している外装体20とからなる。吸収性本体10は、縦長の形状を有しており、表面シート2、裏面シート3及び吸収体4を具備する。吸収体4は、表面シート2及び裏面シート3間に挟持固定されている。吸収性本体10の長手方向の両側部には、一対の立体ガード11が形成されている。立体ガード11の自由端部には、糸状の弾性部材11aが長手方向に沿って伸長状態で固定されている。吸収性本体10は、その長手方向を、展開且つ伸張状態(図2に示す状態)におけるおむつ長手方向に一致させて、外装体20の中央部に公知の接合手段(接着剤等)により接合されている。また、吸収体4は、図2に示すように、おむつ長手方向(図2の上下方向)と同方向に長い形状を有している。
ここで、展開且つ伸長状態とは、サイド接合部を引き剥がして(サイド接合部がない場合は着用者の左右側部に位置するおむつ側部を切断して)、おむつを展開状態とし、その展開状態のおむつを、各部の弾性部材を伸長させて、設計寸法(弾性部材の影響を一切排除した状態で平面状に広げたときの寸法と同じ)となるまで拡げた状態をいう。本明細書に記載の各部の寸法等は、特に説明しない限り、展開且つ伸長状態のおむつについて測定する。また、おむつ幅方向中心線CLとは、展開且つ伸張状態における、おむつの長手方向の全長を2等分する線であり、おむつ幅方向に延びている。
おむつ1は、図3に示すように、背側領域B側のウエスト端縁15Bから、股下領域Cの幅が最小値を示す部位Hまでの長さLbと、腹側領域A側のウエスト端縁15Aから股下領域Cの幅が最小値を示す部位Hまでの長さLaとの比(Lb/La)が1.4〜2.0である。
前記比(Lb/La)が1.4未満であると、着座時に、背中側のズレが発生しやすくなる。特に腰が曲った高齢者の場合には大きなズレが生じやすい。また、このようなズレは、後述する後身頃湾曲弾性部材を配設すると特に促進されるため、前記比(Lb/La)が1.4未満の場合にはその後身頃湾曲弾性部材の配設が困難となる。
他方、前記比(Lb/La)が2.0超であると、立位時に、背中側にだぶつきが生じ、装着感が低下したり、防漏性能が低下しやすくなる。前記比(Lb/La)は1.6〜2.0の範囲であることが座位時における背中側のズレを一層防止できるので好ましい。
おむつ1の前身頃Fにおける、吸収体4の長手方向の両側部には、切込部41が形成されている。切込部41の形成により、吸収体4を設計通りの形状に変形させることができ、形状安定性の良い膨らみ部を確実且つ明瞭に形成することができる。
複数の層からなる吸収体の場合は、各層のうち一層でも切込部が形成されていれば良い。ただし、膨らみ部の形成の確実性、明瞭性の観点から、切込部が形成されている層の切込部には他の層が重なっていないこと、あるいは各層の切込部が重なっていることが好ましい。切込部が重なっているときは、完全に重なっている場合と共に、ずれて重なっている場合も含む。
膨らみ部は、切込部が閉じるように吸収体が変形することによって、腹部ないし下腹部に対応する部位(以下、腹部対応部位ともいう)又は臀部に対応する部位(以下、臀部対応部位ともいう)が、おむつ外面側に突出して生じる立体的な膨らみ部であり、腹部対応部位に立体的な膨らみ部が形成されることで、腹部ないし下腹部に対する押圧力を低減して、良好な使用感を得ることができる。また、予め立体的な膨らみ部を形成することで、腹部ないし下腹部に対する押圧力低減を視覚的に着用者に伝達することができる。臀部対応部位についても同様に立体的な膨らみ部が形成されることにより、同様な効果が得られる。
切込部41は、閉じた際にシワの発生が少ないことから、切込部41の開口部42から先端部(最深部)43に向かうにつれて漸次幅が減少する形状であることが好ましく、平面視して略V字状(あるいは略U字状)であることがより好ましい。後述する切込部41Aも同様である。切込部が閉じた状態とは、自然状態で完全あるいはほぼ完全に閉じる場合に限られず、切込部を挟んで相対向する一対の側縁間の距離が短くなる場合も含まれる。ここで自然状態とは、パンツ型使い捨ておむつに外部から引っ張るなどの余計な力を加えていない状態であることを意味する。
おむつ1における切込部41は、おむつ長手方向において、おむつの幅が最小となる部位Hよりも、前身頃Fのウエスト端縁15A側に形成されている。より具体的には、腹側領域Aと股下領域Cとの境界線から腹側領域A側に20mmの位置から、該境界線から股下領域C側に40mmの位置までの範囲内に形成されている。
また、切込部41は、おむつ長手方向中心線TL(図2参照)に対して、左右対称に一対形成されている。尚、本おむつ1において吸収体4が最小幅となる部位は、おむつの幅が最小となる部位Hとほぼ同一の箇所となっており、そこから、その前後に向かうに従って吸収体の幅が増大している。
おむつ1においては、図2に示すように、後身頃Gにおける吸収体4の長手方向の両側部にも切込部41Aが形成されている。後身頃Gの切込部41Aは、背側領域Bと股下領域Cとの境界線から背側領域B側に20mmの位置から、該境界線から股下領域C側に40mmの位置までの範囲内に形成されている。尚、切込部は、おむつ1のように、前身頃F及び後身頃Gの両方に設けることが好ましいが、前身頃F及び後身頃Gのいずれか一方のみに設けることもできる。切込部は、少なくとも前身頃Fに設けることが好ましい。
切込部41は、不規則なシワの発生を防止しつつ、腹部対応部位に、立体的な膨らみ部を確実且つ明瞭に形成させる観点から、開口部42の開口幅W(図5参照)が5〜80mmであることが好ましく、より好ましくは10〜50mmである。また、同様の観点から、切込部の長さL(図5参照)は、10〜100mmであることが好ましく、より好ましくは15〜50mmである。
ここで、開口部の開口幅Wとは、図5に示すように、切込部41に隣接してそのおむつ幅方向外側に位置する、吸収体の切込部隣接部44における前記中心線CL側の端点を点Pとし、該点Pを通る、前記中心線CLと平行な直線(おむつを横方向に横切る直線)WLと交わる吸収体側縁上の点のうち、点Pよりもおむつ幅方向内側に位置し且つ最も点Pに近接する点を点Qとしたときに、点Pと点Qを結んだ線分PQの長さをいう。本おむつ1における切込部隣接部44は、中心線CLに向かって凸の形状を有している。
切込部の長さLとは、先端部43と線分PQの最短距離をいう。
先端部43、切込部隣接部44、点Pは複数存在しても良く、複数存在する場合には、複数の点それぞれについて開口幅Wと切込部の長さLを測定する。この場合、少なくとも一部のW,Lが前記数値を満たせば良いが、不規則なシワの発生を防止しつつ、腹部対応部位に、立体的な膨らみ部を確実且つ明瞭に形成させる観点から、全てのW,Lが前記数値を満たすことが好ましい。図6(b)及び(c)に、先端部43、切込部隣接部44及び点Pが、それぞれ2つ存在する場合の例を示した。尚、これらの図においては、一方の先端部43、切込部隣接部44及び点Pを、符号43’、切込部隣接部44’及び点P’としてある。
また、切込部41は、不規則なシワの発生を防止しつつ、腹部対応部位に、立体的な膨らみ部を形成させる観点から、おむつ長手方向に延びる直線TL’(おむつ長手方向中心線TL又はその平行線)に対するその中心線41aの角度θ〔図5(a)参照〕が0〜75度、特に0〜45度であることが好ましい。ここで、切込部41の中心線41aは、線分PQの中点と切込部41の先端部43を通る直線とし、該直線がおむつ長手方向中心線TLと平行な場合は、おむつ長手方向に延びる直線TL’に対する角度θが0度とする。また、切込部41は、図6(a)に示すように、前身頃Fのウエスト端縁15Aに近づくにつれて、おむつ長手方向中心線TLに近づくように傾斜していても良いし、図6(d)に示すように、前身頃Fのウエスト端縁15Aに近づくにつれて、おむつ長手方向中心線TLから離れるように傾斜していても良いが、何れの場合も、図5(a)に示すように、切込部41の中心線41aとおむつ長手方向に延びる直線TL’との交差部に生じる大小2つの角度の内の鋭角の方の角度を、切込部41の中心線41aの角度θとする。
後身頃Gにおける吸収体4の長手方向の両側部にも切込部41Aが形成されているが、臀部と腹部の形状の違いを考慮すると、後身頃Gの切込部41Aの中心線41bの角度θ2〔図5(b)参照〕は、前身頃Fの切込部41の中心線の角度θよりも大きいことが好ましい。θ2は30〜70度、特に30〜60度であることが好ましい。
外装体20は、図4に示すように、おむつ1の外表面(着用者とは反対側に向けられる面)を形成している外層シート21と、該外層シート21に隣接してその内側に積層接着された内層シート22とを具備し、これら両シート間に、各部の弾性部材51,52,61,62,71,72,81,82が、ホットメルト型接着剤等の接着剤を用いて伸張状態で固定されている。
図2に示すように、前身頃Fのウエスト端縁15Aの近傍5Aには、おむつ幅方向に沿ってウエスト弾性部材51が伸張状態で配されている。ウエスト弾性部材51は、前身頃Fの全幅に亘って配されている。ウエスト弾性部材51は、互いに平行に複数本配されている。
また、後身頃Gのウエスト端縁15Bの近傍5Bにも、同様に、おむつ幅方向に沿って複数本のウエスト弾性部材52が互いに平行に且つ伸長状態で配されている。そして、これらのウエスト弾性部材51,52により、ウエスト開口部5の周囲に、実質的にその全周に亘るウエストギャザーが形成されている。
また、図2に示すように、おむつ1の前身頃F及び後身頃Gそれぞれのウエスト弾性部材51,52よりもおむつ幅方向中央線CL側(図1に示す状態においては下方側)には、おむつ幅方向の両端部におけるよりもおむつ幅方向中央部側においておむつ幅方向中央線CLに近づくように、それぞれ湾曲させて、前身頃湾曲弾性部材71及び後身頃湾曲弾性部材72が配されている。
前身頃湾曲弾性部材71及び後身頃湾曲弾性部材72は、それぞれ、複数本配されていることが好ましい。
前身頃湾曲弾性部材71及び後身頃湾曲弾性部材72は、おむつ幅方向中央部付近における相互の最近接部においてもおむつ長手方向に50mm以上離間している。この点において、前身頃及び後身頃の両湾曲弾性部材71,72は、それぞれ、レッグ開口部近傍にレッグ開口部を脚回りにフィットさせるための後述するレッグ弾性部材61,62とは明らかに異なるものである。
前身頃湾曲弾性部材71及び後身頃湾曲弾性部材72は、それぞれ左右に分割されて配されており、それぞれの分割された各部分の平面視形状が、直線状、曲線状及びこれらの組み合わた形状の何れであっても良いが、本実施形態におけるように曲線状であることが好ましく、サインカーブの1/2〜1/4周期分の曲線状であることがより好ましい。
前身頃湾曲弾性部材71及び後身頃湾曲弾性部材72は、左右の分割部分を合わせた形状が、サインカーブ一周期分の形状と略同一の形状とされていることが、引き上げ容易性及び高齢者体形へのフィット性の観点から好ましい。
本実施形態のおむつ1においては、前身頃Fにおけるウエスト弾性部材51と前身頃湾曲弾性部材71との間におむつ幅方向に沿って前身頃第2弾性部材81が配されており、後身頃Gにおけるウエスト弾性部材52と後身頃湾曲弾性部材72との間におむつ幅方向に沿って後身頃第2弾性部材82が配されている。前身頃湾曲弾性部材71は、前身頃第2弾性部材81と交差していないことが好ましく、後身頃湾曲弾性部材72も後身頃第2弾性部材82と交差していないことが好ましい。
これらの第2弾性部材81,82は、着用時に着用者の腸骨の高さと略同じ高さに位置するように設計されており、これらの弾性部材81,82が腸骨に引っかかるために効果的にズレ落ちが防止される。
他方、これらの第2弾性部材81,82の各々が、前身頃湾曲弾性部材71及び後身頃湾曲弾性部材72と交差しないことにより、前身頃湾曲弾性部材71の伸縮力を後身頃湾曲弾性部材72に効率よく伝達することが可能である。「交差した場合」には、交差部で異なる方向の力が干渉しあうことで引き上げ方向の力が緩和され、効率的な引き上げ力の伝達が阻害されてしまう。また、「交差しない」ことにより、均−の装着圧を、達成できるため(伸縮部材の収縮力が集中してしまうための過度のしめつけを防止できるため)、装着感の観点からも好ましい効果を発揮する。
尚、前身頃におけるウエスト弾性部材51と前身頃第2弾性部材81との間に形態的な差がない場合、大人用のおむつの場合には、ウエスト開口部の周縁端から幅40mmの範囲内に配された弾性部材をウエスト弾性部材とし、それより下方(中央線CLに近づく方向)に配された弾性部材を、前身頃第2弾性部材81とする。後身頃におけるウエスト弾性部材52と後身頃第2弾性部材82との区別も同様である。幼児用おむつの場合は、前記の40mmを30mmに変更する。
おむつ1における、着用者の脚周りに配される部位である左右のレッグ部6Aそれぞれには、第1及び第2のレッグ弾性部材61,62が配されている。これらのレッグ弾性部材61,62は、股下領域において重なるか又は近接しており、これらの弾性部材により、レッグ開口部6それぞれの開口周縁部に、実質的にその全周に亘って実質的に連続するレッグギャザーが形成されている。
レッグ部のフィット性をレッグ弾性部材により向上させつつ、引き上げ性を阻害しないようにする観点から、前身頃湾曲弾性部材71及び後身頃湾曲弾性部材72とこれらのレッグ弾性部材61,62とは交差していないことが好ましい。
また、レッグ弾性部材61,62は、着用者が装着時に前身頃湾曲弾性部材71及び後身頃湾曲弾性部材72と混同し、足の入れ場所に迷うことが無いように、前身頃湾曲弾性部材71又は後身頃湾曲弾性部材72と、色や幅、それらの組み合わせ等によって、視覚的に識別可能になされていることが好ましい。また、前身頃湾曲弾性部材71及び後身頃湾曲弾性部材72とは、不織布間に挟まれて保持されていることが、収縮力を阻害せず優れた引き上げ性を達成でき、かつ、通気性、柔軟性にも優れて装着感も向上するため好ましい。
おむつ1においては、前身頃及び後身頃のウエスト弾性部材51,52が配されたウエスト回り環状弾性領域50、前身頃湾曲弾性部材71及び後身頃湾曲弾性部材72が配された胴回り湾曲環状弾性領域70、前身頃第2弾性部材81及び後身頃第2弾性部材82が配された胴回り第2環状弾性領域80、及びレッグ弾性部材61,62が配された一対の脚回り環状弾性領域60を、それぞれ、自然状態から1.5倍の長さまで伸長させたときの引張荷重が、順に、4N以下、2N以下、3N以下、2N以下である。各弾性領域を、図7に示す。
おむつ1は、前述した比(La/Lb)を上記の範囲に設定し、また、吸収体に切込部を設け、更に各弾性領域がこのような伸長特性を有することで、身体にフィットし、上げ下げし易いのに、装着中のズレ落ちが小さいおむつとなっている。
前記各弾性領域の引張荷重は、サイド接合部23,23を引き剥がすことなく(サイド接合部の一方又は双方が元々ない場合は着用者の左右側部に位置するおむつ側部を切断することなく)、環状のサンプルを切り出して測定する。
例えば、ウエスト回り環状弾性領域50の引張荷重は、以下のようにして測定する。前身頃Fにおけるウエスト弾性部材51が配された領域50Fと、後身頃Gにおけるウエスト弾性部材52が配された領域50Gとを、両者が環状に連結された状態のまま切り出し、図10に示すように、その環状のサンプルSを、一対のU字状の治具100,100間に架け渡すようにして、引張試験機(例えば、オリエンテック社製の「RTA−100」等)のチャック110,110間に固定する。サンプルSの初期状態の長さa(図10参照)は、環状のサンプルSを自然に収縮させた状態(自然状態、外力を加えない状態)における該サンプルSの周長の1/2の長さとする。そして、チャック110,110間に固定したサンプルSを、初期状態の長さaに対して1.5倍の長さとなるまで伸長させ、そのときの荷重を、1.5倍伸長時の引張荷重とする。
胴回り湾曲環状弾性領域70の引張荷重は、前身頃Fにおける前身頃湾曲弾性部材71が配された領域70Fと、後身頃Gにおける後身頃湾曲弾性部材72が配された領域70Gとを、両者が環状に連結された状態のまま切り出してサンプルとする以外は、ウエスト回り環状弾性領域50の引張荷重の測定と同様にして測定する。
胴回り第2環状弾性領域80の引張荷重は、前身頃Fにおける前身頃第2弾性部材81が配された領域80Fと、後身頃Gにおける後身頃第2弾性部材82が配された領域とを、両者が環状に連結された状態のまま切り出してサンプルとする以外は、ウエスト回り環状弾性領域50の引張荷重の測定と同様にして測定する。
脚回り環状弾性領域60の引張荷重は、レッグ弾性部材61が配された領域とレッグ部弾性部材62が配された領域とが、環状に連結された状態のまま切り出してサンプルとする以外は、ウエスト回り環状弾性領域50の引張荷重の測定と同様にして測定する。脚回り環状弾性領域60は、左右のレッグ開口部それぞれからサンプルを得るので、2本のサンプルが得られるが、脚回り環状弾性領域60がある条件を満たしていると言えるためには、何れのサンプルについて測定した場合も当該条件を満たしている必要がある。例えば、脚回り環状弾性領域の1.5倍伸長時の引張荷重は、何れのサンプルについて測定した場合も2N以下である。
前述したウエスト回り環状弾性領域50、胴回り湾曲環状弾性領域70、胴回り第2環状弾性領域80及びレッグ部弾性部材60それぞれの前記引張荷重が、前述の範囲内であると、おむつ全体を容易に上げ下げできるようになる。
上げ下げを容易にする観点から、前記各弾性領域50、70、80及び60の引張荷重を、前述の値以下に設定するが、防漏性の向上及びズレ落ちの防止の観点から、ウエスト回り環状弾性領域50の前記引張荷重(1)、胴回り湾曲環状弾性領域70の前記引張荷重(2)、胴回り第2環状弾性領域80の前記引張荷重(3)、及び脚回り環状弾性領域60の前記引張荷重(4)は、下記式に示す関係を満たすことが好ましい。
(1)>(3)>(2)≧(4)
おむつ全体の上げ下げの容易性及びズレ落ち防止性の向上の観点から、ウエスト回り環状弾性領域50の前記引張荷重(1)は、1〜4Nであることが好ましく、胴回り湾曲環状弾性領域70の前記引張荷重(2)は、0.5〜2Nであることが好ましく、胴回り第2環状弾性領域80の前記引張荷重(3)は、1〜3Nであることが好ましく、脚回り環状弾性領域60の前記引張荷重(4)は、0.5〜2Nであることが好ましい。
前記引張荷重(1)の、前記引張荷重(3)に対する比((1)/(3))は、1.1〜4であることが好ましく、前記引張荷重(3)の、前記引張荷重(2)に対する比((3)/(2))は、1.1〜6であることが好ましく、前記引張荷重(2)の、前記引張荷重(4)に対する比((2)/(4))は、1〜4であることが好ましい。
おむつ1においては、図3に示すように、後身頃湾曲弾性部材72のおむつ長手方向の最大変位距離Ldが、前身頃湾曲弾性部材71のおむつ長手方向の最大変位距離Lcよりも大きい。
前身頃湾曲弾性部材71のおむつ長手方向の最大変位距離Lcとは、前身頃湾曲弾性部材71の、おむつ幅方向中央線CLに最も近い位置とおむつ幅方向中央線CLから最も遠い位置との間の距離(離間距離ともいう)を、おむつ長手方向に沿って測定した距離である。本実施形態のように、前身頃湾曲弾性部材71が複数本存在する場合には、各前身頃湾曲弾性部材71について前記離間距離を測定し、それらの中で最も前記離間距離が長いものの該離間距離を最大変位距離とする。後身頃湾曲弾性部材72のおむつ長手方向の最大変位距離Ldについても同様である。本実施形態においては、図3に示すように、3本の前身頃湾曲弾性部材71が互いに平行に配されており、それらは前記離間距離が等しいため、そのうちの一本の前身頃湾曲弾性部材71aについての離間距離を最大離間距離Lcとして示してある。また、3本の後身頃湾曲弾性部材72が互いに平行に配されており、それらは前記離間距離が等しいため、そのうちの一本の後身頃湾曲弾性部材72aについての離間距離を最大離間距離Ldとして示してある。
尚、最大変位距離Lc,Ldの測定においては、前身頃湾曲弾性部材71又は後身頃湾曲弾性部材72のうち、おむつの収縮に寄与しない部分、例えば、収縮力が発現しない状態にされている部分は、前身頃湾曲弾性部材71又は後身頃湾曲弾性部材72の一部とは考えない。
本実施形態のおむつ1によれば、後身頃湾曲弾性部材72の前記最大変位距離Ldが、前身頃湾曲弾性部材71の前記最大変位距離Lcよりも大きいため、図8(a)に示すように、前身頃Fの上端部近傍を手に持って引っ張り上げたときに、前身頃湾曲弾性部材71と後身頃湾曲弾性部材72とが、おむつの側縁近傍において略直線状となり、前身頃湾曲弾性部材71の伸縮力が後身頃湾曲弾性部材72に良好に伝達され、それにより、後身頃G側が効率よく引っ張られて上方に向かって引き上げられる。このように、前身頃Fを持って引き上げることにより、おむつ全体を容易に引き上げることができる。
また、おむつ1を着用した状態においては、図8(b)に示すように、弾性部材71,72の収縮作用によって、おむつが、着用者の下腹部及び臀部の形状に沿った形状に変形して、それらに良好にフィットするため、違和感を与えにくく、良好な装着感を与えることができる。
また、前身頃湾曲弾性部材71及び後身頃湾曲弾性部材72がそれぞれおむつ幅方向中央部に向かうに連れておむつ幅方向中央線CLに近づくように湾曲している。これらの弾性部材71,72は、着用者の腹部及び臀部の比較的下部にフィットしやすく、特に高齢者においては、図8(b)に示すように、腹部及び臀部それぞれの最大突出部F1及び臀部の最大突出部G1それぞれを下方から支持するように、おむつをフィットさせることができ、従来の大人用のパンツ型の使い捨ておむつにおいて発生していた腹部や臀部の過度の締め付けを防止しつつ、おむつの側部においては、着用者に良好にフィットさせることができる。
前身頃湾曲弾性部材71の前記最大変位距離Lcは、引き上げ力の伝達性および下腹部形状へのフィット性の観点から20〜90mmが好ましく、40〜60mmがより好ましい。後身頃湾曲弾性部材72の前記最大変位距離Ldは、引き上げ力の被伝達性および臀部形状へのフィット性の観点から105〜175mmが好ましく、125〜145mmがより好ましい。前身頃および後身頃の最大離間距離の差(Ld−Lc)は、引き上げ力の伝達性の観点から50〜120mmが好ましく、70〜100mmがより好ましい。
本実施形態のおむつ1においては、上述したように、前身頃Fに、ウエスト弾性部材51、前身頃湾曲弾性部材71及び前身頃第2弾性部材81が配され、後身頃Gに、ウエスト弾性部材52、後身頃湾曲弾性部材72及び後身頃第2弾性部材82が配されており、レッグ部60それぞれに、第1及び第2のレッグ弾性部材61,62が配されているが、これらの弾性部材は、それぞれ、少なくとも2本以上配されていることが好ましく、また、前身頃F及び後身頃Gそれぞれにおいて、上記4つの弾性部材〔ウエスト部弾性部材51(52)、前身頃湾曲弾性部材71(後身頃湾曲弾性部材72)、前身頃第2弾性部材81(後身頃第2弾性部材82)、及びレッグ弾性部材61,62〕間では、どれもが交差していないことが好ましい。
前身頃F及び後見頃Gにおいて、これら4つの弾性部材間で、どれもが交差しないことにより、後見頃Gの各弾性部材の伸縮力を前身頃Fの各弾性部材に効率よく伝達することが可能である。「交差した場合」には、交差部で異なる方向の力が干渉しあうことで引き上げ方向の力が緩和され、効率的な引き上げ力の伝達が阻害されてしまう。また、「交差しない」ことにより、均−の装着圧を、達成できるため(伸縮部材の収縮力が集中してしまうための過度のしめつけを防止できるため)、装着感の観点からも好ましい効果を発揮する。
本実施形態のおむつ1における前身頃湾曲弾性部材71及び後身頃湾曲弾性部材72、及びレッグ弾性部材61,62はそれぞれ、おむつ幅方向に分割された状態に配されており、吸収体4の幅方向中央部と重なる部分には、これらの弾性部材71,72、61,62が存在していない。
吸収体の一部と重なる部分、特に吸収体の幅方向中央部と重なる部分に弾性部材71,72、61,62を存在させないことにより、肌と吸収体との過度の摩擦により引き上げ性が阻害されることを防止して、引き上げ容易性を向上させることができる。吸収体の一部と重なる部分に弾性部材71,72、61,62を存在させない構成に代えて、吸収体の一部と重なる部分における弾性部材71,72、61,62を収縮力を発現しない状態とすることによっても同様の効果が得られる。前身頃湾曲弾性部材71及び後身頃湾曲弾性部材72、及び、レッグ弾性部材61,62の収縮力を発現しない状態とする方法としては、弾性部材71,72、61,62を細かく切断する方法が挙げられる。
弾性部材71,72、61,62が存在しない部分又は弾性部材71,72、61,62が収縮力を発現しない部分は、吸収体の全幅の1/2以上であることが好ましく、全幅で収縮しないことがより好ましい。ここでいう全幅は、前身頃湾曲弾性部材71については、おむつの長手方向において、前身頃湾曲弾性部材71の左右に分割された各部分それぞれのおむつ幅方向中央側の端部の位置と同位置における吸収体4の幅であり、後身頃湾曲弾性部材72については、おむつの長手方向において、後身頃湾曲弾性部材72の左右に分割された各部分それぞれのおむつ幅方向中央側の端部の位置と同位置における吸収体4の幅であり、レッグ弾性部材61,62については、おむつの長手方向において、レッグ弾性部材61、62の左右に分割された各部分それぞれのおむつ幅方向中央側の端部の位置と同位置における吸収体4の幅である。
本実施形態のおむつ1における吸収体4は、2層以上の吸収材からなるもであっても良い。この場合における好ましい吸収体4は、図9に示すように、第1吸収材141と、吸収体4の厚み方向において第1吸収材141より肌当接面側に位置する第2吸収材146とを具備し、第1吸収材141及び第2吸収材146は、それぞれ、長手方向の両側部に2対の層切込部142,143,147,148を有し、且つ第1吸収材141の層切込部142,143と第2吸収材146の層切込部147,148とがそれぞれの少なくとも一部において重なって切込部(閉鎖用開口領域)140,145を形成しており、各切込部140,145の縁部から該縁部に直交する方向の吸収体内部方向に向かって吸収材141,146の層数が増加するようにされている。尚、第1吸収材141及び第2吸収材146それぞれの長手方向は、吸収体4の長手方向と同じ方向(図9において上下方向)とする。図9中、4A,4B,4Cは、吸収体4の長手方向の全長L4を3等分して3領域に区分したときの各領域である。
例えば、図9に示す吸収体4におけるように、第1吸収材141の層切込部142,143と第2吸収材146の層切込部147,148とがそれぞれの少なくとも一部において重なって形成された切込部140,145を有すると、吸収体4が、吸収性物品に配された弾性部材の収縮作用等により、各切込部又はその近傍において屈曲して容易に立体形状に変形する。そして、そのように変形しても、切込部140,145を挟んで存在する、第1吸収材141又は第2吸収材146の縁部同士がぶつかることが防止されるため、吸収体4に不規則なシワが生じることを防止でき、着用者等に違和感を与えることを防止することができる。第1吸収材141の切込部の縁部が、第2吸収材146の切込部の縁部より後退した位置に位置している場合には、吸収体4が立体形状に変形した際に第2吸収材146の縁部同士がぶつかりやすい状態になるが、ぶつかっても、吸収材の層数がすくない部分がぶつかるため、吸収体4に不規則なシワが生じることを防止でき、着用者等に違和感を与えることを防止することができる。
切込部140,145は、相対向する一対の縁部の一方又は両方の側において、第2吸収材146の層切込部の縁部が、第1吸収材141の層切込部の縁部より後退した位置に位置していることが好ましく、相対向する一対の縁部の両方の側において、第2吸収材146の層切込部の縁部が、第1吸収材141の層切込部の縁部より後退した位置に位置していることがより好ましい。
上述した実施形態のおむつ1における各部の形成材料について説明する。表面シート2、裏面シート3、吸収体4、立体ガード11、外層シート21及び内層シート22等の形成材料としては、従来の使い捨ておむつ等において用いられている各種の材料を用いることができる。例えば、吸収体4としては、親水性繊維の集合体又はこれに高吸水性ポリマーを保持させてなるもの等を用いることができる。このような吸収体としては、パルプ繊維の積繊物やパルプ繊維と高吸水性ポリマーとの混合積繊物等を用いることができるが、このような積繊物に、アセテートトウなどの繊維を含ませたり、このような積繊物と紙や不織布等を組み合わせて吸収体とすることもできる。上述したおむつ1における切込部41,41Aは、吸収体4の構成材料である親水性繊維の集合体の一部を切り欠いて形成してある。吸収体4は、親水性繊維の集合体又はこれに高吸水性ポリマーを保持させてなる吸収性コアの表面を、液透過性の薄紙や不織布で被覆してあるものであっても良く、切込部が閉鎖した状態は、切込部を挟んで相対向する吸収性コアの部分同士が直接接触していても良いし、薄紙や不織布を介在した状態で互いに密着していても良い。
前記弾性部材51,52,61,62,71,72,81,82の形成材料としては、使い捨ておむつ等に用いられる各種公知の弾性材料を用いることができ、例えば素材としては、スチレン−ブタジエン、ブタジエン、イソプレン、ネオプレン等の合成ゴム、天然ゴム、EVA、伸縮性ポリオレフィン、ウレタン等の伸縮性の素材を広く用いることができ、例えば形態としては、断面が矩形、正方形、円形、多角形状、マルチフィラメントタイプ等の、糸状や紐状のもの、或いは帯状のもの等を用いることができる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に制限されない。
例えば、本発明の使い捨ておむつは、成人用のパンツ型使い捨ておむつ、特に高齢女性用に適しているが、幼児用のおむつとして用いることもできる。
図1は、本発明の一実施形態としてのパンツ型使い捨ておむつを、その前身頃側から見た状態を示す斜視図である。 図2は、図1のパンツ型使い捨ておむつの展開且つ伸張状態を示す平面図である。 図3は、図2から吸収性本体を除去した状態を示す平面図である。 図4は、図2のX−X線断面図である。 図5(a),(b)は、図2の一部を拡大して示す模式平面図である。 図6は、本発明の他の実施形態における切込部を示す模式図である。 図7は、ウエスト回り環状弾性領域、胴回り湾曲環状弾性領域、胴回り第2環状弾性領域及び脚回り環状弾性領域を説明するための説明図である。 図8は、本発明の作用効果を説明する図であり、図8(a)は、前身頃を持っておむつを引き上げる状態を示す側面図であり、8(b)は、おむつを着用した状態を示す側面図である。 図9は、本発明において好ましく用いられる吸収体を示す図であり、図9(a)は、第2吸収材側から見た状態を示す平面図、図9(b)は、第2吸収材のみを示す平面図、図9(c)は、第1吸収材のみを示す平面図である。 は、各弾性領域の引張荷重の測定方法を示した図である。
符号の説明
1 パンツ型使い捨ておむつ
2 表面シート
3 裏面シート
4 吸収体
41 切込部
5 ウエスト開口部
50 ウエスト回り環状弾性領域
51 前身頃のウエスト弾性部材
52 後身頃のウエスト弾性部材
6 レッグ開口部
6A レッグ部
60 脚回り環状弾性領域
61 第1のレッグ弾性部材
62 第2のレッグ弾性部材
70 胴回り湾曲環状弾性領域
71 前身頃湾曲弾性部材
72 後身頃湾曲弾性部材
80 胴回り第2環状弾性領域
81 前身頃第2弾性部材
82 後身頃第2弾性部材
A 腹側領域
B 背側領域
C 股下領域
F 前身頃
G 後身頃

Claims (6)

  1. 表面シート、裏面シート及びこれら両シート間に配置された液保持性の吸収体を備え、腹側領域、背側領域及びこれらの間に位置する股下領域を有し、ウエスト開口部及び一対のレッグ開口部が形成されているパンツ型の使い捨ておむつであって、
    前記背側領域側のウエスト端縁から前記股下領域の幅が最小値を示す部位までの長さLbと、前記腹側領域側のウエスト端縁から前記股下領域の幅が最小値を示す部位までの長さLaとの比(Lb/La)が1.4〜2.0であり、前記吸収体の長手方向の両側部に切込部が形成されており、
    前身頃及び後身頃それぞれのウエスト端縁の近傍に、おむつ幅方向に沿ってウエスト弾性部材が配されており、
    前身頃及び後身頃それぞれのウエスト弾性部材よりもおむつ幅方向中心線側に、おむつ幅方向の両端部におけるよりもおむつ幅方向中央部側においておむつ幅方向中心線に近づくように、それぞれ湾曲させて、前身頃湾曲弾性部材及び後身頃湾曲弾性部材が配されており、該前身頃湾曲弾性部材と該後身頃湾曲弾性部材とは、おむつ幅方向中央部付近における相互の最近接部においてもおむつ長手方向に50mm以上離間しており、
    前身頃におけるウエスト弾性部材と前身頃湾曲弾性部材との間及び後身頃におけるウエスト弾性部材と後身頃湾曲弾性部材との間に、前身頃第2弾性部材及び後身頃第2弾性部材が、おむつ幅方向に沿って配されており、
    脚周りに配される左右のレッグ部それぞれにレッグ弾性部材が配されており、
    使い捨ておむつにおける、前記前身頃及び後身頃の両ウエスト弾性部材が配されたウエスト回り環状弾性領域、前記前身頃湾曲弾性部材及び前記後身頃湾曲弾性部材が配された胴回り湾曲環状弾性領域、前記前身頃第2弾性部材及び前記後身頃第2弾性部材が配された胴回り第2環状弾性領域、及び前記レッグ弾性部材が配された脚回り環状弾性領域を、それぞれ、自然状態から1.5倍の長さまで伸長させたときの引張荷重が、順に4N以下、2N以下、3N以下、2N以下であり、
    ウエスト回り環状弾性領域の前記引張荷重(1)、胴回り湾曲環状弾性領域の前記引張荷重(2)、胴回り第2環状弾性領域の前記引張荷重(3)、及び脚回り環状弾性領域の前記引張荷重(4)が、下記式に示す関係を満たしており、
    (1)>(3)>(2)≧(4)
    前記吸収体の前記切込部は、少なくとも前身頃に設けられており、
    自然状態において、前身頃に設けられた前記切込部が閉じると共に、着用者における腹部ないし下腹部に対応する部位がおむつ外面側に突出して立体的な膨らみ部を形成するようになされている、パンツ型使い捨ておむつ。
  2. 前記前身頃に設けられた前記切込部は、前記腹側領域と前記股下領域の境界線から該腹側領域側に20mmの位置から、該境界線から該股下領域側に40mmの位置までの範囲内に形成されている、請求項1記載のパンツ型使い捨ておむつ。
  3. 前記後身頃湾曲弾性部材のおむつ長手方向の最大変位距離が、前記前身頃湾曲弾性部材のおむつ長手方向の最大変位距離よりも大きい請求項1又は2記載のパンツ型使い捨ておむつ。
  4. 前記前身頃湾曲弾性部材、前記後身頃湾曲弾性部材及び前記レッグ弾性部材が、前記吸収体の幅方向中央部と重なる部分に、存在しないか又は、該吸収体の幅方向中央部と重なる部分においては収縮力を発現しないようにされている1〜3の何れか1項記載のパンツ型使い捨ておむつ。
  5. 前記吸収体の切込部は、おむつ長手方向に延びる直線に対するその中心線の角度が0〜75°である請求項1〜4の何れか1項記載のパンツ型使い捨ておむつ。
  6. 表面シート、裏面シート及びこれら両シート間に配置された液保持性の吸収体を備え、腹側領域、背側領域及びこれらの間に位置する股下領域を有し、ウエスト開口部及び一対のレッグ開口部が形成されているパンツ型の使い捨ておむつであって、
    前記背側領域側のウエスト端縁から前記股下領域の幅が最小値を示す部位までの長さLbと、前記腹側領域側のウエスト端縁から前記股下領域の幅が最小値を示す部位までの長さLaとの比(Lb/La)が1.4〜2.0であり、前記吸収体の長手方向の両側部に切込部が形成されており、
    前身頃及び後身頃それぞれのウエスト端縁の近傍に、おむつ幅方向に沿ってウエスト弾性部材が配されており、
    前身頃及び後身頃それぞれのウエスト弾性部材よりもおむつ幅方向中心線側に、おむつ幅方向の両端部におけるよりもおむつ幅方向中央部側においておむつ幅方向中心線に近づくように、それぞれ湾曲させて、前身頃湾曲弾性部材及び後身頃湾曲弾性部材が配されており、該前身頃湾曲弾性部材と該後身頃湾曲弾性部材とは、おむつ幅方向中央部付近における相互の最近接部においてもおむつ長手方向に50mm以上離間しており、
    前身頃におけるウエスト弾性部材と前身頃湾曲弾性部材との間及び後身頃におけるウエスト弾性部材と後身頃湾曲弾性部材との間に、前身頃第2弾性部材及び後身頃第2弾性部材が、おむつ幅方向に沿って配されており、
    脚周りに配される左右のレッグ部それぞれにレッグ弾性部材が配されており、
    使い捨ておむつにおける、前記前身頃及び後身頃の両ウエスト弾性部材が配されたウエスト回り環状弾性領域、前記前身頃湾曲弾性部材及び前記後身頃湾曲弾性部材が配された胴回り湾曲環状弾性領域、前記前身頃第2弾性部材及び前記後身頃第2弾性部材が配された胴回り第2環状弾性領域、及び前記レッグ弾性部材が配された脚回り環状弾性領域を、それぞれ、自然状態から1.5倍の長さまで伸長させたときの引張荷重が、順に4N以下、2N以下、3N以下、2N以下であり、
    前記吸収体の前記切込部は、自然状態において閉じるようになされており、
    前記吸収体は2層以上の吸収材からなり、第1吸収材と第1吸収材より肌当接面側に位置する第2吸収材とを具備し、第1吸収材と第2吸収材は、それぞれ、長手方向の両側部に層切込部を有し、且つ第1吸収材の層切込部と第2吸収材の層切込部とがそれぞれの少なくとも一部において重なって、前記切込部を形成しており、該切込部の縁部から該縁部に直行する方向の吸収体内部方向に向かって吸収材の層数が増加するようにされている、パンツ型使い捨ておむつ。
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